JP5231889B2 - 場所打ち杭の孔壁防護方法 - Google Patents
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Description
本発明は、場所打ち杭の孔壁防護方法において、場所打ち杭の掘進作業と併行して拡径手段を備えた杭孔より小径の円形状部材からなる孔壁加圧部材を掘削孔内に挿入し、掘削孔内で前記拡径手段により前記円形状部材を拡径して孔壁へ圧力を加えて設置し、以後、小径状態の円形状加圧部材を既設の拡径状態の円形状加圧部材を通して順次挿入し、前記拡径手段により拡径して孔壁へ圧力を加えて設置し、前記円形状部材を杭の深さ方向に連続、または不連続に設置することを特徴とする。
また、本発明は、前記円形状部材が円周方向において分割された部材からなり、分割箇所を接続する拡径手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記円形状部材が交差するように斜状にヒンジ接続された所定幅の2つの円形状部材からなり、2つの円形状部材が面一に揃う方向に各円形状部材をヒンジ部で回転させる拡径手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記円形状部材が円周方向において斜めに分割された所定幅の円形状部材からなり、分割された円形状部材の斜め分割面を合わせるように円形状部材に力を加える拡径手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記円形状部材が所定幅の螺旋状に巻かれた部材からなり、螺旋状部材の両端を接近させるように力を加える拡径手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記円形状部材が円周方向の複数箇所で分割された所定高さの鋼管からなり、各分割箇所を接続する拡径手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記円形状部材が、ドーナツ状の加圧バッグからなり、前記加圧バッグに充填材を注入して膨らませる拡径手段を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、前記円形状部材が加圧装置が取り付けられた鋼板リングからなり、鋼板リングと加圧装置間に取り付けられ、加圧装置を膨らませる複数のコイルバネ若しくはジャッキからなる拡径手段を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、前記円形状部材が周囲に加圧バッグが取り付けられた所定高さの鋼管からなり、前記加圧バッグに充填材を注入して膨らませる拡径手段を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、杭の深さ方向に不連続に設置される鋼管と加圧バッグ間は、吹き付けコンクリート、シート、ネット等で防護することを特徴とする。
図1は軌道間に場所打ち杭を施工する際の孔壁防護方法の例を説明する図、図2は孔壁防護に用いる拡径可能な鋼管の例を説明する平面図である。
レール1を支持する軌道2,2間に作業構台3を設置し、掘削装置4の先端部のビットで掘削する。掘削装置4には孔壁防護用の所定高さの鋼管10をセットし、杭孔5に順次挿入していく。鋼管10は孔壁6を防護する目的の架設材で、構造材ではないため薄い鋼板等からなる円形状の部材を使用する。
レール1を支持する軌道2,2間に作業構台3を設置し、掘削装置4の先端部のビットで掘削しながら、吊り込み架台7で孔壁防護用の円形状部材である所定高さの鋼管20を吊り下げ、杭孔5に自重で挿入する。鋼管20はライナープレートのような波状の部材、或いは平板の部材を現地組立などで円形状部材としての鋼管にしたものであり、杭孔6の径より小径で背面には袋状の加圧バッグ21が取り付けられている。この鋼管20を杭孔5に挿入し、所定位置において拡径手段である図示しない注入装置により加圧バッグ21内にグラウト、セメントミルク等の液状の充填材を注入して膨らませ、杭孔壁を加圧する。充填材はその後固化し、杭孔壁を安定的に加圧して防護することができる。この例においても杭孔より小径状態の鋼管と加圧バッグとを掘削に連れて順次設置するため、設置作業が容易であり、掘削作業と併行して孔壁防護を行うことができる。また、鋼管20は杭孔に沿って間を開けずに連続状態で設置しても、或いは所定間隔を開けて不連続状態で設置しても何れでもよく、孔壁の状態に応じて適宜選択すればよい。なお、不連続状態で設置する場合は、鋼管と加圧バッグ間は、吹き付けコンクリート、シート、ネット等で防護することが望ましい。また、鋼管と加圧バッグの杭孔内への挿入設置は、棒や重りを利用して行うことが望ましい。
レール1を支持する軌道2,2間に作業構台3を設置し、掘削装置4の先端部のビットで掘削する。掘削装置4の杭口にドーナツ状の加圧バッグ30をまとめてセットしておき、杭孔5に順次挿入していく。加圧バッグの外径は容易に杭孔に挿入できるように杭孔5の径より小さくなっていて、杭孔の所定位置において拡径手段により拡径したバッグ31とすることで孔壁6を加圧する。小径状態の加圧バッグ30は、拡径したバッグ31内を容易に挿通することができるため、順次設置する作業は容易であり、掘削作業と併行して孔壁防護を行うことができる。
図6は孔壁加圧部材の一例を示す図である。
所定幅の円形状部材50は、円周方向に切断部51があり、切断された状態では杭孔より小径であり、この部分が便宜的に矢印表示で示した拡径手段である拡径機構52で接続されている。拡径機構52はネジ式のものでネジを回すことにより切断部が開いて拡径するもの、或いは図2で説明したようなバネを利用したものなどが利用でき、杭孔の所定位置で拡径することで円形状部材50により孔壁を加圧する。
この例では、所定幅の2つの円形状部材60、61を互いに交差するように斜状にしてヒンジ62で接続して、この状態では杭孔より小径である。この小径状態の2つの円形状部材60、61を杭孔の所定位置へ挿入し、円形状部材60に対しては、図示しない拡径手段により、矢印A、Bの力を作用させてヒンジ62を中心に時計方向に回転させ、円形状部材61に対しては、矢印C、Dの力を作用させてヒンジ62を中心に反時計方向に回転させることで、両円形状部材が面一に揃う方向に重なるように回転して拡径し、孔壁を円形状部材で加圧することができる。
この例では、所定幅の円形状部材70が斜めに切断分割されており(図8(a))、この状態では杭孔より小径である。この小径状態の円形状部材70を掘削孔内に挿入し、掘削孔の所定位置で、図示しない拡径手段により、円形状部材の分割端部にそれぞれ矢印E、Fの上下方向の力を作用させることで分割面を合わせる(図8(b))。こうすることで、円形状部材70が拡径して孔壁を加圧することができる。
この例では、所定幅の円形状部材80が杭孔の径より小径で螺旋状に巻かれているもの(図9(a))を使用し、この螺旋状に巻かれた円形状部材80を掘削孔に挿入し、掘削孔の所定位置で、図示しない拡径手段により、円形状部材80の両端に矢印G、Hの上下方向から両者が接近するように力を作用させて螺旋を拡径する(図9(b))。こうすることで、螺旋状プレート80は巻数が減少して拡径し、孔壁を加圧することができる。
この例ではスタンドパイプのような、例えば5〜6m程度の長尺の加圧用の鋼管30を設置し、これより高い作業構台3から掘削装置4で掘削する。このとき、掘削深さに応じて鋼管30内に地下水位とバランスする程度の泥水を満たし、泥水圧を孔壁に作用させることで孔壁6の安定と変形抑制を図る。なお、長尺の鋼管30で泥水圧をかけるため杭の口元付近には、止水パッキン31を介して止水ブロック32を配置して圧力保持を図る必要がある。なお、鋼管30により必要な水頭圧を得るためには太い管である必要がないため、地表面より上部では小径の細い管とするようにしてもよい。
Claims (10)
- 場所打ち杭の孔壁防護方法において、
場所打ち杭の掘進作業と併行して拡径手段を備えた杭孔より小径の円形状部材からなる孔壁加圧部材を掘削孔内に挿入し、掘削孔内で前記拡径手段により前記円形状部材を拡径して孔壁へ圧力を加えて設置し、以後、小径状態の円形状加圧部材を既設の拡径状態の円形状加圧部材を通して順次挿入し、前記拡径手段により拡径して孔壁へ圧力を加えて設置し、前記円形状部材を杭の深さ方向に連続、または不連続に設置することを特徴とする場所打ち杭の孔壁防護方法。 - 前記円形状部材は、円周方向において分割された部材からなり、分割箇所を接続する拡径手段が設けられている請求項1記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
- 前記円形状部材は、交差するように斜状にヒンジ接続された所定幅の2つの円形状部材からなり、2つの円形状部材が面一に揃う方向に各円形状部材をヒンジ部で回転させる拡径手段が設けられている請求項1記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
- 前記円形状部材は、円周方向において斜めに分割された所定幅の円形状部材からなり、分割された円形状部材の斜め分割面を合わせるように円形状部材に力を加える拡径手段が設けられている請求項1記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
- 前記円形状部材は、所定幅の螺旋状に巻かれた部材からなり、螺旋状部材の両端を接近させるように力を加える拡径手段が設けられている請求項1記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
- 前記円形状部材は、円周方向の複数箇所で分割された所定高さの鋼管からなり、各分割箇所を接続する拡径手段が設けられている請求項1記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
- 前記円形状部材は、ドーナツ状の加圧バッグからなり、前記加圧バッグに充填材を注入して膨らませる拡径手段を備えている請求項1記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
- 前記円形状部材は、加圧装置が取り付けられた鋼板リングからなり、鋼板リングと加圧装置間に取り付けられ、加圧装置を膨らませる複数のコイルバネ若しくはジャッキからなる拡径手段を備えている請求項1記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
- 前記円形状部材は、周囲に加圧バッグが取り付けられた所定高さの鋼管からなり、前記加圧バッグに充填材を注入して膨らませる拡径手段を備えている請求項1記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
- 杭の深さ方向に不連続に設置される鋼管と加圧バッグ間は、吹き付けコンクリート、シート、ネット等で防護する請求項9記載の場所打ち杭の孔壁防護方法。
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