JP5235525B2 - レーザ光伝送装置およびそれを備えたファイバレーザ発振器 - Google Patents
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特許文献2の構成では、クラッドに接するモードストリッパは、外部のクーラントへ光を伝導させているので、光ファイバ自体が発熱することがなく、過熱ダメージの対策が講じられている。
また、高パワーレーザ光を伝送する際には、クラッド層に接するゲルが発熱するので、光ファイバ自身が発熱して、過熱によるダメージを受ける可能性があるという課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1に係るレーザ光伝送装置を示す全体構成図であり、図2は図1内のクラッド伝播光除去部2(破線枠内)を拡大して示す断面図である。
図1および図2において、光ファイバ1は、外部保護用の被覆3と、光透過性のクラッド4およびコア5とにより構成されており、レーザ発振器10から出射されたレーザ光Lを伝送する。
クラッド4は、コア5よりも低い屈曲率を有し、コア5の外側に設けられており、被覆3は、クラッド4の外側に設けられている。
また、クラッド伝播光除去部2の外側には、クラッド4と同等以上の屈折率を有する光透過性部材6が設けられておる。
さらに、光透過性部材6の外側には、光吸収部材7を介して冷却部材8が設けられている。
ここでは、クラッド伝播光除去部2の曲率半径Rは、光ファイバ1の曲げ強度を考慮して、クラッド直径125μm〜400μmの光ファイバに対し、曲率半径100mm以上の緩い曲げを与えるものとする。
また、クラッド伝播光除去部2に露出されたクラッド4は、所定の曲率半径R(たとえば、R=150mm)を保持した状態のまま、周囲が光透過性部材6で覆われて固定されている。
光透過性部材6の周囲を覆う光吸収部材7は、良熱伝導性の材料であり、たとえば、黒色メッキされた金属(アルミ、銅)などからなる。
光吸収部材7の周囲を覆う冷却部材8は、良熱伝導性の金属(アルミ、銅)などからなり、望ましくは、水冷式あるいは空冷式の冷却機構により構成される。
なお、光吸収部材7および冷却部材8は、一体化して構成されてもよい。
以下、漏れ出た光成分は、光吸収部材7に吸収され、このときの光吸収によって生じる光吸収部材7の発熱は、冷却部材8によって冷却される。
また、クラッド伝播光除去部2におけるクラッド4の表面は、光透過性部材6を介して光吸収部材7に接触しているので、光吸収部材7の発熱が、クラッド4に直接影響することもない。したがって、光ファイバ1自体が発熱することはない。
図3の横軸(曲率半径Rの逆数)において、「5」は、曲率半径R=200mmに対応し、「6.7」は、曲率半径R=150mmに対応し、「10」は、曲率半径R=100mmに対応する。
さらに、クラッド直径が400μmよりも小径の光ファイバ(クラッド直径125μm〜400μm)の場合は、より緩い曲げ(より大きい曲率半径)で同等のクラッド伝播光除去効果が得られることを実験的に確認している。
すなわち、光ファイバ1の一部の被覆3を除去して適切な値の曲率半径Rで曲げることによりクラッド伝播光除去部2を形成し、クラッド伝播光除去部2の外側に光透過性部材6が取り付けられている。
また、クラッド伝播光除去部2で露出したクラッド4には、光透過性部材6が接触しており、光吸収部材7(発熱部材)が直接接触することがないので、クラッド4が過熱される可能性も回避することができる。
また、クラッド伝播光除去部2の所定長さD=10mm、曲率半径R≦100mmに設定した場合には、所定長さD=10mmであっても、約98%のクラッド伝播光を除去することができる。
さらに、クラッド直径が400μmよりも小径の光ファイバ(クラッド直径125μm〜400μm)の場合は、より緩い曲げ(より大きい曲率半径)で同等のクラッド伝播光除去効果が得られることを実験的に確認している。
なお、上記実施の形態1(図1、図2)では、単層のクラッド4を有する光ファイバ1の場合を示したが、2層のクラッド4を有する光ファイバ(DCFF:ダブルクラッドファイバ)を用いて、高出力マルチモードレーザーダイオード光を励起光として利用可能な構成としてもよい。
この場合、ダブルクラッドファイバに対しても、前述と同様の効果を奏する。
図4はクラッド伝播光除去部12を有する光ファイバ11を用いたこの発明の実施の形態2に係るファイバレーザ発振器10Aを示す構成図である。
また、ファイバレーザ発振器10Aに使用される光ファイバ11としては、クラッドに励起光を閉じ込めるように構成されたダブルクラッドファイバで構成されることが多い。
特に、ダブルクラッドファイバからなる光ファイバ11の場合には、前述の通常の光ファイバ1のクラッド4を第1クラッド、被覆3を第2クラッドと考えて適用することが可能である。
また、ダブルクラッドファイバからなる光ファイバ11を用いた場合、ファイバレーザ発振器10Aの出射部近傍にクラッド伝播光除去部12を配置することにより、第1クラッドを伝播してくる余分な励起光を合わせて除去することが可能となる。
したがって、クラッド伝播光が除去されたクリーンなモードのレーザ光Lを得りことができる。
Claims (7)
- レーザ光の伝送方向に延長された光透過性のコアと、
前記コアの外側に設けられた光透過性のクラッドと、
前記クラッドの外側に設けられた被覆と
からなる光ファイバを備えたレーザ光伝送装置において、
前記光ファイバは、
前記被覆の一部が所定長さにわたって除去されたクラッド露出部分と、
前記クラッドと同等以上の屈折率を有し、前記クラッド露出部分の外側に設けられた光透過性部材とを備え、
前記クラッド露出部分は、強度的に耐え得る範囲内の曲率半径で曲げられて前記光透過性部材に接触しており、
前記クラッドの直径は、125μm以上400μm以下であり、
前記クラッド露出部分の曲率半径は、100mm以上200mm以下の範囲内に設定され、
前記クラッド露出部分の所定長さは、20mm以下に設定されていることを特徴とするレーザ光伝送装置。 - 前記光透過性部材の外側に設けられた光吸収部材と、
前記光吸収部材を外側から冷却するための冷却機構と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ光伝送装置。 - 前記クラッドの直径は、400μmに設定されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザ光伝送装置。
- 前記クラッド露出部分の曲率半径は、100mm以上150mm以下の範囲内に設定され、
前記クラッド露出部分の所定長さは、15mm以下に設定されたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレーザ光伝送装置。 - 前記クラッド露出部分の曲率半径は、100mmに設定され、
前記クラッド露出部分の所定長さは、10mm以下に設定されたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレーザ光伝送装置。 - 前記光ファイバは、ダブルクラッドファイバにより構成されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレーザ光伝送装置。
- 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のレーザ光伝送装置を備えたファイバレーザ発振器。
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