JP5234058B2 - 光送受信モジュール - Google Patents

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本発明は、複数の伝送路に同時に光信号を送受信する、光並列伝送における光送受信モジュールに関する。
電子機器間の信号の高速伝送を可能とするために、電子機器に光送受信モジュールを設け、光ファイバを介して電子機器間の信号を伝達することが行われている。このような用途に用いる光送受信モジュールは、一般的に、発光素子としてのVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)とVCSELを駆動するドライバICと、受光素子としてのフォトダイオードとフォトダイオードからの電気信号を増幅するトランスインピーダンスアンプとを備えている。
このような光送受信モジュールとして特許文献1は、複数の発光素子からなるLDアレイと、複数の受光素子からなるPDアレイが独立して単一のプリント基板に固定された光送受信モジュールを開示している。
特開平7−209557号公報
ところで、光送受信モジュールにおいて、ドライバICからVCSELを駆動するために比較的高電流(約10mA)の信号が出力され、フォトダイオードからトランスインピーダンスアンプへは比較的低電流(約10μA)の信号が出力されている。このため、特許文献1に記載の光送受信モジュールのように共通のプリント基板上にLDアレイ(VCSEL)とPDアレイ(フォトダイオード)を配置すると、各部材間の距離が近いために互いに干渉して電気的なクロストークが生じ、特にPDアレイ(フォトダイオード)からトランスインピーダンスアンプへの信号に大きなノイズが混入してしまう虞があった。更に、光送受信モジュールを小型化すれば配線間の距離が短くなるため、一層ノイズが増大しやすいという問題があった。
そこで本発明は、コンパクトな構成で電気的なクロストークが低減された光送受信モジュールを提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の光送受信モジュールが提供される。
(1) 発光素子と、前記発光素子からの光を送信する送信用光ファイバを収容する送信側光ファイバ位置決め部品と、前記発光素子の発光を電気的に制御する送信用半導体素子とが素子搭載面に設けられた送信側基板と、
受光素子と、前記受光素子へ光を伝達する受信用光ファイバを収容する受信側光ファイバ位置決め部品と、前記受光素子からの電気信号を増幅する受信用半導体素子とが素子搭載面に設けられた受信側基板と、を備えた光送受信モジュールであって、
前記送信側基板の素子搭載面の反対側と、前記受信側基板の素子搭載面の反対側とが向かい合うように配置されていることを特徴とする。
(2) 前記光送受信モジュールは、前記送信側基板と前記受信側基板とを覆うハウジングを備え、
前記ハウジングの少なくとも前記送信用半導体素子に対向する部分及び前記受信用半導体素子に対向する部分が金属製であることを特徴とする(1)の光送受信モジュール。
本発明に係る光送受信モジュールによれば、送信側基板の素子搭載面の反対側と受信側基板の素子搭載面の反対側とが向かい合うように配置されているので、発光素子や受光素子等を同一基板上に設けた場合と比べて光送受信モジュールの寸法を小さくすることができる。
また、送信側基板の素子搭載面の反対側と受信側基板の素子搭載面の反対側とが向かい合うように設けられているので、送信用半導体素子と受信用半導体素子との間には送信側基板と受信側基板とが介在することになる。したがって、送信用半導体素子と受信用半導体素子間の距離を稼ぐことができ、コンパクトな構成でありながら両者間の電気的なクロストークを低減できる。
本発明の実施形態に係る光送受信モジュールを用いた電子機器間の構成例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る光送受信モジュールの縦断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る光送受信モジュールを、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る光送受信モジュール1は、図1に示すように、光ファイバケーブル6を計算機等の第1電子機器20及び第2電子機器30に接続するための装置である。例えば、第1電子機器20の電気信号は、第1電子機器20に取り付けられた光送受信モジュール1で光信号に変換されて光ファイバケーブル6中に伝送され、光ファイバケーブル6中を伝送された光信号は第2電子機器30に取り付けられた光送受信モジュール1で電気信号に変換されて、第2電子機器30に取り込まれる。同様に、第2電子機器30の電気信号も、第2電子機器30に取り付けられた光送受信モジュール1、光ファイバケーブル6、第1電子機器20に取り付けられた光送受信モジュール1を介して第1電子機器20に伝送される。
このように、本実施形態に係る光送受信モジュール1は電気信号を光信号として送信する機能と、光信号を電気信号として受信する機能を併せ持っている。この光送受信モジュール1の詳細を図2を用いて説明する。
図2は本発明の実施形態に係る光送受信モジュール1の縦断面図である。光送受信モジュール1は、送信側基板2aと、送信側基板2aと対向するように配置された受信側基板2bと、これらの送信側基板2a及び受信側基板2bを覆う金属製のハウジング10とを有する。なお、以下の説明では、送信側の部材には符号の末尾にaを、受信側の部材には符号の末尾にbを付している。
送信側基板2aの上には、送信側光ファイバ6aを精度良く発光素子4aに対して位置決めする送信側フェルール(送信側光ファイバ位置決め部品)3aが接着剤等の固定手段により固定されている。この送信側フェルール3aの一端側にはVCSEL等の発光素子4aが、発光面を送信側フェルール3aの端面に対向するように取り付けられている。
なお、ここでいう送信側光ファイバ6aとは便宜上の名称である。例えば、図1の第1電子機器20から第2電子機器30へ光信号を伝送する際は、光信号を送信する第1電子機器20に取り付けられた光送受信モジュール1の送信側光ファイバ6aは、光信号を受信する第2電子機器30に取り付けられた光送受信モジュール1にとっては受信側光ファイバ6bになる。なお、送信側光ファイバ6a、受信側光ファイバ6bとして機能する複数の光ファイバ6a,6bは単一の光ファイバケーブル6としてまとめられている。
送信側フェルール3aの内部には送信側光ファイバ6aが発光素子4aの発光面に対向するように挿入される挿通孔が貫通するように設けられており、送信側光ファイバ6aを挿通孔に挿通すれば発光素子4aに対して精度良く位置決めすることができる。送信側光ファイバ6aはこの挿通孔に挿通されて一端が発光素子4aの発光面に対向され、中間部(図2の右側端部)は光ファイバケーブル6としてまとめられハウジング10の外部に延出されている。このように、送信側フェルール3aを用いて発光素子4aと送信側光ファイバ6aとを位置決め精度良く配置すると、発光素子4aからの光を効率よく送信側光ファイバ6aへ入力することができる。
発光素子4aは送信側フェルール3aの一端面に取り付けられたリードフレーム31aにはんだ付け等によって電気的に接続した状態で固定され、リードフレーム31aは送信側基板2a上に設けられた素子間配線7aを介して送信側基板2aに設けられたドライバIC等の送信側半導体素子5aと電気的に接続されている。
送信側光ファイバ6aの長手方向に関して送信側基板2aの送信側フェルール3aの反対側には、送信側半導体素子5aを第1又は第2電子機器20,30と電気的に接続する送信側外部用配線8aが素子搭載面21aに設けられており、第1又は第2電子機器20,30と送信側半導体素子5aとを電気的に接続している。
以上の送信側フェルール3a、送信側半導体素子5aはいずれも送信側基板2aの素子搭載面21aに設けられ、ハウジング10の内壁と対向するように設けられている。したがって、特に発熱量の大きい送信側半導体素子5aから生じた熱がハウジング10に伝達され、ハウジング10が外気によって冷却されることでハウジング10内部に熱がこもることがない。
受信側基板2bの上には、受信側フェルール(受信側光ファイバ位置決め部品)3bが接着剤等の固定手段により固定されている。この受信側フェルール3bの一端側には受光素子としてのフォトダイオード等の受光素子4bが、その受光面が受信側フェルール3bの端面に対向するように取り付けられている。
また、受信側フェルール3bの内部には、受信側光ファイバ6bが受光素子4bの受光面に対向するように挿入される挿通孔が貫通するように設けられている。受信側光ファイバ6bはこの挿通孔に挿通されて一端が受光素子4bの発光面に対向され、中間部(図2の右側端部)は光ファイバケーブル6としてまとめられハウジング10の外部に延出されている。
受光素子4bは受信側フェルール3bに取り付けられたリードフレーム31bにはんだ付けされ、リードフレーム31bは受信側基板2b上に設けられた受信側素子間配線7bを介して同じく受信側基板2bに設けられたトランスインピーダンスアンプ等の受信側半導体素子5bと電気的に接続されている。
受信側基板2bの受信側フェルール3bとは受信側光ファイバ6bの長手方向に関して反対側には、受光側半導体素子5bを第1及び第2電子機器20,30と電気的に接続する受信側外部用配線8bが素子搭載面21bに設けられており、第1及び第2電子機器20,30と受信側半導体素子5bとが電気的に接続されている。
以上の受信側フェルール3b及び受光側半導体素子5bはいずれも受信側基板2bの素子搭載面21bに設けられ、ハウジング10と対向するように設けられている。したがって、特に発熱量の大きい受光側半導体素子5bから生じた熱がハウジング10に伝達され、ハウジング10が外気によって冷却されることでハウジング10の内部に熱がこもることがない。
以上のように構成される光送受信モジュール1の動作について、図1の第1電子機器20から第2電子機器30へ信号が伝達される場合を例に挙げて説明する。
まず、第1電子機器20の電気信号は、第1電子機器20に取り付けられた光送受信モジュール1の送信側外部用配線8aを介して送信側半導体素子5aに入力される。送信側半導体素子5aは入力された電気信号に応じた電流信号を送信側素子間配線7a,リードフレーム31aを介して発光素子4aに出力する。発光素子4aは入力された電流信号に応じて光信号を発し、光信号は送信用光ファイバ6a(光ファイバケーブル6)中を伝送される。
光ファイバ6中を伝送された光信号は、第2電子機器30に取り付けられた光送受信モジュール1の受信用光ファイバ6bから受光素子4bに入射する。受光素子4bは受光した光信号に応じて電流信号を出力し、この電流信号はリードフレーム31b、受信側素子間配線7bを通じて受光側半導体素子5bに入力される。受光側半導体素子5bは入力された電流信号を電圧信号に変換し、増幅して受信側外部用配線8bを介して第2外部機器30へ出力し、第1電子機器20から第2電子機器30へ信号が伝達される。
以上のように構成される送信側基板2aと受信側基板2bは、その素子搭載面21a,21bの反対側が向かい合うように、ハウジング10の内部に設けられている。また、送信側基板2aと受信側基板2bとの間には樹脂製のスペーサ9が設けられている。このスペーサ9は送信側基板2aと受信側基板2bとの間に適度な大きさの空間を画成し、送信側基板2aと受信側基板2bとが直接接触してクロストークが生じることを抑制するものである。
また、この光送受信モジュール1は、送信側基板2aの素子搭載面21aの反対側と受信側基板2bの素子搭載面21bの反対側とが対向するように配置されている。したがって、発光素子4a等の送信側の部材と、受光素子4b等の受信側の部材とを単一の基板に横並びに配列させた(光ファイバ6a,6bの長手方向と直交する方向に並べた)場合と比べて、光送受信モジュール1の幅寸法を小さくして全体をコンパクトに構成することができる。光送受信モジュール1が多チャンネルを備えて複数の信号を並列的に送受信する場合には、特に光送受信モジュール1全体をコンパクトに構成することができる。
また、この光送受信モジュール1は、上述の如くコンパクトでありながらクロストークの影響を受けにくい。具体的には、この光送受信モジュール1において、送信側半導体素子5aから発光素子4aへ送信側素子間配線7aを流れる電流が比較的大きく(約10mA)、一方、受光素子4bから受光側半導体素子5bへ受信側素子間配線7bを流れる電流は比較的小さい(約10μA)ので、受信側素子間配線7bが最もクロストークの影響を受けやすい部位である。
しかしながら、上述の如く光送受信モジュール1をコンパクトに構成しても、クロストークの影響を受けやすい受信側素子間配線7bが、送信側基板2aと受信側基板2bを挟んで比較的大きな電流の流れる送信側素子間配線7aの反対側に位置するので、送信側素子間配線7aと受信側素子間配線7bとの間隔を大きく設定することができる。したがって、受信側素子間配線7bの送信側素子間配線7aによるクロストークの影響を低減することができる。なお、スペーサ9の厚みを大きくして送信側素子間配線7aと受信側素子間配線7bとの間隔を広げることによって、更にクロストークを低減させることができる。
なお、以上の実施形態ではハウジング10の全体を金属で形成したが、特に発熱量の大きい送信側半導体素子5aに対向する部分及び受光側半導体素子5bに対向する部分のみを金属製にしてもよい。
また、以上の実施形態では、発光素子4aと送信側半導体素子5a、受光素子4bと受信側半導体素子5bとの間は、それぞれ送信側素子間配線7a及び受信側素子間配線7bにより電気的に接続されていたが、ワイヤボンディングによるワイヤで電気的に接続されていてもよい。この場合でも、本実施形態に係る光送受信モジュール1によれば、上述の受光素子4bと受信側半導体素子5bとの間のワイヤは、発光素子4aと送信側半導体素子5aとの間のワイヤと送信側基板2a及び受信側基板2bを挟んで反対側に設けられているため、ワイヤ間の距離が大きくクロストークの影響を低減することができる。
1:光送受信モジュール、2a:送信側基板、2b:受信側基板、21a,21b:素子搭載面、3a:送信側光ファイバ位置決め部品、3b:受信側光ファイバ位置決め部品、4a:発光素子、4b:受光素子、5a:送信側半導体素子、5b:受信側半導体素子、6a:送信側光ファイバ、6b:受信側光ファイバ、10:ハウジング

Claims (2)

  1. 発光素子と、前記発光素子からの光を送信する送信用光ファイバを収容する送信側光ファイバ位置決め部品と、前記発光素子の発光を電気的に制御する送信用半導体素子とが素子搭載面に設けられた送信側基板と、
    受光素子と、前記受光素子へ光を伝達する受信用光ファイバを収容する受信側光ファイバ位置決め部品と、前記受光素子からの電気信号を増幅する受信用半導体素子とが素子搭載面に設けられた受信側基板と、を備えた光送受信モジュールであって、
    前記送信側基板の素子搭載面の反対側と、前記受信側基板の素子搭載面の反対側とが向かい合うように配置されており、
    前記光送受信モジュールは、前記送信側基板と前記受信側基板とを覆うハウジングを備え、
    前記ハウジングの少なくとも前記送信用半導体素子に対向する部分及び前記受信用半導体素子に対向する部分が金属製であり、
    前記送信側基板と前記受信側基板との間には空間を画成するスペーサが設けられていることを特徴とする光送受信モジュール。
  2. 前記スペーサは樹脂製であることを特徴とする、請求項1に記載の光送受信モジュール。
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