JP2013247850A - 電動機及び洗濯乾燥機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、電動機性能を向上させることができると共に、優れた回転強度を有する電動機を提供する。
【解決手段】本発明の電動機は、回転子200の回転軸方向に複数の電磁鋼板が積層されて形成された回転子鉄心210と、この回転子鉄心210の周方向に沿って等間隔に並ぶように、この回転子鉄心210に複数配置される永久磁石220と、複数の永久磁石220のそれぞれに対応するように、回転子鉄心210の径方向外側に永久磁石220を介して、回転子鉄心210とは分離されて配置される複数の磁極片230と、を備え、磁極片230のそれぞれは、回転子200の回転軸方向に延在する少なくとも1つのスリット231を有し、回転子鉄心210と各磁極片230とを一体となるように接合している成形樹脂260が、スリット231内に充填されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、永久磁石埋込型の回転子を備える電動機及びこの電動機を搭載する洗濯乾燥機に関する。
一般に、永久磁石埋込型のブラシレス電動機の回転子(ロータ)は、回転子鉄心に永久磁石が埋め込まれて周方向にN極とS極とが交互に並ぶ円筒形状を呈している。そして、このような回転子を備える電動機においては、永久磁石の磁束の全てが固定子側に有効に作用していない。つまり、電動機の回転子においては、永久磁石からのいわゆる漏れ磁束が存在する。この漏れ磁束を低減して永久磁石の磁束をより有効利用することで、永久磁石埋込型のブラシレス電動機は、そのトルク性能を向上させることができる。
従来、板状の複数の永久磁石のそれぞれにおける板面が、回転子鉄心の外周面に向くように回転子鉄心に埋め込まれたブラシレス電動機が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。そして、このブラシレス電動機の回転子鉄心には、板状の永久磁石の両端に対応する部分にそれぞれ空隙が形成されている。また、この回転子鉄心には、永久磁石の板面よりも外側(外周面側)の部分に複数のスリットが設けられている。
これら特許文献1及び特許文献2のブラシレス電動機では、回転子鉄心に前記の複数のスリットを設けることで、誘起電圧の高調波成分及びコギングトルクの低減を図っている。
特開2011−120333号公報 特開2011−101595号公報
ところが、前記の特許文献1及び特許文献2のブラシレス電動機では、永久磁石からの漏れ磁束の発生を効率よく防止することができない問題がある。
そこで、特許文献1及び特許文献2のブラシレス電動機においては、漏れ磁束の発生を防止するために、例えば永久磁石を境にこの永久磁石よりも外側の回転子鉄心部分と、この永久磁石よりも内側(回転子中心側)の回転子鉄心部分とを分離した構成が考えられる。つまり、特許文献1及び特許文献2のブラシレス電動機において、板状の永久磁石の両端の前記空隙を、回転子鉄心の外周面にまで広げた構成となる。そして、このようなブラシレス電動機によれば、永久磁石の両端には鉄心部分が存在しなくなって、永久磁石からの漏れ磁束の発生が防止されると考えられる。
しかしながら、永久磁石を境に回転子鉄心を内外で分離した回転子は、ブラシレス電動機の回転駆動時に遠心力が発生すると、永久磁石の外側の回転子鉄心が遠心方向に脱離する虞がある。
よって、永久磁石埋込型のブラシレス電動機においては、漏れ磁束、誘起電圧の高調波成分、及びコギングトルクの低減を図って電動機性能を向上させることができると共に、優れた回転強度を有するものが望まれている。
そこで、本発明の課題は、電動機性能を向上させることができると共に、優れた回転強度を有する電動機及びこの電動機を搭載する洗濯乾燥機を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の電動機は、固定子に対して回転する回転子が、この回転子の回転軸方向に複数の電磁鋼板が積層されて形成された回転子鉄心と、この回転子鉄心の周方向に沿って等間隔に並ぶように、この回転子鉄心に複数配置される永久磁石と、前記複数の永久磁石のそれぞれに対応するように、前記回転子鉄心の径方向外側に前記永久磁石を介して、前記回転子鉄心とは分離されて配置される複数の磁極片と、を備え、前記磁極片のそれぞれは、前記回転子の回転軸方向に延在する少なくとも1つのスリットを有し、前記回転子鉄心と前記各磁極片とを一体となるように接合している成形樹脂が、前記スリット内に充填されていることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の洗濯乾燥機は、前記電動機を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電動機性能を向上させることができると共に、優れた回転強度を有する電動機及びこの電動機を搭載する洗濯乾燥機を提供することができる。
本発明の実施形態に係る洗濯乾燥機の外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る電動機の回転軸に沿った電動機の縦断面図である。 (a)は、図2のIIIa−IIIa部分断面図であり、(b)は、(a)のIIIb部の部分拡大図である。 (a)は、図2のIVa方向に見た回転子の平面図であり、(b)は、(a)のIVb−IVb断面図である。 (a)は、回転子の周方向に磁極片を見た磁極片の側面図、(b)は、(a)のVb方向から見た磁極片の平面図であり、成形樹脂を施す前の磁極片を示す図である。 (a)は、図5(b)のA−A断面における磁極片の第1スリットの形状を示す断面図であり、(b)は、図5(b)のB−B断面における磁極片の第2スリットの形状を示す断面図である。 本実施形態に係る回転子の製造方法の説明図であり、回転子鉄心に永久磁石を組み付けた鉄心磁石組立体を示す平面図である。 本実施形態に係る回転子の製造方法の説明図であり、鉄心磁石組立体に磁極片を組み付けた様子を示す平面図である。 本実施形態に係る回転子の製造方法の説明図であり、鉄心磁石組立体に鉄心支持基体及びディスクを組み付けた様子を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る電動機の誘起電圧波形(実線)を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る電動機のコギングトルク波形(実線)を示すグラフである。
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本実施形態に係るドラム式洗濯機(以下、洗濯乾燥機と称する)の全体構成について説明した後に、このドラム式洗濯機に搭載される電動機について説明する。
(洗濯乾燥機)
図1は、本発明の実施形態に係る洗濯乾燥機の外観斜視図である。
符号401は、洗濯乾燥機400の外郭を構成する略箱状の筐体である。筐体401は、この筐体401を支持する合成樹脂製のベース402の上に取り付けられている。図1においては、筐体401の内側の洗濯乾燥機400の構造を示すために、筐体401を構成する上面カバー(不図示)、前面カバー(不図示)、及び下部前面カバー(不図示)を取り外した様子を示している。なお、図1中、符号406は、筐体401を構成する側板であり、符号407は、背面カバーである。
この乾燥洗濯機400においては、前面の略中央に設けられた開口408を介してドラム404内に衣類等の洗濯物の出し入れが行われる。そして、開口408は、図示しないヒンジ周りに回動するドア403によって開閉可能となっている。
ドラム404は、回転可能に支持された有底円筒形状を呈しており、その外周壁及び底壁に通水及び通風のための多数の貫通孔を有している。ドラム404の回転軸は、水平又は開口408側が高くなるように傾斜している。
外槽405は、円筒状に形成され、その同軸上にドラム404を内包している。ちなみに、この外槽405に内包されるドラム404は、洗濯室、脱水室及び乾燥室として機能するようになっている。外槽405の前面の開口には、合成樹脂製の図示しない外槽カバーが設けられ、外槽405内への貯水を可能としている。外槽405の底面には、図示しない排水口が設けられている。
外槽405は、下側をベース402に固定されたサスペンション409(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽405の上側は上部補強部材に取り付けた補助ばね(図示せず)で支持されており、この補助ばねは、外槽405の前後方向へ倒れを防いている。
このような乾燥洗濯機400においては、外槽405内に洗浄水が貯留され、次に説明する電動機1によってドラム404が回転駆動されて洗濯物の洗濯が行われる。また、乾燥洗濯機400においては、洗濯の終了後に、すすぎ、脱水、及び乾燥を実施する際に電動機1がドラム404を回転駆動することとなる。
(電動機)
次に、本実施形態に係る電動機1について更に詳しく説明する。
図1に示すように、電動機1は、外槽405の後側端面の外側中央に配置されている。なお、図1中、電動機1は、その回転軸方向(回転軸の延在方向)から見た当該電動機1の外形(輪郭)がかくれ線(破線)で示されている。このような電動機1の回転軸は、外槽405を貫通し、ドラム404と結合されている。
図2は、本発明の実施形態に係る電動機の回転軸に沿った電動機の縦断面図である。
図2に示すように、電動機1は、外槽405(図1参照)の裏底(外槽ベース)側に固定子ベース300を介してネジ等の締結具(図示省略)により取付けられている。
固定子ベース300は、外槽405に取り付けられるフランジ部300aと、電動機1の回転軸320を内蔵する胴部300bとで主に構成されている。
外槽405(図1参照)の底部を貫通する側の胴部300bに設けられるボス部310には、その内側にウォータシール311が圧入されている。このウォータシール311によって、外槽405内の洗浄水が電動機1を介して外槽405の外側に漏れないようになっている。
胴部300bの内側には回転軸320を回転支持する軸受313a,313bが収納されている。
そして、回転軸320は、胴部300b内を外槽405(図1参照)側から離れるように延在し、胴部300bから突出したその回転軸320の先端部が、後に詳しく説明する回転子200に挿入されている。ちなみに、回転軸320の先端部には、ねじ部が形成されており、このねじ部に螺合するナット314によって、回転子200は回転軸320に取り付けられている。
また、後記するように、回転子200の外周側に配置されることとなる固定子100は、ネジ315でフランジ部300aに固定されている。
固定子100には、回転子200の磁極位置を検知するための、ホールICホルダ(図示省略)と巻線の発熱を検知するサーマルプロテクタを搭載したサーマルプロテクタホルダ(図示省略)が取付けられている。ちなみに、ホールICホルダは、回転子200の端面の磁束を検知し極性と位置を検出している。また、サーマルプロテクタホルダは、電動機1が過負荷になったとき、巻線へ通電する電源を遮断するように構成されている。
回転軸320には、ドラム404を取付けるためのフランジ316が嵌合固定されている。
図3(a)は、図2のIIIa−IIIa部分断面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb部の部分拡大図である。
図3(a)及び(b)に示すように、前記の回転軸320(図2参照)に固定される回転子200は、固定子100の内側に配置されている。
固定子100は、固定子コイル110が巻装された多数の固定磁極120を有している。
回転子200は、後に詳しく説明するが、電磁鋼板を積層した回転子鉄心210に永久磁石220が多数配置されている。そして、回転子200は、それぞれの永久磁石220の外周側に、後記する磁極片230を有している。
この磁極片230は、固定磁極120の内側面に対向し、固定磁極120に対して相対移動するように回転する。
本実施形態での固定子100における固定磁極120の数は、42個である。また、本実施形態での回転子200の永久磁石220及び磁極片230の数は、それぞれ28極である。
なお、図3(a)及び(b)中、符号240は、回転子鉄心210を支持する、後に詳しく説明する鉄心支持基体240であり、符号260は、後記するように所定の金型内で回転子200をインサート成形する際に、回転子鉄心210と磁極片230とを隔てる空隙211、及び磁極片230に設けられたスリット231に充填される成形樹脂である。
また、この成形樹脂260は、後に詳しく説明するように、鉄心支持基体240の表面をも覆うこととなる。
<回転子>
次に、回転子200について更に詳しく説明する。図4(a)は、図2のIVa方向に見た回転子の平面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb断面図である。
回転子200は、図4(a)及び(b)に示すように、薄型の有底円筒形状を呈しており、後記するように、ディスク250、鉄心支持基体240、回転子鉄心210、永久磁石220、及び磁極片230を所定の金型内に配置すると共に、この金型内に成形樹脂を射出する、いわゆるインサート成形にて得られたものである。つまり、ディスク250、鉄心支持基体240、回転子鉄心210、永久磁石220、及び磁極片230は、インサート成形に使用する成形樹脂よって一体になるように相互に接合されている。
ちなみに、図4(a)に示すディスク250の中央部、及び6つの開口部241を除いて、図4(a)に示す回転子200の表面は、成形樹脂で覆われている。したがって、図4(a)中、回転子鉄心210、永久磁石220、及び磁極片230は、かくれ線(破線)で表されている。
前記のディスク250は、略円盤形状に形成され、その中央に前記の回転軸320(図2参照)の先端部が挿入されるボス部251が形成されている。
図4(b)に示すように、鉄心支持基体240は、薄型の略円筒形状を呈しており、前記したように、ディスク250と共にインサート成形されることによって、回転子200のおおよその外観、つまり前記の薄型の有底円筒形状を形成する。
回転子鉄心210は、図4(a)及び(b)に示すように、鉄心支持基体240(図4(b)参照)の周面に配置される略円環状の部材であって、複数の電磁鋼板を回転子200の回転軸方向Ax(図4(b)参照)に積層して形成したものである。そして、この回転子鉄心210の外周部には、次に説明する永久磁石220を挿入するための、後記する磁石挿入凹部213(図7参照)が形成されている。
永久磁石220は、回転子200の回転軸方向Ax(図4(b)参照)から見て、略U字状の平面形状を有している。この永久磁石220は、図4(a)に示すように、略U字の開放側を回転子200の半径方向外側に向けて、回転子鉄心210の周方向に沿うように複数(本実施形態では28個)配置されている。そして、永久磁石220は、図4(b)に示すように、次に説明する磁極片230の積層厚さT(図4(b)参照)と略同じ長さで形成されている。
このような永久磁石220としては、例えば、フェライト磁石等を好適に使用することができる。
磁極片230は、電磁鋼板を回転軸方向Ax(図4(b)参照)に積層したものである。そして、磁極片230は、複数の前記の永久磁石220のそれぞれに対応するように、略U字状の永久磁石220の内側の凹部に配置されている。つまり、磁極片230は、回転子鉄心210の外側(径方向外側)に永久磁石220を介して配置されて、回転子鉄心210とは分離されるように配置されている。
なお、図4(a)及び(b)中、符号260は、後記する成形樹脂である。
図5(a)は、回転子の周方向に磁極片を見た磁極片の側面図、図5(b)は、図5(a)のVb方向から見た磁極片の平面図であり、成形樹脂を施す前の磁極片を示す図である。図6(a)は、図5(b)のA−A断面における磁極片の第1スリットの形状を示す断面図であり、図6(b)は、図5(b)のB−B断面における磁極片の第2スリットの形状を示す断面図である。
図5(a)に示すように、磁極片230は、前記のとおり、複数の電磁鋼板を積層厚さTで積層して形成したものである。
磁極片230を形成する電磁鋼板の平面形状は、図5(b)に示すように、その外形が略半月状に形成されている。ちなみに、半月状の円弧側が図4(a)に示す永久磁石220の凹部に向くように配置され、半月状の弦側が図4(a)に示す回転子200の外周面を形成することとなる。
磁極片230は、図5(b)に示すように、少なくとも1つのスリット231(本実施形態では2つのスリット231,231)を有している。このスリット231は、図5(a)に示すように、電磁鋼板の積層方向(積層厚さT方向)に沿うように、言い換えれば、回転子200(図2参照)の回転軸方向Ax(図4(b)参照)に延在している。
本実施形態でのスリット231の、前記回転軸方向Axに直交する断面の形状は、図5(b)に示すように、磁極片230の弦側(図5(b)の紙面上側)から円弧側(図5(b)の紙面下側)に向かって、言い換えれば、回転子200(図3(b)参照)の外周面側から回転軸320(図3(b)参照)側に向かって長い孔(長孔)で形成されている。
また、スリット231は、電磁鋼板の積層方向(積層厚さT方向)に直交する断面の形状が互いに異なる2種以上のスリット231が組み合わされて形成されている。本実施形態でのスリット231は、図5(a)及び(b)に示すように、第1スリット231aと第2スリット231bとの2種類で構成されている。
これらの第1スリット231a及び第2スリット231bは、図5(b)に示すように、前記長孔の長径が互いに異なっている。
つまり、本実施形態での磁極片230には、図5(a)及び図6(a)に示すように、中央部に第1スリット231aが形成され、図5(a)及び図6(b)に示すように、この中央部を挟む両側に、第1スリット231aよりも前記の長径が長い第2スリット231bが形成されている。ちなみに、本実施形態での第1スリット231a及び第2スリット231bの断面形状における図5(b)に示す横幅Wは、互いに同じ幅で形成されている。また、第1スリット231a及び第2スリット231bの回転子200の外周面に臨む開口幅Mは、前記の横幅Wよりも狭くなっている。
そして、このような第1スリット231a及び第2スリット231bには、後記するインサート成形によって成形樹脂260(図3(b)参照)が充填されることとなる。
本実施形態での成形樹脂260としては、電気絶縁性を有する熱可塑性樹脂が望ましい。このような成形樹脂260としては、例えば、6,6−ポリアミド、6−ポリアミド、4,6−ポリアミド、12,12−ポリアミド、6,12−ポリアミド、芳香族モノマーを含むポリアミド類、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、芳香族ポリエステル類、液状結晶ポリマー、ポリシクロヘキサンジメチロールテレフタレート、エーテル−エステル共重合体類、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリル類、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール類、ポリメチルペンテン、ポリエーテルイミド類、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、スチレン共重合体、スチレンとゴムの混合物類及びグラフト共重合体類、これらの樹脂のガラス繊維強化物又は衝撃改善物等が挙げられる。これらのポリマーをブレンドしたもの、例えばポリフェニレンオキサイドとポリアミドとのブレンドやポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートとのブレンド等も使用可能である。
次に、本実施形態に係る回転子200の製造方法について説明する。次に参照する図7から図9は、本実施形態に係る回転子の製造方法の説明図である。
本実施形態に係る回転子200の製造方法においては、まず、図7に示すように、略円環状の回転子鉄心210が用意される。ちなみに、本実施形態での回転子鉄心210は、4分の1分割された回転子鉄心210の部材がジョイント部分Jで互いに組み付けられて、略円環状の回転子鉄心210が形成される。このような回転子鉄心210は、予め略円環状に形成されたものを用意してもよいし、4つ以外の複数(2つ、3つ、又は5つ以上)に分割された部材を互いに組み付けて略円環状に形成することもできる。
そして、この略円環状の回転子鉄心210の磁石挿入凹部213に、複数の永久磁石220を挿入することで、鉄心磁石組立体270が形成される。その後、この鉄心磁石組立体270は、所定の金型(図示省略)内に配置される。ちなみに、この金型は、前記の回転子200(図4(a)及び(b)参照)の外形が模られたキャビティを有し、このキャビティ内に鉄心磁石組立体270が配置される。
次に、この製造方法では、図8に示すように、永久磁石220の外周側に磁極片230が配置される。この際、鉄心磁石組立体270の周方向に隣接し合う磁極片230同士の間には、後に成形樹脂260(図3(b)参照)が充填される空隙211(図3(b)参照)が形成されている。つまり、磁極片230は、永久磁石220及び空隙211(成形樹脂260)を境に、回転子鉄心210と分離されることとなる。
図8中、符号210は、回転子鉄心であり、符号220は、永久磁石である。
次に、この製造方法では、図9に示すように、回転子鉄心210の内側に鉄心支持基体240が配置されると共に、鉄心支持基体240の中央部の開口には、ボス部251を有するディスク250が組み付けられる。
なお、図9中、符号252は、鉄心支持基体240とディスク250との間に形成される隙間である。
次に、図示しない金型内に成形樹脂が射出されることによってインサート成形が行われる。その結果、図3(b)に示すように、成形樹脂260は、磁極片230のスリット231内、及び磁極片230同士の間の空隙211に充填される。
この際、前記したように、成形樹脂260は、図4(a)及び(b)に示すディスク250の中央部、及び6つの開口部241を除いて、回転子鉄心210、永久磁石220、及び磁極片230、並びにこの磁極片230を覆うこととなる。これにより、ディスク250、鉄心支持基体240、回転子鉄心210、永久磁石220、及び磁極片230は、成形樹脂260により一体に接合されることとなる。
そして、磁極片230のスリット231に充填される成形樹脂260は、図5(b)に示す、長径の異なる段違いの第1スリット231a、及び第2スリット231bを通して充填されることとなる。そして、第1スリット231a、及び第2スリット231bに充填された成形樹脂260は、図4(a)及び(b)に示すように、磁極片230を覆う成形樹脂260と一体に接合されることとなる。
次に、本実施形態に係る電動機1の作用効果について説明する。
本実施形態に係る電動機1では、回転子200の回転子鉄心210の外側に磁極片230を設けると共に、磁極片230は、永久磁石220及び空隙211に充填された成形樹脂260によって回転子鉄心210と分離されている。そして、永久磁石220の磁極は、この空隙211に充填された成形樹脂260を介して固定子100の固定磁極120と対向することとなる。これにより、本実施形態に係る電動機1によれば、永久磁石220からの漏れ磁束を低減することができる。したがって、この電動機1によれば、永久磁石220の磁束をより有効利用することができるので電動機効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る電動機1によれば、磁極片230にスリット231を形成することにより、回転子鉄心210に少なくとも1つのスリット231を設けることで、誘起電圧の高調波成分及びコギングトルクの低減を図ることができる。
また、本実施形態に係る電動機1によれば、スリット231の断面形状が互いに異なる2種以上のスリット231を組み合せて構成されているので、より効率よく誘起電圧の高調波成分及びコギングトルクの低減を図ることができる。
次に参照する図10は、本発明の実施形態に係る電動機の誘起電圧波形(実線)を示すグラフである。また、図10には、図6(a)に示す第1スリット231aのみを有する磁極片230を備える電動機の誘起電圧波形(破線)と、図6(b)に示す第2スリット231bのみを有する磁極片230を備える電動機の誘起電圧波形(一点鎖線)とを併記している。
図10に示すように、本発明の実施形態に係る電動機1の誘起電圧波形(実線)は、第1スリット231aのみを有するものの誘起電圧波形と、第2スリット231bのみを有するものの誘起電圧波形とを合成して表される。よって、本発明の実施形態に係る電動機1の誘起電圧波形(実線)の歪み率(%)は、第1スリット231aのみ、又は第2スリット231bのみを有するものの歪み率(%)よりも低減することができる。ちなみに、第1スリット231aのみの電動機における誘起電圧波形の歪み率は5.4%であった。また、第2スリット231bのみの電動機における誘起電圧波形の歪み率は9.5%であった。これに対して、本実施形態に係る電動機1における誘起電圧波形の歪み率は4.1%に低減されている。
次に、本実施形態に係る電動機1におけるコギングトルクについて説明する。
次に参照する図11は、本発明の実施形態に係る電動機のコギングトルク波形(実線)を示すグラフである。また、図11には、図6(a)に示す第1スリット231aのみを磁極片230に有する電動機のコギングトルク波形(破線)と、図6(b)に示す第2スリット231bのみを磁極片230に有する電動機のコギングトルク波形(一点鎖線)とを併記している。
図11に示すように、本実施形態に係る電動機1のコギングトルク波形(実線)は、第1スリット231aのみを有するもののコギングトルク波形(破線)と、第2スリット231bのみを有するもののコギングトルク波形(一点鎖線)とを合成して表される。よって、本実施形態に係る電動機1のコギングトルク(実線)の歪みは、第1スリット231aのみ、又は第2スリット231bのみを有するものの歪みよりも低減することができる。ちなみに、第1スリット231aのみの電動機におけるコギングトルクの歪みは0.75N・mであった。また、第2スリット231bのみの電動機におけるコギングトルクの歪みは0.60N・mであった。これに対して、本実施形態に係る電動機1におけるコギングトルクの歪みは0.16N・mに低減されている。
以上のように、本実施形態に係る電動機1によれば、互いに断面形状の異なるスリット231(第1スリット231a及び第2スリット231b)が磁極片230に形成されているので、効率よく誘起電圧の高調波成分及びコギングトルクを低減することができる。よって、本実施形態に係る電動機1によれば、電動機性能(電動機効率)を向上させることができると共に、電動機1の低騒音化を達成することができる。
また、本実施形態に係る電動機1においては、回転子鉄心210と磁極片230とが分離することで、永久磁石220からの漏れ磁束の発生を防止することができる。しかしながら、この反面、電動機1の回転駆動時に発生する遠心力によって、磁極片230が遠心方向に脱離する虞がある。これに対して、本実施形態に係る電動機1によれば、回転子鉄心210と磁極片230とを一体となるように接合している成形樹脂206が、磁極片230のスリット231内に充填されているので、優れた回転強度を有している。
また、磁極片230に形成されるスリット231は、断面形状が互いに異なる2種以上のスリット231(第1スリット231a及び第2スリット231b)で構成されているので、スリット231内には段差が形成される。したがって、このような段差を有するスリット231内に充填された成形樹脂260は、回転子200の機械的強度をより一層向上させることができる。
そして、以上のような電動機1を備える洗濯乾燥機400は、省エネルギ化を図ることができると共に、運転時の静粛性を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、スリット231が磁極片230に2つ形成されているものについて説明したが、本発明はスリット231が1つ、又は3つ以上形成された磁極片230とすることができる。
また、前記実施形態では、互いに断面形状の異なる第1スリット231a及び第2スリット231bの2つが形成されている磁極片230について説明したが、本発明は、互いに断面形状が異なる3以上のスリット231を有するものであってもよい。
また、前記実施形態では、スリット231の断面形状が長孔で形成され、その長孔の長径が互いに異なる第1スリット231a及び第2スリット231bについて説明したが、本発明は断面形状の面積が互いに異なる2種以上のスリット231を有するものであってもよい。
1 電動機
100 固定子
110 固定子コイル
120 固定磁極
200 回転子
210 回転子鉄心
211 空隙
220 永久磁石
230 磁極片
231 スリット
231a 第1スリット
231b 第2スリット
240 鉄心支持基体
260 成形樹脂
300 固定子ベース
320 回転軸
400 乾燥洗濯機
404 ドラム
403 ドア
405 外槽

Claims (5)

  1. 固定子に対して回転する回転子が、
    この回転子の回転軸方向に複数の電磁鋼板が積層されて形成された回転子鉄心と、
    この回転子鉄心の周方向に沿って等間隔に並ぶように、この回転子鉄心に複数配置される永久磁石と、
    前記複数の永久磁石のそれぞれに対応するように、前記回転子鉄心の径方向外側に前記永久磁石を介して、前記回転子鉄心とは分離されて配置される複数の磁極片と、を備え、
    前記磁極片のそれぞれは、前記回転子の回転軸方向に延在する少なくとも1つのスリットを有し、
    前記回転子鉄心と前記各磁極片とを一体となるように接合している成形樹脂が、前記スリット内に充填されていることを特徴とする電動機。
  2. 請求項1に記載の電動機において、
    前記磁極片は、複数の電磁鋼板を前記回転軸方向に積層して形成され、
    前記スリットは、前記回転軸方向に直交する断面形状が互いに異なる2種以上のスリットが組み合わされて形成されていることを特徴とする電動機。
  3. 請求項2に記載の電動機において、
    前記スリットの前記回転軸方向に直交する断面形状は、前記回転子の外周面側から回転軸側に向かって長い長孔であり、断面形状が互いに異なる2種以上の前記スリットは、前記長孔の長径が互いに異なっていることを特徴とする電動機。
  4. 請求項2に記載の電動機において、
    前記回転子鉄心と前記各磁極片とを一体となるように接合している成形樹脂は、前記スリット内に充填されている前記成形樹脂と一体になるように成形されていることを特徴とする電動機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動機を備えることを特徴とする洗濯乾燥機。
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