JP3837419B2 - 衛星測位方法及び衛星測位システム - Google Patents

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本発明は、衛星からの信号により衛星と受信機端末との間の擬似距離を求め自己位置を計算する衛星測位方法及び衛星測位システムに関する。
測位用衛星は地球上の周りを多数回っており、同一搬送周波数で信号が連続送信されている。各衛星にPNコード(GPSの場合はC/Aコードと呼ばれる)が割り当てられており衛星ごとに異なるもので、各衛星から擬似雑音信号として連続送信されている。衛星からは衛星の軌道などの情報をふくむ航法データが送信されており、この航法データでPNコードの極性を反転させて同一搬送波でPSK変調され連続送信されている。
GPS信号の場合、PNコード(C/Aコード)は、図1に示すように1msec(1ミリ秒)が1PNフレームとされ、この1PNフレームが、周期的な連続信号として送信されている。
つまり、上記航法データは1ビット{20msec(50bps )}で、この航法データの極性に応じてC/Aコードの極性を反転させている。すなわち航法データが1ならばC/Aコードの極性はそのままであり、航法データが−1ならばC/Aコードも極性が反転する。
そして、受信感度を向上させる衛星測位システムとして従来より知られるものに、アシスト型GPSがある(例えば、特許文献1参照)。このシステムは、図13に示すように、受信ユニット104 は、GPS受信アンテナ105 を備えたRFからIFへのコンバータ106 、このコンバータ106 からのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ107 、このA/Dコンバータ107 からの出力を記録するメモリ(ディジタルスナップショットメモリ)108 、このメモリ108 からの信号を処理する汎用プログラマブルディジタル信号処理回路(以下、DSP回路と略称する)109 を有する。
そして、この他にDSP回路109 に接続されたプログラムEPROM(ROM、メモリ)110 、周波数シンセサイザ111 、パワーレギュレータ回路112 、アドレス書き込み回路113 、マイクロプロセッサ114 、RAM(メモリ)115 、EEPROM(ROM、メモリ)116 、送受信アンテナ117 を備えマイクロプロセッサ114 に接続されたモデム118 を有する。
次に動作について説明する。べースステーション101 は、受信ユニット104 に指令を出して、データコミュニケーションリンク119 により伝送されたメッセージを介して測定を実施する。ベースステーション101 は、このメッセージの中で対象の衛星に対する衛星情報のドップラデータを送信する。
このドップラデータは、周波数情報のフォーマットを持ち、メッセージは対象衛星の特定を行う。このメッセージは受信ユニット104 の一部であるモデム118 により受信され、マイクロプロセッサ114 に結合されたメモリ108 に格納される。マイクロプロセッサ114 はDSP回路109 、アドレス書き込み回路113 とモデム118 との間のデータ情報伝達を取扱い受信ユニット104 内でのパワーマネージメント機能をコントロールする。
受信ユニット104 が(例えばベースステーション101 から)GPS処理、並びにドップラ情報に対して指示を受け取った場合、マイクロプロセッサ114 はその指示に従いパワーレギュレータ回路112 を起動する。このパワーレギュレータ回路112 はパワーライン120a〜120eを介して、RFからIFへのコンバータ106 、A/Dコンバータ107 、メモリ108 、DSP回路109 及び周波数シンセサイザ111 に機能を付与する。これによりGPS受信アンテナ105 を経て受信されたGPS衛星からの信号はIF周波数にダウンコンバ−トされた後にディジタル化を実施される。
処理する信号は、通常 100msecから1sec (又は更に長い)の時間に相当する。このような連続データセットは、メモリ108 に格納される。
DSP回路109 ではソードレンジ計算が行われる。更にDSP回路109 は局所的に作成された基準と受信された信号との間の多数のコリレーションオペレーションを迅速に実施することにより、ソードレンジの極めて迅速な演算を可能にするファーストフーリエ変換(FFT)アルゴリズムの使用を可能にする。ファーストフーリエ変換アルゴリズムは、このようなあらゆる位置を同時に並列的に探索し、演算プロセスを加速する。
DSP回路109 が、対象衛星の各々に対するソードレンジの演算を完結すると、この情報を相互接続バス122 を経て、マイクロプロセッサ114 に伝送する。次に、マイクロプロセッサ114 は、最終の位置算定の為にソードレンジデータをデータコミュニケーションリンク119 を経てベースステーション101 に伝送する目的でモデム118 を利用する。
ソードデータに加え、メモリ108 の中での最初のデータ収集からデータのデータコミュニケーションリンク119 を経た送信の時点迄の経過時間を示すタイムラグが、同時にベースステーション101 に伝送されることができる。このタイムラグは位置計算を行うベースステーション101 の能力を高める。何故ならば、これによりGPS衛星位置はデータ収集の時点に行うことができるからである。
モデム118 はデータコミュニケーションリンク119 を通じてメッセージの送受信の為に別個の送受信アンテナ117 を利用する。モデム118 はコミュニケーションレシーバーとコミュニケーショントランスミッタを含み、しかもこの両者は交互に送受信アンテナ117 に結合されると理解される。同様にべースステーション101 はデータリンクメッセージを送信及び受信する為に別個の送受信アンテナ103 を使用することが可能であり、従って、べースステーション101 でGPS受信アンテナ102 を経てGPS信号を連続的に受信することができる。
DSP回路109 における位置計算にはメモリ108 に格納されたデータの量及びDSP回路109 又は幾つかのDSP回路の速度に応じて必要な時間は数秒以下となることが期待される。上述のように、メモリ108 は比較的長い時間に該当する記録を捕捉する。
ファーストコンボリューション法を用いた大ブロックのデータの有効な処理は低受信レベルでの信号を処理する為の性能に寄与する(例えば建物、樹木等により著しく遮られた為に受信レベルが低下する時)。可視的なGPS衛星に対するすべてのソードレンジはこの同じ緩衝されたデータを用いて計算される。これは信号の振幅が迅速に変化する状況(都会の障害状態の様な)下の連続追跡GPS受信機に関する性能を改善されたことになる。
上記DSP回路109 で行われる信号処理について、処理の目的は局所的に発生する波形に関して、受信された波形のタイミングを確定することであり、さらに高感度を得るために上記波形の極めて長い部分、通常 100msecから1sec にわたる部分が処理される。受信されるGPS信号(C/Aコード)は、1023ビット=1msecの反復ソードランダム(PNフレーム)から成り立っている。
そこで、また前後のPNフレームを互いに加える。例えば1秒間に1000PNフレームが存在するので、第1のフレームを次の第2のフレームにコヒーレント的に加え、生じたものを第3のフレームに加える。以下、図14(A) 〜図14(E) に示すように順次加えて行く。この結果、1PNフレーム=1023ビットの持続時間を持つ信号が得られる。このシーケンスの位相をローカル基準シーケンスと比較すれば2つの間の相対タイミング、すなわちソードレンジ(擬似距離)を確定することができる。上記DSP回路109 で行われる信号処理について、図14により説明する。
図14は実際のGPS信号とは異なっており説明のために擬似的な説明用の図として描かれている。航法データが0(−1)または1の区間(20msec)には実際には20フレーム(C/Aコード20周期分)が存在するが説明のために4フレームとしてかかれている。図14(A) においてDATA=0の区間とDATA=1の区間とでは各フレーム(FRAME :各1msec )の位相が互いに逆転している。この状態でGPS信号(C/Aコード信号)が受信アンテナに入力される。
図14(B) はDATAが0になる立ち上がりの点(データの先頭部)からGPS信号(C/Aコード信号)を取り出した場合の説明の図である。注目すべきは、この図は説明をわかりやすくするためにかかれた特殊な条件のタイミングで捕らえた図である。
すなわちDATAが0になる立ち上がりの点(データの先頭部)から捕らえられた場合の非常に特殊な条件が成立したときの図である。図14(B) の動作はある時点から受信信号(C/Aコード)をとりはじめ、この受信信号(C/Aコード)を4フレーム分ずつ加算して平均することを行っている。
しかし、注目すべきは、もし受信信号(C/Aコード)が最初のDATA=0のフレーム2(FRAME 2)の先頭部から取り始めたら加算して平均した結果は0となってしまう。 そして、実際には受信機で信号を取り始めるときはDATAの先頭部からうまく取り出すことはほとんどありえない。つまり、航法データの途中、およびフレームの途中からデータを取り始めるのが実際である。
図14(B) である時点から捕らえられた連続受信信号に対して4周期分(C/Aコードを4個分)毎に同期加算して平均する。次に、図14(C) において受信機内部のレプリカPN符号(レプリカC/Aコード)と図14(B) の結果の相関計算結果を示す。相関計算のピーク値の極性は、図14(B) におけるそれぞれの同期加算して平均した結果の極性と受信機内部のレプリカPN符号の極性が一致すれば正、異なれば負となる。
図14(D) は図14(C) の相関結果の絶対値を取った図を示す。すなわち図14(D) において各相関計算の絶対値をそれぞれ取る。図14(E) はそれぞれ絶対値で得られた各相関計算を同期加算する。以上の同期加算、相関計算により周期信号であるPN(C/Aコード)信号を多数回加算することで感度(S/N)を向上させている。
また従来の他の衛星測位システムについて以下のものがある。
GPS受信信号のC/AコードをA/Dコンバータでいったんメモリに一定時間蓄積する。このC/Aコード信号はGPSの航法データにより、極性が反転しているところが存在する。この特許ではノイズに埋もれたC/Aコード信号を、ノイズの中から浮かび上がらせるために外部からの航法データを入手して、C/Aコード信号の極性を完全に同一にして同期加算および相関計算を行うことにより高感度受信を行うものである。
このシステムは、外部基地局のサーバから航法データを通信回線で受信機端末に取り入れて受信端末機で受信した信号に、この航法データの位相と受信機端末機の受信信号におけるC/Aコード信号と完全に位相を一致させて、この航法データで受信PN符号の極性を変化させてC/Aコード信号のすべての極性を同一化して、同期加算することによりノイズに埋もれたC/Aコード信号を、ノイズの中から浮かび上がらせることにより超高感度を得ている。
このシステムは、外部基地局のサーバと受信機端末で受信した受信信号におけるC/Aコード信号の位相と、外部基地局のサーバから航法データを通信回線で受信機に取り入れた航法データとの位相は一致しない。理由は通信回線における通信時間のばらつきや遅延があるためである。
そのために、GPS測位システムのGPS端末は正確な時刻信号を出力するタイムサーバに自己の時刻信号を送り、このタイムサーバから時刻信号を受け取ることにより、タイムサーバまでの通信時間を知るようにしている。
この通信時間を知ることにより、外部基地局のサーバから航法データを通信回線で受信機に取り入れた航法データの位相差を限りなく小さくして、外部からの航法データをスキャンさせてその位相差を完全に合わせることを行っている(例えば、特許文献2参照)。
米国特許5663734 米国特許6329946
従来のGPS測位システムは以上のように構成されているが、GPS受信信号に含まれるPN信号の位相は航法データの内容により航法データの区間、極性が反転する。
そのため、このような処理ではPN信号の極性が航法データにより変化しているため、PN信号の極性により同期加算する時に、図14(B) の過程で信号成分が互いに相殺されて感度(S/N)向上に十分ではないという欠点があった。つまり航法データの極性反転の境目を検出していなかった。そのため、感度(S/N)の向上が不十分であるという問題点がある。
また図14(D) と図14(E) の処理過程で相関計算値の絶対値を取って同期加算することは、白色雑音そのものの軽減にはつながらないため感度(S/N)の向上が不十分であるという問題点がある。
また、従来のGPS測位システム(特許文献2)においては、同期加算する時に、PN信号の極性により図14(B) の過程で信号成分が互いに相殺されて感度(S/N)向上に十分ではないという問題点を解消している。具体的には、受信信号(PN信号)の極性を同一化するために、基地局から航法データの情報をもらって、この受信信号(PN信号)に乗算して極性を同一化している。その後同期加算を行うことで、理想的なノイズの低減効果が得られている。
しかし、以下の問題点を有する。この場合、基地局から受信機端末での通信時間が0でないということである。通信回線がインターネットやパケット通信などにおいては、通信時間も相当のばらつきが存在して、位相誤差がきわめて大きくなるため、スキャン時間も大きくなり、したがって通信回線における遅延のばらつきが位置計測の応答時間に大きくかかわることになる。すなわち高感度測位を実現するためには、通信回線における通信時間の規格に厳しい要求をしなければ、実用的な応答時間で受信機計測をすることが出来ないという重大な欠点を持っている。
そこで本発明は、衛星からの信号を建物の中等において受信しても、つまり、減衰した微弱な衛星受信信号であっても超高感度でかつ応答性が良く自己位置を知ることができ、しかも、演算処理のために蓄積させるデータ量を少量化させ、リアルタイムに処理することが可能な衛星測位方法及び衛星測位システムを提供するものである。
本発明に係る衛星測位方法は、衛星からの信号を受信機端末が受信し、受信した衛星受信信号により該受信機端末が該衛星との間の擬似距離を求め自己位置の計算を行う衛星測位方法であって、上記衛星受信信号の航法データの1ビットぶんに相当する時間を、データ取得開始から前部分の取得時間と残りの後部分の処理時間とし、該取得時間内に取得した受信信号をその後の処理時間中に相関計算を含む演算処理を行い、かつ、データ取得開始を上記処理時間以下に設定された微小時間ずつ順次遅らせてから該取得時間ぶんの受信信号を所定数取得すると共に夫々の該受信信号においても後の各処理時間中に相関計算を含む上記演算処理を行い、該演算処理の結果におけるピーク値の検出により遅延値を求め、該遅延値から擬似距離を求め自己位置の計算を行う方法である。
また、上記微小時間を、上記処理時間と同じ時間とする。
また、上記処理時間中に行う上記演算処理は、上記取得時間内に取得する受信信号を同期加算させて得た同期加算信号に、上記受信機端末が予め用意する上記衛星からの信号の単位フレームに相当する所定ビット数のデータ列を1ビットずつ順に変位させた該所定ビット数と同数のデータ列群からなる擬似パターンを作用させたものを、さらに該同期加算信号に作用させる極性修正演算工程と、該極性修正演算工程にて得られた信号と該受信機端末が予め用意するレプリカPN符号とで相関計算を行う相関計算工程と、を有する。
また、上記処理時間中に行う上記演算処理の結果により自己位置計算に必要なだけのピーク値が検出できていない場合において、その次の航法データ1ビットぶんの信号のうちの上記取得時間ぶんの受信信号と累積同期加算させてから、相関計算を含む上記演算処理を行う。
さらに、本発明に係る衛星測位システムは、衛星からの信号を受信機端末が受信し、受信した衛星受信信号により該受信機端末が該衛星との間の擬似距離を求め自己位置を計算する衛星測位システムであって、上記衛星受信信号の航法データの1ビットぶんに相当する時間を、データ取得開始から前部分の取得時間と残りの後部分の処理時間とし、上記受信機端末は、該取得時間内に取得した受信信号をその後の処理時間中に相関計算を含む演算処理を行わせピーク値を検出する演算ブロック部と、該演算ブロック部の結果により遅延値を求め該遅延値から擬似距離を求め自己位置を計算する位置計算ブロック部と、を備え、上記演算ブロック部は、データ取得開始を上記処理時間以下に設定された微小時間ずつ順次遅らせてから該取得時間ぶんの受信信号を所定数取得すると共に夫々の該受信信号においても各取得時間後の処理時間中に相関計算を含む上記演算処理を行わせるものである。
また、上記演算ブロック部は、上記取得時間内に取得する受信信号を同期加算させて得た同期加算信号に上記受信機端末が予め用意する上記衛星からの信号の単位フレームに相当する所定ビット数のデータ列を1ビットずつ順に変位させた該所定ビット数と同数のデータ列群からなる擬似パターンを作用させたものをさらに該同期加算信号に作用させる極性修正演算部と、該極性修正演算部にて得られた信号と該受信機端末が予め用意するレプリカPN符号とで相関計算を行う相関計算部と、を有する。
また、上記演算ブロック部は、該演算ブロック部による演算処理の結果により自己位置計算に必要なだけのピーク値が検出できたかの判定を行う判定処理部を有し、該判定処理部の判定によりピーク値検出ができていない場合において、次の航法データ1ビットぶんの信号のうちの上記取得時間ぶんの受信信号と累積同期加算させてから、相関計算を含む上記演算処理を行わせるよう該演算ブロック部を構成したものである。
本発明によれば、演算処理に必要なデータ量が少なくて済み、小さな容量のメモリでも対応可能となり、また、回路の簡素化が図れ、処理速度を速めることができる。処理速度を速めることでリアルタイムな情報の出力が可能となる。
また、感度に応じて────衛星からの信号の強弱に応じて────サンプリング時間が自動的に変化するため極めて効率が良く、実用的(実際的)なものとできる。つまり、自己位置の計算に必要なだけの最小限の信号により結果を得ることができ、無駄なデータの蓄積、無駄なデータ処理が行われないため演算速度を一層速めることが可能となる。
さらに、航法データの極性反転の境目にある信号においても、ノイズに埋もれたPN信号を著しくS/Nを向上させて検出でき、感度を著しく向上させることができる。
従来のように、外部基地局からのデータを必要とせず、自己が受信した信号にて処理が行え、PN信号を著しくS/Nを向上させて検出できる。つまり、ノイズの中からPN信号を効率よく浮かび上がらせることができ、建物の中やビルの中など、GPS信号(GPS電波)が減衰した場所においても、衛星Sとの擬似距離を検出し自己位置の計算を精度良くかつ応答性良く行うことができる。
図1は、GPS衛星受信信号におけるPN信号(C/Aコードとも呼ぶ、以下PN信号と呼ぶ)構造を説明する説明図であり、図2は、衛星測位システムの概要を説明するブロック図である。
なお、本発明では、搬送波(キャリア)が重畳された受信PN信号、又は、搬送波が重畳されていない受信PN信号のどちらであってもよい。
本発明は、衛星Sからの信号を受信機端末11が受信し、受信した衛星受信信号により受信機端末11が衛星Sとの間の擬似距離を求め受信機端末11の自己位置の計算を行う衛星測位システム及び方法である。
図2において、S1 ,S2 ,S3 ,S4 は地球の廻りを回る対象測位衛星であり、1は基地局である。基地局1は見晴らしの良い環境に設置された受信アンテナ2を備え、GPS基準信号サーバ受信機3にてGPS信号を受信する。
GPS基準信号サーバ受信機3は受信した衛星受信信号(GPS信号)からドップラ情報4を抽出する。また基地局位置、各衛星位置、各衛星と受信アンテナ2位置との擬似距離を抽出する。これらの情報は送信部5で、通信手段Lを介して受信機端末11に送信される。この送信は一般に放送で行なわれる。なお、通信手段Lは携帯電話回線、地上放送、衛星放送でも良い。またはインターネット回線を用いてもよく、考えられる(電磁的方法による)手段はすべて対象としている。
11はGPS受信機端末である。基地局1からドップラ情報4及び基地局位置、各衛星位置、各衛星と基地局間の擬似距離6の情報はGPS受信機端末11の受信部12で受信される。
放送電波の周波数がGPS電波(信号)の近傍の周波数帯であるならば、この受信部12はGPS受信部13と共用させても良い。本発明は、通信手段L(回線、放送、携帯電話、インターネットなど)により、多くの端末11に対して同時に受信させることを想定している。なお、図2は1台のGPS受信機端末11を示している。
14はGPS受信機端末11のアンテナ部である。GPS受信機端末11(アンテナ部14)の場所は、衛星Sが直接見えるところのみならず、(通常の野外での受信以外に)木の陰や、(鉄筋コンクリートによる)建物の中心部などGPS電波の強さがかなり弱い場所なども想定している。
GPS受信部13(RFチューナー)はGPS受信信号───PN信号───のアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部分を有する。デジタル化されたPN信号は次の信号処理部21へ送られる。
なお、以上の構成は従来よりあるGPS技術で汎用的に広く使われているものであり、詳細な説明は省略する。
受信機端末11は、(後述する)擬似パターンAを予め記憶させた擬似パターン部22と、信号処理部21と、擬似距離検出部19と、位置計算部20と、をさらに備える。図3はGPS受信機端末11の構成を示すブロック図であり、信号処理部21は、I・Q信号変換搬送波除去部35,36、ドップラ補正部16、PN極性修正演算部25(図外)、(同期加算・)相関計算部10を有する。
まず、本発明の要部について全体説明すると、図4はGPS受信部13にて受信した信号から自己位置を計算するまでのフローチャートを示している。
本発明に係る衛星測位システムにおける衛星測位方法は、まず、衛星受信信号の航法データの1ビットぶんに相当する時間(20msec)を、データ取得開始から前部分の取得時間T1 と、残りの後部分の処理時間T2 として考える。なお、データ取得開始は、極性反転の境目に限らず、衛星受信信号に対して任意の位置(図8参照)からとすることができる。
これを図8により説明すると、20msecのうち、例えば、データ取得開始から15msecを取得時間T1 と設定し、その残りの 5msecを処理時間T2 と設定する。なお、(取得時間T1 )+(処理時間T2 )=20msecとすれば、これらの時間設定は自由であるが、処理時間T2 は航法データの1ビットぶんに相当する時間の約数の値としている。
GPS受信部13においてデジタル処理化された衛星受信信号から、搬送波が除去されドップラ補正され、その信号についてデータの取得を開始し演算処理を行う。つまり、図8において、取得時間T1 内に取得した受信信号をその後の処理時間T2 中に(後述する)相関計算を含む演算処理を行う。かつ、データ取得開始を微小時間iずつ順次遅らせてから取得時間T1 ぶんの受信信号を所定数取得すると共に、取得開始を順次遅らせた夫々の受信信号においてもその後の各処理時間T2 中に相関計算を含む演算処理を行う。
図8にてこれを具体的に説明すると、航法データの極性が周期的に変化する衛星受信信号に対して、任意の位置からデータ取得を開始し(矢印X)、15msec間だけ受信信号を取得する。この取得した信号は次の連続する5msec において演算処理される(→1. )。さらに、このデータ取得開始(矢印X)から微小時間i(5msec )だけ遅れて(矢印X2 )15msecの間受信信号を取得し、この取得した信号は次の連続する5msec において演算処理される(→2. )。さらに、データ取得の開始(矢印X)から10msecだけ遅れて(矢印X3 )15msecの間受信信号を取得し、この取得した信号は次の連続する5msec において演算処理される(→3. )。さらに、データ取得の開始(矢印X)から15msecだけ遅れて(矢印X4 )15msecの間受信信号を取得し、この取得した信号は次の連続する5msec において演算処理される(→4. )。
このように、データ取得開始のタイミングを順次(3回)遅らせて、別々の(4つの)データ列として夫々取得時間T1 ぶんの受信信号を取得し、各データの演算処理を各処理時間T2 中に行う。つまり、一つの衛星受信信号に対して、データ取得開始のタイミングをずらした4つの別々のデータ列を取得し、夫々において演算処理する。そして、夫々の取得時間T1 のデータ列は、1フレーム( 1msec)を単位として同期加算が行われる。
なお、このデータ列の数(4つ)は、航法データの1ビットぶんに相当する時間を処理時間T2 にて除算した値となる(つまり、20msec÷ 5msec=4 )。なお、データ取得開始を順次遅らせる微小時間iを、処理時間T2 と同じ時間(即ち、 5msec)としている。
データの取得開始を以上のようにすることで、1ビット毎に極性が変化する航法データに対して、取得時間T1 全てにわたって極性が同一であるデータ列が必ず得られる。つまり、図8の場合、最初のデータ取得開始X(X1 )から15msec遅れてデータ取得を開始した(矢印X4 )データ列(→4. )は、第1回目、第2回目、第3回目…とも、取得時間T1 の間の受信信号の極性は変化しない。これを言い換えれば、航法データの極性反転の境目を跨がない取得時間T1 のデータ列が得られることとなる。そして、このデータ列が、ピーク値検出において有効なものとして作用する。
そして、4つのデータ列夫々における演算処理(相関計算)の結果により、従来と同様の操作によりピーク値の検出を行い遅延値を求め、遅延値から擬似距離を求め自己位置の計算を行う。
なお、処理時間T2 中に行う演算処理について説明すると(後にも説明するが)、取得時間T1 内に取得する受信信号を同期加算させて得た同期加算信号に、受信機端末11が予め用意する擬似パターンAを作用させたものを、さらにその同期加算信号に作用させる極性修正演算工程と、極性修正演算工程にて得られた信号と受信機端末11が予め用意するレプリカPN符号とで相関計算を行う相関計算工程と、を有する。
処理時間T2 中に行う演算処理は、図2において、信号処理部21が有する演算ブロック部23において行われ、演算ブロック部23は、極性修正演算部25と相関計算部10とを有する。
極性修正演算部25は、取得時間T1 内に取得する受信信号を同期加算させて得た同期加算信号に、受信機端末11が予め用意する擬似パターンAを作用させたものをさらに同期加算信号に作用させる。
また、相関計算部10は、極性修正演算部25にて得られた信号と受信機端末11が予め用意するレプリカPN符号とで相関計算を行う。
極性修正演算部25をさらに説明すると、受信機端末11が有する擬似パターン部22にて予め用意(記憶)させた受信信号の極性修正(変更)用の擬似パターンAを、データ取得開始を順次遅らせて複数取得した夫々の受信信号について1フレーム(1msec)を単位として同期加算させて得たデータに作用させ、その受信信号の極性を修正する(同一化をねらう)。
なお、データ取得開始を順次遅らせて複数取得した信号について1フレームを単位として行う同期加算は、取得時間T1 中において取得と同時に(逐一)行っても良く、または、取得時間T1 後の処理時間T2 中において同期加算・相関計算部10の機能により、行っても良く、処理時間T2 中に行う上記演算処理は、相関計算の他に、極性修正が含まれる。
擬似パターンAは、この極性修正演算工程において用いられるものであり、(後にも説明するが)衛星Sからの信号の単位フレーム(1フレーム)に相当する所定ビット数のデータ列であり、しかも1ビットずつ順に変位(シフト)させた所定ビット数と同数の群からなるものである。
そして、極性が変更(同一化)されたデータに対して、それぞれ相関計算部10で相関計算が行われ、その後、擬似距離検出部19はその中から相関計算ピーク値が最大値になる値(遅延量τ)を検出することにより、受信機端末11と衛星Sとの擬似距離を検出する。
極性が同一化されたPN信号により、同期加算と相関計算によるノイズ低減は最大に改善される。そして、擬似距離検出部19が、ノイズ低減が最大に改善された状態の擬似距離を検出するものである。
ここで得られた擬似距離と、受信部12(図2参照)からの基地局位置、各衛星位置、基地局と各衛星との擬似距離の情報により位置計算部20で受信機端末11の自己位置を知ることができる。
つまり、受信機端末11は、取得時間T1 内に取得した受信信号をその後の処理時間T2 中に相関計算を含む演算処理を行わせピーク値を検出する演算ブロック部23と、演算ブロック部23の結果により遅延値を求め遅延値から擬似距離を求め自己位置を計算する位置計算ブロック部7と、を備えている。さらに、演算ブロック部23は、データ取得開始を微小時間iずつ順次遅らせてから取得時間T1 ぶんの受信信号を所定数取得すると共に夫々の受信信号においても各取得時間T1 後の処理時間T2 中に相関計算を含む上記演算処理を行わせる。なお、位置計算ブロック部7は、擬似距離検出部19と位置計算部20とを有する。
さらに、本発明において、処理時間T2 中に行う上記演算処理(相関計算)の結果により、自己位置計算に必要なだけのピーク値が検出できていない場合においては(衛星からの信号が減衰され微弱であった場合等に生じる)、この場合(ピーク値が検出できていない場合)において演算処理の対象とされた先の取得時間T1 の受信信号に(例えば第1回目の取得時間T1 の受信信号に)、その次(第2回目)の航法データ1ビットぶんの信号のうちの取得時間T1 ぶんの受信信号を、累積同期加算させてから、相関計算を含む演算処理を行う。つまり、処理時間T2 中に行う上記演算処理は、相関計算の他に、(累積)同期加算が含まれる。
この動作を具体的に説明すると、図8において、データ取得開始(矢印X)から別々の4つのデータ列を取得し演算処理しても、(例えば雑音に埋もれて)自己位置計算に必要なピーク値が検出できない場合、4つのデータ列の夫々において、データ取得の開始(矢印X1 、X2 、X3 、X4 )から第1回目の取得時間T1 と処理時間T2 との経過後の次の第2回目の取得時間T1 において第1回目の処理時間T2 後引き続いて信号の取得を行う。
そして、この第2回目の取得時間T1 にて取得した受信信号と、第1回目の取得時間T1 にて既に取得した受信信号と、を同期加算(累積同期加算)して、その後の第2回目の処理時間T2 中に累積同期加算したデータにより、相関計算を含む演算処理を行う。
この累積同期加算は、図4のフローチャートに示すように、位置計算に必要なピーク値が検出できるまで複数回繰り返され、自己位置の計算に必要な所定のピーク値が得られると、その情報により次の位置計算ブロック部7にて自己位置の計算を行う。
この累積同期加算がされると、その結果はメモリにて記憶されて演算処理されるが、過去の受信信号は既に不要となるため消去する。つまり、累積的に受信信号を加算し、しかも、4通りのデータ列のみで良いため、小容量のメモリで十分であるといえる。
つまり、演算ブロック部23は、演算ブロック部23による演算処理の結果により自己位置計算に必要なだけのピーク値が検出できたかの判定を行う判定処理部24(図4参照)を有し、判定処理部24の判定によりピーク値検出ができていない場合において、次の航法データ1ビットぶんの信号のうちの取得時間T1 ぶんの受信信号と累積同期加算させてから、相関計算を含む上記演算処理を行わせるよう演算ブロック部23を構成している。
以上が、本発明の要部の全体を説明したものであり、次に、図2と図3に戻ってGPS受信機端末11のハードウェアブロック図により、全体の衛星測位システム、衛星測位方法についてさらに具体的に説明する。
図2の各ブロックの符号と図3の各ブロックの符号とは対応する。図2のドップラ補正部16、極性修正演算部25、(同期加算・)相関計算部10、擬似距離検出部19、位置計算部20は機能ブロックである。
この機能ブロックを構成する手段はハードウェアによる構成、ソフトウェアによる構成、またはこれら混合した構成などが考えられる。この機能ブロックを構成する手段であるソフトウェア処理を実行するためのハードウェア構成を図3において信号処理部21とCPU部8とで示している。
図3において、14は受信アンテナ部、13はGPS受信部であり、GPS受信部13は、高周波増幅部32、周波数をダウンコンバートする周波数変換部33、周波数シンセサイザ部34、中間周波数増幅部38、A/Dコンバータ部39を有する。また、信号処理部21は、I信号変換搬送波除去部35、Q信号変換搬送波除去部36、90度移相器37、ドップラ補正部16、極性修正演算部25(図外)、(同期加算・)相関計算部10、とを有する。また、図2のように、擬似パターンAを記憶乃至発生させるROMから成る擬似パターン部22を有する。
CPU部8は、CPU42、CPU42と接続されたRAM45及びROM46を有する。12は図2の基地局1からの情報を放送や通信手段Lを通じて得るための受信部である。
次に、図3により動作の概要について説明する。
受信アンテナ部14からPN信号でスペクトラム拡散変調された 1.5GHZ 帯のGPS信号を高周波増幅部32で受信する。周波数シンセサイザ部34と周波数変換部33でダウンコンバートされて、たとえば70MHz 帯の周波数領域に変換する。中間周波数増幅部38を経てA/Dコンバータ部39にてA/D変換し、衛星受信信号はアナログ信号からデジタル化された離散化信号に変換される。
70MHz 帯に周波数変換部33でダウンコンバートされ、デジタル化された受信信号は、PN.cos((w+Δw)t +Φ) で表される。Δw はドップラ周波数である。Δw はアンテナ部14で捕らえられる衛星信号のドップラ周波数変動分と周波数シンセサイザ部34の周波数変動分とが合成されたものである。ここでは周波数シンセサイザ部34の周波数変動分はないものとして説明する。この場合Δw はアンテナ部14で捕らえられる衛星信号のドップラ周波数変動分のみである。
そして、搬送波除去部35,36、ドップラ補正部16、極性修正演算部25、(同期加算・)相関計算部10、擬似距離検出部19、位置計算部20の機能ブロックを実行させる。そして、この機能ブロックをソフトウェアによるデジタル信号処理にて実行する場合について説明する。
図2における機能ブロックを、ソフトウェアにより実行するフローチャートを図4に示す。図4において機能ブロックである搬送波除去部35,36、ドップラ補正部16、極性修正演算部25(図外)、(同期加算・)相関計算部10、擬似距離検出部19、位置計算部20は、図2のデジタル信号処理部21及びCPU部8における機能ブロックに対応している。
図5はI信号変換搬送波除去部35、Q信号変換搬送波除去部36の動作概要を示す図であり、デジタル化された受信信号に、周波数シンセサイザ部34と90度移相器37で互いに90度位相の異なる70MHz の搬送波で掛け算する部分、すなわちI信号変換搬送波除去部35、Q信号変換搬送波除去部36で、互いに(搬送波70MHz が除去された互いに)直交するIとQのPN受信信号が取り出される。なお、47,48は乗算器である。49,50は低域フィルター(帯域フィルター)である。
図3の周波数シンセサイザ部34からの信号および90度移相器37で90度位相の異なる信号は互いに直交する搬送波cos(wt) 、sin(wt) で表される。これらの直交する信号とA/Dコンバータ39からの信号PN.cos((w+Δw)t +Φ) とを乗算器47,48で乗算して低域フィルター49,50を通すと0.5PN.cos ( Δwt+Φ) 、−0.5PN.sin ( Δwt+Φ) が得られる。これらの変換はI,Q変換器として汎用的に使われているものである。
この実施例ではI,Q変換器それぞれにおいて、信号PN.cos((w+Δw)t +Φ) に対して互いに直交する搬送波cos(wt) 、sin(wt) すなわち搬送波周波数w が同一であるため、搬送波が除去されている。
これら搬送波が除去された互いに直交する受信信号(デジタル信号)は、メモリに蓄積されることなく連続的に(引き続いて)ドップラ補正される。
なお、以上述べた高周波増幅部32、周波数変換部33、シンセサイザ部34、中間周波数増幅部38、A/Dコンバータ39、I信号変換搬送波除去部35、Q信号変換搬送波除去部36、移相器37、は汎用的なものであり一般に広く使われている。
I,Q信号のデジタルデータ0.5PN.cos(Δwt+Φ) 、−0.5PN.sin(Δwt+Φ) はドップラ成分を含んでいる。ドップラ周波数Δw は外部(基地局1)から取り入れられる。
このドップラ周波数Δw は、図2の基地局1(サーバ)からGPS受信機端末11の受信部12により入手できる。このΔw はCPU42で受け取りRAM45に記憶される。
以下のようなアルゴリズムでドップラ補正が行われる。ドップラ補正情報Δw でI,Q信号のデジタルデータ0.5PN.cos(Δwt+Φ) 、−0.5PN.sin(Δwt+Φ) に対してドップラ補正を行う動作を図6に示す。
図6はプログラムで行う機能ブロック図である。26,27,28,29は乗算部、30は加算部、31は減算部を示す。tは離散化された値でt=0:Δt:W×Tであり、tは0からW×Tまでサンプル間隔Δtで離散化された値であることを意味する。サンプリング周波数をfKHz とする。ここではf=Nとして説明する。T=1msec;W=1023とする。サンプリング間隔ΔtはΔt=1/fとなる。
離散化され搬送波が除去されたI信号、Q信号の受信信号(データ)は、図6のように、入力信号0.5PN.cos(Δwt+Φ) 、−0.5PN.sin(Δwt+Φ) で表される。
これらの信号に対して受信部12より得られたドップラ周波数Δw からcos(Δwt) 、sin(Δwt) を乗算部26,27,28,29で乗算して、加算部30、減算部31を通すと−0.25PN.sin (Φ) 、0.25PN.cos (Φ) が得られる。
乗算部26,27,28,29、加算部30、減算部31は、プログラムにて容易に実現可能である。すなわち以下の計算を行う。
I,Q信号のデジタルデータPN.cos (Δwt+Φ) 、−PN.sin (Δwt+Φ) の入力信号をSIin= −0.5PN.sin(Δwt+Φ) 、SQin= 0.5PN.cos(Δwt+Φ) とおいて、−SIin×cos(Δwt) +SQin×sin(Δwt) 、SQin×cos ( Δwt) −SIin×sin(Δwt) を計算する。そして、計算結果として−0.25PN.sin(Φ)、0.25PN.cos (Φ) が得られる。
このようにして得られた互いに直交するI,QのPN信号は、それぞれメモリに記憶されることなく(引き続いて)演算ブロック部23へ入力される。この入力されるデータはドップラ成分Δw が含まれない。
また、図7はドップラ補正部16を説明する他の実施の形態であり、これによればドップラ補正の単純化が可能となる。図7(a)はI信号部のドップラ補正部であり、図7(b)がQ信号部のドップラ補正部である。この形態では、ドップラ周波数Δw からのcos(Δwt) 、sin(Δwt) を1ビット化させる。つまり、図示するように、cos(Δwt) 、sin(Δwt) の夫々を、+1または−1(0)化する。
そして、図7(a)において、入力信号に対して(1)(3)(2)(4)の順番に出力し、これを繰り返す。また、図7(b)においては、(3)(2)(4)(1)の順番に出力し、これを繰り返す。
次に、ドップラ補正がされた受信信号に対して、極性を変更(修正)させ、同期加算し、相関計算させた結果を得る動作について説明する。
すなわち極性修正演算部25、(同期加算・)相関計算部10、擬似距離検出部19、位置計算部20の動作に入る。
図2の極性修正演算部25、(同期加算・)相関計算部10、擬似距離検出部19の機能ブロック動作を説明する全体図が図9であり、各ブロックの詳細な図が図10と図11と図12である。
まず、極性を修正させるための擬似パターン部22の擬似パターンAは、図11のA1 からA1023までの1023種類で一組のパターン群である。この擬似パターンAは、上記説明したように、衛星Sからの信号の単位フレーム(1フレーム)に相当する所定ビット数(1023ビット)のデータ列であり、しかも1ビットずつ順にデータを変位(シフト)させた所定ビット数(1023)と同数の群からなるものである。
具体的には、擬似パターンAは、衛星からのCAコード(PNコード)と同一のパターンからなり、0と1とを所定の(一定の)順番で連続させたデータ列を有し、0の個数と1の個数の和が1023ビットからなる。そして、この1023ビットの一つのデータ列が、1023個で一つの群を構成して得られたものが擬似パターンAとなる。そして、この1023個のデータ列は、すべて相互異なっており、A1 からA1023までは、順に1ビットずつ値がずらされている(シフトされている)。つまり、PNコードの1フレームぶんが〔0100110001110 …11111 〕であるとすると、A1 は〔10100110001110…1111〕であり、A2 は〔110100110001110 …111 〕となり、A1023は〔0100110001110 …11111 〕となる。即ち、A1 からA1023はすべて1023ビットからなるものである。
また、これらの擬似パターンAは、0のかわりに1、1のかわりに−1としても良い。
図9における動作について説明する。実際には図9のブロック(最初の入力)が、I信号、Q信号についてそれぞれにあるが同様のブロックであり、動作は両方とも同じであるため、ここではどちらか一方の信号について説明する。以下0.25PN.cos(Φ)の信号について説明する。
極性修正演算部25が有する図11の乗除演算部25a及び修正演算部25cに入力させる信号は、図8と図10に示す処理にて準備される。つまり、ドップラ補正された受信信号に対して、取得時間T1 の受信信号を、最大15msecまで5msec ずつ順次遅らせて所定数(4個)取得していく。
なお、第1回目の取得時間T1 内の受信信号について相関計算を終えピーク値が得られなかった場合は、第2回目の取得時間T1 について受信信号の取得を行うよう機能される(例えば、図8のように、ピーク値を得るために第1回目から第3回目までの受信信号が必要となった場合は、15×3 =45msecぶんのデータが得られる)。
図10に示すように、各取得時間T1 (15msecの間)に取得した受信信号(第1信号)を、1msecを単位として15回同期加算して第2信号とする。データ取得開始を順次遅らせて所定数受信信号を得るため、1番目(→1. )から4番目(→4. )までの第2信号が得られる。
そして、次に、図11に示すように、第2信号に受信機端末11が予め用意する擬似パターンAを作用させたものを、さらに第2信号に作用させる極性修正演算工程を行う。
具体的には、図11に示すように、極性修正演算部25は、第2信号に受信機端末11が予め用意する擬似パターンAを乗算又は除算させる乗除演算部25aと、乗除演算部25aにおける結果を平均計算する平均演算部25bと、平均演算部25bにおける結果をさらに第2信号に乗算させる修正演算部25cと、を有する。
この処理を具体的に説明すると、以下のようになる。
入力させる第2信号を「INPUT SIGNAL」とし、その航法データを「DATA」とし、そのCAコードを「CA」とし、その雑音を「NOISE」として、第2信号を表すと、式(1)のようになる。
INPUT SIGNAL=DATA×CA+NOISE ……(1)
そして、この第2信号に、擬似パターンA1 からA1023までを作用させる。つまり、乗除演算部25aにて各第2信号を擬似パターンA1 からA1023で夫々割り算する。なお、図11では、乗除演算部25aを割算部としている。
そして、{CA/ A}=1であるならば────つまり、第2信号のCAコードと擬似パターンAとが(極性は正又は逆であるが)一致すると────、乗除演算部25aにおける結果は、式(2)及び式(3)のように表せる。
INPUT SIGNAL/A=DATA×CA/A+NOISE/A ……(2) INPUT SIGNAL/A=DATA+NOISE′ ……(3)
そして、この得られた信号を、平均演算部25bにて平均DDを取ると、式(4)のように表せる。なお、Nは実数とし、例えば15とすることができるが、その他の実数であってもよい。これにより、その第2入力信号における航法データの極性(D′)が推定できる。
DD = 1/N×Σ{INPUT SIGNAL/A}
= 1/N×Σ{DATA+NOISE′}
= D′+ NOISE″ ……(4)
そして、この結果を修正演算部25cにて、さらに第2信号に作用(乗算)させ、整理すると、式(5)のように表せる。
DD×INPUT SIGNAL
=(D′+NOISE″)×(DATA×CA+NOISE)
=[D′×DATA]×CA+NOISE ″×DATA×CA
+NOISE×(D′+NOISE″)
=CA+(NOISE″×DATA×CA)
+{NOISE×(D′+NOISE″)} ……(5)
つまり、式(5)において、[D′×DATA]は、第2信号における航法データの極性(D′=1又は−1)と、第2信号の航法データ(DATA)とを乗算したものである。従って、第2信号における航法データの推定(算出)した極性がD′=+1であると、その航法データ(DATA)も+1であるため、相互乗算した結果は+1となる。一方、第2信号における航法データの推定(算出)した極性がD′=−1であると、その航法データ(DATA)も−1であるため、その乗算した結果は+1となる。つまり、航法データによる極性が、すべての第2信号について同一化される。
以上のように、この工程では、取得時間T1 について取得した受信信号を15回同期加算したものをあらたな入力信号(第2入力信号)とし、これを極性(位相)が同一(同位相)又は逆(逆位相)でかつ一致する擬似パターンAで割算しているといえる。また、極性が同一又は逆で一致する条件を満足させるために、擬似パターンを1ビットずつシフトさせた1023とおりを用意し、1023とおりの場合における並列演算処理が行われている。
そして、図12に示すように、極性修正演算工程にて得られた信号について相関計算を行い、演算ブロック部23が有する判定処理部24にて自己位置の計算に必要なピーク値が検出できたかの判定を行う。そして、ピーク値が検出できていない場合、既に行ったこの相関計算の対象となっていた取得時間T1 の受信信号と、その次の取得時間T1 の受信信号とを累積同期加算して、再度相関計算を行う。
なお、一般に同期加算はデジタル信号処理回路で周期信号における雑音軽減の方法として広く知られている。この計算について述べると、一般に周期信号に対して1周期の信号をs個のサンプリングパルスでサンプリングしてm周期分データを取ると、D(1:m,1:s) のデータを取得できる(sは標本個数、mは加算回数)。このときM行目の同期加算平均結果は式(6)のようになる。
1/m×{ΣD(M,N)} (ただし、M=1〜m) ……(6)
信号に重畳している雑音が統計的性質に合うガウス性のものとすると、m回の加算により雑音の成分は1/√mに減少することが知られている。そのため本発明では、累積的に同期加算することで雑音の軽減は加速しピーク値の検出が可能となっていく。
次に、相関計算について述べると、受信機端末11が予め用意するレプリカPN符号(レプリカC/Aコード信号)とで、相関計算部10にて相関計算を行う。レプリカPN符号や相関計算は広く知られた内容であるが、以下簡単に説明する。
一般にGPS衛星Sは地球上を複数個回っており、各衛星Sからは、1575.42 MHz の搬送波を、それぞれ個別の衛星Sに対応したPN信号でスペクトラム拡散変調がなされ地球上に送信している。たとえば1575.42 MHz を、衛星S1 はPN信号aで、衛星S2 はPN信号bで、スペクトラム拡散変調して送信しているとする。衛星S1 の信号を受信機端末11にて取り出す(復調させる)ためには受信機端末11側であらかじめPN信号aと同一のPN信号a′を記憶させておき、このPN信号a′により衛星S1 はPN信号aを受信機端末11にて復調させる。
そして、衛星S2 を受信するためには、あらかじめ受信機端末11側にPN信号bと同じPN信号b′を記憶しておかなければならない。したがって受信機端末11側には、あらかじめ各衛星Sから発射される各衛星Sに対応するすべてのPN信号をもっていなければ、各衛星Sの信号を受信できない。そして本発明において、このあらかじめ用意されているPN信号をレプリカPN符号としている。
そして、各GPS衛星Sに対応する(衛星受信信号を復調させる)各レプリカPN符号は、あらかじめGPS受信機端末11が備える信号処理部21のROMに記憶させている。
また、一般にデータXをX(n) (ただし n=0:N )、データYをh(n) (ただし n=0:N )、kを整数として0≦k≦Nとしたとき、式(7)のように表現する。
y(k)=ΣX(n) h(n+k) (ただし、n=0〜N−1) ……(7)
そして、y(1),y(2),y(3) …y(N) を計算する。ここでy (k) の計算においてデータの加算回数はN個である。従って、このとき信号に重畳している雑音が統計的性質に合うガウス性のものとすると、N回の加算により雑音の成分は1/√Nに減少することが知られている。このためこの計算による雑音低減は1/√Nである。そして、この計算を相関計算という。(等価な相関計算は高速演算としてFFTを用いて一般によく知られて用いられる方法があるが、ここでは原理説明のために一般的な計算法を示した。)
また、y(1),y(2),y(3) …y(N) のそれぞれの絶対値で、y(nn)の絶対値が最大の値であれば、y(nn)の絶対値を相関のピーク値とする(ただし0≦nn≦N)。このときのnnを遅延量τと呼ぶ。また、遅延量τとピーク値y(nn)を求めることを、相関のピークを求めるという。
また、ここでデータXが信号をm回同期加算して得られたx(n)とすれば、この相関計算により雑音軽減量は式(8)となる。
1/√(m・N) ……(8)
そして、本発明ではPN信号をX(n) 、レプリカPN符号をh(n)、mを同期加算回数、NをPN信号1周期分のサンプル数とし、実施例としてm=1〜、N=1023を想定している。
従って、受信信号を累積同期加算させることで、雑音軽減量は上記式(8)の結果の効果を出すことが可能である。すなわち雑音にうもれた超微弱信号であっても遅延量τを求めることができる。
図9における擬似距離検出部19の動作について説明する。擬似距離検出部19は相関計算部10にて得られた結果であるデータにおいて絶対値が最大となるデータを検索し、絶対値が最大となる相関ピーク値の絶対値と、遅延量τが検出結果である。
この遅延量τが求まれば、この遅延量τから擬似距離(衛星SとGPS受信機端末11との間の距離)を求めることができる。なお、相関計算部10にて行う相関計算、I信号・Q信号の合成、遅延量τから擬似距離を求める手段は、一般に広く知られており説明を省略する。
その後、図2の位置計算部20のブロックにて、基地局1からの基地局位置、各衛星位置、各衛星と基地局間の擬似距離の情報を受信機端末11の受信部12で取得して自己位置が決定される。なお、位置計算部20もここで求めた擬似距離と、基地局位置、各衛星位置、各衛星と基地局間の擬似距離から自己位置を決定する方法は一般に広く知られており容易に実現できる。
GPS測位システムにおいて、ビルの中等においては、従来では自己位置を決定することはほとんど不可能であったが、本発明により、GPS受信機端末11で受信できる感度を、従来不可能と呼ばれていたビルの中など超微弱信号であっても、劇的に感度を向上でき、位置計測を可能とする。
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。図2におけるドップラ補正部16,極性修正演算部25, (同期加算・)相関計算部10, 擬似距離検出部19の部分の機能ブロックは、ソフトウェアによるアルゴリズムで説明したが、ドップラ補正部16について、及び、図6の演算ブロック部等についてをハードウェアで構成しても良い。
また、ソフトウェア、ハードウェアの混合で構成しても良い。
これにより、本発明は、従来ある問題点を解消するものであり、受信機端末11内部にあらかじめ用意した符号で受信信号(PN信号) の航法データの極性を同一にして、同期加算及び相関計算を、または、同期加算を行うことにより、同期加算等において異なる極性により信号成分が互いに相殺されて感度(S/N)向上が劣化することを完全に排除している。
すなわち、受信機端末11内部にあらかじめ用意した擬似パターンで、受信信号(PN信号)の航法データの極性を同一にして、同期加算、相関計算を行うことにより、劇的な感度(S/N)の向上を図り、家屋内、建物の陰、ビルの中などでも、安定した測位のできる高感度衛星測位手段(方法)を得るものである。
また、本発明は、衛星受信信号(PN信号)により処理を行うため、従来技術のように外部基地局から航法データを取り入れる方法とは異なるため、外部基地局から開放できるものである。すなわち衛星受信信号(PN信号)の極性を同一化するために外部基地局の情報を不必要とし、また、受信信号(PN信号)の極性を同一化してその後、同期加算を行うことで、理想的なノイズの低減効果を持ったものとできる。
つまり、外部基地局から通信手段Lにより航法データを受信しなくても、例えばビル中に存在する受信機端末11で受信した受信信号のみから、(外部基地局からの衛星Sの航法データを使わないで)受信機端末11自身で、PN信号の航法データの極性を同一化して、同期加算する。従って、通信手段Lによる外部からの航法データに依存することなく、PN信号のすべての極性を同一化し、同期加算、相関計算により、ノイズに埋もれたPN信号を、ノイズの中から浮かび上がらせることにより超高感度を得る。
また、サンプリング数を増大することで相関計算において感度(S/N比)を著しく向上させ、また、建物の中などでも衛星Sとの擬似距離を正確かつ迅速に検出させる。
なお、上記PN信号はGPS信号PNや、Gallileo受信PN信号等にも適用できる。
以上のように本発明によれば、航法データの極性が変化している所定時間Tの衛星受信信号のすべてにおいて、つまり、航法データの極性反転の境目にある信号においても、有効に信号を同期加算させることができ、ノイズに埋もれたPN信号を、著しくS/Nの向上させて検出できる。また、サンプリング数が多くなり、感度を著しく向上させることができる。
従来のように、外部基地局からのデータを必要とせず、自己が受信した信号にて処理が行え、ノイズに埋もれたPN信号を、著しくS/Nの向上させて検出できる。つまり、ノイズの中からPN信号を効率よく浮かび上がらせることができ、建物の中やビルの中など、GPS信号(GPS電波)が著しく減衰した場所においても、衛星Sとの擬似距離を精度良くかつ応答性良く測定できる。
GPS受信信号におけるPN信号構造を説明する説明図である。 本発明の実施の一形態の概要を示すブロック図である。 GPS受信機端末の構成を示すブロック図である。 GPS受信部から入力された受信信号から擬似距離を得るまでのフローチャートである。 I・Q信号変換搬送波除去部の動作説明図である。 搬送波除去後のI,Q信号からドップラ補正を行い信号を得る動作説明図である。 ドップラ補正の他の実施の形態をしめす説明図である。 微小時間ずつ遅らせて受信信号を得る動作を説明をする説明図である。 受信信号から相関計算結果を得る動作を説明する説明図である。 受信信号を同期加算する動作を説明する説明図である。 極性修正演算部を説明する説明図である。 累積同期加算部と相関計算部とを説明する説明図である。 従来のGPS測位システムを示すブロック図である。 従来のGPS測位システムを説明する説明図である。
符号の説明
7 位置計算ブロック部
10 相関計算部
11 受信機端末
23 演算ブロック部
24 判定処理部
25 極性修正演算部
A 擬似パターン
S 衛星
1 取得時間
2 処理時間
i 微小時間

Claims (7)

  1. 衛星(S)からの信号を受信機端末(11)が受信し、受信した衛星受信信号により該受信機端末(11)が該衛星(S)との間の擬似距離を求め自己位置の計算を行う衛星測位方法であって、上記衛星受信信号の航法データの1ビットぶんに相当する時間を、データ取得開始から前部分の取得時間(T1 )と残りの後部分の処理時間(T2 )とし、該取得時間(T1 )内に取得した受信信号をその後の処理時間(T2 )中に相関計算を含む演算処理を行い、かつ、データ取得開始を上記処理時間(T 2 )以下に設定された微小時間(i)ずつ順次遅らせてから該取得時間(T1 )ぶんの受信信号を所定数取得すると共に夫々の該受信信号においても後の各処理時間(T2 )中に相関計算を含む上記演算処理を行い、該演算処理の結果におけるピーク値の検出により遅延値を求め、該遅延値から擬似距離を求め自己位置の計算を行うことを特徴とする衛星測位方法。
  2. 上記微小時間(i)を、上記処理時間(T2 )と同じ時間とする請求項1記載の衛星測位方法。
  3. 上記処理時間(T2 )中に行う上記演算処理は、上記取得時間(T1 )内に取得する受信信号を同期加算させて得た同期加算信号に、上記受信機端末(11)が予め用意する上記衛星(S)からの信号の単位フレームに相当する所定ビット数のデータ列を1ビットずつ順に変位させた該所定ビット数と同数のデータ列群からなる擬似パターン(A)を作用させたものを、さらに該同期加算信号に作用させる極性修正演算工程と、該極性修正演算工程にて得られた信号と該受信機端末(11)が予め用意するレプリカPN符号とで相関計算を行う相関計算工程と、を有する請求項1又は2記載の衛星測位方法。
  4. 上記処理時間(T2 )中に行う上記演算処理の結果により自己位置計算に必要なだけのピーク値が検出できていない場合において、その次の航法データ1ビットぶんの信号のうちの上記取得時間(T1 )ぶんの受信信号と累積同期加算させてから、相関計算を含む上記演算処理を行う請求項1,2又は3記載の衛星測位方法。
  5. 衛星(S)からの信号を受信機端末(11)が受信し、受信した衛星受信信号により該受信機端末(11)が該衛星(S)との間の擬似距離を求め自己位置を計算する衛星測位システムであって、上記衛星受信信号の航法データの1ビットぶんに相当する時間を、データ取得開始から前部分の取得時間(T1 )と残りの後部分の処理時間(T2 )とし、上記受信機端末(11)は、該取得時間(T1 )内に取得した受信信号をその後の処理時間(T2 )中に相関計算を含む演算処理を行わせピーク値を検出する演算ブロック部(23)と、該演算ブロック部(23)の結果により遅延値を求め該遅延値から擬似距離を求め自己位置を計算する位置計算ブロック部(7)と、を備え、上記演算ブロック部(23)は、データ取得開始を上記処理時間(T 2 )以下に設定された微小時間(i)ずつ順次遅らせてから該取得時間(T1 )ぶんの受信信号を所定数取得すると共に夫々の該受信信号においても各取得時間(T1 )後の処理時間(T2 )中に相関計算を含む上記演算処理を行わせることを特徴とする衛星測位システム。
  6. 上記演算ブロック部(23)は、上記取得時間(T1 )内に取得する受信信号を同期加算させて得た同期加算信号に上記受信機端末(11)が予め用意する上記衛星(S)からの信号の単位フレームに相当する所定ビット数のデータ列を1ビットずつ順に変位させた該所定ビット数と同数のデータ列群からなる擬似パターン(A)を作用させたものをさらに該同期加算信号に作用させる極性修正演算部(25)と、該極性修正演算部(25)にて得られた信号と該受信機端末(11)が予め用意するレプリカPN符号とで相関計算を行う相関計算部(10)と、を有する請求項5記載の衛星測位システム。
  7. 上記演算ブロック部(23)は、該演算ブロック部(23)による演算処理の結果により自己位置計算に必要なだけのピーク値が検出できたかの判定を行う判定処理部(24)を有し、該判定処理部(24)の判定によりピーク値検出ができていない場合において、次の航法データ1ビットぶんの信号のうちの上記取得時間(T1 )ぶんの受信信号と累積同期加算させてから、相関計算を含む上記演算処理を行わせるよう該演算ブロック部(23)を構成した請求項5又は6記載の衛星測位システム。
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