JP6550494B1 - 光デバイスおよびファイバレーザ装置 - Google Patents
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Abstract
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下記特許文献1では、ファイバレーザ装置において、コアにスラント型FBG(Fiber Bragg Grating)を形成することが開示されている。この構成により、コア内を伝搬する光からSRS光を選択的に除去し、コア内を伝搬する信号光を安定させたり、励起光源の損傷を防いだりすることができる。
また、前記ファイバレーザ装置は前方励起型であり、前記共振器は、励起状態で光を放出する活性元素がコアに添加された増幅用ファイバと、前記活性元素が放出する光の少なくとも一部を反射する第1FBGと、前記第1FBGが反射する光を前記第1FBGよりも低い反射率で反射する第2FBGと、を有し、前記領域は、前記第2FBGよりも出力端側に位置する部分であってもよい。
以下、第1実施形態の光デバイスおよびファイバレーザ装置について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明は以下の実施形態に限定されない。
ファイバレーザ装置1Aは、前方励起光源2および後方励起光源8を備えた双方向励起型である。
図2に示すように、光デバイス10は、光ファイバ13を備えている。以下、光ファイバ13の長手方向を単に長手方向という。また、光ファイバ13から見て、長手方向における出力端9側を+X側といい、共振器R側を−X側という。
また、増幅用ファイバ5から見て、前方励起光源2側を前方、後方励起光源8側を後方という場合がある。
第1コンバイナ3は、各前方励起光源2が出射した励起光を、1本の光ファイバに結合し、増幅用ファイバ5に向かわせる。第2コンバイナ7は、各後方励起光源8が出射した励起光を、1本の光ファイバに結合し、増幅用ファイバ5に向かわせる。
OC−FBG(第2FBG)6は、増幅用ファイバ5の後方の端部に融着された光ファイバのコア内に形成されている。OC−FBG6は、HR−FBG4とほぼ同様の構造を有しているが、HR−FBG4よりも低い反射率で、光を反射するように調整されている。
図2は、光デバイス10の構成を示す模式図である。図2に示すように、光デバイス10は、スラント型FBG12が形成されたコア13aと、クラッド13bと、低屈折率層13cと、保護被覆13dと、を有する光ファイバ13を備えている。コア13aおよびクラッド13bとしては、シリカガラスなどにより形成されたガラスクラッドを用いることができる。クラッド13bは、コア13aを覆い、コア13aよりも低い屈折率を有している。低屈折率層13cは、クラッド13bを覆い、クラッド13bよりも低い屈折率を有している。
保護被覆13dは、低屈折率層13cを覆っている。保護被覆13dとしては、アクリル樹脂やシリコーン樹脂などの樹脂材料を用いることができる。保護被覆13dとして用いられるこれらの樹脂材料は、一般的に、光を吸収して発熱する。
光ファイバ13のコア13a、共振器側ファイバ17のコア17a、および出力側ファイバ18のコア18aは、互いに融着接続されて一体となっている。
スラント型FBG12は、コア13aに、部分的に加工用光線(紫外線レーザ光など)を照射し、屈折率を変調することで形成される。本実施形態では、スラント型FBG12を形成するために、低屈折率層13cおよび保護被覆13dを部分的に除去し、当該除去した部分を通じて加工用光線をコア13aに照射している。また、当該除去部分は、スラント型FBG12が形成された後、低屈折率材(再被覆部)14によって覆われている。このため、クラッド13bのうち、コア13aにおけるスラント型FBG12が形成された領域を覆う部分の外周面は、低屈折率材14によって覆われている。
低屈折率材14としては、クラッド13bよりも低い屈折率を有する樹脂材料を用いることができる。低屈折率材14を構成する樹脂材料の屈折率は、低屈折率層13cの屈折率と同等またはそれより小さくてもよい。低屈折率材14によって、低屈折率層13cが除去された部分から、クラッドモード光が漏れることが抑えられる。
また、スラント型FBG12は、光デバイス10内に複数設けられていてもよい。
図2に模式的に示すように、本実施形態のスラント型FBG12では、長手方向における屈折率変調部同士の間隔が不均一になっている。これにより、スラント型FBG12でコア13aから取り除かれる光の波長帯が大きくなる。従って、SRS光をクラッド13bに向けてより確実に逃がすことができる。このように、SRS光をコア13aから選択的に除去し、クラッド13bに結合させることで、信号光の品質を安定させたり、励起光源2、8の損傷を防いだりすることができる。
コア13a内を+X側(出力端9側)に向けて進行したSRS光は、スラント型FBG12によってコア13aから除去され、クラッド13bに向かう。このとき、クラッド13bに逃がされたSRS光は、−X側(共振器R側)に向けて進行する。
ところで、ファイバレーザ装置1Aを高出力化するほど、クラッド13b内に閉じ込められるSRS光のパワーも大きくなる。このSRS光が、例えば保護被覆などの光を吸収する部分に照射されると、当該部分が強く発熱してしまう。あるいは、高パワーのSRS光が、クラッド13b内を導波して励起光源2、8に入射すると、これらの励起光源2、8が故障する可能性がある。従って、高パワーのSRS光に起因する発熱や故障などが発生することを防ぐために、SRS光をクラッド13bから安定的に除去することが求められる。
そこで、本実施形態の光デバイス10は、スラント型FBG12によってコア13aからクラッド13bへと逃がされたSRS光を含むクラッドモード光を除去する、クラッドモード除去部P1〜P3を備えている。以下、詳細に説明する。
図2に示す第1のクラッドモード除去部P1は、いわゆるクラッドモードストリッパ11である。本実施形態において、クラッドモードストリッパ11とは、クラッド13bの外周面の一部を、クラッド13bよりも高い屈折率を有する高屈折率材11aによって覆った構成をいう。クラッドモードストリッパ11は、光ファイバ13の低屈折率層13cおよび保護被覆13dを長手方向に沿って間欠的に除去し、当該除去した部分を高屈折率材11aで覆うことで形成されている。高屈折率材11aとしては、樹脂などが用いられる。クラッドモードストリッパ11では、SRS光を含むクラッドモード光を、クラッド13b内から高屈折率材11aへと除去することができる。SRS光が照射された高屈折率材11aおよびその周辺は発熱するため、高屈折率材11aに、フィンなどの放熱部または冷却部を接続してもよい。
図2に示すように、本実施形態では、光デバイス10におけるクラッド13bの外径が、共振器側クラッド17bおよび出力側クラッド18bの外径よりも大きい。つまり、共振器側クラッド17bおよび出力側クラッド18bは、光デバイス10のクラッド13bよりも小径の小径クラッドである。このため、クラッド13bの長手方向における両端部に、第1端面13b1および第2端面13b2が形成されている。第1端面13b1は、第1接続部A1に位置し、−X側を向いている。第2端面13b2は、第2接続部A2に位置し、+X側を向いている。これらの端面13b1、13b2から、SRS光を含むクラッドモード光を、クラッド13bから除去することができる。つまり、クラッド13bの端面13b1、13b2は、クラッドモード除去部P2、P3として機能する。
さらに本実施形態では、端面13b1、13b2が、クラッド13bよりも高い屈折率を有する固定部材15、16により覆われていることで、これらの端面13b1、13b2から、SRS光を含むクラッドモード光をより効果的に除去することができる。なお、固定部材15、16が設けられていなくても、端面13b1、13b2はクラッドモード除去部P2、P3として機能する。
端面13b1、13b2においてクラッドモード光を除去し、SRS光を含むクラッドモード光がファイバ17、18へ入射するのを抑制することで、これらのファイバ17、18内におけるSRS光の成長を防止することができる。
なお、SRS光を含むクラッドモード光が照射された固定部材15,16は発熱するため、固定部材15、16に、フィンなどの放熱部または冷却部を接続してもよい。
光ファイバ13のクラッド13bの外径は、例えば250μm〜600μm程度である。
また、クラッド13bの端面13b1、13b2をクラッドモード除去部P2、P3として用いることで、端面13b1、13b2に接続される共振器側ファイバ17または出力側ファイバ18に、SRS光が入射されることを抑えることができる。従って、例えば高パワーのSRS光が、励起光源2、8に入射したり、出力側ファイバ18の先に接続される機器に入射したりすることを防止できる。
また、クラッドモード除去部P1〜P3は、低屈折率材14と長手方向において異なる位置に配置されており、この配置は任意に設定することができる。従って、クラッドモード光を、任意の位置でクラッドモード除去部P1〜P3によって除去することができる。
あるいは、図5に示すように、スラント型FBG12の長手方向における両側にクラッドモードストリッパ11を配置してもよい。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のファイバレーザ装置1Bは、後方励起光源を有していない片側励起型である。つまり、ファイバレーザ装置1Bは前方励起型のファイバレーザ装置である。
また、本明細書における光デバイス10を、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式のファイバレーザ装置に採用してもよい。
Claims (12)
- コアと、
前記コアを覆い、前記コアよりも低い屈折率を有するクラッドと、
前記クラッドを覆い、前記クラッドよりも低い屈折率を有する低屈折率層と、
前記コアに形成されたスラント型FBGと、
前記スラント型FBGによって前記コアから前記クラッドへ結合したSRS光を含むクラッドモード光を前記クラッド内から除去する、少なくとも1つのクラッドモード除去部と、を備え、
前記コア、前記クラッド、および前記低屈折率層は光ファイバを構成し、前記クラッドモード除去部は前記光ファイバに設けられており、
前記クラッドのうち、前記コアにおける前記スラント型FBGが形成された領域を覆う部分の外周面が、前記低屈折率層よりも低い屈折率を有する低屈折率材によって覆われ、
前記クラッドの長手方向において、前記クラッドモード除去部と前記低屈折率材とが異なる位置に配置されており、
前記クラッドモード除去部と前記低屈折率材との間には、前記長手方向に沿って前記低屈折率層が設けられている、光デバイス。 - 前記クラッドモード除去部は、前記クラッドの外周面に接触し、かつ該クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率材によって構成されたクラッドモードストリッパである、請求項1に記載の光デバイス。
- 前記クラッドモードストリッパは、前記クラッドの長手方向に沿って前記スラント型FBGから遠ざかるに従って、前記クラッドモード光の除去能力が高まるように構成されている、請求項2に記載の光デバイス。
- 前記高屈折率材は、
前記長手方向に間隔を空けて配置され、かつ前記クラッドの外周面に接触する複数の接触部と、
前記複数の接触部を互いに連結する連結部と、を有し、
前記長手方向における前記複数の接触部のそれぞれの幅は、前記スラント型FBGから遠ざかるに従って大きくなっている、請求項3に記載の光デバイス。 - 前記クラッドモード除去部は前記クラッドの長手方向における端面である、請求項1に記載の光デバイス。
- 前記クラッドの長手方向における両方の端面がそれぞれ前記クラッドモード除去部である、請求項5に記載の光デバイス。
- 第1の光ファイバおよび前記第1の光ファイバの第1の端部に接続された第2の光ファイバを備え、
前記第1の光ファイバは、スラント型FBGが形成された第1のコアと、前記第1のコアを覆い、前記第1のコアよりも低い屈折率を有する第1のクラッドと、前記第1のクラッドを覆い、前記第1のクラッドよりも低い屈折率を有する第1の低屈折率層と、を有し、
前記第2の光ファイバは、第2のコアと、前記第2のコアを覆い、前記第2のコアよりも低い屈折率を有する第2のクラッドと、前記第2のクラッドを覆い、前記第2のクラッドよりも低い屈折率を有する第2の低屈折率層と、を有し、
前記第1のクラッドの外径は、前記第2のクラッドの外径よりも大きく、
前記第1の端部における前記第1のクラッドの端面が、前記スラント型FBGによって前記第1のコアから前記第1のクラッドへ結合したSRS光を含むクラッドモード光を前記第1のクラッド内から除去するクラッドモード除去部である、光デバイス。 - 前記第1の光ファイバの第2の端部に接続された第3の光ファイバをさらに備え、
前記第3の光ファイバは、第3のコアと、前記第3のコアを覆い、前記第3のコアよりも低い屈折率を有する第3のクラッドと、前記第3のクラッドを覆い、前記第3のクラッドよりも低い屈折率を有する第3の低屈折率層と、を有し、
前記第1のクラッドの外径は、前記第3のクラッドの外径よりも大きく、
前記第2の端部における前記第1のクラッドの端面が、前記クラッドモード光を前記第1のクラッド内から除去するクラッドモード除去部である、請求項7に記載の光デバイス。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の光デバイスと、
励起光源と、
共振器と、を備える、ファイバレーザ装置。 - 前記クラッドモード除去部が、前記励起光源が出射した残留励起光が実質的に到達しない領域に配置されている、請求項9に記載のファイバレーザ装置。
- 前記ファイバレーザ装置は、前方励起光源および後方励起光源を備える双方向励起型であって、前記共振器と前記前方励起光源との間に設けられた第1コンバイナと、前記共振器と前記後方励起光源との間に設けられた第2コンバイナと、を有し、
前記領域は、前記第2コンバイナよりも出力端側に位置する部分である、請求項10に記載のファイバレーザ装置。 - 前記ファイバレーザ装置は前方励起型であり、
前記共振器は、
励起状態で光を放出する活性元素がコアに添加された増幅用ファイバと、
前記活性元素が放出する光の少なくとも一部を反射する第1FBGと、
前記第1FBGが反射する光を前記第1FBGよりも低い反射率で反射する第2FBGと、を有し、
前記領域は、前記第2FBGよりも出力端側に位置する部分である、請求項10に記載のファイバレーザ装置。
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