JP5231384B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートの改良に関するものである。
車両が追突された際に、車両の前方への移動に伴い、車両の乗員の頭部が慣性力で後方へ移動し、頸部の後方への曲げ、あるいは後方への曲げに続く前方への曲げ(いわゆる「むち打ち」)が発生することがあり、乗員の頸部の保護が必要となる。
そこで、追突直後に乗員の後方移動により生じる後向き荷重をシートを構成するシートバックで受け、この荷重を利用してヘッドレストを前方又は前方斜め上方へ移動させて乗員の頭部の移動を防止するアクティブヘッドレスト構造が採用されている。
このようなアクティブヘッドレスト構造を備えた従来の車両用シートとして、シートバック内に縦設受圧部材が設けられ、この縦設受圧部材で乗員からの後向き荷重を受けて、縦設受圧部材に連結されたヘッドレストを追突時に前方斜め上方に移動させる構造を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の図2、図3によれば、シートバック10内に設けられたシートバックフレーム18の上部左右に回動リンク14がそれぞれ回動可能に取付けられ、シートバックフレーム18の下部の左右を連結するロアメンバ18cに左右一対のガイド部材44が取付けられ、左右の回動リンク14に回動リンク14の回転中心に対して偏心するように支持シャフト20が渡され、この支持シャフト20に上方に延びるホルダブラケット24が取付けられ、このホルダブラケット24の上端にステー22を介してヘッドレスト12が取付けられている。
また、回動リンク14には連設支持リンク40が揺動可能に連結され、この連設支持リンク40にばね部材51を介して支持プレート54が弾性支持され、この支持プレート54の後方に、上端が支持シャフト20に取付けられるとともに下端が摺動ロッド46を介してガイド部材44のガイド孔36に挿入された上下に延びる左右一対の縦設受圧部材34が配置され、左右の連設支持リンク40間に横設受圧部材38が渡されている。
車両が追突されたときには、乗員に支持プレート54を介して縦設受圧部材34を押圧する後向きの荷重が発生し、この荷重によって縦設受圧部材34が上方に移動するとともに支持プレート54で横設受圧部材38が押圧されたときに連設支持リンク40が回動リンク14を回動させることで、ヘッドレスト12が前方斜め上方へ移動する
特開2008−18842公報
車両の乗員が上記シートに着座し、乗員の腰部がシートバック10を押圧するときには、シートバック10のシートクッションを介して支持プレート54が後方に移動するが、図2に示されるように、縦設受圧部材34は支持プレート54の後方に大きく離れているため、乗員の通常の着座状態では、支持プレート54が縦設受圧部材34の位置まで移動しにくく、縦設受圧部材34によって支持プレート54を前方へ押圧する反力が発生しにくいことから、乗員の腰部を支持する支持力を確保することは困難である。
また、支持プレート54が縦設受圧部材34を押圧したとしても、左右の縦設受圧部材34の間隔が狭ければ、腰部を狭い範囲で支持することになり、十分な腰部支持が行われない。
更に、上記アクティブヘッドレスト構造では、ヘッドレスト12を作動させるための主要構成として、縦設受圧部材34、連設支持リンク40、横設受圧部材38を備え、連設リンク40は、長尺リンク48、短尺リンク50、枢支ピン52,53から構成されているため、部品数が多くなり、コストアップを招く。
また、支持プレート54と縦設受圧部材34とが大きく離れ、また、横設受圧部材38も支持プレート54から縦設受圧部材34よりも更に大きく離れているため、車両が追突されたときに、支持プレート54が縦設受圧部材34及び横設受圧部材38を押圧するまでの時間が長くなる、即ち、追突時からヘッドレストが移動するまでの時間が長くなる。
本発明の目的は、乗員の通常着座時の腰部支持が確実に行えるとともに、車両が追突された際のヘッドレストによる乗員の頸部保護が迅速に図れ、且つより簡易な構成にされた車両用シートを提供することにある。
請求項1に係る発明は、シートバックの骨格となるシートバックフレームと、このシートバックフレームの内側に弾性的に支持された支持プレートと、この支持プレートの背面側に配置されて上下方向に延びる左右一対の縦ワイヤと、これらの縦ワイヤの上端部にヘッドレスト支持フレームを介して取付けられたヘッドレストと、を備え、支持プレートに伝達された後向き荷重により縦ワイヤを後方且つ上方へ変位させることでヘッドレスト支持フレームを介してヘッドレストを前方又は前方斜め上方に変位させるヘッドレスト駆動機構を備えた車両用シートにおいて、左右一対の縦ワイヤ間に、支持プレートの下部の背面に当接又は近接する第1の横ワイヤが渡されていると共に、この第1の横ワイヤよりも下方に第2の横ワイヤが渡され、この第2の横ワイヤは、前記支持プレートの下部の背面に対向するとともに前記第1の横ワイヤよりも前記支持プレートから後方に離されて配置されることを特徴とする。
車両が追突されると、シートに着座した乗員に対してシートが前方に移動するため、シートの支持プレートは、乗員から後向き荷重を受ける。この結果、支持プレートがシートバック内で後方に移動し、第1の横ワイヤを押圧し、後向き荷重は、第1の横ワイヤから直接に左右の縦ワイヤに伝わる。
これにより、左右の縦ワイヤは後方且つ上方へ変位し、ヘッドレスト支持フレームを介してヘッドレストが前方又は前方斜め上方に変位するため、ヘッドレストによって乗員の頭部の後方移動が阻止され、乗員の頸部が保護される。
第1の横ワイヤは、支持プレートの背面に当接又は近接し、更に、縦ワイヤに第1の横ワイヤが渡されているため、支持プレートに作用する後向き荷重が支持プレートから横ワイヤ、横ワイヤから縦ワイヤに迅速に伝わる。
乗員の通常の着座時には、乗員の腰部が支持プレートを介して第1の横ワイヤ及び縦ワイヤを押圧するため、この反力で乗員の腰部が支持される。第1の横ワイヤは、左右の縦ワイヤ間に亘って設けられているため、腰部のより広い範囲を確実に支持する。
乗員の腰部支持は第1の横ワイヤ及び左右の縦ワイヤで行われ、車両が追突された際の左右の縦ワイヤの変位は、第1の横ワイヤ及び第2の横ワイヤの両方で行われる。
また、乗員の通常着座時には、支持プレートが第1の横ワイヤにしか当たらないため、支持プレートが乗員の腰部を支持する支持力が過大にならない。
請求項に係る発明は、第1の横ワイヤ及び第2の横ワイヤは弾性変形可能に設けられ、第2の横ワイヤは第1の横ワイヤよりも弾性変形しにくいことを特徴とする。
弾性変形しにくい第2の横ワイヤによって縦ワイヤの変位がより迅速になる。
請求項1に係る発明では、左右一対の縦ワイヤ間に、支持プレートの下部の背面に当接又は近接する第1の横ワイヤが渡されているので、追突されたときに、第1の横ワイヤで支持プレートから縦ワイヤへより迅速に後向き荷重を伝えることができ、追突直後のヘッドレスト変位の応答性を向上させることができるとともに、第1の横ワイヤを利用して、乗員の通常着座時の腰部の広い範囲を確実に支持することができる。
乗員の頸部保護及び腰部支持のための主要構造を、左右の縦ワイヤと、第1の横ワイヤ等の横ワイヤとで構成するため、車両用シートの部品数が少なくなり、コストを削減することができる。
加えて、請求項に係る発明では、左右一対の縦ワイヤ間に、第1の横ワイヤよりも下方に配置された第2の横ワイヤが渡され、この第2の横ワイヤが、支持プレートの下部の背面に対向するとともに第1の横ワイヤよりも支持プレートから後方に離されて配置されるので、追突されたときに、第1の横ワイヤ及び第2の横ワイヤの両方で縦ワイヤをより確実に変位させることができる。
また、乗員の通常着座時に、支持プレートに第1の横ワイヤしか当たらないようにすることができ、乗員の腰部支持力を適切に設定することができて、乗車姿勢を安定させることができる。
請求項に係る発明では、第1の横ワイヤ及び第2の横ワイヤは弾性変形可能に設けられ、第2の横ワイヤは第1の横ワイヤよりも弾性変形しにくいので、追突されたときは、後向き荷重によって第2の横ワイヤが撓みにくくなり、縦ワイヤをより迅速に変位させることができ、ヘッドレスト変位の応答性を向上させることができる。
本発明に係る車両用シートの説明図である。 本発明に係る車両用シートのシートバック内部を示す斜視図である。 本発明に係る車両用シートのシートバック内部を示す背面図である。 本発明に係る車両用シートのシートバック内部を示す側面図である。 本発明に係る車両用シートのシートバック要部を示す断面図である。 本発明に係る車両用シートのシートバック下部を示す斜視図である。 本発明に係る車両用シートのシートバックの作用を示す第1作用図である。 本発明に係る車両用シートのシートバックの作用を示す第2作用図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中の左、右、前、後は車両に乗車した運転者を基準にした向きを示している。また、図面は符号の向きに見るものとする。
本発明の実施例を説明する。図中の矢印(FRONT)は車両前方を表している。
図1に示すように、シート10は、座面11aを有するシートクッション11と、このシートクッション11の後端部に前後揺動可能に取付けられた背もたれとなるシートバック12と、このシートバック12の上端部に取付けられたヘッドレスト13とからなる。
シートバック12は、車両が追突された際に、ヘッドレスト13を前方又は前方斜め上方へ移動させるヘッドレスト駆動機構15を備える。
ヘッドレスト13は、シートバック12内のヘッドレスト駆動機構15により駆動可能なアクティブヘッドレストであり、下面から左右一対の取付ステー13aが下方に突出し、これらの取付ステー13aが、ヘッドレスト駆動機構15の上部に設けられた左右一対の角パイプ状のヘッドレスト支持フレーム17にそれぞれ着脱可能に挿入されている。
上記のヘッドレスト13及びヘッドレスト駆動機構15は、乗員の頸部を保護する頸部保護機構20を構成している。
図2に示すように、シートバック12は、骨格となるシートバックフレーム21と、このシートバックフレーム21に取付けられたヘッドレスト駆動機構15とを備える。
シートバックフレーム21は、左右一対のシートサイドフレーム23,23と、これらのシートサイドフレーム23,23の上端同士及び下端同士をそれぞれ連結するアッパフレーム26及びロアフレーム27とからなる矩形枠状の部材である。
ヘッドレスト駆動機構15は、シートバックフレーム21のシートサイドフレーム23,23から延びる波形ワイヤからなるばね部材31と、このばね部材31で背面32aが弾性支持された樹脂製の支持プレート32と、シートサイドフレーム23,23に設けられてヘッドレスト13(図1参照)を揺動させる揺動機構33と、この揺動機構33に上端部が連結されるとともに支持プレート32の背面32a側に設けられたワイヤ組立体34と、このワイヤ組立体34の下端部を支持するとともにシートサイドフレーム23,23側に取付けられた左右一対のワイヤ支持部材36,36とからなる。
ばね部材31は、シートサイドフレーム23,23から車幅方向のシート中心側に延びるストレート部31a,31aと、これらのストレート部31a,31aから車幅方向のシート中心側に下方に屈曲するように延びる下方屈曲部31c,31cと、これらの下方屈曲部31c,31c間を上方に屈曲するように接続する上方屈曲部31eとからなる。
支持プレート32は、ばね部材31のストレート部31a,31aを中心にして回動可能であり、背面32aに、ばね部材31に掛けられる鉤部32c,32d,32eが一体成形されている。
鈎部32c,32eは、それぞればね部材31のストレート部31a,31aに掛けられ、鉤部32bは、ばね部材31の上方屈曲部31eに掛けられる。
図3に示すように、支持プレート32は、両側部に、くびれ部32g,32gと、このくびれ部32g,32gの下方に位置するとともに両側方に突出する側方突出部32h,32hとが設けられ、下部に、下方に突出する下方突出部32jが設けられている。
支持プレート32の側方突出部32h,32h間は、シート10(図1参照)に着座した乗員の腰椎の高さ位置に相当する部分であり、この位置の後方に上部横ワイヤ63が配置されている。
また、下方突出部32jの下部は、乗員の腰椎下部又は骨盤(詳しくは、仙椎)上部の高さ位置に相当し、乗員が着座したときの基部になる部分であり、車両が追突されたときには、乗員が慣性で後方へ移動する際に後向き荷重が加わりやすい。
従って、この部分の後方に下部横ワイヤ64を配置することで、下方突出部32jの下部が下部横ワイヤ64のストレート部64bに当たり、下部横ワイヤ64及び縦ワイヤ61,61に後向き荷重が伝わりやすくなり、縦ワイヤ61,61の後方移動を確実に且つ迅速に行うことができる。
揺動機構33は、シートサイドフレーム23,23にそれぞれ取付けられた揺動ベース41,41と、これらの揺動ベース41,41にそれぞれボルトからなる支軸43を介して揺動可能に取付けられた揺動プレート45,45と、これらの揺動プレート45,45間に渡されて取付けられた揺動フレーム47と、この揺動フレーム47の上部に取付けられた左右一対のワイヤ連結部材51,51と、揺動フレーム47及びワイヤ連結部材51,51に上方に延びるように取付けられるとともにヘッドレスト13(図1参照)の取付ステー13a,13a(図1参照)が挿入されたヘッドレスト支持フレーム17,17とからなる。
シートバックフレーム21のシートサイドフレーム23,23及びアッパフレーム26には、前部にアッパプレート53が取付けられ、このアッパプレート53に左右一対のフレームホルダ54,54が取付けられ、これらのフレームホルダ54,54で上記のヘッドレスト支持フレーム17,17が前後移動可能に保持されている。
揺動機構33には、ヘッドレスト13(図1参照)を通常の正規位置に付勢して保持する引張コイルばね56,56が付設されている。
引張コイルばね56は、各揺動プレート45,45と、シートサイドフレーム23,23にそれぞれ取付けられたばね受け片57とに渡されて掛けられている
ワイヤ組立体34は、上端部がワイヤ連結部材51,51にそれぞれ連結された上下に延びる左右一対の縦ワイヤ61,61と、これらの縦ワイヤ61,61のそれぞれの下部に渡された上部横ワイヤ63と、この上部横ワイヤ63の下方に位置するように縦ワイヤ61,61間に渡された下部横ワイヤ64と、縦ワイヤ61,61のそれぞれの下部に取付けられるとともに左右のワイヤ支持部材36,36間に渡された下端部横ワイヤ66とからなる。
縦ワイヤ61,61は、下端が連結部67で一体に連結されている。
上部横ワイヤ63は、車幅方向に延びる上部横長部63a,63aと、これらの上部横長部63a,63aから屈曲して上下方向に延びるとともに縦ワイヤ61,61にそれぞれ加締め部材68,68で加締められた縦長部63c,63cと、これらの縦長部63c,63cから斜め下方に延びる傾斜部63e,63eと、これらの傾斜部63e,63eを繋ぐ下部横長部63gとからなる一体成形品である。
下部横ワイヤ64は、1本のワイヤの両端部がそれぞれU字状に折り曲げられた部材であり、両端部のU字部64a,64aが、ストレート部64bで繋がれるとともに縦ワイヤ61,61にそれぞれ取付けられている。
下端部横ワイヤ66は、上方に屈曲形成された中央部66aが連結部67に加締め部材69で連結され、両端部がワイヤ支持部材36,36から抜けないように折り曲げられている。なお、符号71は左右のシートサイドフレーム23,23に渡された下部連結フレームであり、この下部連結フレーム71にワイヤ支持部材36,36が取付けられている。
図4に示すように、支持プレート32の背面32aに下部横長部63gが当たるように上部横ワイヤ63が配置され、支持プレート32の背面32aから後方に近接した位置に下部横ワイヤ64のストレート部64bが配置され、これらの上部横ワイヤ63及び下部横ワイヤ64が左右一対の縦ワイヤ61に支持されている。なお、符号Dは背面32aと下部横ワイヤ64のストレート部64bとの距離である。
このように、下部横ワイヤ64が、支持プレート32の下部の背面32aに対向するとともに上部横ワイヤ63よりも支持プレート32から後方に離されて配置されるので、乗員が通常着座時には、支持プレート32が後方に移動して上部横ワイヤ63に当たり、下部横ワイヤ64には当たらない。
例えば、通常着座時に、支持プレート32の後方移動に伴って支持プレート32の背面32aに上部横ワイヤ63及び下部横ワイヤ64の両方が当たるようにすると、上部横ワイヤ63及び下部横ワイヤ64の撓みにより支持プレート32に発生する前向きの反力が過大になり、乗員の腰部を適切に支持することが難しくなる。
これに対して、上記したように、通常着座時に支持プレート32の背面32aに上部横ワイヤ63のみが当たるようにすることで、乗員の腰部支持力を確保することができるとともに、腰部を適切な支持力で支持することができる。
上部横ワイヤ63及び下部横ワイヤ64は、支持プレート32から加えられる後向き荷重に対して弾性変形可能であり、下部横ワイヤ64の方が、上部横ワイヤ63よりも弾性変形しにくく設定されている。
縦ワイヤ61は、上端部61aがワイヤ連結部材51に取付けられ、下端部61bに下端部横ワイヤ66が取付けられている。
下端部横ワイヤ66は、左右一対のワイヤ支持部材36に前下がりに傾くように設けられた傾斜長穴36aに移動可能に通されている。
揺動機構33の揺動プレート45は、ばね部材31の一端を掛けるフック部45aを備え、ばね部材31は、揺動プレート45、揺動フレーム47、ワイヤ連結部材51、ヘッドレスト支持フレーム17を支軸43を中心として時計回りに一括して付勢している。
従って、一対の縦ワイヤ61は最も下降した状態にあり、下端部横ワイヤ66は、ワイヤ支持部材36の傾斜長穴36aの前端部36bに当たっている。
図5に示すように、縦ワイヤ61は、上端部61aに備える屈曲部61cが丸パイプ状の揺動フレーム47の下部に当てられるとともに上端部61aに備える直線部61dがワイヤ連結部材51に形成された前方突出壁51aを貫通する、詳しくは前方突出壁51aに開けられたワイヤ挿通穴51bに通されている。
従って、前方突出壁51aによる縦ワイヤ61の上端部61aの位置決めと、屈曲部61cによる揺動フレーム47の上方への押圧とが可能になる。
フレームホルダ54は、ヘッドレスト支持フレーム17を通す前後に長いフレーム挿通長穴54aが形成され、このフレーム挿通長穴54aの前端部54b及び後端部54cが、それぞれヘッドレスト支持フレーム17の前後方向の移動を規制するストッパとして機能し、フレーム挿通長穴54aの左右の側部54d,54d(奥側の符号54dのみ示す。)はヘッドレスト支持フレーム17の両側面と摺動してヘッドレスト支持フレーム17の案内面として機能する。
図6に示すように、シートバックフレーム21の下部の左右に渡された下部連結フレーム71にワイヤ支持部材36,36(一方の符号36のみ示す。)が取付けられ、これらのワイヤ支持部材36,36の傾斜長穴36aに下端部横ワイヤ66が移動可能に挿通されている。
以上に述べた車両用シート10のヘッドレスト駆動機構15の作用を次に説明する。
図7(a)はシート10(図1参照)に乗員が着座し、乗員の腰部、詳しくは腰椎が、白抜き矢印で示すように、シートバック12の支持プレート32上の所定部分75(黒丸で示す位置である。)をシートバック12のクッション材(不図示)を介して後向きに押圧した状態を示している。ここでは、所定部分75は上部横ワイヤ63の下部横長部63gを通る水平線上にある。
このとき、上部横ワイヤ63及び縦ワイヤ61は図1の状態に比べて後方に撓み、支持プレート32には上部横ワイヤ63及び縦ワイヤ61の撓みによって前向きの反力が発生している。従って、この反力で乗員の腰部が支持される。
図7(b)は図7(a)の状態のときに、車両が追突された状態を示している。
即ち、車両の前方移動に伴い、乗員が慣性で後方へ移動するため、乗員からシートバック12のクッション材を介して支持プレート32に矢印Aで示すように、後向きの荷重が所定部分77に作用し、支持プレート32が後方へ移動した状態を示している。ここでは、所定部分77は下部横ワイヤ64のストレート部64bを通る水平線上にある。
このとき、支持プレート32が上部横ワイヤ63及び下部横ワイヤ64を押圧することで上部横ワイヤ63、下部横ワイヤ64及び縦ワイヤ61が撓みながら後方へ移動し、縦ワイヤ61に取付けられた下端部横ワイヤ66が、矢印Bで示すように、ワイヤ支持部材36の傾斜長穴36aに沿って後方斜め上方に移動する。
下部横ワイヤ64は上部横ワイヤ63に対して弾性変形しにくいため、上部横ワイヤ63と下部横ワイヤ64との弾性変形のしやすさが同じである場合に比べて、下部横ワイヤ64の撓みが小さくなり、縦ワイヤ61を作動ロスの少ない状態で、矢印Cで示すように、上方へ移動させることができ、縦ワイヤ61の移動レスポンスを向上させることができる。
図7(c)は図7(b)の状態から矢印Eで示すように、継続して後向き荷重が支持プレート32に作用し、下端部横ワイヤ66が、矢印Fで示すように、ワイヤ支持部材36の傾斜長穴36aの上端部36cまで移動し、縦ワイヤ61が、矢印Gで示すように、更に上方に移動した状態を示している。
図8は図7(c)の状態におけるヘッドレスト13の状態を示している。
縦ワイヤ61が上方に移動することで、縦ワイヤ61の上端部61aに連結されたワイヤ連結部材51及び揺動フレーム47が支軸43を中心にして回動し、ヘッドレスト支持フレーム17が前方に揺動し、これに伴ってヘッドレスト13が初期位置(二点鎖線で示す追突前の位置)から前方へ移動する。
この結果、乗員の頭部の後方移動がヘッドレスト13で阻止される。
上記の図1、図3に示したように、シートバック12の骨格となるシートバックフレーム21と、このシートバックフレーム21の内側に弾性的に支持された支持プレート32と、この支持プレート32の背面32a側に配置されて上下方向に延びる左右一対の縦ワイヤ61,61と、これらの縦ワイヤ61,61の上端部61aにヘッドレスト支持フレーム17,17を介して取付けられたヘッドレスト13と、を備え、支持プレート32に伝達された後向き荷重により縦ワイヤ61,61を後方且つ上方へ変位させることでヘッドレスト支持フレーム17,17を介してヘッドレスト13を前方又は前方斜め上方に変位させるヘッドレスト駆動機構15を備えた車両用シート10において、左右一対の縦ワイヤ61,61間に、支持プレート32の下部の背面32aに当接又は近接する第1の横ワイヤとしての上部横ワイヤ63が渡されていることを特徴とする。
上記構成により、追突されたときに、上部横ワイヤ63で支持プレート32から縦ワイヤ61,61へより迅速に後向き荷重を伝えることができ、追突直後のヘッドレスト13の変位の応答性を向上させることができるとともに、上部横ワイヤ63を利用して、乗員の通常着座時の腰部の広い範囲を確実に支持することができる。
乗員の頸部保護及び腰部支持のための主要構造を、左右の縦ワイヤ61,61と、上部横ワイヤ63及び後述する下部横ワイヤ64等の横ワイヤとで構成するため、車両用シート10の部品数が少なくなり、コストを削減することができる。
上記の図3に示したように、左右一対の縦ワイヤ61,61間に、上部横ワイヤ63よりも下方に配置された第2の横ワイヤとしての下部横ワイヤ64が渡され、この下部横ワイヤ64が、支持プレート32の下部の背面32aに対向するとともに上部横ワイヤ63よりも支持プレート32から後方に離されて配置されるので、追突されたときに、上部横ワイヤ63及び下部横ワイヤ64の両方で縦ワイヤ61,61をより確実に変位させることができる。
また、乗員の通常着座時に、支持プレート32に上部横ワイヤ63しか当たらないようにすることができ、乗員の腰部支持力を適切に設定することができて、乗車姿勢を安定させることができる。
更に、上部横ワイヤ63及び下部横ワイヤ64は弾性変形可能に設けられ、下部横ワイヤ64は上部横ワイヤ63よりも弾性変形しにいので、追突されたときは、後向き荷重によって下部横ワイヤ64が撓みにくくなり、縦ワイヤ61,61をより迅速に変位させることができ、ヘッドレスト13の前方又は前方斜め上方への移動の応答性を向上させることができる。
尚、本実施例では、図4に示したように、上部横ワイヤ63を、支持プレート32の背面32aに当たるように配置したが、これに限らず、上部横ワイヤ63を、支持プレート32の背面32aに近接させて配置してもよい。このときには、上部横ワイヤ63は、下部横ワイヤ64よりも支持プレート32に近く配置されている。
本発明のシートは、自動車に好適である。
10…車両用シート(シート)、12…シートバック、13…ヘッドレスト、21…シートバックフレーム、32…支持プレート、32a…背面、61…縦ワイヤ、63…第1の横ワイヤ(上部横ワイヤ)、64…第2の横ワイヤ(下部横ワイヤ)。

Claims (2)

  1. シートバックの骨格となるシートバックフレームと、このシートバックフレームの内側に弾性的に支持された支持プレートと、この支持プレートの背面側に配置されて上下方向に延びる左右一対の縦ワイヤと、これらの縦ワイヤの上端部にヘッドレスト支持フレーム介して取付けられたヘッドレストと、を備え、前記支持プレートに伝達された後向き荷重により前記縦ワイヤを後方且つ上方へ変位させることで前記ヘッドレスト支持フレームを介して前記ヘッドレストを前方又は前方斜め上方に変位させるヘッドレスト駆動機構を備えた車両用シートにおいて、
    前記左右一対の縦ワイヤ間に、前記支持プレートの下部の背面に当接又は近接する第1の横ワイヤが渡されていると共に、この第1の横ワイヤよりも下方に第2の横ワイヤが渡され、
    この第2の横ワイヤは、前記支持プレートの下部の背面に対向するとともに前記第1の横ワイヤよりも前記支持プレートから後方に離されて配置されることを特徴とする車両用シート。
  2. 前記第1の横ワイヤ及び前記第2の横ワイヤは弾性変形可能に設けられ、前記第2の横ワイヤは前記第1の横ワイヤよりも弾性変形しにくいことを特徴とする請求項記載の車両用シート。
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