JP2005331382A - Gps受信装置 - Google Patents

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秀紀 橋本
Xuchu Mao
旭初 茅
Shinichi Matsuda
眞一 松田
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弘信 金森
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Abstract

【課題】 アンセンテッドカルマンフィルタを用いたGPS受信装置を提供する。
【解決手段】 本発明によるGPS受信装置は、受信したGPS衛星からの電波を信号を含む中間周波数に変換する受信部I、前記受信部Iの出力を相関手段より処理して搬送波位相,符号位相,航法メッセージを得る信号処理部II、および前記搬送波位相,符号位相,航法メッセージを演算手段で演算してGPS受信装置の位置/速度を計算する航法演算処理部IIIを含むGPS受信装置である。前記航法演算処理部IIIは、前記信号処理部IIからの搬送波位相からドップラーシフト信号、符号位相から疑似距離信号による測定系モデルを用いて、測定系を数式化し、周辺情報を考慮して測定値の真値を推定するアンセンテッドカルマンフィルタ12とを含んでいる。前記GPS信号処理部IIの信号処理部にもアンセンテッドカルマンフィルタを利用できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、アンセンテッドカルマンフィルタをGPS受信装置の信号処理部または航法演算処理部に信号処理のために使用したGPS受信装置に関する。
GPS受信装置は、良く知られているようにGPS信号受信部、GPS受信信号処理部、航法処理部といった3つの部分から構成される。通常用いられているGPS受信装置の信号処理アルゴリズムは、GPS開発初期段階に構築された基本的な構成に基づくものである。計算機処理能力でのリアルタイム処理を実現するために、簡単なアルゴリズム(PLL,DLL,繰返し最小二乗法等)により構築されている。これらの構成は、GPS信号に存在する情報を最大限(または最大限に近く)に活用するために適した構造とはいい難い。
また、従来構造の受信装置は微弱信号処理ができないため、都市部等衛星信号を弱めたり遮断したりする構造物の多い場所ではGPS受信装置の使用が困難であるという問題も存在する。加えて、GPS受信装置使用現場では可視衛星の変化、一時的な衛星数の減少等の状況等に対してロバストな位置推定結果を得ることが困難であると確認されている。測定系の測定精度を向上させるために、カルマンフィルタが着目されている。
エクステンデットカルマンフィルタをGPS受信装置に利用しようとする提案(非特許文献1,2)があるが、エクステンデットカルマンフィルタは、非線形システムを線形近似して計算を行うため、推定値が発散してしまったり、不安定になることがある。また、ヤコビアン行列の微分が必要で、計算量が膨大であるなど、実用面で問題が多い。
エス ジュリェ,ジェイ ウルマン および エイチ.エフ.ジュラン−ホワイト・Sフィルタと予測器における平均と共分散の非線形変換のための新手法 米国電気電子学会 自動制御論文誌 45 巻:477-482頁, 2000. )(S. Julier, J. Uhlmann und H. F. Durrant-Whyte. A new method for the nonlinear transformation of means and covariances in filters and estimators.IEEE T. Automat. Contr., 45:477-482, 2000.) エス ジュリェ,ジェイ.ケイ ウルマン および エイチ.エフ.ジュラン−ホワイト・S 非線型システムにおけるフィルタリングの新規アプローチ プロシーディングオブ 1995 米国制御会議,1628-1632頁, シアトル1995)( J. Julier, J. K. Uhlmann und H. F. Durrant-Whyte. A new approach for filtering nonlinear systems. In Proceedings of the 1995 American Control Conference,pages 1628-1632, Seattle, 1995)
GPSの都市部等での使用は建築構造物の影響により必ずしも良い環境でない。従来構造の受信装置では、衛星からの微弱信号を捕捉しがたく受信している衛星数が変化し(少なくなり)測定不能になることがしばしばある。
このような問題は衛星からの信号の検出感度を上げることができると相当改善される。 本発明の目的は、GPS受信装置の信号処理にアンセンテッドカルマンフィルタを用いることにより、検出感度を上げて衛星の信号を検出することができるGPS受信装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載のGPS受信装置は、
受信したGPS衛星からの電波を信号を含む中間周波数に変換する受信部、前記受信部の出力を相関手段より処理して搬送波位相,符号位相,航法メッセージを得る信号処理部、および前記搬送波位相,符号位相,航法メッセージを演算手段で演算してGPS受信装置の位置/速度を計算する航法演算処理部を含むGPS受信装置であって、
前記信号処理部は、
前記搬送波位相,符号位相,航法メッセージが接続される相関器と、
前記相関器の出力が接続されているアンセンテッドカルマンフィルタと、
前記アンセンテッドカルマンフィルタからの符号誤差と搬送波誤差が接続されるループフィルタと、
前記ループフィルタの出力を受けて前記相関器に符号レプリカ(EPL)を供給する符号発生器と、
前記ル−プフィルタの出力を受けて前記相関器に搬送波レプリカ(Sin 波,Cos 波)を供給する搬送波発生器とを含んで、構成されている。
本発明による請求項2記載のGPS受信装置は、受信したGPS衛星からの電波を信号を含む中間周波数に変換する受信部、前記受信部の出力を相関手段より処理して搬送波位相,符号位相,航法メッセージを得る信号処理部、および前記搬送波位相,符号位相,航法メッセージを演算手段で演算してGPS受信装置の位置/速度を計算する航法演算処理部を含むGPS受信装置であって、
前記航法演算処理部は、
前記信号処理部からの搬送波位相からドップラーシフト信号、符号位相から疑似距離信号による測定系モデルを用いて、測定系を数式化し、周辺情報を考慮して測定値の真値を推定するアンセンテッドカルマンフィルタとを含んで、構成されている。
本発明による請求項3記載のGPS受信装置は、請求項2記載のGPS受信装置において、前記アンセンテッドカルマンフィルタはGPS受信装置の位置/速度を位置座標/速度座標として出力する他、クロック誤差、距離差、非白色チャネル誤差の何れを出力するように構成されている。
本発明による請求項4記載のGPS受信装置は、請求項2または3記載のGPS受信装置において、前記周辺情報は、信号を生成するシステムの動特性と、システムに存在する雑音の統計的性質と、初期値に関する先験情報と、時々刻々与えられる測定データである。
以上説明した構成によれば、従来装置では捉えることができなかった、微弱信号を捉えることができる。
したがって、従来技術では受信可能衛星数が3つ以下と判断されて位置推定が行なえないとする場合でも、本発明装置によれば、3個以上の衛星を利用して位置推定を行うことができる。
これは都市部において衛星からの信号が弱いときに大変有効であり、GPSの応用範囲を著しく広げるものである。
また、従来技術では、受信できず衛星数が変わると位置精度が大きく失われ、数mであった誤差が数十mに拡大するといったケースが多々見られる。
本発明によれば、受信できる衛星数が変わっても非線形フィルタの効果により位置精度は維持され殆ど変わらないという特徴を持つ。これはロバスト性の高いシステムであり、自動車及び人間の安全なナビゲーションには必要な機能を提供できる。
効果を用途的な観点から次のように整理できる。
1)単独GPSに関して
位置測定精度を高めるためのアシストを必要とせず、基地局との関係性を持つ必要がないため、基地局が設置されていない地域でも比較的精度の高い位置測定が可能となる。
2)建造物が密集した地域で使用するナビゲーションシステムに関して
捕捉できる衛星数が3個であっても位置測定が可能であるため、都市部など建造物が密集した地域での利用性が高く、例えば、カーナビゲーションシステムにおけるスムージング処理での位置精度のあいまいさやソフトウェア演算の負担を軽減できる。また、高精度であるためマンツーマンやドアツードアなどのマンナビゲーションが期待できる。
3)室内あるいは車内で使用するためのナビゲーションシステムへの利用に関して微弱な信号の復元が可能であるため、タクシーを呼ぶときなど自己の位置を他者へ連絡したい場合に、屋内にいるままで位置測定を行なうことが可能となる。
また、人がバスや列車に乗車しながら、その車両のナビゲーションシステムを使用することなく、自己の位置を他者へ連絡することができる。
以下図面等を参照して本発明による装置の実施の形態を説明する。図1は、GPS受信装置の基本的な構成を示すブロック図である。
本発明による装置は前記ブロック図に示すGPS受信信号を処理する信号処理部(II)または航法演算処理部 (III) での信号処理にアンセンテッドカルマンフィルタを使用するものである。本発明で使用するアンセンテッドカルマンフィルタは、プロセスモデルと測定モデルからなる測定系モデルを用いて、測定系を数式化する。
アンセンテッドカルマンフィルタは、測定系モデルおよびその測定系の信号を生成するシステムの動特性と、システムに存在する雑音の統計的性質と、初期値に関する先験情報と、時々刻々与えられる測定データからなる周辺情報より測定値の真の値を推定する。すなわち、カルマンフィルタは測定系モデルの完成度と周辺情報の確度によってその性能が決定される。
図5に一般的なカルマンフィルタの動作を説明するための流れ図を示す。
カルマンフィルタとは、システムの状態推定を行なうためのフィルタリング理論を実施するためのフィルタシステムである。
(ステップ1)
初期値の定義:測定値と測定値に含まれる誤差の先験値からそれぞれ初期値を定義する。
(ステップ2)
時間に関する更新:
(1)時刻kにおける状態の推定値を事前に、時刻k−1のステップ3で求めた状態の推定値と制御入力情報より求める。
(2)時刻kおける誤差の共分散の推定値を事前に、時刻k−1のステップ3で求めた誤差の共分散の推定値とプロセス雑音の共分散より求める。
(ステップ3)
測定に関する更新:
(1)カルマンゲインを、ステップ2で求めた誤差の共分散の推定値と測定雑音の共分散より求める。
(2)状態の推定値を、ステップ2で事前に求めた状態の推定値と時刻kにおける測定値および(1)で求めたカルマンゲインより更新する。
(3)誤差の共分散の推定値を、ステップ2で事前に求めた誤差の共分散の推定値と(1)で求めたカルマンゲインより更新する。
以後、ステップ2とステップ3を繰り返し、時々刻々の状態の推定値(求めたい値の真値の推定値)を算出する。カルマンフィルタで推定値が発散しない理由は、現在の推定値を求める際に、過去の測定値とその真値の推定値が反映されるためである。
受信部(I)の基本的な構成は従来の装置と異ならない。受信部(I)はアンテナ1 により衛星からのGPS電波を受信し、高周波増幅器2で増幅し、RFフロントエンド3で1.5GHzの搬送波を1MHz程度まで落として中間周波数デジタル信号 (生信号) を取得する。信号処理部(II)は、同期捕捉、同期追跡により信号を取り込む。このとき、捕捉した信号から得られる航法メッセージ、ドップラーシフトに起因する搬送波位相、衛星から受信装置への電波到達時間に起因する符号位相を航法演算処理部(III)に渡す。航法演算処理部(III)は、信号処理部から得た情報を元に、受信装置の位置/速度を計算する。本発明によるGPS受信装置は前記信号処理部(II)または航法演算処理部(II)の信号処理にアンセンテッドカルマンフィルタを用いる。
次に図2を参照して、本発明によるGPS受信装置の信号処理部(II)の構成をさらに説明する。
搬送波NCO (Carrier Numerically Controlled Oscillator:搬送波数値制御発振器)4は、搬送波と同じ周波数で互いに位相が90°ずれた2つの波(Sin 波とCos 波)を発生させる。これを搬送波レプリカと呼ぶ。受信した搬送波は、ドップラーシフトにより1.57542GHzからずれているため、ループフィルタ8からのゲインにより搬送波レプリカの周波数を変化させ相関器で同期を取る。
なお、GPSでは信号がBPSK(Binary Phase Shift Keying )により変調されており、この信号を同期捕捉するために、Sin 波とCos 波の2波が必要となる。同期は搬送波NCO で生成したレプリカと受信した波の相関値がしきい値を超えたときに実現したと見なす。Sin 波とCos 波は直行関係にあり、相関値はゼロであるため、仮に、搬送波NCO で作ったレプリカの周波数が受信した波と合致していても、位相が90°ずれていると相関値がゼロとなるため同期を取ることができない。そこで、位相が互いに90°ずれたSin 波(I : In-Phase)とCos (Q : Quadrature )波を用いることにより、同期ポイントを逃さないようにしている。
符号発生器5は、同期を取るために必要な符号を発生させる。各衛星に割り当てられた符号と同じ符号を発生させることから、これらを符号レプリカと呼ぶ。ループフィルタからのゲインにより1023bit からなるレプリカの開始点をずらす。このとき、狙いの開始点で始まる符号(P :Prompt)、そこから数分の1ビット進めた符号(E :Early )、そこから数分の1ビット遅らせた符号(L :Late)の3つのレプリカを発生させる。
GPSの通信システムはCDMAによるスペクトラム拡散通信であるため、各衛星に割り当てられた符号と受信装置内部で生成したレプリカが、時間軸で完全に一致しない限り同期が成立しない。上記のように、狙いの点から時間方向に前後わずかにずらした2つのレプリカを用いることにより、より早く符号の開始点を見つけ出すことができる。相関器(Correlator)6は、搬送波NCO 4と符号発生器5で生成した搬送波レプリカと符号レプリカにより、受信した信号を同期捕捉する。捕捉が完了した後はこれを追跡する。
アンセンテッドカルマンフィルタ7は従来のPLL (Phase Lock Loop )のロック判断器にあたる機能を高い性能で実現する。従来のPLL では微弱信号のような雑音の大きな信号に対してはロックが不安定になり、正しい情報を取り出すことができなかった。アンセンテッドカルマンフィルタを用いることにより、微弱信号のような雑音の大きな信号に対しても、正しい情報を推測し、航法演算処理部(III)に渡すことがでる。
ループフィルタ8は、アンセンテッドカルマンフィルタ7から得られる搬送波誤差と符号誤差からそれぞれゲインを決定し、搬送波NCO 4と符号発生器5にフィードバックする。
アンセンテッドカルマンフィルタ7から信号処理部(II)の出力として受信波より抽出された搬送波位相、符号位相、航法メッセージが、航法演算処理部(III)に渡される。
搬送波位相は、実際の受信波の搬送波周波数と、衛星が送信した搬送波周波数の1.57542GHzの差である。ドップラーシフトによる周波数偏移に起因するもので、これより受信装置の速度が算出できる。
符号位相は、受信波の符号と受信装置で生成した符号レプリカとの位相差である。衛星と受信装置はそれぞれ正確なタイミングで同時刻に同じ符号を生成しているが、衛星から受信装置に電波が到達するまの時間が約0.07秒であり、これに起因して受信装置では、両者にずれが生じる。受信装置において、受信した符号と受信装置内部で生成した符号レプリカの位相差を計算すれば、衛星から受信装置に電波が達するまでの時間がわかり、これが分かれば、衛星と受信装置の距離が分かる。実際には、衛星の原子時計と受信装置の簡易時計のクロック誤差があるため、これを擬似距離と呼ぶ。
3つの衛星の位置と3つの衛星と受信装置の距離がわかれば、ピタゴラスの定理より受信装置の位置がわかるが、実際には、前述の受信装置クロック誤差があるために、4つの衛星の位置と4つの衛星と受信装置の距離が必要となる。航法メッセージは、衛星の速度、位置情報および電離層誤差補正係数からなる。衛星の速度は上記のドップラーシフトを使って受信装置速度を求める際に必要となる。衛星の位置は、上記のピタゴラスの定理により受信装置位置を求める際に必要となる。
次に図2を参照して航法演算処理部(III)についてさらに説明する。
アンセンテッドカルマンフィルタ12の測定モデル10は、ドップラーシフトと擬似距離からなる。ドップラーシフトは生データの搬送波位相より、擬似距離は同様に符号位相より求める。
アンセンテッドカルマンフィルタ12は、プロセスモデル14と測定モデル10からなる測定系モデルを用いて、測定系を数式化する。アンセンテッドカルマンフィルタ12は、測定系モデルおよびその測定系の信号を生成するシステムの動特性と、システムに存在する雑音の統計的性質と、初期値に関する先験情報と、時々刻々与えられる測定データからなる周辺情報より測定値の真の値を推定する。すなわち、カルマンフィルタは測定系モデルの完成度と周辺情報の確度によってその性能が決定する。
測定モデル10に加えられる擬似距離誤差補正11は生データの航法メッセージから得られる、衛星から送信される電波が電離層を通過するときの遅延を補正するパラメータである。太陽活動による電離層の盛衰と、衛星の位置による電離層の影響を考慮した値となっており、擬似距離誤差の補正に用いる。
アンセンテッドカルマンフィルタ12に加えられる衛星の速度/位置13は、航法メッセージから得られる衛星の速度および位置情報である。ドップラーシフトによる受信装置速度算出、擬似距離による受信装置位置算出に使われる。 .
位置座標( x,y,z )、速度座標( V x ,V y ,V z ) 、クロック誤差 (δt,δt)、距離差(δR )、非白色チャネル誤差( ε1 ,ε2 ・・εn )は、アンセンテッドカルマンフィルタ12の出力でありプロセスモデル14の要素である。
本発明ではアンセンテッドカルマンフィルタの測定モデルとして初めてドップラーシフトを導入し、衛星と受信装置の間には常に相対速度があることアンセンテッドカルマンフィルタの測定系モデルとして定義する。これによりドップラーシフトと擬似距離の計算におけるクロック誤差に起因する距離差をδR としてプロセスモデルに組み込む。
さらに雑音のモデル化では、これまで通信路雑音と電離層による雑音を一括して白色雑音としてモデル化していたものを、通信路に対しては白色雑音、電離層の影響に対しては非白色雑音による一次マルコフ過程としてモデル化し明確に分離する。クロック誤差のモデル化に当たっては白色雑音による二次マルコフ過程としてモデル化する。
次に図3A,図3Bを参照して本発明による、アンセンテッドカルマンフィルタ(UKF )を用いたGPS受信装置と従来の装置の性能を比較する。
図3Aは従来のDLL (Delayed Lock Loop )方式を用いたGPS受信装置と本発明によるGPS受信装置の符号位相受信特性を対比して示したグラフである。
図において横軸に付した数字は搬送波対雑音電力比C/N0(Carrier to Noise Ratio)である。縦軸は符号位相エラーをチップ単位(1 チップは符号1ビット)で示している。
図3Bは従来の、PLL (Phase Lock Loop )方式を用いたGPS受信装置と本発明によるGPS受信装置の搬送波位相受信特性を対比して示したグラフである。
図において横軸に付した数字は搬送波対雑音電力比C/N0(Carrier to Noise Ratio)である。縦軸に搬送波位相エラーをサイクル単位で示している。
対象微弱信号の持つ特徴(共分散)を最大限に使用でき、従来技術では不可能だった微弱な信号の復元が可能となる。符号位相に関しては、従来技術で復元可能な最低C/Noが27dB-Hz 付近であったのに対し、本発明によるGPS受信装置では17dB-Hz 付近まで復元可能であることが理解できる。また、搬送波位相に対しても、従来技術では29dB-Hz 付近であったものが、本発明によるGPS受信装置では15dB-Hz 付近まで復元可能であることが示されている。室内におけるGPS信号の信号強度が19dB-Hz 程度であることを勘案すると、本願装置は、室内環境でも信号を復元できるといえる。
図4は従来のGPS受信装置による繰返し最小二乗法による測位と、本発明による、アンセンテッドカルマンフィルタによる測位精度を緯度(X) ,経度(Y) ,高度(Z)に分けて比較して示したグラフである。
図においてILS (SCP)はIterative Least Square method( Smoothed Carrier Phase )の略語であって、従来の、繰返し最小二乗法( 平滑化搬送波位相) を意味する。この測位アルゴリズムは、現在の簡易形の市販のGPS受信装置で最も広く使われている。図中Proposed Approach で示す曲線は、本発明によるGPS受信装置の測定結果を示す。
RTK (Real-Time Kinematic )測位は、測位精度が数cm以下である。実験では、RTK 測位、市販GPS受信装置によるILS 測位、アンセンテッドカルマンフィルタによる測位を同時に行った。グラフは、ILS およびアンセンテッドカルマンフィルタによる測位結果からRTK 測位結果を差し引いたものである(つまり、RTK 測位結果を基準に、その測位結果からの誤差を示した)。本発明によるGPS受信装置の測位精度が、ILS(SCP)に比べて、格段によいことが分かる。
本発明によるGPS受信装置は、装置のみを用いて位置推定精度・耐久性を向上させることができる。したがって、特別な基地局を建設する必要がなく、現在の衛星システムの環境下で使用できる。特に、都市部のように構造物によって衛星からの信号が遮断されたりする場所では、位置精度が維持されGPSを用いることが可能となる。この機能を用いると都市部における自動車のナビゲーション、人間のナビゲーション等への応用が考えられる。また、基地局等のコストが生じないので安価なインフラのシステムを供給できる。本発明によるGPS受信装置は、感度や価格の観点から小包などの配送物への応用も可能となり、トレーサビリティ実現等にその応用範囲を拡大できる。
本発明によるGPS受信装置の実施例の基本的な構成を示すブロック図である。 本発明による、アンセンテッドカルマンフィルタを用いたGPS信号処理部分と航法演算処理部の実施例を示すブロック図である。 本発明による、アンセンテッドカルマンフィルタを用いたGPS受信装置と従来のDLL方式のGPS受信装置の性能を比較したグラフである。 本発明による、アンセンテッドカルマンフィルタを用いたGPS受信装置と従来のPLL方式のGPS受信装置の性能を比較したグラフである。 本発明による、アンセンテッドカルマンフィルタを用いたGPS受信装置と従来の従来の繰返し最小二乗法によるGPS受信装置の位置測定精度で比較したグラフである。 一般的なカルマンフィルタの動作を説明するための流れ図である。
符号の説明
I GPS信号受信部(周波数分周・サンプリング)
II GPS信号処理部
III 航法演算処理部
1 アンテナ
2 高周波増幅器
3 RFフロントエンド
4 搬送波発生器
5 符号発生器
6 相関器
7 アンセンテッドカルマンフィルタ
8 ループフィルタ
9 生データ
10 測定モデル
11 疑似距離誤差補正
12 アンセンテッドカルマンフィルタ
13 衛星の位置/速度(入力部)
14 プロセスモデル

Claims (4)

  1. 受信したGPS衛星からの電波を信号を含む中間周波数に変換する受信部、前記受信部の出力を相関手段より処理して搬送波位相,符号位相,航法メッセージを得る信号処理部、および前記搬送波位相,符号位相,航法メッセージを演算手段で演算してGPS受信装置の位置/速度を計算する航法演算処理部を含むGPS受信装置であって、
    前記信号処理部は、
    前記搬送波位相,符号位相,航法メッセージが接続される相関器と、
    前記相関器の出力が接続されているアンセンテッドカルマンフィルタと、
    前記アンセンテッドカルマンフィルタからの符号誤差と搬送波誤差が接続されるループフィルタと、
    前記ループフィルタの出力を受けて前記相関器に符号レプリカを供給する符号発生器と、
    前記ル−プフィルタの出力を受けて前記相関器に搬送波レプリカを供給する搬送波発生器とを含んで、
    構成されているGPS受信装置。
  2. 受信したGPS衛星からの電波を信号を含む中間周波数に変換する受信部、前記受信部の出力を相関手段より処理して搬送波位相,符号位相,航法メッセージを得る信号処理部、および前記搬送波位相,符号位相,航法メッセージを演算手段で演算してGPS受信装置の位置/速度を計算する航法演算処理部を含むGPS受信装置であって、
    前記航法演算処理部は、
    前記信号処理部からの搬送波位相からドップラーシフト信号、符号位相から疑似距離信号による測定系モデルを用いて、測定系を数式化し、周辺情報を考慮して測定値の真値を推定するアンセンテッドカルマンフィルタとを含んで、
    構成されているGPS受信装置。
  3. 前記アンセンテッドカルマンフィルタはGPS受信装置の位置/速度を位置座標/速度座標として出力する他、クロック誤差、距離差、非白色チャネル誤差の何れを出力する請求項2記載のGPS受信装置。
  4. 前記周辺情報は、信号を生成するシステムの動特性と、システムに存在する雑音の統計的性質と、初期値に関する先験情報と、時々刻々与えられる測定データである請求項2または3記載のGPS受信装置。
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