JP5241083B2 - インクカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、優れた保存安定性を有するサーマルインクジェット用のインクを収納するインクカートリッジに関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙や専用光沢メディア上に飛翔させ、画像を形成する記録方法であり、低価格化の進行、記録速度の向上に伴って、急速に普及が進んでいる。特に、デジタルカメラが普及したため、写真画質へのニーズが高まっており、更なる高画質化と高速印刷化が要求されている。そのため、インクの小液滴化やノズル配列の高密度化、ノズル数の増大に伴うヘッドの長尺化、インク滴の吐出制御等、これまで以上に高い技術が求められてきている。
一方、サーマルインクジェット記録方式は、熱エネルギーを利用してインクを発泡させて記録媒体にインクを吐出する方式であり、高速、高密度で、高精度、高画質の記録が可能で、且つカラー化、コンパクト化に適している。この記録方式に用いられる一般的なヘッドは、インクを発泡させるための発熱抵抗体と、これに電気的接続を行う配線とを同一基板上に作製したインクジェット記録ヘッド用基板を有し、更にその上にインクを吐出させるための流路を有する。
そして、このインクジェット記録ヘッド用基板は、投入する電気エネルギーの省力化や、インクの発泡に伴う発熱部の破壊に起因する基板の寿命の低下を防ぐために、様々な工夫がなされている。とりわけ、一対の配線パターンの間に位置する発熱抵抗体をインクから保護する保護層については、多くの工夫がなされている。
この保護層は、熱効率の観点では、熱伝導率が高い方が、或いは層厚が薄い方が有利である。ところが、発熱抵抗体に接続する配線をインクから守るという観点では、層厚は厚い方が有利である。このため、保護層の厚みは、エネルギー効率と信頼性の観点とから最適の厚さに設定する必要がある。特にインクに接する層は、インクの発泡によるキャビテーションダメージ、即ち機械的ダメージと、高温下でのインク成分との化学反応によるダメージ、即ち化学的ダメージとの両方の影響を受ける。従って、これらのダメージの影響を十分に考慮する必要がある。
このことから、インクジェット用基板の保護層は、通常、上層(インクに接する層)として機械的及び化学的ダメージに対して安定性の高い層を有し、下層として配線を守るための絶縁性の層を有している。具体的には、上層には、機械的、化学的に安定性の極めて高い層であるTa層を、下層には、既存の半導体製造装置で容易に安定な層の形成が可能なSiN層やSiO層やSiC層を形成することが一般的である。
詳述すると、配線上に保護層としてSiN層を約0.2μm以上1μm以下の厚さで形成し、そのあとに上層の保護層を形成する。上層としては、キャビテーションダメージに対する層であることから耐キャビテーション層と呼ばれるTa層を0.2μm以上0.5μm以下の厚さで形成する。この構成によってインクジェット用基板の発熱抵抗体の寿命及び信頼性の両立を図っている。
サーマルヘッドを用いたインクジェット技術として、特許文献1には、発熱抵抗体としてSiやNやIrを特定の比率で含んだ材質を用い、耐久性と熱変換効率の向上を図ったインクジェットヘッドが開示されている。又、サーマルヘッドの吐出耐久性や吐出により発熱部に堆積するコゲの抑制を改良する観点から、キレート試薬を特定濃度で含むインクが開示されている(特許文献2)。又、メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩を含むインクが開示されている(特許文献3)。これらの従来技術は、発熱部の保護層の表面層としてTa層を配置した時の、吐出耐久に伴うTa層の侵食や、Ta層の上に堆積するコゲの抑制に関する。そして、インクが特定の化合物を特定の濃度含むことによって、吐出耐久によるコゲの堆積とTa層の侵食のバランスを適正化して長寿命化を図っている。
特開平5−330048号公報 特開平6−93218号公報 特開2002−12803号公報
インクジェットヘッドをインクタンクに直に装着した、ヘッドとインクタンクが一体となったインクカートリッジの場合、コスト面や製造面から、インクカートリッジを構成するプラスチックの筐体に直接ヘッドを実装する必要がある。そのため上述のようなサーマル方式のインクジェットヘッドを採用すると、多ノズル化や高密度化に伴って発泡に起因する蓄熱が起こりやすくなり、熱効率が損なわれる場合がある。又、投入する電気エネルギーの省力化の観点からも、熱効率の高い構成が求められている。
そこで、本発明者らは、前記した上層及び下層からなる保護層から上層をなくし、下層のSiN、SiO及びSiC等の、珪素の窒化物や酸化物や炭化物を主成分とする絶縁性層のみで保護層を構成することについて検討を行った。このような構成とした場合、熱効率の点で有利なだけではなく、層構成がシンプルになるため、層の欠陥による歩留まりの低下やコストの上昇の点においても有利となる。熱効率が高くなるので、投入する電気エネルギーも小さくすることができるため、キャビテーションダメージへの耐久性についても有利である。即ち、上記したように、保護層を従来の下層であった絶縁層のみで構成することは、サーマル方式のインクジェットヘッドを有する一体型インクカートリッジとして好ましい形態である。
しかしながら、本発明者らが更に詳細な検討を行ったところ、この構成のサーマル方式のインクジェットヘッドにおいては、下記のような新たな課題があることを見出した。即ち、発泡を伴わない、例えば、物流を想定した長期間の保存の間に、珪素の窒化物や酸化物や炭化物を主成分とする絶縁性保護層がインク中に溶解し、これによって保護層の厚みの減少が生じてしまうことが新たに判明した。そして、この保護層の厚みの減少によって、インクにかかる発泡エネルギーが増大しまうため、ヘッドに駆動パルスを印加した際に、異常発泡による吐出不良に伴う画像劣化や発熱部の異常な昇温による印字耐久性の低下が起き易くなる。これが、本発明の第一の課題である。
上記した現象は、従来から知られている発泡現象による高温高圧下での熱衝撃や、キャビテーション等による発熱部の腐食とは別のメカニズムにより起こっていると考えられる。本発明者らの検討では、発泡による発熱部の耐久性と、上記した発泡を伴わない物流保存による絶縁性保護層の溶解には相関性がなかった。即ち、発泡による吐出耐久性が十分な性能を有するインクとヘッドの組み合わせであっても、上述の溶解現象によって保存性が悪化する場合があった。
一方、インク中には、インクを構成する材料の不純物や、インクが接する部材から溶出して混入した多価金属が含有される場合がある。本発明者らは、この多価金属がインクジェットヘッドのノズル部に析出し、インクの吐出不良の原因となることを確認した。特に、高画質化が進む現在、インクジェットヘッドは、更に多ノズル化や高密度化が進んでいる。そして、このようなヘッドでは、特にインクの吐出不良が画像形成に大きく影響してしまう。このため、インクの吐出不良は、極力防止する必要がある。そこで、本発明者らは、このインクの吐出不良を防止することを本発明の第二の課題とした。
従って、本発明の目的は、上記に挙げた第一及び第二の課題を解決することである。つまり、珪素の酸化物、窒化物及び炭化物のいずれかを含む絶縁性保護層を有するサーマル方式のインクジェットヘッドを適用した技術において顕著に生じる技術課題を解決することである。具体的には、物流時や、記録装置にインクを収納したインクカートリッジが装着された状態等で長期間保持されたとしても、駆動パルスの変化が少なく、出力される画像の変化も少なく、十分な吐出特性と印字耐久性、更には、印字に伴う温度上昇も少ないインクジェット用インクを収容し、サーマル方式のインクジェットヘッドを具備するインクカートリッジを提供することにある。
上記に挙げた目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、出口からインクを吐出するための熱エネルギーを発生する発熱部と、インク液室とが設けられたサーマルインクジェットヘッドを具備し、且つ、色相の異なるインクの組み合わせを含む複数のインクを収容するインクカートリッジであって、該吐出口と該発熱部とが対向するように配置されており、該発熱部が該インクと接する面に、珪素の窒化物及び珪素の炭化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有する保護層を有し、該保護層の該インクと接する部分の表面積に対する該インク液室の容積の割合が50μm3/μm2以下であり、該複数のインクが、多価カルボン酸及びその塩の少なくとも一方を含有し、該多価カルボン酸及びその塩の含有量が0.001mmol/l以上0.5mmol/l以下であり、かつ、該多価カルボン酸及びその塩の含有量の最大値を示すインクと最小値を示すインクとの含有量の差が0.3mmol/l以下であることを特徴とするインクカートリッジである。
本発明によれば、インクと接する面に設けられた保護層が、珪素の、酸化物、窒化物及び炭化物のいずれかを含む絶縁性保護層のみで構成されたサーマル方式のインクジェットヘッドであるにもかかわらず、物流や記録装置に装着された状態等で長期間保持されたとしても、駆動パルスの変化が少なく、出力される画像の変化も少なく、十分な吐出特性と印字耐久性、更には、印字に伴う温度上昇も少なく、良好な画像を安定して形成できるインクジェット用インクを収容する、上記課題が解決されたインクカートリッジが提供される。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。インク中の多価金属の影響を排除する従来の技術としては、インク中にキレート剤を含有させることが挙げられる。しかしながら、インクと接するヘッドの保護層の種類によっては、キレート剤は、本発明が対象としているヘッドの保護層に対してもキレート効果を発揮し、保護層を溶解してしまう可能性がある。前述した保護層を、珪素の、酸化物、窒化物及び炭化物のいずれかを含む絶縁性保護層のみで構成した場合は、上記のキレート効果によって保護層を更に溶解してしまうことが予想される。このため、通常は、本発明のような構成の保護層を有するヘッドに、キレート剤を含有するインクを適用するという方向性はない。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、特定の条件下で特定の化合物を含有するインクであれば、珪素の、窒化物や酸化物や炭化物を主成分とする保護層を有するサーマルインクジェットヘッドにも適用可能となることを見出して本発明に至った。先ず、上記した特定の構成のサーマルインクジェットヘッド用として有用なインクについて説明する。
<インク>
本発明のインクは、珪素の窒化物又は酸化物、炭化物を含む材質によって形成された保護層と長期間接触していた場合においても保護層の溶解を効果的に抑制することができる。本発明者らは、保護層の溶解を抑制するために、インクの構成成分に着目して鋭意検討を行った。その結果、珪素とキレート化合物を形成する物質が保護層に含まれる珪素をイオン化してインクに溶解し、保護層が侵食されて層厚が低下することを見出した。本発明者らが珪素とキレート化合物を形成しやすい化合物に関して検討を行った結果、多価カルボン酸やその塩をインクに含有させた場合、物流保存中に著しく珪素を溶解することが判明した。
その一方で、多価カルボン酸やその塩は、インクがインクタンクに収容された状態で保存された際にインクと接する部材から溶出される僅かな金属イオン等を捕捉し、安定的にインク中に溶解させる働きがある。この働きにより、プリンター本体にヘッドが装着されたまま長期間放置されてノズルが乾燥状態となった場合や、連続印字時に不使用ノズルが乾燥する状態が繰り返された場合等に生じる、ノズル吐出口部に不溶化した金属の水酸化物や酸化物が析出することを抑制する等の効用がある。
従って、長期保存等の際に発生する保護層の溶解を抑制し、これと同時に、インクタンクから溶出し、析出した不純物を効果的にインク中に溶解させ、これらの要求を両立させるためには、インク中における多価カルボン酸やその塩の濃度をある範囲に制御することが必要である。本発明者らの検討によれば、多価カルボン酸やその塩の含有濃度を、インク総量に対して0.001mmol/l以上0.5mmol/l以下の範囲にすることで、上記の相反する課題を解決することができる。更に、ヘッド駆動時においても安定的な吐出が可能となり、長期短期の両方において安定したヘッド性能をもたらすことができた。
その理由は以下のように推定される。即ち、インク中における上記した範囲の量の多価カルボン酸及びその塩であれば、サーマルヘッドの発熱部表面に適正な範囲のコゲを許容しつつ過度のコゲ発生を防止するとともに、保護層の溶解を抑制するため、駆動時の吐出安定性のバランスが優れたものになったと考えられる。一方、長期間の保存に対しては、上記した範囲の量であれば、保護層の溶解が抑制されて軽微なために、吐出に対して実質的な影響がなかったものと考えられる。
本発明においては、珪素の酸化物又は窒化物、炭化物を含んだ保護層の層厚が50nm以上500nm以下である場合には、多価カルボン酸やその塩の含有濃度はインク総量に対して0.01mmol/l以上0.2mmol/l以下の範囲にあることがより好ましい。この層厚は、保護層がインクに溶解することによる層厚の減少が熱変換効率に敏感に影響しやすくなる範囲である。その結果、異常発泡が生じやすくなる、吐出量や吐出速度の変化が大きくなる等の弊害が起こりやすくなるため、本発明が非常に効果的に作用する。
本発明に好適に用いられる多価カルボン酸やその塩は特に限定されないが、2価〜4価のカルボン酸やその塩であることが好ましい。特に好ましい例としては、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、グルコン酸、EDTA等や、それらの塩が挙げられる。塩としては、具体的には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、アンモニウム、第1級、2級、3級のアミンの塩等が挙げられる。これらの中では、本発明の効果がより顕著に得られるという点で、クエン酸及びその塩であることが特に好ましい。尚、本発明においては、カルボン酸の一部や塩はインク中ではイオンの状態で存在しているが、便宜上「酸を含有する」及び「塩を含有する」と表現する。
本発明にかかるインクは、上記した多価カルボン酸及びその塩の少なくとも一方を特定の範囲で含有することを要するが、従来のインクジェット用インクと同様に、色材、水溶性有機溶剤及び添加剤を含有させることができる。以下に、本発明のインクに好適な、これらの成分について詳述する。
(色材)
本発明にかかるインクに含有させる色材の好ましい例を以下に挙げるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132、173等;
C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99等;
C.I.フードイエロー:3等;
C.I.ピグメントイエロー:1、2、3、12、13、14、15、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、114、128、138、180等;
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230等;
C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289等;
C.I.フードレッド:87、92、94等;
C.I.ダイレクトバイオレット:107等;
C.I.ピグメントレッド:2、5、7、12、48:2、48:4、57:1、112、122、123、168、184、202等;
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226、307等;
C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、112、117、127、138、158、161、203、204、221、244等;
C.I.ピグメントブルー:1、2、3、15、15:2、15:3、15:4、16、22、60等;
C.I.アシッドオレンジ:7、8、10、12、24、33、56、67、74、88、94、116、142等;
C.I.アシッドレッド:111、114、266、374等;
C.I.ダイレクトオレンジ:26、29、34、39、57、102、118等;
C.I.フードオレンジ:3等;
C.I.リアクティブオレンジ:1、4、5、7、12、13、14、15、16、20、29、30、84、107等;
C.I.ディスパースオレンジ:1、3、11、13、20、25、29、30、31、32、47、55、56等;
C.I.ピグメントオレンジ:43等;
C.I.ピグメントレッド:122、170、177、194、209、224等;
C.I.アシッドグリーン:1、3、5、6、9、12、15、16、19、21、25、28、81、84等;
C.I.ダイレクトグリーン:26、59、67等;
C.I.フードグリーン:3等;
C.I.リアクティブグリーン:5、6、12、19、21等;
C.I.ディスパースグリーン:6、9等;
C.I.ピグメントグリーン:7、36等;
C.I.アシッドブルー:62、80、83、90、104、112、113、142、203、204、221、244等;
C.I.リアクティブブルー:49等;
C.I.アシッドバイオレット:17、19、48、49、54、129等;
C.I.ダイレクトバイオレット:9、35、47、51、66、93、95、99等;
C.I.リアクティブバイオレット:1、2、4、5、6、8、9、22、34、36等;
C.I.ディスパースバイオレット:1、4、8、23、26、28、31、33、35、38、48、56等;
C.I.ピグメントブルー:15:6等;
C.I.ピグメントバイオレット:19、23、37等;
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195等;
C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156等;
C.I.フードブラック:1、2等;
カーボンブラック。
又、本発明において好ましく用いることができるこの他の色材としては、以下の一般式(1)〜(7)で示される色材が挙げられる。これらの色材について説明する。
[一般式(1)で示される色材]
Figure 0005241083
(上記一般式(1)中、mは、それぞれ独立に1又は2を示す。M1は、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンのカチオン又はアンモニウムイオンを示す。)
上記一般式(1)で示される色材の好適な例としては、特に限定されるものではないが、具体的には下記表1のような構造が挙げられる。尚、便宜上、上記一般式(1)の両末端にある環構造をA環及びB環とし、置換位置を下記一般式(2)のように定義した。下記表1に示した番号は、例示化合物Y1〜Y5におけるスルホン酸基が置換している位置を示している。
Figure 0005241083
(上記一般式(2)中、mは、それぞれ独立に1又は2を示す。M1は、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンのカチオン又はアンモニウムイオンを示す。)
Figure 0005241083
上記一般式(2)で示される色材の好適な例としては特に限定されるものではないが、具体的なものとしては、下式に示す例示化合物Y1が挙げられる。
Figure 0005241083
この他に、イエロー系色材として、国際公開第99/43754号パンフレット及び国際公開第02/081580号パンフレットに記載されている構造の化合物等が挙げられる。
[一般式(3)で示される色材]
Figure 0005241083
(上記一般式(3)中、R1は、水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基及びシアノ低級アルキル基のいずれかを示し、Yは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基(該アルキル基の部分に、スルホン酸基、カルボキシル基及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい)のいずれかを示し、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基及びカルボキシル基(但し、R2、R3、R4、R5及びR6のすべてが水素原子である場合を除く。)のいずれかを示す。)
上記一般式(3)で示される色材の好ましい具体例としては、遊離酸の形で下記の構造となる例示化合物M1〜M7が挙げられる。本発明においては、これらの中でも例示化合物M7が特に好ましく用いられる。
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
[一般式(4)で示される色材]
Figure 0005241083
(上記一般式(4)中、l(エル)=0〜2、m=1〜3及びn=1〜3、但し、l+m+n=3〜4であり、置換基の置換位置は、4若しくは4’位である。又、Mは、アルカリ金属又はアンモニウムを示し、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、スルホン酸基及びカルボキシル基のいずれかを示し(但し、R1及びR2が同時に水素原子となる場合を除く。)、Yは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基及びモノ又はジアルキルアミノ基を示す。)
上記式一般式(4)で示される色材の中でも、下記のようにして得たフタロシアニン化合物を用いることが好ましいことを見出した。4−スルホフタル酸誘導体又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を金属化合物の存在下に反応させることで得られるフタロシアニン化合物を原料に用い、スルホン酸基をクロロスルホン基に変換した後、有機アミン存在下にアミノ化剤を反応させたフタロシアニン化合物を用いるとよい。即ち、上記式(4)中の、4及び4’の位置に限定して無置換スルファモイル基(−SO2NH2)と、置換スルファモイル基[下記一般式(5)]を導入したフタロシアニン化合物を色材として用いたインクは、極めて耐環境ガス性が優れたものとなる。
Figure 0005241083
(上記一般式(5)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、スルホン酸基、及び、カルボキシル基のいずれかを示し(但し、R1及びR2が同時に水素原子となる場合を除く。)、Yは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、及び、モノ又はジアルキルアミノ基を示す。)
上記一般式(5)で示される基の好ましい具体例としては、遊離酸の形で下記の構造を有する基が挙げられる。これらの中でも例示化合物C1が特に好ましく用いられる。
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
[一般式(6)で示される色材]
Figure 0005241083
(上記一般式(6)中、R1及びR2は、独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜4のアルキル基、及び、炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを示し、R3及びR4は、独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基・炭素数1〜4のアルコキシ基・スルホン酸基若しくはカルボキシル基で置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、アルキル基若しくはアシル基によって置換されているアミノ基のいずれかを示し、nは0又は1を示す。)
[一般式(7)で示される色材]
Figure 0005241083
(上記式(7)中、R5、R6、R7及びR8は、独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシル基・炭素数1〜4のアルコキシ基・スルホン酸基若しくはカルボキシル基で置換されているアルコキシ基、カルボキシル基又はスルホン酸基で更に置換されてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基、及び、フェニル基・アルキル基・若しくはアシル基によって置換されているアミノ基のいずれかを示し、nは0又は1を示す。)
以下に、上記式(6)で示される色材の好ましい具体例として例示化合物Bk1〜Bk3を、上記式(7)で示される色材の好ましい具体例として例示化合物Bk4〜Bk6を、それぞれ遊離酸の形で示した。しかしながら、本発明で使用する色材は、これらに限定されるものではない。又、下記に挙げるような色材を同時に2種類以上用いてもよい。上記した中でも、例示化合物Bk3と例示化合物Bk4を同時に用いることが特に好ましい。
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
Figure 0005241083
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<水溶性有機溶剤及び添加剤>
本発明にかかるインクは、上記したような色材と、特定量の前記した多価カルボン酸及びその塩の少なくとも一方とを、水系媒体中に溶解或いは分散させることで調製できる。この際に用いる水系媒体としては、水と水溶性有機溶剤との混合媒体を用いることが好ましい。又、どのような水溶性有機溶剤が含まれるかについては特に限定されず、任意で各種水溶性有機溶剤を用いることができる。水溶性有機溶剤には、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒等が挙げられる。下記に、本発明のインクで使用することができる水溶性有機溶剤について例示するが、これらの水溶性有機溶剤に限定されるものではない。
具体的には、下記に挙げるものを使用できる。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;
エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール;
グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。
又、インクには、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び、水溶性ポリマー等、種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクセット)
本発明のインクカートリッジの好ましい1つの形態は、インクカートリッジが、複数のインクを収容しており、それぞれのインク中の多価カルボン酸及びその塩の合計含有量の最大値と最小値との差が、0.3mmol/l以下となるように組み合わされたものである。この場合に使用する複数のインクのセットとしては、同一インクタンク内において複数のインクを組み合わせたものが好ましい形態である。しかし、インク色の組み合わせに関しては同一色のものを組み合わせてもよいし、又、異なる色相のインクを組み合わせてもよく、特に制限はない。具体的なインクセットの一例としては、シアン、マゼンタ、イエローの基本3色のインクセットや、ブラック、濃度の薄いシアン、濃度の薄いマゼンタ(所謂、淡シアンインクや淡マゼンタインク)による写真画像出力に適したインクセットが挙げられる。又、レッド、グリーン、ブルーの特色インクセット、ブラック、濃度の薄いブラック、更に濃度の薄いブラック(所謂、グレーインク、ライトグレーインク)等が挙げられるが、本発明では特にこれに限定されるものではない。
本発明者らは鋭意検討の結果、上記したような複数のインクを使用する場合には、各インクの構成を更に以下のようにすることが有効であることを見出した。即ち、インクセットを構成する各インク中における、珪素とキレート化合物を形成する化合物である多価カルボン酸及びその塩の濃度の差が、0.3mmol/l以下の小さな範囲内となるように制御することで、下記に挙げる効果が得られることがわかった。上記のように構成したインクセットを用いることで、ヘッドの発熱部の保護層を形成する珪素の窒化物や酸化物、炭化物の溶解を抑制し、長期間の保存を経た後においても良好な吐出性を確保し、安定的に優れた画像を形成することが可能となる。
これに対して、特に、同一インクカートリッジ内において、組み合わされる各インク毎に、保護層の溶解速度が大きく異なる場合、それぞれのインクが吐出されるノズル発熱部の抵抗値の変動にばらつきが生じ、発熱部に印加する電気パルス信号の制御が困難となる。又、保護層溶解による抵抗値変動に対して制御する場合においても各色毎に制御する必要が生じ、電気パルスの駆動が複雑化するために、ヘッドやプリンター本体のコストアップ要因となり好ましくない。一方、保護層の溶解速度に応じたパルス制御をしない場合であっても、それぞれのインクに付加される発泡エネルギーに差が生じるために、初期段階で設定されたインク滴の吐出量や吐出速度は異なる。その結果、複数のインクを組み合わせて使用する場合には、記録媒体への各インク滴の付与量や着弾位置ずれがインク1種類だけの場合よりも顕在化しやすく、画像劣化が生じやすくなる。
前記したように、本発明においては、インクセットを構成しているそれぞれのインクは、インクに接触している保護層溶解速度をある範囲にそろえることが好ましい。具体的には、それぞれのインクの多価カルボン酸及びその塩の含有量が、インク総量に対して0.001mmol/l以上0.5mmol/l以下の範囲にする。更に、複数のインクを使用した場合における上記課題を解消するためには、インクセットを構成しているそれぞれのインクの多価カルボン酸及びその塩の含有量の関係を、これらの最大値と最小値の差が0.3mmol/l以内となるようにすることが好ましい。特には、0.15mol/l以内と濃度差が小さい複数のインクでセットを構成することが好ましい。
(インクカートリッジ)
次に、本発明のインクカートリッジについて、図面を参照して説明する。本発明のインクカートリッジは、吐出口からインクを吐出するための熱エネルギーを発生する発熱部が設けられたサーマルインクジェットヘッドを具備し、且つ、インクを収容する収容部を有するが、上記発熱部が、インクと接する面に、珪素の、酸化物、窒化物及び炭化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有する保護層を有するものである。本発明のインクカートリッジは、かかる構成を有するものであればよく、他の構成はいずれのものであってもよい。例えば、添付した図面に記載された構成のものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。図1〜図6は、本発明が実施又は適用される好適な記録ヘッドを説明するための説明図である。以下、これらの図面を参照して各構成要素について説明する。
本発明の記録ヘッド(インクカートリッジ)は、図1及び2に示すようにヘッドとインクタンクが一体の構成となっている。図1及び2中の記録ヘッド(インクカートリッジ)H1001はシアンインク、マゼンタインク、イエローインクの3色のカラーインクをそれぞれ搭載している。記録ヘッドH1001は、インクジェット記録装置本体に載置されているキャリッジの位置決め手段及び電気的接点によって固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱可能となっており、搭載したインクが消費されるとそれぞれ交換される。
次に、記録ヘッド(インクカートリッジ)に関して、更に詳しく記録ヘッドを構成しているそれぞれの構成要素毎に順を追って説明する。
〔記録ヘッド(インクカートリッジ)〕
本実施例における記録ヘッド(インクカートリッジ)H1001は、電気信号に応じてインクに膜沸騰を生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドである。この記録ヘッドは、電気熱変換体とインク吐出口とが対向するように配置された、いわゆるサイドシュータ型の記録ヘッドである。本発明においては、普通紙への高画質出力と高速印刷の観点から、150個以上のノズルが300dpi以上のピッチ間隔で配置され、各ノズルの吐出量が30pl以下のノズル列を有するヘッドであることが好ましい。更にフォト画質と高速印刷との両立の観点から、吐出量が6pl以下のノズルが100個以上、600dpi以上のピッチ間隔で配置されたノズル列を有するヘッドであることが好ましい。
(1−1)記録ヘッド(インクカートリッジ)
記録ヘッド(インクカートリッジ)H1001はシアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを吐出させるためのものであり、図2の分解斜視図に示すように、記録素子基板H1101、電気配線テープH1301、インク供給保持部材H1501を具備する。更に、フィルタH1701、H1702、H1703、インク吸収体H1601、H1602、H1603、蓋部材H1901及びシール部材H1801を具備する。
(1−1−1)記録素子基板
図3は、記録素子基板H1101の構成を説明するために一部破断して示す斜視図であり、シアン、マゼンタ、イエロー用の3個のインク供給口H1102が並列して形成されている。それぞれのインク供給口H1102を挟んでその両側に電気熱変換素子H1103と吐出口H1107とが一列に並んで千鳥状に配置されて形成されている。そして、シリコン基板H1110上には電気配線、ヒューズ、電極部H1104等が形成されている。その上に樹脂材料でフォトリソグラフィ技術によって、インク流路壁H1106や吐出口H1107が形成されており、電気配線に電力を供給するための電極部H1104には、Au等のバンプH1105が形成されている。
(1−1−2)ノズル構造
図4は、本発明にかかるインクを適用するインクジェットヘッドに設けられたノズル部分を模式的に示した図である。図4(a)は、ノズルの吐出口側から見た時のノズル形状を示した図である。図4(b)は図4(a)の破線X−Yに沿って切断した時の断面を示した図である。図4(b)において、H2101はシリコン基板、H2102は熱酸化層からなる蓄熱層を示す。又、H2103は、蓄熱を兼ねる珪素の酸化物層或いは窒化物層等からなる層間層であり、H2104は発熱抵抗層、H2105はAl、Al−Si及びAl−Cu等の金属材料からなる配線としての金属配線層である。そして、H2106は、珪素の酸化物層、窒化物層及び炭化物層等からなる絶縁層としても機能する保護層を示す。とりわけこの保護層H2106は、インクと直に接するために、アルカリ等に対して化学的にも安定で、且つ、物理的衝撃に対しても十分な耐性が求められると共に、電気的な絶縁性も兼ね備える必要性が高い。このため、特に、形成材料としては、珪素の窒化層若しくは炭化物層を好適に用いることができる。又、H2107は発熱部であり、発熱抵抗層H2104の発熱抵抗体で発生した熱がインクに作用する。本発明は、このような、保護層が珪素の酸化物層、窒化物層及び炭化物層であるインクカートリッジにおいて顕著に生じる技術課題を、特定のインクを用いることで解決したものである。
インクジェットヘッドにおける発熱部H2107は、発熱抵抗体での熱発生により高温に曝されると共に、インクの発泡、発泡後の泡収縮に伴い、キャビテーション衝撃やインクによる化学的作用を主に受ける部分である。そのため、発熱部H2107には、このキャビテーション衝撃やインクによる化学的作用から電気熱変換素子を保護するため、保護層H2106が設けられる。この保護層H2106の層厚は、発熱抵抗体にかかる電気パルスを効率的に変換する上で重要な熱変換効率と、発泡現象に伴うインクの物理的衝撃、化学的腐食への保護の観点から、50nm〜500nmが好ましい範囲である。
即ち、層厚が50nm未満であると発熱部の吐出耐久性の点で不十分になったり、保存による保護層の溶解による層厚変化に対して投入されるエネルギーの変動の影響が敏感になることがある。一方、層厚が500nmを超える場合は、発泡するためのエネルギーが多く必要になり、ノズルを高密度に配置し、吐出周波数を高くするとノズルの温度が上昇しやすくなる傾向がある。更に、本発明においては、より一層の、多ノズル化、高密度化高耐久性のためには、保護層の厚さが100nm以上450nm以下であることが特に好ましい。保護層H2106の上には、流路形成部材H2108を用いて、インクを吐出するための吐出口H2109を備えた吐出エレメントが形成される。
図4(a)及び(b)の斜線部H2110は、インクが満たされるノズル部の液室部分である。インクは、ノズル部の右側に配置されたH2111の共通液室より供給され、発熱部H2107にて発泡し泡を形成後、吐出口H2109からインクが押し出され、インク滴として吐出される。
又、本発明においては、H2110で示したノズルの液室容積と、インクが接する保護層H2106の面積との関係が重要である。通常、インクジェットヘッドとインクタンクとが一体化されたインクカートリッジが物流等により長期間保存される場合、乾燥の抑制のために、シールテープやホットメルト接着剤等の封止手段により吐出口H2109に蓋がされる。そのため、ノズル液室H2110のインクは、長期間ノズル液室内部に滞留した状態となる。その結果、液室内部のインクと保護層H2106とは接している状態が続くため、保護層が徐々にインク中に溶解すると考えられる。
本発明者らの検討によれば、そのような状態で保存されている間、インク液室H2110に存在しているインクはほとんど流動されず、珪素の溶解濃度が飽和状態になるところで溶解平衡に達し、それ以上の溶解がほとんど進行しなくなることが分かった。そのため、ノズルの液室H2110中のインクが接する最表面の保護層H2106の表面積に対して、ノズルの液室H2110の容積をある範囲に制御することによって、保護層H2106の溶解をある程度抑えることが可能であることを見出した。具体的には、各ノズル部分の保護層H2106のインクが接している表面積に対する各ノズルのインク液室H2110の容積が50μm3/μm2以下となるようにすれば、物流保存等における、長期間インクと接している状態が続いた場合において、保護層の溶解が抑制されるので好ましい。
又、10kHz以上の高周波数で駆動させるためにはノズルの構造に制約が生じ、吐出特性の観点より5μm3/μm2以上40μm3/μm2以下の範囲がより好ましい。尚、ここで定義される各ノズルのインク液室の容積(ノズル液室の容積)とは、図4のH2110に相当する部分のことであり、共通液室H2111から分岐して吐出口H2109までのインク流路部分の容積である。又、本発明でいう、各ノズル部分の保護層のインクと接する部分の表面積とは、ノズル部分の最表面である保護層H2106にインクが接している表面積、より具体的には、インク流路部分H2110におけるインクと接している保護層の表面積に相当する。
又、図示したような電気熱変換体とインク吐出口とが対向するように配置された、いわゆるサイドシュータ型の記録ヘッドであると、各ノズルが共通の液室の両端に対向するように配置されるため、インクの流路がストレートではなく屈曲した構造となる。これによって長期保存においては各ノズルと共通のインク液室との間でのインクの対流が起こりにくく、保護層の形成成分である珪素化合物の溶解がノズル内で飽和に達しやすくなり、保護層の層厚の低下が抑制されるため好ましい形態である。
(1−1−3)電気配線テープ
電気配線テープH1301は、記録素子基板H1101に対してインクを吐出するための電気信号を印加する電気信号経路を形成するものであり、記録素子基板を組み込むための開口部が形成されている。この開口部の縁付近には、記録素子基板の電極部H1104に接続される電極端子H1304が形成されている。又、電気配線テープH1301には、本体装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1302が形成されており、電極端子H1304と外部信号入力端子H1302は連続した銅箔の配線パターンでつながれている。
電気配線テープH1301と記録素子基板1101の電気的接続は、バンプH1105と電極端子H1304とが熱超音波圧着法により電気接合されることでなされている。バンプH1105は記録素子基板H1101の電極部H1104に形成されており、電極端子H1304は記録素子基板H1101の電極部H1104に対応する電気配線テープH1301に形成されている。
(1−1−4)インク供給保持部材
インク供給保持部材H1501は、樹脂成形により形成されており、構成材料としては、例えば射出成形、圧縮成形、或いは熱成形等により成型が可能な、熱可塑性樹脂材料を好適に用いることができる。適切な熱可塑性樹脂は、限定されることはないが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、並びにそれらの混合物や改質物であることが好ましい。中でも、ポリフェニレンエーテルであることが好ましく、特にはポリフェニレンエーテルとスチレン系材料とのアロイであることが好ましい。樹脂材料には、形状的剛性の向上やガス透過性抑制の観点から充填材を5〜40質量%混入した熱可塑性樹脂材料を使用することが好ましい。好ましい充填剤としては、無機質に限定されることはないが、ガラス、シリカ或いはグラファイト(黒鉛)が挙げられる。耐インク性や溶着性、又、本実施形態のようにインク供給保持部材に記録ヘッドを直に実装するような構成の場合では、接着剤との接着性や熱による線膨張性等も高いレベルで要求される。これらの要求性能のバランスの観点より、ポリフェニレンエーテルとスチレン系材料とのアロイに充填剤を混入させた樹脂材料が特に好ましい。
図2に示すように、インク供給保持部材H1501は、内部にシアン、マゼンタ、イエローのインクを保持するための負圧を発生するための吸収体H1601、H1602、H1603をそれぞれ独立して保持するための空間を有する。インク供給保持部材H1501は、更に、記録素子基板H110の各インク供給口H1102にそれぞれインクを導くための独立したインク流路を形成するインク供給機能とを備えている。インク吸収体H1601、H1602、H1603は、PP(ポリプロピレン)繊維を圧縮したものが好ましいが、ウレタン繊維を圧縮したものでもよい。各インク流路の上流部のインク吸収体H1601、H1602、H1603との境界部には、記録素子基板H1101内部にゴミの進入を防ぐためのフィルタH1701、H1702、H1703がそれぞれ溶着により接合されている。各フィルタH1701、H1702、H1703は、SUS金属メッシュタイプでもよいが、SUS金属繊維焼結タイプの方が好ましい。
インク流路の下流部には、記録素子基板H1101にシアン、マゼンタ、イエローの各インクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。記録素子基板H1101の各インク供給口1102がインク供給保持部材H1501の各インク供給口H1201に連通するよう、記録素子基板H1101がインク供給保持部材H1501に対して位置精度良く接着固定される。この接着に用いられる第1の接着剤は、低粘度で硬化温度が低く、短時間で硬化し、硬化後比較的高い硬度を有し、且つ、耐インク性のあるものが好ましい。例えば、第1の接着剤としては、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤が用いられ、その際の接着層の厚みは50μm程度が好ましい。
又、インク供給口H1201付近周囲の平面には、電気配線テープH1301の一部の裏面が第2の接着剤により接着固定される。記録素子基板H1101と電気配線テープH1301との電気接続部分は、第1の封止剤H1307及び第2の封止剤H1308(図6参照)により封止され、電気接続部分をインクによる腐食や外的衝撃から保護されている。第1の封止剤H1307は、主に電気配線テープH1300の電極端子H1302と記録素子基板のバンプH1105との接続部の裏面側と記録素子基板の外周部分を封止し、第2の封止剤H1308は、上述の接続部の表側を封止している。そして、電気配線テープH1301の未接着部は折り曲げられ、インク供給保持部材H1501のインク供給口H1201を有する面にほぼ直交した側面に熱カシメ若しくは接着等で固定される。
(1−1−5)蓋部材
蓋部材H1901は、インク供給保持部材H1501の上部開口部に溶着されることで、インク供給保持部材H1501内部の独立した空間をそれぞれ閉塞するものである。但し、蓋部材H1901は、インク供給保持部材H1501内部の各部屋の圧力変動を逃がすための細口H1911、H1912、H1913と、それぞれに連通した微細溝H1921、H1922、H1923を有している。微細溝H1921及びH1922の他端は微細溝H1923の途中に合流している。更に、細口H1911、H1912、H1913と微細溝H1921、H1922、及び微細溝H1923のほとんどをシール部材H1801で覆い、微細溝H1923の他端部を開口することで大気連通口を形成している。このような迷路構造の大気連通口を形成することにより、大気連通口からのインク揮発成分の蒸発を効果的に抑制することができるため好ましい。又、蓋部材H1901は記録ヘッドをインクジェット記録装置に固定するための係合部H1930を有している。
尚、蓋部材で用いられる樹脂材料もインク供給保持部材と同様の、充填剤を混入させた樹脂材料が好適に用いることができる。尚、インク供給保持部材及び蓋部材に上述の樹脂材料を用いた場合でも、樹脂材料自体からの水分透過は避けられないため、上述の迷路構造の大気連通口を設けた場合でも、ある程度のインク蒸発は生じてしまう。
(1−2)記録ヘッド(インクカートリッジ)のインクジェット記録装置への装着
図1に示すように、記録ヘッドH1001は、インクジェット記録装置本体のキャリッジの装着位置に案内するための装着ガイドH1560及びヘッドセットレバーによりキャリッジに装着固定するための係合部H1930を具備する。更に、キャリッジの所定の装着位置に位置決めするためのX方向(キャリッジスキャン方向)の突き当て部H1570、Y方向(記録メディア搬送方向)の突き当て部H1580、Z方向(インク吐出方向)の突き当て部H1590を具備する。上記突き当て部により位置決めされることで、電気配線テープH1300及びH1301上の外部信号入力端子H1302がキャリッジ内に設けられた電気接続部のコンタクトピンと正確に電気的接触を行う。
(1−3)記録ヘッドの駆動方法
図4のヘッドの金属配線層H2105にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板H2104の発熱部H2107が急速に発熱し、この表面に接しているインクに気泡が発生する。この気泡の圧力でメニスカスが突出し、インクがヘッドの吐出口H2109を通して吐出し、インク小滴となり、記録媒体に向かって飛翔する。
次に、γ値について説明する。γ値とは、バブルジェットヘッドがぎりぎり吐出可能な臨界エネルギーに対する実際に投入するエネルギーの比を表わす因子である。即ち、バブルジェットヘッドに印加するパルスの幅をPとし(複数のパルスを分割して与える時はその合計幅)、印加する電圧をV、ヒータの抵抗をRとする時、投入エネルギーEは、下記式(A)で表される。
E=P×V2/R (A)
この時、バブルジェットヘッドがぎりぎり吐出できる最低限必要なヒータへのエネルギーをEthとし、実際に駆動を行う時の投入エネルギーをEopとすれば、γ値は、下記式(B)で与えられる。
γ=Eop/Eth (B)
そして、バブルジェットヘッドの駆動条件からγ値を求める方法としては、実用上、以下の方法がある。
先ず、与えられた電圧で、バブルジェットヘッドが吐出する適当なパルス幅を見つけて駆動する。次に、徐々にパルス幅を短くしてゆき、吐出が止まるパルス幅を見つける。このパルス幅の直前の吐出可能な最小パルス幅をPthとする。実際に駆動で使用されているパルス幅をPopとすれば、γ値は、下記式(C)で求められる。
γ=Pop/Pth (C)
インクの安定的な吐出のためには、上記のように定義されるγ値が1.10〜1.50となるような条件で駆動するのが好ましく、かかる駆動条件によって、ヒータへのコゲの付着がより防止され、ひいては記録ヘッドのより一層の長寿命化を図ることができる。又、インクタンクの製造直後のPth0と長期保存後でのPth1をそれぞれ測定して、その変化率を下記式(D)に従って求めることにより、保存前後による発熱部の発熱抵抗変化を調べることができる。
α(%)=100×(Pth1−Pth0)/Pth0 (D)
インクの安定的な吐出、とりわけ発泡状態の安定性に関わる吐出量の変動やインクがノズルに供給されるためのリフィル特性や、発熱部にかかるエネルギーの変動に関連する連続吐出による蓄熱特性、吐出耐久性等様々な吐出特性を満足させる上においては、Pthの変化率αが30%未満であることが好ましい。特に写真画像出力をもターゲットとした場合、1ノズルあたりの吐出量が6pl以下であることが好ましい範囲となるために、インクの安定吐出をより精度良く制御する必要が生じるためにαが20%未満であることが好ましい。
〔インクジェット記録装置〕
次に、上述したようなカートリッジタイプの記録ヘッドを搭載可能な液体吐出記録装置について説明する。図7は、本発明の液体吐出記録ヘッドを搭載可能な記録装置の一例を示す説明図である。図7に示す記録装置において、図1に示した記録ヘッドH1001がキャリッジ102に位置決めして交換可能に搭載されており、キャリッジ102には、記録ヘッドH1001上の外部信号入力端子を介して各吐出部に駆動信号等を伝達するための電気接続部が設けられている。
キャリッジ102は、主走査方向に延在して装置本体に設置されたガイドシャフト103に沿って往復移動可能に案内支持されている。そして、キャリッジ102は主走査モータ104によりモータプーリ105、従動プーリ106及びタイミングベルト107等の駆動機構を介して駆動されるとともにその位置及び移動が制御される。又、ホームポジションセンサ130がキャリッジ102に設けられている。これにより遮蔽板136の位置をキャリッジ102上のホームポジションセンサ130が通過した際に位置を知ることが可能となる。
印刷用紙やプラスチック薄板等の記録媒体108は給紙モータ135からギアを介してピックアップローラ131を回転させることによりオートシートフィーダ(ASF)132から一枚ずつ分離給紙される。更に搬送ローラ109の回転により、記録ヘッドH1000及びH1001の吐出口面と対向する位置(プリント部)を通って搬送(副走査)される。搬送ローラ109はLFモータ134の回転によりギアを介して行われる。その際、給紙されたかどうかの判定と給紙時の頭出し位置の確定は、ペーパエンドセンサ133を記録媒体108が通過した時点で行われる。更に、記録媒体108の後端が実際にどこに有り、実際の後端から現在の記録位置を最終的に割り出すためにもペーパエンドセンサ133は使用されている。
尚、記録媒体108は、プリント部において平坦なプリント面を形成するように、その裏面をプラテン(不図示)により支持されている。この場合、キャリッジ102に搭載された記録ヘッドH1001は、それらの吐出口面がキャリッジ102から下方へ突出して前記2組の搬送ローラ対の間で記録媒体108と平行になるように保持されている。記録ヘッドH1001は、各吐出部における吐出口の並び方向が上述したキャリッジ102の走査方向に対して交差する方向になるようにキャリッジ102に搭載され、これらの吐出口列から液体を吐出して記録を行う。
以下、実施例及び比較例を用いて更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚、以下の記載で「部」、「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
<色材の作製>
(シアン染料1)
下記の式で表されるシアン染料1を、以下のようにして作製した。
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(l=0〜2、m=1〜3、n=1〜3、但し、l+m+n=3〜4、m≧1、置換基の置換位置は、4若しくは4’位であり、MはNaである。)
先ず、スルホラン、4−スルホフタル酸モノナトリウム塩、塩化アンモニウム、尿素、モリブデン酸アンモニウム及び塩化銅(II)を撹拌し、メタノールで洗浄後、水を加え、更に、水酸化ナトリウム水溶液を用いて液のpHを11に調整した。次に、この液を撹拌しながら塩酸水溶液を加え、そこに塩化ナトリウムを徐々に添加した。そして、析出した結晶を濾過し、20%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いてメタノールを加えて析出した結晶を濾別した。更に、70%メタノール水溶液で洗浄後、乾燥して、銅フタロシアニンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩を青色結晶として得た。
次に、クロロスルホン酸中に、上記で得た銅フタロシアニンテトラスルホン酸テトラナトリウム塩を徐々に添加し、更に、塩化チオニルを滴下した。反応液を冷却し、析出している結晶を濾過し、所望の銅フタロシアニンテトラスルホン酸クロライドのウェットケーキを得た。これを撹拌懸濁させ、アンモニア水、下記式(α)の化合物を加え、更に、水及び塩化ナトリウムを加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、再度、濾過、洗浄後、乾燥して、実施例で使用する前記した構造のシアン染料1の色材を得た。
Figure 0005241083
上記の式(α)で示される化合物は、下記のようにして合成した。先ず、氷水中にリパールOH、塩化シアヌル、アニリン−2,5−ジスルホン酸モノナトリウム塩を投入し、水酸化ナトリウム水溶液を添加した。次に反応液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH10.0に調整した。この反応液に、28%アンモニア水、エチレンジアミンを加えた。続いて、塩化ナトリウム、濃塩酸を滴下し、結晶を析出させた。析出した結晶を濾過分取し、20%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキにメタノール、水を加え、濾過し、メタノールで洗浄、乾燥して、上記式(α)で示される化合物を得た。
(マゼンタ染料1)
下記構造を有するマゼンタ染料1を、下記(A)〜(C)の工程によって製造した。
Figure 0005241083
(A):2−アミノ安息香酸(アントラニル酸)と、1−アミノ−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸(H酸)とから、ジアゾ化及びカップリング工程を経てモノアゾ化合物を製造する。ジアゾ化及びカップリングは、常法[例えば、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日、技報堂発行)第396頁〜第409頁参照]に従って行うことができる。
(B):上記で得られたモノアゾ化合物を、塩化シアヌル懸濁液にpH4〜6、温度0〜5℃を保持しながら加えて、数時間反応を行う。次いで、室温にてアルカリ性にならないように、2−アミノ安息香酸(アントラニル酸)水溶液を加えて数時間縮合反応を行う。次いで、25%水酸化ナトリウム水溶液を50〜60℃にて加え、強アルカリ性とし、加水分解反応を行い、反応を完結させる。
(C):冷却後、塩化ナトリウムで塩析する。
<インクの調製>
上記で得たシアン染料1を使用して、下記表2−1及び表2−2に記載の各種成分を表中の所定量添加し、総量が100部になるように水で調整した。これらの成分を混合し、十分に撹拌して溶解させた。その後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、シアンC1〜シアンC9の各インクを調製した。
Figure 0005241083
Figure 0005241083
参考例1〜7及び比較例1〜2>
(インクカートリッジの作成)
表2−1及び表2−2に記載のシアンインクC1〜C9をそれぞれ図1に記載のインクカートリッジに収容して、参考例1〜7及び比較例1〜2のインクカートリッジを作成した。これらの実施例及び比較例にて使用するインクカートリッジのヘッドは、1色に付き1ドットあたり5plのノズルH2112が600dpiの間隔で192個一直線状に配置されたノズル列を具備している。更に、1ドットあたり2plのノズルH2112が600dpiの間隔で192個一直線状に配置されたノズル列を具備している。これらのノズル列が、共通液室H2111の両端に対向するように配置された、2列一体のノズル列を3色分並列に配置したヘッドを用いた。その際、各ノズル部分の保護層のインクが接している表面積に対する各ノズルのインク液室の容積は、5pl、2plのいずれのノズルも14μm3/μm2であった。上述のヘッドの保護層は、窒化珪素を主体とする材質で構成されているものであり、保護層の層厚が300nmのものを用いた。又、インク供給保持部材H1501の材質は、スチレン系材料とポリフェニレンエーテルのアロイであり、インク吸収体H1601、H1602、H1603の材質は、ポリプロピレンであった。表3に、参考例及び比較例のインクカートリッジに収容されたそれぞれのインクに含有される多価カルボン酸塩の濃度を記載した。
Figure 0005241083
(インクカートリッジの評価)
これら参考例1〜7及び比較例1、2のインクカートリッジに関して、図7の記録装置を用いてそれぞれ吐出が可能となる駆動パルスの計測を行い、駆動パルスPth0とした。このPth0に対して1.2倍のパルス幅を持つ駆動パルスPopが各ノズルにかかるようにパルス設定をして、初期のノズルチェックパターン印字を行った。その後、更に、吐出口が配置されている面にシールテープでシーリングをし、ブリスターパックの物流容器に密閉されるように収容し、温度60℃の恒温槽に30日間保管した。保管後、同様に吐出が可能となる駆動パルスの計測を行い駆動パルスPth1とした。その後、駆動パルスPopが各ノズルにかかるようにパルス設定をして保存後のノズルチェックパターンを印字し、初期印字に対して印字ヨレがないかを調べた。更に、同駆動条件でインクタンク中のインクを使い切るまで7.5%Dutyの画像の連続印字を行い、100枚毎に全ノズルのチェックパターンを印刷して、タンク内のインクを使い切るまでの間において、印字かすれや印字ヨレが発生するかを調べた。上述の保存前後における駆動パルスの変化率α及び保存後の印字ヨレや印字耐久性を以下の基準で判定し、表4にその結果をまとめた。
[駆動パルス変化]
下記式(D)に従って駆動パルスの変化率αを求め、以下の基準で判定をした。
α(%)=100×(Pth1−Pth0)/Pth0 (D)
A:保存前後の変化率αが20%未満。
B:保存前後の変化率αが20%以上30%未満。
C:保存前後の変化率αが30%以上。
[保存後の印字ヨレ]
下記の基準で判定をした。
A:初期印字に対して印字ヨレがほとんどなし。
B:初期印字に対して僅かな印字ヨレがある。
C:初期印字に対して印字ヨレが発生。
[印字耐久性〔印字かすれ〕]
下記の基準で判定をした。
A:インクタンク中のインクを使い切るまで印字かすれなし。
C:インクタンク中のインクを使い切る前に印字かすれ発生。
[印字耐久性〔印字ヨレ〕]
下記の基準で判定をした。
A:インクタンク中のインクを使い切るまで印字ヨレなし。
B:インクタンク中のインクを使い切るまでに僅かな印字ヨレがある。
C:インクタンク中のインクを使い切る前に印字ヨレが発生。
Figure 0005241083
表4の結果より、参考例1〜7のインクカートリッジは、保存前後において駆動パルスの変化も少なく、出力される画像の変化や十分な吐出性能や印字耐久性を有していることが確認された。一方、比較例のインクカートリッジにおいては出力された駆動パルスの変化が大きかったり、印字耐久性の面で不十分であったり、十分な吐出性能や保存安定性を有していないことが明らかである。
<実施例8〜9、参考例、比較例3>
下記表5に記載の各種成分を表中の所定量添加し、総量が100部になるように水で調整した。これらの成分を混合し、十分に撹拌して溶解させた。その後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、マゼンタインクM1とイエローインクY1の各インクを調製した。
Figure 0005241083
(インクカートリッジの作成)
表2−1及び表2−2に記載の各シアンインク(C1、C5、C7、C9)と、表5に記載のマゼンタインクM1及びイエローインクY1とをそれぞれ表6のように組み合わせて、図1に記載のインクカートリッジに収容して、実施例8、9及び参考例、比較例3のインクカートリッジを作成した。本実施例及び比較例にて使用するインクカートリッジのヘッドは、1色に付き1ドットあたり5plのノズルH2112が600dpiの間隔で192個一直線状に配置されたノズル列を具備している。更に、1ドットあたり2plのノズルH2112が600dpiの間隔で192個一直線状に配置されたノズル列を具備している。これらのノズル列が、共通液室H2111の両端に対向するように配置された、2列一体のノズル列を3色分並列に配置したヘッドを用いた。その際、各ノズル部分の保護層のインクが接している表面積に対する各ノズルのインク液室の容積は5pl、2plのいずれのノズルも、14μm3/μm2であった。上述のヘッドの保護層は、窒化珪素を主体とする材質で構成されているものであり、保護層の層厚が300nmのものを用いた。又、インク供給保持部材H1501の材質は、スチレン系材料とポリフェニレンエーテルのアロイであり、インク吸収体H1601、H1602、H1603の材質は、ポリプロピレンであった。
表6には、実施例8、9及び参考例、比較例3のインクカートリッジに収容されたCMYのインクセットの中で最も多価カルボン酸塩の濃度が高いものと最も低いものとの濃度差を記載した。又、前述の参考例1〜7及び比較例1、2と同様に実施例8、9及び参考例、比較例3のインクタンクに関しても、図7の記録装置を用いて各インクのそれぞれ吐出が可能となる駆動パルスの計測を行い、駆動パルスPth0とした。Pth0に対して1.2倍のパルス幅を持つ駆動パルスPopが各ノズルにかかるようにパルス設定をして初期のノズルチェックパターン印字を行った。
その後、同駆動条件(Pop)でCMYのプロセスBkによるグレースケールの印字を行い、これを初期印字とした。その後更に、吐出口が配置されている面にシールテープでシーリングをし、ブリスターパックの物流容器に密閉されるように収容し、温度60℃の恒温槽に30日間保管した。保管(保存)後、初期と同じ駆動パルスPopでノズルチェックパターンを印字後、上記の初期印字に対して印字ヨレがないかを調べた。更に、同駆動条件でCMYのプロセスBkによるグレースケールの印字を行って、これを保存後の印字とした。そして、同様に吐出が可能となる駆動パルスの計測を行い、駆動パルスPth1とした。初期と同じ駆動パルスPopでインクタンク中のインクを使い切るまで各色7.5%Dutyの画像の連続印字を行い、100枚毎に全ノズルのチェックパターンを印刷して、タンク内のインクを使い切るまでの間において、印字かすれや印字ヨレが発生するかを調べた。上述の保存前後におけるグレースケールの発色性変化を以下の基準で判定し、駆動パルスの変化率α、保存後の印字ヨレ及び印字耐久性を、前述の参考例1〜7と同様の基準で判定し、表6にその結果をまとめた。
(発色性変化)
下記の基準で判定をした。
A:保存試験前後におけるグレースケールの変化がほとんどない。
B:保存試験前後におけるグレースケールの変化が僅かにある。
C:保存試験前後におけるグレースケールの変化がある。
Figure 0005241083
表6の結果より、実施例8、9のインクカートリッジは保存前後において駆動パルスの変化も少なく、出力される画像の変化や十分な印字耐久性を有していることが確認された。一方、参考例、比較例3のインクカートリッジにおいては各インクでの出力された駆動パルスの変化のばらつきが大きく、出力画像の色味変化が大きい傾向が見られる。とりわけ多価カルボン酸の含有量の多いシアンC9のインクを組み合わせた比較例3では、印字耐久性の面でも不十分であり、十分な保存安定性を有していないことが明らかである。
<実施例10〜14、参考例15>
前述のシアンインクC1、マゼンタインクM1及びイエローインクY1を組み合わせて、インクセットとした。得られたインクセットの各インクを、インク液室容積と保護層の表面積との関係や保護層の層厚が表7のようになるようなノズル構造を有するヘッドを実装した図1と同型のインクカートリッジにそれぞれ収容して、実施例10〜14及び参考例15のインクカートリッジを作成した。本実施例10〜14及び参考例15にて使用するインクカートリッジのヘッドは、1色に付き600dpiの間隔で192個一直線状に配置されたノズル列が共通液室H2111の両端に対向するように配置された、2列一体のノズル列を3色分並列に配置したヘッドを用いた。又、インクジェットヘッドの保護層が、窒化珪素を主体とする材質で構成されているものを用いた。又、インク供給保持部材H1501の材質は、スチレン系材料とポリフェニレンエーテルのアロイであり、インク吸収体H1601、H1602、H1603の材質は、ポリプロピレンであった。
Figure 0005241083
上記の実施例10〜14及び参考例15のインクカートリッジに関して、図7の記録装置を用いてそれぞれ吐出が可能となる駆動パルスの計測を行い、駆動パルスPth0とした。Pth0に対して1.2倍のパルス幅を持つ駆動パルスPopが各ノズルにかかるようにパルス設定をして初期のノズルチェックパターン印字を行った。その後、同駆動条件(Pop)でCMYのプロセスBkによるグレースケールの印字を行い初期印字とした。その後更に、吐出口が配置されている面にシールテープでシーリングをし、ブリスターパックの物流容器に密閉されるように収容し、温度60℃の恒温槽に30日間保管した。保管後、初期と同じ駆動パルスPopでノズルチェックパターンを印字後、初期印字に対して印字ヨレがないかを調べた。更に同駆動条件でCMYのプロセスBkによるグレースケールの印字を行って、保存後の印字とし、同様に吐出が可能となる駆動パルスの計測を行い駆動パルスPth1とした。その後、駆動パルスPopでインクタンク中のインクを使い切るまで各色7.5%Dutyの画像の連続印字を行い、100枚毎に全ノズルのチェックパターンを印刷して、タンク内のインクを使い切るまでの間において、印字かすれや印字ヨレが発生するかを調べた。又、使いきり印字試験の際に印字直後でのヘッドの温度を測定し、印字による温度上昇を調べた。上述の保存前後における印字の発色性変化と駆動パルスの変化率α及び保存後の印字ヨレ及び印字耐久性については前述の基準で判定し、印字温度上昇に関しては以下の基準にて判定して表8にその結果をまとめた。
(印字温度上昇)
下記の基準で判定をした。
A:印字直後の温度が60℃未満。
B:印字直後の温度が60℃以上70℃未満。
C:印字直後の温度が70℃以上。
Figure 0005241083
表8の結果より、実施例10〜14及び参考例15のインクカートリッジは、保存前後において駆動パルスの変化も少なく、出力される画像の変化や十分な吐出特性と印字耐久性、更に、印字による温度上昇も良好な性能を有していることが確認された。
記録ヘッド(インクカートリッジ)の斜視図である。 記録ヘッド(インクカートリッジ)の分解図である。 記録素子基板の一部破断がなされた斜視図である。 サーマルインクジェットヘッドのノズル構造の概略を示す図である。 Si基板概略を示す図である。 記録ヘッド(インクカートリッジ)の一部の断面図である。 インクジェット記録装置を示す図である。

Claims (3)

  1. 出口からインクを吐出するための熱エネルギーを発生する発熱部と、インク液室とが設けられたサーマルインクジェットヘッドを具備し、且つ、色相の異なるインクの組み合わせを含む複数のインクを収容するインクカートリッジであって、
    該吐出口と該発熱部とが対向するように配置されており、
    該発熱部が該インクと接する面に、珪素の窒化物及び珪素の炭化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有する保護層を有し、
    該保護層の該インクと接する部分の表面積に対する該インク液室の容積の割合が50μm3/μm2以下であり、
    複数のインクが、多価カルボン酸及びその塩の少なくとも一方を含有し、該多価カルボン酸及びその塩の含有量が0.001mmol/l以上0.5mmol/l以下であり、かつ、該多価カルボン酸及びその塩の含有量の最大値を示すインクと最小値を示すインクとの含有量の差が0.3mmol/l以下であることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記保護層の厚さが50nm以上500nm以下であり、且つ、前記インク中の多価カルボン酸及びその塩の含有量の合計が0.01mmol/l以上0.2mmol/l以下である請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 前記多価カルボン酸及びその塩がクエン酸及びその塩である請求項1又は2に記載のインクカートリッジ。
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