JP2016148594A - 相関処理方法、相関処理回路及びプログラム - Google Patents

相関処理方法、相関処理回路及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】マルチパスの影響を軽減させる新たな手法を提供する。
【解決手段】GPS受信機は、GPS衛星信号の捕捉の際に、受信コード信号との相関演算を行う相関用コードとして、チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間を所定値とした相関用コードを用いる。具体的には、チップ中央期間のコード値をゼロとした相関用コードや、チップ中央期間のコード値をレプリカコードの値とゼロとの繰り返しとした相関用コード、チップ中央期間のうち、前半期間のコード値をレプリカコードの値とゼロとの繰り返しとし、後半期間のコード値をゼロとした相関用コード、を用いる。
【選択図】図4

Description

本発明は、測位用衛星信号に対する相関処理方法等に関する。
現在、衛星信号を用いた衛星測位システムとして、GPS(Global Positioning System)やQZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、BeiDou(北斗衛星導航系統)、Galileo(ガリレオ)といった様々な衛星測位システムが知られている。
このような衛星測位システムにおける測位誤差の大きな要因の一つとして、マルチパスがある。マルチパスは、衛星信号の受信信号として、建物や地面への反射や回折等による衛星信号の間接波信号が強く含まれて受信される現象である。そこで、マルチパスによる測位誤差を低減させるための技術の一例として、レプリカコードの一部、詳細にはビット遷移の近傍以外を無効値(ゼロ)とし、ビット遷移近傍のコード値の正負を入れ替えたコードを相関用コードとすることで、間接波信号に係る相関値を低減する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−142502号公報
上述の特許文献1に記載の技術では、レプリカコードの一部を無効値(ゼロ)とした相関用コードを利用して相関演算をしているため、得られる相関値が小さくなる。この結果、相関値のピークが検出し難くなり、受信感度が劣化するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マルチパスの影響を軽減させる新たな手法を提案することである。
上記課題を解決するための第1の形態は、チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間のコード値を所定値とする相関用コードを生成することと、測位用衛星からの受信信号を復調して得られた受信コード信号と、前記相関用コードとの相関演算を行うことと、を含む相関処理方法である。
また、他の形態として、チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間のコード値を所定値とする相関用コードを生成する相関用コード生成部と、測位用衛星からの受信信号を復調して得られた受信コード信号と、前記相関用コードとの相関演算を行う相関演算部と、を備えた相関処理回路を構成しても良い。
更なる他の形態として、コンピューターに、チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間のコード値を所定値とする相関用コードを生成することと、測位用衛星からの受信信号を復調して得られた受信コード信号と、前記相関用コードとの相関演算を行うことと、を実行させるためのプログラムを構成しても良い。
この第1の形態等によれば、受信コード信号との相関演算を行う相関用コードとして、チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間を所定値とした相関用コードが用いられる。これにより、マルチパスの影響を低減することが可能となる。
第2の形態として、第1の形態の相関処理方法であって、前記生成することは、前記チップ中央期間のコード値をゼロとして前記相関用コードを生成することを含む、相関処理方法を構成しても良い。
この第2の形態によれば、相関用コードのチップ中央期間のコード値がゼロとされる。つまり、チップ中央期間に相当する相関値はゼロとなり、チップ境界期間の相関値のみが有効となる。これにより、受信コード信号と相関用コードとの相関値に表れるマルチパスの影響を低減することができる。
第3の形態として、第1の形態の相関処理方法であって、前記生成することは、チップ中央期間のうち、少なくとも冒頭のコード値を、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとして前記相関用コードを生成することを含む、相関処理方法を構成しても良い。
この第3の形態によれば、相関用コードのチップ中央期間の少なくとも冒頭のコード値が、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとされる。これにより、相関用コードのチップ中央期間のコード値をゼロとする場合と比較して、得られる相関値の低減量を抑えることが可能となる。
第4の形態として、第3の形態の相関処理方法であって、前記生成することは、チップ中央期間のコード値を、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとして前記相関用コードを生成することを含む、相関処理方法を構成しても良い。
この第4の形態によれば、相関用コードのチップ中央期間のコード値が、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとされる。これにより、相関用コードのチップ中央期間のコード値をゼロとする場合と比較して、得られる相関値の低減量を抑えることが可能となる。
第5の形態として、第3の形態の相関処理方法であって、前記生成することは、チップ中央期間の前半のコード値を、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとし、後半のコード値をゼロとして前記相関用コードを生成することを含む、相関処理方法を構成しても良い。
この第5の形態によれば、相関用コードは、チップ中央期間の前半のコード値が、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとされ、後半のコード値がゼロとされる。間接波信号は直接波信号に対して遅れた信号となるため、マルチパス信号において、間接波信号の成分は各チップの後半期間に多く含まれる。このため、相関用コードのチップ中央期間の後半のコード値をゼロとすることで、受信コード信号と相関用コードとの相関値に表れるマルチパスの影響を効果的に低減することができる。
相関値のピーク検出の説明図。 マルチパス信号に対する相関値の一例。 各実施例の共通構成である携帯型電子機器の機能構成図。 第1実施例における相関用コードの説明図。 第1実施例におけるGPS受信機の機能構成図。 チップ期間設定データのデータ構成例。 第1実施例におけるベースバンド処理のフローチャート。 第2実施例における相関用コードの説明図。 第2実施例におけるGPS受信機の機能構成図。 第2実施例におけるベースバンド処理のフローチャート。 第3実施例における相関用コードの説明図。 第3実施例におけるGPS受信機の機能構成図。 第3実施例におけるベースバンド処理のフローチャート。 直接波信号と相関用コードとの相関結果の一例。 マルチパス信号と相関用コードとの相関結果の一例。 第1実施例の相関用コードを用いた場合の位相誤差の一例。 第2実施例の相関用コードを用いた場合の位相誤差の一例。 第3実施例の相関用コードを用いた場合の位相誤差の一例。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。本実施形態では、衛星測位システムとしてGPSを例に挙げて説明するが、他の衛星測位システムに本発明を適用することとしてもよい。
[概要]
GPS衛星から送出されるGPS衛星信号は、アルマナックやエフェメリス等の衛星軌道情報を含む航法メッセージを、拡散符号の一種であるC/A(Coarse and Acquisition)コードによってスペクトラム拡散変調した信号であり、1.57542[GHz]の搬送波に重畳されている。C/Aコードは、コード長1023チップを1PNフレームとする繰り返し周期1ミリ秒の擬似ランダム雑音符号であり、各GPS衛星に固有のコードである。
GPS受信機は、GPS衛星信号の受信信号と、受信機内部で発生させた擬似的なC/Aコードであるレプリカコードとの相関演算を行うことでGPS衛星信号を捕捉し、捕捉したGPS衛星信号に重畳して搬送されている航法メッセージに基づいて、GPS受信機の位置や時計誤差を求めている。
GPS衛星がGPS衛星信号を送信する際の周波数(搬送周波数)は、1.57542[GHz]と予め規定されているが、GPS衛星やGPS受信機の移動により生じるドップラーの影響等により、GPS受信機がGPS衛星信号を受信する際の周波数である受信周波数は、必ずしも規定の搬送波周波数とは一致しない。このため、GPS受信機は、レプリカコードの周波数及び位相を変化させながら受信信号とレプリカコードとの相関演算を行い、得られた相関値のピークを検出することで、受信周波数及びコード位相を特定する。
図1は、相関値がピークとなる位相(ピーク位相)の検出の説明図である。図1では、横軸をコード位相、縦軸を相関値として、C/Aコードの自己相関値の一例を示している。自己相関値であるため、GPS衛星信号の理想的な受信信号とレプリカコードとの相関値といえる。なお、相関値は、相関値の大きさ(絶対値)を意味することとする。
C/Aコードの自己相関値は、例えば、ピーク値(最大値)を頂点とする左右対称の略三角形の形状で表される。つまり、ピーク位相から同じ量だけ位相が遅れた位相での相関値と、進んだ位相での相関値とは等しくなる。そのため、現在追跡しているコード位相(Punctual位相)に対して一定量だけ遅れた位相(Late位相)における相関値と、一定量だけ進んだ位相(Early位相)における相関値とを用いれば、コード位相を特定できる。つまり、Late位相の相関値(Late相関値)と、Early位相の相関値(Early相関値)とが等しくなる位相をサーチすることで、Punctual位相を、ピーク位相として検出することができる。
ところで、マルチパス環境では、GPS衛星から送信されるGPS衛星信号である直接波信号に、建物や地面に反射した反射波や障害物を透過した透過波、障害物を回折した回折波等の間接波信号が重畳した信号(マルチパス信号)をGPS受信機が受信する。
図2は、マルチパス信号に対する相関結果の一例を示す図である。図2では、横軸をコード位相、縦軸を相関値として、直接波信号と、間接波信号と、この直接波信号と間接波信号とを合成した合成波信号(マルチパス信号)とのそれぞれに対する相関値のグラフの一例を示している。
間接波信号に対する相関値は、直接波信号に対する相関値と同様に略三角形状をなすが、そのピーク値(相関ピーク値)の大きさは直接波信号の相関ピーク値よりも小さく、また、ピーク位相は直接波のピーク位相よりも遅れている。これは、GPS衛星から送出されたGPS衛星信号が建物や地面に反射したり障害物を透過すること等によって信号強度が弱められたり、伝搬距離が長くなることによるものである。
そして、マルチパス信号に対する相関値は、直接波信号の相関値と間接波信号の相関値との和となるため、そのピーク位相は直接波信号のピーク位相と一致するが、このピーク位相の左右で傾斜が異なる。具体的には、直接波信号の相関ピーク値に対して間接波信号の相関ピーク値が遅れているため、マルチパス信号に対する相関値は、Late位相側の傾きが変形し、その傾きのコード位相方向における長さが大きくなる。このため、マルチパス信号におけるPunctual位相は、ピーク位相に一致しない。つまり、マルチパス環境では、受信信号とレプリカコードとの相関値のピーク検出によるコード位相の特定では、特定されるコード位相に誤差が生じ得る。これがマルチパス環境の影響である。
そこで、本実施形態では、マルチパス環境の影響を軽減するため、捕捉対象のGPS衛星のレプリカコードに基づいて、相関用コードを新たに生成し、レプリカコードではなく、この相関用コードとGPS衛星からの受信信号との相関演算を行って、衛星信号を捕捉する。本実施形態には、この新たに生成する相関用コードの違いによる具体的な3つの実施例がある。
[実施例共通構成]
3つの実施例に共通する機器構成として、GPS受信機能を備えた携帯型電子機器の例を説明する。携帯型電子機器は、例えばスマートフォンや携帯電話、ノートパソコン、腕時計型機器、スマートグラスなどとして構成することができる。また、携帯型のナビゲーション機器として構成することもできる。また、カーナビゲーションに応用することもできる。
図3は、GPS受信機能を備えた携帯型電子機器1の機能構成図である。図3に示すように、携帯型電子機器1は、GPS受信機10と、メイン処理部20と、操作部21と、表示部22と、音声出力部23と、時計部24と、通信部25と、メイン記憶部26と、を備えて構成される。
GPS受信機10は、GPS衛星信号を受信し、受信したGPS衛星信号に重畳して搬送されているGPS衛星の軌道情報等の航法メッセージに基づいて、GPS受信機10の位置や時計誤差を算出する。GPS受信機10は、相関処理を行う相関処理回路として、ベースバンド処理回路部を有する。
また、GPS受信機10は、3つの実施例に対応して、GPS受信機10A〜10Cの構成を採用することができる。各実施例については詳細に後述する。
メイン処理部20は、CPU等のプロセッサーで構成される演算処理装置であり、メイン記憶部26に記憶されたシステムプログラム等の各種プログラムに従って携帯型電子機器1の各部を統括的に制御する。また、GPS受信機10の測位結果に基づいて、各種の処理を実行する。例えば、現在位置を表示したり、時計部24が算出する時刻を補正したり、現在位置に対応するタイムゾーンを判定して標準時からの時差を算出し、時計部24が算出する時刻を現地に対応する時刻に補正したりすることができる。
操作部21は、タッチパネルやボタンスイッチで構成される入力装置であり、ユーザーの操作に応じた操作信号をメイン処理部20に出力する。表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示装置であり、メイン処理部20からの表示信号に基づく各種表示を行う。音声出力部23は、スピーカー等で構成される音声出力装置であり、メイン処理部20からの音信号に基づく各種音声出力を行う。
時計部24は、内部時計であり、水晶発振器等を有する発振回路によって構成され、現在時刻や、指定されたタイミングからの経過時間を計測する。通信部25は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の無線通信装置であり、外部装置との通信を行う。
メイン記憶部26は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶装置であり、メイン処理部20が携帯型電子機器1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、メイン処理部20の作業領域として用いられ、メイン処理部20の演算結果や、操作部21からの操作データ等を一時的に格納する。
それでは、次に3つの実施例を説明する。各実施例の説明では、当該実施例に用いる相関用コードと、当該実施例に係るGPS受信機10の構成及びベースバンド処理の流れについて説明する。3つの実施例を説明した後に、3つの実施例それぞれに対する実験結果を説明する。
[第1実施例]
先ず、第1実施例を説明する。
<相関用コード>
図4は、第1実施例における相関用コードを説明する図である。図3では、上側にレプリカコードの一例を示し、下側にこのレプリカコードに基づく相関用コードを示している。
レプリカコードは、各チップの値が「1」及び「−1」の何れかで構成される固有の系列(ゴールド符号)であり、GPS衛星毎に決まっている。
第1実施例の相関用コードは、レプリカコードのチップ境界に係るチップ境界期間のコード値を、対応するレプリカコードの値そのものとし、チップ境界期間以外の期間であるチップ中央期間のコード値をゼロとする。例えば、レプリカコードのコード値が「−1」から「1」へ遷移するチップ境界では、相関用コードのコード値も「−1」から「1」へ変化する。また、レプリカコードのコード値が「−1」或いは「1」のままで遷移しないチップ境界では、相関用コードのコード値も、レプリカコードの値のまま変化しない。しかし、チップ境界の間のチップ中央期間のコード値はゼロ一定とする。言い換えれば、レプリカコードの各チップに対して、各チップの前部及び後部の短期間のみをレプリカコードのコード値そのままとし、それ以外の期間(各チップの中央期間)のコード値をゼロとしたコードが、第1実施例の相関用コードである。
チップ境界期間及びチップ中央期間の長さは適宜設定することができ、例えば、チップ境界期間を0.2チップ分の長さ、チップ中央期間を0.8チップ分の長さ、とすることができる。
<構成>
図5は、第1実施例におけるGPS受信機10Aの機能構成図である。図5によれば、GPS受信機10Aは、GPSアンテナ100と、RF受信回路部200と、ベースバンド処理回路部300Aと、を備えて構成される。なお、RF受信回路部200とベースバンド処理回路部300Aとは、それぞれ別のLSI(Large Scale Integration)として製造することも、1チップとして製造することも可能である。
GPSアンテナ100は、GPS衛星から送信されているGPS衛星信号を含むRF(Radio Frequency)信号を受信するアンテナである。RF受信回路部200は、GPSアンテナ100によって受信されたRF信号を中間周波数の信号にダウンコンバートし、増幅等した後、デジタル信号に変換して出力する。なお、中間周波数にダウンコンバートせず、直接ベースバンド信号に変換するダイレクトコンバージョン方式を採用することもできる。
ベースバンド処理回路部300Aは、BB処理部310Aと、BB記憶部330Aとを有し、RF受信回路部200による受信信号のデータを用いて、GPS衛星信号を捕捉し、捕捉したGPS衛星信号から取り出した時刻情報や衛星軌道情報等を用いて、GPS受信機の位置や時計誤差を測位結果として算出する。このベースバンド処理回路部300Aが、相関処理回路に相当する。
BB処理部310Aは、CPUやDSP等のプロセッサーで実現され、ベースバンド処理回路部300Aの各部を統括的に制御する。また、BB処理部310Aは、レプリカコード生成部311と、相関用コード生成部312Aと、相関演算部313と、衛星捕捉部314と、位置算出部315と、を有する。
レプリカコード生成部311は、衛星捕捉部314によって指定されたPRN(Pseudo Random Noise)番号(衛星番号)に対応するレプリカコードを生成する。なお、GPS衛星信号を捕捉するために、従来と同じく、レプリカコードの周波数や移相量を変えてレプリカコードを生成するが、説明の簡明化のため、詳細な説明を省略する。
相関用コード生成部312Aは、レプリカコード生成部311によって生成されたレプリカコードをもとに、相関用コードを生成する。具体的には、図4に示したように、チップ境界期間についてはレプリカコードの値をコード値とし、チップ中央期間についてはコード値をゼロとして、相関用コードを生成する。
ここで、チップ境界期間、及び、チップ中央期間それぞれの長さは、チップ期間設定データとして定められている。図6は、チップ期間設定データ332のデータ構成の一例を示す図である。図6によれば、チップ期間設定データ332は、チップ境界期間、及び、チップ中央期間の各期間それぞれについて、チップの開始時点を起点とし、チップ周期に対する比率として当該期間の長さを定めている。
なお、各期間の長さやタイミングの計時については、BB処理部310Aの内部クロック信号を利用する。クロック信号の周期は一定であるため、クロック信号の信号変化をカウントすることで、各期間の長さや到来するタイミング(チップの開始時点など)を判定することができる。
相関演算部313は、受信信号を復調した受信コード信号と、相関用コード生成部312Aによって生成された相関用コードとの相関演算を行う。
衛星捕捉部314は、GPS衛星を捕捉する。具体的には、レプリカコード生成部311に、捕捉対象のGPS衛星のPRN番号、周波数及び移相量を指定し、対応するレプリカコードを生成させ、相関用コード生成部312Aに、このレプリカコードに応じた相関用コードを生成させ、相関演算部313に、この相関用コードと受信信号との相関演算を行わせる。この一連の処理を、レプリカコード生成部311に生成させるレプリカコードの周波数及び移相量を変化させながら繰り返し、相関演算部313による相関演算結果である相関値のピークが閾値以上であるか否かによって、GPS衛星信号を捕捉したかを判定する。GPS衛星を捕捉したと判定したならば、相関値のピークを検出した周波数及び位相それぞれを、捕捉したGPS衛星信号の受信周波数及びコード位相とする。
位置算出部315は、衛星捕捉部314によって捕捉されたGPS衛星信号から衛星軌道データ333を取得したり、捕捉したGPS衛星信号の受信周波数及びコード位相を含むメジャメントデータ334を用いた位置算出処理を行って、GPS受信機10の位置や時計誤差(クロックバイアス)を算出する。位置算出処理としては、例えば、最小二乗法やカルマンフィルター等の公知の手法を適用することができる。
位置算出部315によって算出された位置や時計誤差は、位置算出結果データ335として蓄積記憶される。また、衛星軌道データ333は、アルマナックやエフェメリス等のデータであり、受信したGPS衛星信号をデコードすることで取得される。メジャメントデータ334は、受信したGPS衛星信号の受信周波数やコード位相、ドップラー周波数のデータであり、相関演算部313による相関演算結果に基づいて取得される。
BB記憶部330Aは、ROMやRAM等の記憶装置で実現され、BB処理部310Aがベースバンド処理回路部300Aを統括的に制御するためのシステムプログラムや、各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、BB処理部310Aの作業領域として用いられ、BB処理部310Aの演算結果等が一時的に格納される。また、BB処理部310Aには、ベースバンドプログラム331Aと、チップ期間設定データ332と、衛星軌道データ333と、メジャメントデータ334と、位置算出結果データ335と、が記憶される。
<処理の流れ>
図7は、第1実施例におけるベースバンド処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、BB処理部310Aが、ベースバンドプログラム331Aに従って実行する処理である。
先ず、BB処理部310Aは、捕捉対象のGPS衛星(捕捉対象衛星)を選定する(ステップA1)。そして、選定した捕捉対象衛星それぞれを対象としたループAの処理を行う。ループAでは、所定期間(例えば、C/Aコード数周期分)の間、所定のサンプリング期間間隔で、ループBの処理を繰り返す。ここで、サンプリング間隔は、BB処理部310Aのクロック信号をカウントして計時する。例えば、1チップの1023分の1の時間間隔とすることができる。以下では、ループBの処理のタイミングを「サンプルタイミング」と称して説明する。
ループBでは、先ず、レプリカコード生成部311が、捕捉対象衛星のPRN番号に対応するレプリカコードの値を生成する(ステップA3)。次いで、相関用コード生成部312Aが、サンプルタイミングが、チップ境界期間であるかチップ中央期間であるかを判定し、判定した期間に応じて相関用コード値を生成する。すなわち、チップ境界期間ならば(ステップA5:YES)、レプリカコードの値を相関用コードのコード値とする(ステップA7)。一方、サンプルタイミングがチップ境界期間でない、つまりチップ中央期間ならば(ステップA5:NO)、ゼロを相関用コードのコード値とする(ステップA9)。そして、相関演算部が、受信コード信号と、生成された相関用コード値との相関演算を行い、得られた相関値を積算する(ステップA11)。ループBはこのように行われる。
所定期間に亘るループBの処理が終了すると、衛星捕捉部314は、得られた相関値のピークを検出することで、対象の捕捉対象衛星を捕捉できたかを判定する(ステップA13)。ループAはこのように行われる。
全ての捕捉対象衛星を対象としたループAの処理を終了すると、位置算出部315が、捕捉できたGPS衛星それぞれについて取得された衛星軌道データやメジャメントデータを用いた位置算出処理を行って、GPS受信機10Aの位置や時計誤差(クロックバイアス)を算出する(ステップA15)。以上の処理を行うと、BB処理部310Aは、ベースバンド処理を終了する。
[第2実施例]
次に、第2実施例を説明する。なお、以下において、上述の第1実施例と同一の構成要素については同符号を付し、詳細な説明を省略或いは簡略する。
<相関用コード>
図8は、第2実施例における相関用コードを説明する図である。図8では、上側にレプリカコードの一例を示し、下側にこのレプリカコードに基づく相関用コードを示している。
第2実施例の相関用コードは、レプリカコードのチップ境界に係るチップ境界期間のコード値を、対応するレプリカコードの値そのものとする。そして、チップ中央期間のコード値を、対応するレプリカコードの値と、ゼロとの繰り返しとする。
<構成>
図9は、第2実施例におけるGPS受信機10Bの機能構成図である。
相関用コード生成部312Bは、レプリカコード生成部311によって生成されたレプリカコードをもとに、相関用コードを生成する。具体的には、図8に示したように、チップ境界期間についてはレプリカコードの値をコード値とし、チップ中央期間については、所定のサンプリング時間間隔でレプリカコードの値とゼロとを繰り返すようにコード値を定めて、相関用コードを生成する。サンプリング時間間隔は、第1実施例と同様、クロック信号から定めることができ、例えばクロックタイミングの到来時間間隔をサンプリング時間間隔とすることができる。
<処理の流れ>
図10は、第2実施例におけるベースバンド処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、BB処理部310Bが、ベースバンドプログラム331Bに従って実行する処理である。
先ず、ベースバンド処理回路部300BのBB処理部310Bは、捕捉対象のGPS衛星(捕捉対象衛星)を選定する(ステップA1)。そして、選定した捕捉対象衛星それぞれを対象としたループCの処理を行う。ループCでは、所定期間(例えば、C/Aコード数周期分)の間、所定のサンプリング時間間隔で、ループDの処理を繰り返す。ここで、サンプリング時間は、第1実施例と同様、クロック信号をカウントして計時する。例えば、1チップの1023分の1の時間間隔とすることができる。以下では、ループDの処理のタイミングを「サンプルタイミング」と称して説明する。
ループDでは、先ず、レプリカコード生成部311が、捕捉対象衛星のPRN番号に対応するレプリカコードの値を生成する(ステップA3)。次いで、相関用コード生成部312Bが、サンプルタイミングが、チップ境界期間であるかクロック中央期間であるかを判定し、判定した期間に応じて相関用コード値を生成する。
すなわち、サンプルタイミングがチップ境界期間ならば(ステップA5:YES)、レプリカコードの値を、相関用コードのコード値とする(ステップA7)。一方、チップ境界期間でない、つまりチップ中央期間ならば(ステップA5:NO)、前回の相関用コード値に応じて今回の相関用コード値を決定する。すなわち、前回の相関用コード値が「0」ならば(ステップB9:YES)、レプリカコードの値を相関用コードのコード値とし(ステップB11)、前回の相関用コード値が「0」でないならば(ステップB9:NO)、ゼロを相関用コードのコード値とする(ステップB13)。これにより、チップ中央期間のコード値が、所定のサンプリング時間間隔でレプリカコードの値とゼロとを繰り返す相関用コードを生成することができる。そして、相関演算部313が、受信コード信号と、生成された相関用コード値との相関演算を行い、得られた相関値を積算する(ステップA11)。ループDはこのように行われる。
所定期間に亘るループDの処理が終了すると、衛星捕捉部314は、得られた相関値のピークを検出することで、対象の捕捉対象衛星を捕捉できたかを判定する(ステップA13)。ループCはこのように行われる。
全ての捕捉対象衛星を対象としたループCの処理を終了すると、位置算出部315が、捕捉できたGPS衛星それぞれについて取得された衛星軌道データやメジャメントデータを用いた位置算出処理を行って、GPS受信機10Bの位置や時計誤差(クロックバイアス)を算出する(ステップA15)。以上の処理を行うと、BB処理部310Bは、ベースバンド処理を終了する。
[第3実施例]
次に、第3実施例を説明する。なお、以下において、上述の第1実施例及び第2実施例と同一の構成要素については同符号を付し、詳細な説明を省略する。
<相関用コード>
図11は、第3実施例における相関用コードを説明する図である。図11では、上側にレプリカコードの一例を示し、下側にこのレプリカコードに基づく相関用コードを示している。
第3実施例の相関用コードは、レプリカコードのチップ境界に係るチップ境界期間のコード値を、対応するレプリカコードの値そのものとする。そして、チップ中央期間については、チップ中央期間の前半期間(チップ境界を起点として0.5チップの経過時点であるチップ中央時点までの期間:冒頭期間)のコード値を、レプリカコードの値と、ゼロとの繰り返しとし、チップ中央機関の後半期間のコード値をゼロとする。
<構成>
図12は、第3実施例におけるGPS受信機10Cの機能構成図である。
相関用コード生成部312Cは、レプリカコード生成部311によって生成されたレプリカコードをもとに、相関用コードを生成する。具体的には、図11に示したように、チップ境界期間についてはレプリカコードの値をコード値とする。また、チップ中央期間については、前半期間を所定のサンプリング時間間隔でレプリカコードの値とゼロとの繰り返しとし、後半期間をゼロとして、相関用コードを生成する。サンプリング時間間隔は、第1実施例と同様、クロック信号から定めることができ、例えばクロックタイミングの到来時間間隔をサンプリング時間間隔とすることができる。
<処理の流れ>
図13は、第3実施例におけるベースバンド処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、BB処理部310Cが、ベースバンドプログラム331Cに従って実行する処理である。
先ず、ベースバンド処理回路部300CのBB処理部310Cは、捕捉対象のGPS衛星(捕捉対象衛星)を選定する(ステップA1)。そして、選定した捕捉対象衛星それぞれを対象としたループEの処理を行う。ループEでは、所定期間(例えば、C/Aコード数周期分)の間、所定のサンプリング時間間隔で、ループFの処理を繰り返す。ここで、サンプリング時間は、第1実施例と同様、クロック信号をカウントして計時する。例えば、1チップの1023分の1の時間間隔とすることができる。以下では、ループEの処理のタイミングを「サンプルタイミング」と称して説明する。
ループFでは、先ず、レプリカコード生成部311が、捕捉対象衛星のPRN番号に対応するレプリカコードの値を生成する(ステップA3)。次いで、相関用コード生成部312Cが、サンプルタイミングが、チップ境界期間であるかクロック中央期間であるかを判定し、判定した期間に応じて相関用コード値を生成する。
すなわち、サンプルタイミングがチップ境界期間ならば(ステップA5:YES)、レプリカコードの値を、相関用コードのコード値とする(ステップA7)。一方、チップ境界期間でない、つまりチップ中央期間ならば(ステップA5:NO)、更に、サンプルタイミングがチップ中央期間の前半期間であるか後半期間であるかを判定する。前半期間ならば(ステップC9:YES)、前回の相関用コード値に応じて今回の相関用コード値を決定する。すなわち、前回の相関用コード値が「0」ならば(ステップC11:YES)、レプリカコードの値を相関用コードのコード値とし(ステップC13)、前回の相関用コード値が「0」でないならば(ステップC11:NO)、ゼロを相関用コードのコード値とする(ステップC15)。これにより、チップ中央期間の前半期間のコード値が、所定のサンプリング時間間隔でレプリカコードの値とゼロとを繰り返す相関用コードを生成することができる。一方、サンプルタイミングがチップ中央期間の前半期間でないならば(ステップC9:NO)、ゼロを相関用コードのコード値とする(ステップC15)。そして、相関演算部313が、受信コード信号と、生成された相関用コード値との相関演算を行い、得られた相関値を積算する(ステップA11)。ループFは、このように行われる。
所定期間に亘るループFの処理が終了すると、衛星捕捉部314は、得られた相関値のピークを検出することで、対象の捕捉対象衛星を捕捉できたかを判定する(ステップA13)。ループEはこのように行われる。
全ての捕捉対象衛星を対象としたループEの処理を終了すると、位置算出部315が、捕捉できたGPS衛星それぞれについて取得された衛星軌道データやメジャメントデータを用いた位置算出処理を行って、GPS受信機10Cの位置や時計誤差(クロックバイアス)を算出する(ステップA15)。以上の処理を行うと、BB処理部310Cは、ベースバンド処理Cを終了する。
[実験結果]
続いて、第1〜第3実施例それぞれの実験結果を説明する。この実験では、直接波信号及びマルチパス信号のそれぞれを受信信号とした場合について、第1〜第3実施例それぞれの相関用コードとの相関演算を行った。図14は直接波信号に対する相関結果を示し、図15はマルチパス信号に対する相関結果を示している。図14,図15では、何れも、横軸を位相(コード位相)、縦軸を相関値として、従来と同じくレプリカコードそのもので相関値を算出した場合のグラフと、第1〜第3実施例それぞれの相関用コードで相関値を算出した場合のグラフとの計4つのグラフを示している。
図14に示すように、直接波信号に対する相関値は、相関用のコードとしてレプリカコードを用いた場合も、第1〜第3実施例の相関用コードを用いた場合も、何れも、ピーク位相はほぼ一致している。また、何れのグラフも、ピーク部分の形状は、ピーク位相を頂点とする略二等辺三角形状となっており、ピーク値の左右の相関値の傾きはほぼ一致している。このため、ピーク位相の検出は、第1〜第3実施例の何れの相関用コードを用いても、正確になされる。ただし、ピーク値の大きさは、レプリカコード、第2実施例の相関用コード、第3実施例の相関用コード、第1実施例の相関用コード、の順に大きい。これは、各チップのコード値がゼロをとった時間(サンプルタイミングでいえば回数)の違いによる。
図15に示すように、マルチパス信号に対する相関結果は、何れのグラフも、ピーク位相自体はほぼ一致している。また、何れのグラフも、ピーク位相から遅れた位相には、マルチパス信号に含まれる間接波信号の影響が表れている。ただし、ピーク部分の形状が大きく異なる。まず、レプリカコードを用いた相関値のグラフでは、ピーク位相の左右(前後)において相関値の傾きが大きく異なっている。これに比較して、第1〜第3実施例の相関用コードを用いた相関値のグラフでは、ピーク位相の左右(前後)における相関値の傾きの違いが小さく、略二等辺三角形状に近い形状となっており、レプリカコードの場合に比べて改善していることが分かる。これにより、第1〜第3実施例の相関用コードを用いることで、ピーク位相の検出精度が改善されることがわかる。
ピーク部分の形状について、更に詳細に第1〜第3実施例それぞれの相関用コードを用いた相関値を比べてみると、第1実施例の相関用コードを用いた相関値は、ピーク位相の左右の相関値の傾きの違いが最も小さいが、相関値の大きさが最も小さい。逆に、第2実施例の相関用コードを用いた相関値は、ピーク位相の左右の相関値の傾きの違いがこの3つの実施例の中で最も大きいが、相関値の大きさは最も大きい。つまり、第1〜第3実施例の相関用コードのうちから、検出可能な相関値の大きさや求められるピーク位相の検出精度(マルチパスの影響低減効果)を考慮して、適切な相関用コードを選ぶことができる。但し、相関値のピーク値が小さくなることで受信感度が劣化する場合もあるため、この点を考慮する必要もある。
図16〜図18は、相関値から得られたコード位相の誤差(位相誤差)の時間的変化を示す図である。図16は、第1実施例の相関用コードを用いた場合の位相誤差を示し、図17は、第2実施例の相関用コードを用いた場合の位相誤差を示し、図18は、第3実施例の相関用コードを用いた場合の位相誤差を示している。図16〜図18では、何れも、横軸を時刻、縦軸を位相誤差として、マルチパス信号と相関用コードとの相関結果から得られたコード位相の位相誤差と、マルチパス信号とレプリカコードとの相関結果から得られたコード位相の位相誤差と、直接波信号と相関用コードとの相関結果から得られたコード位相の位相誤差と、直接波信号とレプリカコードとの相関結果から得られたコード位相の位相誤差と、の4つのグラフを示している。
図16〜図18に示すように、直接波信号に対する位相誤差は、レプリカコード及び相関用コードの何れを用いた場合も小さく、位相誤差の時間的変化も小さい。両者の間に大きな差は見られない。一方、マルチパス信号に対する位相誤差を比較すると、レプリカコードを用いた場合に比較して相関用コードを用いた場合の位相誤差が小さく、且つ、位相誤差の時間的変化も小さくなっており、コード位相の検出精度が向上していることがわかる。詳細には、第1実施例の相関用コード、第3実施例の相関用コード、第2実施例の相関用コードの順に、位相誤差が小さくなっている。これは、図15に示したように、ピーク位相の左右の相関値の傾きの違い、つまりピーク位相の検出精度の違いに起因する。
[作用効果]
このように、本実施形態のGPS受信機10(10A〜10C)では、GPS衛星信号の捕捉の際に、受信コード信号との相関演算を行う相関用コードとして、チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間を所定値とした相関用コードが用いられる。具体的には、第1実施例では、チップ中央期間のコード値をゼロとした相関用コードが用いられ、第2実施例では、チップ中央期間のコード値を、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとした相関用コードが用いられ、第3実施例では、チップ中央期間のうち、前半期間のコード値をレプリカコードの値とゼロとの繰り返しとし、後半期間のコード値をゼロとした相関用コードが用いられる。
間接波信号は直接波信号に対して遅れた信号となるため、マルチパス信号において、間接波信号の成分は各チップの後半期間に多く含まれる。このため、相関用コードのチップ中央期間においてコード値がゼロとなる期間を含むようにすることで、受信コード信号と相関用コードとの相関値に表れるマルチパスの影響を低減することができる。その結果、マルチパス環境におけるコード位相の検出精度を向上させることが可能となる。
また、チップ中央期間のコード値をゼロ一定とするのではなく、間欠的にレプリカコードの値としたことで、相関演算の結果得られる相関値の大きさを大きくすることができる。これは、チップ中央期間のコード値をゼロ一定とした場合に比べて、相関ピーク値を高くすることができるため、受信感度の劣化を抑制する効果となって表れる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
例えば、第2,第3実施例において、相関用コードのチップ中央期間のコード値を、所定のサンプリング時間間隔でレプリカコードの値とゼロとの繰り返しとした。つまり、この繰り返し期間において、レプリカコードの値を取る時間(回数ともいえる)とゼロを取る時間(回数ともいえる)との割合を等しくした。しかし、この割合を0.25対0.75や、逆に0.75対0.25といった異なる割合としてもよい。例えば、サンプルタイミング4回に1回の割合でレプリカコードの値を相関用コードのコード値として採用し、残りの3回ではゼロをコード値として採用する。或いは、これを逆に採用することで実現できる。
また、第3実施例において相関用コードのチップ中央期間を二分した前半期間について、レプリカコード値とゼロとを繰り返すようにしたが、二分ではなく、例えば、チップ境界から1/3チップの時点までの期間(冒頭期間)を、レプリカコードの値とゼロとを繰り返す期間としても良い。
また、上述の実施形態では、衛星測位システムとしてGPSを例に挙げて説明したが、WAAS(Wide Area Augmentation System)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)等の他の衛星測位システムであってもよい。
また、本発明を適用可能な携帯型電子機器1としては、例えば、ランナーズウォッチ、携帯型ナビゲーション装置、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、腕時計、スマートグラスといった種々の電子機器について適用することが可能である。
1 携帯型電子機器、10(10A,10B,10C) GPS受信機、100 GPSアンテナ、200 RF受信回路部、300A,300B,30C ベースバンド処理回路部、310A,310B,310C BB処理部、311 レプリカコード生成部、312A,312B,312C 相関用コード生成部、313 相関演算部、314 衛星捕捉部、315 位置算出部、330A,330B,330C BB記憶部、331A,331B,331C ベースバンドプログラム、332 チップ期間設定データ、333 衛星軌道データ、334 メジャメントデータ、335 位置算出結果データ、20 メイン処理部、21 操作部、22 表示部、23 音声出力部、24 時計部、25 通信部、26 メイン記憶部

Claims (7)

  1. チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間のコード値を所定値とする相関用コードを生成することと、
    測位用衛星からの受信信号を復調して得られた受信コード信号と、前記相関用コードとの相関演算を行うことと、
    を含む相関処理方法。
  2. 前記生成することは、前記チップ中央期間のコード値をゼロとして前記相関用コードを生成することを含む、
    請求項1に記載の相関処理方法。
  3. 前記生成することは、チップ中央期間のうち、少なくとも冒頭のコード値を、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとして前記相関用コードを生成することを含む、
    請求項1に記載の相関処理方法。
  4. 前記生成することは、チップ中央期間のコード値を、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとして前記相関用コードを生成することを含む、
    請求項3に記載の相関処理方法。
  5. 前記生成することは、チップ中央期間の前半のコード値を、レプリカコードの値とゼロとの繰り返しとし、後半のコード値をゼロとして前記相関用コードを生成することを含む、
    請求項3に記載の相関処理方法。
  6. チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間のコード値を所定値とする相関用コードを生成する相関用コード生成部と、
    測位用衛星からの受信信号を復調して得られた受信コード信号と、前記相関用コードとの相関演算を行う相関演算部と、
    を備えた相関処理回路。
  7. コンピューターに、
    チップ境界期間のコード値をレプリカコードの値とし、チップ境界期間以外のチップ中央期間のコード値を所定値とする相関用コードを生成することと、
    測位用衛星からの受信信号を復調して得られた受信コード信号と、前記相関用コードとの相関演算を行うことと、
    を実行させるためのプログラム。
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