JP5240166B2 - 円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法とその円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置 - Google Patents

円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法とその円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、ジェットエンジンを構成するタービンブレードを支持するディスク等の円板ワークの加工方法に係わり、特に、加工物となる円板ワークを高速回転させることで円板ワーク自体にジャイロ機構となる姿勢制御効果をもたらした円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法とその円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置に関するものである。
近年、例えば、例えば、航空機による国際的な物流増大に対応する事と、対地球環境向上を図るための低燃費性の要求が高まり、航空機の機体軽量化と燃費改善が図られている。その具体的方策として、ジェットエンジンを構成するタービンブレードを支持するディスク(円盤又は円板を意味する)の軽量化のための薄肉構造に伴う材料特有の歪みと機械加工で発生する歪みが加工精度低下を招き、困難性の高い切削加工における一層の精度向上が高まっている。これは、発電用ガスタービンのディスク加工においても同様な課題になっている。
また、上記ディスクは、極高温(1000℃〜)での使用となり、その材質はハイニッケル難削材の加工となり、無人加工化が遅れている。そして、上記ディスクは、エンジンの高出力化で大型化(外径1000mm)の傾向にあり、肉薄軽量化により、外周・側面・内面の切削加工を益々困難化している。
上記薄肉円盤形状のディスクの現状における製造工程は、先ず、素材となる円板を鍛造により肉薄軽量化に適合するように成形される。この鍛造工程でディスクには、鍛造時の応力が残存して歪みを与えている。続く、旋盤加工は、図8と図9に示すようにして実施されている。先ず、ディスク1の中心孔1Cの仕上加工を行うべく、ディスク1の外周1Dを外周保持チャック3の各把時爪3Aで強く中心方向へ掴むと、特に外周側に歪みを起こしてしまう。このために、正確な中心孔の仕上加工が出来ないばかりか、側面1A,1Bの加工においても歪み加工となるとともに片側のみの加工とり、反転加工しなければならない。これに続く、図9は、ディスク1のバイト4による外周面1Dの加工時には、バイトの押し込み力Fにより外周面に凹み歪みを生じさせ、正確な仕上加工が保証されていない。上記のように、薄肉円盤形状のディスク1は、クランプを高トルクでディスクの側面に対し把持して押さえると、歪みを起こしてしまい、高速回転の加工が困難である(非特許文献。)。
そこで、上記薄肉円盤形状のディスク等に見られる加工時の歪みを解消させるべく、ジャイロ機構を装備するとともに上定盤の変動を抑制し且つ上定盤のたわみを抑制して、ワークへの荷重を均等にかけることのできる両面研磨装置が提供されている。
その構成は、回転可能な下定盤と、昇降機構によって該下定盤に対して昇降自在であると共に回転可能な上定盤と、前記下定盤と前記上定盤に挟持されると共に複数のワークが装着されるキャリアと、該キャリアを前記下定盤及び上定盤の間で自転及び公転させる自公転機構とを具備する。そして、前記上定盤を吊支する上定盤支持プレートが、前記昇降機構の上下動可能な支持ロットの端部に揺動自在に設けられるジャイロ機構の中心位置が、前記定盤の研磨面と同一面上に位置するように構成する。前記上定盤は、その径方向断面における重心位置よりも径方向外周側において前記上定盤支持プレートに吊支する。これにより、上定盤の平行度が保てると共に、上定盤の荷重を均一にキャリアのワークにかけることができるので、ワークの研磨精度を高くすることができるものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−55601号公報
上記薄肉円盤形状のディスクの外周を外周保持チャックの各把時爪で中心方向へ掴むチャック方式では、薄肉円盤の高速回転時にチャックからの脱落・飛び出し事故を防止するために、必要以上に強く各把時爪で中心方向へ掴み込ませている。これが為に、特に外周側で大きな歪みを起こす。また、外周面加工時に中心方向への加工歪みを生じてしまい、高精度な旋削加工ができない。
また、上記薄肉円盤形状のディスク等に見られる加工時の歪みを解消させるべく、ジャイロ機構を装備するとともに上定盤の変動を抑制し且つ上定盤のたわみを抑制して、ワークへの荷重を均等にかけることのできる両面研磨装置では、撓みを抑制する手段を研磨装置内に装備しなければならない。このために、研磨装置のコストアップや操作性の悪さ、その作用の不確実性や歪み抑制効果も期待する程の数値が得られないという問題点がある。
本発明は、上記従来方式の旋盤加工機や両面研磨装置における数々の問題点に鑑みてなされたものである。その目的は、加工物となる円板ワークを高速回転させることで円板ワーク自体にジャイロ機構となる姿勢制御効果をもたらす円板ワークの高速回転ジャイロ加工とこれによる両面同時加工も実施可能とする円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法とその円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置を提供する。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法は、薄肉円板ワークの中心孔を対向する回転主軸の各先端把持部に固定し、上記薄肉円板ワークの外周側面を加工部による加工時において、上記加工部から薄肉円板ワークの側面方向への加工圧による側面撓み量を打ち消すべく、薄肉円板ワークの慣性モーメントI×薄肉円板ワークの角速度ωに基づく角運動量計算式により回転主軸に回転駆動される薄肉円板ワークを高速回転させ、上記加工圧に均等化する復元力を生成して加工することを特徴とする。
また、本発明の請求項2による円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置は、対向した回転主軸と、上記回転主軸の各先端把持部で中心孔を固定した薄肉円板ワークと、上記薄肉円板ワークの外周側面を加工する加工部と、上記加工部から薄肉円板ワークの側面方向への加工圧を検出する加工検出部と、上記加圧検出部の加工圧検出値に基づき薄肉円板ワークの回転数を加工圧に均等化する復元回転数に回転主軸を回転制御する回転制御部、を具備したことを特徴とする。
また、本発明の請求項3による円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法は、薄肉円板ワークの中心孔を対向する回転主軸の各先端把持部に固定し、上記薄肉円板ワークの外周側面を加工部による加工時において、上記加工部から薄肉円板ワークの側面方向への加工圧を加圧検出部により検出するとともに、上記加圧検出部の加工圧検出値に基づき薄肉円板ワークの回転数を回転制御部により回転制御して加工圧に均等化する復元力に上記回転主軸を回転制御させることを特徴とする。
また、本発明の請求項4による円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法は、請求項1または3記載の高速回転ジャイロ加工方法において、薄肉円板ワークの中心孔を対向する回転主軸の各先端把持部に固定し、上記薄肉円板ワークの外周側面を加工部による加工時において、薄肉円板ワークの両側面を同時に加工させ、加工時に対向して生じる加工圧を打ち消し薄肉円板ワークの側面撓み量を解消させることを特徴とする。
本発明の請求項1の円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法によると、加工圧に均等化する復元力を生成しながらの側面加工が行われるから、益々肉薄軽量化している薄肉円板ワークの側面切削加工が高精度に実行できる。
本発明の請求項2円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置によると、薄肉円板ワークに発生する加工圧と復元回転数との関係が実測しながら回転主軸をダイレクトに回転制御でき、非常に正確なジャイロ効果を生成させて薄肉円板ワークの側面切削加工が極めて高精度に実施させられる。
本発明の請求項3円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法によると、薄肉円板ワークに発生する加工圧と復元回転数との関係を実測しながら回転主軸がダイレクトに回転制御され、非常に正確なジャイロ効果を生成させて薄肉円板ワークの側面切削加工が極めて高精度に実行できる。
本発明の請求項4円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法によると、高速回転ジャイロ加工方法がより一層的確に実行でき、薄肉円板ワークの更なる側面切削加工が極めて高精度に実行できる。
本発明の第1の実施の形態を示し、円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置の要部断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置の回転制御手段の構成図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、円板ワークの高速回転ジャイロ効果の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、工具の加圧力とジャイロ復元力の作用図である。 実際の旋盤による円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法を示す要部の拡大斜視図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、薄肉円板ワークの両側面を同時加工する正面図である。 従来技術を示し、円板ワークのクランプ状態の斜視図である。 従来技術を示し、円板ワークのバイト切削の斜視図である。
以下、図1乃至図6を参照して本発明の第1の実施の形態となる円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置を説明する。
本発明の円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置は、下記のようにその主たる構成要件からなる。まず、図1と図2に示すように、円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100は、円板ワーク1の中心孔1Cを基準内径仕上げに際して円板ワークの外周1Dを把持爪3Aで把持する円板チャック3を備えている。円板ワーク1の中心孔1Cの加工後は、上記円板ワーク1を円板チャックの把持から解放し、水平配置した回転主軸5の先端把持部5Aと、これに対向する円板チャック4の回転主軸6の先端の把持部6Aで把持される。即ち、回転主軸5,6の各先端部の把持部5A,6Aとからなる支持軸駆動体(マンドレル)10の中間位置に装着される。以下、回転主軸(マンドレル)ともいう。上記円板チャック4を支持する回転主軸6の基部6Bは、基盤9上の移動台9Aの支持体11に回転可能に保持されている。これで、円板チャック4は、移動台9Aの進退移動で対向する円板チャック3及び円板ワーク1に対して接近・離反する。上記回転主軸(マンドレル)6の軸心孔Pの後端は、油圧ユニットOUに繋がれていて、ここからの圧力油Oで把持部6Aが拡縮動作され、円板ワーク1の中心孔1Cを把持及び解放する。上記支持軸駆動体10は、駆動部KUの駆動軸2に連結する円板チャック3の回転により円板チャック3,4及び円板ワーク1を回転させる。
上記円板ワーク1は、この中心孔1Cに回転主軸(マンドレル)5,6を嵌通して保持されているから、図1に示すように、回転主軸(マンドレル)5,6を高速回転すると円板ワーク1の角運動量が増加してジャイロ効果が得られることが知られている。従って、円板ワーク1の側面に対する切削負荷の増加による円板ワーク1及び回転主軸(マンドレル)5,6の傾きを抑制するには、円板ワーク1の角運動量を増加してジャイロ効果を発揮させることが必須の手段となる。尚、円板ワーク1の角運動量は、慣性モーメントIと薄肉円板ワークの角速度ωの積であるから、円板ワーク1及び回転主軸(マンドレル)5,6の傾き変化量は、角速度ωに反比例することとなる。
続いて、上記円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100の機能・作用を説明する。図1〜図3に見るように、高速回転ジャイロ加工装置は、先ず、円板ワークの外周1Dを円板チャック3で把持し、円板ワーク1の中心孔1Cが基準内径仕上げされる。その後、図1と図2に示すように、円板ワーク1の中心孔1Cは、対向する円板チャック3の回転主軸(マンドレル)5の先端把持部5Aと、これに対向する円板チャック4の回転主軸(マンドレル)6の先端の把持部6Aで把持される。即ち、回転主軸(マンドレル)5,6の各先端部となる支持軸駆動体(マンドレル)10の中間位置に装着される。そして、円板ワーク1の側面1A,1Bが旋削加工部15のバイトBにより旋削加工される構成になっている。
上記円板ワーク1が高速回転ジャイロ効果を発揮させるべく、回転主軸(マンドレル)5,6の回転制御手段200は、図3に示すように構成されている。即ち、上記薄肉円板ワーク1の外周・側面を加工する加工部15と、上記加工部から薄肉円板ワーク1の側面1B方向への加工圧Pを検出する加圧検出部PDと、上記加圧検出部からの加圧信号eは増幅器AP1での加工圧検出値e1に増幅され、比較器CPに入力される。また、円板ワーク1の歪み量−Pは、歪みセンサHSで歪み信号−eが検出され、増幅器A2Pでの歪み検出値−e1に増幅され、比較器CPに入力される。この比較器CPでのコンパレーション処理に基づき、薄肉円扱ワーク1の回転数を加工圧Pに均等化する復元力−Pとなる回転数に回転主軸(マンドレル)5,6を回転制御する駆動モータMの回転制御部DDに比較器CPの出力となる回転制御信号±e2を入力させ、加工圧Pと復元力−Pとを均一化すべく、円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100の運転制御を司るNC制御装置NCを具備する。
本発明の円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100は、上記第1の実施の形態のように構成され、以下のように作用する。先ず、図1及び図4に示すように、回転主軸(マンドレル)5,6を高速回転すると、円板ワーク1の角運動量が増加する。即ち、切削負荷による円板ワーク1の傾きを抑制すべく、回転主軸(マンドレル)5,6を高速回転させて角運動量を増加させて大きなジャイロ効果が得られる。その作用は、円板ワーク1の角運動量は、慣性モーメントIと薄肉円板ワークの角速度ωの積であるから、円板ワーク1及び回転主軸(マンドレル)5,6の傾き変化量は、角速度ωに反比例することとなる。
以下に、上記ジャイロ効果に基づいた円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法の作用を、図4と図5で説明する。先ず、図4において、薄肉円板ワークの中心孔1Cを回転主軸(マンドレル)5,6に固定し、上記薄肉円板ワークの外周・側面を加工部による加工時において、この加工部から薄肉円板ワークの側面方向への加工圧による側面撓み量を打ち消すべく、薄肉円板ワークの慣性モーメントI×薄肉円板ワークの角速度ωに基づく角運動量計算式により回転主軸(マンドレル)に回転駆動される薄肉円板ワーク1を高速回転させる。即ち、回転主軸(マンドレル)5,6には、薄肉円板ワーク1の中心孔1Cに挿通して固定される。図5(a)に示すように、上記薄肉円板ワークの側面1Aを加工部15,6のバイトBにより加工すべく、回転主軸(マンドレル)5の軸心方向Oへ切り込み加圧力Pすると、薄肉円板ワークは矢印方向へ歪む。そこで、図5(b)に示すように、上記加工圧Pに均等化する復元力−Pを生成して側面加工すべく、薄肉円板ワークの慣性モーメントI×薄肉円板ワークの角速度ωに基づく角運動量計算式により回転主軸(マンドレル)に回転駆動される薄肉円板ワーク1を高速回転させて加工が行われる。これにより、薄肉円板ワークは矢印方向へ戻される。しかして、益々肉薄軽量化している薄肉円板ワークの側面切削加工が高精度に実行できる。
次に、円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100に備える回転主軸(マンドレル)5,6の回転制御手段200の機能に基づいた高速回転ジャイロ効果を発揮させる作用について、図3と図5により説明する。先ず、回転主軸(マンドレル)5は、薄肉円板ワーク1の中心孔1Cに挿通して固定される。上記薄肉円板ワークの側面1Aを加工部15のバイトBにより加工すべく、回転主軸(マンドレル)5,6の軸心方向Oへ切り込み加圧力Pすると、上記加工部15から薄肉円板ワーク1の側面1A方向への加工圧Pを加圧検出部PDが検出する。上記加圧検出部PDの加圧信号eは増幅器AP1で加工圧検出値e1となる。この加工圧検出値e1に増幅され、比較器CPに入力される。また、円板ワーク1の歪み量−Pは、歪みセンサHSで歪み信号−eが検出され、増幅器A2Pでの歪み検出値−e1に増幅され、比較器CPに入力される。この比較器CPでのコンパレーション処理に基づき、薄肉円板ワーク1の回転数を加工圧Pに均等化する復元力−Pとなる回転数に回転主軸(マンドレル)5,6を回転制御する駆動モータMの回転制御部DDに比較器CPの出力となる回転制御信号±e2を入力し、加工圧Pと復元力−Pとを均一化すべく、回転制御部DDの運転制御を司るNC制御装置NCにより復元回転数に回転主軸(マンドレル)5,6を回転制御して実行される。
しかして、円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100によると、薄肉円板ワークに発生する加工圧と復元回転数との関係が実測しながら回転主軸(マンドレル)をダイレクトに回転制御でき、非常に正確なジャイロ効果を生成させて薄肉円板ワークの側面切削加工が極めて高精度に実施させられる。
そして、上記円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100による高速回転ジャイロ加工方法は、薄肉円板ワーク1の中心孔1Cを回転主輔(マンドレル)5,6に固定させ、上記薄肉円板ワーク1の外周1D,側面1A,1Bを加工部15による加工時において、加工部から薄肉円板ワーク1の側面方向への加工圧Pを加圧検出部PDにより検出するとともに、上記加圧検出部の加工圧検出値eに基づき薄肉円板ワークの回転数を回転制御部DDにより回転制御して加工圧Pに均等化する復元力−Pに回転主軸(マンドレル)5,6を回転制御させるから、薄肉円板ワーク1に発生する加工圧Pと復元回転数との関係を実測しながら回転主軸(マンドレル)がダイレクトに回転制御され、非常に正確なジャイロ効果を生成させて薄肉円板ワーク1の側面切削加工が極めて高精度に実行できる。
更に、上記円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100と高速回転ジャイロ加工方法によると、薄肉円板ワーク1の中心孔1Cを回転主軸(マンドレル)5,6に固定させたものであるから、薄肉円板ワーク1の内面以外の全面がワンチャッキングで加工可能となり、高能率に切削加工できる。
尚、本発明の円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100と高速回転ジャイロ加工方法は、図6に示すように、旋盤の回転主軸のチャックに装着した円筒ワーク1´の端面1A´に対して加工部15のバイトBにより端面切削する形態に適用される。
本発明の円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100と高速回転ジャイロ加工方法は、上記第1の実施の形態における構成に限定されず、その発明の要旨内での自由な設計変更が可能である。例えば、図7に示すように、先ず、薄肉円板ワーク1の中心孔1Cを回転主軸5,6の各先端部の把持部5A,6Aに固定させる。上記薄肉円板ワーク1の外周1D側面1A,1Bを加工部15のバイトBによる加工時に、薄肉円板ワーク1の両側面1A,1Bを同時に加工することで、加工時に対向して生じる加工圧Pを復元力−Pで打ち消し、薄板円板ワーク1の側面撓み量を解消させられる。これにより、高速回転ジャイロ加工方法がより一層的確に実行でき、薄肉円板ワーク1の更なる側面切削加工が極めて高精度に実行できる。
即ち、薄肉円板ワーク1の片側面交互の加工は、加工圧Pで逃げ方向に歪みが発生しそれをジャイロ効果だけで解消させていたが、両面同時に加工することで双方から押し合う加圧力Pが打ち消し合い、薄肉円板ワークの歪みの無い加工が行えるとともに、更なるジャイロ効果の付与で完璧な歪み解消作用が期待できる。
以上のように、本発明の実施の形態となる円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置100及びこの加工方法によれば、下記の効果が奏せられる。
円板ワーク1の高速回転ジャイロ加工装置100によると、円板ワーク1の外周1Dと側面1A,1Bの切削加工できる。従って、加工装置のコンパクト化が図れて、設備機械費の低減と加工能率が飛躍的に合理的に高効率に実施できる。
上記円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置において、円板ワークの側面の切削加工を無人自動化運転のもとに実行できる効果が発揮される。
また、上記円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法は、円板ワークの側面の切削加工が無人自動化運転のもとに複合的に実施できる。
本発明は、その対象物について、ジェットエンジンを構成するタービンブレードを支持するディスク(円板ワーク)の実施例で説明したものであるが、様々な用途に使用されるディスク(円板ワーク)への適用が可能である。
1 円板ワーク(薄肉円板ワーク)
1C 中心孔
1D 外周
1A,1B 側面
2 駆動軸
3A 把持爪
3 円板チャック
4 円板チャック
回転主軸(マンドレル)
5A 先端把持部
回転主軸(マンドレル)
6A 把持部
6B 基部
9 基盤
9A 移動台
10 支持軸駆動体
11 支持体
15 旋削加工部(加工部)
AP1 増幅器
A2P 増幅器
B バイト
CP 比較器
DD 回転制御部
e 加圧信号
e1 加工圧検出値
−e 歪み信号
−e1 歪み検出値
±e2 回転制御信号
HS 歪みセンサ
I 慣性モーメント
KU 駆動部
NC NC 制御装置
M 駆動モータ
P 加工圧
−P 復元力,歪み量
PD 加圧検出部
OU 油圧ユニット
O 圧力油
ω 角速度
100 円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置

Claims (4)

  1. 薄肉円板ワークの中心孔を対向する回転主軸の各先端把持部に固定し、上記薄肉円板ワークの外周側面を加工部による加工時において、上記加工部から薄肉円板ワークの側面方向への加工圧による側面撓み量を打ち消すべく、薄肉円板ワークの慣性モーメントI×薄肉円板ワークの角速度ωに基づく角運動量計算式により回転主軸に回転駆動される薄肉円板ワークを高速回転させ、上記加工圧に均等化する復元力を生成して加工することを特徴とする円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法。
  2. 対向した回転主軸と、上記回転主軸の各先端把持部で中心孔を固定した薄肉円板ワークと、上記薄肉円板ワークの外周側面を加工する加工部と、上記加工部から薄肉円板ワークの側面方向への加工圧を検出する加工検出部と、上記加圧検出部の加工圧検出値に基づき薄肉円板ワークの回転数を加工圧に均等化する復元回転数に回転主軸を回転制御する回転制御部、を具備したことを特徴とする円板ワークの高速回転ジャイロ加工装置。
  3. 薄肉円板ワークの中心孔を対向する回転主軸の各先端把持部に固定し、上記薄肉円板ワークの外周側面を加工部による加工時において、上記加工部から薄肉円板ワークの側面方向への加工圧を加圧検出部により検出するとともに、上記加圧検出部の加工圧検出値に基づき薄肉円板ワークの回転数を回転制御部により回転制御して加工圧に均等化する復元力に上記回転主軸を回転制御させることを特徴とする円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法。
  4. 薄肉円板ワークの中心孔を対向する回転主軸の各先端把持部に固定し、上記薄肉円板ワークの外周側面を加工部による加工時において、薄肉円板ワークの両側面を同時に加工させ、加工時に対向して生じる加工圧を打ち消し薄肉円板ワークの側面撓み量を解消させることを特徴とする請求項1または3記載の円板ワークの高速回転ジャイロ加工方法。
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