以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す概略断面図である。なお、本実施形態においては画像形成装置の一例として複合機を例示している。
図1に示すように、画像形成装置(装置本体)100は、いわゆる胴内排紙型のデジタル複合機であって、大きくは、本体ハウジング20と、その上部に配設された上ハウジング21と、より構成されている。この上ハウジング21には、原稿の画像を電気信号として読み取るための後述する各種機構が設けられ、上ハウジング21の上部には原稿搬送装置3が付設されている。他方、本体ハウジング20には、読み取った原稿画像の電気信号に基づいて用紙に画像を転写、定着するための後述する各種機構が設けられている。
本実施形態では、本体ハウジング20は、下ハウジング20aと、その上方で右側部に沿って位置し上ハウジング21に連結される連結ハウジング20bと、より構成され、下ハウジング20aには、用紙(記録媒体)Pの給紙部4や、用紙P上にトナー画像を形成する画像形成部6や、用紙上のトナー画像を定着するための定着装置7等が設けられ、他方、連結ハウジング20bには、定着後の用紙Pを搬送して本体ハウジング20から排出するための用紙排出部19が設けられている。
また、上ハウジング21の直下における連結ハウジング20bの左側方には、左側面及び正面に向けて大きく開放された胴内排紙空間(胴内排出空間)22が形成されており、この胴内排紙空間22には、連結ハウジング20bの左側面から排出される用紙Pを受け取って積載する排出トレイ25が配置されている。
本体ハウジング20内には、下部に配設された給紙部4と、この給紙部4の側方および上方に配設された用紙搬送路(搬送路)5と、給紙部4の上方に配設された画像形成部6と、この画像形成部6の用紙搬送方向下流側(図の右側)に配設された定着装置7とが備えられている。
給紙部4には、用紙搬送方向下流側に給紙ローラ等の分離給送手段が設けられた複数の給紙カセット4aが備えられている。この給紙カセット4aに載置された用紙Pの束は、給紙ローラの回転動作によって、最上位の用紙Pから1枚ずつ用紙搬送路5に給紙され、給紙部4から給紙された用紙Pは、各搬送ローラ対5aによって用紙搬送路5に沿って画像形成部6へと搬送される。
画像形成部6及び定着装置7は、装置本体100の内部で用紙搬送方向と直交する幅方向(前後方向、図1の紙面に直交する方向)に細長く配設され、下ハウジング20a内の上部において図2における左側から画像形成部6、定着装置7の順に用紙Pの搬送方向(左から右方向)に沿って並設されている。
画像形成部6は、電子写真プロセスによって、用紙P上に所定のトナー像を形成するものであり、回転可能に軸支された像担持体である感光体ドラム10と、この感光体ドラム10の周囲にその回転方向に沿って配設される帯電装置11、露光装置12、現像装置13、転写装置14、クリーニング装置15及び不図示の除電装置を備えている。定着装置7は、画像形成部6においてトナー像が転写された用紙Pを、加熱ローラと加圧ローラとからなる一対の定着ローラ7aに挟持させて加熱及び加圧して、未定着トナー像を用紙P上に定着させるものである。
上ハウジング21内には、画像読取部8が設けられている。画像読取部8は、原稿の画像情報を読み取るものであり、1枚ずつの原稿を手置きで読み取らせる場合には、原稿搬送装置3を開いて上ハウジング21の上面に設けられたコンタクトガラス8a上に原稿を載置し、原稿束から1枚ずつを自動的に読み取らせる場合には、原稿束を、閉じた状態の原稿搬送装置3の給紙トレイ上3aに載置する。原稿束が給紙トレイ3a上に載置された場合は、当該原稿束から1枚ずつの原稿が自動的に順次コンタクトガラス8a上に送り込まれるようになっている。いずれの場合でもコンタクトガラス8a上に位置した原稿に、不図示の露光ランプから光が照射され、その反射光は画像光として不図示の反射鏡及び結像レンズ等の光学系を介して光電変換部(CCD)へ導かれる。
以下、上記のように構成された画像形成装置100の基本的な動作を説明する。先ず、図1で反時計回りに回転する感光体ドラム10の表面が帯電装置11によって一様に帯電され、引き続き画像読取部8で読み取られた画像情報に基づいて露光装置12(レーザー装置等)からのレーザービームが感光体ドラム10の周面に照射され、これによって感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に現像装置13から現像剤としてのトナーが供給されることによりトナー像が形成される。
次いで、給紙部4からの用紙Pは、用紙搬送路5を通りレジストローラ9によってトナー像が形成された感光体ドラム10に向けて搬送され、ここで転写ローラ等からなる転写装置14により感光体ドラム10の表面のトナー像が用紙Pに転写される。そして、トナー像が転写された用紙Pは感光体ドラム10から分離され、定着装置7に向けて搬送され、定着ローラ7aを通過することによる加熱処理でトナー像が定着される。
トナー像の用紙Pへの転写処理が完了した感光体ドラム10は、クリーニング装置15で周面に残留している残留トナーが取り除かれた後、除電装置(不図示)で残留電荷を除去する除電処理が施され、その後、帯電装置11により再び周面に帯電処理が施され、以下同様にして画像形成が行われることとなる。
そして、定着装置7を通過した用紙Pは、そのまま垂直上方に向き連結ハウジング20b内に搬送される。用紙搬送路5の上部は連結ハウジング20b内では、左方に向かって上下2つに分岐しており、分岐部17に配置された切換部材(案内手段)18によって、用紙Pの搬送方向が切り替えられるようになっている。
この連結ハウジング20b内には、用紙排出部19が設けられている。用紙排出部19は、一対の第1排出ローラ(第1の排出手段)19aと、該第1排出ローラ19aの直下に配置された一対の第2排出ローラ(第2の排出手段)19bと、を有しており、定着装置7から搬送された用紙Pが切換部材18によって第1排出ローラ19a若しくは第2排出ローラ19bに案内される。なお、かかる切換部材18の詳細は後述する。
排出トレイ25は、上段トレイ(上段のトレイ)25aと下段トレイ(下段のトレイ)25bとから構成されており、切換部材18によって上方の搬送路に案内された用紙Pは、第1排出ローラ19aから左方に排出され、上段トレイ25aに排出される。一方、切換部材18によって下方の搬送路に案内された用紙Pは、第2排出ローラ19bによって左方に排出され、下段トレイ25bに排出される。
次に、排出トレイ25に排出された用紙Pの冷却動作について説明する。図2は、図1の連結ハウジング及び排出トレイの周辺を示す部分拡大断面図であり、図3は、排気部周辺の構成を前面側から見た概略斜視図であり、図4は、概略上面図である。図1と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
図2に示すように、排出トレイ25の背面側(図2の奥側、図4の上側)には、装置本体の背面部100a(図4参照)に設けられた不図示の換気口に沿って排気部(排気手段)30が配置されている。排気部30には、排気ファン31が設けられており、排気部30の前面側には、排気部30から、第1ダクト33及び第2ダクト(ダクト)35が延設されている。
第1ダクト33及び第2ダクト35は、排気部30に接続されると共に、互いに接続されている、すなわち、第1及び第2ダクト33、35は、排気部30と連通すると共に、互いに連通している。また、第1ダクト33及び第2ダクト35は、前面側(図2の手前側、図4の下側)に向かって開口している。
第1ダクト33は、用紙Pの排出方向(図2の左右方向)において、分岐部17の周辺と対向する位置に設けられており、画像形成部6や定着装置7によって下ハウジング20a(図1参照)で発生した熱や、画像読取部8によって上ハウジング21(図1参照)で発生した熱を、排気部30に案内するようになっている。そして、第1ダクト33から排気部30に案内された熱を排出部30によって装置本体外側へと排気することにより、装置本体内が冷却されるようになっている(図3、図4の白抜き矢印参照)。
第2ダクト35は、用紙Pの排出方向において、排出トレイ25と対向する位置に設けられており、第2ダクト35の上下方向略中央部が上側トレイ25aの底面部と略同じ位置となるように配置されている。これにより、第2ダクト35の上側部が上側トレイ25aに排出された用紙Pの熱を排気部30に案内し、下側部が下側トレイ25bに排出された用紙Pの熱を排気部30に案内できるようになっている(図3、図4の白抜き矢印参照)。
図3及び図4に示すように、第2ダクト35の前面側には、シャッター(開閉手段)37が設けられている。シャッター37は、板状部材から成り、上下方向において第2ダクト35の略中央部、すなわち、上側トレイ25aの底面部と略同じ位置に、用紙Pの排出方向(図4の左右方向)沿って回転自在に支持された支点37aを有している。すなわち、シャッター37は、支点37aを中心として上下方向に揺動可能に支持されている。
装置本体の前後方向(用紙Pの排出方向とは垂直方向)に対しシャッター37の支点37aよりも背面側端部(ダクト側端部)37bは、略矩形状に形成され、第2ダクト35内に挿入されている。背面側端部37bの幅は、第2ダクト35の開口幅と略同じ長さに設定されている。
また、背面側端部37bの支点37aからの長さは、シャッター37が、背面側端部37bが下方に回動する第1の位置に揺動するとき、背面側端部37bの先端が第2ダクト35の内壁下端から上方に突設された下側壁部35bと当接し(図7、図8参照)、背面側端部37bが上方に回動する第2の位置に揺動するとき、背面側端部37bの先端が第2ダクト35の内壁上端から上方に突設された上側壁部35aと当接する(図5、図6参照)ことができるような長さに設定されている。
これにより、背面側端部37bの先端が下側壁部35bと当接すると、第2ダクト35の下側部(下側トレイ25bと対向する部分)を遮蔽することができ、上側壁部35aと当接すると、第2ダクト35の上側部(上側トレイ25aと対向する部分)を遮蔽することができる。
装置本体の前後方向に対しシャッター37の支点37aよりも前面側端部(ダクトとは反対側端部)37cは、略矩形状に形成され、背面側端部37bと対向する位置から第2ダクト35よりも排出方向上流側(図4の右側)まで延出されている。すなわち、前面側端部37cの幅は、第2ダクト35の開口よりも、上流側に向かって大きな長さに設定されている。
前面側端部37cの支点37aからの長さは、背面側端部37bの支点37aからの長さよりも小さく設定されており、シャッター37が第1の位置に揺動するとき、支軸37aよりも上方に位置する前面側端部37cが第2ダクト35の上側トレイ25aと対向する部分を開放しており、第2の位置に揺動するとき、支軸37aよりも下方に位置する前面側端部37cが第2ダクト35の下側トレイ25bと対向する部分を開放しているような長さに設定されている。
これにより、シャッター37が第1の位置に揺動すると、上側トレイ25aに排出された用紙Pの熱を選択的に排気し、第2の位置に揺動すると、下側トレイ25bに排出された用紙Pの熱を選択的に排気することができる。また、また、支点37aが、シャッター37の前後方向に対し中央部よりも前面側に配置されているため、前面側端部37cが後述するリンク部材39の下流側端部39aによって下方に押圧されていない状態では、自重により背面側端部37bが下方に落下し、シャッター37は、第1の位置に揺動する。
用紙Pの排出方向に対しシャッター37の上流側には、排出方向に沿って、リンク部材(リンク手段)39が配置されている。リンク部材39は、切換部材18のシャフト(支軸)18aの背面側端部に支持されている。シャフト18aの背面側端部には、軸方向に見て十字状の突出部が形成され、リンク部材39には、かかる突出部と同形状の穴部が形成されており、突出部が穴部に係合することにより、リンク部材39がシャフト18aに支持されるようになっている。
また、シャフト18aは、用紙Pの排出方向(搬送方向)とは垂直方向に沿って回転自在に支持されており、シャフト18aの回転に伴って、リンク部材39は、後述する切換部材18の回動と共に上下方向に揺動、すなわちリンク部材39のシャフト18aよりも排出方向下流側端部39aが上下方向に回動可能に支持されている。
また、下流側端部39aは、下方に回動することにより、シャッター37の前面側端部37cを下方に押圧できるような位置に配置されている。そして、リンク部材39の揺動により、リンク部材39の排出方向上流側端部39bが下方に回動すると共に下流側端部39aが上方に回動すると、下流側端部39aが前面側端部37cを下方に押圧せず(押圧解除、図5、図6参照)、上流側端部39bが上方に回動すると共に下流側端部39aが下方に回動すると、下流側端部39aが前面側端部37cを下方に押圧するようになっている(図7、図8参照)。
また、リンク部材39の排出方向中央部よりも上流側が、シャフト18aに支持されており、下流側端部39aのシャフト18aからの長さは、上流側端部39bのシャフト18aからの長さよりも大きく設定されている。
また、シャフト18aは、巻きバネから成るバネ部材(付勢手段)42(図4参照)によって、図3の時計回り方向、すなわち、下流側端部39aが上方に、上流側端部39bが下方に回動するように(図5、図6参照)付勢されており、上流側端部39bが後述するソレノイド41のプランジャ41aにより上方に押圧されていない状態では、下流側端部39aのシャッター37の前面側端部37cに対する下方への押圧が解除されている。
切換部材18は、シャフト18aと、シャフト18aに軸方向に沿って複数設けられた爪部(案内部)18bと、を有している。なお、爪部18bの動作は全て同様であるため、図4では、最も背面側に設けられた爪部18bのみを示す。図4及び図5に示すように、シャフト18aには、爪部18bの上端部が支持されており、該上端部からは、フラグ18cが上方に突設されている。
かかるフラグ18cがPIセンサから成る不図示の検知センサに検知されることにより、用紙Pが第1及び第2排出ローラ19a、19b(図2参照)のいずれに向かって搬送され、上段及び下段トレイ25a、25bのいずれに排出されるかを検知することができるようになっている。なお、かかる検知として、その他の検知方法を用いることもできる。
また、シャフト18aが図3の時計回りに回転し、リンク部材39の下流側端部39aが上方に回動するとき、爪部18bが下方に回動し(図5、図6参照)、用紙Pを第1排出ローラ19a(図2参照)に案内する。一方、シャフト18aが図3の反時計回りに回転し、リンク部材39の下流側端部39aが下方に回動するとき(図7、図8参照)、爪部18bが上方に回動し、用紙Pを第2排出ローラ19b(図2参照)に案内するようになっている。
リンク部材39の上流側端部39bの下方には、上下方向に出没可能なプランジャ41aを有するソレノイド(駆動手段)41が配置されている。ソレノイド41は、押圧式から成り、ソレノイド41が作動停止すると、プランジャ41aがソレノイド41に没入し、作動すると、プランジャ41aがソレノイド41から突出するようになっている。また、プランジャ41aがソレノイド41から突出すると、プランジャ41aの先端が上流側端部39bを上方に押圧できるようになっている。
これにより、ソレノイド41が作動停止している状態では、プランジャ41aは上流側端部39bを上方に押圧していないため、リンク部材39は、バネ部材42(図4参照)の付勢力により下流側端部39aが上方に回動するように揺動している。一方、ソレノイド41が作動すると、突出するプランジャ41aがバネ部材42の付勢力に抗して上流側端部39bを上方に押圧することにより、リンク部材39は、下流側端部39aが下方に回動するように揺動することができる。
次に、排出トレイ25に排出された用紙Pを選択的に冷却する動作について説明する。図5は、ソレノイドの作動が停止しているときのシャッターの状態を示す概略側面図であり、図6は、図5の左から見た図である。また、図7は、ソレノイドが作動しているときのシャッターの状態を示す概略側面図であり、図8は、図7の左から見た図である。図2〜図4と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
ここでは、例えば、不図示の制御部により、通常時には、用紙Pが上段トレイ25aに排出されるように設定し、ユーザが不図示の操作パネルを操作することにより用紙Pが下段トレイ25bに排出されるように設定した。
用紙Pが上段トレイ25aから排出されるとき、図5及び図6に示すように、ソレノイド41が作動停止している。このとき、プランジャ41aはソレノイド41に没入している(図の実線矢印参照)。また、シャフト18aがバネ部材42(図4参照)により図の時計回り方向に付勢されており、爪部18bが下方に回動すると共に、リンク部材39が、下流側端部39aが上方に回動するように揺動している(図の一点鎖線矢印参照)。
爪部18bが下方に回動することにより、定着装置7(図2参照)から搬送された用紙Pは爪部18bの右側面に沿って移動し、第1排出ローラ19aから上段トレイ25aに排出される(図2参照)。また、リンク部材39の下流側端部39aはシャッター37の前面側端部37cを下方に押圧しておらず、シャッター37は自重により第1の位置に揺動している(図5、図6の破線矢印参照)。
かかるシャッター37の揺動により、第2ダクト35において上段トレイ25aと対向する上側部が開放されると共に、下段トレイ25aと対向する下側部が遮蔽される。これにより、上段トレイ25aに排出された用紙Pの熱が第2ダクト35から排気部30に案内され、排気部30によって装置本体の外側に排気される。このように、上段トレイ25aに排出された用紙Pの熱を選択的に排気することができる(図6の白抜き矢印参照)。
一方、用紙Pが下段トレイ25bに排出されるように設定されると、不図示の制御部による制御を受けて、図7及び図8に示すように、ソレノイド41が作動する。ソレノイド41の作動により、プランジャ41aはソレノイド41から突出する(図の実線矢印参照)。
かかるプランジャ41aの突出によりリンク部材39の上流側端部39bが上方に押圧されると、リンク部材39は、バネ部材42(図4参照)の付勢力に抗して下流側端部39aが下方に回動するように揺動する(図の一点鎖線矢印参照)。かかるリンク部材39の揺動に伴って、シャフト18aが図の反時計回りに回転し、これに伴って爪部18bが上方に回動する(図の一点鎖線矢印参照)。
爪部18bが上方に回動することにより、定着装置7(図2参照)から搬送された用紙Pは爪部18bの左側面に沿って移動し、第2排出ローラ19bから下段トレイ25bに排出される(図2参照)。また、リンク部材39の下流側端部39aが下方に回動することにより、シャッター37の前面側端部37cを下方に押圧し、シャッター37は自重に抗して第2の位置に揺動する(図7、図8の破線矢印参照)。
かかるシャッター37の揺動により、第2ダクト35において下段トレイ25bと対向する下側部が開放されると共に、上段トレイ25aと対向する上側部が遮蔽される。これにより、下段トレイ25bに排出された用紙Pの熱が第2ダクト35から排気部30に案内され、排気部30によって装置本体の外側に排気される。このように、下段トレイ25bに排出された用紙Pの熱を選択的に排気することができる(図8の白抜き矢印参照)。
なお、上記とは逆に、用紙Pが下段トレイ25bに排出される設定から、用紙Pが上段トレイ25aに排出される設定に切り換わったときには、作動していたソレノイド41が作動停止することにより、上記した図7及び図8の状態から、上記した図5及び図6の状態となる。これにより、上段トレイ25aに排出された用紙Pの熱が選択的に排気される。
上記した通り、排気部30と、第2ダクト35と、支点37aを中心として第1の位置と第2の位置との間で揺動するシャッター37と、シャッター37の前面側端部37cと切換部材18とを連動させるリンク部材39と、を設け、ソレノイド41により切換部材18が用紙Pを第1排出ローラ19aに案内するとき、シャッター37が第1の位置に揺動し、第2排出ローラ19bに案内するとき、シャッター37が第2の位置に揺動することとした。
これにより、上段または下段トレイ25a、25bに排出された用紙Pの熱を選択的に排気できるため、排出トレイ25に排出された用紙Pの熱により排出トレイ25周辺の構成部材が昇温することを、効率的に防止することが可能となる。
また、本実施形態では、切換部材18を、シャフト18aと該シャフト18aに支持された爪部18bとを有し、爪部18bが下方及び上方に回動することによりそれぞれ、用紙Pを第1または第2排出ローラ19a、19bに案内可能とし、リンク部材39を、シャフト18aに揺動可能に支持し、リンク部材39の下流側端部39aを、爪部18bが下方及び上方に回動することによりそれぞれ、シャッター37の前面側端部37cと共に上方及び下方に回動可能とし、ソレノイド41により切換部材18が用紙Pを第1排出ローラ19aに案内するとき、下流側端部39aが上方へ回動してシャッター37が第1の位置に揺動し、第2排出ローラ19bに案内するとき、下流側端部39aが下方へ回動してシャッター37が第2の位置に揺動することとしたため、複雑な構成を用いることなく切換部材18の回動とシャッター37の揺動とを連動させることができる。
また、本実施形態では、リンク部材39を、下流側端部39aが上方に回動する方向に付勢するバネ部材42を設け、プランジャ41aを有するソレノイド41が作動することにより、プランジャ41aが突出してバネ部材42の付勢力に抗して下流側端部39aが下方に回動し、ソレノイド41が作動停止することにより、プランジャ41aが没入してバネ部材42の付勢力により下流側端部39aが上方に回動することとしたため、装置の大型化を回避しつつ切換部材18の回動とシャッター37の揺動とを連動させることができる。
また、バネ部材42によりリンク部材39の上流側端部39bが下方に回動するように付勢されているため、プランジャ41aが上流側端部39bを下方から上方に押圧可能となるようにソレノイド41を配置すればよく、上流側端部39bとプランジャ41aとを連結する必要がない。これにより、構成を簡易にすると共に、効率的にすることができる。
なお、ここでは、押圧式のソレノイド41を用いたが、後述するように、吸引式のソレノイドを用いることもできる。また、ソレノイド41の代わりに、偏心カム等によりリンク部材39を上記と同様に揺動させることもできる。また、本実施形態では、通常時、用紙Pが上段トレイ25aから排出されるように設定したが、通常時、用紙Pが下段トレイ25bから排出されるように設定することができるのは勿論である。
また、本実施形態では、リンク部材39の排出方向に対し中央部よりも上流側を、シャフト18aに支持したため、テコの原理を利用することができ、シャッター37を揺動させるためのプランジャ41aの突出量を少なくすることができるため、より効率的となる。しかし、その他、リンク部材39の上流側端部39bをシャフト18aに支持することもできる。かかる場合には、例えば、シャフト18aをモータ等によって正逆回転させることができる。
また、本実施形態では、支点37aを、シャッター37の前後方向に対し中央部よりも前面側に配置したため、テコの原理を利用することができ、シャッター37を揺動させるためのリンク部材39の下流側端部39aの回動量を少なくできるため、より効率的となる。また、シャッター37が自重により第1の方向に揺動するため、下流側端部39aがシャッター37の前面側端部37cを下方に押圧可能な位置にリンク部材39を配置すればよく、下流側端部39aと前面側端部37cとを連結する必要がない。これにより、構成を簡易にすると共に、効率的にすることができる。
また、リンク部材39に対するシャフト18aの配置や、シャッター37における支点37aの配置は、切換部材18とシャッター37とを連動させ、上段トレイ25aに用紙Pが排出されるときには、該上段トレイ25aに排出された用紙Pの熱を、下段トレイ25bに用紙Pが排出されるときには、該下段トレイ25bに排出された用紙Pの熱を、第2ダクト35から選択的に排気可能であれば、本実施形態に特に限定されない。
また、上記の通り、本実施形態では、シャッター37の前面側端部37cとリンク部材39の下流側端部39aとは連結されておらず、リンク部材39の上流側端部39bとソレノイド41のプランジャ41aとも連結されていない。しかし、その他、これらを連結させることもできる。
例えば、シャッター37の前面側端部37cをリンク部材39の下流側端部39aと連結することにより、下流側端部39aが前面側端部37cと共に回動可能とする。また、シャフト18aをバネ部材によって、リンク部材39の下流側端部39aが下方に、上流側端部39bが上方に回動するように付勢する。そして、ソレノイド41を吸引式ソレノイドとし、プランジャ41aとリンク部材39の上流側端部39bとを連結することができる。
かかる場合、ソレノイド41が作動停止しているとき、図7及び図8と同様に、プランジャ41aは突出し、リンク部材39の下流側端部39aはバネ部材の付勢力により下方に回動し、爪部18bは上方に回動している。これにより、用紙Pは第2排出ローラ19bに案内され、用紙Pは下段トレイ25bに排出される。また、下流側端部39aと共にシャッター37の前面側端部37cが下方に回動することにより、シャッター37は、第2の位置に揺動する。これにより、下段トレイ25bに排出された用紙Pの熱を選択的に排出することができる。
一方、ソレノイド41が作動すると、図5及び図6と同様に、プランジャ41aは没入し、かかるプランジャ41aの没入により、リンク部材39の下流側端部39aはバネ部材の付勢力に抗して上方に回動し、爪部18bは下方に回動する。これにより、用紙Pは第1排出ローラ19aに案内され、用紙Pは上段トレイ25aに排出される。また、下流側端部39aと共にシャッター37の前面側端部37cが上方に回動することにより、シャッター37は、第1の位置に揺動する。これにより、上段トレイ25aに排出された用紙Pの熱を選択的に排出することができる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態に示した第1ダクト33、第2ダクト35、シャッター37、リンク部材39、切換部材18等は、一例に過ぎず、その形状、配置や大きさ等は、装置構成に応じて適宜設定することができる。
また、上記実施形態では、巻きバネから成るバネ部材42を用いてシャフト18aを付勢したが、その他、圧縮バネや引っ張りバネ等を用いてリンク部材39を上記と同様に付勢することもできる。また、かかるバネ部材42を設けない構成とすることもでき、この場合には、シャッター37の前面側端部37cとリンク部材39の下流側端部39aとを連結し、リンク部材39の上流側端部39bとプランジャ41aとを連結すればよい。
また、上記実施形態では、排気部30に、第2ダクト35と、装置本体内を冷却するための第1ダクト33と、を接続したため、装置本体内の冷却と共に排出トレイ25に排出された用紙Pの冷却を行うことができ、効率的となり、部材点数の増加も防止できる。しかし、その他、第1ダクト33が連結された排気部30とは別途排気部を設け、かかる排気部に第2ダクト35を接続することもできる。
また、上記実施形態では、胴内排紙部22が設けられた画像形成装置100を用いたため、排出トレイ25に排出された用紙Pの熱がこもり易い状態であっても、排出トレイ25周辺の構成部材が昇温することを、効率的に防止することできるため、効果的である。また、特に、排出トレイ25の上方に配置される画像読取部8等の構成部材が昇温することを、効率的に防止することが可能となる。
しかし、その他、本発明は、装置本体の上面に排出トレイを有する画像形成装置にも適用できる。かかる場合であっても、排出トレイの下方に配置された画像形成部6や定着装置7等の構成部材に対する熱の影響を防止することができる。また、画像形成装置として複合機以外の、例えばレーザプリンタやファクシミリ装置等にも適用できることはいうまでもない。