JP5240337B2 - トラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、トラクタに関し、走行変速部に接続した前進と後進の走行方向別の油圧クラッチについてクラッチペダルの操作位置に応じてその接続圧力を制御する車両の前後進クラッチ制御装置に関するものである。
特許文献1に示されるように、クラッチペダルの操作信号を受け、走行変速部と直列に接続した前進クラッチと後進クラッチとの伝達動力を制御するように構成した前後進クラッチ制御装置が知られている。
この前後進クラッチ制御装置は、油圧クラッチの駆動油圧をクラッチペダルの操作位置に応じて調節することにより、オペレータがクラッチペダルの踏込操作を介して油圧クラッチの伝達動力を調節可能とし、かつ、クラッチペダル操作時やリバースレバー操作時におけるクラッチ接続操作と対応して設定量のオイルを供給するようにして、クラッチピストンをクラッチ板のミートポイント付近まで早く近づけるように駆動制御することにより、クラッチ接続時のフィーリングの良いクラッチ合わせ操作を可能ならしめんとするものである。
特許第3421406号公報
しかしながら、油圧クラッチの構成は個々の部品毎の寸法差によるミートポイントのばらつきがあり、また、クラッチペダルの踏込動作も一様でないことから、設定油量が過小であった場合にはミートポイントに達する前にこの設定油量の送油が終了してクラッチペダルの操作位置に応じた圧力での送油が開始されてしまい、一方、設定油量が過大であった場合には接続時に高い圧力が発生するためにクラッチが衝撃的に繋がり、接続フィーリングが損なわれるという問題があった。
本発明の目的は、部品の寸法差や操作方法の差による影響を受けることなく、ペダル操作によるフィーリングの良い発進操作が常に安定して可能となるトラクタを提供することにある。
請求項1に係る発明は、変速伝動装置内に、少なくとも前後進クラッチと主変速部と副変速部を設け、エンジンからの動力を順次伝達していく構成とし
クラッチペダルの操作角度検出手段を設けると共に、該操作角度検出手段による検出結果に基づいて、前進クラッチ又は後進クラッチへの送油圧を制御可能に構成し、
前記クラッチペダルを踏み込んで前進クラッチと後進クラッチとを共に遮断した状態から、該クラッチペダルを復帰操作しながら前記前進クラッチまたは後進クラッチを接続していくように構成し、
前記クラッチペダルの復帰操作の初期には、前記前進クラッチまたは後進クラッチのクラッチ板がミートする位置までクラッチピストンをすばやく移動させるように所定の定圧でクラッチ作動用のシリンダへ送油し、
この定圧での送油中において、前記クラッチ作動用のシリンダ内の圧力が設定圧力以上に達したときに、前記定圧での送油を中止して、クラッチペダルの操作角度に応じて変更される圧力での送油に切り換えるように連繋し、
前記前後進クラッチからの動力伝達を受ける副変速部の変速段に応じて、前記クラッチペダルの操作角度に応じて設定した複数の圧力ラインが択一的に選択されるように構成し、
クラッチペダルの戻し操作によってペダルストロークの開放領域に達すると副変速位置判定とクラッチペダルの戻し操作の時間経過判定処理を行い、副変速が高速の場合は、最大圧に達するまで規定時間を掛けてクラッチ圧力制御を実行し、副変速が低速の場合は、最大圧に達するまで前記規定時間よりも短い時間でクラッチ圧力制御を実行し、
前記前後進クラッチの切換えを行う前後進切換レバーを設け、一定以上の車速で前後進切換レバーの切換え操作をすると、前後進クラッチの一方側を切にして主変速を自動的に減速させ、該前後進クラッチの他方側を入とする制御処理を行い、主変速を自動的に最初の変速段に増速させる制御を行なうことを特徴とするトラクタとしたことを特徴とする。
上記の構成により、クラッチペダルの接続操作の初期からクラッチ板がミートするまでは所定の定圧でクラッチ作動用のシリンダへ送油がなされてクラッチピストンがすばやく作動し、この定圧での送油中においてクラッチ作動用のシリンダ内の圧力が設定圧力以上に達したときに、前記定圧での送油が中止されて、クラッチペダルの操作角度に応じて変更される圧力で送油される。
また、クラッチペダルの戻し操作によってペダルストロークの開放領域に達すると副変速位置判定とクラッチペダルの戻し操作の時間経過判定処理を行う。副変速が高速の場合は、最大圧に達するまで規定時間を掛けてクラッチ圧力制御を実行し、副変速が低速の場合は、最大圧に達するまで前記規定時間よりも短い時間でクラッチ圧力制御を実行する。
また、前後進クラッチの切換えを行う前後進切換レバーを設け、一定以上の車速で前後進切換レバーの切換え操作をすると、前後進クラッチの一方側を切にして主変速を自動的に減速させる。その後、前後進クラッチの他方側を入とする制御処理を行い、主変速を自動的に最初の変速段に増速させる。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、運転席近傍に作業状態を指示する作業指示スイッチを設け、 前記副変速部を作業用の変速位置にして作業している時、一番長く作業していた主変速位置をメモリーして、次回副変速部を操作したとき主変速部をこのメモリー位置に変速すると共に、前記作業指示スイッチの指示位置毎に副変速位置と主変速位置の一番長く作業した位置を記憶するように構成し、作業指示スイッチを切換えたとき、前回の副変速位置と今回の設定副変速位置が一致していたら、主変速部を記憶による主変速位置に変更するように制御することを特徴とする請求項1記載のトラクタとしたことを特徴とする。
上記請求項1記載の発明の作用に加え、運転席近傍に作業状態を指示する作業指示スイッチを設けており、 副変速部を作業用の変速位置にして作業している時、一番長く作業していた主変速位置をメモリーして記憶する。
次回副変速部を操作したとき主変速部をこのメモリー位置に変速すると共に、作業指示スイッチの指示位置毎に副変速位置と主変速位置の一番長く作業した位置を記憶する。作業指示スイッチを切換えたとき、前回の副変速位置と今回の設定副変速位置が一致していたら、主変速部を記憶による主変速位置に変更するように制御する。
上記前後進クラッチ制御装置は以下の効果を奏する。
請求項1の発明により、前進クラッチ又は後進クラッチのミートポイントのばらつきがあったり、クラッチペダルの操作が一様でなくても、クラッチのミートポイントに達する前に、クラッチペダルの操作位置に応じた圧力での送油が開始されたり、クラッチ接続時に過大な圧力が発生してクラッチが衝撃的に繋がる不具合が少なくなるので、安定したフィーリングの良い発進が可能となる。
また、クラッチペダルの戻し操作によってペダルストロークの開放領域に達すると副変速位置判定とクラッチペダルの戻し操作の時間経過判定処理を行い、副変速が高速の場合は、最大圧に達するまで規定時間を掛けてクラッチ圧力制御を実行し、副変速が低速の場合は、最大圧に達するまで前記規定時間よりも短い時間でクラッチ圧力制御を実行するので、クラッチペダルが放された後のクラッチの伝達トルク変化が大きくならない。このため、路面とのμが高い圃場内の起耕地などで高速レンジでクラッチ合わせしてスタートする場合に、エンジンに対する大きな負荷変動が抑えられるので、エンストする事態を回避することができる。また、トラクタが高速走行の時に前後進レバーの切換操作をしても危険な事態を回避することができる。
請求項2の発明により、請求項1の効果に加え、副変速位置に対する主変速位置が簡単に選択可能となる。
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るトラクタ走行制御装置を搭載した作業車両の1例を示す農用トラクタの側面図である。
農用トラクタ1は、前輪Aと後輪Bとを備えた機体前部にエンジンCを搭載し、このエンジンCの回転動力を変速伝動装置2に伝達し、この変速伝動装置2で適宜減速された動力を前輪Aと後輪Bとに伝達するとともに、後部のPTO軸Eを介して後部連結の作業機Fに出力するように構成している。この作業機Fを作業機昇降シリンダ54によって傾動される左右の昇降アーム54aによって昇降可能に支持するとともに、ローリング調整シリンダ53を介設して作業機Fの左右高さが調節可能に構成される。
また、オペレータによる操作のために、ステアリングハンドルHの前側に運転状態を表示するモニタJを配置し、該ステアリングハンドルHの下側に走行方向切換の前後進切換レバーKとエンジン回転速度設定用のアクセルレバーLを配置し、低部にアクセルペダルMとブレーキペダルNとクラッチペダルOを配置し、変速伝動装置2のトランスミッションケース2aの上部に操縦席Pを設け、その脇に変速レバーQ等が配置され、制御装置(走行制御部)51により自動変速可能に構成される。
上記変速伝動装置2の構成は、その伝動系統展開図を図2に示すように、エンジンCから動力を受ける入力軸11aを前段に備え、この入力軸11aの後段に前進クラッチと後進クラッチとから成る2段クラッチ11およびカウンタ軸11bによる前後進切換部を構成し、その動力を受ける走行伝動軸12を平行に近接構成する。この走行伝動軸12の回転動力を4速に変速出力する2つの2段クラッチ13a,13bによる主変速部を設け、その変速動力を高低の2速に変速する2段クラッチ14による高低切換部および速度帯域選択(例えば、「高速」「中速」「低速」)用のシフトギア機構による副変速部(走行変速部)15を介してドライブピニオン軸15dに出力する。このドライブピニオン軸15dから後輪差動部16を介して左右の後輪Bに走行動力を伝動する。
また、ドライブピニオン軸15dから走行動力を前輪伝動軸17に分岐し、増速伝動制御する2段クラッチ18による前輪増速部を介して前輪差動部19と連結し、左右の前輪Aに走行動力を伝動する。
作業機系動力は、入力軸11aからPTOクラッチ24を介してPTO伝動軸21の伝動比切換部25に動力を受け、正逆転切換部26から後段のPTO軸Eに伝動する。
各機器の油圧制御は、図3および図4の油圧回路図に示すように、第1系統の油圧ポンプ41aによりパワーステアリング部42を駆動し、第2系統の油圧ポンプ41bにより4速の主変速部13a、13b、前後進切換部の2段クラッチ11、高低切換部14を油圧駆動するほか、左右のブレーキ43、デフロック部44、前輪増速部18、PTOクラッチ24その他の機器を油圧駆動する。
パワーステアリング部42は、ハンドルHの操作に応じて前輪Aを操舵する。主変速部13a,13bおよび高低切換部14は、制御装置51により制御される電磁切換弁13v,13w,14v、14wを介してアクセルペダルM等の操作に応じて決定される変速位置に切換制御される。前後進切換部の2段クラッチ11は、前後進切換レバーKの操作と対応して制御装置51により制御される前後進切換用の電磁切換弁31により切換制御され、比例圧力制御弁(油圧制御手段)32および油圧センサ33a,33bを設けてその油圧を制御装置51により後述のように制御する。
(前後進切換部)
前後進切換部について詳細に説明すると、図5の要部縦断面図に示すように、入力軸11aには2つの走行方向別の出力ギア34a,34bを軸支する。2段クラッチ11は、入力軸11aの2つの走行方向別の出力ギア34a,34bに対して伝動制御する走行方向別の2つの油圧クラッチ機構35a,35bを一体に構成する。各クラッチ機構は、駆動油圧を受けるクラッチピストンR及び該クラッチピストンRとクラッチケースTとの間に形成したシリンダUと、該シリンダU内への送油によるクラッチピストンRの軸方向への移動によって圧接されるクラッチ板Sから構成される。
その油圧供給系は、入力軸11aを支持する軸支部11cに3系統の案内油路を形成し、これらと連通する入力軸11aの油路36a,36b,36cを介して走行方向別の作動油および両クラッチの潤滑油を両油圧クラッチ機構35a,35bに供給する。これら両油圧クラッチ機構35a,35bは、作動油を受けるとクラッチピストンR,Rを介してクラッチ板S,Sが押圧されて該クラッチ板S,Sどうしが当接するミート位置まで移動(初期駆動)され、その位置でさらに駆動油圧になるまでクラッチ板S,Sが圧接(圧接駆動)されることによりその摩擦力の範囲内で動力が伝達される。
前後進切換部の2段クラッチ11の制御系については、主変速を含む制御構成図を図6に示すように、制御装置51の入力側には、クラッチペダルセンサ62、前後進切換レバーK、主変速位置センサ13s、シフトギア機構15による副変速部の切換位置検出用の副変速位置センサ15s、前進側の油圧クラッチ機構(前進クラッチ)35aのシリンダU内に発生する圧力及び後進側の油圧クラッチ機構(後進クラッチ)35bのシリンダU内に発生する圧力を検出するクラッチ圧力センサ33a,33b等を接続して信号を入力し、出力側には、前後進切換弁31を作動させるソレノイド31s、前記シリンダU,Uへ送油する作動油の圧力を制御する圧力制御弁(電磁比例減圧弁)32を作動させるソレノイド32s、主変速切換弁を1速−2速に切換作動させるソレノイド13v、主変速切換弁を3速−4速に切換作動させるソレノイド13w等を接続して油圧制御する。
クラッチペダルセンサ62はクラッチペダルOの操作ストロークにおける操作角度を検出するポテンショメータ等のアナログ量検出センサである。前後進切換レバーKは前後進の方向選択用である。主変速位置センサ13sは制御装置によって切換えられた主変速位置を検出する。副変速位置センサ15sはシフト操作された切換位置を検出する。前後進のクラッチ圧力センサ33a,33bは、夫々、前進側の油圧クラッチ機構(前進クラッチ)35a及び後進側の油圧クラッチ機構(後進クラッチ)35bのシリンダU,U内に発生する圧力を検出する。前後進切換弁31は前進側の油圧クラッチ機構(前進クラッチ)35a及び後進側の油圧クラッチ機構(後進クラッチ)35bのシリンダU,Uへの送油方向を択一的に切換える。圧力制御弁32はクラッチピストンの駆動油圧を制御する。
具体的な制御処理は、クラッチペダルOの足踏による操作ストロークを2つの領域に分け、浅い側を「入」領域、深い側を「切」領域として設定した上で、図7のフローチャートに示すように、クラッチペダルOを「切」領域から戻す(放す)方向に操作した場合において、「切」→「入」の判定処理(S1)によって該当すれば初期駆動タイマセット処理(S2)をし、この初期駆動タイマの0判定処理(S3)によって該当するまでの間はクラッチ圧が規定値以上になるまで初期駆動電流値で比例圧力制御弁32によりクラッチ圧力を制御処理(S4、S5a)することによって初期駆動、すなわち、ミート位置までの油圧駆動を行う。上記初期駆動タイマセット処理はフラグセット処理でもよい。
初期駆動タイマが0になった場合やクラッチ圧力センサ33a又は33bによって検出されるクラッチ接続圧が規定値以上になった場合は、初期駆動タイマリセット「0」処理およびクラッチペダル設定値によるクラッチ圧力の制御処理(S5b)によって圧接駆動、すなわち、ペダル操作対応圧までの油圧駆動を行う。
上記制御処理によるクラッチ動作は、図8(a)の動作線図に示すように、クラッチペダルOの踏込ストローク範囲の最大踏込み位置d0から所定量を戻した位置d1を境に、それより深い範囲を「切」領域、浅い範囲を「入」領域として設定する。「切」領域では前進クラッチと後進クラッチとから成る2段クラッチ11が切り状態に保持される。クラッチペダルOの戻し操作により境界位置d1を超えて「入」領域に入ると、図8(b)の電流―流量特性図に示すように、比例圧力制御弁32による初期駆動を大流量の初期駆動電流とすることによりクラッチピストンRの移動が迅速化される。クラッチ板Sがミートしたタイミング以降は、比例圧力制御弁32によりクラッチペダルOの戻し位置に応じた圧力で圧接駆動される。
このようにして、クラッチペダルOの接続動作の検出からクラッチ板がミートするまでの間は所定圧力での送油を行い、その後は、クラッチペダルOの操作位置に応じた油圧制御を行うことにより、油圧クラッチの部品寸法差やペダル操作の差があってもオペレータによるクラッチペダルOの接続操作とともに油圧クラッチのクラッチ板Sがミート位置まで駆動されることから、クラッチミートポイントより遠すぎるところからペダル相当圧力になったり、設定量が大きすぎて接続時に過大な圧力が発生するという不具合が回避されるので、簡易な操作により接続ショック無しに常に安定したフィーリングの良いクラッチ合わせによるスムーズな発進が可能となる。
また、上記構成における初期駆動電流は、最大流量が確保できる電流とすることにより、個々のバルブの特性差があっても操作時性能を安定化することができ、また、最大流量が得られる範囲でできるだけ低い電流とすることにより、クラッチ板Sがミートしてフィードバックが掛かり始める時に、電流を低下させる時の応答性を向上することができるので、クラッチ合わせをする時の圧力(駆動トルク)を低く抑えることができる。
また、上記制御処理における初期駆動の停止のための判定処理(S4)の規定値は、図9のフローチャートに示すように、クラッチ板ミートまでの駆動電流による駆動開始直後のサージを除いた規定時間(例えば、10〜20msec)の経過後の検知圧力p1(S2a,S2b)を基準としてそれよりやや高い圧力p1+α(例えば、基準圧力が0.5の場合は+0.2)を規定値とすることにより、クラッチピストンRの移動中に発生している圧力を超えた地点がクラッチ板Sのミート開始であることから、ここから圧接駆動の制御電流に移行させることで、クラッチ構成や流量のばらつきを考慮した安定した制御が可能になる。
また、オイルの動粘度特性は油温によって変化するため、クラッチピストンR移動中の圧力が変化(低温になるほど高い圧力)し、この圧力は、クラッチピストンRが移動する際バルブからシリンダUまでの油路をオイルが通過するときの差圧がクラッチ圧力センサ33a,33bで検出される。これを誤検知しないようにオイルの温度毎のデータを事前に把握してこれに基づいて検知圧力を変更することで、クラッチピストン移動中の圧力誤検知をなくし、クラッチがつながらなくなるという事態を回避することができる。
また、副変速部(走行変速部)15の位置に応じて後輪Bまでの減速比が異なり、同じ圧力をクラッチ板Sに与えても車両に与える加速度が異なることから、前記圧接駆動制御については、選択されている副変速の変速位置と対応して、すなわち、3速の「高速」「中速」「低速」の選択に応じて設定された圧力ラインによるモジュレート圧力を適用し、クラッチペダルOが戻されるに従い、徐々に圧力を上昇させる。初期駆動電流直後の圧力コントロール相当電流は、副変速部15の変速位置に応じて異なる駆動電流で、すなわち、変速位置が高速になるほど、圧力を高めに変更する。このように変速位置に応じて圧力を変えることで、副変速位置によることなく、クラッチペダル合わせが容易に行える。また、変速位置に応じたコントロール圧力がほぼ平行移動するように設定することにより、どのような副変速位置であっても、半クラッチ状態が長いペダルストロークでとれるようになり、半クラッチ操作が行いやすくなる。
また、クラッチペダルOの戻し操作によってペダルストロークの開放側の開放領域に達した時は、図10のフローチャートに示すように、副変速位置判定(S11)と時間経過判定処理(S12)により、副変速が「高速」の場合は、最大圧に達するまで規定時間を掛けてクラッチ圧力制御処理(S13a)をし、副変速が「低速」の場合は、最大圧に達するまで急峻にコントロールする。
このようにしてクラッチペダルOが放された後のクラッチの伝達トルク変化が大きくならないようにすることにより、路面とのμが高い圃場内の起耕地などで高速レンジでクラッチ合わせしてスタートする場合に、エンジンに対する大きな負荷変動が抑えられるので、エンストする事態を回避することができる。
(高速走行時)
次に、高速走行時の制御処理について説明する。
トラクターの車速を検知し、ある一定以上の車速で前後進切換レバーKの切換え操作をしたとき、クラッチを「切」にして主変速を安全な変速段に自動的に減速させ、再度クラッチを「入」とする制御処理を構成する。このとき主クラッチ(前後進かハイロー切換)は昇圧制御する。この場合において、再度クラッチをつなぐとともに、自動的に最初の変速段に増速させて元に戻し、高速時の前後進切換え操作の自動変速モードを設定しても良い。
上記前後進切換レバーの切換操作が高速走行(例えば、速度が11km/h以上)において行われると、警告ブザーが鳴るとともに自動的にクラッチが「切」になってセーフティ状態にする制御例があるが、そのような作業は強制的な走行停止により却って危険を招くことから、上記制御処理構成とすることにより、トラクターが高速走行の時に前後進レバーKの切換操作をしても走行停止による危険な事態を回避することができる。
(リリーフバルブ)
次に、リバース制御について説明する。図11の縦断面図に示すように、リバース制御のオン・オフとしてクラッチペダルOの操作圧を配置した構成において、ペダル操作圧バルブを機械的動作により設定圧力が可変となるリリーフバルブ71として構成する。上記構成により、簡易なオン・オフだけのバルブでは、クラッチペダルの動きに追従した圧力操作が不可能であったが、そのような欠点を解消することができる。
(操作パネル)
次に、操作パネルについて説明する。
運転席近傍に、図12の自動化機能セットパネルとその制御構成図、図13の各設定例に示すように、作業状態を指示するスイッチ81a,81bを設け、それとは別に様々な自動制御機構を入切する操作部81cを設け、作業状態を指示するスイッチ操作に応じて自動制御機能を複数パターン入切指示できるように構成する。このように構成することにより、従来全自動項目を一括設定する構成として操作の容易化を図っていたが、作業毎に自動化機能を選択設定することが可能となる。
例えば、図13の「耕耘」「代掻き」「作業1」及び「作業2」のように予め指定された作業ごとに、操作部81cに示したスイッチ群にて設定操作しておくことによって、個々の作業に対応できるものとなる。なお、「耕耘」を選択すると、後進時作業機を自動上昇制御し(バックアップ)、旋回時作業機上昇(オートリフト)、旋回内側制動(オートブレーキ)、作業機昇降制御感度の調整(3Pオート感度「敏」)、…を得るものとし、「作業1」、「作業2」を選択すると、オペレータの任意に設定した項目を設定記憶できる構成である。「走行」に関しても、各項目の入り切り、乃至感度設定を設定記憶させることができる構成である。
また、作業指示スイッチの指示毎に設定可能な自動化パネル操作部は、プッシュ式の設定操作部と設定状態が判別できるモニタで構成する。このように構成することにより、設定状態が解りやすくなる(図14(a)、(b)、(c))。
また、作業状態指示スイッチの設定ポジション部分ラベルに空白部分を設け、ユーザーの解りやすい名称を書けるように構成することにより、ユーザーレベルで操作を解りやすくできるように手直しが容易となる。
また、作業状態指示スイッチは、少なくとも路上走行に適した「走行」モードを1つ備え、そのほかに作業に適したモードを複数選択できるように構成する。
路上走行中は、通常、前輪駆動を2WD或いは前・後輪車速差に応じて自動的に2輪駆動と4輪駆動とに切り換わるオート4WDで走行し、その他の制御は切れた状態にする。また、作業中は、耕耘作業や代掻き作業など作業パターンが複数有り、作業によって使用する自動化機能が異なる場合がある。本案では、設定モードの中に必ず路上走行中の作業切状態が簡単に設定でき、また作業になったら行う作業に適したモード設定が可能になり使いやすくなる。
また、図14(a)の作業指示スイッチ例に示すように、路上走行を設定するモードスイッチ81aは、独立したプッシュスイッチで構成し、作業モードの複数設定は他のプッシュスイッチ81bで複数選択できるようにし、設定状態が判別できるLED等によるモニタ81dを装備する。上記スイッチは、2切換(中立付き)の跳ね返り式シーソースイッチや、トグルスイッチでもよい。このように構成することにより、走行・設定作業が素早くできて解りやすくなる。
また、図14(b)の作業指示スイッチ例に示すように、作業状態指示スイッチ82は、一つのプッシュ式スイッチと設定状態が判別できるモニタ82dで構成することによって安価に構成することができ、さらに、図14(c)の作業指示スイッチ例に示すように、ロータリ式のVR83或いはスイッチで構成することによって設定が解りやすくなる。
副変速レバーは、路上走行に適した変速位置と作業に適した変速位置とが選択できる構成にし、副変速レバーを路上走行に適した位置に変速した場合については、図15のフローチャートに示すように、作業指示スイッチの設定を強制的に走行モードに切換える(S22)ように構成することにより、設定操作が簡単になる。
作業指示スイッチを他のモードから走行モードに切換えた場合は、少なくとも圃場で便利な自動化機能(前輪増速、オートブレーキ、オートリフト、バックアップ、アクセル自動変速など)は、前回「入」であっても、一旦「切」にし、すなわち、「入」→「入」であっても次回設定するまで「切」とするように構成することによって危険をなくすことができる。
また、主変速作業については、副変速を作業に適した変速位置にして作業している時、一番長く作業していた主変速位置をメモリーして、次回副変速を操作したとき主変速をこのメモリー位置に変速するものにおいて、作業指示スイッチの指示位置毎に副変速位置と主変速位置の一番長く作業した位置を記憶する(S21)ように構成し、作業指示スイッチを切換えたとき、前回副変速位置と今回設定副変速位置が一致していたら、主変速を記憶主変速位置に変更する(S23)ように構成する。
例えば、副変速「中速」で主変速での車速レンジが1.5〜5km/h程度であった場合、通常耕耘では1〜2k、代掻きは2〜4kと異なる。副変速レンジのみに基づくメモリー変速の場合、作業が変わった時に主変速位置は前の変速状態になるため、例えば、副変速レバーに設けられた増減2つの主変速ボタンで変更する必要があったが、本案では、作業指示スイッチを操作するだけで、他の自動作業設定を含め変速位置もユーザーにマッチした変速位置が再現されるため、操作が簡単になる。
作業指示スイッチ操作による主変速の自動変更(メモリー位置再現)は、停車中のみ可能に構成することにより、走行しながらボタン操作された場合に、変速する意志があるのか不明であり、オペレータに不安感を与えるがこれを解消できる。
作業車両の1例を示す側面図である。 変速伝動部の伝動系統展開図である。 油圧制御の油圧回路図(1)である。 油圧制御の油圧回路図(2)である。 前後進切換部の2段クラッチの要部縦断面図である。 前後進切換部の2段クラッチの制御系構成図である。 前後進切換制御処理のフローチャートである。 クラッチの動作線図(a)および制御弁の電流―流量特性図(b)である。 初期駆動の停止処理のフローチャートである。 クラッチペダルの戻し操作処理のフローチャートである。 リリーフバルブの縦断面図である。 自動化機能セットパネルとその制御構成図である。 操作パネルのスイッチ配置図である。 作業指示スイッチ例(a〜c)である。 図12の制御構成におけるフローチャートである。
1 農用トラクタ
2 変速伝動装置
11 2段クラッチ(前後進切換部)
15 シフトギア機構(副変速部)
15s 副変速位置センサ
31 前後進切換弁
32 比例圧力制御弁(油圧制御手段)
33a,33b クラッチ圧力センサ
35a,35b 油圧クラッチ機構(油圧クラッチ)
51 制御装置(走行制御部)
62 クラッチペダルセンサ(操作角度検出手段)
81a,81b 作業指示スイッチ
A 前輪
B 後輪
d1 境界位置
K 前後進切換レバー
O クラッチペダル
R クラッチピストン
S クラッチ板

Claims (2)

  1. 変速伝動装置(2)内に、少なくとも前後進クラッチ(35a,35b)と主変速部と副変速部(15)を設け、エンジンからの動力を順次伝達していく構成とし
    クラッチペダル(O)の操作角度検出手段(62)を設けると共に、該操作角度検出手段(62)による検出結果に基づいて、前進クラッチ(35a)又は後進クラッチ(35b)への送油圧を制御可能に構成し、
    前記クラッチペダル(O)を踏み込んで前進クラッチ(35a)と後進クラッチ(35b)とを共に遮断した状態から、該クラッチペダル(O)を復帰操作しながら前記前進クラッチ(35a)または後進クラッチ(35b)を接続していくように構成し、
    前記クラッチペダル(O)の復帰操作の初期には、前記前進クラッチ(35a)または後進クラッチ(35b)のクラッチ板(S)がミートする位置までクラッチピストン(R)をすばやく移動させるように所定の定圧でクラッチ作動用のシリンダ(U)へ送油し、
    この定圧での送油中において、前記クラッチ作動用のシリンダ(U)内の圧力が設定圧力以上に達したときに、前記定圧での送油を中止して、クラッチペダル(O)の操作角度に応じて変更される圧力での送油に切り換えるように連繋し、
    前記前後進クラッチ(35a,35b)からの動力伝達を受ける副変速部(15)の変速段に応じて、前記クラッチペダル(O)の操作角度に応じて設定した複数の圧力ラインが択一的に選択されるように構成し、
    クラッチペダル(O)の戻し操作によってペダルストロークの開放領域に達すると副変速位置判定とクラッチペダル(O)の戻し操作の時間経過判定処理を行い、副変速が高速の場合は、最大圧に達するまで規定時間を掛けてクラッチ圧力制御を実行し、副変速が低速の場合は、最大圧に達するまで前記規定時間よりも短い時間でクラッチ圧力制御を実行し、
    前記前後進クラッチ(35a,35b)の切換えを行う前後進切換レバー(K)を設け、一定以上の車速で前後進切換レバー(K)の切換え操作をすると、前後進クラッチ(35a,35b)の一方側を切にして主変速を自動的に減速させ、該前後進クラッチ(35a,35b)の他方側を入とする制御処理を行い、主変速を自動的に最初の変速段に増速させる制御を行なうことを特徴とするトラクタ
  2. 運転席近傍に作業状態を指示する作業指示スイッチ(81a,81b)を設け、 前記副変速部(15)を作業用の変速位置にして作業している時、一番長く作業していた主変速位置をメモリーして、次回副変速部(15)を操作したとき主変速部をこのメモリー位置に変速すると共に、前記作業指示スイッチ(81a,81b)の指示位置毎に副変速位置と主変速位置の一番長く作業した位置を記憶するように構成し、作業指示スイッチ(81a,81b)を切換えたとき、前回の副変速位置(15)と今回の設定副変速位置(15)が一致していたら、主変速部を記憶による主変速位置に変更するように制御することを特徴とする請求項1記載のトラクタ。
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