JP5237868B2 - スチールコード - Google Patents

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Description

この発明は,スチールコード,特に,乗用車用タイヤのベルトカバー層への使用に適するスチールコードに関する。
高速走行時の耐久性を向上させるために,乗用車用タイヤのベルト層の外側に,ベルトカバー層を設けることが一般的になっている。図6はベルトカバー層を備えた乗用車用タイヤの内部構造の一例を示している。乗用車用タイヤ20は,カーカス層21,2つのベルト層22,23,ベルトカバー層24,およびトレッド層26が積層されて構成されている。ベルトカバー層24は,一般にタイヤ周方向に複数回巻回されたナイロンなどからなる有機繊維コード25を含む。ベルトカバー層24において有機繊維コード25はゴム被覆される。
近年,特に居住性が重視される高級乗用車に使用される乗用車用タイヤの場合,耐久性に加えて,ロードノイズの低減,高速走行時の操縦安定性などの性能向上が求められている。このような要求に応じて,ナイロンなどの有機繊維コードに代えて,スチールコードをベルトカバー層に使用することが考えられている。スチールコードは,有機繊維に比べて引張時の剛性が大きく,また熱影響をほとんど受けない。スチールコードを用いたベルトカバー層を含む乗用車用タイヤを装着した乗用車は,有機繊維を用いたベルトカバー層を含む乗用車用タイヤを装着した乗用車に比べて,乗り心地が向上する。
スチールコードは,上述のように有機繊維に比べて引張時の剛性が大きく,乗用車の乗り心地向上に寄与するが,他方,有機繊維に比べると引張時の伸びが小さいという問題がある。
乗用車用タイヤの製造工程の一つに加硫成形がある。加硫成形では加硫前(未加硫)のタイヤが押圧されながら加熱される。加硫成形工程において,一般に未加硫タイヤはその内側から外側に向かって押圧される(テンションがかかる)ので,加硫後のタイヤは未加硫タイヤに比べると,数%程度その径が大きくなる(タイヤにリフトがかかるとも言われる)。ベルトカバー層にスチールコードを用いた場合,加硫時にスチールコードもタイヤの周方向に伸びる。上述のように,スチールコードは引張時の伸びが小さいので,スチールコードがタイヤにかかったリフトに追従できず,ベルトカバー層の下層のベルト層にスチールコードが食い込んだり,タイヤの均一性(ユニフォーミティ)に悪影響を及ぼしたりすることがある。
特許文献1,2には,有機繊維の周りに剛性の大きいスチールフィラメントを巻き付けた補強材が開示されている。
特許第3411615号公報 特開2000−301911号公報
しかしながら,特許文献1,2では,有機繊維の占める体積が,有機繊維の周囲にあるスチールフィラメントよりもかなり大きく,熱に対する特性は有機繊維による特徴に大きく支配される。有機繊維は熱可塑性を持つので,加硫成形時に有機繊維に変形が生じてしまい,タイヤのトレッド部分の一部が変形(フラットスポットが発生する)してしまうおそれがある。フラットスポットが発生すると,走行中にフラットスポット部分から振動が生じてしまい,乗用車の乗り心地が悪くなる。
この発明は,タイヤ製造工程における加硫成形時のリフトに追従し,かつ完成したタイヤにおいてはロードノイズの低減や高速走行時の操縦安定性能に寄与する十分な剛性を発揮するスチールコードを提供することを目的とする。
この発明はまた,フラットスポットが発生しにくいスチールコードを提供することを目的とする。
この発明によるスチールコードは,複数本のスチールワイヤ素線を撚り合せたストランドを,複数本撚り合わせた複撚り構造を持つスチールコードであって,1本の有機繊維コード,たとえばナイロン・コードを心体にして,上記有機繊維コードの周囲に上記複数本のストランドが撚られており,上記スチールワイヤ素線の直径が0.08〜0.15mmの間にあり,かつ複数本のスチールワイヤ素線は同径であり,上記ストランドを構成する複数本のスチールワイヤ素線の撚り方向と,上記有機繊維コードの周囲に撚られている複数本のストランドの撚り方向が同一であり,上記複数本のストランド間に,それぞれ0.03〜0.10mmの範囲内の隙間が存在することを特徴とする。
この発明によると,スチールコードがM×N(M,Nは2以上の整数)構造の複撚りとされ,ストランドを構成する同径の複数本のスチールワイヤ素線の撚り方向と,上記有機繊維の周囲に撚られている複数本のストランドの撚り方向が同一であり,中心に有機繊維コードが配置されており,複数本のストランド間にはそれぞれ0.03〜0.10mmの範囲内の隙間が存在する。撚り方向,有機繊維コードの存在,およびストランド間の隙間の存在によって,スチールコードに構造的な伸びを確保することができる。また,ストランド間の隙間に上限を設けることによって,所定の伸びが生じた後のスチールコードに所定の剛性を発揮させることができる。
この発明によるスチールコードは,好ましくは荷重−伸び曲線(スチールコードを引張り(荷重を加える),このときのスチールコードの伸び率を,荷重の大きさとの関係で示す曲線)において変曲点が存在し,その変曲点における伸び率(スチールコードの初期伸びが終了するときの伸び率の大きさを表す指標)が2.6〜6.5%の範囲にある。スチールコードをタイヤに用いたときに,加硫成形時にスチールコードが伸びきってしまうことが防止され,かつ加硫成形後に所定の剛性を確保することができる。この発明のスチールコードを用いたタイヤを乗用車に装着することによって,ロードノイズが低減され,高速走行時の操縦安定性能が向上する。
好ましくは,スチールコードの中心の有機繊維コードの直径は0.20〜0.30mmである。スチールコードにおいて有機繊維コードが占める体積を比較的小さくすることができるので,加硫成形時の有機繊維コードに変形に伴うタイヤのフラットスポットの発生を,抑制することができる。
1+5×4構造のスチールコードを示すもので,(A)はその斜視図を,(B)はその断面図を示す。 1+4×4構造のスチールコードを示すもので,(A)はその斜視図を,(B)はその断面図を示す。 スチールコード製造装置の全体的な構成を示す。 荷重−伸び曲線を示すグラフであり,(A)はナイロン心が無いスチールコードについてのグラフを,(B)はナイロン心があるスチールコードについてのグラフを,それぞれ示す。 荷重−伸び曲線を示すグラフである。 自動車用タイヤの構造を示す。
図1(A)は,ナイロン心を有する5×4構造のスチールコード1Aの斜視図を,図1(B)はその断面図をそれぞれ示している。図2(A)はナイロン心を有する4×4構造のスチールコード1Bの斜視図を,図2(B)はその断面図をそれぞれ示している。
スチールコード1Aは,スチール製の4本の素線(単線)3を撚りながら束ねることによって得られるストランド2を,ナイロン心4を中心にして,5本撚りながら束ねることによって作成される(1+5×4構造)。スチールコード1Bは,ナイロン心4を中心にして4本のストランド2を撚りながら束ねることによって作成される(1+4×4構造)。
ストランド2を構成する4本の素線3には,たとえば,その直径が0.08mm〜0.15mmのもの,たとえば直径が0.11mmのものが用いられる。0.08mmよりも小さいとスチールコードの切断強力が不足し,0.15mmよりも大きいと素線剛性が大きくなりすぎてスチールコードのしなやかさが失われるからである。
ナイロン心4には,0.20mm〜0.30mmのナイロン製フィラメント(コード)が用いられる。ナイロンに代えてポリプロピレン製フィラメント(コード)等を用いてもよい。
ストランド2を構成する複数本の素線3の撚り方向(以下,ストランドの撚り方向という),およびスチールコード1A,1Bを構成する複数本のストランド2の撚り方向(以下,スチール・コードの撚り方向という)は,S撚りまたはZ撚りのいずれであってもよいが,いずれも同一方向とされる。すなわち,ストランド2の撚り方向がS撚りであればスチールコード1A,1Bの撚り方向もS撚りとされる。ストランド2の撚り方向がZ撚りであれば,スチールコード1A,1Bの撚り方向もZ撚りとされる。ストランド2の撚り方向およびスチールコード1A,1Bの撚り方向を同じにするのは,逆方向にした場合に比べてスチールコード1A,1Bの伸びが良好になるからである。
図1(B)および図2(B)に示すように,この実施例におけるスチールコード1A,1Bにおいて,隣接するストランド2の間にはそれぞれ隙間S1,S2がある。隣接するストランド2間の隙間S1,S2は,ナイロン心の直径とストランドの直径との相対的な関係及び,ナイロン心4の周囲に撚られるストランド2の撚りピッチによって調節される。隙間S1,S2は0.03〜0.10mmの範囲に調節される。この範囲に隙間S1,S2を調節する技術的意義の詳細は後述する。
図3は,スチールコード製造装置を概略的に示している。図3に示すスチールコード製造装置は,図1(A),(B)に示す1+5×4構造のスチールコード1Aの製造装置である。
スチールコード製造装置はバンチャー撚線機10を備えている。バンチャー撚線機10は,1本のナイロン心4を中心して,その周囲に5本のストランド2を撚りながら束ねることによって,スチールコード1Aを製造する。
撚線機10のフレーム(図示略)にクレードル12が支持されている。クレードル12は,後述するフライヤが回転しても,ほぼ静止状態に保たれる。クレードル12に,スチールコード1Aを巻取るためのボビン11が設けられている。
1つのボビン13にナイロン心4が巻回されている。5つのボビン14のそれぞれにストランド2が巻回されている。ボビン13から繰出された1本のナイロン心4と,5つのボビン14からそれぞれ繰出された5本のストランド2が,ナイロン心4が中心に位置するようにして集合器15で集められる。集合器15によって束にされた1本のナイロン心4および5本のストランド2が,撚線機10に送られる。
束にされたナイロン心4および5本のストランド2は,撚線機10において案内ロール16を経て,フライヤ(図示略)のガイドチップに掛けられてフライヤに沿って案内され,案内ロール17を経てボビン11によって巻き取られる。撚線機10のフライヤが回転することにより,1本のナイロン心4および5本のストランド2の束がねじられかつ撚合わされて,スチールコード1Aとなっていく。
スチールコード1Aを構成するストランド2も,上述したスチールコード製造装置と同様の構成の装置によって作成される。素線3が巻回された4つのボビンが用意される。バンチャー撚線機によって4本の素線3をねじりかつ撚合わせることによって,4本の素線3が撚られたストランド2が製造される。
図2(A),(B)に示す1+4×4構造のスチールコード1Bを製造する場合には,4つのボビンから繰出される4本のストランド2が,1本のナイロン心4を中心にして撚合わせられる。
図3に示すスチールコード製造装置のバンチャー撚線機10のフライヤの回転方向と,ストランド製造装置のバンチャー撚線機のフライヤの回転方向を同方向とすることによって,ストランド2の撚り方向およびスチールコード1Aの撚り方向が同じになる。
フライヤの回転速度を一定に保ち,ストランド2およびナイロン心4の搬送速度を増減することによって,ストランド2の撚りピッチが調節され,これにより隣接するストランド2間の隙間S1,S2を調整(制御)することができる。上述したように,スチールコード1A,1Bにおける隣接するストランド2間の隙間S1,S2(図1(B),図2(B)参照)が0.03〜0.10mmの範囲となるように,ストランド2およびナイロン心4の搬送速度が調節される。
ストランド2およびナイロン心4の搬送速度の調節に代えて,スチールコード製造装置のバンチャー撚線機10のフライヤの回転速度を調節することによって,ストランド2の撚りピッチ(隣接するストランド2間の隙間S1,S2)を調整してもよい。
図4(A),(B)は,ナイロン心4が無いスチールコード(図4(A))と,ナイロン心4を有するスチールコード(図4(B))のそれぞれについての荷重−伸び曲線を,横軸を伸び率(%),縦軸を荷重(N)とするグラフ上に示している。
乗用車用タイヤはその製造工程において加硫成形される。加硫成形時,加硫前(未加硫)タイヤはタイヤ径方向外側に数%拡張する。ベルトカバー層を備えた乗用車用タイヤの場合(図6参照),加硫成形においてベルトカバー層もタイヤ径方向外側に拡張する。このため,ベルトカバー層にスチールコードが埋込まれている場合,タイヤを加硫成形すると,スチールコード(スチールコードを含むベルトカバー層)にもテンションが加わる(これを,「加硫時テンション」と呼ぶ)。図4(A),(B)に示す荷重−伸び曲線は,加硫時テンションが加えられたときのスチールコードの伸びの様子を,実験的に示すものである。
図4(A),(B)には,それぞれ,同じサンプルのスチールコードについて3回の引張試験(引張試験の詳細は後述する)を行ったときの荷重−伸び曲線(すなわち,3本の曲線)が,実線,破線,および一点鎖線によって示されている。
図4(A),(B)を参照して,ナイロン心4が無いスチールコード(図4(A))は,ナイロン心4を有するスチールコード(図4(B)))と比較して,3回の引張試験における荷重−伸び曲線のぶれが大きいことが分かる。すなわち,ナイロン心4が無いスチールコード(図4(A))は,荷重に対する伸び率が一定でなく,ばらつきが生じている。これに対してナイロン心4を有するスチールコード(図4(B))は,3回の引張試験のすべてにおいて,ほぼ同じ特性を呈している。ナイロン心4を有するスチールコードは,安定した伸び特性を発揮することが分かる。
表1は,1+5×4構造のスチールコード1A(図1(A),(B))について,ストランド間の隙間S1を異ならせて作成された7つの被試験体(撚り方向:ストランドおよびスチールコード共にS方向,素線3の直径:0.110mm )についての引張試験結果を示している。表2は,1+4×4構造のスチールコード(図2(A),(B))について,ストランド間の隙間S2を異ならせて作成された7つの被試験体(撚り方向:ストランドおよびスチールコード共にS方向,素線3の直径:0.110mm )についての引張試験結果を示している。
Figure 0005237868
Figure 0005237868
引張試験は,表1,表2に示すように,「ストランド間の隙間」がそれぞれ異なるようにして作成された多数のスチールコード(被試験体)について行った。
引張試験について説明する。引張試験では,スチールコード1A(1B)を用意し,長さ600mmに切断する。両端50mmをつかみ代にして規長500mmを引張試験機にセットする。引張速度を10mm/min とし,スチールコードの伸びを記録しながら,スチールコード1A(1B)が切断するまで,スチールコード1A(1B)の一端を引っ張る(荷重を加える)。
引張試験機を用いた引張試験によって,荷重−伸び曲線が描かれる(図4(B)参照)。
スチールコード1A(1B)を引張り始めてしばらくの間,スチールコード1A(1B)に荷重はほとんどかからない。これは,スチールコード1A(1B)に伸びが生じるためである。上述したように,スチールコード1A(1B)は,複数本の素線3を撚合わせることによって得られたストランド2を,ナイロン心4を中心にして複数本撚り合わせたものである。このため,スチールコード1A(1B)を引張ると,ストランド2(素線3)がスチールコード1A(1B)の中心に向かって移動することで,伸びが生じる。
また,スチールコード1A(1B)は,その中心にナイロン心4が配置されており,ストランド2(素線3)はナイロン心4にわずかに食い込む。これによっても,スチールコード1A(1B)に伸びが生じる。
さらに,スチールコード1A(1B)は,隣接するストランド2間に隙間S1,S2が存在する。スチールコード1A(1B)を引張ると,ストランド2間の隙間S1,S2は狭くなる。この隙間S1,S2(隙間S1,S2を狭める方向へのストランド2の移動)によっても,スチールコード1A(1B)に伸びが生じる。
ここで図5に示すスチールコードの荷重−伸び曲線を参照して,スチールコードを引張り続ける(荷重を大きくする)と,スチールコードの引張り当初の伸び(以下,初期伸びという)が終わる(無くなる)。この初期伸びが終わると,スチールコードに荷重が加わり始める。
この実施例では,図5に示すように,荷重−伸び曲線において,初期伸び部分の曲線から得られる近似直線L1と,初期伸びを終えて立ち上がる部分の曲線の近似直線L2との交点を変曲点と位置づけ,この変曲点における伸び率を変曲点伸び率(%)とする。荷重−伸び曲線の変曲点伸び率を,スチールコードの初期伸びが終了する伸び率の大きさの指標とすることができる。
変曲点伸び率が小さい場合,そのスチールコードは初期伸びが短いことを意味する。初期伸びが短かすぎると,加硫成形時にスチールコードが伸びきってしまい,加硫成形時のタイヤの成長に追従できず,上述したようにスチールコードがベルト層に食い込み,タイヤのユニフォミティに悪影響を与えたり,ベルトカバー層とベルト層の層間ゲージが設計より小さい値になってしまうことで,ベルトカバー層とベルト層が剥離するセパレーション破壊の要因になるおそれがある。スチールコードに所定の初期伸びを確保するには,変曲点伸び率に下限がある。
逆に変曲点伸び率が大きい場合,それは初期伸びが長いことを意味する。初期伸びが長すぎると,スチールコードの剛性が低くなり,タイヤに必要とされる剛性が確保できなかったり,剛性確保のためにスチールコードの打込み本数を多くすると,ベルトカバー層の重量が大きくなり過ぎ,タイヤのバランスを崩す要因になるおそれがある。変曲点伸び率には上限も存在する。
引張試験では,被試験体のそれぞれについて,次の3つの評価を行った。
(1)コード形状の良否判定
被試験体(スチールコード1A(1B))の外観を観察し,ストランド2の極端な片寄りが認められた場合には×(不良)とする。
(2)リフトへの追従良否判定
被試験体を用いて自動車用タイヤを作成する(図6参照)。タイヤ成形時にスチールコードが切れる等の加硫時故障が発生した場合,またはベルトカバー層がベルト層に食い込むように内側に移動していることを認められた場合には×(不良)とする。
(3)ベルトセパレーションの良否判定
被試験体を用いて作成された自動車用タイヤをドラム上で高速回転させ,走行中にベルトセパレーション破壊が生じたことが認められた場合には×(不良)とする。
表1を参照して,1+5×4構造のスチールコード1A(図1(A),(B))において,ストランド間の隙間が0.023mm である被試験体(被試験体6)について,ベルトカバー層がベルト層に食い込むように内側に移動していることが認められた。また,この被試験体6では,ベルトセパレーション破壊も確認された。
さらに,ストランド間の隙間が0.115mm である被試験体7について,コード形状の崩れ(ストランド2の片寄り)が確認され,かつベルトセパレーション破壊も確認された。
評価結果によると,1+5×4構造のスチールコード1Aについて,ストランド間の隙間が0.03〜0.10mmの範囲内であれば,コード形状の崩れ(ストランド2の片寄り),スチールコード1Aのベルト層への食い込み,およびベルトセパレーション破壊は,いずれも確認されなかった(被試験体1〜5)。被試験体1〜5についての荷重−伸び曲線における変曲点伸び率は,2.6〜6.5%の範囲内にあった。
表2を参照して,1+4×4構造のスチールコード1B(図2(A),(B))についても,1+5×4構造のスチールコード1Aと同じ試験結果を得ることができた。
1 スチールコード
2 ストランド
3 素線
4 ナイロン心

Claims (3)

  1. 複数本のスチールワイヤ素線を撚り合せたストランドを,複数本撚り合わせた複撚り構造を持つスチールコードであって,
    1本の有機繊維コードを心体にして,上記有機繊維コードの周囲に上記複数本のストランドが撚られており,
    上記スチールワイヤ素線の直径が0.08〜0.15mmの間にあり,かつ複数本のスチールワイヤ素線は同径であり,
    上記ストランドを構成する複数本のスチールワイヤ素線の撚り方向と,上記有機繊維コードの周囲に撚られている複数本のストランドの撚り方向が同一であり,
    上記複数本のストランド間に,それぞれ0.03〜0.10mmの範囲内の隙間が存在する,
    ことを特徴とする,スチールコード。
  2. 上記スチールコードの荷重−伸び曲線に変曲点が存在し,上記変曲点における伸び率が2.6〜6.5%の範囲内にあることを特徴とする,
    請求項1に記載のスチールコード。
  3. 上記有機繊維コードの直径が0.20〜0.30mmである,請求項1または2に記載のスチールコード。
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