JP5239992B2 - 記録装置における搬送誤差補正方法 - Google Patents
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ところで、こうした搬送誤差の補正を行うためのテスト搬送は、搬送距離が短いと誤差を把握しにくいため、ある程度長い搬送距離とすることが好ましい。しかし、搬送距離が長くなると、実際にシートが搬送された距離をスケール等で実測するのに手間がかかったり、測定時に誤差が生じて適切な補正を行うことができなかったりするという問題があった。
この構成によれば、第1マークは記録領域の上流端位置に記録されるので、搬送誤差の補正に使用されるシートの使用量を抑えつつ、搬送誤差を把握することができる。
この構成によれば、第1マーク及び第2マークは、シートの搬送方向と直交するシートの幅方向に延びる直線であるので、シートの幅が広い場合にも、幅方向の任意の位置で実離間距離を正確に把握することができる。
上記目的を達成するために、本発明の記録装置における搬送誤差補正方法は、長尺状のシートを搬送方向に沿ってページ単位で搬送する搬送手段と、前記搬送方向に沿う走査の下で前記シートに対してページ単位の記録を行う記録手段と、前記ページ単位の記録において基準走査位置に記録された前記シート上の基準マークを前記基準走査位置の下流側で検出する検出手段と、を備え、前記検出手段による前記基準マークの検出から搬送停止までの前記搬送手段の搬送駆動量を管理することでページ間の搬送停止位置を制御する記録装置における搬送誤差補正方法であって、前記シートに、前記記録手段により第1走査位置で第1マークを記録する第1記録ステップと、前記シートに、前記記録手段により前記基準走査位置に前記基準マークを記録する第2記録ステップと、前記基準マークの検出に基づいて、前記第1マーク及び前記基準マークが記録された前記シートについて、前記ページ間の搬送を行う搬送ステップと、該搬送ステップを経て停止された前記シートに、前記記録手段により、前記第1走査位置よりも下流側の第2走査位置で第2マークを記録する第3記録ステップと、前記搬送方向における前記第1マークと前記第2マークとの実離間距離を把握するとともに、前記第1マークと前記第2マークとの理想離間距離を把握して、前記実離間距離と前記理想離間距離との差として把握される前記シートの搬送誤差に基づいて、前記搬送手段の搬送駆動量を補正する補正ステップとを備えた。
図2に示すように、制御装置32にはバス33を介して入力系となる検出器34、リニアエンコーダー35及びエンコーダー36〜38が接続されているとともに、出力系となるキャリッジ19の駆動源であるCRモーター39、パルスモーター29〜31及び記録ヘッド20が接続されている。
プリンター11においては、制御装置32がシートSを規定距離L搬送するために設定された規定駆動量分の制御パルスを出力して規定距離L単位の搬送処理を実行する場合(以下、「第1搬送モード」という)と、検出器34によって改ページマークNが検出されるまで搬送処理を実行する場合(以下、「第2搬送モード」という)とがある。
なお、搬送誤差の補正にあたっては、実搬送距離をより容易に把握することができるように、テスト搬送の前後に記録ヘッド20による記録処理を実行して、記録領域に停止されたシートSに対して直線Aと直線Bを記録する。そしてその後、搬送方向における直線Aと直線Bとの実離間距離を把握するとともに、直線Aと直線Bとの理想離間距離を把握して、実離間距離と理想離間距離との差として把握されるシートSの搬送誤差に基づいてパルスモーター29,30の駆動量を補正するようになっている。
ここで、直線A2と直線B2との実離間距離は、移動ステップにおける記録ヘッド20の移動距離D1と一致する。そして、実搬送距離Fは搬送されるシートSの種類に応じて変動しうるが、記録ヘッド20の移動距離はシートSの種類が異なっても影響を受けることがなく、一定の値(距離D1)となる。
(1)第1搬送モードにおいては、搬送ステップにおいてシートSを搬送方向に沿って搬送するとともに、移動ステップにおいて記録ヘッド20が同じく搬送方向に移動するので、直線A1と直線B2との実離間距離Eは、シートSの実搬送距離Fと記録ヘッド20の移動距離D1との差分に相当する。すなわち、テスト搬送の搬送距離を長く設定した場合にも、シートSの搬送距離よりも短い直線A1と直線B2との実離間距離Eを把握することで、容易に搬送誤差を把握することができる。ここで、シートSの実搬送距離Fは、搬送されるシートSの種類に応じて誤差が変動するが、記録ヘッド20の移動距離D1はこのようなシートSの種類による影響を受けることがないため、実際の移動距離D1をそのまま差分に用いても、誤差を生じる可能性が低い。したがって、適切な搬送誤差の補正を容易に行うことができる。
(5)直線A及び直線Bは、シートSの搬送方向と直交するシートSの幅方向(前後方向)に延びる直線であるので、シートSの幅が広い場合にも、幅方向の任意の位置で実離間距離を正確に把握することができる。
(7)第2搬送モードにおいては、第1走査位置で直線Aが記録されたシートSについてページ間の搬送を行った後に第2走査位置で直線Bを記録するので、直線Aと直線Bとの実離間距離は、シートSの搬送距離と、第1走査位置から第2走査位置への記録ヘッド20の移動距離との差分に相当する。すなわち、搬送距離を長く設定した場合にも、シートSの搬送距離よりも短い直線Aと直線Bとの実離間距離を把握することで、容易に搬送誤差を把握することができる。そして、記録ヘッド20の移動距離はシートSの種類による影響を受けることがないため、実際の移動距離をそのまま差分に用いても、誤差を生じる可能性が低い。したがって、適切な搬送誤差の補正を容易に行うことができる。
・規定距離Lは記録領域の長さに限らず、任意の値にすることができる。
・テスト搬送は、必ずしもシートSの種類毎に行う必要はなく、代表的なシートSに対してのみ行うようにしてもよい。
・第1マーク及び第2マークは直線に限らず、例えば点など、搬送方向における位置を把握することのできる任意の形状とすることができる。また、改ページマークNについても、同様に任意の形状とすることができる。
・上記実施形態では、記録装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、この限りではなく、電子写真方式等他の方式のプリンター、FAX装置、コピー装置、あるいはこれら複数機能を備えた複合機等において上記搬送誤差の補正方法を適用するようにしてもよい。さらに、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
Claims (7)
- シートを搬送方向に沿って搬送するために駆動される搬送手段と、前記搬送方向に移動可能に構成され、前記シートに対して記録を行う記録手段とを備えた記録装置における搬送誤差補正方法であって、
第1位置に配置された前記記録手段が前記シートに第1マークを記録する第1記録ステップと、
前記搬送手段を駆動させて前記第1マークが記録された前記シートを前記搬送方向へ搬送する搬送ステップと、
前記記録手段を前記搬送方向に沿って前記第1位置より下流側の第2位置へと移動させる移動ステップと、
前記搬送ステップを経て停止された前記シートに、前記移動ステップを経て前記第2位置に配置された前記記録手段が第2マークを記録する第2記録ステップと、
前記搬送方向における前記第1マークと前記第2マークとの実離間距離を把握するとともに、前記第1マークと前記第2マークとの理想離間距離を把握して、前記実離間距離と前記理想離間距離との差として把握される前記シートの搬送誤差に基づいて、前記搬送手段の駆動量を補正する補正ステップとを備えたことを特徴とする記録装置における搬送誤差補正方法。 - 前記搬送ステップにおいては、予め規定された規定距離が前記理想離間距離となるように、前記シートを前記規定距離搬送するために設定された規定駆動量分前記搬送手段を駆動させるとともに、
前記移動ステップにおいては、前記記録手段を前記規定距離以下の移動距離となるように前記搬送方向に移動させ、
前記補正ステップにおいては、前記搬送誤差に基づいて、前記規定駆動量を増減することを特徴とする請求項1に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。 - 前記記録手段は、前記搬送手段によって前記規定距離単位で間欠搬送される前記シートに対して、前記規定距離が前記搬送方向における長さとなる記録領域をページ単位として記録を行うことを特徴とする請求項2に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。
- 前記第1マークは、前記搬送方向における前記記録領域の上流端位置に記録されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。
- 前記第1マーク及び前記第2マークは、前記搬送方向と直交する前記シートの幅方向に延びる直線であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。
- 前記記録装置は、前記搬送手段を構成するパルスモーターと、制御パルスを出力することで前記パルスモーターを駆動制御する制御手段とを備え、
前記補正ステップにおいては、前記搬送誤差に基づいて、前記制御手段が出力するパルス数を増減することを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置における搬送誤差補正方法。 - 長尺状のシートを搬送方向に沿ってページ単位で搬送する搬送手段と、前記搬送方向に沿う走査の下で前記シートに対してページ単位の記録を行う記録手段と、前記ページ単位の記録において基準走査位置に記録された前記シート上の基準マークを前記基準走査位置の下流側で検出する検出手段と、を備え、前記検出手段による前記基準マークの検出から搬送停止までの前記搬送手段の搬送駆動量を管理することでページ間の搬送停止位置を制御する記録装置における搬送誤差補正方法であって、
前記シートに、前記記録手段により第1走査位置で第1マークを記録する第1記録ステップと、
前記シートに、前記記録手段により前記基準走査位置に前記基準マークを記録する第2記録ステップと、
前記基準マークの検出に基づいて、前記第1マーク及び前記基準マークが記録された前記シートについて、前記ページ間の搬送を行う搬送ステップと、
該搬送ステップを経て停止された前記シートに、前記記録手段により、前記第1走査位置よりも下流側の第2走査位置で第2マークを記録する第3記録ステップと、
前記搬送方向における前記第1マークと前記第2マークとの実離間距離を把握するとともに、前記第1マークと前記第2マークとの理想離間距離を把握して、前記実離間距離と前記理想離間距離との差として把握される前記シートの搬送誤差に基づいて、前記搬送手段の搬送駆動量を補正する補正ステップとを備えたことを特徴とする記録装置における搬送誤差補正方法。
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