JP2008061346A - ランドリー用モータの駆動システム及び洗濯機 - Google Patents

ランドリー用モータの駆動システム及び洗濯機 Download PDF

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Abstract

【課題】低速領域及び高速領域の何れにおいてもブラシレスDCモータを効率よく回転駆動させることができるランドリー用モータの駆動システムを提供する。
【解決手段】モータ15のステータ16において、ティース32に巻回されたステータコイル35を、各ティース32に巻回された部分毎の結線状態を切換え可能に構成する。これにより、ステータ16は、ステータコイル35の結線状態に応じて12極又は6極に切換え可能となる。そして、洗濯機の回転槽を低速高トルクで回転駆動させる洗濯運転時にはステータ16を12極とし、高速低トルクで回転駆動させる脱水運転時にはステータ16を6極とするようにステータコイル35の結線状態を切換える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ランドリー製品に配置される負荷の回転軸に自身の回転軸が直結されるブラシレスDCモータを回転駆動させるランドリー用モータの駆動システム、及びこのシステムを備えた洗濯機に関する。
ランドリー製品の一種である洗濯機には、ブラシレスDCモータの回転軸に回転槽を直結して駆動する、いわゆるダイレクトドライブ方式を採用したものがある。この駆動方式を採用すると、運転中の振動や騒音を極めて小さくすることができ、洗濯機を静音化することが可能となる。
一般的に洗濯機は、洗い運転時には回転槽を低速高トルクで回転駆動し、脱水運転時には回転槽を高速低トルクで回転駆動するようになっている。そして、上記のようにダイレクトドライブ方式を採用すると、モータの回転数がそのまま回転槽の回転数となるため、制御対象となる回転数範囲が極めて広くなる。一方、モータの効率は回転数とトルクによって決まることから、低速回転時と高速回転時、つまり洗い運転時と脱水運転時との中間で最大となるように設計せざるを得ず、上記各運転時には、効率が低下してしまう問題があった。
このようなモータの効率低下を防止する技術として、例えば特許文献1には、電気自動車用誘導電動機について、各極数における回転数とトルクで決定される効率と、回転数指令及びトルク指令とに基づいて、最も効率がよくなるようにステータの極数を切換える技術が開示されている。
特開平3−215191号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、電気自動車の走行駆動用電動機に適用されるものであり、前述したようなランドリー製品に使用されるモータをダイレクトドライブ方式で駆動する場合について、同様の技術は導入されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低速領域及び高速領域の何れにおいてもブラシレスDCモータを効率よく回転駆動させることができるランドリー用モータの駆動システム、及びこのシステムを備えた洗濯機を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1記載のランドリー用モータの駆動システムは、ランドリー製品に配置される負荷の回転軸に、自身の回転軸が直結されるブラシレスDCモータを回転駆動させるシステムにおいて、前記モータを構成するステータは、ステータコイルの接続形態を変更可能に構成されており、前記ステータコイルを、前記モータを低速領域で回転させる場合は低速回転に対応した第1接続形態とし、前記モータを高速領域で回転させる場合は高速回転に対応した第2接続形態とする接続形態制御手段を備えたことを特徴とする。
上記した構成を、例えば請求項7のように洗濯機に適用すれば、接続形態制御手段は、洗い運転時に低速回転に対応した第1接続形態となるようにステータコイルの接続形態を変更し、脱水運転時に高速回転に対応した第2接続形態となるようにステータコイルの接続形態を変更する。従って、洗い運転時にはステータコイルが低速回転に適した接続形態となるため、ブラシレスDCモータを効率よく低速領域で回転させることが可能となり、脱水運転時にはステータコイルが高速回転に適した接続形態となるため、ブラシレスDCモータを効率よく高速領域で回転させることが可能となる。
本発明によれば、ブラシレスDCモータを構成するステータコイルの接続形態を切換えて、低速領域及び高速領域の何れにおいても当該モータを効率よく回転駆動させるので、ランドリー製品の負荷を低速で回転させる運転及び高速で回転させる運転の何れにおいても効率よく運転することができる。
(第1実施例)
以下、本発明をドラム式洗濯機に適用した第1実施例について図1〜図7を参照して説明する。
図2は、ドラム式の洗濯機の概略全体構成を示す縦断側面図である。洗濯機(ランドリー製品に相当)1の外殻をなす外箱2の前面(図2中、右側面)において、中央部には扉3が設けられており、上部には多数のスイッチと表示部(何れも図示せず)とを備えた操作パネル4が取り付けられている。このうち、扉3は、外箱2の前面中央部に形成された洗濯物出し入れ口5を開閉するようになっている。
外箱2内には、円筒状をなす水槽6が、弾性支持装置7により支持されて設けられている。水槽6の内部には、円筒状をなす回転槽(負荷に相当)8が水槽6と同軸状に収容されている。これら水槽6及び回転槽8は、何れも中心軸が後下がり(図2中、左下がり)に傾斜するように配置されている。回転槽8は、洗濯の他、脱水及び乾燥に共用の槽として機能するもので、胴部の略全域に小孔9が多数形成されており(図2には一部のみ示す)、胴部の内周部にはバッフル10が複数設けられている(図2には一つのみ示す)。
水槽6及び回転槽8は、夫々前面部に洗濯物出し入れ用の開口部11、12が設けられている。水槽6の開口部11は洗濯物出し入れ口5にベローズ13により水密に連ねられており、回転槽8の開口部12はその水槽6の開口部11を臨むようになっている。また、回転槽8の開口部12の周囲部には、バランスリング14が設けられている。
水槽6の背面部には、回転槽8を回転駆動するモータ15が取り付けられている。詳細については後述するが、モータ15は、アウタロータ形のブラシレスDCモータであり、そのステータ16は水槽6の背部中央部に取り付けられた軸受ハウジング17の外周部に固定されている。一方、モータ15のロータ18は、ステータ16を外側から覆うように配置されている。中心部に取り付けられた回転軸19は、軸受ハウジング17に固定された軸受20により回転可能に支持されている。軸受ハウジング17から突出した回転軸19の前端部は回転槽8の背部の中央部に連結されている。
即ち、モータ15のロータ18が回転すると、ロータ18と一体に回転槽8も回転する構成(いわゆるダイレクトドライブ方式)になっており、回転槽8内に収容した洗濯物に対して回転力を作用させて、洗い運転、すすぎ運転、脱水運転を行うようになっている。
水槽6の下面部には水溜部21が設けられており、この水溜部21の内部には洗濯水加熱用のヒータ22が配設されている。水溜部21の後部には排水弁23を介して排水ホース24が接続されている。
水槽6の上部には、水槽6内に臨むように通気ダクト25が配設され、この通気ダクト25にはヒータ26が接続され、その上流側には水槽6内に送風するための送風ファン27が設けられ、送風ファン27の更に上流側は水槽6の内部に臨むように水槽6に接続されている。また、上述した経路内には、図示しない水冷式の熱交換器が設けられている。このような構成により、ヒータ26及び送風ファン27により水槽6及び回転槽8内に温風が供給される。そして、この温風は洗濯物の水分を奪った後、熱交換器により除湿され、再び循環されるようになっている。
図1は、モータ15の一部を示す平面図である。モータ15は、全体として、前述したようにステータ16とロータ18とを備えた構成になっている。このうち、ロータ18は、浅皿容器状をなす磁性体製のフレーム28と、このフレーム28の周壁部の内周面に沿って配置された円環状のロータコア29と、このロータコア29の内周部に配置された界磁用永久磁石30とを具備して構成されている。ロータコア29及び界磁用永久磁石30並びにフレーム28はモールド樹脂(図示せず)により一体成形されている。尚、フレーム28の中央部には、回転軸19の端部に連結されるボス31が埋設されている。
一方、ステータ16は、放射状に延びる多数個のティース32を有するステータコア33と、このステータコア33を覆う絶縁カバー34と、この絶縁カバー34のうちティース32を覆う部分に巻回されたステータコイル35とを備えて構成されている。このステータコア33は、複数枚の鋼板を積層して構成され、また絶縁カバー34は、非導電性の合成樹脂製とするとともに、ステータコア33を軸方向両側から挟み込む一対のカバー部材から構成されている。
尚、本実施例において、ロータ18側の界磁用永久磁石30は48個設けられており、これにより、ロータ18は48極構成となっている。一方、ステータ16側のティース32は36個設けられている。ただし、ティース32に巻回されたステータコイル35は、各ティース32に巻回された部分毎の結線状態を切換え可能に構成されており(詳細は後述する)、ステータ16は、その結線状態に応じて12極構成(第1接続形態に相当)又は6極構成(第2接続形態に相当)に切換え可能となっている。
絶縁カバー34の軸方向両端面のうちフレーム28とは反対側の上端面には、端子台ユニット36が装着されている。端子台ユニット36は、ステータコイル35の端部を外部回路(図示せず)に接続するための端子台37と、この端子台37に設けられ回転位置センサ38などが搭載された回路基板39を固定するためのケース40とを備えている。
図3は、モータ15を駆動するインバータ回路41と、モータ15のステータコイル35とを中心とする構成を示す図である。尚、図3では、図1におけるステータコイル35を、各ティース32に巻回された部分毎に独立したコイルとし、円周方向に順番にコイル35a,35b,・・・,35j,・・・というように符号を付して説明する。
インバータ回路41は、例えばU,V,Wの三相交流電源をステータコイル35に供給してモータ15を駆動するようになっている。このインバータ回路41のU相出力はコイル35aの一端に接続され、V相及びW相出力は、夫々リレー42,43の可動接点に接続されている。これらリレー42,43は、一方の固定接点が6極側、他方の固定接点が12極側となっており、リレー42の6極側接点とリレー43の12極側接点とは共通にコイル35cの一端に接続されている。また、リレー42の12極側接点はコイル35bの一端に接続され、リレー43の6極側接点はコイル35eの一端に接続されている。
コイル35aの他端とコイル35dの一端、及びコイル35bの他端とコイル35eの一端は、夫々リレー44,45を介して接続されている。そして、コイル35c以降も同様にして、コイル3つおきにリレー46〜50、及び図示しないリレーを介して接続されている。また、コイル35aの他端とコイル35bの一端、及びコイル35cの他端とコイル35dの一端は、夫々リレー51,52を介して接続されている。そして、コイル35e以降も同様にして、隣り合う何れかの一方のコイルとリレー53〜55、及び図示しないリレーを介して接続されている。
更に、コイル35bの他端とコイル35gの一端、及びコイル35dの他端とコイル35iの一端は、夫々リレー56,57を介して接続されている。そして、図示しないが、これ以降も同様にして、コイル5つおきにリレーを介して接続されている。尚、本実施例においては、リレー42〜57を含むステータコイル35の結線状態を切換えるためのリレーが、開閉スイッチに相当する。
制御部(接続形態制御手段に相当)58は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、制御プログラム及びユーザの操作に基づいてインバータ回路41に制御指令を与え、モータ15を回転駆動させることで洗濯機の運転制御を行うようになっている。即ち、制御部58は、周知のように、例えば、モータ15に取付けられた回転位置センサ38より出力される回転位置検出信号に基づいて転流タイミングを演算し、インバータ回路41の主回路を構成するIGBT(図示せず)などのスイッチング素子の駆動を制御するようになっている。
また、制御部58は、次のように各リレー(リレー42〜57を含む)の接点の切換え又は開閉制御を行い、ステータ16の極数構成を切換えるようになっている。即ち、制御部58は、洗い運転時には、リレー42,43の可動接点を12極側接点に接続させるとともに、リレー44〜50をオンさせ、リレー51〜57をオフさせる。これにより、インバータ回路41と各コイル35a〜35jは、図4(a)に示すように結線され、ステータコイル35には、円周方向に1つのコイル毎にU相、V相、W相の電流が供給される。従って、ステータコイル35は、円周方向において、1つのティース32毎に通電相が切り替わるようになり、ステータ16は12極構成となる。
一方、脱水運転時には、回転数の上昇に応じてリレー42,43の可動接点を6極側接点に接続させるとともに、リレー44〜50をオフさせ、リレー51〜57をオンさせる。これにより、インバータ回路41と各コイル35a〜35jは、図4(b)に示すように結線され、円周方向に2つのコイル毎にU相、V相、W相の電流が供給されることになる。従って、ステータコイル35は、例えば、円周方向において、隣り合う2つのティース32がU相となり、その右隣りのティース32と更に右隣りのティース32とがV相となる。つまり、2つのティース32がペアとなって円周方向に通電相が切り替わるようになり、ステータ16は6極構成となる。
また、インバータ回路41は、ステータコイル35に供給する電源の周波数を変更可能に構成されている。そして、制御部58は、インバータ回路41を制御して、モータ15の効率が向上するようにステータコイル35に供給する電源の周波数調整を行うようになっている。
図5は、ステータ16を12極構成とした場合におけるモータ15の回転数と効率との関係を示している。図5において、前述したインバータ回路41による周波数調整を行わない場合を破線で示し、周波数調整を行った場合を実線で示している。図5に示すように、インバータ回路41による周波数調整の有無に関係なく効率の最高点及び最低点は略同じ程度となっている。
しかし、それらの中間の効率、例えば、低速回転で駆動する洗い運転時の回転数における効率は、インバータ回路41による周波数調整を行った場合のほうが高くなっている。つまり、インバータ回路41による周波数調整を行うことで、モータ15をより広い回転数範囲に亘って高い効率で駆動することが可能となる。尚、図示しないが、ステータ16の極数構成を6極とした場合についても同様に効率が改善される。
次に、上記した構成のドラム式洗濯機により洗濯を行う場合の作用について、図6及び図7も参照して説明する。図6は、ステータ16を12極、6極とした場合にモータ15の回転数と効率との関係を示す図であり、12極の場合を実線で示し、6極の場合を破線で示している。図6に示すように、ステータ16を12極とした場合におけるモータ15の効率は、低速回転領域において高い値を示し、一方、ステータ16を6極とした場合におけるモータ15の効率は、高速回転領域において高い値を示している。
さて、標準的な運転コースが開始されると、制御部58は、ステータコイル35の各端子に接続されたリレー(リレー42〜57を含む)を制御してステータ16を12極構成に切換える。その後、洗濯運転(洗い工程及びすすぎ工程)が開始される。この洗濯運転では、図示しない給水弁にて水槽6内に給水する動作が行われ、続いて、例えば50rpmという低速回転でモータ15が駆動されることにより、回転槽8が低速で正逆両方向に交互に回転される。このとき、ステータ16を12極構成としたモータ15の効率は、図6に示すように最高点により近い値となっており、モータ15は、50rpmという低速回転時において効率よく駆動されることになる。
洗濯運転が終了すると、続いて脱水運転(脱水工程)が開始される。この脱水運転では、水槽6内の水を排出した後、回転槽8を高速で一方向に回転させる動作が行われる。
図7は、脱水運転時においてステータ16の極数を切換えるタイミングを示している。脱水運転時のモータ15の回転数は、0rpmから例えば1000rpmまで加速されるようになっている。制御部58は、脱水運転の開始によりモータ15を起動させても、モータ15の回転数が所定の切換えしきい値、例えば200rpmに達するまではステータコイル35の結線状態を変更せず、ステータ16を12極構成のままとする。従って、モータ15は、脱水運転時における0rpm〜200rpmの低速回転領域では、図6に示すように12極構成で効率よく駆動されることになる。尚、上記した切換えしきい値は、使用するモータ15の特性などに応じて適宜変更することが可能である。
その後、回転数が200rpmに到達すると、制御部58は、ステータコイル35の各端子に接続されたリレーを制御してステータ16を6極構成に切換える。すると、モータ15は、200〜1000rpmの高速回転領域において12極構成のときよりも高い効率で駆動される。そして、最終的には1000rpmで回転槽8が定速回転され、回転槽8内の洗濯物は遠心脱水される。このとき、ステータ16を6極構成としたモータ15の効率は、図6に示すように最高点により近い値となる。
以上説明したように、本実施例によれば次のような効果を奏する。
回転槽8を低速高トルクで回転駆動させる洗濯運転時にはステータ16を12極構成とし、高速低トルクで回転駆動させる脱水運転時にはステータ16を6極構成とするように切換え可能に構成したので、12極又は6極の夫々における最高点に近い効率でモータ15を駆動し、洗濯運転及び脱水運転を行うことができる。また、このようにモータ15の駆動効率を向上させることにより、洗濯機1の各運転時における消費電力の低減、振動の低減、騒音の防止などの効果を得ることができる。
脱水運転時、モータ15の起動から例えば200rpmという低速回転で駆動する間はステータ16を12極としてモータ15を駆動し、回転数が200rpmに達したときにステータ16を6極に切換えてモータ15を駆動するようにした。これにより、脱水運転時におけるモータ15の起動をスムーズに行うとともに、低速回転時の効率を向上させることができる。
制御部58がインバータ回路41を制御して、ステータコイル35に供給する三相交流周波数の調整を行うことで、モータ15の効率を更に向上させ、12極又は6極の夫々における最高点により近い効率でモータ15を駆動させることができる。
ステータコイル35を、各ティース32に巻回された部分毎に独立したコイルとし、これらコイルの間に、制御部58により接点の切換え又は開閉が制御されるリレーを配置して、これらリレーを制御することで各コイルの結線状態を切換えるようにした。これにより、洗濯機1の運転途中にステータ16の極数をスムーズに切換えることが可能となる。
(第2実施例)
図8及び図9は、本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一の部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図8は、第1実施例における図1の一部に相当する図であり、ステータのティース周辺を中心に示すモータの一部平面図である。
ステータ60は、ティース32の外周側に12極用のステータコイル61が巻回され、ティース32の内周側に6極用のステータコイル62が巻回されている。このうち、12極用のステータコイル61は、1つのティース32毎に円周方向に通電相が切り替わるようにインバータ回路41(図9に示す)に接続され、一方、6極用のステータコイル62は、2つのティース32がペアとなって円周方向に通電相が切り替わるようにインバータ回路41に接続されている(詳細は後述する)。
図9は、第1実施例における図4相当図であり、インバータ回路41とステータコイル61,62とを中心とする構成を示している。尚、図9では、図8におけるステータコイル61,62を、各ティース32に巻回された部分毎に独立したコイルとし、円周方向に順番にコイル61a,61b,・・・,61i,・・・,62a,62b,・・・,62l,・・・というように符号を付して説明する。
インバータ回路41のU,V,W各相出力端子は、リレー(開閉スイッチに相当)63,64,65の可動接点に夫々接続されている。尚、これらリレー63,64,65は、一方の固定接点が6極側、他方の固定接点が12極側となっている。また、各リレー63〜65の接点の切換えは、第1実施例のリレーと同様、制御部58により制御されるようになっている。
各リレー63〜65の12極側接点は、12極用のコイル61a,61b,61cの一端に夫々接続されている。一方、各リレー63〜65の6極側接点は、6極用のコイル62a,62c,62eの一端に夫々接続されている。
また、各コイル61a〜61i・・・は、61a(U),61b(V),61c(W),61d(U),61e(V),61f(W),・・・となるように結線されており、これにより、12極用のステータコイル61は、図4(a)に示した第1実施例における洗濯運転時のステータコイル35と同様の結線状態となっている。従って、ステータコイル61は、円周方向に1つのコイル毎にU相、V相、W相の電流が供給される構成となっている。
一方、各コイル62a〜62l・・・は、62a(U),62b(U),62c(V),62d(V),62e(W),62f(W),・・・となるように結線されており、これにより、6極用のステータコイル62は、図4(b)に示した同脱水運転時のステータコイル35と同様の結線状態となっている。従って、ステータコイル62は、円周方向に2つのコイル毎にU相、V相、W相の電流が供給される構成となっている。
次に、第2実施例の作用について説明する。
洗濯運転時、制御部58は、各リレー63〜65の可動接点を12極側接点に接続させて(第1接続形態)、インバータ回路41に12極用のステータコイル61のみに通電させる。従って、ステータ60は12極構成となり、モータ15は、低速回転領域において効率よく駆動される。
一方、脱水運転時、制御部58は、第1実施例と同様に回転数の上昇に応じて各リレー63〜65の可動接点を6極側接点に接続させて(第2接続形態)、インバータ回路41に6極用のステータコイル62のみに通電させる。従って、ステータ60は6極構成となり、モータ15は、高速回転領域において効率よく駆動される。
以上説明したように、第2実施例によれば次のような効果を奏する。
ティース32の外周側に12極用のステータコイル61を巻回し、ティース32の内周側に6極用のステータコイル62を巻回してステータ60を構成し、制御部58は、洗濯運転時に12極用のステータコイル61に通電を行い、脱水運転時に6極用のステータコイル62に通電を行うように、各リレー63〜65の接点を切換えるようにした。
従って、モータ15を低速回転領域で駆動する場合にはステータ60を12極構成とし、高速回転領域で駆動する場合にはステータ60を6極構成とするので、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
また、各ステータコイル61,62とインバータ回路41との接続を、3つのリレー63,64,65によって切換えるので、第1実施例に比べ、切換え箇所を少なくすることができ、ステータ60の極数切換え時における信頼性が向上する。また、切換え箇所が少なくなることにより、制御部58の制御内容を簡素化することができる。
(第3実施例)
図10は、本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と同一の部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図10は、第1実施例における図4相当図であり、(a)はモータを低速回転領域で駆動する場合、(b)はモータを高速回転領域で駆動する場合のインバータ回路41とステータコイルとの結線状態を示している。尚、図10においては、通電が行われる部分を実線で示し、通電が行われない部分を破線で示している。
第3実施例におけるモータ15のステータコイル70は、インバータ回路41から供給される三相交流電源の夫々に対応したコイル71U,71V,71Wを備えている。また、これらのコイル71U,71V,71Wには、例えば、夫々の巻き始めと巻き終わりとの略中間部分にタップ71Ua,71Va,71Waが設けられている。尚、これらタップ71Ua〜71Waを設ける位置は、必要とされる巻数差に応じて適宜変更可能である。
コイル71U,71V,71Wは、次のようにしてインバータ回路41に接続されている。即ち、インバータ回路41のU,V,W各相出力端子は、リレー(開閉スイッチに相当)72,73,74の可動接点に夫々接続されている。尚、これらリレー72,73,74は、一方の固定接点が低速側、他方の固定接点が高速側となっている。また、各リレー72〜74の接点の切換えは、第1実施例の各リレーと同様、制御部58により制御されるようになっている。
各リレー72〜74の低速側接点は、コイル71U,71V,71Wの一端に夫々接続されている。一方、各リレー72〜74の高速側接点は、コイル71U,71V,71Wのタップ71Ua,71Va,71Waに夫々接続されている。また、コイル71U,71V,71Wの夫々の他端は共通に接続されている。
次に、第3実施例の作用について説明する。
洗濯運転時、制御部58は、図10(a)に示すように各リレー72〜74の可動接点を低速側接点に接続させて(第1接続形態)、インバータ回路41によりコイル71U〜71Wの全ての巻線に通電させる。このように、通電を行うコイル71U〜71Wの巻き数を多くすることでコイル71U〜71Wに生じる誘起電圧が大きくなり、モータ15は大きなトルクを得易くなる。従って、この状態でモータ15を回転駆動し、回転槽8を低速高トルクで回転させる。
一方、脱水運転時、制御部58は、第1実施例と同様に回転数の上昇に応じて、図10(b)に示すように各リレー72〜74の可動接点を高速側接点に接続させて(第2接続形態)、インバータ回路41によりコイル71U〜71Wの略半分の巻線のみに通電させる。このように、通電を行うコイル71U〜71Wの巻き数を少なくすることでコイル71U〜71Wに生じる誘起電圧が小さくなり、モータ15は高い回転数を得易くなる。従って、この状態でモータ15を回転駆動し、回転槽8を高速低トルクで回転させる。
以上説明したように、第3実施例によれば次のような効果を奏する。
制御部58が各リレー72〜74の接点の切換えを制御して、コイル71U〜71Wとインバータ回路41との結線状態を変更することで、コイル71U〜71Wの全ての巻線に通電を行う状態と、例えば略半分の巻線のみに通電を行う状態との切換えを可能とした。
これにより、洗濯運転時には、コイル71U〜71Wの全ての巻線に通電を行い、低速高トルク駆動に適した状態で効率よくモータ15を回転駆動させ、脱水運転時には、コイル71U〜71Wの例えば略半分の巻線のみに通電を行い、高速低トルク駆動に適した状態で効率よくモータ15を回転駆動させることができる。
(第4実施例)
図11は、本発明の第4実施例を示すものであり、第1実施例と同一の部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図11は、第1実施例における図4相当図である。尚、図11では、第3実施例における図10と同様に、通電が行われる部分を実線で示し、通電が行われない部分を破線で示している。
第4実施例におけるモータ15のステータコイル80は、インバータ回路41から供給される三相交流電源の夫々に対応したコイル81U,81V,81Wを備えている。そして、コイル81U,81V,81Wは、次のようにしてインバータ回路41に接続されている。即ち、インバータ回路41のU,V,W各相出力端子は、コイル81U,81V,81Wの一端に夫々接続されている。
一方、コイル81U,81V,81Wの他端は、リレー(開閉スイッチに相当)82,83,84の可動接点に夫々接続されている。尚、これらリレー82,83,84は、一方の固定接点が低速側、他方の固定接点が高速側となっている。また、各リレー82〜84の接点の切換えは、第1実施例の各リレーと同様、制御部58により制御されるようになっている。
各リレー82〜84の低速側接点は、夫々共通に接続されている。一方、各リレー82,83,84の高速側接点については、インバータ回路41のW相,U相,V相出力端子に夫々接続されている。
次に、第4実施例の作用について説明する。
制御部58は、洗濯運転時には、図11(a)に示すように各リレー82〜84の可動接点を低速側接点に接続させて(第1接続形態)、コイル81U〜81WをY(スター)結線接続する。そして、制御部58は、脱水運転時には、図11(b)に示すように各リレー82〜84の可動接点を高速側接点に接続させて(第2接続形態)、コイル81U〜81WをΔ(デルタ)結線接続する。
このように、コイル81U〜81Wの結線状態をY結線からΔ結線に切換えることにより、コイル81U〜81Wに生じる誘起電圧の発生に寄与する巻線数は、√3:1となる。これにより、モータ15は、洗濯運転時には誘起電圧の発生に寄与する巻線数が多くなり、低速高トルク駆動に適した状態で回転駆動される。また、モータ15は、脱水運転時には誘起電圧の発生に寄与する巻線数が少なくなり、高速低トルク駆動に適した状態で回転駆動される。
以上説明したように、第4実施例によれば次のような効果を奏する。
制御部58が各リレー82〜84の接点の切換えを制御することで、コイル81U〜81Wの結線状態を、Y結線とΔ結線とに切換え可能とした。これにより、洗濯運転時には、コイル81U〜81Wを低速高トルク駆動に適したY結線として、モータ15を低速回転領域で効率よく駆動させ、脱水運転時には、コイル81U〜81Wを高速低トルク駆動に適したΔ結線として、モータ15を高速回転領域で効率よく駆動させることができる。
尚、本発明は、上記し且つ図面に記載した各実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形又は拡張が可能である。
洗濯運転時と脱水運転時とによって、ステータコイルの接続形態を接点式のスイッチを用いて切換えるようにしてもよい。
脱水運転の際、モータ15は、起動時からステータコイルを高速回転に適した接続形態に切換えて駆動してもよい。
モータ15の極数構成は、上記各実施例に示したものに限らず適宜変更可能である。
洗濯機は、水槽及び回転槽が縦軸状に配置される縦軸形であってもよい。また、洗濯機に限ることなく、その他衣類乾燥機などのランドリー機器に適用してもよい。
本発明の第1実施例を示すモータの一部平面図 ドラム式の洗濯機の概略全体構成を示す縦断側面図 インバータ回路とステータコイルとを中心とする構成を示す図 ステータコイルの結線状態を示すもので、(a)は洗濯運転時の状態、(b)は脱水運転時の状態を示す図 ステータを12極構成としたモータの回転数と効率との関係を示す図 ステータを12極、6極とした場合におけるモータの回転数と効率との関係を示す図 脱水運転時におけるステータの極数切換えのタイミングを示す図 本発明の第2実施例を示す図1の一部に相当する図 図4相当図 本発明の第3実施例を示す図4相当図 本発明の第4実施例を示す図4相当図
符号の説明
図面中、1は洗濯機(ランドリー製品)、8は回転槽(負荷)、15はモータ(ブラシレスDCモータ)、16はステータ、19は回転軸、35はステータコイル、41はインバータ回路、42〜57はリレー(開閉スイッチ)、58は制御部(接続形態制御手段、マイクロコンピュータ)、60はステータ、61,62はステータコイル、63〜65はリレー(開閉スイッチ)、70はステータコイル、72〜74はリレー(開閉スイッチ)、80はステータコイル、82〜84はリレー(開閉スイッチ)を示す。

Claims (7)

  1. ランドリー製品に配置される負荷の回転軸に、自身の回転軸が直結されるブラシレスDCモータを回転駆動させるシステムにおいて、
    前記モータを構成するステータは、ステータコイルの接続形態を変更可能に構成されており、
    前記ステータコイルを、前記モータを低速領域で回転させる場合は低速回転に対応した第1接続形態とし、前記モータを高速領域で回転させる場合は高速回転に対応した第2接続形態とする接続形態制御手段を備えることを特徴とするランドリー用モータの駆動システム。
  2. 前記ステータは、前記第1,第2接続形態に応じて極数が変化するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のランドリー用モータの駆動システム。
  3. 前記ランドリー製品が、前記モータを低速領域で回転させる洗い工程と、前記モータを高速領域で回転させる脱水工程とを実行するように構成されている場合、
    前記ステータは、前記第1接続形態において極数が多く、前記第2接続形態において極数が少なくなるように構成されていることを特徴とする請求項2記載のランドリー用モータの駆動システム。
  4. 前記接続形態制御手段は、前記脱水工程の開始時は、前記ステータコイルを前記第1接続形態としておき、当該脱水工程において前記モータの回転数が切換えしきい値を超えると、前記ステータコイルを前記第2接続形態に切換えることを特徴とする請求項3記載のランドリー用モータの駆動システム。
  5. 前記モータは、インバータ回路によって駆動制御されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のランドリー用モータの駆動システム。
  6. 前記接続形態制御手段は、
    前記ステータコイルの間に配置される開閉スイッチと、
    このスイッチの開閉を制御するとともに、前記ランドリー製品の運転制御を行うマイクロコンピュータとを備えて構成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のランドリー用モータの駆動システム。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載のランドリー用モータの駆動システムを備えて構成されることを特徴とする洗濯機。
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