JP5232504B2 - ポリエチレン系容器蓋 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレン系容器蓋に関するものであり、さらに詳しくは、有機化層状珪酸塩を極性基含有ポリエチレン中に分散させた組成物を用いて成形され、ガスバリア性、成形性、機械的強度に優れ、かつリサイクル性、特にポリエチレンテレフタレート(PET)ボトル容器のリサイクル工程での分別性に優れた、各種包装分野で広く利用できるポリエチレン系容器蓋に関する。
従来、ポリオレフィン系樹脂の分野において、ガスバリア性を改良するために、ポリオレフィン系樹脂にバリア性樹脂を積層した成形品やポリオレフィン系樹脂にバリア性樹脂を分散させた成形品等が広く使用されている。
一方、層状珪酸塩などの層状無機化合物をポリオレフィン系樹脂に分散させ、ガスバリア性等の物性を改良する試みが従来から数多く行なわれている。(例えば、特許文献1〜5参照)
その中でも、特開平10−298358号公報(特許文献1)には、ポリオレフィン樹脂50ないし99.9重量%、層状珪酸塩0.1ないし50重量%とからなる組成物を主成分とし、かつ成形体の酸素透過係数と成形体を構成する組成物の主成分であるのポリオレフィン樹脂の酸素透過係数および層状珪酸塩の体積分率との間に特定の関係式が成立するガスバリア性樹脂成形体が提案されている。
しかしながら、その場合、ガスバリア性向上効果としては必ずしも満足できるものではなく、また、成形性、成形品外観、機械的強度、耐熱性等の諸特性について好適な成形品が得られるわけではない。
また、特開2000−355640号公報(特許文献2)には、ポリオレフィン系樹脂100重量部及び有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部からなるポリオレフィン系樹脂複合材料であって、前記有機化層状珪酸塩が、結晶構造中に交換性カチオンとして含有する金属イオンがカチオン系界面活性剤にてイオン交換された有機化層状珪酸塩であり、且つ該有機化層状珪酸塩の結晶側面の水酸基が、水酸基との化学結合性もしくは化学親和性を有する官能基を分子の末端に有する化学物質にて化学修飾されて成るポリオレフィン系樹脂複合材料が提案されている。
また、特開2001−064454号公報(特許文献3)には、ポリオレフィン系樹脂100重量部及び有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部からなるポリオレフィン系樹脂複合材料において、該有機化層状珪酸塩が、結晶構造中に交換性カチオンとして含有する金属イオンがカチオン系界面活性剤にてイオン交換された有機化層状珪酸塩であり、且つ該有機化層状珪酸塩の結晶側面が、アニオン性界面活性能を有する化合物にて化学修飾されて成るポリオレフィン系樹脂複合材料が提案されている。
また、特開2003−105200号公報(特許文献4)には、樹脂100重量部及び層状珪酸塩0.1〜20重量部を含有する樹脂組成物であって、前記層状珪酸塩は、層状結晶の少なくとも一部の単層同士が単層表面の中心をずらせて重なりあって、見掛け上、厚さ5〜50nm、長さ500nm以上の平板状となって分散している樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、これらの材料の場合、ある程度のガスバリア性向上効果を発揮するものの、成形性、成形品外観、機械的強度、耐熱性等の諸特性について必ずしも満足できる成形品が得られるわけではない。
また、特開2004−091775号公報(特許文献5)には、オレフィン系重合体、極性官能基を分子内に含有する有機カチオンにより有機化された層状無機化合物、および当該オレフィン重合体と相容性を有し、極性官能基を分子内に有する極性重合体、からなるオレフィン系重合体であって、当該組成物中の当該有機化された層状無機化合物の層間距離が20オングストローム以上であるオレフィン系重合体組成物が提案されている。
しかしながら、この場合も、ある程度のガスバリア性向上効果を発揮するものの、成形性、成形品外観、機械的強度、耐熱性等の諸特性について必ずしも満足できる成形品が得られるわけではない。
更に、特開2006−131896号公報(特許文献6)には、層間に有機物がインターカレートされた層状珪酸塩と、側鎖に極性基を有する変性オレフィン系重合体とを混合して得られた組成物であって、X線回折スペクトル上に、層状珪酸塩の底面間隔に相当するピークを有さないことを特徴とする変性オレフィン系重合体組成物が提案されている。
しかしながら、この場合、分散性の改良については改善効果が開示されているものの、ガスバリア性、成形性、機械的強度、耐熱性等の諸特性について必ずしも満足できる成形品が得られるわけではない。加えて、液中比重分離法を用いた効率的なリサイクルを実施することが出来ない場合がある。
一方、特開平11−165092号公報(特許文献7)には、破砕ペットボトル片を水流によってPET片とそれ以外の不要物に分別し、洗浄する破砕ペットボトル片の分別方法および分別装置が開示されているが、上記の特許文献等に記載された材料を用いて製造されたポリエチレン系容器蓋の場合、密度が1.0g/cmを越えてしまうものが多く、PET(密度:1.3g/cm前後)との比重差を利用して分別、かつ水で洗浄するという効率的なリサイクル法(液中比重分離法)を適用する際に、必ずしも効率的なリサイクルを行うことができないという問題がある。
こうした状況下に、従来の問題点を改善しながら、ガスバリア性、成形性、機械的強度、耐熱性の改良に加えて、リサイクル性等の諸特性についても満足できるポリエチレン系容器蓋の早期開発が求められている。
特開平10−298358号公報 特開2000−355640号公報 特開2001−064454号公報 特開2003−105200号公報 特開2004−091775号公報 特開2006−131896号公報 特開平11−165092号公報
本発明の目的は、従来技術の問題点に鑑み、ガスバリア性、特に酸素透過防止性に優れるばかりでなく、容易に成形でき、しかも成形品外観が良好で、剛性、耐熱性等が向上し、加えてリサイクル工程で容易にPET等と分別できるポリエチレン系容器蓋を提供するにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の物性を有する極性基含有ポリエチレンに有機化層状珪酸塩を特定の割合で配合してなる、特定の粘度特性を有する成形材料を用いると、これらの課題を解決したポリエチレン系容器蓋が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の発明によれば、有機化層状珪酸塩(A)5〜30重量%と、密度が0.920〜0.972g/cm、温度190℃、荷重2.16kgにて測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である極性基含有ポリエチレン(B)70〜95重量%とからなり、かつ、下記の特性(1)〜(4)を満足することを特徴とするポリエチレン系容器蓋が提供される。
特性(1):密度が0.940〜0.998g/cmである。
特性(2):キャピラリーレオメーターにて温度190℃、せん断速度48sec−1で測定される粘度η48(Pa・s)とせん断速度3100sec−1で測定される粘度η3100(Pa・s)の比(η48/η3100)が7〜30である。
特性(3):ポリエチレン系容器蓋の酸素透過係数P(cm・mm/m・24hr・atm)(23℃・65%RH)と、ポリエチレン系容器蓋の主成分である極性基含有ポリエチレン(B)の酸素透過係数P(cm・mm/m・24hr・atm)(23℃・65%RH)の比P/Pが0.7以下である。
特徴(4):曲げ弾性率が900MPa以上である。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、有機化層状珪酸塩(A)に用いられる層状珪酸塩が、モンモリロナイト及び/又はマイカであることを特徴とするポリエチレン系容器蓋が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明において、極性基含有ポリエチレン(B)が、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を0.1〜5.0重量%含むことを特徴とするポリエチレン系容器蓋が提供される。
本発明によれば、ガスバリア性特に酸素透過防止性に優れるばかりでない、成形性、成形品外観、機械的強度、耐熱性等の諸特性に優れ、加えてリサイクル性、特にPETボトル容器のリサイクル工程での分別性に優れたポリオレフィン系容器蓋を得ることができ、その特性により各種包装分野をはじめ広範囲の分野で利用できるので、産業上の有用性は非常に高い。
本発明のポリエチレン系容器蓋は、有機化層状珪酸塩(A)5〜30重量%と、密度が0.920〜0.972g/cm、温度190℃、荷重2.16kgにて測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である極性基含有ポリエチレン(B)70〜95重量%とからなる。
以下、本発明のポリエチレン系容器蓋に用いられる(A)成分、(B)成分およびその他の任意成分、さらには、容器蓋の成形方法やその特性等について、項目別に詳細に説明する。
1.有機化層状珪酸塩(A)
本発明のポリエチレン系容器蓋を構成する有機化層状珪酸塩(A)とは、層状珪酸塩を有機化したものである。
層状珪酸塩としては、層間に交換性陽イオンを有する従来公知の珪酸塩鉱物であって、通常、厚さが1nm程度、平均アスペクト比が20〜200程度の薄片状結晶がイオン結合によって凝集してなるものであり、具体的には、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、白雲母、金雲母、テニオライト等の雲母族、カオリナイト、デイッカナイト、ナクライト、ハイロサイト等のカオリナイト族、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、スドーアイト、クッケアイト、ドンバサイト等の緑泥石族、及び、アポフィライト、タルク、マイカ等のフィロ珪酸塩鉱物が挙げられる。これらの層状珪酸塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
これらの層状珪酸塩の中で、モンモリロナイト及び/又はマイカがガスバリア性及び分散性の改良効果が大きいので好ましい。
本発明において、有機化層状珪酸塩(A)は、前記層状珪酸塩の層間に有機物がインターカレートされたものであり、その有機物としては、双極子モーメントを持つものであれば特に限定されるものではないが、有機アンモニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機スルホニウム塩等の有機オニウム塩が好ましい。それらの中で、層状珪酸塩の層間を十分に非極性若しくは低極性化できることから、炭素数8以上のアルキル鎖を有する有機オニウム塩が好ましく、中でも、アンモニウム塩、ホスホニウム塩が更に好ましく、アンモニウム塩が特に好ましい。そのアンモニウム塩としては、具体的には、例えば、トリオクチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
具体的な化合物としては、メチル・タロー・ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチル・ベンジル・水素化タローアンモニウムクロリド、ジメチル・水素化タロー・2−エチルヘキシルアンモニウムクロリド、メチル・ジ水素化タローアンモニウムクロリド、ジメチル・ジ水素化タローアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、アルキル・ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムクロリド等が好ましいものとして挙げられる。
前記層状珪酸塩が層間に有する前記有機物の割合は、20〜70重量%であるのが好ましく、25〜40重量%であるのが特に好ましい。有機物の割合が前記範囲未満では、層状珪酸塩の層間を十分に非極性若しくは低極性化することが困難となる傾向となり、一方、前記範囲超過では、有機物がインターカレートされた層状珪酸塩の使用量に対する層状珪酸塩の割合が低下するため、層状珪酸塩の初期の目的が十分に発現し難い傾向となる。
本発明において、有機化層状珪酸塩(A)としては、層間に有機物がインターカレートされた層状珪酸塩として市販されているものを用いることもでき、又、有機物がインターカレートされていない層状珪酸塩に前記有機物を加え、イオン交換することによって層間に前記有機物がインターカレートされた層状珪酸塩として調製したものを用いることもできる。
2.極性基含有ポリエチレン(B)
本発明のポリエチレン系容器蓋において、極性基含有ポリエチレン(B)とは、前駆体としての極性基を含まないエチレン系重合体に極性基を有するエチレン性不飽和単量体をグラフト反応させた重合体、エチレンの重合時に極性基を有するエチレン性不飽和単量体を共存させて共重合させた重合体、又はこれらに極性基を含まないエチレン系重合体をブレンドした重合体をいう。
極性基を含まないエチレン系重合体をブレンドする好ましい割合は、前駆体としての極性基を含まないエチレン系重合体に極性基を有するエチレン性不飽和単量体をグラフト反応させた重合体、若しくはエチレンの重合時に極性基を有するエチレン性不飽和単量体を共存させて共重合させた重合体100〜5重量%に対して、0〜95重量%である。
極性基含有ポリエチレンの前駆体としてのエチレン系重合体としては、具体的には、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン等の炭素数2〜18程度の他のα−オレフィン等との二元或いは三元の共重合体等、具体的には、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン系樹脂が挙げられ、これらのエチレン系重合体は2種以上が併用されていてもよい。
また、改質を目的とする場合、ジエンとの共重合も可能である。このとき使用されるジエン化合物の例としては、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等を挙げることができる。なお、重合の際のコモノマー含有率は、任意に選択することができるが、例えば、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合の場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含有量は0〜40モル%、好ましくは0〜30モル%である。
これらのエチレン系重合体は、分子量が重量平均分子量で2,000〜500,000であるのが好ましく、5,000〜200,000であるのが更に好ましく、10,000〜100,000であるのが特に好ましい。
前記のエチレン系重合体の重合触媒は、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の各種触媒が用いられる。重合触媒は、水素がオレフィン重合の連鎖移動作用を示すような触媒であればいずれも使用することができる。
具体的には、固体触媒成分と有機金属化合物とからなり、水素がオレフィン重合の連鎖移動作用を示すようなスラリー法オレフィン重合に適する触媒であればいずれも使用することができる。好ましくは重合活性点が局在している不均一系触媒である。
上記固体触媒成分としては、遷移金属化合物を含有するオレフィン重合用の固体触媒として用いられるものであれば特に制限はない。遷移金属化合物としては、周期表第4族〜第10族、好ましくは第4族〜第6族の元素の化合物を使用することができ、具体例としては、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mo等の化合物が挙げられる。
また、前記のエチレン系重合体の重合触媒として用いることができるメタロセン触媒とは、活性点が比較的単一な、いわゆるシングルサイト触媒と呼ばれる種類の触媒であり、代表的なものとして、遷移金属のメタロセン錯体、例えばジルコニウムやチタンのビスシクロペンタジエニル錯体に助触媒としてのメチルアルミノキサン等を反応させて得られる触媒が挙げられ、各種の錯体、助触媒、担体等を種々組み合わせた均一又は不均一触媒である。
メタロセン触媒としては、例えば、特開昭58−19309号、同59−95292号、同59−23011号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同60−35009号、同61−130314号、特開平3−163088号公報等で公知であるものが挙げられる。
前記のポリエチレンは、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法などの製造プロセスにより製造することができる。エチレン系重合体の重合条件のうち重合温度としては、0〜300℃の範囲から選択することができる。重合圧力は、大気圧〜約100kg/cmの範囲から選択することができる。実質的に酸素、水等を断った状態で、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等から選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下でエチレン及びα−オレフィンの重合を行うことにより製造することができる。
上記重合において、重合器に供給される水素は、連鎖移動剤として消費され、生成するエチレン系重合体の平均分子量を決定するほか、一部は溶媒に溶解して重合器から排出される。溶媒中への水素の溶解度は、小さく、重合器内に大量の気相部が存在しない限り、触媒の重合活性点付近の水素濃度は低い。そのため、水素供給量を変化させれば、触媒の重合活性点における水素濃度が速やかに変化し、生成するエチレン系重合体の分子量は、短時間の間に水素供給量に追随して変化する。従って、短い周期で水素供給量を変化させれば、より均質な製品を製造することができる。また、水素供給量の変化の態様は、連続的に変化させるよりも不連続的に変化させる方が、分子量分布を広げる効果が得られるので、好ましい。
また、本発明に係るエチレン系重合体においては、水素供給量を変化させることが重要であるが、その他の重合条件、例えば重合温度、触媒供給量、エチレンなどのオレフィンの供給量、1−ブテンなどのコモノマーの供給量、溶媒の供給量等を、適宜に水素の変化と同時に又は別個に変化させることも重要である。
前記エチレン系重合体を極性基含有ポリエチレンとなすには、前記エチレン系重合体に極性基を有するエチレン性不飽和単量体をグラフト反応させる方法、及び前記エチレン系重合体の重合時に、極性基を有するエチレン性不飽和単量体を共存させて共重合させる方法等の慣用方法を採り得るが、特にエチレン系重合体に極性基を有するエチレン性不飽和単量体をグラフト反応させる方法が好ましい
エチレン性不飽和単量体としては、具体的には、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとする。〕、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が、又、カルボン酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が、又、カルボン酸エステル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が、又、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が、又、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、プロピルグリシジルマレエート、ブチルグリシジルマレエート、プロピルグリシジルフマレート、ブチルグリシジルフマレート等が、又、アミド基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリルアミド等が、又、ニトリル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリロニトリル等が、又、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アミノエチル(メタ)アクリレート等が、又、イミド基を有するエチレン性不飽和単量体としては、マレイン酸イミド等が、又、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、ビニルイソシアネート、イソプロペニルイソシアネート等が、又、アセチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、酢酸ビニル等が、それぞれ挙げられ、又、極性基としてのチオール基、エーテル基、チオエーテル基、スルホン基、ホスホン基、ニトロ基、ウレタン基、ハロゲン原子等については、公知の方法で、オレフィン系重合体の主鎖に直接に付加して変性することができる。
これらの中でも不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体が好ましく、特に、無水マレイン酸及び/又はその無水物が、層状珪酸塩の分散性の点から好ましい。
前記極性基を有するエチレン性不飽和単量体のグラフト反応は、例えば、ラジカル発生剤の存在下に、エチレン系重合体の溶融状態で行う溶融グラフト法、及び、有機溶媒による溶液状態で行う溶液グラフト法の慣用のいずれであってもよいが、溶剤を使用しないで製造できるという点から、溶融グラフト法によるのが好ましい。
その際、用いられるラジカル発生剤としては、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物類、又は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物類等が挙げられる。
上記溶融グラフト法においては、一軸又は二軸押出機等の混練機、横型二軸多円板装置等の横型二軸攪拌機、ダブルヘリカルリボン攪拌機等の縦型攪拌機等を用いて、前記エチレン系重合体と、該エチレン系重合体100重量部に対して、前記エチレン性不飽和単量体を通常0.005〜20重量部、好ましくは0.1〜5重量部と、前記ラジカル発生剤を通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部とを、通常100〜300℃程度、好ましくは100〜200℃程度の温度下で前記オレフィン系重合体を溶融させて、通常0.5〜10分間程度の時間でグラフト反応を実施する。
本発明の極性基含有ポリエチレンの密度は、JIS K6922−1及び2:1997に準じて測定されるものであり、0.920〜0.972g/cm、好ましくは0.925〜0.970g/cm、更に好ましくは0.930〜0.965g/cmである。密度が0.920g/cm未満では成形体の剛性が低下する傾向があり、0.972g/cmを超えると成形体の耐久性が低下する傾向がある。
極性基含有ポリエチレンの密度は、極性基含有ポリエチレンの主体となるエチレン系重合体の密度を調整することにより制御することが可能であり、該エチレン系重合体の密度は、エチレンと共重合させるコモノマーの種類や量により変化させることにより、所望のものを得ることができる。
本発明の極性基含有ポリエチレンの温度190℃、荷重2.16kgにて測定されるメルトフローレート(MFR)は、JIS K6922−2:1997に準拠して測定されるものであり、1〜100g/10分、好ましくは2〜40g/10分、更に好ましくは3〜35g/10分である。MFRが1g/10分未満では成形材料の流動性が低下して成形性が劣り、100g/10分を超えると成形体の耐衝撃性が低下する。
極性基含有ポリエチレンのMFRは、極性基含有ポリエチレンの主体となるエチレン系重合体のMFRを調整することにより制御することが可能であり、該エチレン系重合体のMFRは、エチレン重合温度や連鎖移動剤の使用等により調整することができ、所望のものを得ることができる。即ち、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより分子量を下げて、結果としてMFRを大きくすることができ、重合温度を下げることにより分子量を上げて、結果としてMFRを小さくすることができる。また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより分子量を下げて、結果としてMFRを大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより分子量を上げて、結果としてMFRを小さくすることができる。
3.(A)成分と(B)成分の配合割合
本発明のポリエチレン系容器蓋において、有機化層状珪酸塩(A)と極性基含有ポリエチレン(B)との配合割合は、通常、有機化層状珪酸塩(A)が5〜30重量%、極性基含有ポリエチレン(B)が70〜95重量%、好ましくは有機化層状珪酸塩(A)が8〜20重量%、極性基含有ポリエチレン(B)が80〜92重量%である。
有機化層状珪酸塩(A)が5重量%未満では(極性基含有ポリエチレン(B)が95重量%を超えると)ガスバリア性が低下し、有機化層状珪酸塩(A)が30重量%を超えると(極性基含有ポリエチレン(B)が70重量%未満では)流動性が低下して良好な成形体が得られず、また、密度が0.998g/cmを越えるため、水中でのPETとの分離が困難となる。
4.その他の任意成分
本発明のポリエチレン系容器蓋は、有機化層状珪酸塩(A)と極性基含有ポリエチレン(B)とを常法に従い、ペレタイザーやホモジナイザー等による機械的な溶融混合によりペレット化した後、各種成形機により成形を行って所望の容器蓋とすることができる。
その際、上記の材料には、常法に従い、他のオレフィン系重合体やゴム等のほか、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、着色顔料、パール顔料、光輝材、偏光パール顔料、架橋剤、発泡剤、中和剤、熱安定剤、結晶核剤、無機又は有機充填剤、難燃剤等の公知の添加剤を配合することができる。着色方法としてはベース樹脂に必要量添加したコンパウンドでも、高濃度添加したマスターバッチを後ブレンドしてもよい。
添加剤として、例えば酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系)、滑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を1種又は2種以上適宜併用することができる。他の充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、アルミナ、石膏、硫酸バリウム、カーボンナノチューブ、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン、各種ウィスカー等が使用可能である。いずれの場合でも、上記成形材料に、必要に応じ各種添加剤を配合し、混練押出機、バンバリーミキサー等にて混練し、成形用材料とすることができる。
5.ポリエチレン系容器蓋の製造方法
本発明のポリエチレン系容器蓋は、有機化層状珪酸塩(A)と極性基含有ポリエチレン(B)とを常法に従い、ペレタイザーやホモジナイザー等による機械的な溶融混合によりペレット化した後、各種成形機により成形を行って所望の容器蓋とすることができる。
本発明のポリエチレン系容器蓋に用いられる材料の製造方法としては、特に限定されず、例えば、極性基含有ポリエチレン及び層状珪酸塩の所定量を直接配合して混合する方法、極性基含有ポリエチレンに所定配合量以上の層状珪酸塩を配合し混合してマスターバッチを調整し、調整されたマスターバッチに所定配合量となるように極性基を含有しないポリエチレンを加えて希釈する、いわゆるマスターバッチ法等が挙げられる。
本発明のポリエチレン系容器蓋は、上記のようにナノレベルに分散する有機化された層状珪酸塩(A)と、密度が0.920〜0.972g/cm、温度190℃、荷重2.16kgにて測定されるMFRが1〜100g/10分で規定される極性基含有ポリエチレン(B)とからなり、特定の粘度比(η48/η3100)7〜30を有する。本発明のポリエチレン系容器蓋の成形方法としては特に限定されないが、特に射出成形が好ましい。通常の射出成形機を用いて成形体とすることができ、成形条件は、求める成形品の大きさ、形状によって適宜設定可能であるが、成形材料の温度160〜270℃、射出速度20〜1000mm/秒の条件で成形することが好ましい。
本発明の成形材料を用いて射出成形体を成形すると、層状珪酸塩が極性基含有ポリエチレン中にほぼ均一分散するが、層状珪酸塩の各層が一方向に並んだ配列構造を形成し、ガス分子がマトリックス樹脂(極性基含有ポリエチレン)中を通過するパスが長くなり、優れたガスバリア性効果を発揮することができる。なお、各層が一方向に並んだ配列構造を形成しない層状珪酸塩も一部存在するが、これらの層状珪酸塩もマトリックス樹脂中にほぼ均一に微分散しているため、成形体の機械的強度等の特性をバランスよく向上させることができる。
6.ポリエチレン系容器蓋の特性等
(1)密度
本発明のポリエチレン系容器蓋の密度は、JIS K6922−1及び2:1997に準じて測定されるものであり、0.940〜0.998g/cm、好ましくは0.943〜0.995g/cm、更に好ましくは0.945〜0.992g/cmである。ポリエチレン系容器蓋の密度が0.940g/cm未満では成形体の剛性が低下する傾向があり、0.998g/cmを超えると水中でのPETとの分離が難しくなる。
ポリエチレン系容器蓋の密度は、極性基含有ポリエチレン(B)の主体となるエチレン系重合体の密度を調整することにより制御することが可能であり、該エチレン系重合体の密度は、エチレンと共重合させるコモノマーの種類や量により変化させることにより、所望のものを得ることができる。また、有機化層状珪酸塩(A)と、極性基含有ポリエチレン(B)の両成分の割合を適宜選択することにより調整可能である。
(2)粘度比
本発明のポリエチレン系容器蓋は、1mmφ長さ30mm(L/D=30)、流入角90度のキャピラリーを用いたキャピラリーレオメーターにてシリンダー温度190℃、せん断速度48sec−1で測定される粘度η48(Pa・s)とせん断速度3100sec−1で測定される粘度η3100(Pa・s)の比(η48/η3100)が7〜30、好ましくは10〜20であることが重要である。当該比(η48/η3100)が7未満では、成形時又はリサイクル成形時、高速成形性が劣り、30を超えると物性が著しく低下する。当該比を大きくするには、前記エチレン系重合体の分子量分布を拡げるか、層状珪酸塩の添加量を増やすことが挙げられる。エチレン系重合体の分子量分布を拡げるためには、分子量の異なる成分を混合するか多段重合したり、分子量分布を広く出来る触媒(チーグラー触媒、好ましくはフィリップス触媒)を用いて重合すること等により達成することが出来る。
(3)酸素透過係数
本発明のポリエチレン系容器蓋は、1mmtの射出成形試験片を用いて測定したその酸素透過係数P(cm・mm/m・24hr・atm)(23℃・65%RH)と、ポリエチレン系容器蓋の主成分である極性基含有ポリエチレン(B)の酸素透過係数P(cm・mm/m・24hr・atm)(23℃・65%RH)の比P/Pが0.7以下、好ましくは0.5以下であることが、ガスバリア性が優れるために好適である。P/Pを小さくするには、層状珪酸塩の量を増やすか、層状珪酸塩単体のアスペクト比(層状珪酸塩粒子の平均厚みと平均長さの比:長さ/厚み)を大きくすることで達成することが出来る。
(4)曲げ弾性率
本発明のポリエチレン系容器蓋は、その曲げ弾性率が900MPa以上、好ましくは1000〜3000MPa、さらに好ましくは1200〜2800MPaである。曲げ弾性率は、射出成形にてJIS K−7152−1:1999のタイプA金型にて210℃で成形して10×80×4mmの試験片を作成し、JIS K6922−2:2005に準拠して測定される。
曲げ弾性率が、900MPa未満ではポリエチレン系容器蓋を薄肉にした場合、剛性不足となる傾向がある。曲げ弾性率は、極性基含有ポリエチレンの密度を変更するか、有機化層状珪酸塩の含有量・種類を変更することにより調整可能である。
(5)その他の特性
本発明のポリエチレン系容器蓋は、ガスバリア性に優れているのみならず、成形性、成形品外観、機械的強度、耐熱性、リサイクル性、特にPETボトル容器のリサイクル工程での分別性等の諸特性に優れるため、各種容器蓋として好適に用いることができ、産業上の有用性は非常に高い。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に制約されるものではない。なお、実施例で用いた測定方法および材料は以下の通りである。
1.測定方法
(1)密度:JIS K6922−1及び2:1997に準じて測定した。
(2)温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR):JIS K6922−2:1997に準拠して測定した。
(3)粘度:INTESCO社製インテスコ全自動キャピラリーレオメーターを用い、直径1mm、長さ30mm、材料入射角90°のキャピラリーを使用して、設定温度190℃にて、せん断速度48sec−1、せん断速度3100sec−1の各せん断速度における粘度η(Pa・s)を測定した。
(4)成形体の酸素透過係数:東芝機械社製射出成形機IS−150を用い、設定温度210℃、射出速度50mm/秒、射出保圧時間10秒、金型温度40℃、冷却時間20秒の条件で、縦12cm、横12cm、厚さ1mmのシートを作成した。MOCON社製OXTRAN2/21を用い、湿度65%RH、温度23℃の条件で、上記方法で成形したサンプルシートの酸素透過係数(cm・mm/m・24hr・atm)を測定した。
(5)曲げ弾性率:射出成形にてJIS K−7152−1:1999のタイプA金型にて210℃で成形して10×80×4mmの試験片を作成し、JIS K6922−2:2005に準拠して測定した。
(6)シャルピー衝撃強度:JIS K6922−2:2005に準拠して測定した。
(7)硬度(ショアD):JIS K7206:1999に準拠して測定した。
(8)スパイラルフロー(210℃):東芝機械社製IS−80を用い、設定温度210℃、射出圧力75MPa、射出時間5秒、冷却時間10秒、保圧切替え位置7mm、クッション位置1.9〜2.1mm、金型温度30℃の条件で、幅10mm、厚み2mm、最長流路長2000mmのスパイラル流路を有する金型を用い、最長流動長を測定した。
(9)成形体表面外観:射出成形品の外観を目視判定により、その状態を評価し、ムラがなく層状珪酸塩凝集が見られないもの又はそれに近いものを「良好」、明らかに層状珪酸塩の分散の悪く凝集が見られるものを「不良」とした。
(10)水中分別性:上記(4)の射出成形品片(1mm×10mm×10mm、5g)を23℃の純水3L中に投入・浸漬し、5分間静置後、水面に浮かぶものを「○」、沈むものを「×」とした。
2.材料
(A)成分および(B)成分として下記の材料を用いた。
A)有機化層状珪酸塩
(1)有機化モンモリロナイト
SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A(ジメチルジタローアンモニウムクロリド処理有機化モンモリロナイト。有機物量:約43%)
(2)有機化マイカ
コープケミカル社ソマシフMAE(C14〜C18のジアルキルジメチルアンモニウム塩処理フッ素化マイカ。有機物量:約37%)
B)極性基含有ポリエチレン
(1)密度が0.962g/cm、MFRが5g/10分、無水マレイン酸化率が0.23重量%の極性基含有ポリエチレン。
(2)密度が0.961g/cm、MFRが34g/10分、無水マレイン酸化率が0.43重量%の極性基含有ポリエチレン。
(3)密度が0.962g/cm、MFRが0.5g/10分、無水マレイン酸化率が0.23重量%の極性基含有ポリエチレン。
(4)密度が0.925g/cm、MFRが3g/10分、無水マレイン酸化率が0.48重量%の極性基含有ポリエチレン。
[実施例1]
日本製鋼所社製二軸押出機TEX30α中に、有機化モンモリロナイト(SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A)10重量%、極性基含有ポリエチレン(1)90重量%をフィードし、設定温度210℃にて溶融混練し、押出したストランドをペレタイザーによりペレット化した。得られたペレットを使用し、東芝機械社製射出成形機IS−150を用い、設定温度210℃、射出速度50mm/秒、射出時間10秒、金型温度40℃、冷却時間20秒の条件で、縦12cm、横12cm、厚さ1mmのシートを作成した。得られたシートを用いて酸素透過係数Pを測定した。
また、極性基含有ポリエチレン(1)のみから同様にシートを作成し、得られたシートを用いて酸素透過係数Pを測定した。これらからP/Pを求めた。
更に、上記により得られたペレットについて、各せん断速度での粘度η(Pa・s)を測定した。その結果、η48が1360Pa・s、η3100が90Pa・s、η48/η3100が15であった。各種物性測定結果を表1に示した。
[実施例2]
有機化モンモリロナイト(SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A)の代わりに有機化マイカ(コープケミカル社ソマシフMAE)を使用した以外は実施例1と同様に行なった。
その結果、η48が980Pa・s、η3100が80Pa・s、η48/η3100が12であった。各種物性測定結果を表1に示した。
[実施例3]
極性基含有ポリエチレン(1)の代わりに極性基含有ポリエチレン(2)を使用した以外は実施例2と同様に行なった。
その結果、η48が340Pa・s、η3100が30Pa・s、η48/η3100が11であった。各種物性測定結果を表1に示した。
[実施例4]
有機化モンモリロナイト(SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A)10重量%の代わりに有機化マイカ(コープケミカル社ソマシフMAE)を15重量%使用し、極性基含有ポリエチレン(1)90重量%の代わりに極性基含有ポリエチレン(4)85重量%使用した以外は実施例1と同様に行なった。
その結果、η48が1370Pa・s、η3100が95Pa・s、η48/η3100が14であった。各種物性測定結果を表1に示した。
[実施例5]
有機化モンモリロナイト(SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A)10重量%の代わりに有機化マイカ(コープケミカル社ソマシフMAE)を20重量%使用し、極性基含有ポリエチレン(1)90重量%の代わりに極性基含有ポリエチレン(4)80重量%使用した以外は実施例1と同様に行なった。
その結果、η48が1380Pa・s、η3100が89Pa・s、η48/η3100が16であった。各種物性測定結果を表1に示した。
[比較例1]
有機化モンモリロナイト(SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A)を使用しないこと以外は実施例1と同様に行なった。
その結果、η48が640Pa・s、η3100が90Pa・s、η48/η3100が7であった。各種物性測定結果を表1に示した。この例では、成形体の曲げ弾性率が低かった。
[比較例2]
有機化モンモリロナイト(SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A)を3重量%、極性基含有ポリエチレン(1)97重量%とした以外は実施例1と同様に行なった。
その結果、η48が1150Pa・s、η3100が130Pa・s、η48/η3100が9であった。各種物性測定結果を表1に示した。この例では、成形体のP/Pが大きくガスバリア性が低かった。
[比較例3]
有機化モンモリロナイト(SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A)を35重量%、極性基含有ポリエチレン(1)65重量%とした以外は実施例1と同様に行なった。
その結果、η48が2300Pa・s、η3100が70Pa・s、η48/η3100が33であった。各種物性測定結果を表1に示した。この例では、外観が不良で、シャルピー衝撃強度が低く、密度も1g/cmを越えリサイクル性が悪い。
[比較例4]
極性基含有ポリエチレン(1)の代わりに極性基含有ポリエチレン(3)を使用した以外は実施例1と同様に行なった。
その結果、混練時に押出機のモータートルクの急激な上昇が起こったため、ペレットを得ることが出来なかった。
[比較例5]
有機化マイカ(コープケミカル社ソマシフMAE)を使用しないこと以外は実施例4と同様に行なった。
その結果、η48が820Pa・s、η3100が130Pa・s、η48/η3100が6であった。各種物性測定結果を表1に示した。この例では、成形体のP/Pが大きくガスバリア性が低かった。
[比較例6]
有機化モンモリロナイト(SOUTHERN CLAY PRODUCTS,INC社製Cloisite(登録商標)15A)10重量%の代わりに有機化マイカ(コープケミカル社ソマシフMAE)を35重量%使用し、極性基含有ポリエチレン(1)90重量%の代わりに極性基含有ポリエチレン(4)65重量%使用した以外は実施例1と同様に行なった。
その結果、η48が1410Pa・s、η3100が73Pa・s、η48/η3100が19であった。各種物性測定結果を表1に示した。この例では、成形体の外観が不良であり、密度も1.0g/cmを超えリサイクル性が悪い。
Figure 0005232504
表1の評価結果から明らかなように、本願発明の実施例1〜5の成形体は、特定の成形材料を採用することにより、バリア性を有し、かつ高流動性を現出させることができ、成形性に優れたバリア性を呈する成形体であることがわかる。すなわち、バリア性が良好であり、適度な流動性能を有し、成形体の物性に著しい低下がなく、成形性が良好であることがわかる。
一方、比較例1〜6の成形体は、バリア性、成形性、成形体の物性のいずれかの一つ以上の性能評価が悪い結果となっていることがわかる。
本発明によれば、本発明によれば、ガスバリア性特に酸素透過防止性に優れるばかりでない、成形性、成形品外観、機械的強度、耐熱性等の諸特性に優れ、加えてリサイクル性、特にPETボトル容器のリサイクル工程での分別性に優れたポリオレフィン系容器蓋を得ることができ、その特性により各種包装分野をはじめ広範囲の分野で利用できるので、産業上の有用性は非常に高い。

Claims (3)

  1. 有機化層状珪酸塩(A)5〜30重量%と、密度が0.920〜0.972g/cm、温度190℃、荷重2.16kgにて測定されるメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である極性基含有ポリエチレン(B)70〜95重量%とからなり、かつ、下記の特性(1)〜(4)を満足することを特徴とするポリエチレン系容器蓋。
    特性(1):密度が0.940〜0.998g/cmである。
    特性(2):キャピラリーレオメーターにて温度190℃、せん断速度48sec−1で測定される粘度η48(Pa・s)とせん断速度3100sec−1で測定される粘度η3100(Pa・s)の比(η48/η3100)が7〜30である。
    特性(3):ポリエチレン系容器蓋の酸素透過係数P(cm・mm/m・24hr・atm)(23℃・65%RH)と、ポリエチレン系容器蓋の主成分である極性基含有ポリエチレン(B)の酸素透過係数P(cm・mm/m・24hr・atm)(23℃・65%RH)の比P/Pが0.7以下である。
    特徴(4):曲げ弾性率が900MPa以上である。
  2. 有機化層状珪酸塩(A)に用いられる層状珪酸塩が、モンモリロナイト及び/又はマイカであることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系容器蓋。
  3. 極性基含有ポリエチレン(B)が、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を0.1〜5.0重量%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン系容器蓋。
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