JP2006283249A - スチールコードの製造方法とスチールコード及び空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

スチールコードの製造方法とスチールコード及び空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】 ゴム侵入性を向上した1+m+n構造のスチールコードを1回の撚り線工程で安価に製造する。
【解決手段】 フィラメント束に撚りを与えるターンローラ11,12と13,14を備え、2本のループ16,17が同一の回転軸を中心に回転するバンチャー式撚線機10を用い、1本のコアフィラメント2の周囲にm本のインナーシースフィラメント3を配置して第1ループ16において1+m構成のインナーシース4を撚り合わせた後、インナーシース4の周囲にアウターシース6を構成するn本のフィラメント5を配置し、第2ループ17においてアウターシース6がインナーシース4の撚り方向と同方向になるように1+m+n構造のスチールコード1を撚り合わせる。
【選択図】 図5

Description

本発明は1本のコアフィラメントを有する3層構造をなすスチールコードの製造方法に関し、特に耐食疲労性と強力保持性を改善することでトラック・バスやライトトラック用タイヤの耐久性を向上させることのできるスチールコードの製造方法、それにより製造したスチールコード、及びそのスチールコードを補強材として用いた空気入りラジアルタイヤに関するものである。
トラック・バスやライトトラック用などの空気入りラジアルタイヤのカーカスやベルトプライには、従来より2層撚りや3層撚りなどの多層構造のスチールコードが広く使用され、中でも使用条件が過酷な重荷重用タイヤには図4に示す3+9+15構造の3層撚りにラッピングワイヤ(W)を巻き付けたスチールコード200が一般に使用されている。
しかし、この3層構造のスチールコードは、フレッチング摩耗によるコード強力の低下やめっきが削られて耐腐食疲労性を低下させ、さらにフレッチングが進行するとタイヤ使用中の衝撃や応力歪みの集中によりコードの疲労破壊を促進するという問題がある。
また、コード製造において3回の撚り線工程を必要とし、製造に手間がかかり生産性が低いためコードコストを上昇させる結果、タイヤのコストにも影響するという難点がある。
そこで、このようなフレッチングによる耐疲労性低下やコストの問題を改善するものとして、1本のコアフィラメントのまわりに2層の同軸層(シース)を配し、この同軸層を同一方向、同一ピッチで撚り合わせて各フィラメント間の線接触化を図るコンパクト撚りの1×19構造のスチールコード(特許文献1)が、またコアフィラメントのまわりに6本のフィラメントからなる内層シースと、内層シースの外接円上に配置された外層シースからなる1+6+(10〜11)構造を有し、内層と外層シースとを同一方向、異ピッチで撚り合わせ、さらにラップフィラメントが略されたスチールコードが開示され、フレッチング摩耗の低減とコードの拘束性を維持して耐疲労性を向上すること(特許文献2)が提案され、またコード内のフィラメント拘束性を維持するために2層の同軸層を逆方向に撚り合わせた1+6+12構造のスチールコードが開示されている(特許文献3)。
実公平3−29355号公報 特開平8−232179号公報 特開平9−209281号公報
上記1×19構造のコンパクトコード100は、19本のフィラメントが同時に集束されて同一方向、同一ピッチで一度に撚り合わされることから、図3に示すようにコアに太径フィラメントを適用したとしても各々のフィラメントが細密充填された断面六角形状のコードを形成し、フィラメント同士が線接触しフレッチングに対しては有利なものとなるが、フィラメント相互間に隙間Sが形成されない部分がコード長手方向に所々生じてゴム侵入性が劣り耐食疲労性を低下させ、さらにこのゴム侵入不足の故に異常に大きな曲げ歪みがコードにかかると局部的にコードがフィラメントにばらけてフィラメントの破断を生起してコードの破断寿命を低下させ、さらに、インナーシースフィラメントの撚り角度がアウターシースフィラメントの撚り角度よりも小さくなりインナーシースの耐疲労性を不利とする。またゴムの不侵入性とフィラメント間の拘束力不足からコアやインナーシースのフィラメント、特にコアフィラメントの抜け出しのおそれがある。
このような問題に対して、インナーシースとアウターシースの撚りピッチを異ならせてフィラメント間に隙間を設けた特許文献2に記載の1+6+(10〜11)構造や、特許文献3に記載のインナーシースとアウターシースの撚り方向を逆方向するものは、少なくとも2回の撚り工程を要することからコードコストの低減に反するものとなっている。
本発明は、上記に鑑みてなしたもので、1×19構造スチールコードの欠点を補うもので、ゴム侵入性を確保し耐食疲労性の向上やフィラメントの抜け出しなどの上記ゴム侵入不足による不具合を解消する耐久性に優れた1本のコアフィラメントを有する3層構造スチールコードを安価に製造することを課題とし、すなわちゴム侵入性に優れる1+n+m構造のスチールコードを1回の撚り線工程で製造するスチールコードの製造方法を提供することを目的とし、さらにその製造方法により製造されたスチールコード、及びそのスチールコードを補強材に用いたロングライフの空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
請求項1に記載の発明は、インナーシースとアウターシースとの撚り方向が同一方向であり、その撚りピッチがインナーシース(P1)<アウターシース(P2)である1+m+n構造のスチールコードの製造方法であって、シースフィラメントよりも太径である1本のコアフィラメントの周囲にインナーシースを構成するm本のフィラメントを配置し、撚線機を用いて1+m構成のインナーシースを撚り合わせるA工程と、前記インナーシースの周囲にアウターシースを構成するn本のフィラメントを配置し、前記インナーシースの撚り方向と同一方向に、かつ前記インナーシースと該アウターシースとの撚りピッチとが異なるように撚線機を用いて撚り合わせ1+m+n構造のスチールコードを撚り合わせるB工程を有し、前記A工程とB工程とが同一工程にて成され前記1+m+n構造のスチールコードを製造することを特徴とするスチールコードの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、フィラメント束に撚りを与えるターンローラを備えた第1ガイド部と第2ガイド部とが、同一の回転軸を中心に回転するバンチャー式撚線機を用い、1本のコアフィラメントの周囲にm本のフィラメントを配置して前記バンチャー式撚線機に導入し、前記第1ガイド部において1+m構成のインナーシースを撚り合わせた後、前記第2ガイド部における撚り方向が前記インナーシースの撚り方向と同方向になるように該インナーシースの進行方向を反転させるとともに該インナーシースの周囲にアウターシースを構成するn本のフィラメントを配置し、前記第2ガイド部に導入し前記インナーシースと前記n本のアウターシースフィラメントを撚り合わせ前記1+m+n構造のスチールコードを製造することを特徴とする請求項1に記載のスチールコードの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、同一ライン上に連結された2台のバンチャー式撚線機を用い、第1のバンチャー式撚線機で前記A工程を成し1+m構成のインナーシースを撚り合わせ、前記インナーシースの周囲にn本のアウターシースフィラメントを配置して第2のバンチャー式撚線機に導入し前記B工程を成すことを特徴とする請求項1に記載のスチールコードの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、同一ライン上に連結された2台のチューブラー式撚線機を用い、第1のチューブラー式撚線機で前記A工程を成し1+m構成のインナーシースを撚り合わせ、前記インナーシースの周囲にn本のアウターシースフィラメントを配置して第2のチューブラー式撚線機に導入し前記B工程を成すことを特徴とする請求項1に記載のスチールコードの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記インナーシースの撚りピッチ(P1)と前記アウターシースの撚りピッチ(P2)との比P1/P2を、P1/P2=0.5〜0.95の範囲に撚り合わせることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスチールコードの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造した1+m+n構造のスチールコードである。
請求項7に記載の発明は、1+6+12構造であることを特徴とする請求項6に記載のスチールコードである。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のスチールコードを補強材として用いたことを特徴とする空気入りラジアルタイヤである。
本発明のスチールコードの製造方法によれば、1+m+n構造スチールコードをインナーシースとアウターシースの撚りピッチを異なるように同一工程で撚り合わさせることができ、太径のコアフィラメントを中心に配することでシースフィラメント間の隙間を確保してゴム侵入性と耐フレッチング性を両立して改善し耐食疲労性や強力保持性の向上、フィラメントの抜け出しを防止する耐疲労性に優れるスチールコードを撚り効率を損なうことなく安価に製造することができる。なお、mは5〜7本、nは11〜13本の範囲で適用されることが好ましい。
請求項2の発明では、1台のバンチャー式撚線機を用いてインナーシースの撚りピッチとアウターシースの撚りピッチの比が1:2であるゴム侵入性、耐疲労性に優れるスチールコードを高効率で製造することができる。
また、請求項3の発明によれば、2台のバンチャー式撚線機を連結することでインナーシースの撚りピッチとアウターシースの撚りピッチの比を自在にコントロールし、耐フレッチング性の低下を抑えたゴム侵入性に優れる1+m+n構造のスチールコードを生産性高く製造することができ、同様に請求項4のように2台のチューブラー式撚線機を連結することでも撚り線時のフィラメントの断線や撚り不良を起こすことなく生産性を高めて製造することができる。
そして、請求項5の発明のように、撚りピッチ比P1/P2をP1/P2=0.5〜0.95の範囲とすることで、ゴム侵入性と耐フレッチング性をより両立することができる。P1/P2が0.5未満であるとインナーシースとアウターシースとが点接触化し耐フレッチング性が悪化し、0.95を越えると線接触化によりゴム侵入性が低下し、またインナーシースの耐疲労性低下やフィラメントの抜け出しのおそれが生じる。
上記製造方法により製造した1+m+n構造のスチールコードは、ゴム侵入性と耐フレッチング性を両立する耐疲労性に優れるものとなり、この場合のコアフィラメント径(Dc)とシースフィラメント径(Ds)との比Dc/Dsが、Dc/Ds=1.05〜1.20の範囲にあることが好ましく、前記Dc/Dsを大きくしすぎるとシースフィラメント間に偏りを生じやすくし本発明の目的が損なわれる。この場合、1+6+12構造であるとシースフィラメントの偏りを防ぎコード断面形状を安定させ、コードの製造からカレンダー工程などのタイヤ製造工程での安定した工程通過性が得られ、空気入りラジアルタイヤの補強材としての好適に使用することができる。
従って、本発明の空気入りラジアルタイヤは耐久性に優れたロングライフのタイヤを提供するものとなり、特にトラック・バス用大型タイヤの、或いはライトトラックのカーカスやベルトプライに本発明のスチールコードを適用することでタイヤの長寿命化を可能とすることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る1+6+12構造のスチールコード1の断面図である。図において符号2はコアフィラメント、3はインナーシース4のフィラメント、5はアウターシース6のフィラメント、S1はインナーシースフィラメント3,3間に形成される隙間、S2はアウターシースフィラメント5,5間に形成される隙間である。図2(a)はスチールコード1の側面図、図2(b)はインナーシース4の側面図であり、それぞれの撚りピッチP1,P2と撚り角度θ1,θ2の関係を示すものである。
スチールコード1は、シースフィラメント3,5よりも太径である1本のコアフィラメント2の周囲にインナーシース4を構成する6本のフィラメント3を配置し、さらにインナーシース4の周囲にアウターシース6を構成する12本のフィラメント5を配置し、インナーシース4とアウターシース6との撚り方向が同一方向にあり、かつ前記インナーシース4とアウターシース6との撚りピッチP1,P2がP1<P2となるように撚り合わされた1+6+12構造のスチールコードである。
これにより、従来の図3に示す1×19構造のようにアウターシースフィラメント5がインナーシースフィラメント3,3間の谷間に落ち込むことがなくなりインナーシース4の外接円Cの外周に沿ってアウターシースフィラメント5が円環状に略均等な間隔を設けて配置され、即ち各フィラメント3,5が細密充填されることなく非線接触化され撚り合わされることで、図1に示すように断面円形状のコード形状を成し、フィラメント3,3間及び5,5間にゴムの侵入する隙間S1,S2が形成される。
上記撚りピッチP1とP2とはP1<P2の関係にあり、そのピッチの比P1/P2はP1/P2=0.5〜0.95の範囲であり、より好ましくは0.7〜0.9の範囲に撚り合わされることである。これにより、アウターシースフィラメント5がインナーシース4の外接円Cの外周に沿って円環状に配置され隙間S2を確実に形成するとともに、インナーシースフィラメント3の撚り角度θ2が大きくなり、フィラメントの耐疲労性を向上し金属疲労による破壊現象を低減することができる。
この撚りピッチP1とP2が、従来の1工程撚りによる1×19構造のようにP1=P2に近づくと、たとえコアに太径フィラメントを配置したとしても断面六角形状のコード形態をなしインナーシースとアウターシースのフィラメント間の線接触化は避けられず、図3に示すようにコード断面の所々にゴムの侵入しない空隙部をコード長手方向に形成し、ゴム侵入による効果が不十分となって耐食疲労性の低下を招くことになる。
また、コード内部にゴムが充填されることで、コードを構成するフィラメントを拘束し、フィラメントの微細な動きを抑制してフィラメント間のフレッチングを軽減し、また、コアやインナーシースフィラメントのコード軸方向の移動を防ぎタイヤからのフィラメントの抜け出しを防止し、さらにコードに異常に大きな曲げ応力が入力された場合にもコードが部分的に膨らむようにフィラメントがばらけることがなくフィラメント破断からコードの破断の発生を抑えることができる。
スチールコード1を構成するフィラメント2,3,5の直径は、0.15〜0.40mmのものが通常使用される。直径が0.15mm未満ではコード強力を確保するために多数のフィラメントを要してコスト高となり、0.40mmを超えると耐疲労性が低下するようになり、カーカスやベルトなどのタイヤへの適用部位によってフィラメント径を選択する必要がある。
そして、本発明では、コアフィラメント2の直径Dcがシースフィラメントの直径Dsよりも太いものが使用され、その比Dc/Dsは1.05〜1.20の範囲であることが好ましい。フィラメント径比Dc/Dsが1.05未満であるとインナーシース4とアウターシース6の撚りピッチをP1<P2としてもシースフィラメント間に形成される隙間S1,S2が小さくなり十分なゴム侵入が得難く耐食疲労性やフィラメント抜けが起こりやすくなり、1.20を越えるとコアフィラメント2やインナーシース4の外接円の周囲に形成される隙間S1,S2の合計が大きくなって撚り合わせ工程やタイヤ製造工程中でシースフィラメントが偏りやすくなり、やはりゴム侵入性を悪化させ耐疲労性の低下する原因となる。
また、各シースフィラメントは、DcとDsとの関係が上記範囲内でインナーシース4内及びアウターシース6内にそれぞれ異径のフィラメントを組み合わせて使用することもできるが、コード製造コストを抑える観点から同一シース内には同一径のフィラメントを用いることが好ましい。
ここで本発明によるスチールコード1は、アウターシースフィラメント5とインナーシースフィラメント3との異ピッチ化によって点接触化することになるが、その撚り方向が同一方向であることからフィラメント間の接触面積が従来3層構造のインナーシースとアウターシース間のSZ撚りの場合に比較して大きくなり、その接触圧は大幅に軽減されるものとなってフレッチングの発生程度も著しく改善されコード強力低下を抑制するものとなり、またインナーシースフィラメントの撚り角度が大きくなり耐疲労性を向上するものとなる。
また、スチールコード1の断面形状が円形化されることで、従来の断面六角形状をなす1×19構造の場合に、断面六角形状の頂点に位置するフィラメントに曲げ歪み時にかかりやすかった応力集中による耐疲労性低下の問題を解消することができる。
以上のように1+6+12構造のスチールコードのゴム侵入効果は、耐食疲労性の向上、フィラメントの抜け出し防止の他に、曲げ歪みがかかった時のコードばらけの防止、タイヤ走行中のフィラメントの微小な動きを抑えてフレッチングや金属疲労を防止する、また裸コードのフィラメントの動きが抑制されコード形態も安定するので取扱い性がよくなり、例えば多くのローラを通過するカレンダー工程を安定させ、その結果トッピングシートの品位を向上する等の効果も得られる。
なお、本発明に係るスチールコードは、タイヤ軽量化の観点から、タイヤ中の補強材使用量を低減することができる高強力材を使用することが好ましく、例えばJIS規定のピアノ線材であるSWRS82等の炭素含有量が0.8%以上の線材を用い、95%程度以上の高加工度で得られたフィラメントが使用できる。
次ぎに、上記スチールコード1に係る製造方法について、その実施形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
1+6+12構造スチールコード1の製造方法の第1の実施形態を図5に示すバンチャー式撚線機10の概略図に基づき説明する。
本実施形態におけるバンチャー式撚線機10は、一般的なダブルツイスターと呼ばれるものであり、撚線機10のフレーム20内には回転の中心軸線上にターンローラ11,12,13,14と、同時に回転する2本の弓状ループ16,17が設けられている。そして、回転の軸線よりも外側には前記ターンローラと同一に回転するガイドローラ16a,16b,17a,17bが弓状のループ16,17上に配されている。また、ループ16,17の内側にはループの回転とは無関係な方向変換用の反転ローラ15と撚り上がったコードを巻き取る巻取りボビン19が配置されている。
本体フレーム20外には、コアフィラメント2の供給ボビン21と6個のインナーシースフィラメント3の供給ボビン22,・・・、フィラメントを集束する目板25が配置され、その反対側には方向変換用の反転ローラ23と12個のアウターシースフィラメント5の供給ボビン24,・・・が設けられている。
スチールコード1の製造に際しては、ボビン21からのコアフィラメント2を中心として6個のボビン22から引き出され、インナーシースフィラメント3が目板25でコアフィラメント2の周囲に1+6構成になるように配され集合ボイス(図示せず)にてフィラメント束に集束された状態で撚線機10内に導入される。ループ16,17の回転によりフィラメント束がターンローラ11→ガイドローラ16a→ガイドローラ16b→ターンローラ12を通過する間に2回の捻りがフィラメント束に入り、インナーシースフィラメント3にS方向の撚りがかけられ1+6構成のインナーシース4が撚り合わされ、反転ローラ15で反転されたインナーシース4が一旦機外に導出される。
機外の反転ローラ23で方向転換したインナーシース4の周囲にボビン24から供給される12本のアウターシースフィラメント5が目板26でインナーシース4の周囲に配され集合ボイス(図示せず)にてインナーシース4の周囲に集束され1+6+12構成をなして再度撚線機10内に導入される。この時、アウターシース6の撚り方向がインナーシース4の撚り方向と同方向になるようにインナーシース4の進行方向が反転されている。
そして、1+6+12構成のフィラメント束はターンローラ13→ガイドローラ17a→ガイドローラ17b→ターンローラ14を通過する間に2回の捻りが1+6+12構成全体に入り、コード全体にS方向の撚りがかけられ撚り方向が−/S/Sの1+6+12構造スチールコード1が撚り上げられ、OTローラ18を経てコードの断面形態や残留トーションを安定させ巻取りボビン19に巻き取られる。
そして、撚線機本体が回転することで2本のループ16,17が回転しながらループ上のガイドローラ16a,16b,17a,17bが回転する状態で巻取りボビン19が回転しコード1は連続的に巻き取られる。
上記過程において、ボビン21と6個のボビン22から引き出されたフィラメントは、ターンローラ11、ガイドローラ16a,16b、ターンローラ12を通過するまでにコアを中心にして6本のシースフィラメントにS方向の捻り(N)が入る。次ぎに、1+6+12構成で再度撚線機10内に導入されると、ターンローラ13、ガイドローラ17a,17b、ターンローラ14を通過するまでに1+6+12構成全体にS方向の捻り(N)が入りインナーシース4にはアウターシース6の2倍の捻り(2N)が入ることになり、すなわちインナーシース4とアウターシース6の撚りピッチ比P1/P2=0.5のS方向撚りの1+6+12構造のスチールコードが1回の撚り線工程で製造される。ここで、撚線機本体10と巻取りボビン19の回転数を所定の回転数比に設定し所定のラインスピードで同調運転することでコードの撚りピッチの長さが決定される。
また、上記実施形態の変形例として、図6に示すバンチャー式撚線機20のように、弓状ループ16部分で撚られた1+6構成のインナーシース4を、アウターシースの撚り方向がインナーシース4の撚り方向と同方向になるように撚線機20内でインナーシース4の進行方向を反転ローラ23’により反転させ、12本のアウターシースフィラメントをインナーシース4の周囲に配して弓状ループ17に導入し1+6+12構造のスチールコード1を撚ることもできる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の1+6+12構造スチールコード1の製造方法を、図7に示す2台のバンチャー式撚線機30A,30Bが同一ライン上に連結されたタンデム型バンチャー式撚線機30の概略図に基づき説明する。
本実施形態におけるバンチャー式撚線機30A,30Bは、一般的なダブルツイスターであり、第1のバンチャー式撚線機30Aのフレーム外部には、コアフィラメント2の供給ボビン21と6個のインナーシースフィラメント3の供給ボビン22,・・・が配置され、フィラメントを集束する目板25が配置されフィラメント束が撚線機30Aに導入される。
第1のバンチャー式撚線機30Aは、撚線機のフレーム30a内に回転する弓状ループ36を備え、その回転の中心軸線上にターンローラ31,32が設けられており、回転の軸線よりも外側には前記ターンローラと同一に回転するガイドローラ36a,36bがループ36上に配されている。また、ループ36の内側にはループの回転には無関係な方向変換用の反転ローラ35が配されている。
第1のバンチャー式撚線機30Aとタンデムに同一軸線上に連結された第2のバンチャー式撚線機30Bの間には、12個のアウターシースフィラメント5の供給ボビン24,・・・が配置され、第2のバンチャー式撚線機30Bはフレーム30b内に回転する弓状ループ37と回転の中心軸線上にターンローラ33、34が設けられており、回転の軸線よりも外側には前記ターンローラと同一に回転するガイドローラ37a,37bがループ37上に配されている。ループ37の内側には撚り上がったコードを巻き取る巻取りボビン19が配置されている。
スチールコード1の製造に際しては、ボビン21からのコアフィラメント2を中心として6個のボビン22からのインナーシースフィラメント3が1+6構成になるように目板25で集束された状態で撚線機30A内に導入され、1+6構成のフィラメント束がターンローラ31→ガイドローラ36a→ガイドローラ36b→ターンローラ32を通過し、この間にS方向の捻りが入りインナーシース4が撚られる。
インナーシース4は撚線機30A内の反転ローラ35で方向転換され一旦機外に導出され、1+6構成の周囲にボビン24から供給される12本のアウターシースフィラメント5が目板26でインナーシース4の周囲に配され集合ボイス(図示せず)にてインナーシース4の周囲に集束され1+6+12構成のフィラメント束をなして第1のバンチャー式撚線機30Aと同方向に回転する第2のバンチャー式撚線機30Bに導入される。
第2のバンチャー式撚線機30Bでは、1+6+12構成のフィラメント束が、ターンローラ33→ガイドローラ37a→ガイドローラ37b→ターンローラ34を通過し、その間にフィラメント束の全体にインナーシース4と同方向のS方向の捻りが入り、撚り方向が−/S/Sの1+6+12構造スチールコード1が撚り上げられ、OTローラ18を経てコードの断面形態や残留トーションを安定させ巻取りボビン19に連続的に巻き取られる。
上記過程において、第1のバンチャー式撚線機30Aでは1+6構成のフィラメント束に所定の捻り(N3)が入りインナーシース4が撚られ、第2のバンチャー式撚線機30Bでは1+6+12構成のフィラメント束全体に所定の捻り(N4)が入りアウターシース6の撚りピッチがP4のコードが撚られる。すなわち、2台のバンチャー式撚線機を通過する間に、インナーシース4には2台分の撚線機30A,30Bの捻り(N3+N4)が入り撚りピッチP3となり、アウターシース6の撚りピッチはP4とは異なるものとなり、すなわち、インナーシース4とアウターシース6の撚りピッチがP3<P4の関係にある1+6+12構造のスチールコードが1回の撚り線工程で製造される。
ここで、2台のバンチャー式撚線機30A、Bの回転数と巻取りボビン19の回転数を設定し一定のラインスピードで同調運転することでコードの撚りピッチ長さとピッチ比P3/P4を任意に変更することができるので、その撚りピッチ比P3/P4=0.5〜0.95の範囲に設定することは容易である。勿論、バンチャー式撚線機30によると、上記の範囲外の撚りピッチ比のコードを製造することもできるが、上記範囲を外れると実用性が損なわれてくる。
本実施形態により製造された1+6+12構造のスチールコード1は、図1に示すコード外接円が円形である断面形状を有し、インナーシース4とアウターシース6との撚りピッチの比P3/P4は0.5〜0.95であり、さらにはP3/P4が0.7〜0.90であるものが好ましい。P3/P4が0.5未満であるとインナーシースとアウターシースとが点接触化し耐フレッチング性が悪化し、0.95を越えると線接触化によりゴム侵入性が悪化し、またインナーシース4の撚りピッチP3が長い場合はインナーシースフィラメント3の撚り角度θ2が小さくなり耐疲労性が低下する傾向にあり、θ2は6°以上、好ましくは8°以上になるように撚りピッチP3を設定することが好ましい。
これにより、アウターシースフィラメント5がインナーシースフィラメント3,3間の谷間に落ち込まずに、即ち各フィラメント3,5が細密充填されることなく非線接触化されて撚り合わされるようになり、図1に示すように断面円形状のコード形態をなしフィラメント3,3間及び5,5間にゴムの侵入する十分な隙間S3,S4が形成されるようになり、ゴム侵入性を確保した上でインナーシース4とアウターシース6のフィラメント間接触面積を増大させることで接触圧を低減しフレッチングを軽減しコードの強力低下を抑制することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態の1+6+12構造のスチールコード1の製造方法を、図8に示す2台のチューブラー式撚線機40A,40Bが同一ライン上に連結されたタンデム型チューブラー式撚線機40の概略図に基づき説明する。
本実施形態に用いられるチューブラー式撚線機は、図9の撚線機概略図に示すような一般的な撚線機50を使用することができる。撚線機50は内部に設けられた無回転の筒体51内にフィラメントの供給ボビン52,・・・が撚線機の回転とは無関係に定位置を保つように直列に配置され、それぞれのボビンから引き出されたフィラメント56が回転筒53に導かれ、回転筒53がモータMにより回転されるとともに各フィラメント56は巻き取り方向に進み、フィラメント56は所定の波形にプレフォームする型付け装置58と撚り合わせボイス54とを通過しコード55が撚り合わされ巻き取りボビン57に巻き取られる。この回転筒53の回転数と巻き取り速度とを同調運転することで所定の撚りピッチのスチールコード55が得られる。
本実施形態では、図8に示すように、第1のチューブラー式撚線機40Aの外方にコアフィラメント2の供給ボビン21が配置され、インナーシース4の中心を構成するように撚線機40Aに導入される。撚線機40Aの内部には6個のインナーシースフィラメント3の供給ボビン22,・・・が筒体41Aの内部に直列に配置され、それぞれのボビンから引き出されたフィラメント3が回転筒42Aに導かれ回転が与えられるとともに各フィラメント3をプレフォームする型付け装置(図示せず)とそれらを撚り合わせるボイス43Aを通過し1+6構成のインナーシース4が撚り合わされる。
インナーシース4は、第1のチューブラー式撚線機40Aの軸線延長上に配置された第2のチューブラー式撚線機40Bに、コード1の中心を構成し、かつ撚線機40B内で回転が与えられないように導入される。撚線機40Bの内部には12個のアウターシースフィラメント5の供給ボビン24,・・・が筒体42Aの内部に直列に配置され、それぞれのボビンから引き出されたフィラメント5が回転筒42Bに導かれ回転が与えられるとともに、インナーシース4の周囲に配されて各フィラメント5をプレフォームする型付け装置(図示せず)とそれを撚り合わせるボイス43Bを通過し1+6+12構造のスチールコード1が撚り合わされる。
スチールコード1の製造に際しては、撚線機40A,40BとがモータM1,M2によりそれぞれの回転数で駆動され、同一方向に回転筒42A,42Bが回転されることでインナーシース4とアウターシース6は同一方向に撚り合わされる。回転筒42A,42Bと巻取りボビン19の巻き取り速度を設定し一定のラインスピードで同調運転することにより、所望の撚りピッチを有する1+6+12構造のスチールコード1を1回の連続した撚り工程で製造することができる。
この場合、インナーシース4は第2のチューブラー式撚線機40Bをコード1の中心構成として回転が付与されず通過されるので第1の撚線機40Aの撚りピッチP5を維持し、またアウターシース6は第2の撚線機の回転により撚りピッチP6で撚り合わされるので、2台の撚線機40A,40Bの回転数を個々に設定することでインナーシース4とアウターシース6の撚りピッチの比P5/P6を任意に設定することができる。
以上説明した1+6+12構造のスチールコード1は、ゴム侵入性と耐フレッチング性とを両立し、しかも1×19構造並みに安価に製造することができるので、図10に示すトラック・バス用などの空気入りラジアルタイヤTのカーカスプライ2、ベルトプライ1、チェーハー4などの補強材として使用することができる。
以下に実施例、比較例により本発明係るスチールコードを具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではない。
表1に記載の1+6+12構造の各実施例と比較例のスチールコードを、JIS G3502に規定のSWRS82Aを用いて公知の方法により製造したフィラメントを用いて、上記実施形態に示した製造方法に従い表1記載の撚り方向、撚りピッチ(表ではインナーシースをI,S、アウターシースをO,Sと示す)でコードを製造した。比較例1はコアフィラメントを中心に19本のフィラメントを集束し1回の撚り工程で同時に撚り合わせた1×19構造(いわゆる、束撚りコード)であり、比較例3は従来から一般に用いられてきた3回撚り工程で製造された3+9+15+W構造のスチールコードである。
各スチールコードについて、次の評価を行い、その結果を表1に示す。
コード生産性:撚り線工程における単位時間当たりのコード取れ高(Kg/時間)を比較例1を100とする指数で示した。指数が大きいほど生産性が高い。
耐疲労性:各スチールコードを打ち込み数:23本/5cmで平行に配列し、上下にゴムシートを積層し加硫したベルト状サンプルを作製し、JIS L1017に記載のファイアストーン型ベルト疲労試験機により、1インチプーリー(負荷応力140Kg/mm)、負荷荷重30Kgを負荷し6×10サイクル疲労試験を行った後、コード強力を測定し疲労前のコードに対する強力保持率を求めた。数値が大きいほど耐疲労性に優れる。また、疲労試験中のサンプルのゴム表面からのフィラメントの抜け出しの有無を観察した。
ゴム侵入性:カーカスプライに各コードを適用した(打ち込み数:23本/5cm)タイヤサイズ:11R22.5 14PRのトラックバス用ラジアルタイヤを作製した。新品タイヤから取り出したカーカスコードをフィラメントに分解し、そのコア周囲、インナーシースとアウターシースの間のゴム付き状態からゴム侵入性を100点満点で目視評価した。数値が大きいほどゴム侵入性がよい。
コード強力保持率:上記のタイヤを大型トラックの後輪に装着し、積載荷重100%で一般路において実走テストを行い、15万Km走行後のタイヤを解体し、タイヤより取り出した10本のカーカスコードの強力を測定し、その平均値を新品タイヤより取り出したコード10本のコード強力の平均値で除したものをコード強力保持率とした。数値が大きいほどよい。
錆の発生:上記コード強力保持率を測定したコードの破断部周辺をフィラメントに分解し、錆の発生程度を目視観察し、小〜大で評価した。
Figure 2006283249
表に示すように、実施例1〜6のスチールコードは、比較例1の1×19構造に対して生産性に遜色がなく、従来の3+9+15構造に比べ大幅なコードのコストダウンが図られる。しかも各実施例コードの高応力域における耐疲労性は、ゴム侵入性と耐フレッチング性の両立により疲労強度を向上し、フィラメントの抜け出し現象を防ぐことができ、ゴム侵入の効果がフィラメントの疲労破断を生じやすい1×19構造の耐疲労性の結果に対比して現れている。また、実走テストにおいても各実施例では耐フレッチング性を向上してカーカスプライのコード強力を十分に保持し、しかも錆の発生の低減し耐腐食性をも改善することが分かる。一方、P1/P2を0.5未満とした比較例ではシース間の点接触化により耐フレッチング性が低下している。
以上説明したように、本発明によるスチールコードの製造方法により製造された1+n+m構造のスチールコードは、空気入りラジアルタイヤのカーカス、ベルトプライ、チェーハーなどの補強材として、特にトラック・バスやライトトラック用タイヤに好適であり、耐久性能に優れたロングライフの空気入りラジアルタイヤを提供するものとなる。
実施形態のスチールコードの断面図である。 同上のスチールコードの側面図である。 従来の1×19構造のスチールコードの断面図である。 従来の3+9+15構造のスチールコードの断面図である。 第1の実施形態のスチールコード製造方法を説明する概略図である。 同上実施形態の変形例のスチールコード製造方法を説明する概略図である。 第2の実施形態のスチールコード製造方法を説明する概略図である。 第3の実施形態のスチールコード製造方法を説明する概略図である。 チューブラー式撚線機の概略を示す説明図である。 空気入りラジアルタイヤの半断面図である。
符号の説明
1……スチールコード
2……コアフィラメント
3……インナーシースフィラメント
4……インナーシース
5……アウターシースフィラメント
6……アウターシース
10……バンチャー式撚線機
11,12,13,14……ターンローラ
16,17……ループ

Claims (8)

  1. インナーシースとアウターシースとの撚り方向が同一方向であり、その撚りピッチがインナーシース(P1)<アウターシース(P2)である1+m+n構造のスチールコードの製造方法であって、
    シースフィラメントよりも太径である1本のコアフィラメントの周囲にインナーシースを構成するm本のフィラメントを配置し、撚線機を用いて1+m構成のインナーシースを撚り合わせるA工程と、
    前記インナーシースの周囲にアウターシースを構成するn本のフィラメントを配置し、前記インナーシースの撚り方向と同一方向に、かつ前記インナーシースと該アウターシースとの撚りピッチとが異なるように撚線機を用いて撚り合わせ1+m+n構造のスチールコードを撚り合わせるB工程を有し、
    前記A工程とB工程とが同一工程にて成され前記1+m+n構造のスチールコードを製造する
    ことを特徴とするスチールコードの製造方法。
  2. フィラメント束に撚りを与えるターンローラを備えた第1ガイド部と第2ガイド部とが、同一の回転軸を中心に回転するバンチャー式撚線機を用い、
    1本のコアフィラメントの周囲にm本のフィラメントを配置して前記バンチャー式撚線機に導入し、前記第1ガイド部において1+m構成のインナーシースを撚り合わせた後、前記第2ガイド部における撚り方向が前記インナーシースの撚り方向と同方向になるように該インナーシースの進行方向を反転させるとともに該インナーシースの周囲にアウターシースを構成するn本のフィラメントを配置し、前記第2ガイド部に導入し前記インナーシースと前記n本のアウターシースフィラメントを撚り合わせ前記1+m+n構造のスチールコードを製造する
    ことを特徴とする請求項1に記載のスチールコードの製造方法。
  3. 同一ライン上に連結された2台のバンチャー式撚線機を用い、
    第1のバンチャー式撚線機で前記A工程を成し1+m構成のインナーシースを撚り合わせ、前記インナーシースの周囲にn本のアウターシースフィラメントを配置して第2のバンチャー式撚線機に導入し前記B工程を成す
    ことを特徴とする請求項1に記載のスチールコードの製造方法。
  4. 同一ライン上に連結された2台のチューブラー式撚線機を用い、
    第1のチューブラー式撚線機で前記A工程を成し1+m構成のインナーシースを撚り合わせ、前記インナーシースの周囲にn本のアウターシースフィラメントを配置して第2のチューブラー式撚線機に導入し前記B工程を成す
    ことを特徴とする請求項1に記載のスチールコードの製造方法。
  5. 前記インナーシースの撚りピッチ(P1)と前記アウターシースの撚りピッチ(P2)との比P1/P2を、P1/P2=0.5〜0.95の範囲に撚り合わせる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスチールコードの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造した1+m+n構造のスチールコード。
  7. 1+6+12構造であることを特徴とする請求項6に記載のスチールコード。
  8. 請求項6又は7に記載のスチールコードを補強材として用いた
    ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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