JP5239987B2 - ロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、検出装置として光学式触覚センサが記載されている。この光学式触覚センサは、そのケーシングの先端に光透過性をもつ弾性体からなる半球状をなすタッチパッドを有している。なお、タッチパッドは、対象物と接触するようになっており、その表面にグリッドパターンが設けられている。さらに、ケーシングの内部には、タッチパッドの背面からグリッドパターンを撮像するCCDカメラ及びグリッドパターンを照らすリング状の照明が設けられている。そして、この光学式触覚センサは、CCDカメラが撮像するグリッドパターンの挙動から、対象物とタッチパッドとの間における接触状態(摩擦力)を算出している。
また、支持部材は、支持部材の外表面における対象物と接触し得る領域と対向する位置に少なくとも、弾性体によって覆われない領域を有していてもよい。
支持部材は、中実な構造を有してもよい。これにより、支持部材は、中実な構造を有するため剛性を確保することが容易である。
実施の形態1.
図1及び2を用いて、この発明の実施の形態1に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ101の構成を示す。
そして、制御部20の制御による超音波アクチュエータ4a及び4bの駆動によって、第二指節3bに対して第一指節3a、及び、ハンド本体2に対して第二指節3bがそれぞれ多自由度に屈折することができる。これにより、ロボットハンド1は、図示しない対象物を把持する。
また、各第一指節3aには、図示しない撮像装置が内蔵されており、第一指節3aは、ロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ(以下、「フィンガ」と称す)101を構成している。
また、ロボットハンド1(図1参照)は、対象物10を把持する際に、第一指節3a(図1参照)すなわちフィンガ101を対象物10に接触させるが、このとき、フィンガ101が対象物10に接触し得る領域は、把持部A1で示される。そして、フィンガ本体11の外表面11dにおいて、把持部A1を少なくとも覆うようにして、シート状の弾性外皮12が設けられている。弾性外皮12は、弾性体を構成し、透明なシリコンゴムなどによる、高い光透過性を有し且つ弾性を有する材料により形成されている。なお、把持部A1における弾性外皮12は、厚さt1で形成されている。
また、本実施の形態1では、弾性外皮12における撮像装置13の撮像範囲F1に相当する部位が、弾性外皮12の把持部A1と同一になっている。なお、弾性外皮12に対する撮像装置13の撮像範囲F1は、少なくとも弾性外皮12の把持部A1を含んでおればよく、把持部A1より広くなっていてもよい。
図1を参照すると、ロボットハンド1が対象物10(図2参照)を把持する際、制御部20は、各指部3の超音波アクチュエータ4a及び4bを作動させ、各指部3の第一指節3a及び第二指節3bを動作させる。また、同時に、制御部20は、第一指節3aすなわちフィンガ101内の撮像装置13(図2参照)を作動させる。そして、図2に示すように、把持するためにフィンガ101が対象物10に接触すると、フィンガ101の弾性外皮12が、対象物10に対して接触部B1において接触し、フィンガ本体11によって対象物10に押しつけられて圧縮される。このため、弾性外皮12は、対象物10との接触部B1においてその厚さが厚さt1から厚さt2に減少する。
ここで、フィンガ本体11及び弾性外皮12は、フィンガ本体11及び弾性外皮12における撮像装置13の撮像範囲F1にフィンガ101の外部からの光を導入する光透過部を構成している。
なお、本実施形態において、説明を容易にするため、外部からの光の入射方向を一方向としているが、実際は、周囲の構造物における反射光が存在するため、フィンガ101への入射光は多方向となる。
制御部20は、送られた把持部A1の画像情報を解析し、フィンガ101の対象物10への接触の有無の検出、接触位置の算出等を行う。また、制御部20は、算出した接触位置と接触部B1の大きさ等から、フィンガ101の対象物10への押圧力、すなわちフィンガ101の対象物10に対する把持力を算出する。そして、制御部20は、算出された把持力に基づき、超音波アクチュエータ4a及び4b(図1参照)の動作を制御し、対象物10を潰さないように把持力を調整する。
よって、ロボットハンド1は、撮像装置13によって取得された画像情報に基づく制御部20の制御によって把持力が調整されつつ、対象物10の把持を行う。
これによって、フィンガ本体11における光透過部であるフィンガ本体11及び弾性外皮12を介してフィンガ本体11の外部から内部に採光した光を、フィンガ本体11における撮像装置13の撮像範囲F1に相当する部位に照射することによって、フィンガ本体11さらには弾性外皮12における撮像装置13の撮像範囲F1に相当する部位の鮮明な画像が撮像装置13により撮像される。従って、対象物10を把持する際にフィンガ101が対象物10に接触して弾性外皮12が変形すると、この弾性外皮12の変形は、発光手段を使用することなく撮像装置13により撮像された画像からでも認識されることができる。すなわち、発光手段を設けることなく、ロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ101の対象物10への接触状況を認識することが可能になる。
フィンガ本体11の全てが透明部材であり、弾性外皮12の全てが透明部材であることによって、外部の光は周囲の構造物等に反射する光も含むため多方向からフィンガ本体11を照射するが、フィンガ本体11は多方向から入射する光をその内部から弾性外皮12における撮像範囲F1に相当する部位に照射することができる。また、弾性外皮12が透明であることによって、外部から弾性外皮12を透過する光によっても弾性外皮12における撮像範囲F1に相当する部位が照射され、撮像装置13により鮮明な画像を撮像することができる。
この発明の実施の形態2に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ102の構成は、実施の形態1におけるロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ101の弾性外皮12に、その表面に沿った格子状のパターン(模様)を設けたものである。
なお、以下の実施の形態において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
また、フィンガ102においても、弾性外皮22における撮像装置13の撮像範囲F2に相当する部位は、弾性外皮22における把持部A2と同一になっている。このため、撮像装置13は、弾性外皮22の格子状のパターン22bを撮像することができる。
また、この発明の実施の形態2に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ102のその他の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
そこで、図5の状態(a)は、ロボットハンド1が対象物10を把持していない状態を示し、状態(b)は、ロボットハンド1が対象物10を把持している状態を示す。
よって、図4を参照すると、制御部20は、撮像装置13から送られた把持部A2の画像情報から、実施の形態1と同様にして、フィンガ102の対象物10に対する把持力を算出する。さらに、制御部20は、弾性外皮22すなわちフィンガ102に対して対象物10が滑りそうになった状態であるかを周辺部C2(図5参照)の格子状の模様の画像情報から検出する。そして、制御部20は、算出された情報に基づき、超音波アクチュエータ4a及び4b(図1参照)の動作を制御し、対象物10を滑らさないように、且つ潰さないように把持力を調整する。
また、この発明の実施の形態2に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ102のその他の動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
また、弾性外皮22における撮像装置13の撮像範囲F2に相当する部位に、格子状のパターン22bを設けることによって、撮像装置13によって取得される画像では、対象物10との接触による弾性外皮22の変形状態が、輝度の強弱だけでなく、格子状のパターン22bの濃淡及び変形によっても示される。このため、実施の形態1のロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ101に対して、ロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ102は、対象物10と弾性外皮22とのより詳細な接触状態を認識することができ、制御部20によるフィンガ102のより緻密な制御が可能になる。
また、弾性外皮22に設けられるパターンは、格子状のパターン22bに限定されるものではなく、異なる形状の点を規則的に並べるようなものであってもよい。
この発明の実施の形態3に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ103の構成は、実施の形態1のロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ101において中空であったフィンガ本体11を中実としたものである。
図6を参照すると、ロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ103のフィンガ本体31は、円柱状をした柱部31bと柱部31bの一方の端部に形成された半球状をした先端部31aとを有し、先端部31a及び柱部31bの内部は中実になっている。なお、フィンガ本体31の先端部31a及び柱部31bは、透明な樹脂などの、高い光透過性を有する材料により形成されている。さらに、柱部31bの内部には撮像装置13が柱部31bの把持部A3へ方向付けられて埋め込まれており、撮像装置13は制御部20と電気的に接続されている。
また、この発明の実施の形態3に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ103のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
また、フィンガ103のフィンガ本体31は、その内部が中実であるため剛性を確保することが容易である。よって、フィンガ本体31は、実施の形態1におけるフィンガ本体11より剛性の低い材料、可撓性を有する材料、又は弾性を有する材料により形成することができる。さらに、弾性を有する材料によってフィンガ本体31を形成することにより、フィンガ本体31が弾性外皮12を兼ねてもよい。これにより、弾性外皮12が不要となり、コストを低減することができる。
この発明の実施の形態4に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ104の構成は、実施の形態1のロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ101において、フィンガ本体11の把持部A1を覆うように設けられていた弾性外皮12を、フィンガ本体11全体を覆うように設けたものである。
図7を参照すると、フィンガ104は、実施の形態1のフィンガ101と同様にして、フィンガ本体11及び撮像装置13を有する。さらに、フィンガ本体11の外表面11dの全体を覆うようにして、シート状の弾性外皮42が設けられている。弾性外皮42は、透明なシリコンゴムなどによる、高い光透過性を有し且つ弾性を有する材料により形成されている。
ここで、フィンガ本体11及び弾性外皮42は、フィンガ本体11及び弾性外皮42における撮像装置13の撮像範囲F4に相当する部位にフィンガ104の外部からの光を導入する光透過部を構成している。
また、この発明の実施の形態4に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ104のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
また、フィンガ104のフィンガ本体11全体を弾性材で覆ったため、フィンガ104が対象物10或いは周囲の物体に接触した場合、これらに損傷を与えることを防止することができる。さらに、フィンガ104が人体と接触するような状況で使用される場合、人体との接触時に柔らかい感触を実現することができる。
この発明の実施の形態5に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ105の構成は、実施の形態1においてロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ101をロボットハンド1の指部3の第一指節3aに設けていたものを、第二指節3bに設けたものである。
まず、図1を参照すると、ロボットハンド1の各指部3の第二指節3bには、図示しない撮像装置が内蔵されており、第二指節3bは、ロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ105を構成している。
また、フィンガ本体51の外表面51dの把持部A5には、厚さt1で形成されたシート状の弾性外皮52が設けられている。弾性外皮52は、透明なシリコンゴムなどによる、高い光透過性を有し且つ弾性を有する材料により形成されている。
また、フィンガ本体51の内部には、撮像装置13が設けられており、撮像装置13は、フィンガ本体51と同一の材料によって一体に形成されたブラケット51cに取付・支持されている。そして、撮像装置13は、把持部A5全体の画像を取得できるように取り付けられている。さらに、撮像装置13は、制御部20に電気的に接続されており、制御部20に取得した二次元画像を送る。なお、フィンガ105においても、弾性外皮52における撮像装置13の撮像範囲F5に相当する部位は、弾性外皮52における把持部A5と同一になっている。
また、この発明の実施の形態5に係るロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ105のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
このように、実施の形態5におけるロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ105において、上記実施の形態1のロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ101と同様な効果が得られる。
また、実施の形態1〜5において、フィンガ本体11、31及び51は、その全体が光透過性を有する材料により形成されていたが、これに限定されるものではない。フィンガ本体11、31及び51は、把持部A1〜A5に対応する部分に加え一部分が光透過性を有する材料により形成され、その一部分から採光した光により内部から弾性外皮12、22、42及び52における撮像装置13の撮像範囲F1〜F5に相当する部位を照射する構成であってもよい。さらに、フィンガ本体11、31及び51を光透過性を有していない材料から形成するとともに、把持部A1〜A5(接触部)に対応する部分とその部分にフィンガ本体11、31及び51の外部から光を導入する部分(撮像装置の撮像範囲)のみに窓(開口)を形成して、撮像装置13の撮像範囲F1〜F5に光を導入する光透過部を構成してもよい。
また、実施の形態1〜5において、フィンガ本体11、31及び51の外表面11d、31d及び51dに弾性外皮12、22、42及び52が直接設けられていたが、これに限定されるものではない。フィンガ本体11、31及び51と弾性外皮12、22、42及び52との間に空気層を有するように構成されていてもよい。これにより、対象物10との接触時に弾性外皮12、22、42及び52がより変形しやすくなり、また変形量も増大するため、撮像装置13によって取得される画像には、対象物10との接触による弾性外皮12、22、42及び52の変形状態がより明確に示される。
Claims (4)
- 対象物を把持することで変形する弾性体と、円筒状の筒部と前記筒部の一方の端部に形成された半球面状の先端部とを含む指節状の形状を有して前記弾性体を支持する支持部材と、前記支持部材の内部に設けられて前記弾性体の変形状態を撮像する撮像装置とを有するロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガにおいて、
前記弾性体は、前記支持部材の外表面における前記対象物と接触し得る領域を少なくとも覆い且つ透明な部材からなるシート状の皮膜であり、
前記支持部材は、
剛性を有する透明な部材からなり、
前記支持部材の外表面における前記対象物と接触し得る領域以外の部分に、前記弾性体によって覆われない領域を有するロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ。 - 前記支持部材は、前記支持部材の外表面における前記対象物と接触し得る領域と対向する位置に少なくとも、前記弾性体によって覆われない領域を有する
請求項1に記載のロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ。 - 前記弾性体における前記撮像装置の撮像範囲に相当する部位が、格子状の模様を有する請求項1または2に記載のロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ。
- 前記支持部材は、中実な構造を有する
請求項1〜3のいずれか一項に記載のロボットハンド用撮像装置内蔵フィンガ。
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