JP4899578B2 - 変性オレフィン系重合体組成物及びそれを用いたオレフィン系重合体組成物 - Google Patents
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Description
層間にカチオン性の無機化合物を含有する層状珪酸塩は、従来公知の珪酸塩であって、通常、厚さが1nm程度、平均アスペクト比が20〜200程度の薄片状結晶がイオン結合によって凝集して層状構造をとっている、所謂フィロ珪酸塩である。その形状は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した体積平均粒径が、好ましくは10μm以下、更に好ましくは3μm以下の粒子状が好ましい。
カチオン性の無機化合物は、無機化合物全体としてカチオン性を有し、層状珪酸塩を形成するアニオン性のシリケート層の層間に存在しうるものである。
カチオン性の無機化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属化合物カチオン、珪素化合物カチオン、金属化合物或いは珪素化合物を含む無機化合物カチオン等が挙げられる。これらの中でも、金属化合物カチオン、金属化合物を含む無機化合物カチオンが好ましい。金属化合物としては、金属水酸化物、金属硫酸塩等が好ましく、金属水酸化物が更に好ましい。金属の種類としては、周期表第1〜15族の金属が好ましく、リチウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ビスマス等が更に好ましく、これら金属の2種以上を含むものが特に好ましい。
具体的な例としては、マグネシウムの一部が鉄(III)、クロム(III)、アルミニウム(III)、好ましくはアルミニウム(III)等の異種金属で置換されたブルーサイト(brucite)等が挙げられる。
本発明において、層間にカチオン性の無機化合物を含有する前記層状珪酸塩としては、(i)天然品自体が層間にカチオン性の無機化合物を含有する層状珪酸塩であるものであっても、(ii)層間にカチオン性の無機化合物を含有しない層状珪酸塩を処理して、該層状珪酸塩の層間にカチオン性の無機化合物を導入したものであってもよい。これらの中でも(i)天然品自体が層間にカチオン性の無機化合物を含有する層状珪酸塩であるものが好ましい。
これらの中でも、非膨潤性のものが好ましい。非膨潤性とは、層状珪酸塩を溶媒に1wt%となるように懸濁させ、80℃で5時間攪拌しつづける処理を行った後の層状珪酸塩の、X線回折分析(X−ray diffraction analysis)における
底面反射に基づくピーク位置と、該処理を行う前の該ピーク位置とを比較した際にピーク位置(2θ)の違いが±0.2°以内、好ましくは±0.1°以内、より好ましくは±0.050以内、更に好ましくは±0.01°以内、であるものを言う。X線回折分析は、X線出力(CuKα):40kV,30mA、操作範囲(2θ):1.0〜30.0°、読み込み幅:0.015°、計数時間:3.0°/minで行う。
本発明における非膨潤性とは、溶媒として水とトルエンを用いた膨潤処理をそれぞれ実施し、いずれの溶媒に対しても非膨潤性を有するものである。
(i)天然品自体が層間にカチオン性の無機化合物を含有する層状珪酸塩であるもの
具体的には、例えば、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、クッケアイト、ドンバサイト等の緑泥石鉱物(クロライト)が挙げられる。クロライトの中でも、カチオン性の無機化合物として、リチウム、マグネシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、アルミニウム等の金属を2種以上含むものが好ましい。中でも、マグネシウム−アルミニウム、マグネシウム−鉄を含むものが好ましく、マグネシウム−アルミニウムを含むものがより好ましい。無機化合物としては金属の水酸化物を含むものが好ましい。
下記(ii−1)のような層間にカチオン性の無機化合物を含有しない層状珪酸塩を、下記(ii−2)のように層間に導入された際にカチオン性を示す無機化合物と反応させて層間にカチオン性の無機化合物を導入する。
(ii−1) 層間にカチオン性の無機化合物を含有しない層状珪酸塩
具体的には、例えば、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト鉱物;バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物;イライト、セリサイト、海緑石、白雲母、金雲母等の雲母鉱物、カオリナイト、デイッカナイト、ナクライト、ハイロサイト等のカオリナイト鉱物;及び、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト等の粘土及び粘土鉱物、並びにこれらの混合層鉱物等;並びに、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等の合成層状珪酸塩が挙げられる。
前記(ii−1)に示した層状珪酸塩と、層間に導入された際にカチオン性を示す無機化合物とを反応させて、層間にカチオン性の無機化合物を含有する層状珪酸塩を得る。その方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
例えば層間にカチオン性の金属水酸化物を導入する場合には金属水酸化物溶液と前記(ii−1)に示した層状珪酸塩の分散液とを混合する方法が好ましく挙げられる。以下、一例を具体的に説明する。
金属水酸化物溶液は、例えば、金属のハロゲン化物とアルカリとを溶媒中で接触させることにより得られる。金属のハロゲン化物としては特に限定されないが、ハロゲン化物や酸化ハロゲン化物を用いることができる。例えば、アルミニウムやジルコニウムを用いた場合には、塩化アルミニウムや塩化酸化ジルコニウム等が好適に用いられる。アルカリは、金属のハロゲン化物を水酸化物とし得るものであれば特に限定されないが、水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。溶媒としては、通常極性溶媒を使用し、水が好ましい。
溶液中の金属のハロゲン化物の濃度は特に限定されないが、好ましくは0.01モル/L以上、更に好ましくは0.1モル/L以上、且つ、好ましくは10モル/L以下、更に好ましくは1モル/L以下である。アルカリの濃度は、金属のハロゲン化物を水酸化物とし得るものであれば特に限定されないが、金属のハロゲン化物に対するモル比で、通常0
.1以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上であって、通常50以下、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。
金属水酸化物溶液は、室温から溶媒の沸点の間の温度で、好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上、且つ、好ましくは10時間以下、更に好ましくは5時間以下の時間、加熱熟成することにより調製される。
分散液の溶媒としては極性溶媒が好ましく、中でも水が好ましい。一方で、上記金属水酸化物溶液と相溶性の溶媒が好ましく、同じ溶媒がより好ましい。分散液中の層状珪酸塩の濃度は、好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、且つ、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
(ii−2−3)層状珪酸塩分散液と前記金属水酸化物の熟成溶液との混合
量比は、層状珪酸塩のイオン交換容量に対する金属水酸化物の金属イオンが、好ましくは0.1当量以上、更に好ましくは10当量以上であって、好ましくは1000当量以下、更に好ましくは500当量以下、特に好ましくは100当量以下である。層状珪酸塩分散液に、金属水酸化物の熟成溶液を添加してもよく、その逆でもよく、混合する容器に同時に添加してもよい。
混合は、室温から溶媒の沸点の間の温度で、攪拌或いは振とうにより行う。混合時間は、好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上、且つ、好ましくは10時間以下、更に好ましくは5時間以下行う。そして、得られたスラリーを濾過、洗浄、乾燥、粉砕し、粉末状の目的化合物が調製される。
尚、得られた目的化合物は、乾燥不活性ガス雰囲気中で保存し、調製後速やかに使用するのが好ましい。
本発明の変性オレフィン系重合体組成物を構成する、官能基を有する変性オレフィン系重合体は、オレフィン系重合体の主鎖中に官能基を有するものであってもよいし、オレフィン系重合体の主鎖に側鎖として、直接に或いは2価基を介して結合した官能基を有するものであってもよい。中でも、オレフィン系重合体の主鎖に側鎖として2価基を介して官能基を有するものが特に好ましい。
官能基を有する変性オレフィン系重合体は、前駆体としてのオレフィン系重合体に官能基を付与することにより得られる。
前駆体としてのオレフィン系重合体としては、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独重合体; それらのα−オレフィンと、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−オクタデセン
等の炭素数2〜18程度の他のα−オレフィン等との二元或いは三元の共重合体;等が挙げられる。
具体的には、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン系樹脂; プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体等のプロピレン系樹脂; 1−ブテン単独重合体、1−ブテン−エチレン共重合体、1−ブテン−プロピレン共重合体等の1−ブテン系樹脂; 4−メチル−1−ペンテン単独重合体、4−メチル−1−ペンテン−エチレン共重合体等の4−メチル−1−ペンテン系樹脂等の樹脂などが挙げられる。
また、エチレンおよび/またはα−オレフィンと、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、1,4−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン等の非共役ジエンとの二元或いは三元の共重合体等が挙げられる。三元の共重合体等としては、例えば、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体等のオレフィン系ゴム等が挙げられる。
これらのオレフィン系重合体は2種以上が併用されていてもよい。これらの中でも、エチレン系樹脂およびプロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン系樹脂がより好ましく、エチレン−プロピレン共重合体およびプロピレン単独重合体が更に好ましく、プロピレン単独重合体が最も好ましい。
変性オレフィン系重合体の官能基としては、アニオン又はカチオンを形成し得るか、分極性の基であるのが好ましく、アニオン又はカチオンを形成し得る基がより好ましく、カチオンを形成し得る基が特に好ましい。アニオンを形成し得る基は、層状珪酸塩の層間のカチオンとの相互作用により、又、カチオンを形成し得る基は、層状珪酸塩の層アニオンとの相互作用により、層状珪酸塩の層間に挿入し易く、層状珪酸塩の層間剥離を助長し得る。アニオンを形成し得る基としては、酸素原子含有基、硫黄原子含有基、燐原子含有基等が挙げられる。カチオンを形成し得る基としては、窒素原子含有基等が挙げられる。
オレフィン系重合体の主鎖に側鎖として2価基を介してこれらの官能基を有する場合における2価基としては、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜20程度の直鎖状、分岐状、或いは環状の脂肪族炭化水素基、フェニレン基、ナフチレン基等の芳香族炭化水素基、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、トリメチレンオキシ基、テトラメチレンオキシ基等のアルキレンオキシ基等が挙げられる。
であって、好ましくは10当量以下、更に好ましくは5当量以下、特に好ましくは1当量以下である。官能基の量が前記範囲未満では、変性オレフィン系重合体が層状珪酸塩の層間に挿入し難い傾向となり、一方、前記範囲超過では、得られる変性オレフィン系重合体組成物をマスターバッチとしてオレフィン系重合体で希釈してオレフィン系重合体組成物として用いる場合に、層状珪酸塩の層剥離を阻害する傾向となる。
前駆体としての前記オレフィン系重合体を、官能基を有する変性オレフィン系重合体とするには、以下(i)〜(v)の方法等、慣用のいずれの方法も採り得る。
(i) オレフィン系重合体に、官能基を有するエチレン性不飽和単量体をグラフト反応させる方法
(ii) α−オレフィンと、必要に応じて保護基で保護された官能基を有するエチレン性不飽和単量体とを共重合させた後、保護基を脱離させる方法
(iii) オレフィン系重合体に3官能以上の多官能単量体をラジカル重合等で反応させ、多官能単量体によりポリオレフィン鎖同士を結合させる方法等により、オレフィン系重合体の主鎖中に官能基を有せしめる方法
(iv) 官能基含有化合物を反応させる方法等により、オレフィン系重合体の主鎖に側鎖として官能基を有せしめる方法
(v) オレフィン系重合体を分子状酸素存在下、加熱して酸化させ、オレフィン系重合体の末端にカルボニルを生成させ、該カルボニルを不活性雰囲気下で還元剤により還元して水酸基にする方法
例えば、主鎖に4−(2−アミノエチル)フェニル基が結合している場合には、官能基はアミノ基ではなく、4−(2−アミノエチル)フェニル基である。
これらが好ましい理由としては、変性オレフィン系重合体組成物として、層間に無機化合物のカチオンを含有する層状珪酸塩の層を架橋し、層の劈開を妨げることを抑制できるためと推定される。
分子末端若しくは末端近傍に存在する官能基の量は、全官能基のモル比で0.5以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、0.9以上が更に好ましく、0.95以上が最も好ましい。なお、変性オレフィン系重合体の末端近傍の官能基の位置は、NMR等によって特定することができる。
官能基を分子末端または末端近傍に有する変性オレフィン系重合体を得るためには、前記(i)、(ii)および(v)の方法が好ましく挙げられる。(ii)の方法がより好ましい。例えば(i)の方法において、用いるエチレン性不飽和単量体の量を低減して、1分子あたりの官能基量を1以下とし、その結果、官能基を局在化することができる。また、(ii)の方法において、Macromolecules,2002,35,9352に記載の方法に従い、官能基を有するエチレン性不飽和単量体をオレフィン系重合体の末端に共重合させて、末端に官能基を有せしめることができる。
(i) オレフィン系重合体に、官能基を有するエチレン性不飽和単量体をグラフト反応させる方法
(i−1) 官能基を有するエチレン性不飽和単量体
カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、水酸基、エポキシ基、アミド基、ニトリル基、アミノ基、イミド基、イソシアネート基、アセチル基等を有するエチレン性不飽和単量体を用いることができる。
官能基としてのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体の例としては、(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとする。〕、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等;カルボン酸無水物基を有するエチレン性不飽和単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等; カルボン酸エステル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等;
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等; エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、プロピルグリシジルマレエート、ブチルグリシジルマレエート、プロピルグリシジルフマレート、ブチルグリシジルフマレート等; アミド基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリルアミド等; ニトリル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリロニトリル等; アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アミノエチル(メタ)アクリレート等; イミド基を有するエチレン性不飽和単量体としては、マレイン酸イミド等; イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、ビニルイソシアネート、イソプロペニルイソシアネート等; および、アセチル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、酢酸ビニル等が、それぞれ挙げられる。
これらのグラフト方法で用いられるラジカル発生剤としては、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類; t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類; 3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類; t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類; メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物類; 又は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物類等が挙げられ、これらのラジカル発生剤は2種以上を併用してもよい。
溶融法または溶液法により反応することができる。
溶融法においては、グラフト反応は、一軸又は二軸押出機等の混練機、横型二軸多円板装置等の横型二軸攪拌機、ダブルヘリカルリボン攪拌機等の縦型攪拌機等を用いて行うことができる。前記オレフィン系重合体と、該オレフィン系重合体100重量部に対して、前記エチレン性不飽和単量体を通常0.005重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、且つ、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下と、前記ラジカル発生剤を通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、且つ、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下とを反応させる。反応は、通常100℃以上、且つ、通常300℃以下、好ましくは200℃以下の温度下で前記オレフィン系重合体を溶融させて、通常0.5〜10分間程度行う。
溶液法においては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒に、前記オレフィン系重合体と、該オレフィン系重合体100重量部に対して、前記エチレン性不飽和単量体を通常0.1重量部以上、好ましくは3重量部以上、且つ、通常100重量部以下、好ましくは50重量部以下と、前記ラジカル発生剤を通常0.5重量部以上、好ましくは1重量部以上、且つ、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下とを加えて行う。反応は、通常80〜140℃程度の温度で前記オレフィン系重合体を溶解させて、通常0.1〜8時間程度行う。
(ii−1)αオレフィン
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンが好ましく挙げられる。1種類でも2種類以上でもよい。
(ii−2)官能基を有するエチレン性不飽和単量体
カルボキシル基、酸無水基、水酸基、アミノ基、チオール基、スルホン基、ホスホン基等を有するエチレン性不飽和単量体を用いることができる。これらの官能基がオレフィン重合触媒を失活させることを防ぐため、官能基は必要に応じてトリアルキルシリル基、ジアルキルアルミニウム基等を用いて保護し、官能基と触媒との反応を阻害させる。
官能基を有するエチレン性不飽和単量体の例を挙げると、官能基としてのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとする。〕、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。酸無水基を有するエチレン性不飽和単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリルアミド、4−アミノスチレン、4−アミノメチルスチレン、4−(2−アミノエチル)スチレン等が挙げられる。ニトリル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
尚、前記官能基を有するエチレン性不飽和単量体の共重合は、例えば以下の触媒系を用
いて行うことができる。
(a)次の成分(A)、(B)及び(C)と任意に成分(D)を含むα−オレフィン重合用触媒。
成分(A):メタロセン化合物
成分(B):有機アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物およびルイス酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(C):連鎖移動剤
成分(D):微粒子担体
(b)次の成分(A)、(C)及び(E)と任意に成分(F)を含むことを特徴とするα−オレフィン重合用触媒。
成分(A):メタロセン化合物
成分(C):連鎖移動剤
成分(E):珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物および無機珪酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(F):有機アルミニウム化合物
(a)および(b)において、メタロセンは公知のものを、適宜選択して使うことができる。連鎖移動剤としては、特に限定されないが、水素が好適に使用される。(a)の微粒子担体としてはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、などの公知のものが使用できる。
触媒濃度は特に限定されないが、例えば反応方式が溶液重合の場合、メタロセン化合物濃度が、反応液1Lに対して、通常100g以下であって、50g以下が好ましく、25g以下が最も好ましい。通常0.01mg以上であって、0.05mg以上が好ましく、0.1mg以上が最も好ましい。
重合温度、重合圧力および重合時間に特に制限はないが、通常は、以下の範囲から生産性やプロセスの能力を考慮して、最適な設定を行うことができる。すなわち、重合温度は通常−20℃以上、好ましくは0℃以上であって、通常150℃以下、好ましくは100℃以下である。また、重合圧力は、通常0.01MPa以上、好ましくは0.05MPa以上、最も好ましくは0.1MPa以上であって、通常100MPa以下、好ましくは20MPa以下、最も好ましくは5MPa以下である。重合時間は、通常0.1時間以上、好ましくは0.2時間以上、最も好ましくは0.3時間以上であって、通常30時間以下、好ましくは25時間以下、より好ましくは20時間以下、最も好ましくは15時間以下である。
変性オレフィン系重合体組成物は、層間に無機化合物のカチオンを含有する層状珪酸塩と、官能基を有する変性オレフィン系重合体とを混合して得られたものである。
本発明の変性オレフィン系重合体組成物は、層状珪酸塩が層剥離した状態で分散されている。これは、本発明における、層間に無機化合物のカチオンを含有する層状珪酸塩と、官能基を有する変性オレフィン系重合体との組み合わせにより、層状珪酸塩が層剥離する
と共に剥離した層の再凝集を防ぐためと考えられる。
前記層状珪酸塩の含有割合が前記範囲未満で前記変性オレフィン系重合体が前記範囲超過では、マスターバッチとしての機能を失うこととなり、一方、前記層状珪酸塩が前記範囲超過で前記変性オレフィン系重合体が前記範囲未満では、変性オレフィン系重合体中に層状珪酸塩が均質且つ微細に層剥離した状態で分散しづらくなる傾向となる。
混合による変性オレフィン系重合体の調製方法は、結果的に層状珪酸塩が層剥離した状態で官能基を有する変性オレフィン系重合体に分散する方法であれば、特に限定されない。
層状珪酸塩が十分に層剥離するためには、官能基を有する変性オレフィン系重合体と層間にカチオン性の無機化合物を含有する層状珪酸塩とが接触した状態で、官能基を有する変性オレフィン系重合体が溶融または溶解状態を経るのが好ましい。
具体的には、層間に無機化合物のカチオンを含有する層状珪酸塩と官能基を有する変性オレフィン系重合体とを、(i)ドライブレンドした後に溶融する方法、(ii)溶融混練する方法、等が好ましく挙げられる。他にも、溶液中で混合した後、溶液を除去する方法などが考えられる。
両者を、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等により均一に混合する。その後、該混合物に必要に応じて用いられる酸化防止剤などの添加剤を添加し、溶融状態を経て組成物とする。具体的には、例えば、該混合物を単に溶融するか、又は、一軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練することにより調製される。その際の温度は、好ましくは100℃以上、更に好ましくは150℃以上、且つ、好ましくは300℃以下、更に好ましくは250℃以下である。時間は、好ましくは0.5〜30分である。
(ii)溶融混練する方法
両者を、必要に応じて用いられる酸化防止剤などの添加剤等と共に溶融混合する。例えば、一軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練することにより調製される。溶融混練の温度は、好ましくは100℃以上、更に好ましくは150℃以上、且つ、好ましくは300℃以下、更に好ましくは250℃以下である。時間は好ましくは0.5〜30分である。
本発明の変性オレフィン系重合体組成物は、これをそのまま成形材料として用いることもできるが、この変性オレフィン系重合体組成物をマスターバッチとして、オレフィン系重合体で希釈してオレフィン系重合体組成物となし、それを成形材料として用いることが好ましい。その際のオレフィン系重合体としては、前述したと同様の変性オレフィン系重合体であってもよいが、コストの面から、官能基を有さない未変性オレフィン系重合体が好ましい。
体の分子量は重量平均分子量で2,000以上が好ましく、5,000以上が更に好ましく、10,000以上が特に好ましく、又、1,000,000以下が好ましく、800,000以下が更に好ましく、600,000以下が特に好ましい。Mw/Mnは、特に限定されないが、通常1以上、好ましくは2以上であって、通常20以下、好ましくは10以下、より好ましくは7以下である。アイソタクチックペンタッド分率は、特に限定されないが、通常0.85以上、好ましくは0.9以上、より好ましくは0.95以上、更に好ましくは0.98以上であって、1.0以下、好ましくは0.995以下である。アイソタクチックペンタッド分率が高いほど、一般に成形体の剛性や耐熱性が向上する。
本発明によれば、上記希釈剤であるオレフィン系重合体の物性を改良することができる。具体的には、剛性向上、ガスバリア性向上、難燃性向上、成型収縮率低下、および熱膨張係数の低下等をすることができる。例えば、本発明の変性オレフィン系重合体組成物を含むことにより、オレフィン系重合体の曲げ弾性率を通常120%以上、好ましくは150%以上、更に好ましくは180%以上最も好ましくは200%以上とすることができる。また、曲げ弾性率の向上は通常500%以下である。
なお、本実施例において、曲げ弾性率は以下の方法で測定した。
<曲げ弾性率>
JIS K7171に準拠し、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片を圧縮
成形により作製し、23℃、50%RHの環境下で、支点間距離64mmとした3点曲げ試験により測定した。
<層間に無機化合物のカチオンを含有する層状珪酸塩>
無機化合物カチオンとしてマグネシウム、アルミニウムを含む水酸化物のシート状物を層間に含有するクリノクロア(入来カリオン社製クロライト「C1」) を用いた。
<官能基を有する変性オレフィン系重合体>
Macromolecules,2003,36,8919に記載の方法に準じて以下の通り調製した。
窒素置換し、マグネチックスターラーを入れた500ml丸底フラスコに、クロロメチルメチルエーテル50mlとテトラヒドロフラン50mlを導入し、0℃に冷却した。その後、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド100gをテトラヒドロフラン200mlに溶解した溶液を内温が0℃付近から逸脱しないように、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、溶液を2時間かけて室温まで昇温し、過剰のクロロメチルメチルエーテル及びテトラヒドロフランを留去した。引き続いて、蒸留によりN,N−ビス(トリメチルシリル)メトキシメチルアミン89.4gを得た。
別途、マグネチックスターラーを入れ、還流冷却機を備えた500ml丸底フラスコに、マグネシウムワイヤー11.6g及び乾燥エーテル40mlを導入し、乾燥エーテル40mlで希釈した4−ビニルベンジルクロリド68mlをコンデンサー上部より滴下した。溶液を4時間還流させた後、前記で得たN,N−ビス(トリメチルシリル)メトキシメチルアミン89.4gを2時間かけて導入した。次いで、室温で2時間反応させた後、30%水酸化ナトリウム水溶液100mlを導入した。その後有機層を分離、乾燥し、残渣を水素化カルシウムから蒸留することにより、4−{2−〔N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ〕}エチルスチレン89gを得た。
<オレフィン系重合体組成物>
次いで、得られた変性オレフィン系重合体組成物4gと、オレフィン系重合体としてのポリプロピレン単独重合体樹脂(日本ポリプロ社製「MA1B」)パウダー36gとを、酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irganox1010」)0.02g、ジ−t−ブチルフェニルフォスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「Irgaphos168」)0.02g、及びハイドロタルサイト(協和化学工業社製「DHT−4A」)0.012gを添加してドライブレンドした後、ラボプラストミル(東洋精機社製)により、160℃で4分間溶融混練することにより、オレフィン系重合体組成物を製造した。得られたオレフィン系重合体組成物について、以下に示す方法で曲げ弾性率を測定したところ、2800MPaであった。 なお、ポリプロピレン単独重合体樹脂(日本ポリプロ社製「MA1B」)の曲げ弾性率は1910MPaであった。
クリノクロアに代えて、層間カチオンとして主にナトリウムイオンを含有するモンモリロナイト(クリミネ工業社製「クニピアF」)を用いた外は、実施例1と同様にしてオレフィン系重合体組成物を製造した。得られたオレフィン系重合体組成物について、前記の方法で曲げ弾性率を測定したところ、2,230MPaであった。
実施例2
官能基を有する変性オレフィン系重合体として、無水マレイン酸変性オレフィン系重合体を用いた以外は、実施例1と同様にしてオレフィン系重合体組成物を製造した。得られたオレフィン系重合体組成物について、前記の方法で曲げ弾性率を測定したところ、2680 MPaであった。
無水マレイン酸変性オレフィン系重合体は以下の様に製造した。
触媒として、ジクロロジメチルシリレン(2-メチル−4-フェニルアズレニル)[10−(N−フェニルインデノ[b]インドリル)]ハフニウムのanti/syn=5/5混
合物 8 μmol、助触媒としてメチルアルミノキサン(5.7重量%溶液)35mL、液体プロピレン1400mLを用いて70℃で2時間重合を行った。重量平均分子量:64000、数平均分子量:4300、アイソタクチックペンタッド分率:0.644、末端不飽和結合10000炭素あたり28.8を有するポリプロピレン160.5gを得た。 このポリプロピレン20g及び無水マレイン酸35部をターシャリーブチルベンゼン200mLに溶解し、還流条件下で、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)4.6部のターシャリーブチルベンゼン溶液を滴下した。滴下終了後、3時間還流を続けた。生成物をアセトンで再沈させた後、アセトンで洗浄を繰り返し、得られた固体を減圧乾燥した。一分子あたり0.62の無水マレイン酸基が導入されたポリプロピレンを得た。
クリノクロアに代えて、モンモリロナイト(クリミネ工業社製「クニピアF」)(比較例2)、または有機化モンモリロナイト(Nanocor社製「I.30T」)(比較例3)を用いた外は、実施例2と同様にしてオレフィン系重合体組成物を製造した。得られたオレフィン系重合体組成物について、前記の方法で曲げ弾性率を測定したところ、それぞれ2130MPa、2390MPaであった。
実施例3
官能基を有する変性オレフィン系重合体として、水酸基変性オレフィン重合体を用いた以外は、実施例1と同様にしてオレフィン系重合体組成物を製造した。得られたオレフィン系重合体組成物について、前記の方法で曲げ弾性率を測定したところ、2680 MPaであった。
水酸基変性オレフィン系重合体は以下の様に製造した。
実施例2と同様にして得たポリプロピレン4gをテトラヒドロフラン100mL中に懸濁させ、9−ボラビシクロノナン(9−BBN)をポリマー分子数に対して5当量添加し、5時間還流した。固体を濾別した後、イソプロパノールで洗浄して乾燥した。その後、得られたポリマーを再度テトラヒドロフラン100mLに懸濁させ、室温で水酸化ナトリウム0.8 gの水/メタノール4 mL/1 mL)溶液を添加した。一旦0℃まで冷却して、H2O2水溶液(30wt%、3.2 mL)を滴下し、その後40℃で7時間反応させた。反応後のスラリーを多量のメタノール中に導入し、固体を濾別、メタノールで洗浄の後乾燥してポリマーを得た。NMRよりOH化がほぼ定量的に進行したことを確認した。
クリノクロアに代えて、モンモリロナイト(クリミネ工業社製「クニピアF」)(比較例4)、または有機化モンモリロナイト(Nanocor社製「I.30T」)(比較例5)を用いた外は、実施例3と同様にしてオレフィン系重合体組成物を製造した。得られたオレフィン系重合体組成物について、前記の方法で曲げ弾性率を測定したところ、それぞれ2220MPa、2040MPaであった。
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2および3、そして実施例3と比較例4および5の対比から明らかな通り、層状珪酸塩として、層間にカチオン性の無機化合物を含有するクリノクロアを用いると、層間にカチオン性の無機化合物を含有しないモンモリロナイトおよび有機化モンモリロナイトに対して、オレフィン系重合体組成物の曲げ弾性率が高いことが示されている。
また、官能基を有する変性オレフィン系重合体の、官能基の種類がアンモニウム基であると、無水マレイン酸基および水酸基に対して、オレフィン系重合体組成物の曲げ弾性率が高いことが示されている。
層状珪酸塩配合による諸物性の改善という所期の目的を十分に発現し得た成形材料として、慣用の、例えば、圧縮成形法、押出成形法、射出成形法、中空成形法等による一次成形、或いは更に、熱成形、被覆成形、発泡成形等の二次成形等に付され、自動車部品、家電部品、包装用資材、建築資材、土木資材、水産資材、その他工業用資材等として好適に用いられる。
Claims (8)
- 層間にマグネシウム及びアルミニウムを含むカチオン性の無機化合物を含有する層状珪酸塩と、官能基を有する変性オレフィン系重合体とを混合して得られたものであることを特徴とする変性オレフィン系重合体組成物。
- カチオン性の無機化合物が、カチオン性の金属水酸化物である請求項1に記載の変性オレフィン系重合体組成物。
- 官能基を有する変性オレフィン系重合体が、分子末端に官能基を有するものである請求項1又は2に記載の変性オレフィン系重合体組成物。
- 官能基を有する変性オレフィン系重合体の官能基が、カチオン性基である請求項1乃至3のいずれかに記載の変性オレフィン系重合体組成物。
- 層状珪酸塩と変性オレフィン系重合体との含有割合が、両者の合計量に対して、層状珪酸塩5〜95重量%、変性オレフィン系重合体95〜5重量%である請求項1乃至4のいずれかに記載の変性オレフィン系重合体組成物。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の変性オレフィン系重合体組成物が、オレフィン系重合体で希釈されてなることを特徴とするオレフィン系重合体組成物。
- 組成物全量に対して20〜99重量%のオレフィン系重合体で希釈されてなる請求項6に記載のオレフィン系重合体組成物。
- 組成物全量に対する層状珪酸塩の含有割合が、0.5〜50重量%である請求項6に記載のオレフィン系重合体組成物。
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