JP5239327B2 - 乗り物用シート - Google Patents
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Description
この開示では、乗員がシート本体に着座してシートベルトを着用することにより、このシートベルトの連結具がフロア面側に固定された固定具に機械的に連結されるようになっている。これにより、例えば車両衝突時等の大荷重作用時に、シートベルトに入力された大荷重が、上記固定具を介してフロア側に伝達されるため、強い支持力で受け止められるようになる。
なお、この固定具は、同開示では回転機構の回転ロック用フックとして構成されている。この回転ロック用フックは、上記のようにシートベルトからの荷重入力を受けることによって回転機構と係合しその回転移動を規制する構成となっている。
先ず、第1の発明は、着座部となるシート本体がフロア面上に配設された乗り物用シートである。シート本体とフロア面との間には、シート本体をフロア面に対して水平に回転移動させることのできる回転機構が配設されている。回転機構は、シート本体に対して固定設置された可動側部材が、フロア面に対して固定設置されたベース部材に対して回転可能に支持された構成となっている。更に、シート本体には、着座者の身体を着座姿勢状態に拘束するためのシートベルト装置が配備されている。シートベルト装置は、シート本体に幅方向に掛け渡されるシートベルトの基端部が、第1の連結具によって、シート本体の幅方向の一方側の骨格体側部に連結されている。そして、シートベルト装置は、シートベルトに挿通されたタングプレートを装着してシートベルトを掛け渡した状態に保持するバックルが、第2の連結具によってシート本体の幅方向の他方側の骨格体側部に連結されている。上記のうち少なくとも一方の連結具は、余長を有した可撓性の撓み部材を介してフロア面或いはフロア面と一体的となっているフロア側の配置部材と連結されている。撓み部材は、その余長を有した撓み構造によって、シート本体のフロア面に対する回転移動を許容するようになっている。
この第1の発明によれば、シート本体は、回転機構の可動側部材を、ベース部材に対して回転させる動きによって、フロア面に対して水平に回転移動する。このシート本体は、その骨格体側部に連結された少なくとも一方の連結具が、撓み部材を介してフロア側の配置部材と連結されている。しかし、この連結部材となる撓み部材は、その余長と可撓性を有した構造によって、シート本体のフロア面に対する回転移動量を吸収し、その回転移動を許容する。
この第2の発明によれば、連結具は、通常の着座使用時には、シート本体との連結強度によって、着座者の身体拘束に必要な支持強度を発揮する。この着座者の身体拘束状態は、シート本体が回転移動しても変化しないため、着座者には常にシートベルトによる適切な張力が与えられる。この連結具とシート本体との連結状態は、シートベルトに異常な力で引張られる大荷重が作用することによって外される。しかし、この連結から外れた連結具は、撓み部材の引張強度によって、フロアに対して強い力で受け止められる。したがって、着座者は、上記撓み部材による支持強度によって、シートベルトによって身体拘束された状態に保たれる。
この第3の発明によれば、両連結具は、それぞれ、撓み部材を介してフロア側の配置部材に対して連結された状態となる。
この第4の発明によれば、シート本体は、スライダ機構のアッパレールがロアレールに対してスライド移動する動きによって、フロア面に対して水平に直線移動する。このシート本体がスライド移動する動きは、撓み部材の余長を有した撓み構造によって許容される。
先ず、第1の発明によれば、シートベルト装置のシート本体への連結具のうちの少なくとも一方を、余長を有した可撓性の撓み部材によってフロア側の配置部材と連結したことにより、シートベルトに入力された荷重をフロアに伝達して受け止められるようにしつつ、シート本体の回転移動を許容できるようにすることができる。
更に、第2の発明によれば、シート本体への通常の着座使用時には、連結具とシート本体との連結状態が保たれるようになっているため、シート本体の回転移動を許容しつつ、着座者に常にシートベルトによる適切な張力を与えて身体拘束することができる。そして、シートベルトが異常な力で引張られる大荷重が作用した際には、連結具がシート本体との連結から外されると共に、撓み部材の引張強度によってフロアに対して強い力で受け止められるため、着座者をシートベルトによって身体拘束した状態に保つことができる。
更に、第3の発明によれば、両連結具をそれぞれ撓み部材によってフロア側の配置部材と連結したことにより、シートベルトに入力された荷重を、シート本体の両側の位置で、フロアに対して受け止められるようにすることができる。
更に、第4の発明によれば、回転機構とフロア面との間にスライダ機構を配設し、撓み部材をこのスライダ機構のロアレール或いはフロア面に対して連結したことにより、シート本体をフロア面に対してスライド移動させる動きも、撓み部材の余長を有した撓み構造によって許容することができる。
ここで、図1には、本実施例の乗り物用シートの概略構成が分解斜視図によって示されている。この乗り物用シートは、自動車の助手席用シートとして配置構成されており、シート本体1が車両正面を向いた姿勢でフロア面F上に設置されている。したがって、この状態でシート本体1に乗員が着座すると、乗員も車両正面を向いた姿勢で着座することとなる。
そして、上述したシートクッション1Cの両サイドには、樹脂製のシールド3,3が配設されている。そして、図示向かって右側サイドのシールド3上には、3個の操作レバー4a〜4cが配設されている。これら操作レバー4a〜4cの各機能については、後に詳しく説明する。
なお、シートベルト装置5の構成については、後に詳しく説明する。
ここで、図1に戻って、4節リンク機構10は、シート本体1をフロア面Fに対して水平に回転移動させるための構成となっている。そして、横スライダ機構20,30は、車両の前後方向に互いに間を空けて並べられた一対の構成となっており、シート本体1をフロア面Fに対して車両幅方向にスライド移動させられる構成となっている。そして、縦スライダ機構40,50は、車両幅方向に互いに間を空けて並べられた一対の構成となっており、シート本体1をフロア面Fに対して車両前後方向にスライド移動させられる構成となっている。
これにより、シート本体1は、上記各機構を作動させることによって、フロア面Fに対して水平に回転移動させたり、車両前後方向や幅方向にスライド移動させたりできるようになっている。
具体的には、例えば操作レバー4aの引き上げ操作を行うことにより、各縦スライダ機構40,50をスライドロックしている各ロック装置43,53のロック状態が解除される。これにより、この操作レバー4aの引き上げ操作を維持した状態で、シート本体1を車両前後方向にスライド移動させて、その着座位置の調整を行うことができる。
そして、操作レバー4aの操作をやめることにより、各ロック装置43,53は再びロック状態に戻される。これにより、シート本体1のスライド位置を、その調整移動させた位置に固定することができる。
そして、操作レバー4bの操作をやめることにより、各ロック装置23,33は再びロック状態に戻される。これにより、シート本体1のスライド位置を、その調整移動させた位置に固定することができる。
そして、操作レバー4cの操作をやめることにより、上記した連結装置60やロック装置23は再びロック状態に戻される。これにより、シート本体1の着座向きを、その調整移動させた向きに固定することができる。
ここで、図8に示されるように、シート本体1を回転移動させて車両外側に向けることにより、着座者は自然な着座姿勢で車外の景色を楽しめるようになる。また、図9に示されるように、シート本体1を逆方向に回転移動させて車両内側に向けることにより、着座者は隣り合う運転席側シートの着座者とのコミュニケーションをとり易い姿勢となることができる。
先ず、シートクッション1Cの骨格体2の構成について説明する。
この骨格体2は、全体が枠状にフレームの組まれた構成となっている。具体的には、骨格体2は、その両サイドに、鉄板材からなるサイドフレームFa,Fbが配設された構成となっている。これらサイドフレームFa,Fbは、その上下側の縁部がシート本体1の内側に折り込まれる格好で、縦断面が「コ」符号状となる形状に形成されている。
そして、互いに離間した各サイドフレームFa,Fbの間には、これらを互いを連結するかたちで、鉄鋼製円管状の補強パイプP1〜P3が配設されている。これら補強パイプP1〜P3は、それらの各端部が、各サイドフレームFa,Fbに溶接によって剛結合されている。そして、各サイドフレームFa,Fbと各補強パイプP1〜P3とによって組まれた枠内には、金属製のワイヤWが網目状に張設されている。この網目状のワイヤWの上面部には、図示しないクッションパッドが配設されるようになっている。
この4節リンク機構10は、鉄板材によって形成された2枚のリンクベース11,12と、2本のリンクアーム13,14とが、それぞれ、前後の各横スライダ機構20,30やシートクッション1Cの骨格体2に連結されることによって、全体として4節リンクの構成とされている。ここで、リンクベース11,12が本発明のベース部材に相当し、リンクアーム13,14がそれぞれ本発明の可動側部材に相当する。
ここで、各横スライダ機構20,30は、詳細は後述するが、それぞれ、横長状のロアレール22,32の上部を、アッパレール21,31が幅方向にスライド移動する構成となっている。そして、2枚のリンクベース11,12は、後側の横スライダ機構30のアッパレール31に対して、それぞれ一体的に連結されている。
ここで、アッパレール31に突設された一方側の段付ボルトB1は、リンクベース11を突き抜けて、更に前述した骨格体2の長孔ha内に挿通されることによって底板部taを下側から突き抜けた状態で、その上面側でナットN1により締結されている。これにより、骨格体2(シートクッション1C)も、座面を有する段付ボルトB1の頭部やナットN1によって、アッパレール31から剥離しないように板圧方向に挟み付けられた状態として支持されている。この段付ボルトB1は、長孔haの孔形状の内部をスライド移動することができ、かつ、骨格体2のアッパレール31に対する回転移動を許容することのできる状態としてナットN1に締結されている。
ここで、アッパレール31に突設された一方側の段付ボルトB4は、リンクベース12を突き抜けて、更に前述した骨格体2の長孔hb内に挿通されることによって底板部tbを下側から突き抜けた状態で、その上面側でナットN4により締結されている。これにより、骨格体2(シートクッション1C)も、座面を有する段付ボルトB4の頭部やナットN4によって、アッパレール31から剥離しないように板圧方向に挟み付けられた状態として支持されている。この段付ボルトB4は、長孔hbの孔形状の内部をスライド移動することができ、かつ、骨格体2のアッパレール31に対する回転移動を許容することのできる状態としてナットN4に締結されている。
そして、図1に戻って、このリンクアーム13の前端寄りの面部には、板圧方向に貫通した長孔13hが形成されている。そして、この長孔13h内には、前側の横スライダ機構20のアッパレール21に下側から突き抜けて突設された段付ボルトB6が下側から挿通されている。そして、この段付ボルトB6は、リンクアーム13の上面側で、ナットN6によって締結されている。この段付ボルトB6は、長孔13hの孔形状の内部をスライド移動することができ、かつ、骨格体2とリンクアーム13とアッパレール21との間の相互間の回転移動を許容することのできる状態としてナットN6に締結されている。
そして、リンクアーム14の前側の端部は、骨格体2の底板部tbに上側から突き抜けて突設された段付ボルトB8が挿通されて、その底面側でナットN8によって締結されている。これにより、骨格体2(シートクッション1C)は、座面を有する段付ボルトB8の頭部やナットN8によって、リンクアーム14から剥離しないように板圧方向に挟み付けられた状態で支持されている。この段付ボルトB8は、リンクアーム14の骨格体2に対する回転移動を許容することのできる状態としてナットN8に締結されている。
そして、このリンクアーム14の前端寄りの面部には、板圧方向に貫通した長孔14hが形成されている。そして、この長孔14h内には、前側の横スライダ機構20のアッパレール21に下側から突き抜けて突設された段付ボルトB9が下側から挿通されている。そして、この段付ボルトB9は、リンクアーム14の上面側で、ナットN9によって締結されている。この段付ボルトB9は、長孔14hの孔形状の内部をスライド移動することができ、かつ、骨格体2とリンクアーム14とアッパレール21との間の相互間の回転移動を許容することのできる状態としてナットN9に締結されている。
先ず、ラチェット61は、その周縁部に、円筒状に突出した円筒部61pが形成されている。そして、この円筒部61pの内周面には、内歯61gが形成されている。そして、ラチェット61の円盤部61bには、複数の突出形状のダボ61a・・が形成されている。これらダボ61a・・は、図1に示されるように、リンクアーム13の後板部13Aに形成されたダボ孔13d・・に嵌め込まれた状態で、リンクアーム13に溶着されるようになっている。これにより、ラチェット61は、リンクアーム13と一体的に連結されている。
このガイド62の円盤部62bには、十字状に窪んだガイド溝62dが形成されている。そして、このガイド溝62dの溝内部には、ポール63,63や押引カム64がスライド移動可能にガイドされた状態で収容されている。これにより、ポール63,63は、図5に示されるようにガイド溝62dの溝形状に沿って図示上下方向にのみスライド移動可能となるように支持されている。そして、押引カム64は、ガイド溝62dの溝形状に沿って図示左右方向にのみスライド移動可能となるように支持されている。
そして、図4に戻って、ガイド62の円盤部62bには、複数の突出形状のダボ62a・・が形成されている。これらダボ62a・・は、図1に示されるように、リンクベース11に形成されたダボ孔11d・・に嵌め込まれた状態で、リンクベース11に溶着されるようになっている。これにより、ガイド62は、リンクベース11と一体的に連結されている。
これらポール63,63は、ガイド62に対しては、半径方向の内外方向、すなわち図示上下方向にしかスライド移動できないようにガイドされている。したがって、各ポール63,63が押引カム64に押圧されてラチェット61の内歯61gと噛合することにより、各ポール63,63を介してラチェット61のガイド62に対する相対回動は規制された状態となる。これにより、連結装置60が回転ロックされた状態となる。また、各ポール63,63が押引カム64に引き込まれて内歯61gとの噛合状態から外されることにより、ラチェット61のガイド62に対する相対回動は許容された状態となる。これにより、連結装置60の回転ロックが解除された状態となる。
上記した巻きバネ67の外端は、ガイド62の円盤部62bに突出形成されたバネ掛部62tに掛着されている。これにより、回転カム65は、この巻きバネ67からの回転附勢力を受けて、常時は図5に示されるように押引カム64を図示左方向にスライド移動させて、各ポール63,63の外歯63g,63gをラチェット61の内歯61gに押し付けて噛合させた状態として保持している。
ここで、操作軸は、図1に示されているリンクベース11やリンクアーム13に形成された各貫通孔11h,13jや、図4に示されているラチェット61やガイド62に形成された各貫通孔61h,62hに挿通されて設けられている。そして、この図示しない操作軸は、前述した操作レバー4cと繋がれており、操作レバー4cの引き上げ操作によって、連結装置60の回転ロックを解除する方向に回転操作されるようになっている。
したがって、このセットプレート66の組み付けによって、ラチェット61とガイド62とが板圧方向に剥離しないように保持されるようになっている。
したがって、上記構成の連結装置60を4節リンク機構10の回転ロック装置として用いることにより、上述した歯と歯の噛合いピッチ(2度)毎に小刻みに4節リンク機構10の回転ロックを行えるようになっている。
すなわち、前側の横スライダ機構20は、車両幅方向に延びる長尺状のロアレール22と、このロアレール22の断面形状に沿って車両幅方向にスライド移動するアッパレール21とから構成されている。このアッパレール21は、図6に示されるように、ロアレール22との嵌合構造によって、ロアレール22から上方側に引き抜かれる剥離移動が防止された構成となっている。
そして、このアッパレール21には、ロアレール22との間に、ロアレール22に対するスライド移動をロック可能なロック装置23が設けられている。このロック装置23は、アッパレール21やロアレール22に形成された係合孔21h,22hに入り込むことのできる爪部材23tを備えた構成となっている。
この爪部材23tには、図1において前述した操作レバー4bや操作レバー4cの引き上げ操作によって押し下げ操作される操作部23rが設けられている。そして、図6に示されるように爪部材23tは、操作部23rが押し下げ操作されることによって、各係合孔21h,22hから脱した姿勢へと切り換えられる。これにより、アッパレール21のロアレール22に対するスライドロック状態が解除される。
この後側の横スライダ機構30は、車両幅方向に延びる長尺状のロアレール32と、このロアレール32上を車両幅方向にスライド移動するアッパレール31とから構成されている。そして、図6に示されるように、このアッパレール31には、スライドロック用のロック装置33が設けられている。このロック装置33は、アッパレール31やロアレール32に形成された係合孔31h,32hに入り込むことのできる爪部材33tを備えている。この爪部材33tには、図1において前述した操作レバー4bの引き上げ操作によって押し下げ操作される操作部33rが設けられている。したがって、爪部材33tは、操作部33rが押し下げ操作されることによって、各係合孔31h,32hから脱してスライドロックを解除した姿勢へと切り換えられる。
この縦スライダ機構40(50)は、車両前後方向に延びる長尺状のロアレール42(52)と、このロアレール42(52)上を車両前後方向にスライド移動するアッパレール41(51)とから構成されている。そして、図6に示されるように、このアッパレール41(51)には、スライドロック用のロック装置43(53)が設けられている。このロック装置43(53)は、アッパレール41(51)やロアレール42(52)に形成された係合孔41h,42h(51h,52h)に入り込むことのできる爪部材43t(53t)を備えている。この爪部材43t(53t)には、図1において前述した操作レバー4aの引き上げ操作によって押し下げ操作される操作部43r(53r)が設けられている。したがって、爪部材43t(53t)は、操作部43r(53r)が押し下げ操作されることによって、各係合孔41h,42h(51h,52h)から脱してスライドロックを解除した姿勢へと切り換えられる。
詳しくは、各横スライダ機構20,30のロアレール22,32には、それらの両端側の底面部に、段付ボルトB10〜B15がそれぞれ上側から突き抜けて突設されている。そして、これら段付ボルトB10〜B15は、各縦スライダ機構40,50のアッパレール41,51上に配設された各屋根部材44,54に上側から挿通されて、これら屋根部材44,54の底面側で図示しないナットによってそれぞれ締結されている。ここで、各屋根部材44,54は、図示しないボルト及びナットの締結によって、各アッパレール41,51と一体的に結合されている。これにより、各ロアレール22,32、座面を有する段付ボルトB10〜B15の頭部やナット(図示省略)によって、各屋根部材44,54から剥離しないように板圧方向に挟み付けられた状態で支持されている。
上記構成のシート本体1は、図2に示されるように、各操作レバー4a〜4cを操作する前の初期状態では、車両正面を向いた姿勢状態に固定できるようになっている。
このシート本体1の回転移動は、4節リンク機構10の両リンクアーム13,14が各リンクベース11,12に対して回転移動する動きによって行われる。このとき、両リンクアーム13,14は、それらの長孔13h,14hの内部に挿通された各段付ボルトB6,B9に回転方向の押圧力を付与しながら回転移動する。これにより、前側の横スライダ機構20のアッパレール21は、各段付ボルトB6,B9に押動されて、各リンクアーム13,14の回転移動に追従する格好で幅方向にスライド移動する。
このアッパレール21は、図8に示されるようにシート本体1が車両外側に7度回転した移動時において、図7の初期状態からロアレール22に対して40mm車両外側にスライド移動するようになっている。そして、アッパレール21は、図9に示されるようにシート本体1が車両内側に10度回転した移動時において、図7の初期状態からロアレール22に対して85mm車両内側にスライド移動するようになっている。
これら長孔13h,14hの形状は、各リンクアーム13,14が回転移動する動きによってアッパレール21を幅方向にスライド移動させられるように、それぞれ円弧状に斜めに湾曲した形状に形成されている。
そして、シート本体1が回転移動する時には、シートクッション1Cの骨格体2の後端部を後側の横スライダ機構30に対して剥離防止可能に連結している各段付ボルトB1,B4が、この骨格体2に形成された各長孔ha,hbの内部をスライド移動する。これにより、シート本体1が後側の横スライダ機構30に対して相対回転する動きが逃がされるようになっている。
すなわち、シートベルト5sは、着座者の身体を拘束することのできる可撓性帯状の構成とされており、シートバック1Bの図示右側の肩口(引出口Bo)から引き出されるようになっている。このシートベルト5sは、その帯体の下端側の基端部に取り付けられた金属製の取付プレートsaが、骨格体2の図示向かって右側のサイドフレームFaに対して、連結ピン6aを挿通してカシメ固定することによって締結されている。これにより、シートベルト5sの基端部は、骨格体2に連結されて支持された状態となっている。このシートベルト5sは、引張り強さに優れたポリエステル繊維が編み込まれて構成されている。
ここで、取付プレートsa及び連結ピン6aが本発明の第1の連結具に相当する。
そして、このタングプレート5tをシートベルト5sを引き出した際に装着する金属製のバックル5bは、シート本体1の図示向かって左側の側部位置に配設されている。このバックル5bは、その下端部に取り付けられた金属製の取付プレートbpが、骨格体2の図示向かって左側のサイドフレームFbに対して、連結ピン6bを挿通してカシメ固定することによって締結されている。これにより、タングプレート5tは、骨格体2に連結されて支持された状態となっている。
ここで、取付プレートbp及び連結ピン6bが本発明の第2の連結具に相当する。
詳しくは、各ウェビング7a,7bは、それらの下端部に取り付けられた金属製のアンカープレート8a,8bが、各ロアレール42,52の下面部に固定設置された金属製の固定ブラケット9a,9bに対して、段付ボルトBa,Bbを挿通してナットNa,Nbを締結することによってそれぞれ固定されている。
これにより、各ウェビング7a,7bは、それらの下端部が、各ロアレール42,52に連結されて支持された状態となっている。これらウェビング7a,7bは、引張り強さに優れたポリエステル繊維が編み込まれて構成されている。
ここで、各固定ブラケット9a,9bが本発明のフロア側の配置部材に相当する。これら固定ブラケット9a,9bは、板材がL字状に折り曲げられて形成されており、そのL字の角部が各ロアレール42,52の外下側の角部に当て交われた状態で溶着されて一体的に固定されている。
したがって、これらウェビング7a,7bの余長を有した撓み構造によって、シート本体1の回転移動やスライド移動が許容されるようになっている。なお、同図には、シート本体1が車両内側に回転移動した状態が一点鎖線で示されており、車両内側にスライド移動した状態が二点鎖線で示されている。
したがって、この場合には、シートベルト5sにかかる大荷重は、各取付プレートsa,bpに取り付けられた各ウェビング7a,7bの引張強度によって、フロア面F上に固定設置された各縦スライダ機構40,50のロアレール42,52に対して強い力で受け止められることとなる。
なお、本実施例の使用方法については、図1において前述した各操作レバー4a〜4cの引き上げ操作をして、シート本体1をスライド移動させたり回転移動させたりする構成によって説明されているため、省略する。
例えば、上記実施例で示した乗り物用シートは、自動車等車両以外にも、航空機や船舶等の乗り物用のシートとして適用することができる。
また、横スライダ機構とフロア面との間に縦スライダ機構が配設された構成を例示したが、縦スライダ機構のない構成であってもよい。また、このとき、横スライダ機構に代えて縦スライダ機構を採用し、4節リンク機構をこの縦スライダ機構の配設向きに合わせて配設するようにしても、4節リンク機構の回転運動によってシート本体を回転移動させることができる。この場合には、縦スライダ機構が本発明のスライダ機構に相当することとなる。
また、回転機構として4節リンク機構を例示したが、シート本体に固定設置された可動側部材がフロア面に対して固定設置されたベース部材に対して回動可能に軸支連結された構成となっている他の機構を適用することもできる。
また、撓み部材であるウェビングの下端部(アンカーブラケット)は、少なくともシート本体が回転移動する際にフロアとの連結状態を維持することのできるフロア側の構造物であれば、縦スライダ機構のロアレール以外の箇所にも組み付けることができる。このようなフロア側の構造物としては、例えば、縦スライダ機構のアッパレールや、横スライダ機構のアッパレール又はロアレール、それから4節リンク機構のベース部材であるリンクベースなどの部材が挙げられる。好ましくは、ウェビングの下端部が上記したフロア面上に固定設置された部材に対してではなく、フロア面に対して直接的に連結されていると、より高い支持強度を有した構造とすることができる。
また、シートベルト装置をシート本体に連結するための両側の取付ブラケットがウェビングによってフロア側の配置部材とそれぞれ連結された構成を示したが、その一方のみがフロア側の配置部材と連結されている構成であってもよい。但し、この場合には、シートベルトに入力された大荷重が、フロアに対しては一方側からしか支持されない構成となるため、支持強度の確保に留意が必要である。
1B シートバック
Bo 引出口
1C シートクッション
1H ヘッドレスト
2 骨格体
Fa,Fb サイドフレーム
ta,tb 底板部
ha,hb 長孔
P1〜P3 補強パイプ
W ワイヤ
3 シールド
4a〜4c 操作レバー
5 シートベルト装置
5s シートベルト
sa 取付プレート(第1の連結具)
sb ストッパ
5t タングプレート
5b バックル
bp 取付プレート(第2の連結具)
6a,6b 連結ピン(第1の連結具,第2の連結具)
7a,7b ウェビング(撓み部材)
8a,8b アンカープレート
Ba,Bb 段付ボルト
Na,Nb ナット
9a,9b 固定ブラケット(フロア側の配置部材)
10 4節リンク機構(回転機構)
11 リンクベース(ベース部材)
11h 貫通孔
11d ダボ孔
12 リンクベース(ベース部材)
13 リンクアーム(可動側部材)
13A 後板部
13B 前板部
13d ダボ孔
13h 長孔
13j 貫通孔
14 リンクアーム(可動側部材)
14A 後板部
14B 前板部
14h 長孔
20 横スライダ機構(スライダ機構)
21 アッパレール
21h 係合孔
22 ロアレール
22h 係合孔
23 ロック装置
23t 爪部材
23r 操作部
30 横スライダ機構(スライダ機構)
31 アッパレール
31h 係合孔
32 ロアレール
32h 係合孔
33 ロック装置
33t 爪部材
33r 操作部
40 縦スライダ機構(スライダ機構)
41 アッパレール
41h 係合孔
42 ロアレール
42h 係合孔
43 ロック装置
43t 爪部材
43r 操作部
44 屋根部材
50 縦スライダ機構(スライダ機構)
51 アッパレール
51h 係合孔
52 ロアレール
52h 係合孔
53 ロック装置
53t 爪部材
53r 操作部
54 屋根部材
60 連結装置
61 ラチェット
61b 円盤部
61p 円筒部
61g 内歯
61a ダボ
61h 貫通孔
62 ガイド
62b 円盤部
62p 円筒部
62d ガイド溝
62a ダボ
62h 貫通孔
62t バネ掛部
63 ポール
63g 外歯
63t 掛部
63s 脚部
64 押引カム
64h 貫通孔
64s 肩部
64c フック
65 回転カム
65a バネ掛部
65b 凸部
66 セットプレート
66a 保持板部
66b 保持板部
67 巻きバネ
F フロア面
N1〜N9 ナット
B1〜B15 段付ボルト
Claims (4)
- 着座部となるシート本体がフロア面上に配設された乗り物用シートであって、
前記シート本体と前記フロア面との間には前記シート本体を前記フロア面に対して水平方向に回転移動させることのできる回転機構が配設されており、該回転機構は前記フロア面上に固定設置されたベース部材と、該ベース部材に回転可能に支持された状態として前記シート本体に固定設置された可動側部材と、を有する構成とされ、
前記シート本体には着座者の身体を拘束するためのシートベルト装置が配備されており、該シートベルト装置はその前記シート本体に幅方向に掛け渡されるシートベルトの基端部が第1の連結具によって前記シート本体の幅方向の一方側の骨格体側部に連結され、前記シートベルトに通されたタングプレートが装着されるバックルが第2の連結具によって前記シート本体の幅方向の他方側の骨格体側部に連結された構成となっており、
前記少なくとも一方の連結具は余長を有した可撓性の撓み部材を介して前記フロア面と一体的に構成されるフロア側の配置部材と連結されており、前記撓み部材の余長を有した可撓構造によって前記シート本体の前記フロア面に対する回転移動が許容されるようになっており、
前記撓み部材は、前記シート本体が回転移動する前の初期位置にある状態において、その前記シート本体の骨格体側部に対する連結部と、前記フロア側の配置部材に対する連結部と、が互いにシート幅方向にずれた配置関係とされ、かつ、前記シート本体の水平方向の双方向への回転移動を許容できるように弛んだ状態として配設されていることを特徴とする乗り物用シート。 - 請求項1に記載の乗り物用シートであって、
前記撓み部材を介して連結された前記少なくとも一方の連結具は、前記シート本体の骨格体側部との連結強度によって通常時の着座者の身体拘束に必要な支持強度を発揮するようになっているが、前記シートベルトが異常な力で引張られる大荷重が作用した時には前記少なくとも一方の連結具と前記シート本体の骨格体側部との連結が外されて、前記シートベルトにかかる大荷重が前記フロア側の配置部材と連結された前記撓み部材の引張強度によってフロアに対して受け止められるようになっていることを特徴とする乗り物用シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の乗り物用シートであって、
前記撓み部材を介して前記フロア側の配置部材と連結される連結構造が前記両側の連結具の連結構造に適用されていることを特徴とする乗り物用シート。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の乗り物用シートであって、
前記回転機構と前記フロア面との間には前記シート本体を前記フロア面に対して水平方向に直線移動させることのできるスライダ機構が配設されており、
該スライダ機構は、その下層側の面上に固定設置される長尺状のロアレールに対してアッパレールが前記ロアレールの断面形状に沿って長手方向にスライド移動可能となるように嵌め込まれた構成となっており、
前記撓み部材が連結される前記フロア側の配置部材は前記フロア面或いは該フロア面上に固定設置された前記ロアレールと一体的に設けられており、前記ロアレールに対して前記アッパレールがスライド移動する動きも前記撓み部材の余長を有した可撓構造によって許容されるようになっていることを特徴とする乗り物用シート。
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