JP5242266B2 - 永久磁石モータおよび洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転子のコア内部に複数の永久磁石を備えた永久磁石モータおよび当該永久磁石モータを備えた洗濯機に関する。
この種の永久磁石モータでは、当該永久磁石モータにより駆動する負荷(例えばドラム式洗濯乾燥機のドラム)に応じて、固定子巻線に鎖交する永久磁石の磁束量(鎖交磁束量)を適正に調整することが望まれている。
ところが、永久磁石モータに備えられる永久磁石は1種類で構成されることが一般的であり、従って、永久磁石の磁束量が常に一定となる。この場合、例えば、保磁力が大きい永久磁石のみで構成すると、高速回転時の永久磁石による誘導電圧が極めて高くなり電子部品の絶縁破壊などを招くおそれがある。一方、保磁力が小さい永久磁石のみで構成すると、低速回転時の出力が低下してしまう。
そこで、例えば、特許文献1に記載の永久磁石モータでは、回転子のコア内部に保磁力が異なる2種類の永久磁石を配設し、そのうち、保磁力が小さい永久磁石の磁化状態を、電気子反作用による外部磁界(固定子巻線に流れる電流により発生する磁界)にて減磁または増磁させることにより、永久磁石の磁束量を調整するようにしている。
特開2006−280195号公報
しかしながら、特許文献1に記載の永久磁石モータでは、回転子のコア内部において、1磁極を構成する部分に複数の永久磁石が配設されており、しかも、これら複数の永久磁石は、それぞれの磁化方向が異なった方向に向いた状態で配置されている。そのため、永久磁石を減磁または増磁させるために必要な外部磁界が大きくなってしまう。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動する負荷に応じた永久磁石の磁束量の調整を、高速回転時の絶縁破壊や低速回転時の出力低下などを招くことなく行うことができ、しかも、永久磁石を減磁または増磁させた場合の磁束量の変化幅を大きくできる永久磁石モータおよび当該永久磁石モータを備えた洗濯機を提供することにある。
本発明の請求項1記載の永久磁石モータは、回転子のコア内部に複数の磁極を形成する永久磁石を備えた永久磁石モータにおいて、前記永久磁石は、1磁極あたり1種類となるように配置された保磁力が異なる複数種類の永久磁石から構成され、これら複数種類の永久磁石のうち相対的に保磁力が小さい永久磁石は、1磁極あたり複数個の永久磁石片で構成され、且つ、これら複数個の永久磁石片間に当該永久磁石片の磁化方向と直交する方向に隙間を持たせた構成となっていることに特徴を有している。
本発明の請求項6記載の洗濯機は、請求項1ないし5の何れかに記載の永久磁石モータと、この永久磁石モータの駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記永久磁石のうち相対的に保磁力が小さい永久磁石の磁化状態を切り換えられるように構成したことに特徴を有している。
本発明の請求項1記載の永久磁石モータによれば、駆動する負荷に応じた永久磁石の磁束量の調整を、高速回転時の絶縁破壊や低速回転時の出力低下などを招くことなく行うことができる。
しかも、複数種類の永久磁石のうち相対的に保磁力が小さい永久磁石は、1磁極を構成する複数個の永久磁石片の磁化方向が同一方向に向いた状態で配置される。また、当該保磁力が小さい永久磁石は、磁化方向と直交する方向に隙間を有した分、磁化方向に見た1磁極あたりの断面積が小さくなり、パーミアンス係数が大きくなる。従って、当該保磁力が小さい永久磁石を減磁または増磁させた場合の永久磁石の磁束量の変化幅を大きくできる。
本発明の請求項6記載の洗濯機によれば、永久磁石の磁束量を効率よく調整することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図2は、永久磁石モータ1(アウタロータ型ブラシレスモータ)の全体構成を概略的に示す斜視図である。永久磁石モータ1は、固定子2と、これの外周に設けた回転子3とから構成されている。
固定子2は、図3にも示すように、固定子コア4と固定子巻線5とから構成されている。固定子コア4は、打ち抜き形成した軟磁性体であるケイ素鋼板を多数枚積層し且つかしめることにより構成したもので、環状のヨーク部4aと、当該ヨーク部4aの外周部から放射状に突出する多数のティース部4bとを有している。固定子コア4の表面は、回転子3の内周面との間に空隙を形成する外周面4c(各ティース部4bの先端面)を除き、PET樹脂(モールド樹脂)により覆われている。また、このPET樹脂から成る複数の取付部6が、固定子2の内周部に一体的に成形されている。これら取付部6には複数のねじ穴6aが設けられており、これら取付部6をねじ止めすることで、固定子2が、この場合、ドラム式洗濯乾燥機21の水槽25(図5参照)の背面に固着されるようになっている。固定子巻線5は三相からなり、各ティース部4bに巻装されている。
回転子3は、図4にも示すように、フレーム7と回転子コア8と複数の永久磁石9とを図示しないモールド樹脂により一体化した構成となっている。フレーム7は、磁性体である例えば鉄板をプレス加工することにより扁平な有底円筒状に形成したもので、円形の主板部7aと、この主板部7aの外周部から段部7bを経て起立する環状の周側壁7cとを有する。主板部7aの中心部には、回転軸26(図5参照)を取付るための軸取付部10が設けられており、この軸取付部10と段部7bとの間には、複数の通風孔11およびリブ12が軸取付部10を中心に放射状に形成されている。
回転子コア8は、ほぼ環状に打ち抜き形成した軟磁性体であるケイ素鋼板を多数枚積層し且つかしめることにより構成したもので、フレーム7の周側壁7cの内周部に配置されている。この回転子コア8の内周面(固定子2の外周面(固定子コア4の外周面4c)と対向し当該固定子2との間に空隙を形成する面)は、内方に向けて円弧状に突出する複数の凸部8aを有した凹凸状に形成されている。
図1にも示すように、これら複数の凸部8aの内部には、回転子コア8を軸方向(ケイ素鋼板の積層方向)に貫通する挿入穴13が形成されており、これら複数の挿入穴13が回転子コア8において環状に配置された構成となっている。また、これら複数の挿入穴13は、短辺方向(永久磁石モータ1の径方向)の寸法が異なる2種類の挿入穴13a,13bから構成されている。この場合、挿入穴13aは、その短辺方向の寸法が2.1mm、長辺方向(永久磁石モータ1の周方向)の寸法が12.0mm、深さ方向(永久磁石モータ1の前後方向)の寸法が19.0mmとなっている。また、挿入穴13bは、その短辺方向の寸法が5.2mm、長辺方向の寸法が12.0mm、深さ方向の寸法が19.0mmとなっている。
挿入穴13aは、その長辺方向の両端部が短辺方向に若干広がったほぼ矩形状の開口穴となっている。挿入穴13bは、矩形状の開口穴となっており、その内部に、当該挿入穴13bの外方側(永久磁石モータ1の外方側)の内壁面から内方に突出すると共に深さ方向に延びる複数(この場合、5つ)の凸条部14をそれぞれ有している。これら複数の凸条部14は、挿入穴13bの長辺方向に沿って等間隔(この場合、2.1mmの間隔)に配置されている。これにより、挿入穴13bの内部は、凸条部14によって4つの空間に仕切られた構成となっている。これら挿入穴13a,13bは、回転子コア8の周方向に沿って1つずつ交互に配置されている。
永久磁石9は、挿入穴13aに挿入されたネオジム磁石9aと、挿入穴13bに挿入されたアルニコ磁石9bとから構成されている。この場合、ネオジム磁石9aの保磁力は約900kA/m、アルニコ磁石9bの保磁力は約100kA/mであり、保磁力が9倍程度異なっている。即ち、永久磁石9は保磁力が異なる2種類の永久磁石9a,9bから構成され、これら永久磁石9a,9bは、回転子コア8内部においてほぼ環状に且つ1つずつ交互に配置されている。
また、これら2種類の永久磁石9a,9bは、それぞれ1種類で1磁極を形成しており、その磁化方向が永久磁石モータ1の径方向(永久磁石モータ1の外周部から固定子2と回転子3間の空隙に向かう方向)に沿うように配設されている。このように2種類の永久磁石9a,9bを交互に且つその磁化方向が径方向に沿うように配置することにより、隣どうしに配置された永久磁石9a,9bが互いに反対方向に磁極を有する状態(一方のN極が内側、他方のN極が外側となる状態)となり、これらネオジム磁石9aとアルニコ磁石9bとの間に例えば矢印Bで示す方向に磁気経路(磁束)が生ずる。尚、上方の破線で示す矢印は、回転子コア8を経由する磁束である。即ち、保磁力が大きいネオジム磁石9aと保磁力が小さいアルニコ磁石9bの双方を通過する磁気経路が形成されるようになっている。
また、ネオジム磁石9aは、1磁極あたり1個の角柱形状のネオジム磁石片で構成されている。一方、アルニコ磁石9bは、1磁極あたり複数個(この場合、4個)の角柱形状のアルニコ磁石片9b´で構成されており、これら4個のアルニコ磁石片9b´は、それぞれ挿入穴13b内の凸条部14間に挟まれて配置されている。即ち、アルニコ磁石9bは、4個のアルニコ磁石片9b´間に当該アルニコ磁石片9b´の磁化方向(永久磁石モータ1の径方向)と直交する方向(永久磁石モータ1の周方向)に隙間(凸条部14間の寸法に相当する隙間)を持たせた構成となっている。
次に、このように構成されたネオジム磁石9aおよびアルニコ磁石9bについて、永久磁石のパーミアンス係数と、永久磁石の1磁極あたりの永久磁石片の個数との積によって求められる値を比較する。
この場合、アルニコ磁石9bについて、当該アルニコ磁石9bのパーミアンス係数と、当該アルニコ磁石9bの1磁極あたりの永久磁石片の個数(4個)との積によって求められる値は、ネオジム磁石9aについて、当該ネオジム磁石9aのパーミアンス係数と、当該ネオジム磁石9aの1磁極あたりの永久磁石片の個数(1個)との積によって求められる値よりも大きくなっている。
ここで、上記のネオジム磁石9a,アルニコ磁石9bのような角柱形状の永久磁石のパーミアンス係数Pcは、次式によって求められる。
Pc=(Lm/(W×L))×(Pl/1.1)
Lm:永久磁石の磁化方向の厚み寸法
W:永久磁石の磁化方向と直交する方向の寸法
L:永久磁石の深さ方向の寸法
Pl:漏れパーミアンス
即ち、永久磁石のパーミアンス係数は、当該永久磁石の磁化方向の厚み寸法(Lm)が大きいほど、また、当該永久磁石の磁化方向に見た断面積(W×L)が小さいほど大きくなる。尚、漏れパーミアンスPlは、次式によって求められる。
Pl=(π×(W×L+(W+L)×Lm))1/2
次に、上記のように構成された永久磁石モータ1を備えたドラム式洗濯乾燥機21の構成について説明する。図5は、ドラム式洗濯乾燥機21の内部構成を概略的に示す縦断側面図である。
ドラム式洗濯乾燥機21の外殻を形成する外箱22は、前面に円形状に開口する洗濯物出入口23を有しており、この洗濯物出入口23は、ドア24により開閉されるようになっている。外箱22の内部には、背面が閉鎖された有底円筒状の水槽25が配置されており、この水槽25の背面中央部には上述の永久磁石モータ1(固定子2)がねじ止めにより固着されている。この永久磁石モータ1の回転軸26は、後端部(図5では右側の端部)が永久磁石モータ1(回転子3)の軸取付部10に固定されており、前端部(図5では左側の端部)が水槽25内に突出している。回転軸26の前端部には、背面が閉鎖された有底円筒状のドラム27が水槽25に対して同軸状となるように固定されており、このドラム27は、永久磁石モータ1の駆動により回転子3および回転軸26と一体的に回転する。尚、ドラム27には、空気および水を流通可能な複数の流通孔28と、ドラム27内の洗濯物の掻き上げやほぐしを行うための複数のバッフル29が設けられている。
水槽25には給水弁30が接続されており、当該給水弁30が開放されると、水槽25内に給水されるようになっている。また、水槽25には排水弁31を有する排水ホース32が接続されており、当該排水弁31が開放されると、水槽25内の水が排出されるようになっている。
水槽25の下方には、前後方向へ延びる通風ダクト33が設けられている。この通風ダクト33の前端部は前部ダクト34を介して水槽25内に接続されており、後端部は後部ダクト35を介して水槽25内に接続されている。通風ダクト33の後端部には、送風ファン36が設けられており、この送風ファン36の送風作用により、水槽25内の空気が、矢印で示すように、前部ダクト34から通風ダクト33内に送られ、後部ダクト35を通して水槽25内に戻されるようになっている。
通風ダクト33内部の前端側には蒸発器37が配置されており、後端側には凝縮器38が配置されている。これら蒸発器37および凝縮器38は、圧縮機39および絞り弁(図示せず)とともにヒートポンプ40を構成しており、通風ダクト33内を流れる空気が、蒸発器37により除湿され凝縮器38により加熱されて、水槽25内に循環されるようになっている。
外箱22の前面にはドア24の上方に位置して操作パネル41が設けられており、この操作パネル41には運転コースなどを設定するための複数の操作スイッチ(図示せず)が設けられている。操作パネル41は、マイクロコンピュータを主体として構成されドラム式洗濯乾燥機21の運転全般を制御する制御回路部42(制御部に相当)に接続されており、当該制御回路部42は、操作パネル41を介して設定された内容に従って、永久磁石モータ1、給水弁30、排水弁31、圧縮機39、絞り弁などの駆動を制御しながら各種の運転コースを実行する。
また、永久磁石モータ1において永久磁石9に対向する部分には、当該永久磁石9の磁気を検出する磁気センサ(図示せず)が配置されている。この磁気センサは、固定子2側に取り付けられた回路基板(図示せず)に実装されている。制御回路部42は、この磁気センサからの検出信号に基づいて回転子3の回転位置を演算する。そして、この演算結果に応じてインバータ回路(図示せず)を駆動することにより、固定子巻線5の通電を制御しながら回転子3を回転させるようになっている。
次に、上記のように永久磁石モータ1を備えたドラム式洗濯乾燥機21の作用について説明する。
制御回路部42がインバータ回路を介して固定子巻線5に通電すると、電気子反作用による外部磁界(固定子巻線5を流れる電流により発生する磁界)が、回転子3の永久磁石9a,9bに作用するようになる。そして、これら永久磁石9a,9bのうち、保磁力が小さいアルニコ磁石9bの磁化状態が、この電気子反作用による外部磁界により減磁または増磁され、これにより、固定子巻線5に鎖交する磁束量(鎖交磁束量)を増減することができる。そこで、本実施形態では、制御回路部42は、固定子巻線5の通電を制御することにより、アルニコ磁石9bの磁化状態を運転行程(洗濯行程、脱水行程、乾燥行程)ごとに切り換えて実行するようになっている。ここで、各運転行程における動作内容について順に説明する。
まず、洗濯行程では、制御回路部42は、給水弁30を開放して水槽25内に給水を行い、続いてドラム27を回転させて洗濯を行う。この洗濯行程においては、水を含んだ洗濯物を掻き上げるためにドラム27を高トルクで回転させる必要があるが、回転速度は低速でよい。そこで、制御回路部42は、アルニコ磁石9bの磁化状態が増磁されるように、インバータ回路による固定子巻線5の通電を制御する。これにより、固定子巻線5に作用する磁束量が多く(磁力が強く)なることから、ドラム27を高トルク低速度で回転させることができる。
次に、脱水行程では、制御回路部42は、排水弁31を開放して水槽25内の水を排出し、続いてドラム27を高速回転させることにより洗濯物に含まれる水分を脱水する。この脱水行程においては、脱水効率を向上するためにドラム27を高速で回転させる必要があるが、トルクは小さくてもよい。そこで、制御回路部42は、アルニコ磁石9bの磁化状態が減磁されるように、インバータ回路による固定子巻線5の通電を制御する。これにより、固定子巻線5に作用する磁束量が少なく(磁力が弱く)なることから、ドラム27を低トルク高速度で回転させることができる。
最後に、乾燥行程では、制御回路部42は、送風ファン36およびヒートポンプ40を駆動させるとともにドラム27を回転させることにより洗濯物の乾燥を行う。この乾燥行程においては、制御回路部42は、次回の洗濯行程に備えて、アルニコ磁石9bの磁化状態が増磁されるように、インバータ回路による固定子巻線5の通電を制御する。これにより、固定子巻線5に作用する磁束量を多くした状態とすることができ、次回の洗濯行程において、ドラム27を高トルク低速度で回転させ易くすることができる。
以上に説明したように本実施形態の永久磁石モータ1によれば、保磁力が異なる2種類の永久磁石9a,9bのうち保磁力が小さいアルニコ磁石9bの磁化状態を、電気子反作用による外部磁界により減磁または増磁することで、駆動する負荷(本実施形態ではドラム式洗濯乾燥機21のドラム27)に応じた永久磁石9の磁束量の調整が可能となる。これにより、永久磁石9の磁束量が常に一定となることがなく、高速回転時の絶縁破壊や低速回転時の出力低下などを防止できる。
しかも、保磁力が小さいアルニコ磁石9bは、挿入穴13b内において、1磁極を構成する4個の永久磁石片9b´の磁化方向が同一方向(この場合、永久磁石モータ1の径方向)に向いた状態で配置される。また、当該アルニコ磁石9bは、磁化方向と直交する方向に隙間を有した分、磁化方向に見た1磁極あたりの断面積が小さくなり、パーミアンス係数が大きくなる。従って、当該アルニコ磁石9bを減磁または増磁させるために必要な外部磁界を小さくすることができ、永久磁石9の磁束量を効率良く調整することができる。
また、永久磁石9a,9bについて、永久磁石のパーミアンス係数と、永久磁石の1磁極あたりの永久磁石片の個数との積によって求められる値は、保磁力が小さいアルニコ磁石9bの値の方が、保磁力が大きいネオジム磁石9aの値よりも大きくなるように設定した。
ここで、永久磁石を減磁または増磁させた場合の磁束量の変化幅は、「永久磁石のパーミアンス係数」が大きいほど大きくなる。また、「永久磁石の1磁極あたりの永久磁石片の個数」を多くするほど、永久磁石片間に形成される隙間の総量が多くなり(永久磁石の磁化方向に見た断面積が小さくなり)、パーミアンス係数が大きくなる。つまり、永久磁石を減磁または増磁させた場合の磁束量の変化幅が大きくなる。但し、隙間が多くなり過ぎると永久磁石全体の磁力が弱くなるため、永久磁石片間の隙間量は、要求される永久磁石の磁力に応じて制限される。
従って、これら2つのパラメータ(「永久磁石のパーミアンス係数」および「永久磁石の1磁極あたりの永久磁石片の個数」)の積の値が大きくなるようにアルニコ磁石9bを構成したことによって、その磁化状態を減磁または増磁させた場合の磁束量の変化幅を一層大きくすることができる。
また、保磁力が異なる2種類の永久磁石9a,9bを1磁極あたり1種類で且つほぼ環状となるように配置した構成は簡素であり、このような簡素な構成にて、駆動する負荷(ドラム27)に応じた永久磁石9の磁束量の調整を実現することができる。
また、2種類の永久磁石9a,9bにより形成される磁気経路は、何れも、保磁力が大きいネオジム磁石9aと保磁力が小さいアルニコ磁石9bの双方を通過する。これにより、全ての磁気経路の磁束量をほぼ同じにでき、安定した磁束量によりドラム27を駆動することができる。
また、本実施形態のドラム式洗濯乾燥機21によれば、運転行程に応じて永久磁石9の磁束量を効率よく調整することができる。
尚、本発明は、上述の一実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
保磁力が異なる2種類の永久磁石9としては、ネオジム磁石9aおよびアルニコ磁石9bに限られるものではなく、その他の種類の永久磁石(例えば、アルニコ磁石9bに代えてサマリウム・コバルト磁石など)を用いてもよい。尚、これら2種類の永久磁石9は、保磁力が概ね2倍以上異なることが好ましい。
ネオジム磁石9aを、1磁極あたり複数個の永久磁石片で構成し、且つ、これら複数個の永久磁石片間に当該永久磁石片の磁化方向と直交する方向に隙間を持たせた構成としてもよい。
永久磁石9は、角柱形状に限られるものではなく、例えば円柱形状に形成してもよい。
永久磁石9は2種類に限られるものではなく、保磁力が大、中、小の3種類の永久磁石で構成してもよいし、4種類や5種類など複数種類の永久磁石で構成してもよい。この場合、制御回路部42は、これら永久磁石のうち相対的に保磁力が小さい永久磁石の磁化状態を運転行程ごとに切り換えるようにするとよい。
永久磁石9の磁束量を調整する手段としては、インバータ回路により固定子巻線5の通電を制御する構成に限られるものではなく、例えば、固定子巻線5とは別の巻線を設け、この巻線の通電を制御する構成としてもよい。
本発明の永久磁石モータ1は、上述のドラム式洗濯乾燥機21のみならず、乾燥機能を有しない洗濯機や回転槽の軸方向が縦向きである縦軸型の洗濯機にも適用することができる。また、本発明は、上述のようなアウタロータ型の永久磁石モータ1のみならず、固定子の内周に回転子を設けたインナーロータ型モータにも適用することができる。さらに、本発明の永久磁石モータ1は、エアコンなどに搭載される圧縮機駆動用のモータなど種々のモータに適用することができる。
本発明の一実施形態を示すものであり、回転子の一部を拡大して示す部分拡大図 永久磁石モータの全体構成を概略的に示す斜視図 固定子の構成を概略的に示す斜視図 回転子の構成を概略的に示す斜視図 ドラム式洗濯乾燥機の内部構成を概略的に示す縦断側面図
符号の説明
図面中、1は永久磁石モータ、3は回転子、8は回転子コア、9は永久磁石、9aはネオジム磁石、9bはアルニコ磁石、9b´はアルニコ磁石片(永久磁石片)、21はドラム式洗濯乾燥機(洗濯機)、42は制御回路部(制御部)を示す。

Claims (8)

  1. 回転子のコア内部に複数の磁極を形成する永久磁石を備えた永久磁石モータにおいて、
    前記永久磁石は、1磁極あたり1種類となるように配置された保磁力が異なる複数種類の永久磁石から構成され、
    これら複数種類の永久磁石のうち相対的に保磁力が小さい永久磁石は、1磁極あたり複数個の永久磁石片で構成され、且つ、これら複数個の永久磁石片間に当該永久磁石片の磁化方向と直交する方向に隙間を持たせた構成となっていることを特徴とする永久磁石モータ。
  2. 前記複数種類の永久磁石のうち相対的に保磁力が小さい永久磁石について、当該永久磁石のパーミアンス係数と、当該永久磁石の1磁極あたりの永久磁石片の個数との積によって求められる値は、
    前記複数種類の永久磁石のうち相対的に保磁力が大きい永久磁石について、当該永久磁石のパーミアンス係数と、当該永久磁石の1磁極あたりの永久磁石片の個数との積によって求められる値よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石モータ。
  3. 前記永久磁石は、ほぼ環状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の永久磁石モータ。
  4. 前記永久磁石を、保磁力が異なる2種類の永久磁石から構成し、
    これら永久磁石を1磁極あたり1種類で交互に配置したことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の永久磁石モータ。
  5. 前記2種類の永久磁石は、保磁力が2倍以上異なることを特徴とする請求項4に記載の永久磁石モータ。
  6. 請求項1ないし5の何れかに記載の永久磁石モータと、
    この永久磁石モータの駆動を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記永久磁石のうち相対的に保磁力が小さい永久磁石の磁化状態を切り換えられるように構成したことを特徴とする洗濯機。
  7. 前記制御部は、前記永久磁石のうち相対的に保磁力が小さい永久磁石の磁化状態を運転行程ごとに切り換えられるように構成したことを特徴とする請求項6に記載の洗濯機。
  8. 前記運転行程は、洗濯、脱水または乾燥の何れかであることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
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