JP5241057B2 - L2c信号追尾装置およびこれを用いたgps受信機 - Google Patents
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Description
図20に示すように、L2C信号は、CMコードとCLコードとをチップバイチップで多重化する構造であり、CMコードとCLコードとが時系列で交互に現れる構造となっている。すなわち、L2C信号は時分割多重コード信号である。
まず、シンプルなPLLでCLコード信号を用いて、キャリア位相の測定(キャリア追尾)を行う。次に、CLコード信号を用いて前記キャリア追尾でキャリア位相をロックしながら、CMコード信号を捕捉追尾してコヒーレントにメッセージ(データ)を復調する。次に、コード追尾の追尾ループバンド幅を狭めて、コード追尾ループの動的な応答特性を維持しながら、追尾性能を向上させる。このように、L2C信号の追尾にはCLコードとCMコードとを分けて用いる。
LCDRRichard D. Fontana, Wai Cheung, Paul M. Novak, Thomas A. Stansell, Jr. 著, 「The New L2 CivilSignal」,ION GPS2001,The Institute of Navigation, Sept.11 2001
GPS受信機で受信したL2C信号をr(t)とすると、L2C信号r(t)は次式(式(1a)、式(1b))で表される。
図21は、CLコードとCL(t)との関係、およびCMコードとCM(t)との関係を示す波形図である。
図21に示すように、CLコードに対応するCL(t)はL2C信号の前半チップ分が必ず「0」となる。そして、CLコードが「0」の場合にはCL(t)のL2C信号の後半チップ分が「−1」となり、CLコードが「1」の場合にはCL(t)のL2C信号の後半チップ分が「+1」となる。
また、CMコードに対応するCM(t)はL2C信号の後半チップ分が必ず「0」となる。そして、CMコードが「0」の場合にはCM(t)のL2C信号の前半チップ分が「−1」となり、CMコードが「1」の場合にはCM(t)のL2C信号の前半チップ分が「+1」となる。なお、図では、CMコードにメッセージデータが載せられていない状態を示したが、メッセージデータが載せられれば、これに応じてCMコードの0,1が反転するので、CM(t)も−1,+1が反転した波形となる。
キャリア位相θを未知のパラメータとして最尤法(Likelifood関数)を用いると、式(1a)、式(1b)より、式(2)が導かれる。
したがって、次に示す式(3)を演算することで、キャリア位相θのLikelifood方程式である式(4)が導かれる。
式(1a)におけるキャリア位相θの推定値をθeとし、角周波数ωの推定値をωeとし、さらに、メッセージデータD(t)の時間平均が「0」であり、瞬時値が「+1」、「−1」のいずれかのランダム値であるとする。
コード位相すなわち伝搬遅延τを未知のパラメータとして最尤法(Likelifood関数)を用いると、式(1a)、式(1b)より、式(5)が導かれる。
中間周波数のL2C信号からキャリア位相を用いて、ベースバンドのL2C信号の同相成分および直交成分を生成するベースバンド信号生成手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分とCMコードとの相関処理を行うCMコード同相相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の直交成分とCMコードとの相関処理を行うCMコード直交相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の直交成分とCLコードとの相関処理を行うCLコード直交相関処理手段と、
CMコード同相相関処理手段から出力されるCMコード同相相関信号に、信号レベルに比例した重みとノイズレベルに反比例した重みとを乗算し、該乗算されたCMコード同相相関信号の双曲正接関数信号を出力する第1CMコード同相相関信号変換手段と、
該第1CMコード同相相関信号変換手段からの出力信号と、CMコード直交相関処理手段からの出力信号とを乗算し、この乗算信号とCLコード直交相関処理手段からの出力信号とを加算することでキャリア位相誤差を生成してキャリアループフィルタに出力する乗加算手段と、を備え、
キャリア位相追尾ループ処理を行うことを特徴としている。
中間周波数のL2C信号からキャリア位相を用いて、ベースバンドのL2C信号の同相成分および直交成分を生成するベースバンド信号生成手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分とCMコードとの相関処理を行うCMコード同相相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の直交成分とCMコードとの相関処理を行うCMコード直交相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の直交成分と前記CLコードとの相関処理を行うCLコード直交相関処理手段と、
CMコード同相相関処理手段から出力される信号レベルとノイズレベルに応じて決定されたCMコード同相相関信号のシグモイド関数信号を出力する第2CMコード同相相関信号変換手段と、
該第2CMコード同相相関信号変換手段からの出力信号と、CMコード直交相関処理手段からの出力信号とを乗算し、この乗算信号をCLコード直交相関処理手段からの出力信号とを加算することでキャリア位相誤差を生成してキャリアループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備えてキャリア位相追尾ループ処理を行うことを特徴としている。
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分とCLコードとの相関処理を行うCLコード同相相関処理手段と、
CMコード同相相関処理手段、CMコード直交相関処理手段、CLコード同相相関処理手段、および、CLコード直交相関処理手段のそれぞれから出力される信号を遅延処理する遅延手段と、
CMコード同相相関処理手段からのCMコード同相相関信号とCMコード直交相関処理手段からのCMコード直交相関信号とからなるCMコード信号対と、遅延手段からのCMコード同相相関遅延信号とCMコード直交相関遅延信号とからなるCMコード遅延信号対とを用いて内積処理を行ってCMコード内積処理信号を出力するCMコード内積処理手段と、
CMコード信号対とCMコード遅延信号対とを用いて外積処理を行ってCMコード外積処理信号を出力するCMコード外積処理手段と、
CLコード同相相関処理手段からのCLコード同相相関信号とCLコード直交相関処理手段からのCLコード直交相関信号とからなるCLコード信号対と、遅延手段からのCLコード同相相関遅延信号とCLコード直交相関遅延信号とからなるCLコード遅延信号対とを用いて外積処理を行ってCLコード外積処理信号を出力するCLコード外積処理手段と、
CMコード内積処理信号に、信号レベルに比例した重みと、ノイズレベルに反比例した重みとを乗算し、該乗算されたCMコード内積処理信号の双曲正接関数信号を出力する第1CMコード内積処理信号変換手段と、
該第1CMコード内積処理信号変換手段からの出力信号と、CMコード外積処理信号とを乗算し、この乗算信号とCLコード外積信号とを加算することでキャリア位相誤差を生成してキャリアループフィルタに出力する乗加算手段と、を備え、
キャリア周波数追尾ループ処理を行うことを特徴としている。
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分とCLコードとの相関処理を行うCLコード同相相関処理手段と、
CMコード同相相関処理手段、CMコード直交相関処理手段、CLコード同相相関処理手段、および、CLコード直交相関処理手段のそれぞれから出力される信号を遅延処理する遅延手段と、
CMコード同相相関処理手段からのCMコード同相相関信号とCMコード直交相関処理手段からのCMコード直交相関信号とからなるCMコード信号対と、遅延手段からのCMコード同相相関遅延信号とCMコード直交相関遅延信号とからなるCMコード遅延信号対とを用いて内積処理を行ってCMコード内積処理信号を出力するCMコード内積処理手段と、
CMコード信号対とCMコード遅延信号対とを用いて外積処理を行ってCMコード外積処理信号を出力するCMコード外積処理手段と、
CLコード同相相関処理手段からのCLコード同相相関信号とCLコード直交相関処理手段からのCLコード直交相関信号とからなるCLコード信号対と、遅延手段からのCLコード同相相関遅延信号とCLコード直交相関遅延信号とからなるCLコード遅延信号対とを用いて外積処理を行ってCLコード外積処理信号を出力するCLコード外積処理手段と、
信号レベルとノイズレベルに応じて決定されたCMコード内積処理信号のシグモイド関数信号を出力する第2CMコード内積処理信号変換手段と、
該第2CMコード内積処理信号変換手段からの出力信号と、CMコード外積処理信号とを乗算し、この乗算信号とCLコード外積信号とを加算することでキャリア位相誤差を生成してキャリアループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備えて、キャリア周波数追尾ループ処理を行うことを特徴としている。
CMコード、該CMコードを微分した微分CMコード、CLコード、および該CLコードを微分した微分CLコードを生成するコード生成手段と、
コード位相誤差をフィルタリングして、コード生成手段に出力するコードループフィルタと、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分と微分CMコードとの相関処理を行う微分CMコード同相相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分と微分CLコードとの相関処理を行う微分CLコード同相相関処理手段と、
第1CMコード同相相関信号変換手段からの出力信号に信号レベルとノイズレベルに応じた重み付けを行った信号と、微分CMコード同相相関処理手段からの出力信号とを乗算し、この乗算信号と微分CLコード同相相関処理手段からの出力信号とを加算して、コードループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備えて、コード追尾ループ処理を行うことを特徴としている。
CMコード、該CMコードを微分した微分CMコード、CLコード、および該CLコードを微分した微分CLコードを生成するコード生成手段と、
コード位相誤差をフィルタリングして、コード生成手段に出力するコードループフィルタと、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分と微分CMコードとの相関処理を行う微分CMコード同相相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分と微分CLコードとの相関処理を行う微分CLコード同相相関処理手段と、
第2コードCM同相相関信号変換手段からの出力信号に信号レベルとノイズレベルに応じた重み付けを行った信号と微分CMコード同相相関処理手段からの出力信号とを乗算し、この乗算信号と微分CLコード同相相関処理手段からの出力信号とを加算して、コードループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備えて、コード追尾ループ処理を行うことを特徴としている。
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分と微分CMコードとの相関処理を行う微分CMコード同相相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の直交成分と微分CMコードとの相関処理を行う微分CMコード直交相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の同相成分と微分CLコードとの相関処理を行う微分CLコード同相相関処理手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、ベースバンドのL2C信号の直交成分と微分CLコードとの相関処理を行う微分CLコード直交相関処理手段と、
CMコード同相相関処理手段から出力されるCMコード同相相関信号に信号レベルとノイズレベルに応じた重み付けを行った信号と微分CMコード同相相関処理手段から出力される微分CMコード同相相関信号とを乗算する乗算器と、CMコード直交相関処理手段から出力されるCMコード直交相関信号と微分CMコード直交相関処理手段から出力される微分CMコード直交相関信号とを乗算する乗算器と、CLコード同相相関処理手段から出力されるCLコード同相相関信号と微分CLコード同相相関処理手段から出力される微分CLコード同相相関信号とを乗算する乗算器と、CLコード直交相関処理手段から出力されるCLコード直交相関信号と微分CLコード直交相関処理手段から出力される微分CLコード直交相関信号とを乗算する乗算器と、これら4つの乗算器の出力を加算して、コードループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備え、コード追尾ループ処理を行うことを特徴としている。
図1は本実施形態のL2C信号追尾装置のキャリア位相追尾回路を示すブロック図である。
キャリア位相追尾回路は、キャリア位相誤差演算部1、キャリアNCO2、キャリアループフィルタ3、CMコード発生器10a、CLコード発生器10bを備える。キャリア位相誤差演算部1は、キャリアNCO2から入力されたキャリア位相と、CMコード発生器10aから入力されたCMコード信号と、CLコード発生器10bから入力されたCLコード信号とに基づき、キャリア位相誤差をキャリアループフィルタ3に出力する。キャリアループフィルタ3は、このキャリア位相誤差に付随する不要成分を除去してキャリアNCO2に出力する。キャリアNCO2は、このキャリア位相誤差に基づきキャリア位相を演算してキャリア位相誤差演算部1に出力する。このように、キャリア位相誤差演算部1、キャリアループフィルタ3、キャリアNCO2からなるループ回路で、キャリア位相誤差およびキャリア位相を順次演算し続けることにより、キャリア位相が追尾される。
フェーズローテータ11は、前段の高周波処理部から中間周波数のL2C信号の同相成分(中間I信号)と直交成分(中間Q信号)とが入力されるとともに、キャリアNCO2からキャリア位相が入力される。フェーズローテータ11は、中間I信号と中間Q信号とキャリア位相とをアドレスにするLUT(Look-Out-Table)で実現され、このLUTに従い、ベースバンドの同相成分(I信号)と直交成分(Q信号)とを出力する。これにより、フェーズローテータ11は、実質的に中間周波数のL2C信号に含まれる周波数オフセットとドップラ周波数成分とを除去して、ベースバンドのL2C信号を出力する。ここで、このフェーズローテータ11が本発明の「ベースバンド信号生成手段」に相当する。
フェーズローテータ11から出力されたI信号は相関器12aに入力され、Q信号は相関器12b,12cに入力される。
ここで、C/N0が強いL2C信号の場合、前記引数が大きいと見なすことができる。したがって、前述の双曲正接関数をシグモイド関数に置き換えることが可能となる。
図2は本実施形態のL2C信号追尾装置のキャリア位相追尾回路の他の構成を示すブロック図である。具体的には、信号変換器13がシグモイド関数演算器150からなる信号変換回路15に置き換わったものであり、他の構成は図1に示したキャリア位相追尾回路と同じである。ここで、信号変換回路15が本発明の「第2CMコード同相相関信号変換手段」に相当する。
このような構成としても、L2C信号をC/N0の強い状態で受信できれば、キャリア位相を追尾することができる。
図4は、本実施形態に示す図1のキャリア位相追尾回路の追尾ループ性能を従来のキャリア追尾回路と比較した結果を示す図であり、図3と同様に、横軸をC/N0とし、縦軸を信号対雑音比SNR(Signal to Noise Ratio)の損失としたものである。また、図4において、CTMC最適で表される特性曲線は本実施形態の図1に示すキャリア位相追尾回路を用いた場合を表し、L2CL Simple PLLで表される特性曲線は、L2C信号のCLコード信号をシンプルPLLで追尾した場合を表し、L2C/A Costasで表される特性曲線は、擬似的にL2C信号に現状のC/Aコードを用い、コスタスループで追尾した場合を表す。
図5は本実施形態に係るL2C信号追尾装置のキャリア周波数追尾回路の構成を示すブロック図である。
図5に示すキャリア周波数追尾回路は、図1に示すキャリア位相追尾回路のキャリア位相誤差演算部1に、相関器12d、遅延部16a〜16d、Cross演算器17a,17c、Dot演算器17bを追加してなるキャリア周波数誤差演算部4を用いたものであり、他の構成は同じである。以下、図5に示すキャリア周波数誤差演算部4が、図1に示すキャリア位相誤差演算部1と異なる点についてのみ詳述し、同じ点については説明を省略する。
遅延部16a〜16dは入力された信号を1チップ時間分遅延させて出力する。
これは、遅延処理を行わないCMコード同相相関信号とCMコード直交相関信号との信号群と、遅延処理を行った遅延CMコード同相相関信号と遅延CMコード直交相関信号との信号群との外積演算に相当する。そして、Cross演算器17aはこの演算結果であるCMコード外積処理信号を乗加算器14に出力する。ここで、このCross演算器17aが本発明の「CMコード外積処理手段」に相当する。
これは、遅延処理を行わないCMコード同相相関信号とCMコード直交相関信号との信号群と、遅延処理を行った遅延CMコード同相相関信号と遅延CMコード直交相関信号との信号群との内積演算に相当する。そして、Dot演算器17bはこの演算結果であるCMコード内積処理信号を信号変換回路13に出力する。ここで、このDot演算器17bが本発明の「CMコード内積処理手段」に相当する。
これは、遅延処理を行わないCLコード同相相関信号とCLコード直交相関信号との信号群と、遅延処理を行った遅延CLコード同相相関信号と遅延CLコード直交相関信号との信号群との外積演算に相当する。そして、Cross演算器17cはこの演算結果であるCLコード外積処理信号を乗加算器14に出力する。ここで、このCross演算器17cが本発明の「CLコード外積処理手段」に相当する。
図6は本実施形態のL2C信号追尾装置のキャリア周波数追尾回路の他の構成を示すブロック図である。具体的には、信号変換器13がシグモイド関数演算器150からなる信号変換回路15に置き換わったものであり、他の構成は図5に示したキャリア周波数追尾回路と同じである。ここで、この信号変換回路15が本発明の「第2CMコード内積処理信号変換手段」に相当する。
このような構成としても、L2C信号をC/N0の強い状態で受信できれば、キャリア周波数を追尾することができる。
図7に示すように、本実施形態の図5に示すキャリア周波数追尾回路を用いることで、C/N0が強い場合にSNR損失を殆ど無くして、従来のシンプルなFLLを用いるよりも良好なキャリア周波数追尾性能を得ることができる。また、C/N0が弱い場合にも従来のFLLと略同等のキャリア周波数追尾性能を得ることができる。
図8は本実施形態のL2C信号追尾装置のコード位相追尾回路を示すブロック図である。
コード位相追尾回路は、コード位相誤差演算部5、コードNCO7、コードループフィルタ6、CMコード発生器10a、CLコード発生器10b、キャリアNCO2を備える。コード位相誤差演算部5は、キャリアNCO2から入力されたキャリア位相と、CMコード発生器10aから入力された正規タイミングのCMコード信号および該正規タイミングのCMコード信号を微分した微分CMコード信号と、CLコード発生器10bから入力された正規タイミングのCLコード信号を微分した微分CLコード信号とに基づき、コード位相誤差をコードループフィルタ6に出力する。コードループフィルタ6は、このコード位相誤差に付随する不要成分を除去してコードNCO7に出力する。コードNCO7は、このコード位相誤差に基づきコードイネーブルクロックを生成して、CMコード発生器10aおよびCLコード発生器10bに出力する。このように、コード位相誤差演算部5、コードループフィルタ7、コードNCO6、CMコード発生器10a、およびCLコード発生器10bからなるループ回路で、コード位相誤差およびコード位相を順次演算し続けることにより、コード位相が追尾される。すなわち、擬似距離観測が継続される。
このような構成としても、L2C信号をC/N0の強い状態で受信できれば、コード位相を追尾することができる。
図10はノンコヒーレントのコード位相追尾回路の構成を示すブロック図である。
ノンコヒーレントのコード位相追尾回路は、ノンコヒーレントコード位相誤差演算部8、コードNCO7、コードループフィルタ6、CMコード発生器10a、CLコード発生器10b、キャリアNCO2を備える。ノンコヒーレントコード位相誤差演算部8は、キャリアNCO2から入力されたキャリア位相と、CMコード発生器10aから入力された正規タイミングのCMコード信号および該正規タイミングのCMコード信号を微分した微分CMコード信号と、CLコード発生器10bから入力された正規タイミングのCLコード信号および該正規タイミングのCLコード信号を微分した微分CLコード信号とに基づき、コード位相誤差をコードループフィルタ6に出力する。コードループフィルタ6は、このコード位相誤差に付随する不要成分を除去してコードNCO7に出力する。コードNCO7は、このコード位相誤差に基づきコードイネーブルクロックを生成して、CMコード発生器10aおよびCLコード発生器10bに出力する。このように、コード位相誤差演算部5、コードループフィルタ7、コードNCO6、CMコード発生器10a、およびCLコード発生器10bからなるループ回路で、コード位相誤差およびコード位相を順次演算し続けることにより、ノンコヒーレントにコード位相が追尾される。
図12は本実施形態のGPS受信機の概略構成を示すブロック図である。
図13は図12に示す信号処理部の概略構成を示すブロック図である。
GPS受信機は、アンテナ200、高周波処理部300、信号処理部400、測位演算部500、および、表示操作部600を備える。
基本パルス発生器402は、サンプルクロック信号SCLに基づき、信号捕捉追尾部401a〜401nの相関器(後述する図14の102a〜102h)の積算時間を制御する基準パルスPbを生成して、各信号捕捉追尾部401a〜401nに出力する。
信号捕捉追尾部401a〜401nは、それぞれ、基準パルスPbに従い、高周波処理部300から入力される中間I信号、中間Q信号、および、予め記憶されているCMコードおよびCLコードを用いて、信号の捕捉、追尾して、コード位相およびキャリア位相を測位演算部500に出力する。なお、信号捕捉追尾部401a〜401nの具体的な構成については図14を用いて後述する。
図14は図13に示す信号捕捉追尾部の構成を示すブロック図である。
信号捕捉追尾部は、キャリアNCO2、キャリアループフィルタ3、コードNCO7、CMコード発生器10a、CLコード発生器10b、コードループフィルタ6、フェーズローテータ11、相関器102a〜102h、信号レベル推定器103、ノイズレベル推定器104、キャリア追尾誤差検出器105、コード追尾誤差検出器106、ミキサ110、加算器111を備える。そして、フェーズローテータ11、相関器102a〜102h、信号レベル推定器103、ノイズレベル推定器104、およびキャリア追尾誤差検出器105でキャリア位相誤差追尾部151を構成し、フェーズローテータ11、相関器102a〜102h、信号レベル推定器103、ノイズレベル推定器104、およびコード追尾誤差検出器106でコード位相誤差追尾部152を構成する。
なお、キャリアNCO2、キャリアループフィルタ3、コードNCO7、CMコード発生器10a、CLコード発生器10b、コードループフィルタ6、フェーズローテータ11については、前述の各実施形態に示したものと同じであるので説明は省略する。
この場合、キャリア位相追尾誤差検出器105は図15に示すような構成を用いる。
図15はキャリア位相追尾の場合のキャリア位相追尾誤差検出器105の構成例を示すブロック図である。そして、(a)は双曲正接関数演算を用いる場合を示し、(b)はシグモイド関数演算を用いる場合を示す。
図15(a)に示すように、双曲正接関数演算を用いる場合、キャリア位相追尾誤差検出器105は、CM同相相関器102aの出力とノイズレベル推定器104の出力とをミキシングするミキサ701と、このミキサ701の出力と信号レベル推定器103の出力とをミキシングするミキサ702と、このミキサ702の出力信号を双曲正接関数演算するtanh演算部703と、tanh演算部703の出力とCM直交相関器102eの出力とをミキシングするミキサ704と、ミキサ704の出力とCL直交相関器102gの出力とを加算してキャリア位相誤差を出力する加算器705とを備える。この回路構成は、前述の第1の実施形態の図1に示したキャリア位相誤差演算部1に相当する。すなわち、キャリア位相誤差検出器105を図15(a)に示す構成とすることで、受信信号の状態によることなく、従来よりも低損失で確実にキャリア位相を追尾することができる。
この場合、キャリア位相追尾誤差検出器105は図16に示すような構成を用いる。
図16はキャリア周波数追尾の場合のキャリア位相追尾誤差検出器105の構成例を示すブロック図である。そして、(a)は双曲正接関数演算を用いる場合を示し、(b)はシグモイド関数演算を用いる場合を示す。
図16(a)に示すように、双曲正接関数演算を用いる場合、キャリア位相追尾誤差検出器105は、図15(a)に示したミキサ701の前段に、次に示す回路が形成されている。図16(a)のキャリア位相追尾誤差検出器105には、CM同相相関器102aからの出力、CM直交相関器102eの出力、CL同相相関器102cの出力、およびCL直交相関器102gの出力をそれぞれに遅延させる遅延部707a〜707dと、CM同相相関器102aの出力、CM直交相関器102eの出力、および遅延部707a,707bの出力を用いて、式(11)に示す内積演算を行うDot演算器708と、CM同相相関器102aの出力、CM直交相関器102eの出力、および遅延部707a,707bの出力を用いて、式(10)に示す外積演算を行うCross演算器709と、CL同相相関器102cの出力、CL直交相関器102gの出力、および遅延部707c,707dの出力を用いて、式(12)に示す外積演算を行うCross演算器710とが備えられている。この回路構成は、前述の第2の実施形態の図5に示したキャリア周波数誤差演算部4に相当する。すなわち、キャリア位相誤差検出器105を図16(a)に示す構成とすることで、従来よりも低損失で確実にキャリア周波数を追尾することができる。
この場合、コード位相追尾誤差検出器106は図17に示すような構成を用いる。
図17はコード位相追尾誤差検出器106の構成例を示すブロック図である。そして、(a)は双曲正接関数演算を用いる場合を示し、(b)はシグモイド関数演算を用いる場合を示す。
図17(a)に示すように、双曲正接関数演算を用いる場合、コード位相追尾誤差検出器106は、CM同相相関器102aの出力とノイズレベル推定器104の出力とをミキシングするミキサ701と、このミキサ701の出力と信号レベル推定器103の出力とをミキシングするミキサ702と、このミキサ702の出力信号を双曲正接関数演算するtanh演算部703と、tanh演算部703の出力と微分CM同相相関器102bの出力とをミキシングするミキサ704と、ミキサ704の出力と微分CL同相相関器102dの出力とを加算してコード位相誤差を出力する加算器705とを備える。この回路構成は、前述の第3の実施形態の図8に示したコード位相誤差演算部5に相当する。すなわち、コード位相誤差検出器106を図17(a)に示す構成とすることで、受信信号の状態によることなく、従来よりも低損失で確実にコード位相を追尾することができる。
この場合、コード位相追尾誤差検出器106は図18に示すような構成を用いる。
図18はコード位相追尾誤差検出器106の構成例を示すブロック図である。
図19は他の構成のキャリア位相追尾回路を示す部分ブロック図である。
図19に示すキャリア位相追尾回路では、フェーズローテータに替わりディジタルコンバータ11’によりベースバンドのL2C信号の同相成分と直交成分を生成している。この際、ディジタルコンバータ11’は1つの中間周波数のL2C信号、すなわち、同相成分と直交成分とに分離されていない中間周波数のL2C信号からベースバンドのL2C信号の同相成分と直交成分とを生成する。この際、このディジタルコンバータ11’が本発明の「ベースバンド信号生成手段」に相当する。このようにディジタルコンバータを用いても前述の構成を適用することができ、前述の効果を奏することができる。
2−キャリアNCO
3−キャリアループフィルタ
4−キャリア周波数誤差演算部
5−コード位相誤差演算部
6−コードループフィルタ
7−コードNCO
8−ノンコヒーレントコード位相誤差演算部
10a−CMコード発生器
10b−CLコード発生器
11−フェーズローテータ
11’−ディジタルコンバータ
12a〜12h−相関器
121a〜121h−ミキサ
122a〜122h−積算器
13−信号変換回路
131−ミキサ
132−双曲正接関数(tanh関数)演算器
14−乗加算器
141−ミキサ
142−加算器
15−信号変換回路
150−シグモイド関数演算器
16a〜16d−遅延部
17a,17c−Cross演算器
17b−Dot演算器
160−乗加算器
161a〜161d−ミキサ
162−加算器
200−アンテナ
300−高周波処理部
400−信号処理部
401a〜401n−信号捕捉追尾部
402−基本パルス発生器
500−測位演算部
600−表示操作部
102a〜102h−相関器
103−信号レベル推定器
104−ノイズレベル推定器
105−キャリア追尾誤差検出器
106−コード追尾誤差検出器
110−ミキサ
111−加算器
151−キャリア位相誤差追尾部
152−コード位相誤差追尾部
Claims (14)
- CMコードおよびCLコードの2つの異なる擬似雑音符号を用いて位相変調され、これらが時分割多重化されてなるL2C信号の追尾を行うL2C信号追尾装置において、
前記L2C信号の信号レベルを推定する信号レベル推定部と、
推定した信号レベルとノイズレベルに応じて重み付けを行った前記CMコードと前記L2C信号の同相成分との相関信号と、前記CMコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号とを乗算し、乗算結果と前記CLコードの相関信号とを加算した結果に基づいて、キャリア位相を追尾するキャリア追尾処理部と、備えたことを特徴とするL2C信号追尾装置。 - CMコードおよびCLコードの2つの異なる擬似雑音符号を用いて位相変調され、これらが時分割多重化されてなるL2C信号の追尾を行うL2C信号追尾装置において、
前記L2C信号の信号レベルを推定する信号レベル推定部と、
推定した信号レベルとノイズレベルに応じた重み付けを行った前記CMコードと前記L2C信号の同相成分の相関信号と、前記CMコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号とを乗算し、乗算結果と前記CLコードの相関信号とを加算した結果に基づいて、コード位相を追尾するコード追尾処理部と、を備えたことを特徴とするL2C信号追尾装置。 - 前記キャリア追尾処理部は、
キャリア位相誤差に基づきキャリア位相を生成するキャリアNCOと、
前記キャリア位相を用いて得られる前記ベースバンドのL2C信号をそれぞれ同相成分と直交成分とに分けて前記CMコード相関処理するとともに前記ベースバンドのL2C信号の直交成分に前記CLコードを相関処理し、前記CMコードと前記L2C信号の同相成分との相関信号に前記信号レベルおよびノイズレベルに応じた重み付けを行った上で、前記CMコードと前記L2C信号の同相成分の相関信号と、前記CMコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号とを乗算し、乗算結果と前記CLコードと前記L2C信号の直交成分との相関信号を加算することで、前記L2C信号のキャリア位相誤差の演算を行うキャリア位相誤差演算手段と、
該キャリア位相誤差演算手段からのキャリア位相誤差をフィルタリングして前記キャリアNCOに出力するキャリアループフィルタと、を備え、
前記キャリアNCOと、前記キャリア位相誤差演算手段と、前記キャリアループフィルタとで前記L2C信号のキャリア位相推定演算ループを形成したことを特徴とする請求項1に記載のL2C信号追尾装置。 - 前記キャリア位相誤差演算手段は、前記CMコードの遅延と前記CLコードの遅延とを生成する遅延手段を備え、前記L2C信号をそれぞれ同相成分と直交成分とに分けて、前記CMコード、前記CMコードの遅延と相関処理するとともに、前記L2C信号の直交成分に前記CLコード、および前記CLコードの遅延を相関処理し、前記CMコードと前記L2C信号の同相成分の相関信号と、前記CMコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号とを乗算し、乗算結果に前記CLコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号および前記CLコードの遅延と前記L2C信号の直交成分との相関信号を加算することで、前記L2C信号のキャリア位相誤差を演算し、
前記キャリアNCOと、前記キャリア位相誤差演算手段と、前記キャリアループフィルタとで前記L2C信号のキャリア周波数推定演算ループを形成したことを特徴とする請求項3に記載のL2C信号追尾装置。 - 前記キャリア位相の追尾を行いながら、推定した信号レベルとノイズレベルに応じた重み付けを行った前記CMコードと前記L2C信号の同相成分の相関信号と、前記CMコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号とを乗算し、乗算結果と前記CLコードと前記L2C信号の相関信号とを加算した結果に基づいて、コード位相を追尾する統合追尾処理部を備えたことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4のいずれかに記載のL2C信号追尾装置。
- コードクロックイネーブル信号を生成するコードNCO、該コードNCOの出力に基づくCMコードおよび微分CMコードと前記コードNCOの出力に基づくCLコードおよび微分CLコードを生成するコード生成手段と、
前記ベースバンドのL2C信号をそれぞれ同相成分と直交成分とに分けて、前記CMコード、前記微分CMコードと相関処理するとともに、前記ベースバンドのL2C信号の直交成分に前記CLコードおよび前記微分CLコードを相関処理し、前記CMコードと前記L2C信号の同相成分の相関信号と、前記CMコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号とを乗算し、前記微分CMコードと前記L2C信号の同相成分の相関信号と、前記微分CMコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号とを乗算し、各乗算結果と前記CLコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号および前記微分CLコードと前記L2C信号の直交成分の相関信号を加算することで、前記L2C信号のコード位相誤差を演算するコード位相誤差演算手段と、
該コード位相誤差演算手段から出力されるコード位相誤差をフィルタリングして、前記コード生成手段に出力するコードループフィルタと、を備え、
前記コード生成手段と、前記コード位相誤差演算手段と、前記コードループフィルタとで前記L2C信号のコード位相推定演算ループを形成した請求項2、または請求項5に記載のL2C信号追尾装置。 - 前記キャリア位相誤差演算手段は、
中間周波数のL2C信号から前記キャリア位相を用いて、ベースバンドのL2C信号の同相成分および直交成分を生成するベースバンド信号生成手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記CMコードとの相関処理を行うCMコード同相相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の直交成分と前記CMコードとの相関処理を行うCMコード直交相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の直交成分と前記CLコードとの相関処理を行うCLコード直交相関処理手段と、
前記CMコード同相相関処理手段から出力されるCMコード同相相関信号に、前記信号レベルに比例した重みとノイズレベルに反比例した重みとを乗算し、該乗算されたCMコード同相相関信号の双曲正接関数信号を出力する第1CMコード同相相関信号変換手段と、
該第1CMコード同相相関信号変換手段からの出力信号と、前記CMコード直交相関処理手段からの出力信号とを乗算し、この乗算信号と前記CLコード直交相関処理手段からの出力信号とを加算することで前記キャリア位相誤差を生成して前記キャリアループフィルタに出力する乗加算手段と、を備え、
キャリア位相追尾ループ処理を行う請求項3に記載のL2C信号追尾装置。 - 前記キャリア位相誤差演算手段は、
中間周波数のL2C信号から前記キャリア位相を用いて、ベースバンドのL2C信号の同相成分および直交成分を生成するベースバンド信号生成手段と、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記CMコードとの相関処理を行うCMコード同相相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の直交成分と前記CMコードとの相関処理を行うCMコード直交相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の直交成分と前記CLコードとの相関処理を行うCLコード直交相関処理手段と、
前記CMコード同相相関処理手段から出力される前記信号レベルと前記ノイズレベルに応じて決定されたCMコード同相相関信号のシグモイド関数信号を出力する第2CMコード同相相関信号変換手段と、
該第2CMコード同相相関信号変換手段からの出力信号と、前記CMコード直交相関処理手段からの出力信号とを乗算し、この乗算信号を前記CLコード直交相関処理手段からの出力信号とを加算することで前記キャリア位相誤差を生成して前記キャリアループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備えてキャリア位相追尾ループ処理を行う請求項3に記載のL2C信号追尾装置。 - 前記キャリア位相誤差演算手段は、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記CLコードとの相関処理を行うCLコード同相相関処理手段と、
前記CMコード同相相関処理手段、前記CMコード直交相関処理手段、前記CLコード同相相関処理手段、および、前記CLコード直交相関処理手段のそれぞれから出力される信号を遅延処理する遅延手段と、
前記CMコード同相相関処理手段からのCMコード同相相関信号と前記CMコード直交相関処理手段からのCMコード直交相関信号とからなるCMコード信号対と、前記遅延手段からのCMコード同相相関遅延信号とCMコード直交相関遅延信号とからなるCMコード遅延信号対とを用いて内積処理を行ってCMコード内積処理信号を出力するCMコード内積処理手段と、
前記CMコード信号対と前記CMコード遅延信号対とを用いて外積処理を行ってCMコード外積処理信号を出力するCMコード外積処理手段と、
前記CLコード同相相関処理手段からのCLコード同相相関信号と前記CLコード直交相関処理手段からのCLコード直交相関信号とからなるCLコード信号対と、前記遅延手段からのCLコード同相相関遅延信号とCLコード直交相関遅延信号とからなるCLコード遅延信号対とを用いて外積処理を行ってCLコード外積処理信号を出力するCLコード外積処理手段と、
前記CMコード内積処理信号に、前記信号レベルに比例した重みと、ノイズレベルに反比例した重みとを乗算し、該乗算されたCMコード内積処理信号の双曲正接関数信号を出力する第1CMコード内積処理信号変換手段と、
該第1CMコード内積処理信号変換手段からの出力信号と、前記CMコード外積処理信号とを乗算し、この乗算信号と前記CLコード外積信号とを加算することで前記キャリア位相誤差を生成して前記キャリアループフィルタに出力する乗加算手段と、を備え、
キャリア周波数追尾ループ処理を行う請求項4に記載のL2C信号追尾装置。 - 前記キャリア位相誤差演算手段は、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記CLコードとの相関処理を行うCLコード同相相関処理手段と、
前記CMコード同相相関処理手段、前記CMコード直交相関処理手段、前記CLコード同相相関処理手段、および、前記CLコード直交相関処理手段のそれぞれから出力される信号を遅延処理する遅延手段と、
前記CMコード同相相関処理手段からのCMコード同相相関信号と前記CMコード直交相関処理手段からのCMコード直交相関信号とからなるCMコード信号対と、前記遅延手段からのCMコード同相相関遅延信号とCMコード直交相関遅延信号とからなるCMコード遅延信号対とを用いて内積処理を行ってCMコード内積処理信号を出力するCMコード内積処理手段と、
前記CMコード信号対と前記CMコード遅延信号対とを用いて外積処理を行ってCMコード外積処理信号を出力するCMコード外積処理手段と、
前記CLコード同相相関処理手段からのCLコード同相相関信号と前記CLコード直交相関処理手段からのCLコード直交相関信号とからなるCLコード信号対と、前記遅延手段からのCLコード同相相関遅延信号とCLコード直交相関遅延信号とからなるCLコード遅延信号対とを用いて外積処理を行ってCLコード外積処理信号を出力するCLコード外積処理手段と、
前記信号レベルと前記ノイズレベルに応じて決定された前記CMコード内積処理信号のシグモイド関数信号を出力する第2CMコード内積処理信号変換手段と、
該第2CMコード内積処理信号変換手段からの出力信号と、前記CMコード外積処理信号とを乗算し、この乗算信号と前記CLコード外積信号とを加算することで前記キャリア位相誤差を生成して前記キャリアループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備えて、キャリア周波数追尾ループ処理を行う請求項4に記載のL2C信号追尾装置。 - 前記CMコード、該CMコードを微分した微分CMコード、前記CLコード、および該CLコードを微分した微分CLコードを生成するコード生成手段と、
コード位相誤差をフィルタリングして、前記コード生成手段に出力するコードループフィルタと、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記微分CMコードとの相関処理を行う微分CMコード同相相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記微分CLコードとの相関処理を行う微分CLコード同相相関処理手段と、
前記第1CMコード同相相関信号変換手段からの出力信号に信号レベルとノイズレベルに応じた重み付けを行った信号と、前記微分CMコード同相相関処理手段からの出力信号とを乗算し、この乗算信号と前記微分CLコード同相相関処理手段からの出力信号とを加算して、前記コードループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備えて、コード追尾ループ処理を行う請求項7〜10のいずれかに記載のL2C信号追尾装置。 - 前記CMコード、該CMコードを微分した微分CMコード、前記CLコード、および該CLコードを微分した微分CLコードを生成するコード生成手段と、
コード位相誤差をフィルタリングして、前記コード生成手段に出力するコードループフィルタと、
サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記微分CMコードとの相関処理を行う微分CMコード同相相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記微分CLコードとの相関処理を行う微分CLコード同相相関処理手段と、
前記第2コードCM同相相関信号変換手段からの出力信号に信号レベルとノイズレベルに応じた重み付けを行った信号と前記微分CMコード同相相関処理手段からの出力信号とを乗算し、この乗算信号と前記微分CLコード同相相関処理手段からの出力信号とを加算して、前記コードループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備えて、コード追尾ループ処理を行う請求項7〜10のいずれかに記載のL2C信号追尾装置。 - 前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記微分CMコードとの相関処理を行う微分CMコード同相相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の直交成分と前記微分CMコードとの相関処理を行う微分CMコード直交相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の同相成分と前記微分CLコードとの相関処理を行う微分CLコード同相相関処理手段と、
前記サンプリング周波数により設定される周期を基準として、前記ベースバンドのL2C信号の直交成分と前記微分CLコードとの相関処理を行う微分CLコード直交相関処理手段と、
前記CMコード同相相関処理手段から出力されるCMコード同相相関信号に信号レベルとノイズレベルに応じた重み付けを行った信号と前記微分CMコード同相相関処理手段から出力される微分CMコード同相相関信号とを乗算する乗算器と、前記CMコード直交相関処理手段から出力されるCMコード直交相関信号と前記微分CMコード直交相関処理手段から出力される微分CMコード直交相関信号とを乗算する乗算器と、前記CLコード同相相関処理手段から出力されるCLコード同相相関信号と前記微分CLコード同相相関処理手段から出力される微分CLコード同相相関信号とを乗算する乗算器と、前記CLコード直交相関処理手段から出力されるCLコード直交相関信号と前記微分CLコード直交相関処理手段から出力される微分CLコード直交相関信号とを乗算する乗算器と、これら4つの乗算器の出力を加算して、前記コードループフィルタに出力する乗加算手段と、
を備え、コード追尾ループ処理を行う請求項7〜請求項10のいずれかに記載のL2C信号追尾装置。 - 測位衛星からのL2C信号を受信するアンテナと、
該アンテナからのL2C信号を中間周波数に変換する高周波処理手段と、
中間周波数のL2C信号に基づきコード位相およびキャリア位相を推定演算する信号処理手段と、
前記コード位相および前記キャリア位相に基づき、測位演算を行う測位演算手段と、
前記測位演算の結果を表示するとともに操作入力を受け付ける表示操作手段とを備え、
前記信号処理手段に、請求項1〜請求項13のいずれかに記載のL2C信号追尾装置を用いることを特徴とするGPS受信機。
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