JP5239441B2 - ガスバリアフィルム - Google Patents

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本発明は、例えば、食料品、日用品、医薬品等の包装分野に用いられる包装用ガスバリアフィルム、あるいは、電気・電子機器関連部材等に用いられるガスバリアフィルムに関するものであり、特に、高熱処理の工程下で好適に用いられる高度なガスバリア性を有するフィルムに関するものである。
現在、包装された内容物の変質を抑制する目的で包装材料が盛んに使用されている。例えば、食料品、日用品、医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物が元来備えている機能や性質を保持するため、包装材料を透過する水蒸気、酸素、その他内容物を変質させる効力を有するガスの透過を遮蔽するために用いられている。
更に最近では、例えば、リチウムイオン電池、ハードディスク、太陽電池、液晶素子(LCD)、エレクトロルミネッセンス素子(EL)等の電気・電子機器関連分野においても、ガスによる性能劣化、性質変化を抑止するためのガスバリア用途部材として用いられ始めてきており、使用範囲が拡大している。
食料品、日用品、医薬品等のような通常のガスバリア性が要求される包装材料においては、高分子樹脂の中では比較的ガスバリア性に優れる塩化ビニリデン樹脂のフィルム、あるいは、ガスバリア性を有する高分子樹脂の薄膜層をプラスチック基材の表面に形成した構成のフィルムが通常用いられている。しかし、これらのフィルムは、電気・電子機器関連分野のような高度なガスバリア性が要求される包装材料としては使用できない。
電気・電子機器関連分野に適用できる高度なガスバリア性を有する包装材料として、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機化合物の薄膜層を真空成膜法によりプラスチック基材の表面に形成したフィルムが上市されている。
ガスバリア性を有する無機化合物の中でも、酸化珪素は特に優れたガスバリア性能を持つ。酸化珪素の原料である珪素は地球上に豊富に存在する資源であるため安価で取引されており、市場への供給も安定している。
酸化珪素はガスバリア性を有する無機化合物の中でも最も線熱膨張係数が小さい低熱膨張材料として知られている。酸化アルミニウム、酸化マグネシウムの線熱膨張係数と比べて酸化珪素の線熱膨張係数は1桁小さく、更に、プラスチックの線熱膨張係数と比べると2桁も小さい。したがって、プラスチック基材の表面に酸化珪素から成る薄膜層を形成したガスバリアフィルムは、加熱すると基材と薄膜層の間の熱膨張率差による熱応力のため薄膜層に容易にクラックを生じるという問題を引き起こす。熱応力が或る段階を超えて大きくなると、薄膜層の損傷はクラックのみに止まらず、基材からの膜の剥離にまで進展する。薄膜層の膜がクラック、剥離を発生したことによって、必然的に包装材料のガスバリア性が損なわれ、結果として、被包装物の変質、性能劣化を招き問題である。
特公昭63−28017号公報
上記問題を解決するため、本発明にあっては、高熱処理の工程下で好適に用いられる高度なガスバリア性を有するフィルムを提供することを課題とする。
ポリイミド基材の両面上に酸化珪素膜を有するガスバリアフィルムであって、
温度296Kと473Kの温度間における前記基材の平均の線熱膨張係数が、−10ppm/K以上10ppm/K以下であり、かつ温度296K及び473Kにおける前記基材と酸化珪素膜の間の熱応力の差σdが、下記式(1)で表されるとき、|σd|が0.2GPa以下であることを特徴とする。
σd=σs+σf・・・(1)
(ただし、σs=−(Ef/(1−ν))(αf−αs)ΔT/((a/(2t))+(Ef/Es))、σf=(Es/(1−ν))(αf−αs)ΔT/(((2t)/a)+(Es/Ef))、ν=((a/(2t))νs+(Ef/Es)((1+νs)/(1+νf)))/((a/(2t))+((1+νs)/(1+νf))(Ef/Es))、aは基材の物理膜厚、tは酸化珪素膜の物理膜厚、σs及びσfは基材及び酸化珪素膜の熱応力、αs及びαfは基材及び酸化珪素膜の線熱膨張係数、Es及びEfは基材及び酸化珪素膜のヤング率、νs及びνfは基材及び酸化珪素膜のポアソン比、ΔTは温度差を示す。)
請求項に係る発明は、前記酸化珪素膜が真空成膜法により形成されることを特徴とする請求項に記載のガスバリアフィルムである。
請求項に係る発明は、前記基材の両面上に形成された酸化珪素膜は、2層とも物理膜厚が等しく、かつ2層とも等しい成膜条件で形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかに記載のガスバリアフィルムを具備してなることを特徴とするガスバリアフィルム用途部材である。
上記構成とすることにより、高熱処理の工程下で好適に用いられる高度なガスバリア性を有するフィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は本発明の実施の形態によるガスバリアフィルムの一例を示す断面模式図である。
本発明のガスバリアフィルム1は、基材2と、基材2の一方の面上に設けられた酸化珪素膜3と、基材2のもう一方の面上に設けられた酸化珪素膜4から構成されており、基材2の両面を酸化珪素膜(3及び4)で挟み込んだサンドイッチ構造を成している。
本発明におけるガスバリアフィルム1は、温度296Kと473Kの温度間における平均の線熱膨張係数が、−10ppm/K以上10ppm/K以下である基材2を、酸化珪素膜(3及び4)で挟み込んだサンドイッチ構造を成すことによって、高熱環境から室温環境に戻したときの基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差を小さくすることができ、結果として、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の発生を回避し、高熱処理の工程下で用いた場合でもガスバリア性能の劣化を引き起こすことなく、良好なガスバリア性を有するガスバリアフィルム1を得ることができる。
本発明におけるガスバリアフィルム1における熱応力は次式(A)〜(C)で表される。
σ=−(E/(1−ν))(α−α)ΔT/((a/(2t))+(E/E)) … (A)
σ=(E/(1−ν))(α−α)ΔT/(((2t)/a)+(E/E)) … (B)
ここで、aは基材2の物理膜厚、tは酸化珪素膜(3及び4)の物理膜厚である。σ、αE、νはそれぞれ熱応力、線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比であり、s、fの添字はそれぞれ基材2、酸化珪素膜(3及び4)に該当することを意味する。ΔTは温度差である。加えて、添字の付いていないνは次式(C)で表される。
ν=((a/(2t))ν+(E/E)((1+ν)/(1+ν)))/((a/(2t))+((1+ν)/(1+ν))(E/E)) … (C)
上記した式(A)〜(C)より、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差σは次式(1)のように定義することにより見積もることができる。
σ=σ+σ ・・・ (1)
一般のプラスチックの線熱膨張係数は正の値を持ち、通常25ppm/Kを超える数値を有する。加えて、プラスチックのヤング率の上限値は4.5GPa程度、ポアソン比は0.3程度である。一方、酸化珪素の線熱膨張係数は0.5ppm/Kであるが、プラスチックと比べて2桁小さい値である。加えて、酸化珪素のヤング率は72GPa、ポアソン比は0.165となっている。但し、基材上に形成された酸化珪素膜は基材の力学的性質の影響を受けるため、これらのパラメーターの測定は難しく、報告例も少ないのが実情である。したがって、酸化珪素膜のこれらの値はバルク値である。熱応力は、基材と酸化珪素膜の熱膨張率の違いによって生じるが、式(1)より、一般に基材の線熱膨張係数が大きく、ヤング率が小さい程、酸化珪素膜の線熱膨張係数が小さく、ヤング率が大きい程、両者の間の応力差は大きくなることが分かる。
無機化合物の線熱膨張係数が2ppm/K以下である材料は低熱膨張材料として分類される。低熱膨張材料の無機化合物の薄膜層を正の線熱膨張係数を有するプラスチック基材上に形成した場合、上記の理由により基材と薄膜層の間の熱応力差は大きくなる傾向にあり、薄膜層のクラック、剥離を引き起こし易くなる。
本発明におけるガスバリアフィルム1では、酸化珪素膜(3及び4)を基材2上に形成した場合でも、−10ppm/K以上10ppm/K以下の線熱膨張係数を有する基材2を用い、温度296K及び473Kにおける基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力の差σの絶対値を0.2GPa以下に低減するものである。結果として、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の発生を回避し、高熱処理の工程下で用いた場合でもガスバリア性能の劣化を引き起こすことなく、良好なガスバリア性を有するガスバリアフィルム1とすることができる。一方、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差の絶対値が0.2GPaを超えると酸化珪素膜(3及び4)がクラック、剥離を発生し、結果として、ガスバリア性能の劣化を招いて問題になる。
更には、基材2を中心にして基材2の両面上に対称に同じ物理膜厚を有する酸化珪素膜(3及び4)を配置する構成とすることで、より一層応力を低減させることができる。しかも、酸化珪素膜(3及び4)を形成する際、両面で成膜条件を等しくすることによって、酸化珪素膜3及び酸化珪素膜4で同じ線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比とすることができる。
本発明におけるガスバリアフィルム1の酸化珪素膜(3及び4)は、真空成膜法により形成することが好ましい。本発明の酸化珪素膜(3及び4)は、高度なガスバリア性を実現するため、緻密で、かつピンホール欠陥のない膜が求められる。
真空成膜法では、堆積していく薄膜形成材料(酸化珪素材料)のサイズはオングストロームオーダーの原子・分子と小さいため、緻密な膜質の酸化珪素膜を得ることができ、ピンホール欠陥を生じ難い。一方、湿式塗工法を用いた薄膜形成法では、薄膜形成材料である塗液の分子サイズが真空成膜法における薄膜形成材料のサイズと比べてずっと大きいため緻密な塗膜とならず、結果、ピンホール欠陥を生じ易くなる。したがって、本発明におけるガスバリアフィルム1を真空成膜法により形成することにより、高度なガスバリア性を実現することができる。
以下に、本発明に用いられる基材2について説明する。
基材2としては、温度296Kと473Kの温度間においての平均の線熱膨張係数が、−10ppm/K以上10ppm/K以下であるプラスチックフィルムを用いることができる。このようなプラスチックとしては、ポリイミドが好適であるが、プラスチックであり、このような線熱膨張係数を持つものであれば、ポリイミド以外を用いてもよい。
基材2の材料として用いられるポリイミドは、エンジニアリングプラスチックの中でも特に優れた耐熱性を有し、523Kまで連続して長期の使用が可能である。加えて、ガラス転移点が存在せず、極めて高い温度環境下でも溶融しないという特性を持っている。ポリイミドは、他のプラスチックと比べて30ppm/K程度の小さい線熱膨張係数を有し、熱による寸法安定性に優れているが、特に、弗素化されたポリイミドの中には負の膨張係数を持つものが存在し、本発明の温度296Kと473Kの温度間においての平均の線熱膨張係数が、−10ppm/K以上10ppm/K以下であるプラスチックフィルムとして好適に使用できる。ポリイミドは、芳香族の直鎖状分子が剛直な構造であることから、プラスチックの中でも大きなヤング率を有している。更に、高真空中でのガス放出が少ないため、本発明における酸化珪素膜(3及び4)を形成する際、成膜条件を一定に維持した定常加工環境を提供することができる。
一方で、ポリイミドは一般的に吸水率が高く、吸水による寸法安定性に劣ることが知られている。しかし、本発明のガスバリアフィルム1は、基材2の両面に高度なガスバリア性を有する酸化珪素膜(3及び4)を形成しているため、基材2の水分吸収を抑止することができ、結果として、水分環境下での寸法安定性に優れたものとすることができる。
これまでの市販されているポリイミドフィルムは茶に着色しており、無色透明のものが無かった。可視光の光線透過率はせいぜい50%程度と低かった。しかし、最近では無色透明で、全光線透過率が90%程度の耐熱性に優れたポリイミドフィルムが開発されており、太陽電池、液晶素子(LCD)、エレクトロルミネッセンス素子(EL)等の特に光損失を嫌う製品の部材に好適である。
基材2の形状としては、表面が平滑であれば特に限定されず、板状、ロール状等の形状のものを用いることができる。
基材2の表面には、酸化珪素膜(3及び4)を形成する前に、目的に応じて表面処理を施してもよい。表面処理法としては、例えば、コロナ処理法、蒸着処理法、電子ビーム処理法、高周波放電プラズマ処理法、スパッタリング処理法、イオンビーム処理法、大気圧グロー放電プラズマ処理法、アルカリ処理法、酸処理法等を挙げることができる。
基材2の物理膜厚は、目的の用途に応じて適宜選択され、通常3μm以上300μm以下程度である。基材2には、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
次に、本発明に用いられる酸化珪素膜(3及び4)について説明する。
酸化珪素膜(3及び4)は、基材2の各面に形成され、高度なガスバリア性を付与する。酸化珪素膜(3及び4)における酸化珪素はガスバリア性を有する無機化合物の中でも特に優れたガスバリア性能を持ち、かつ、安価であるため製造コストを低減することができ、加えて、資源が豊富なため生産時における大量使用に適した材料である。
酸化珪素膜(3及び4)は、蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等の真空成膜法により形成することが好ましい。
酸化珪素膜(3及び4)の物理膜厚は、10nm以上1μm以下であることが好ましく、20nm以上500nm以下であることがより好ましく、30nm以上300nm以下であることが最も好ましいが、目的とするバリア性能によって適宜膜厚を調整することができる。一般に、同じ膜質のガスバリア膜である場合、薄膜層が薄過ぎると目的のガスバリア性能に到達しない。一方、ガスバリア性能は膜厚が或る厚さにまで達すると飽和する傾向にあるため、より厚ければより優れたガスバリア性能を発現するという訳ではない。
本発明におけるガスバリアフィルム1は、具体的には、食料品、日用品、医薬品、リチウムイオン電池、ハードディスク、太陽電池、液晶素子(LCD)、エレクトロルミネッセンス素子(EL)等のガスバリアフィルム用途部材に具備することができる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに具体的に説明する。
<実施例1>
図1に示すように、基材2である、線熱膨張係数−10ppm/K、ヤング率4.5GPa、ポアソン比0.3、物理膜厚12.5μmのポリイミドのフィルムの一方の面上に、酸化珪素膜3を以下のように形成した。
まず、基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜3を形成した。
次に、基材2の薄膜層3を形成した面と反対の面上に酸化珪素膜4を以下のように形成した。
基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜4を形成し、サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を完成させた。酸化珪素膜4は酸化珪素膜3と等しい成膜条件で形成した。
得られたサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を、大気中で473Kに予め加熱保持しておいたオーブンに投入して1時間保持した後、同温度のオーブンから296Kの大気環境中に取り出し、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の有無を光学顕微鏡で観察したところ、両酸化珪素膜(3及び4)にクラック、及び剥離は観察されなかった。
上記式(1)からサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1における基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差の絶対値を算出すると0.190GPaの値を得た。基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差が小さかったため、高温環境から室温環境に戻したときに酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生しなかったものと推測される。酸化珪素膜(3及び4)の線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比はそれぞれバルク値とした。
サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1のガスバリア性能の指標として水蒸気透過率を完成の初期、及び上記加熱試験後で測定したところ、それぞれ0.142g/m/day、及び0.148g/m/dayの良好なガスバリア性能を示した。加熱試験後も高度なガスバリア性能を備えているのは、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差が小さかったため、酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生せずにガスバリア性を劣化させなかったためと推測される。
上記した基材2の特性は次のように測定した。
<線熱膨張係数>
熱機械的分析装置TMA/SS6100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて、幅4mm×長さ21mmのサンプルの温度296Kと473Kの温度間における平均の線熱膨張係数を測定した。サンプルは、温度296K、湿度50%の環境下に80時間放置したものから切り出した。このとき、昇温速度を5K/分、サンプル荷重を50mNとした。サンプルの試料ホルダーには石英ガラスを用いた。温度296Kと473Kの温度間における平均の線熱膨張係数βは次の式(D)から算出した。
β(T〜T)=(1/(L×10))((Δl(T)−Δl(T)−(Δl(T)−Δl(T)))/(T−T))+β(T〜T) … (D)
ここで、T、Tはそれぞれ温度296K、473K、Lは温度296Kにおけるサンプルの長さ、Δlはサンプルを測定したときのTMA測定値、Δlはプローブ材質を測定したときのTMA測定値、βはプローブ材質の熱膨張率を表す。なお、サンプルの正確な線熱膨張係数を求めるため、加温による試料ホルダーの熱膨張の影響を補正した。
<ヤング率>
熱機械的分析装置TMA/SS6100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて、幅4mm×長さ21mmのサンプルのヤング率を測定した。サンプルは、温度296K、湿度50%の環境下に80時間放置したものから切り出した。このとき、サンプルを2mm/分の一定速度で引っ張って応力−歪曲線を求め、曲線の原点での直線部分における接線の傾きからヤング率を導出した。
<ポアソン比>
ポアソン比は測定が困難なため、一般的なプラスチックの典型値である0.3とした。
上記したガスバリア性試験は次のように測定した。
<水蒸気透過率>
水蒸気透過率測定装置PERMATRAN−W 3/33(MOCON社製)を用いて、40℃、相対湿度90%の試験環境の条件下で測定した。水蒸気透過率測定装置PERMATRAN−W 3/33の測定限界の下限値は0.01g/m/dayである。
<実施例2>
図1に示すように、基材2である、線熱膨張係数10ppm/K、ヤング率1GPa、ポアソン比0.3、物理膜厚12.5μmのポリイミドのフィルムの一方の面上に、酸化珪素膜3を以下のように形成した。
まず、基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜3を形成した。
次に、基材2の酸化珪素膜3及を形成した面と反対の面上に酸化珪素膜4を以下のように形成した。
基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜4を形成し、サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を完成させた。酸化珪素膜4は酸化珪素膜3と等しい成膜条件で形成した。
得られたサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を、大気中で473Kに予め加熱保持しておいたオーブンに投入して1時間保持した後、同温度のオーブンから296Kの大気環境中に取り出し、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の有無を光学顕微鏡で観察したところ、両酸化珪素膜(3及び4)にクラック、及び剥離は観察されなかった。
上記式(1)からサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1における基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差の絶対値を算出すると0.179GPaの値を得た。基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差が小さかったため、高温環境から室温環境に戻したときに酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生しなかったものと推測される。酸化珪素膜(3及び4)の線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比はそれぞれバルク値とした。
サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1のガスバリア性能の指標として水蒸気透過率を完成の初期、及び上記加熱試験後で測定したところ、それぞれ0.135g/m/day、及び0.141g/m/dayの良好なガスバリア性能を示した。加熱試験後も高度なガスバリア性能を備えているのは、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差が小さかったため、酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生せずにガスバリア性を劣化させなかったためと推測される。
<実施例3>
図1に示すように、基材2である、線熱膨張係数−10ppm/K、ヤング率1GPa、ポアソン比0.3、物理膜厚75μmのポリイミドのフィルムの一方の面上に、酸化珪素膜3を以下のように形成した。
まず、基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜3を形成した。
次に、基材2の酸化珪素膜3を形成した面と反対の面上に酸化珪素膜4を以下のように形成した。
基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜4を形成し、サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を完成させた。酸化珪素膜4は酸化珪素膜3と等しい成膜条件で形成した。
得られたサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を、大気中で473Kに予め加熱保持しておいたオーブンに投入して1時間保持した後、同温度のオーブンから296Kの大気環境中に取り出し、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の有無を光学顕微鏡で観察したところ、両酸化珪素膜(3及び4)にクラック、及び剥離は観察されなかった。
式(1)からサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1における基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差の絶対値を算出すると0.194GPaの値を得た。基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差が小さかったため、高温環境から室温環境に戻したときに酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生しなかったものと推測される。酸化珪素膜(3及び4)の線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比はそれぞれバルク値とした。
サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1のガスバリア性能の指標として水蒸気透過率を完成の初期、及び上記加熱試験後で測定したところ、それぞれ0.128g/m/day、及び0.134g/m/dayの良好なガスバリア性能を示した。加熱試験後も高度なガスバリア性能を備えているのは、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差が小さかったため、酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生せずにガスバリア性を劣化させなかったためと推測される。
<実施例4>
図1に示すように、基材2である、線熱膨張係数−10ppm/K、ヤング率1GPa、ポアソン比0.3、物理膜厚75μmのポリイミドのフィルムの一方の面上に、酸化珪素膜3を以下のように形成した。
まず、基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚300nmの酸化珪素膜3を形成した。
次に、基材2の酸化珪素膜3を形成した面と反対の面上に酸化珪素膜4を以下のように形成した。
基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚300nmの酸化珪素膜4を形成し、サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を完成させた。酸化珪素膜4は酸化珪素膜3と等しい成膜条件で形成した。
得られたサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を、大気中で473Kに予め加熱保持しておいたオーブンに投入して1時間保持した後、同温度のオーブンから296Kの大気環境中に取り出し、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の有無を光学顕微鏡で観察したところ、両酸化珪素膜(3及び4)にクラック、及び剥離は観察されなかった。
上記式(1)からサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1における基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差の絶対値を算出すると0.195GPaの値を得た。基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差が小さかったため、高温環境から室温環境に戻したときに酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生しなかったものと推測される。酸化珪素膜(3及び4)の線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比はそれぞれバルク値とした。
サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1のガスバリア性能の指標として水蒸気透過率を完成の初期、及び上記加熱試験後で測定したところ、それぞれ0.103g/m/day、及び0.110g/m/dayの良好なガスバリア性能を示した。加熱試験後も高度なガスバリア性能を備えているのは、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差が小さかったため、酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生せずにガスバリア性を劣化させなかったためと推測される。
<比較例1>
図1に示すように、基材2である、線熱膨張係数30ppm/K、ヤング率4.5GPa、ポアソン比0.3、物理膜厚12.5μmのポリイミドのフィルムの一方の面上に、酸化珪素膜3を以下のように形成した。
まず、基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜3を形成した。
次に、基材2の酸化珪素膜3を形成した面と反対の面上に酸化珪素膜4を以下のように形成した。
基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜4を形成し、サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を完成させた。酸化珪素膜4は酸化珪素膜3と等しい成膜条件で形成した。
得られたサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を、大気中で473Kに予め加熱保持しておいたオーブンに投入して1時間保持した後、同温度のオーブンから296Kの大気環境中に取り出し、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の有無を光学顕微鏡で観察したところ、両酸化珪素膜(3及び4)の全面にクラックが発生しており、一部のクラック発生箇所には膜の剥離が確認された。
式(1)からサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1における基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差の絶対値を算出すると0.534GPaの値を得た。基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差が大きかったため、高温環境から室温環境に戻したときに酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生したものと推測される。酸化珪素膜(3及び4)の線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比はそれぞれバルク値とした。
サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1のガスバリア性能の指標として水蒸気透過率を完成の初期、及び上記加熱試験後で測定したところ、それぞれ0.149g/m/day、及び9.824g/m/dayのガスバリア性能を示した。加熱試験後にガスバリア性能が著しく劣化したのは、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差が大きかったため、酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生してガスバリア性を損ねたためと推測される。
<比較例2>
図2に示すように、基材2である、線熱膨張係数30ppm/K、ヤング率1GPa、ポアソン比0.3、物理膜厚12.5μmのポリイミドのフィルムの一方の面上に、酸化珪素膜3を以下のように形成した。
まず、基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜3を形成した。
次に、基材2の酸化珪素膜3を形成した面と反対の面上に酸化珪素膜4を以下のように形成した。
基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜4を形成し、サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を完成させた。酸化珪素膜4は酸化珪素膜3と等しい成膜条件で形成した。
得られたサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を、大気中で473Kに予め加熱保持しておいたオーブンに投入して1時間保持した後、同温度のオーブンから296Kの大気環境中に取り出し、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の有無を光学顕微鏡で観察したところ、両酸化珪素膜(3及び4)の全面にクラックが発生しており、一部のクラック発生箇所には膜の剥離が確認された。
式(1)からサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1における基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差の絶対値を算出すると0.556GPaの値を得た。基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差が大きかったため、高温環境から室温環境に戻したときに酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生したものと推測される。酸化珪素膜(3及び4)の線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比はそれぞれバルク値とした。
サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1のガスバリア性能の指標として水蒸気透過率を完成の初期、及び上記加熱試験後で測定したところ、それぞれ0.155g/m/day、及び11.237g/m/dayのガスバリア性能を示した。加熱試験後にガスバリア性能が著しく劣化したのは、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差が大きかったため、酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生してガスバリア性を損ねたためと推測される。
<比較例3>
図1に示すように、基材2である、線熱膨張係数30ppm/K、ヤング率1GPa、ポアソン比0.3、物理膜厚75μmのポリイミドのフィルムの一方の面上に、酸化珪素膜3を以下のように形成した。
まず、基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜3を形成した。
次に、基材2の酸化珪素膜3を形成した面と反対の面上に酸化珪素膜4を以下のように形成した。
基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚200nmの酸化珪素膜4を形成し、サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を完成させた。酸化珪素膜4は酸化珪素膜3と等しい成膜条件で形成した。
得られたサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を、大気中で473Kに予め加熱保持しておいたオーブンに投入して1時間保持した後、同温度のオーブンから296Kの大気環境中に取り出し、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の有無を光学顕微鏡で観察したところ、両酸化珪素膜(3及び4)の全面にクラックが発生しており、一部のクラック発生箇所には膜の剥離が確認された。
式(1)からサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1における基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差の絶対値を算出すると0.545GPaの値を得た。基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差が大きかったため、高温環境から室温環境に戻したときに酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生したものと推測される。酸化珪素膜(3及び4)の線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比はそれぞれバルク値とした。
サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1のガスバリア性能の指標として水蒸気透過率を完成の初期、及び上記加熱試験後で測定したところ、それぞれ0.140g/m/day、及び8.226g/m/dayのガスバリア性能を示した。加熱試験後にガスバリア性能が著しく劣化したのは、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差が大きかったため、酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生してガスバリア性を損ねたためと推測される。
<比較例4>
図1に示すように、基材2である、線熱膨張係数30ppm/K、ヤング率1GPa、ポアソン比0.3、物理膜厚75μmのポリイミドのフィルムの一方の面上に、酸化珪素膜3を以下のように形成した。
まず、基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚300nmの酸化珪素膜3を形成した。
次に、基材2の酸化珪素膜3を形成した面と反対の面上に酸化珪素膜4を以下のように形成した。
基材2上に、酸化珪素をプラズマCVD法を利用した真空成膜法によって堆積させ、物理膜厚300nmの酸化珪素膜4を形成し、サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を完成させた。酸化珪素膜4は酸化珪素膜3と等しい成膜条件で形成した。
得られたサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1を、大気中で473Kに予め加熱保持しておいたオーブンに投入して1時間保持した後、同温度のオーブンから296Kの大気環境中に取り出し、酸化珪素膜(3及び4)のクラック、剥離の有無を光学顕微鏡で観察したところ、両酸化珪素膜(3及び4)の全面にクラックが発生しており、一部のクラック発生箇所には膜の剥離が確認された。
式(1)からサンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1における基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差の絶対値を算出すると0.549GPaの値を得た。基材2と酸化珪素膜3(あるいは、基材2と酸化珪素膜4)の間の熱応力差が大きかったため、高温環境から室温環境に戻したときに酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生したものと推測される。酸化珪素膜(3及び4)の線熱膨張係数、ヤング率、ポアソン比はそれぞれバルク値とした。
サンドイッチ構成を有するガスバリアフィルム1のガスバリア性能の指標として水蒸気透過率を完成の初期、及び上記加熱試験後で測定したところ、それぞれ0.129g/m/day、及び7.538g/m/dayのガスバリア性能を示した。加熱試験後にガスバリア性能が著しく劣化したのは、基材2と酸化珪素膜(3及び4)の間の熱応力差が大きかったため、酸化珪素膜(3及び4)にクラック、剥離が発生してガスバリア性を損ねたためと推測される。
本発明の実施の形態によるガスバリアフィルムの一例を示す断面模式図である。
符号の説明
1…ガスバリアフィルム、2…基材、3…酸化珪素膜、4…酸化珪素膜。

Claims (4)

  1. ポリイミド基材の両面上に酸化珪素膜を有するガスバリアフィルムであって、
    温度296Kと473Kの温度間における前記基材の平均の線熱膨張係数が、−10ppm/K以上10ppm/K以下であり、かつ温度296K及び473Kにおける前記基材と酸化珪素膜の間の熱応力の差σdが、下記式(1)で表されるとき、|σd|が0.2GPa以下であることを特徴とする。
    σd=σs+σf・・・(1)
    (ただし、σs=−(Ef/(1−ν))(αf−αs)ΔT/((a/(2t))+(Ef/Es))、σf=(Es/(1−ν))(αf−αs)ΔT/(((2t)/a)+(Es/Ef))、ν=((a/(2t))νs+(Ef/Es)((1+νs)/(1+νf)))/((a/(2t))+((1+νs)/(1+νf))(Ef/Es))、aは基材の物理膜厚、tは酸化珪素膜の物理膜厚、σs及びσfは基材及び酸化珪素膜の熱応力、αs及びαfは基材及び酸化珪素膜の線熱膨張係数、Es及びEfは基材及び酸化珪素膜のヤング率、νs及びνfは基材及び酸化珪素膜のポアソン比、ΔTは温度差を示す。)ることを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 前記酸化珪素膜が真空成膜法により形成されることを特徴とする請求項のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  3. 前記基材の両面上に形成された酸化珪素膜は、2層とも物理膜厚が等しく、かつ2層とも等しい成膜条件で形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のガスバリアフィルムを具備してなることを特徴とするガスバリアフィルム用途部材。

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