JP5237053B2 - ガスエンジンのエアクリーナ構造 - Google Patents

Description

本発明は、ガスエンジンの空気入口通路に、空気を清浄化するエアクリーナと、該清浄化された空気と燃料ガスとを混合するガスミキサーへの燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナ（供給圧力調整装置）とを備えたガスエンジンの前記エアクリーナ構造に関する。

図２は一般的なガスエンジンの給気装置の概要構成を示す構成図である。
図２に示すように、かかるガスエンジン１００は、点火プラグ１３を用いた４サイクルガスエンジンである。
図２において、シリンダライナ１０２ａ内に、往復摺動自在に嵌合されたピストン１０２と、シリンダヘッド１０６ａの下面と、シリンダ１０２ａの内面との間に区画形成される燃焼室１０１を備えている。
また、前記エンジン１００は、前記燃焼室１０１に接続される給気ポート１０３、該給気ポート１０３を開閉する給気弁１０４、該燃焼室１０１に接続される排気ポート１０６、該排気ポート１０６を開閉する排気弁１０７等を備えている。

燃料ガスは、ガスミキサー１１０への燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナ３０で燃料ガス圧力を制御された後、燃料ガス管１１０ａを通して、ガスミキサー１１０に導入される。
一方、エアクリーナ２５においては、エアクリーナケース２５ｂ内に、収納室２５ｆが形成され、該収納室２５ｆ内に空気を濾過するエアクリーナエレメント２５ａが収納されている。該エアクリーナ２５で濾過された空気は、空気管１０３側からガスミキサー１１０に導入される。

前記ガスミキサー１１０では、空気管１０３ｂからの空気と、前記ゼロガバナ３０で燃料ガス圧力を制御された燃料ガス管１１０ａから導入された燃料ガスとを予混合して予混合ガスを生成して、この予混合ガスを、給気管１０３ａを経てエンジン給気ポート１０３に投入する。
そして、この予混合ガスは給気ポート１０３を経て給気弁１０４に達し、該給気弁１０４の開弁によって前記燃焼室１０１内に供給されている。そして、燃焼室１０１内に挿入された点火プラグ１３によって燃焼室内１０１内に導入された混合気に点火するようになっている。

前記シリンダヘッド１０６ａの上部には、ヘッドカバー２４がボルト締めされており、該ヘッドカバー２４内に、動弁装置室６が形成されている。該動弁装置室６は隔壁６ｙによって上部室６ｖと下部室６ｕに分けられといる。該隔壁６には、下部室６ｕ側から上部室６ｖ側にのみ流れを可能にしたリード弁２４ｓが設けられている。
前記下部室６ｕには、シリンダブロック等からエンジンのブローバイガスがガス注入管２により導入されている。かかるブローバイガスは、前記下部室６ｕを経てリード弁２４ｓを開いて上部室６ｖに溜まり、次いで該上部室６ｖからブローバイガス排出管３を通ってエアクリーナ２５に送りこまれる。

前記のような、エアクリーナ２５と、ガスミキサー１１０への燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナ３０３０とを併設した、ガスエンジンにおいては、該エアクリーナ２５とゼロガバナ３０との設置態様としては、次の例がある。

特許文献１（特開昭５９−３７２５２号公報）においては、ゼロガバナ３０をエアクリーナ３とは別個に独立して設置している。
また、特許文献２（特公平２−５５６２２号公報）においても、ゼロガバナ４をエアクリーナ６とは別個に独立して設置している。

特開昭５９−３７２５２号公報 特公平２−５５６２２号公報

図２に示されるようなガスエンジンにおいては、ガスミキサー１１０への燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナ３０と、エアクリーナ２５とはそれぞれ別個に設置されている。
また、特許文献１（特開昭５９−３７２５２号公報）及び特許文献２（特公平２−５５６２２号公報）においても、前記ゼロガバナをエアクリーナとは別個に独立して設置している。

しかしながら、前記エアクリーナ及びゼロガバナは、エンジン全体の容積に占める容積の割合が大きく、この比較的容積割合の大きいエアクリーナとゼロガバナとを、両者の機能をそれぞれ十分に発揮でき、且つ両者の配置態様が比較的小容積で配置できるようなガスエンジンの構造が求められている。

本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、ゼロガバナとエアクリーナとを併せ備えたガス
エンジンにおいて、両者の機能をそれぞれ支障なく発揮でき且つ両者の配置態様が比較的小容積で実現でき、また分解、組立て時のメインテナンス性も良好なゼロガバナとエアクリーナの配置を提供できるガスエンジンのエアクリーナ構造を供給することを目的とする。

本発明はかかる目的を達成するもので、
ガスエンジンの空気入口通路に、空気を清浄化するエアクリーナと、該清浄化された空気と燃料ガスとを混合するガスミキサーへの燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナとを備えたガスエンジンのエアクリーナ構造において、
前記エアクリーナは、エアクリーナケース内に隔壁で仕切られた２つの収納室を形成して、各収納室にエアクリーナエレメントと前記ゼロガバナとをそれぞれ収納し、エアクリーナカバーで前記各収納室を覆蓋するとともに、
前記ガスミキサーを管途中に介装し、該ガスミキサーで生成された余混合ガスをエンジン給気ポートに投入する給気管を具え、前記２つの収納室は、前記給気管の管軸と直交する上下方向に隔壁を介して２個形成され、更に前記２つの収納室の下部の収納室に収納されたゼロガバナと、該ゼロガバナの燃料ガス出口に燃料ガス管を介して接続される前記ガスミキサーとは、該ゼロガバナと前記ガスミキサーの燃料ガス入口部が同一側に配置されてなることを特徴とする。

かかる発明において、好ましくは、前記２つの収納室は、上下方向に隔壁を介して２個形成され、上部の収納室に前記エアクリーナエレメントを下部の収納室に前記ゼロガバナを収納する。

また、かかる発明において、好ましくは、前記２つの収納室は、同一側に向けて上下方向に２個並べて配置され、前記1個のエアクリーナカバーで前記２つの収納室を開閉できるように構成される（請求項３）。

本発明によれば、ガスエンジンの空気入口通路に、空気を清浄化するエアクリーナ及び前記ガスミキサーへの燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナを備えたガスエンジンのエアクリーナ構造において、前記エアクリーナは、エアクリーナケース内に隔壁で仕切られた２つの収納室を形成して、各収納室にエアクリーナエレメントと前記ゼロガバナとをそれぞれ収納し、エアクリーナカバーで前記各収納室を覆蓋したので（請求項１）、
エアクリーナケース内に隔壁で仕切られた２つの収納室を形成して、各収納室にエアクリーナとガスミキサーへの燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナとを収納し、１つのエアクリーナカバーで前記各収納室を覆蓋したので、空気供給手段（エアクリーナ）とガス燃料供給手段（ゼロガバナ）とを、エアクリーナケース内に一体化してコンパクトに纏めることができ、本来、比較的容積割合の大きいエアクリーナとゼロガバナとを、両者の配置態様を1個のエアクリーナケース内に、比較的小容積で配置することができる。

また、かかる発明によれば、エアクリーナに並べてゼロガバナを配置したので、ゼロガバナからガスミキサーへの配管長さを短縮でき、配管による損失が少なくなる。
また、かかる発明によれば、エアクリーナケースの収納室に、エアクリーナエレメントとゼロガバナとをそれぞれ収納し、エアクリーナカバーで前記各収納室を覆蓋したので、エアクリーナエレメントとゼロガバナとを、エアクリーナカバーを外して同じ側からエアクリーナエレメントとゼロガバナの整備が可能であり、整備性がよい。

また、２つの収納室は、（前記給気管の管軸と直交する）上下方向に隔壁を介して２個形成され、上部の収納室に前記エアクリーナエレメントを下部の収納室に前記ゼロガバナを収納すれば、重量の大きいゼロガバナを、下部の収納室に収納することにより、収納が安定する。

又この発明において、下部の収納室に収納されたゼロガバナと、該ゼロガバナの燃料ガス出口に燃料ガス管を介して接続される前記ガスミキサーとは、該ゼロガバナと前記ガスミキサーの燃料ガス入口部が同一側に配置されるように構成すれば、ゼロガバナと前記ガスミキサーの燃料ガス入口部が同一側に配置することにより、すなわちガスミキサーの燃料ガス入口部が設けられている側（図１で空気管１０３ｂに対して上下方向下側の同一側）にゼロガバナが設けられることで、前記ガスミキサーの燃料ガス入口部との距離を最短に取ることができ、ゼロガバナからガスミキサーへの配管長さを短縮でき、配管による損失が少なくなる。

また、かかる発明において、２つの収納室は、同一側に向けて（前記給気管の管軸と直交する）上下方向に２個並べて配置され、前記1個のエアクリーナカバーで前記２つの収納室を開閉できるように構成すれば（請求項３）、1個のエアクリーナカバーを明ければ、２つの収納室に入っているゼロガバナ及びエアクリーナを簡単に整備できる。

以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。

図１は本発明の実施例を示すガスエンジンの給気装置の概要構成を示す構成図である。

かかるガスエンジン１００は、点火プラグ１３を用いた４サイクルガスエンジンである。
図１において、シリンダライナ１０２ａ内に往復摺動自在に嵌合されたピストン１０２と、シリンダヘッド１０６ａの下面と、シリンダ１０２ａの内面との間に区画形成される燃焼室１０１を備えている。
また、前記エンジン１００は、前記燃焼室１０１に接続される給気ポート１０３、該給気ポート１０３を開閉する給気弁１０４、該燃焼室１０１に接続される排気ポート１０６、該排気ポート１０６を開閉する排気弁１０７を備えている。

本発明の実施例においては、エアクリーナ２５の構造を改良している。
即ち、図1において、前記エアクリーナ２５は、エアクリーナケース２５ｂ内に隔壁２５ｃで仕切られた２つの収納室つまりエアクリーナ収納室２５ｅとゼロガバナ収納室２５ｆを形成して、エアクリーナ収納室２５ｅにエアクリーナエレメント２５ａを収納し、ゼロガバナ収納室２５ｆにゼロガバナ３０を収納している。
そして、1個のエアクリーナカバー２５ｄで前記各収納室２５ｅと２５ｆを覆蓋している。

前記エアクリーナ収納室２５ｅ内には、空気を濾過する前記エアクリーナエレメント２５ａが収納されている。該エアクリーナエレメント２５ａで濾過された空気は、空気管１０３ｂ側からガスミキサー１１０に導入される。
また、燃料ガスは、ガスミキサー１１０への燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナ３０で燃料ガス圧力を制御された後、燃料ガス管１１０ａを通して、ガス量調整弁のガスミキサー１１０に下方から導入される。

前記ガスミキサー１１０では、空気管１０３ｂからの空気と、前記ゼロガバナ３０で燃料ガス圧力を制御された燃料ガス管１１０ａから導入された燃料ガスとを予混合して予混合ガスを生成して、この予混合ガスを、給気管１０３ａを経てエンジン給気ポート１０３に投入する。
そして、この予混合ガスは給気ポート１０３を経て給気弁１０４に達し、該給気弁１０４の開弁によって前記燃焼室１０１内に供給されている。

次に、従来のものと同様に、前記シリンダヘッド１０６ａの上部には、ヘッドカバー２４がボルト締めされており、該ヘッドカバー２４内に、動弁装置室６が形成されている。
該動弁装置室６は隔壁６ｙによって上部室６ｖと下部室６ｕに分けられている。該隔壁６には、下部室６ｕ側から上部室６ｖ側にのみ、流れを可能にしたリード弁２４ｓが設けられている。
前記下部室６ｕには、シリンダブロック等からエンジンのブローバイガスがガス注入管２により導入されている。かかるブローバイガスは、前記下部室６ｕを経てリード弁２４ｓを開いて上部室６ｖに溜まり、次いで該上部室６ｖからブローバイガス排出管３を通って前記エアクリーナ２５に送りこまれる。

次に、かかるガスエンジンにおける、燃料ガスの燃焼について説明する。
燃料ガスは、前記ガスミキサー１１０によって形成された空気と燃料との予混合ガスが燃焼室１０１内に導入されて、燃焼室１０１内に挿入された点火プラグ１３によって点火するようになっている。燃焼後の排気ガスは、排気弁１０７が開くと排気ポート１０６を通って外部に排出される。

以上のように、かかる実施例によれば、エアクリーナケース２５ｂ内に隔壁２５で仕切られた２つの収納室２５ｅ，２５ｆを形成して、各収納室２５ｅ，２５ｆにエアクリーナエレメント２５ａとガスミキサー１１０への燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナ３０とを収納し、エアクリーナカバー２５で前記各収納室２５ｅ，２５ｆを覆蓋したので、
空気供給手段（エアクリーナ２５）とガス燃料供給手段（ゼロガバナ３０）とを、エアクリーナケース２５ｂ内に一体化してコンパクトに纏めることができ、本来、比較的容積割合の大きいエアクリーナ２５とゼロガバナ３０とを、両者の配置態様を1個のエアクリーナケース２５ｂ内に比較的小容積で、配置することができる。

また、かかる実施例によれば、エアクリーナ２５に並べてゼロガバナ３０を配置したので、ゼロガバナ３０からガスミキサー１１０への配管長さを短縮でき、配管による損失が少なくなる。
また、かかる実施例によれば、エアクリーナケース２５ｂの収納室２５ｅ，２５ｆに、エアクリーナエレメント２５ａとゼロガバナ３０とをそれぞれ収納し、エアクリーナカバー２５ｄで前記各収納室２５ｅ，２５ｆを覆蓋したので、エアクリーナエレメント２５ａとゼロガバナ３０とを、エアクリーナカバー２５ｄを外して同じ側から整備が可能であり、整備性が良くなる。

また、２つの収納室２５ｅ，２５ｆは、（前記給気管の管軸と直交する）上下方向に隔壁２５ｃを介して２個形成され、上部の収納室２５ｅに前記エアクリーナエレメント２５ａを下部の収納室２５ｆに前記ゼロガバナ３０を収納したので、重量の大きいゼロガバナ３０を、下部の収納室２５ｆに収納することにより、収納が安定する。

また、かかる実施例によれば、下部の収納室２５ｆに収納されたゼロガバナ３０と、該ゼロガバナ３０の燃料ガス出口に燃料ガス管１１０ａを介して接続される前記ガスミキサー１１０とは、該ゼロガバナ３０と前記ガスミキサー１１０の燃料ガス入口部１１０ｆが同一側に配置されているので、すなわちガスミキサー１１０の燃料ガス入口部１１０ｆが設けられている側（図１で空気管１０３ｂに対して上下方向下側の同一側）にゼロガバナが設けられることで、さらに、ゼロガバナ３０の燃料ガス出口の部分が、ガスミキサー１１０側に向いて突出していることで、ゼロガバナ３０と前記ガスミキサー１１０の燃料ガス入口部１１０ｆとの距離を最短に取ることができ、ゼロガバナ３０からガスミキサー１１０への配管長さを短縮でき、配管による損失が少なくなる。

また、かかる実施例によれば、２つの収納室２５ｅ，２５ｆは、同一側に向けて上下方向に２個並べて配置され、前記1個のエアクリーナカバー２５ｄで前記２つの収納室２５ｅ，２５ｆを開閉できるように構成しているので、1個のエアクリーナカバー２５ｄを明ければ２つの収納室２５ｅ，２５ｆに入っているゼロガバナ３０及びエアクリーナ２５を簡単に整備できる。

本発明によれば、ゼロガバナとエアクリーナとを併せ備えたガスエンジンにおいて、
両者の機能をそれぞれ支障なく発揮でき且つ両者の配置態様が比較的小容積で実現でき、また分解、組立て時のメインテナンス性も良好なゼロガバナとエアクリーナの配置を提供できるガスエンジンのエアクリーナ構造を供給することができる。

本発明の実施例を示すガスエンジンの給気装置の概要構成を示す構成図である。 従来技術を示す図１対応図である。

符号の説明

２ ガス注入管
３ ブローバイガス排出管
６ 動弁装置室
６ｖ 上部室
６ｕ 下部室
１３ 点火プラグ
２４ ヘッドカバー
２４ｓ リード弁
２５ エアクリーナ
２５ａ エアクリーナエレメント
２５ｂ エアクリーナケース
２５ｃ 隔壁
２５ｄ エアクリーナカバー
２５ｅ エアクリーナ収納室
２５ｆ ゼロガバナ収納室
３０ ゼロガバナ
１００ エンジン（ガスエンジン）
１０１ 燃焼室
１０２ ピストン
１０２ａ シリンダライナ
１０３ 給気ポート
１０３ａ 給気管
１０３ｂ 空気管
１０４ 給気弁
１０６ 排気ポート
１０６ａ シリンダヘッド
１０７ 排気弁
１１０ ガスミキサー
１１０ａ 燃料ガス管

Claims (3)

1. ガスエンジンの空気入口通路に、空気を清浄化するエアクリーナと、該清浄化された空気と燃料ガスとを混合するガスミキサーへの燃料ガス圧力を適宜に設定し得るゼロガバナとを備えたガスエンジンのエアクリーナ構造において、
   前記エアクリーナは、エアクリーナケース内に隔壁で仕切られた２つの収納室を形成して、各収納室にエアクリーナエレメントと前記ゼロガバナとをそれぞれ収納し、エアクリーナカバーで前記各収納室を覆蓋するとともに、
   前記ガスミキサーを管途中に介装し、該ガスミキサーで生成された余混合ガスをエンジン給気ポートに投入する給気管を具え、前記２つの収納室は、前記給気管の管軸と直交する上下方向に隔壁を介して２個形成され、更に前記２つの収納室の下部の収納室に収納されたゼロガバナと、該ゼロガバナの燃料ガス出口に燃料ガス管を介して接続される前記ガスミキサーとは、該ゼロガバナと前記ガスミキサーの燃料ガス入口部が同一側に配置されてなることを特徴とするガスエンジンのエアクリーナ構造。
2. 前記２つの収納室は、上下方向に隔壁を介して２個形成され、上部の収納室に前記エアクリーナエレメントを下部の収納室に前記ゼロガバナを収納したことを特徴とする請求項1記載のガスエンジンのエアクリーナ構造。
3. 前記２つの収納室は、同一側に向けて上下方向に２個並べて配置され、前記1個のエアクリーナカバーで前記２つの収納室を開閉できるように構成されたことを特徴とする請求項1記載のガスエンジンのエアクリーナ構造。

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