JP5243832B2 - 電気めっき方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属基体の表面に電気めっきする電気めっき方法に関し、特に電気めっき前の金属基体の溶解を防止して極めて薄い金属基体であっても二酸化炭素及び不活性ガスの少なくとも一方と界面活性剤を含み、平均粒径が100μmより大きい金属粉末を金属粉末が溶解しなくなる量以上に添加して分散させた電気めっき液で短時間で均一な被膜を電気めっきで得られるようにした電気めっき方法に関する。
従来から、半導体素子内の微細金属配線形成方法としては、スパッタリング法により基板上に例えばアルミニウム薄膜を形成した後、フォトレジストを塗布し、露光・現像処理によりパターニングを行い、エッチングにより所定の配線を形成することが行われていた。しかしながら、半導体回路素子の高度集積化、微細化に伴い、このような配線形成方法の適用が困難となってきたため、予め配線用の溝や孔を形成し、化学気相成長法CVD、スパッタリング、めっき法等によりアルミニウムや銅を溝や孔の中に埋め込み、その後に、化学的機械研磨CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により表面を研磨することにより配線を形成する方法、いわゆるダマシン法が行われるようになってきた。このダマシン法において、下層の配線への接続孔も溝形成時に孔開けし、この接続孔と溝とに同時にアルミニウムや銅を充填し、配線を形成する方法はデュアルダマシン法と呼ばれている。
近年、半導体装置の配線形成工程としては、電解めっき法を適用したダマシン法が主流となっている(下記特許文献1、2参照)。ここで下記特許文献1に従来例として開示されているダマシン法を適用した3次元実装用半導体装置の配線の形成方法について図3及び図4を用いて説明する。この配線の形成方法は、図3Aに示すように、例えばシリコン基板等の基板70の表面にリソグラフィ及びエッチング技術により孔72を形成し、次いで、図3Bに示すように、この基板70の表面に例えばCVDによりSiOからなる絶縁膜74を形成して孔72の表面を絶縁膜74で覆い、これによって、電気が漏れないようにし、更に、図3Cに示すように、絶縁膜74の上に電解めっきの給電層としてのシード層76を例えばCVDやスパッタリングで形成する。
そして、図3Dに示すように、基板70の表面に電解めっきによる銅めっきを施すことで、基板70の孔72の内部に銅を充填させるとともに、絶縁膜74の上に銅めっき膜78を堆積させ、その後、図3Eに示すように、CMP法により、基板70上の銅めっき膜78及び絶縁膜74を除去し、孔72内に充填させた銅めっき膜78の表面を基板70の表面と略同一平面となるようにして埋込み配線を形成している。
この下記特許文献1に開示されている埋め込み配線は、孔72の径Wが5〜20μm程度であり、深さDが50〜70μm程度のものに適用し得るとされている。そして、下記特許文献1に開示された発明では、図3Dに示した電解めっきによる銅めっき工程においては、図4Aに示すように孔72の入口近傍で銅がオーバーハングして銅配線の内部にボイド(巣)が生じるのを防止するため、図4Bに示すように電解めっき工程の途中でめっき膜の一部をエッチングする工程を追加し、更に図4C及び図4Dに示すように所望の回数電解めっき工程及びめっき膜のエッチング工程を繰り返すことにより、図4Eに示すように溝72内を銅で埋めるようにしている。
なお、上述のような特許文献1に開示された発明を適用しても、0.20μm程度ないしはそれ以下というような狭い溝ないし孔内に銅をボイドなく埋め込むことは困難であるため、下記特許文献2に開示された発明では、めっき液の組成を調整して溝ないし孔の底部側と入口側の金属析出速度を調整することで対処するようにしている。
特開2003− 96596号公報(特許請求の範囲、段落[0003]〜[0010]、[0011]、図4、図6、図8) 特開2005−259959号公報(特許請求の範囲、段落[0011]、[0013]、[0029]、図1、図2) 特開2003−321798号公報(段落[0001]〜[0009]) 特開2005−154816号公報(請求項15、段落[0023]〜[0036]、図1) 特開平 7−268696号公報(特許請求の範囲、段落[0021]〜[0022]、図1、図2)
上述のように、ダマシン法ないしデュアルダマシン法においては、絶縁膜の表面にCVD法ないしスパッタリング法によって電解めっきの給電層としてのシード層、すなわち極めて薄い金属基体を形成するとともに、この金属基体の表面に同種の金属を電気めっきすることが行われている。しかしながら、我々の実験によるとこの金属基体を電気めっき液に浸漬して同種の金属電気めっきを行うと、金属基体が厚板の場合であっても、金属基体が溶解してしまうために正常な滑らかなめっき表面が得られず、めっき不良となるものが多く見出された。このような現象は、特に金属基体の溶解速度が速い超臨界流体ないしは亜臨界流体を用いた電気めっき法(上記特許文献3、4参照)の場合には顕著に表れる。
発明者等は、めっき層の析出速度が速く、かつ、下地金属基体への密着性が良好な電気めっき法を得るべく種々実験を重ねた結果、予め電気めっき液中に二酸化炭素及び不活性ガスの少なくとも一方と、金属基体、電気めっき処理にて得られる金属被膜の少なくとも一方と同種の金属であって、平均粒径が100μmより大きい金属粉末を多量に添加すると共に、亜臨界状態又は超臨界状態において電気めっきを行った。
このとき、先ず、めっき液より金属イオンが析出してめっき層を形成する。析出により減少した金属イオンは多量に添加された平均粒径が100μmより大きい金属粉末がめっき液中に溶解することによって補充され、めっき液は亜臨界又は超臨界環境であって摩擦が発生せず粘度もほぼゼロに近いことから、金属粉末は金属粉末の粒径が大きいことと併せてめっき層内に取り込まれにくく誘導共析現象の発生を防止でき、均一で均質な膜厚の薄膜金属層が形成できる。なお、本明細書における誘導共析現象とは、電気めっき時に金属粉末の一部も同時にめっき被膜中に取り込まれる現象を意味する。(図5を参照。)
一方、金属粉末の粒径が小さいとめっき層に吸着されたとき、めっき層内に取り込まれ易くなって、誘導共析現象を引き起こして凸部を形成してしまう。このような観点から、亜臨界状態又は超臨界状態においてめっき液中に多量に添加する金属粒子の平均粒径を100μmより大きくすることによって、金属イオンの補充も十分になされ、誘導共析現象を発生させることなく金属粉末粒子による凸部も形成されない均一で均質な膜厚の薄膜金属層が形成できるということを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、電気めっきする前の金属基体の溶解を防止し、特に極めて薄い金属基体であっても電気めっきが行え、また、誘導共析現象による凸部も形成されない均一で均質な膜厚のめっき層被膜を電気めっきで得られるようにした電気めっき方法を提供することを目的とする。
なお、上記特許文献5には、ニッケル系めっき液中のニッケル濃度を調整する目的で溶解槽内に粒状ないしは粉状ニッケルを直接添加するようになしたものが開示されているが、電気めっき槽についての記載はなく、得られたニッケル系めっき液を別途電気めっき槽に供給して電気めっきを行っていることは明らかである。
上記目的を達成するため、本発明の電気めっき方法は、電気めっき液として二酸化炭素及び不活性ガスの少なくとも一方と界面活性剤を含み、前記金属基体と同種かつ平均粒径が100μmより大きい金属粉末を金属粉末が溶解しなくなる量以上に添加して分散させたものを用い、超臨界状態又は亜臨界状態で電気めっきを行うことを特徴とする。
本発明の電気めっき方法によれば、電気めっき液が二酸化炭素及び不活性ガスの少なくとも一方と界面活性剤を含み、平均粒径が100μmより大きい金属粉末を金属粉末が溶解しなくなる量以上に添加して分散させ、超臨界状態又は亜臨界状態で電気めっきを行うため、めっき液は亜臨界又は超臨界環境であって摩擦が発生せず粘度もほぼゼロに近いことから、金属粉末は金属粉末の粒径が大きいことと併せてめっき層内に取り込まれにくく誘導共析現象の発生を防止でき、均一で均質な膜厚の被膜を得ることができる。
また、本発明において、前記金属粉末は、金属基体と同種の金属である。
そのため、本発明の電気めっき方法によれば、電気めっき液中に必要とする金属イオンは金属粉末から十分補給されるので所望のめっき層が得られるようになる。


また、本発明は、前記電気めっき方法において、前記金属基体を前記電気めっき液に浸漬する前から、前記金属基体が溶解しない電圧を印加しておくことを特徴とする。
本発明の電気めっき方法によれば、金属基体を前記電気めっき液に浸漬する前から、前記金属基体が溶解しない電圧が印加されているため、金属基体を電気めっき液に浸漬する前に電気めっき液が十分安定した状態となっており、金属基体をめっき液に浸漬しても金属基体が溶解することはなく、特に微細配線形成用に最適となる。
また、本発明は、前記電気めっき方法において、前記金属基体が溶解しない電圧は電気めっき時の電圧であることを特徴とする。
本発明の電気めっき方法によれば、金属基体を電気めっき液中に浸漬する前に電気めっき時の電圧が印加されているため、金属基体を電気めっき液に浸漬すると直ちに金属基体表面に電気めっきが行われるので、短時間で所定の電気めっき層を得ることができるようになる。
また、本発明は、特にダマシン法ないしデュアルダマシン法等による高度集積化、微細化された半導体回路素子の微細配線形成用として適用した場合に下記のような優れた効果を奏する。
すなわち、半導体回路素子の微細配線を形成するには、図3に示すように半導体基板の基体上に配線となる孔を設け、その上にシード層を形成し、シード層を覆うように金属めっきを施した後、平坦面を研磨することにより、微細配線を露出させるのが一般的な方法である。しかしながら、配線を微細にしようとすると、前記孔は微小な大きさになり、金属粒子により孔が塞がれてしまうことで、微細配線に「す」とよばれる空洞が生じてしまう。(図4C参照。)
しかしながら、本発明は、電気めっき液として二酸化炭素及び不活性ガスの少なくとも一方と界面活性剤を含み、平均粒径が100μmより大きい金属粉末を金属粉末が溶解しなくなる量以上に添加して分散させたものを用い、超臨界状態又は亜臨界状態で電気めっきを行うようにしているため、電気めっき液は亜臨界又は超臨界環境であって摩擦が発生せず粘度もほぼゼロに近いことから、金属粉末は金属粉末の粒径が大きいことと併せてめっき層内に取り込まれにくく、微細配線を形成するための微細な孔に電気めっき液が十分浸透して電気めっきを行うことができ、「す」の無い微細配線を形成することができる。したがって、本発明は、特にダマシン法ないしデュアルダマシン法等による高度集積化、微細化された半導体回路素子の微細配線形成用にも有効に適用することができるようになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、各種実験例及び図面を用いて詳細に説明するが、以下に述べる各種実験例は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、図1は各実験例で使用した電気めっき装置の概略図であり、図2は電気銅試料からの銅溶解量と経過時間との間の関係を示す図である。
[電気めっき液]
以下に述べる各種実験例において使用した銅用の電気めっき液の組成、実験系の構成は次のとおりである。
電気めっき液組成
硫酸銅(CuSO・5HO) 70g/L
硫酸(HSO) 180g/L
塩素イオン(Cl) 50mg/L
非イオン界面活性剤 10ml/L
なお、以下においては上記組成の銅用電気めっき液を「ハイスロー浴」と称する。
[電気めっき装置]
電気めっき装置10としては、図1に示したように、超臨界流体ないし亜臨界流体を用いて電気めっきを行うことができるようにするため、耐圧電気めっき槽11を用いた。この耐圧電気めっき槽11には、必要に応じて二酸化炭素ボンベ12からの二酸化炭素を高圧ポンプユニット13及びバルブ14を経て上部の蓋15に設けられた入口16に供給することができ、また、この二酸化炭素を上部の蓋15に設けられた出口17から圧力調整ユニット18を経て周囲大気中に排出することができるようになっている。
そして、耐圧電気めっき槽11は蓋15を外すことによって所定量の電気めっき液19を注入することができるとともに、耐圧電気めっき槽11内には撹拌手段としてのスターラー20が挿入されており、さらに、この耐圧電気めっき槽11はオーブン21内に載置されて内部に挿入された電気めっき液19を所定の恒温に維持することができるようになっている。
さらに、耐圧電気めっき槽11の上部から金属基体試料22及び対極23が電気的に絶縁されて配置されており、また、金属基体試料22は直流電源24の−端子に電気的に接続され、対極23は直流電源24の+端子に電気的に接続されている。なお、以下における実験例、実施例等においては、金属基体試料22として銅板ないしはTaN膜表面に形成された銅薄膜を使用し、対極23としては市販の含燐銅を使用した。
この電気めっき装置10においては、超臨界状態ないしは亜臨界状態で実験を行う場合には、二酸化炭素ボンベ12、高圧ポンプユニット13、バルブ14、圧力調整ユニット18を操作して耐圧電気めっき槽11内を圧力8〜10MPaに維持するとともに、オーブン21を操作することにより電気めっき液19を40℃に加熱し、耐圧電気めっき槽11内を超臨界状態ないしは亜臨界状態とした。また、1気圧の条件下で実験を行う場合には、二酸化炭素ボンベ12、高圧ポンプユニット13、バルブ14及び圧力調整ユニット18を操作することにより耐圧電気めっき槽11内を大気圧下に開放し、オーブン21を操作することにより電気めっき液19を所定温度に加熱した。
[実験例1〜3]
実験例1〜3では、上記のハイスロー浴を使用し、超臨界状態で電気めっきを行いそれぞれの実験例における金属基体の溶解性について調査した。金属基体試料22としてはスパッタリング法によりTaN膜上に厚さ65nmの銅薄膜を形成したものを用いた。この金属基体試料22を酸洗前処理後に、対極23とともに上記耐圧めっき槽11内の電気めっき液19の上部に、電気めっき液19に触れないように配置し、金属基体試料22と対極23間に印加開始時期を実験例毎に変化させて電圧を印加した。なお、電気めっき液19の使用量は30mlとした。
この状態で、耐圧電気めっき槽11内の電気めっき液19の温度を40℃に加熱し、スターラー20で電気めっき液19を撹拌せずに、二酸化炭素ボンベ12、高圧ポンプユニット13、バルブ14及び圧力調整ユニット18を操作することによって耐圧電気めっき槽11内の圧力が10MPaとなるように加圧した。そして、耐圧電気めっき槽11内の圧力が10MPaとなると同時にスターラー20で電気めっき液19を撹拌した。なお、金属基体試料22と対極23間には、実施例1では加圧開始後5分経過してから、実施例2では加圧開始後直ちに、実施例3では昇圧開始と同時にそれぞれ電圧の印加を開始した。
そうすると、電気めっき液19の温度が40℃の場合の二酸化炭素の臨界圧力は約7.38MPaであるから、上記の温度及び圧力条件下では耐圧電気めっき槽11内は実質的に超臨界状態ないし亜臨界状態となっており、電気めっき液19中に含有されている界面活性剤のために電気めっき液19は実質的に摩擦が発生せず粘度もほぼゼロに近い状態となって耐圧電気めっき槽11内に充満して金属基体試料22及び対極23と十分に接触する状態となる。
それぞれの実験例におけるめっき状態の結果は下記表1に記載したとおりであった。
Figure 0005243832
すなわち、実験例1の条件の場合、銅薄膜からなる金属基体試料22はめっき電圧を印加する前に全て溶解してしまったため、銅めっき被膜は得られなかった。実験例2の条件の場合、銅薄膜からなる金属基体試料22はかなりの部分が溶解したが、部分的に残っていた部分が電気めっきされていた。また、実験例3の条件の場合はめっき被膜は得られたが均一ではなく、まだら状であった。
以上のことからすると、臨界状態ないし亜臨界状態で銅からなる金属基体に銅を電気めっきするには、一般的に使用されているハイスロー浴を使用すると電気めっき液と銅薄膜からなる金属基体との間の反応が早いために、良好な電気めっき被膜が得られないことが分かる。
[実験例4]
そこで、実験例4として上記のハイスロー浴を用い、加圧条件として超臨界状態又は亜臨界状態となっていない条件下でのめっき状態を調査した。すなわち、耐圧電気めっき槽11内に電気めっき液としてハイスロー浴を40ml注入し、耐圧電気めっき槽11内の電気めっき液19の温度を40℃に加熱した。次いで、上記と同様の銅薄膜からなる金属基体試料22を電気めっき液19に浸漬されるように配置した。
そして、この状態で、スターラー20で電気めっき液19を撹拌せずに、二酸化炭素ボンベ12、高圧ポンプユニット13、バルブ14及び圧力調整ユニット18を操作することによって耐圧電気めっき槽11内の圧力が5MPaとなるように加圧した。そして、耐圧電気めっき槽11内の圧力が5MPaとなると同時にスターラー20で電気めっき液19を撹拌するとともに、直流電源24から金属基体試料22及び対極23間に電気めっき用電圧を印加した。
この5MPaという加圧状態は、40℃では臨界条件に達しないため、ハイスロー浴は液状で存在している。この場合では、直流電圧印加前に銅薄膜からなる金属基体の大部分は溶解してしまい、一部にのみ電気めっき被膜が得られた。
[実験例5]
上記実験例1〜4の結果に鑑み、銅からなる金属基体は銅用の電気めっき液であるハイスロー浴への溶解速度が速いことから、電気めっき液の組成について検討を加えた。すなわち、上述したハイスロー浴には安定化のために硫酸及び塩素イオンが添加されており、これが金属基体の溶解速度の上昇につながっていた。そこで、実験例5では銅からなる金属基体の溶解速度を遅くすることを目的として、硫酸及び塩素イオンを除外した下記のような組成の電気めっき液を用いて実験を行った。なお、界面活性剤は上述のものと同じものである。
[電気めっき液組成]
電気めっき液は、「ハイスロー浴」を用いた。
[電気めっき装置]
図1に示した電気めっき装置10を使用し、前記組成の電気めっき液を耐圧電気めっき槽11内に40ml注入し、耐圧電気めっき槽11内の電気めっき液の温度を40℃に加熱した。次いで、実験例1〜4で使用したものと同様の銅薄膜からなる金属基体試料22を電気めっき液19に浸漬されるように配置した。この状態で、特に加圧せずに大気圧下においてスターラー20で電気めっき液19を撹拌するとともに、直流電源24から金属基体試料22及び対極23間に電気めっき用電圧を印加した。
この実験例5においては、一部に金属基体試料22から銅薄膜の溶出が生じているが、部分的にメッキ被膜が得られた。このように、従来の銅用電気めっき液から硫酸や塩素イオンを除外しても銅薄膜の溶出が生じ、正常に電気めっきすることができないことが確認された。
[実験例6]
実験例1〜5の結果からして、銅からなる金属基体に銅の電気めっきを行うためには電気めっき液への銅の溶解速度を遅くする必要があることが分かる。そこで、実験例6としては銅用電気めっき液への銅溶解速度を調べた。まず、2cm×2cm×5mmの電気銅試料を用意し、実験例1〜4で使用されたハイスロー浴からなる銅用電気めっき液を耐圧電気めっき槽11内に40ml注入し、この電気銅試料を銅用電気めっき液19内に浸漬し、1気圧60℃における溶解速度を調べた。電気銅試料からの銅の溶解量は重量測定により行った。銅溶解量と経過時間との関係を図2に示す。
図2に示した結果から、31時間経過してもハイスロー浴中の銅濃度は飽和濃度にまでに達していないことから、バルクの銅を用いた場合には銅用電気めっき液中の銅濃度を飽和状態とするには相当の時間が必要であることが分かった。
そこで、さらに実験例1〜4で使用された銅用電気めっき液に対して銅粉末を添加した場合の溶解性を調べた。銅粉末として200メッシュ通過粒分を用い、前記のハイスロー浴500mlに対して撹拌しながら0.3g添加したところ、銅粉末が分散状態で存在している電気めっき液が得られた。このように、従来から使用されている銅用の電気めっき液に対して銅を飽和させるには粉末状態の銅を添加することが好ましいことが分かった。
[実験例7〜10]
次に、各種の銅用電気めっき液に対して上記実験例1〜5で用いたのと同様の金属基体試料を大気圧下25℃で浸漬した場合の溶解性を調査した。銅用電気めっき液としては実験例7〜実験例10の4種類を用いた。電気めっき液として、実験例7ではハイスロー浴のみ、実験例8ではハイスロー浴に電気銅を添加したもの、実験例9ではハイスロー浴に銅粉末を添加したもの、実験例10は、実験例9の電気めっき液に界面活性剤を添加したものをそれぞれ使用した。なお、実験例9及び10における銅粉末の添加割合は、実験例6に示したものと同様に、200メッシュ通過粒分の銅粉末をハイスロー浴500mlに対して撹拌しながら0.3g添加したものである。また、実験例10で使用した界面活性剤は、ハイスロー浴中に添加されているものと同種のものであり、耐圧電気めっき槽11内に直接追加添加したものである。
上述の4種類の銅用電気めっき液をそれぞれ耐圧電気めっき槽11内に40ml注入し、金属基体試料22をこの4種類の銅用電気めっき液に大気圧下25℃で浸漬して3分、5分、10分、12分及び15分経過後のそれぞれの表面状態を調査した。結果をまとめて表2に示した。なお、表2に示した結果は、銅表面に溶解が認められなかったものを○、銅表面に溶解状態が認められたものを△、銅が全て溶解したものを×で表したものである。
Figure 0005243832
表2に示した結果から、ハイスロー浴に対して予めバルクの電気銅を溶解させても銅からなる金属基体の溶出を抑止できなかったが、銅金属粉末を添加して銅金属粉末が粉末状態で分散している状態のものでは金属基体の溶出を抑止することができ、さらに、界面活性剤を多めに添加するとさらに金属基体の溶出を抑止することができることが確認できた。
[実験例11〜13]
表2に示した結果から、銅金属粉末を添加して銅金属粉末が粉末状態で分散している状態の銅めっき液を使用するとともに、界面活性剤を多めに添加するとさらに銅からなる金属基体の溶出を抑止することができることが明らかになったので、実験例10の電気めっき液を使用し、上記実験例1〜5で用いたのと同様の銅の金属基体試料22に対して金属基体試料22と対極23との間に印加する電圧を変化させた場合の金属基体からの銅の溶出状態の変化を調べた。
すなわち、実験例11は電圧を印加せず、実験例12は1Vの電圧を印加し、実験例13は5Vの電圧を印加し、また、それぞれの電気めっき液の使用量は40ml、電気めっき液の温度は40℃とし、全て撹拌状態で実験を行った。なお、この1Vの電圧は理論的には銅めっきが進行せず、かつ銅が溶解しないと考えられている電圧である。
結果をまとめて表3に示した。なお、表3においては、目視状態において正常な銅めっき被膜が形成されているものを○、めっき被膜が形成されているがムラがあるものを△、全て溶解してしまったものを×で示した。
Figure 0005243832
表3に示した結果から、ハイスロー浴に銅粉末を添加して銅粉末が浮遊状態となるようにし、かつ、界面活性剤を多く添加した電気めっき浴を用いて銅からなる金属基体に銅めっきを行うには、金属基体を電気めっき液に浸漬する前から電気めっきに必要な電圧(ここでは5V)を印加しておいた方が好ましいことが分かる。
[実験例14]
実験例14では、表3に示された最も良好な結果が得られた実験例13の条件を採用して、図1に示した電気めっき装置10を使用し、超臨界条件で電気めっきを行った。銅の電気めっき液としては、実験例13のものと同様に、ハイスロー浴に銅粉末を添加して銅粉末が浮遊状態となるようにしたものを30ml耐圧電気めっき層11内に注入し、さらに非イオン界面活性剤を0.3ml追加添加した。
次いで、金属基体試料22としてはスパッタリング法により2cm×2cmのTaN基板上に厚さ65nm銅薄膜を形成したものを用いた。この金属基体試料22を酸洗前処理後に、対極23とともに上記耐圧電気めっき槽11内の電気めっき液19の上部に、電気めっき液19に触れないように配置した。なお、電気めっき液19の使用量は30mlとした。次いで、実験例1〜5で使用したものと同様の金属基体試料22を酸洗前処理後に、対極23とともに上記耐圧めっき槽11内の電気めっき液19の上部に、電気めっき液19に触れないように配置した。
この状態で、耐圧電気めっき槽11内の電気めっき液の温度を40℃に加熱し、金属基体試料22と対極23との間に5Vの電圧を印加し、最初にスターラー20で電気めっき液19を撹拌せずに、二酸化炭素ボンベ12、高圧ポンプユニット13、バルブ14及び圧力調整ユニット18を操作することによって耐圧電気めっき槽11内の圧力が10MPaとなるように加圧した。そして、耐圧電気めっき槽11内の圧力が10MPaとなると同時にスターラー20で電気めっき液19を撹拌した。
この状態を3分間維持し、次いで金属基体試料22と対極23との間に5Vの電圧を印加したまま圧力調整ユニット18を操作することによって耐圧電気めっき槽11内の二酸化炭素を徐々に排気して圧力を大気圧にまで下げた。得られた金属基体試料22の表面には良好な銅めっき被膜が形成されていた。したがって、この実験例14で採用した操作条件によれば、超臨界流体によるダマシン法ないしはデュアルダマシン法に対しても適用可能であることが明らかとなった。
なお、上記実験例においては、銅粉末として200メッシュ通過の粒度のものを用いたが、この銅粉末は電気めっき液中の銅濃度を実質的に飽和濃度に維持することを目的とするものである一方、金属粒子がめっき層内に取り込まれる誘導共析現象を防止するために粒径は大きい方がよい。特に100μmより大きい粒子を使用すると、電解液への分散状態は良好であり、しかも誘導共析現象も発生し難いため、1μm未満の精度を持つ基板構造にも容易に電気めっきすることができるようになる。また、金属粒子の粒径は1mm程度までは良好な分散状態が得られ緻密で均一な膜厚のめっきが得られる。
また、上記各実験例においては、金属基体及び電気めっきする金属がともに銅の場合について説明したが、本発明の電気めっき方法は金属基体と電気めっきする金属が同種の場合であれば同様の効果を奏する。そのため、金属基体及び電気めっきする金属としては、銅の場合だけでなく、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト等に対しても等しく適用可能である。
各実験例で使用した電気めっき装置の概略図である。 電気銅試料からの銅溶解量と経過時間との間の関係を示す図である。 図3A〜図3Eは従来例の3次元実装用半導体装置の配線の形成工程を順に説明する図である。 図3に示した従来で採用されているボイド抑制工程を説明する図である。 金属粒子がめっき層に取り込まれた誘導共析現象の問題点を説明する図である。
符号の説明
10 電気めっき装置
11 耐圧電気めっき槽
12 二酸化炭素ボンベ
13 高圧ポンプユニット
14 バルブ
15 蓋
16 入口
17 出口
18 圧力調整ユニット
19 電気めっき液
20 スターラー
21 オーブン
22 金属基体試料
23 対極
24 直流電源

Claims (3)

  1. 金属基体の表面に電気めっきする方法において、電気めっき液は、二酸化炭素及び不活性ガスの少なくとも一方と界面活性剤を含み、前記金属基体と同種かつ平均粒径が100μmより大きい金属粉末を金属粉末が溶解しなくなる量以上に添加して分散させたものであり、超臨界状態又は亜臨界状態で電気めっきを行うことを特徴とする電気めっき方法。
  2. 前記金属基体を前記電気めっき液に浸漬する前から、前記金属基体が溶解しない電圧を印加しておくことを特徴とする請求項1に記載の電気めっき方法。
  3. 前記金属基体が溶解しない電圧は電気めっき時の電圧であることを特徴とする請求項に記載の電気めっき方法。
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