JP5239992B2 - 記録装置における搬送誤差補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録装置における搬送誤差補正方法に関する。
従来、記録装置の一種であるプリンターには、シート(プリント媒体)の間欠搬送と、主走査方向に移動する記録ヘッドによる記録処理を交互に実行するものがあった(例えば、特許文献1)。
このようにシートを搬送する場合には、搬送を担う機構の製造誤差や、シートの剛性や表面粗度といった特性に起因して、搬送誤差が生じてしまうことがある。そして、搬送誤差が生じると、記録処理によって形成される画像領域の配置にずれが生じることにより、記録品質の低下を招いてしまうという問題があった。
そのため、特許文献1に記載のプリンターにおいては、シートを搬送するためのパルスモーター(駆動モーター)と制御パルスを出力することでパルスモーターを駆動制御する制御手段とを備え、実際の使用に先だってテスト搬送を行い、そのテスト結果に基づいて搬送誤差を補正するようにしていた。そして、搬送誤差の補正を行う際には、テスト搬送で実際にシートが搬送された距離と、テスト搬送時に出力されたパルス数で搬送されるべき理想搬送距離(公称搬送距離)との差に応じて、パルスモーターに与えるパルス数を調整していた。
特開平11−334160号公報

ところで、こうした搬送誤差の補正を行うためのテスト搬送は、搬送距離が短いと誤差を把握しにくいため、ある程度長い搬送距離とすることが好ましい。しかし、搬送距離が長くなると、実際にシートが搬送された距離をスケール等で実測するのに手間がかかったり、測定時に誤差が生じて適切な補正を行うことができなかったりするという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切な搬送誤差の補正を容易に行うことができる記録装置における搬送誤差補正方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の記録装置における搬送誤差補正方法は、シートを搬送方向に沿って搬送するために駆動される搬送手段と、前記搬送方向に移動可能に構成され、前記シートに対して記録を行う記録手段とを備えた記録装置における搬送誤差補正方法であって、第1位置に配置された前記記録手段が前記シートに第1マークを記録する第1記録ステップと、前記搬送手段を駆動させて前記第1マークが記録された前記シートを前記搬送方向へ搬送する搬送ステップと、前記記録手段を前記搬送方向に沿って前記第1位置より下流側の第2位置へと移動させる移動ステップと、前記搬送ステップを経て停止された前記シートに、前記移動ステップを経て前記第2位置に配置された前記記録手段が第2マークを記録する第2記録ステップと、前記搬送方向における前記第1マークと前記第2マークとの実離間距離を把握するとともに、前記第1マークと前記第2マークとの理想離間距離を把握して、前記実離間距離と前記理想離間距離との差として把握される前記シートの搬送誤差に基づいて、前記搬送手段の駆動量を補正する補正ステップとを備えた。
この構成によれば、搬送ステップにおいて搬送手段がシートを搬送方向に沿って搬送するとともに、移動ステップにおいて記録手段が同じく搬送方向に移動するので、第1マークと第2マークとの実離間距離は、シートの搬送距離と記録手段の移動距離との差分に相当する。すなわち、搬送距離を長く設定した場合にも、シートの搬送距離よりも短い第1マークと第2マークとの実離間距離を把握することで、容易に搬送誤差を把握することができる。ここで、シートの搬送距離は、搬送されるシートの種類に応じて誤差が変動するが、記録手段の移動距離はこのようなシートの種類による影響を受けることがないため、実際の移動距離をそのまま差分に用いても、誤差を生じる可能性が低い。したがって、適切な搬送誤差の補正を容易に行うことができる。
なお、本発明において移動ステップと搬送ステップの実施順序は順不同であり、移動ステップを搬送ステップの前に実行したり、移動ステップと搬送ステップを同時に実行したりした場合にも、同様の作用効果を得ることができる。
本発明の記録装置における搬送誤差補正方法において、前記搬送ステップにおいては、予め規定された規定距離が前記理想離間距離となるように、前記シートを前記規定距離搬送するために設定された規定駆動量分前記搬送手段を駆動させるとともに、前記移動ステップにおいては、前記記録手段を前記規定距離以下の移動距離となるように前記搬送方向に移動させ、前記補正ステップにおいては、前記搬送誤差に基づいて、前記規定駆動量を増減する。
この構成によれば、規定駆動量に基づいて規定距離単位の搬送処理を実行する場合に、実際の使用状況に即して搬送誤差を適切に補正することができる。また、記録手段の移動距離を調整することで、第1マークと第2マークとの実離間距離を測定しやすい任意の値にすることができる。
本発明の記録装置における搬送誤差補正方法において、前記記録手段は、前記搬送手段によって前記規定距離単位で間欠搬送される前記シートに対して、前記規定距離が前記搬送方向における長さとなる記録領域をページ単位として記録を行う。
この構成によれば、実際の使用時に規定距離単位で間欠搬送されるシートに対して、規定距離が搬送方向における長さとなる記録領域をページ単位として記録を行う場合に、実際の使用状況に即して適切に搬送誤差を補正することができる。
本発明の記録装置における搬送誤差補正方法において、前記第1マークは、前記搬送方向における前記記録領域の上流端位置に記録される。
この構成によれば、第1マークは記録領域の上流端位置に記録されるので、搬送誤差の補正に使用されるシートの使用量を抑えつつ、搬送誤差を把握することができる。
本発明の記録装置における搬送誤差補正方法において、前記第1マーク及び前記第2マークは、前記搬送方向と直交する前記シートの幅方向に延びる直線である。
この構成によれば、第1マーク及び第2マークは、シートの搬送方向と直交するシートの幅方向に延びる直線であるので、シートの幅が広い場合にも、幅方向の任意の位置で実離間距離を正確に把握することができる。
本発明の記録装置における搬送誤差補正方法において、前記記録装置は、前記搬送手段を構成するパルスモーターと、制御パルスを出力することで前記パルスモーターを駆動制御する制御手段とを備え、前記補正ステップにおいては、前記搬送誤差に基づいて、前記制御手段が出力するパルス数を増減する。
この構成によれば、制御手段が出力するパルス数を増減させることにより、搬送誤差の補正を行うことができる。
上記目的を達成するために、本発明の記録装置における搬送誤差補正方法は、長尺状のシートを搬送方向に沿ってページ単位で搬送する搬送手段と、前記搬送方向に沿う走査の下で前記シートに対してページ単位の記録を行う記録手段と、前記ページ単位の記録において基準走査位置に記録された前記シート上の基準マークを前記基準走査位置の下流側で検出する検出手段と、を備え、前記検出手段による前記基準マークの検出から搬送停止までの前記搬送手段の搬送駆動量を管理することでページ間の搬送停止位置を制御する記録装置における搬送誤差補正方法であって、前記シートに、前記記録手段により第1走査位置で第1マークを記録する第1記録ステップと、前記シートに、前記記録手段により前記基準走査位置に前記基準マークを記録する第2記録ステップと、前記基準マークの検出に基づいて、前記第1マーク及び前記基準マークが記録された前記シートについて、前記ページ間の搬送を行う搬送ステップと、該搬送ステップを経て停止された前記シートに、前記記録手段により、前記第1走査位置よりも下流側の第2走査位置で第2マークを記録する第3記録ステップと、前記搬送方向における前記第1マークと前記第2マークとの実離間距離を把握するとともに、前記第1マークと前記第2マークとの理想離間距離を把握して、前記実離間距離と前記理想離間距離との差として把握される前記シートの搬送誤差に基づいて、前記搬送手段の搬送駆動量を補正する補正ステップとを備えた。
この構成によれば、第1走査位置で第1マークが記録されたシートについてページ間の搬送を行った後に第2走査位置で第2マークを記録するので、第1マークと第2マークとの実離間距離は、シートの搬送距離と、第1走査位置から第2走査位置への記録手段の移動距離との差分に相当する。すなわち、搬送距離を長く設定した場合にも、シートの搬送距離よりも短い第1マークと第2マークとの実離間距離を把握することで、容易に搬送誤差を把握することができる。そして、記録手段の移動距離はシートの種類による影響を受けることがないため、実際の移動距離をそのまま差分に用いても、誤差を生じる可能性が低い。したがって、適切な搬送誤差の補正を容易に行うことができる。
なお、本発明において第1記録ステップと第2記録ステップの実施順序は順不同であり、第2記録ステップを第1記録ステップの前に実行したり、第1記録ステップと第2記録ステップを同時に実行したりした場合にも、同様の作用効果を得ることができる。
実施形態におけるインクジェット式プリンターの概略正面図。 実施形態におけるインクジェット式プリンターの電気的構成を示すブロック図。 (a)は第1搬送モードにおける記録ヘッドの動作を説明するための概略正面図で、(b)は(a)におけるシートの平面図。 (a)は第1搬送モードにおいて搬送誤差が生じなかった場合を示す概略正面図で、(b)は(a)におけるシートの平面図、(c)は第1搬送モードにおいて正の搬送誤差が生じた場合を示すシートの平面図。 (a)は第2搬送モードにおける記録ヘッドの動作を説明するための概略正面図で、(b)は(a)におけるシートの平面図。 (a)は第2搬送モードにおいて正の搬送誤差が生じた場合を示す概略正面図で、(b)は(a)におけるシートの平面図。
以下、本発明の記録装置をラテラル方式のインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という)に具体化した実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は、各図中に矢印で示した方向を基準として示すものとする。
図1に示すように、記録装置としてのプリンター11は、直方体状の本体ケース12を備えている。本体ケース12内には、上下方向における上寄りの位置に、本体ケース12内を上下に区画する平板状の基台13が設けられている。
本体ケース12内の基台13よりも下側の領域には、左側寄りとなる位置に繰り出し部14が設けられている。繰り出し部14には、ロール状に巻き重ねられた連続紙などの長尺状のシートSを支持する支持軸15が設けられている。
基台13上にはシートSを支持する支持台である矩形板状のプラテン16が載置されているとともに、そして、支持軸15から巻き解かれたシートSは、プラテン16上を搬送方向となる右方向に向かって搬送されるようになっている。また、基台13によって区画された上側の領域は、シートSにインクを噴射することにより記録処理を施す印刷室17となっている。
印刷室17内におけるプラテン16の前後両側には、左右方向に延びるガイドレール18(図1では2点鎖線で示す)が対をなすように設けられている。このガイドレール18の上面は、プラテン16の上面よりも高くなっている。そして、両ガイドレール18には、矩形状のキャリッジ19が両ガイドレール18に沿って主走査方向Xとなる左右方向への往復移動可能な状態で支持されている。
キャリッジ19の下面側には、搬送方向に沿う走査の元でシートSに対して記録を行う記録手段としての記録ヘッド20が支持されている。記録ヘッド20の下面21には、インクを噴射可能なノズル開口(図示略)が複数設けられている。
印刷室17内においては、シートSの搬送経路上にあたるプラテン16の左端から右端までの範囲が、搬送方向における長さが規定距離Lの記録領域に設定されているとともに、シートSは、予め規定された規定距離L単位で搬送方向に沿って間欠的に搬送されるようになっている。そして、間欠搬送の合間にプラテン16上に停止されたシートSに対して、キャリッジ19とともに搬送方向に沿って移動する記録ヘッド20のノズル開口からインクが噴射されることで、シートSに対して記録領域をページ単位とする記録処理が施されるようになっている。
本体ケース12内の基台13よりも下側の領域において、シートSの搬送方向として下流側となる右側寄りの位置には、記録処理が施されたシートSを巻き取るための巻軸22が前後方向に延びるように配設されている。また、本体ケース12内には、繰り出し部14から巻軸22に至るシートSの搬送経路上に、搬送方向を転換するためのローラー23〜26が配設されている。また、シートSの搬送経路上においてローラー23とローラー24の間には搬送ローラー対27が設けられているとともに、ローラー25とローラー26の間には搬送ローラー対28が設けられている。
搬送ローラー対27,28は、それぞれ駆動ローラー27a,28aに対して従動ローラー27b,28bが図示しない付勢部材によって付勢されることによって、シートSを挟持している。そして、駆動ローラー27a,28a及び巻軸22はそれぞれパルスモーター29,30,31と動力伝達可能な状態で接続されているとともに、各パルスモーター29,30,31は制御手段としての制御装置32と電気的に接続されている。
したがって、制御装置32によって各パルスモーター29,30が駆動制御されると、駆動ローラー27a,28aがそれぞれ回転駆動され、ローラー23〜26に巻き掛けられたシートSが繰り出し部14から巻軸22に向かって搬送されるようになっている。また、パルスモーター31が各パルスモーター29,30と所定タイミングで同期するように駆動制御されると、巻軸22が回転駆動されてシートSを巻き取るようになっている。なお、本実施形態において、搬送ローラー対27,28及びパルスモーター29,30によって搬送手段が構成されている。
左右方向においてプラテン16とローラー25の間となる位置であって、上下方向においてプラテン16よりも上方となる位置には、検出手段としての検出器34が設けられている。検出器34は、搬送経路に沿って搬送されるシートS上に記録された基準マークとしての改ページマークN(図5参照)を検知するための光学式センサーである。
ここで、改ページマークNとは、規定距離L単位、すなわち記録領域を1ページとするページ単位の記録において、所定の基準走査位置P3(図5参照)に記録されるものである。そして、後述する第2搬送モードにおいては、検出器34がこの改ページマークNを基準走査位置P3の下流側で検出したことを契機として、シートSの搬送が停止されるようになっている。
次に、プリンター11の電気的構成について説明する。
図2に示すように、制御装置32にはバス33を介して入力系となる検出器34、リニアエンコーダー35及びエンコーダー36〜38が接続されているとともに、出力系となるキャリッジ19の駆動源であるCRモーター39、パルスモーター29〜31及び記録ヘッド20が接続されている。
制御装置32は、CPU40、ROM41、RAM42、CRカウンター43、PFカウンター44〜46、モーター駆動回路47〜50及びヘッド制御ユニット51を備えている。制御装置32は、モーター駆動回路47〜50を介してCRモーター39及びパルスモーター29〜31をそれぞれ駆動制御するとともに、ヘッド制御ユニット51を介して記録ヘッド20を駆動制御することでインク滴の吐出制御を行う。
ROM41には、CPU40により実行される制御プログラムなどが記憶されている。また、RAM42には、CPU40の演算結果や制御プログラムを実行して処理する各種データなどが一時的に記憶される。なお、RAM42として不揮発性のメモリーを採用して、プリンター11の電源OFF時にもデータが保護されるようにしてもよい。
検出器34は、改ページマークNを検出した場合と改ページマークNを検出していない場合とで異なる検出結果を出力する。そして、CPU40は検出器34の出力結果から、改ページマークNの有無を把握する構成となっている。
リニアエンコーダー35は、黒系半透明のテープ状の符号板(図示略)と、キャリッジ19の所定位置に固定された光学式のCRセンサー(図示略)とを有する。符号板はキャリッジ19の移動経路に沿って張設されているとともに、主走査方向Xに一定刻みでスリットが形成されている。また、CRセンサーは、符号板を挟んで対向配置された一対の発光素子と受光素子とを有し、受光素子が発光素子から発光されて符号板上のスリットを通過した光を受光する。そして、リニアエンコーダー35は、キャリッジ19の移動距離に比例するパルス数で、かつキャリッジ19の移動速度に反比例する周期をもつパルスを出力する。
CRカウンター43は、リニアエンコーダー35が出力したパルス信号のパルスエッジ(パルス数)を計数する。具体的には、キャリッジ19が一方向(例えば右方向)へ移動するときにCRカウンター43の値をインクリメントし、キャリッジ19が他方向(例えば左方向)へ向かう方向に移動するときにCRカウンター43の値をデクリメントする。そして、CPU40はCRカウンター43の計数値から、キャリッジ19の主走査方向Xにおける位置を把握する構成となっている。
また、エンコーダー36〜38は、周方向に一定刻みでスリットが形成された回転式の符号円板(図示略)と、該符号円板のスリットを検出可能な状態で所定位置に固定された光学式のPFセンサー(図示略)とをそれぞれ有する。符号円板は、各パルスモーター29〜31と動力伝達可能に連結された軸部(例えば駆動ローラー27a,28a、巻軸22の軸部)の端部に固定されている。また、PFセンサーは、符号円板を挟んで対向配置された一対の発光素子と受光素子とを有し、受光素子が発光素子から発光されて符号円板上のスリットを通過した光を受光する。そして、エンコーダー36〜38は、パルスモーター29〜31の回転量に比例するパルス数で、かつパルスモーター29〜31の回転速度に反比例する周期をもつパルスを出力する。
PFカウンター44〜46は、エンコーダー36〜38が出力したパルス信号のパルスエッジ(パルス数)をそれぞれ計数する。そして、CPU40はPFカウンター44〜46の計数値からシートSの搬送距離を把握する構成となっている。
次に、以上のように構成されたプリンター11における搬送処理について説明する。
プリンター11においては、制御装置32がシートSを規定距離L搬送するために設定された規定駆動量分の制御パルスを出力して規定距離L単位の搬送処理を実行する場合(以下、「第1搬送モード」という)と、検出器34によって改ページマークNが検出されるまで搬送処理を実行する場合(以下、「第2搬送モード」という)とがある。
そして、こうした搬送処理においては、搬送手段を構成する各部材の製造誤差等に起因して、制御装置32が出力する制御パルスで搬送されるべき理想搬送距離と、シートSの実際の搬送距離(以下、「実搬送距離」という)との間に誤差が生じることがある。さらに、搬送されるシートSの種類が異なる場合には、その剛性や表面粗度の差異に起因して、より大きな搬送誤差を生じる虞がある。
そのため、プリンター11においては、異なる種類のシートSに対しても適切に搬送処理を実行するため、使用されるシートSの種類毎にテスト搬送を実行して、搬送誤差を補正するようになっている。具体的には、テスト搬送時の実搬送距離と、テスト搬送時に出力された制御パルスで搬送されるべき理想搬送距離との差に応じて、制御装置32が出力する制御パルスのパルス数を増減するようになっている。
以下に、第1搬送モード及び第2搬送モードにおけるテスト搬送と搬送誤差の補正方法について、図3〜図6に基づいて説明する。
なお、搬送誤差の補正にあたっては、実搬送距離をより容易に把握することができるように、テスト搬送の前後に記録ヘッド20による記録処理を実行して、記録領域に停止されたシートSに対して直線Aと直線Bを記録する。そしてその後、搬送方向における直線Aと直線Bとの実離間距離を把握するとともに、直線Aと直線Bとの理想離間距離を把握して、実離間距離と理想離間距離との差として把握されるシートSの搬送誤差に基づいてパルスモーター29,30の駆動量を補正するようになっている。
本実施形態において、直線A,Bは図3〜図6において矢印で示すシートSの搬送方向と直交するシートSの幅方向(前後方向)に延びる直線であって、前後方向における長さが同じになるように記録される。また、図3〜図6の平面図においては、直線Aを実線で、直線Bを点線で図示している。
始めに、図3及び図4に基づいて、第1搬送モードにおける搬送誤差の補正方法について説明する。第1搬送モードでは規定距離L単位での間欠搬送を行うため、実際の使用状況に即して、制御装置32が規定距離Lに相当する規定駆動量分の制御パルスを出力してテスト搬送を行う。
具体的には、まず第1記録ステップとして、記録領域に停止されたシートSに対して、第1位置に配置された記録ヘッド20が記録処理を実行して、記録領域の搬送方向における上流端位置P1に搬送始点位置を示す第1マークとしての直線A1を記録する。続いて、図3に示すように、キャリッジ19とともに記録ヘッド20を搬送方向に距離D1(D1<L)分移動させて、記録領域の搬送方向における下流端位置P2よりも所定距離(L−D1)分上流側となる位置に、直線B1を記録する。なお、距離D1は、規定距離Lよりも僅かに(例えば100mm)短い値にすることが好ましい。
次に、搬送ステップとして、制御装置32が規定距離Lに相当する制御パルスを出力して、テスト搬送となるシートSの搬送処理を実行する。なお、この搬送ステップの間に、又は搬送ステップの前か後かに、キャリッジ19を搬送方向上流側に移動させ、上流端位置P1において記録処理が実行可能な第1位置に停止させておく。
続いて、テスト搬送されて記録領域に停止されたシートSに対して、記録ヘッド20が記録処理を実行して、上流端位置P1に搬送終点位置を示す直線A2を記録する。また、移動ステップとしてキャリッジ19とともに記録ヘッド20を搬送方向に沿って第1位置より距離D1分下流側の第2位置へと移動させる。
その後、第2記録ステップとして、図4に示すように、搬送ステップを経て停止されたシートSに、移動ステップを経て第2位置に配置された記録ヘッド20が下流端位置P2よりも搬送方向において所定距離(L−D1)上流側となる位置に、移動終点位置を示す第2マークとしての直線B2を記録する。
このとき、シートSに対してはテスト搬送の前に直線A1,B1の記録処理が、テスト搬送の後に直線A2,B2の記録処理が実行されているので、搬送終点位置を示す直線A2と搬送始点位置を示す直線A1との搬送方向における実離間距離が実搬送距離F(図4(c)参照)となる。したがって、この実搬送距離Fをスケール等で測定し、理想搬送距離である規定距離Lとの差分を求めることで、搬送誤差を把握することもできる。
また、本実施形態においては、搬送方向における直線B2と直線A1との実離間距離Eを実測することでも、搬送誤差を把握することができる。
ここで、直線A2と直線B2との実離間距離は、移動ステップにおける記録ヘッド20の移動距離D1と一致する。そして、実搬送距離Fは搬送されるシートSの種類に応じて変動しうるが、記録ヘッド20の移動距離はシートSの種類が異なっても影響を受けることがなく、一定の値(距離D1)となる。
さらに、記録ヘッド20の移動誤差とシートSの搬送誤差について検討すると、シートSの搬送距離は、エンコーダー36,37によって駆動ローラー27a,28aの端部の回転を検出することで間接的に把握される。すなわち、搬送ローラー対27,28の端部の回転量からシートSの搬送量を推定しているため、実搬送距離Fは、駆動ローラー27a,28aの歪みなど、搬送手段を構成する部材の公差等に起因する誤差を含むことになる。さらに、摩耗等による駆動ローラー27a,28aの劣化や温度等の環境要因による影響を受けて誤差が変動するため、例え同じシートSを搬送する場合であっても、搬送誤差がばらつく可能性がある。
これに対して、記録ヘッド20の移動を担うキャリッジ19の移動は、リニアエンコーダー35によって実際の移動距離が直接的に把握されるため、精度の高い移動制御を実現することができる。したがって、記録ヘッド20の移動誤差は、シートSの搬送誤差と比較して非常に小さく、そのばらつきも少ないといえる。
そのため、搬送方向における直線B2と直線A1との実離間距離Eは、搬送ステップにおける実搬送距離Fと移動ステップにおける記録ヘッド20の移動距離D1との差として求められる(E=F−D1)。また、搬送誤差がない場合の直線B2と直線A1との理想離間距離E0は、搬送ステップで搬送されるべきシートSの理想搬送距離Lと移動ステップにおける記録ヘッド20の移動距離D1の差として求められるので、理想離間距離E0=L−D1となる。したがって、実搬送距離Fが搬送誤差αを含んでいた場合、すなわち実搬送距離F=理想搬送距離L+搬送誤差αであった場合には、シートのSの搬送誤差αを実離間距離Eと理想離間距離E0との差として求めることができる。具体的には、E−E0=(F−D1)−(L−D1)=F−L=L+α−L=αとなる。
すなわち、調整が可能であって、距離が短いためにスケール等での実測が容易な直線B2と直線A1との実離間距離Eを把握することで、搬送誤差αを容易且つ適切に把握することができる。なお、図4(a),(b)は搬送誤差がない場合を例示し、図4(c)は実搬送距離Fが理想搬送距離Lよりも長く、正の搬送誤差が生じている場合を例示している。
したがって、補正ステップとして、実離間距離Eと理想離間距離E0との差として把握されるシートSの搬送誤差αに基づいて、制御装置32が出力する規定駆動量として設定された制御パルスのパルス数を増減させ、パルスモーター29,30の駆動量を補正する。すなわち、正の搬送誤差が生じている場合には規定駆動量としてのパルス数を減少させ、負の搬送誤差が生じている場合には規定駆動量としてのパルス数を増加させることで、搬送誤差を補正することができる。
なお、本実施形態においては、第1記録ステップ及び第2記録ステップにおける記録処理を同じ印刷データに基づいて実行することができるように、直線A1,A2,B1,B2を記録したが、直線A1,B2のみ記録するようにしてもよい。
この場合には、第1記録ステップとして記録ヘッド20が上流端位置P1に直線A1を記録した後、搬送ステップと同時、又は搬送ステップの前か後かに、移動ステップとして記録ヘッド20を上流端位置P1から搬送方向に距離D1分移動させる。そして、搬送ステップ及び移動ステップの後に、第2記録ステップとして記録ヘッド20が記録処理を実行して直線B2を記録する。この場合にも、実離間距離Eと理想離間距離E0との差として搬送誤差αを把握することができる。
次に、図5及び図6に基づいて、第2搬送モードにおける搬送誤差の補正方法について説明する。第2搬送モードにおいては、検出器34による改ページマークNの検出からシートSの搬送停止までのパルスモーター29,30の搬送駆動量を管理することで、ページ間の搬送停止位置を制御するようになっている。したがって、第2搬送モードにおいては、改ページマークNが検出されるまでの搬送処理においては搬送誤差を生じることがない一方、検出器34の取り付け誤差に起因する搬送誤差を生じる可能性がある。
すなわち、図5(a)に示すように、検出器34が搬送方向において記録領域の下流端位置P2よりも距離D2分下流側に設けるようにした場合、この距離D2は理想値であって、実際には取り付け位置に誤差が生じている可能性がある。そのため、検出器34が理想の位置よりも搬送方向上流側にずれて設置されていれば、検出タイミングが早まって搬送距離が不足し、負の搬送誤差が生じることになる。一方、検出器34が理想の位置よりも搬送方向下流側にずれて設置されていれば、検出タイミングが遅れて正の搬送誤差が生じることになる。
さらに、シートSの種類が異なると、パルスモーター29,30を停止したときの搬送ローラー対27,28に対するシートSの滑り方が異なって、実際にシートSが停止されるまでの距離が変動する場合がある。
そのため、制御装置32は、検出器34によって改ページマークNが検出されると、停止タイミングを調整するための制御パルス(以下、「ディレイパルス」という)を出力した後に、制御パルスの出力を終了するようになっている。すなわち、改ページマークNが検出されてすぐ制御パルスの出力を終了すると、正の搬送誤差が生じた場合に調整を行うことができないため、改ページマークNの検出から搬送停止までの搬送駆動量として、例えば距離dに相当するディレイパルス分の搬送処理が行われた後に、パルスモーター29,30が停止されるようになっている。
すなわち、第2搬送モードにおいては、ページ単位での搬送処理において、改ページマークNが検出されるまでに規定距離L−d分の搬送が行われ、改ページマークNが検出されてから距離d分の搬送が行われることにより、一回の搬送処理で規定距離L分の搬送が行われるようになっている。そして、テスト搬送の結果に基づいて、初期値として設定されたディレイパルス数を増減し、取り付け位置に係る距離D2の誤差等を、距離dを変動させてソフト的に調整することで、搬送誤差を補正するようになっている。
なお、第2搬送モードにおける搬送誤差には、改ページマークNが検出されるまでの搬送処理に伴う搬送誤差は含まれないため、第2搬送モードでの搬送誤差は第1搬送モードの場合よりも微少であって、スケール等で正確に実測するのは困難である可能性が高い。そのため、第2搬送モードでは、上流端位置P1に第1マークとしての直線Aを記録した後、シートSを規定距離L分搬送するとともに、記録ヘッド20を同じく規定距離L分移動させて、下流端位置P2に第2マークとしての直線Bを記録する。
これにより、搬送誤差がない場合には搬送方向における直線A,Bの実離間距離が0となって2本の直線A,Bが重なることになるので、直線A,Bが離間しているか一致しているかを目視にて確認することにより、搬送誤差の有無を判定する。そして、直線A,Bが一致する位置に記録されるまで、ディレイパルス数の補正とテスト搬送とを繰り返すことで、搬送誤差の補正を行う。
具体的には、まず第1記録ステップとして、記録領域に停止されたシートSに対して、第1走査位置(第1位置)に配置された記録ヘッド20が記録処理を実行して、搬送方向における記録領域の上流端位置P1に始点位置を示す直線Aを記録する。
次に、キャリッジ19とともに記録ヘッド20を搬送方向に距離D3分移動させて、第2記録ステップとして、図5に示すように基準走査位置P3に改ページマークNを記録する。ここで、距離D3は、検出器34の取り付け位置に係る理想値である距離D2とディレイパルスで搬送される距離dの初期値とを加算した距離であるため、D3=D2+dとなる。
そして、搬送ステップとして、改ページマークNの検出に基づいて、直線A及び改ページマークNが記録されたシートSについて、テスト搬送として規定距離L分のページ間の搬送を行う。具体的には、制御装置32が制御パルスの出力を開始し、検出器34が改ページマークNを検出すると、制御装置32がディレイパルス分の制御パルスを出力した後に制御パルスの出力を終了して、搬送処理を停止する。
また、搬送ステップと同時に、あるいは搬送ステップの前か後かに、キャリッジ19とともに記録ヘッド20が搬送方向に沿って第1走査位置よりも下流側の第2走査位置に向かって、規定距離L−D3分移動する。なお、第2搬送モードにおいては、第1記録ステップと第2記録ステップの実施順序は順不同であり、第2記録ステップを第1記録ステップの前に実行してもよい。この場合には、基準走査位置P3で改ページマークNを記録した後、記録ヘッド20が左方向に距離D3分移動して第1走査位置で直線Aを記録する。そしてその後、記録ヘッド20が第1走査位置から右方向に規定距離L分移動することになる。
続いて、図6に示すように、搬送ステップを経て停止されたシートSに対して、第3記録ステップとして第2走査位置において記録ヘッド20が記録処理を実行し、搬送方向における記録領域の下流端位置P2に直線Bを記録する。すなわち、記録ヘッド20は直線Aを記録した後、規定距離L分移動して、直線Bを記録することになる。
そして、シートSに対してはテスト搬送の前に直線Aの記録処理が、テスト搬送の後に直線Bの記録処理が実行されているので、搬送誤差がない場合には、実搬送距離Fが理想搬送距離となる規定距離Lと等しくなり、直線Aと直線Bとは搬送方向における位置が一致することになる。
これに対して、シートSの実搬送距離Fが理想搬送距離Lよりも短く、負の搬送誤差が生じている場合には、直線Bが直線Aよりも右側(搬送方向における下流側)にずれて記録される。また、シートSの実搬送距離Fが理想搬送距離Lよりも長く、正の搬送誤差が生じている場合には、図6に示すように、直線Bが直線Aよりも左側(搬送方向における上流側)にずれて記録される。
したがって、補正ステップとして、搬送方向における直線Aと直線Bとの実離間距離を目視にて把握するとともに、直線Aと直線Bとの理想離間距離(本実施形態では0となる)を把握し、実離間距離と理想離間距離との差として把握されるシートSの搬送誤差の有無に基づいて、パルスモーター29,30の搬送駆動量を補正する。具体的には、負の搬送誤差が生じている場合にはディレイパルスのパルス数を増加させ、正の搬送誤差が生じている場合にはディレイパルスのパルス数を減少させることで、検出器34の物理的な取り付け誤差等に起因する搬送誤差を補正することができる。
すなわち、第2搬送モードにおいては、距離D3に含まれる検出器34の取り付け位置に係る距離D2の誤差やシートSの滑り量に起因する誤差を、ディレイパルスによって搬送される距離dを増減させることで調整することができる。
上記説明した実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1搬送モードにおいては、搬送ステップにおいてシートSを搬送方向に沿って搬送するとともに、移動ステップにおいて記録ヘッド20が同じく搬送方向に移動するので、直線A1と直線B2との実離間距離Eは、シートSの実搬送距離Fと記録ヘッド20の移動距離D1との差分に相当する。すなわち、テスト搬送の搬送距離を長く設定した場合にも、シートSの搬送距離よりも短い直線A1と直線B2との実離間距離Eを把握することで、容易に搬送誤差を把握することができる。ここで、シートSの実搬送距離Fは、搬送されるシートSの種類に応じて誤差が変動するが、記録ヘッド20の移動距離D1はこのようなシートSの種類による影響を受けることがないため、実際の移動距離D1をそのまま差分に用いても、誤差を生じる可能性が低い。したがって、適切な搬送誤差の補正を容易に行うことができる。
(2)規定駆動量に基づいて規定距離L単位の搬送処理を実行する第1搬送モードにおいて、実際の使用状況に即して搬送誤差を適切に補正することができる。また、記録ヘッド20の移動距離D1を調整することで、直線B2と直線A1との実離間距離Eを測定しやすい任意の値にすることができる。
(3)実際の使用時に規定距離L単位で間欠搬送されるシートSに対して、規定距離Lが搬送方向における長さとなる記録領域をページ単位として記録を行う場合に、実際の使用状況に即して適切に搬送誤差を補正することができる。
(4)直線Aは記録領域の上流端位置P1に記録されるので、搬送誤差の補正に使用されるシートSの使用量を抑えつつ、搬送誤差を把握することができる。
(5)直線A及び直線Bは、シートSの搬送方向と直交するシートSの幅方向(前後方向)に延びる直線であるので、シートSの幅が広い場合にも、幅方向の任意の位置で実離間距離を正確に把握することができる。
(6)制御装置32が出力するパルス数を増減させることにより、搬送誤差の補正を行うことができる。
(7)第2搬送モードにおいては、第1走査位置で直線Aが記録されたシートSについてページ間の搬送を行った後に第2走査位置で直線Bを記録するので、直線Aと直線Bとの実離間距離は、シートSの搬送距離と、第1走査位置から第2走査位置への記録ヘッド20の移動距離との差分に相当する。すなわち、搬送距離を長く設定した場合にも、シートSの搬送距離よりも短い直線Aと直線Bとの実離間距離を把握することで、容易に搬送誤差を把握することができる。そして、記録ヘッド20の移動距離はシートSの種類による影響を受けることがないため、実際の移動距離をそのまま差分に用いても、誤差を生じる可能性が低い。したがって、適切な搬送誤差の補正を容易に行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・規定距離Lは記録領域の長さに限らず、任意の値にすることができる。
・テスト搬送は、必ずしもシートSの種類毎に行う必要はなく、代表的なシートSに対してのみ行うようにしてもよい。
・第1搬送モードにおいて、直線A1と直線B2が一致するように距離D1=Lとしてもよいし、上記補正を行った後に、確認のために直線A1と直線B2が一致するようにしてテスト搬送を行ってもよい。
・検出器34を備えないプリンター11に具体化して、第1搬送モードでの搬送誤差の補正のみ行うようにしてもよい。
・第1マーク及び第2マークは直線に限らず、例えば点など、搬送方向における位置を把握することのできる任意の形状とすることができる。また、改ページマークNについても、同様に任意の形状とすることができる。
・第1マークを記録する位置は上流端位置P1に限らず、任意の位置とすることができる。
・上記実施形態では、記録装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、この限りではなく、電子写真方式等他の方式のプリンター、FAX装置、コピー装置、あるいはこれら複数機能を備えた複合機等において上記搬送誤差の補正方法を適用するようにしてもよい。さらに、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
11…記録装置としてのプリンター、20…記録手段としての記録ヘッド、27,28…搬送手段を構成する搬送ローラー対、29,30…搬送手段を構成するパルスモーター、32…制御手段としての制御装置、34…検出手段としての検出器、A,A1…第1マークとしての直線、B,B2…第2マークとしての直線、D1…移動距離、E…実離間距離、E0…理想離間距離、L…規定距離、N…基準マークとしての改ページマーク、P1…上流端位置、P3…基準走査位置、S…シート、α…搬送誤差。

Claims (7)

  1. シートを搬送方向に沿って搬送するために駆動される搬送手段と、前記搬送方向に移動可能に構成され、前記シートに対して記録を行う記録手段とを備えた記録装置における搬送誤差補正方法であって、
    第1位置に配置された前記記録手段が前記シートに第1マークを記録する第1記録ステップと、
    前記搬送手段を駆動させて前記第1マークが記録された前記シートを前記搬送方向へ搬送する搬送ステップと、
    前記記録手段を前記搬送方向に沿って前記第1位置より下流側の第2位置へと移動させる移動ステップと、
    前記搬送ステップを経て停止された前記シートに、前記移動ステップを経て前記第2位置に配置された前記記録手段が第2マークを記録する第2記録ステップと、
    前記搬送方向における前記第1マークと前記第2マークとの実離間距離を把握するとともに、前記第1マークと前記第2マークとの理想離間距離を把握して、前記実離間距離と前記理想離間距離との差として把握される前記シートの搬送誤差に基づいて、前記搬送手段の駆動量を補正する補正ステップとを備えたことを特徴とする記録装置における搬送誤差補正方法。
  2. 前記搬送ステップにおいては、予め規定された規定距離が前記理想離間距離となるように、前記シートを前記規定距離搬送するために設定された規定駆動量分前記搬送手段を駆動させるとともに、
    前記移動ステップにおいては、前記記録手段を前記規定距離以下の移動距離となるように前記搬送方向に移動させ、
    前記補正ステップにおいては、前記搬送誤差に基づいて、前記規定駆動量を増減することを特徴とする請求項1に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。
  3. 前記記録手段は、前記搬送手段によって前記規定距離単位で間欠搬送される前記シートに対して、前記規定距離が前記搬送方向における長さとなる記録領域をページ単位として記録を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。
  4. 前記第1マークは、前記搬送方向における前記記録領域の上流端位置に記録されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。
  5. 前記第1マーク及び前記第2マークは、前記搬送方向と直交する前記シートの幅方向に延びる直線であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。
  6. 前記記録装置は、前記搬送手段を構成するパルスモーターと、制御パルスを出力することで前記パルスモーターを駆動制御する制御手段とを備え、
    前記補正ステップにおいては、前記搬送誤差に基づいて、前記制御手段が出力するパルス数を増減することを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。
  7. 長尺状のシートを搬送方向に沿ってページ単位で搬送する搬送手段と、前記搬送方向に沿う走査の下で前記シートに対してページ単位の記録を行う記録手段と、前記ページ単位の記録において基準走査位置に記録された前記シート上の基準マークを前記基準走査位置の下流側で検出する検出手段と、を備え、前記検出手段による前記基準マークの検出から搬送停止までの前記搬送手段の搬送駆動量を管理することでページ間の搬送停止位置を制御する記録装置における搬送誤差補正方法であって、
    前記シートに、前記記録手段により第1走査位置で第1マークを記録する第1記録ステップと、
    前記シートに、前記記録手段により前記基準走査位置に前記基準マークを記録する第2記録ステップと、
    前記基準マークの検出に基づいて、前記第1マーク及び前記基準マークが記録された前記シートについて、前記ページ間の搬送を行う搬送ステップと、
    該搬送ステップを経て停止された前記シートに、前記記録手段により、前記第1走査位置よりも下流側の第2走査位置で第2マークを記録する第3記録ステップと、
    前記搬送方向における前記第1マークと前記第2マークとの実離間距離を把握するとともに、前記第1マークと前記第2マークとの理想離間距離を把握して、前記実離間距離と前記理想離間距離との差として把握される前記シートの搬送誤差に基づいて、前記搬送手段の搬送駆動量を補正する補正ステップとを備えたことを特徴とする記録装置における搬送誤差補正方法。
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