JP5230546B2 - 照明プリズムとこれを用いた自動車用計器 - Google Patents
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Description
図5は最近の自動車用計器を示すもので、図5(a)は自動車用計器の平面図、(b)は文字板を取り外した自動車用計器のLED光源の配置状態を示す平面図である。図5(a)から判るように、文字板50には「シートベルト未装着」とか「タイヤ空気圧不足」と言った点線で囲った警告エリア50Eにある警告用マークと、数字1、2,3,4,5,6,7,8と各目盛といった指示表示エリアとに分かれている。
警告エリア50Eの各マークは、それぞれ表示が必要なときに照明させるものであるから、各マークを個別に照明するためそれぞれに固有の光源が裏側に配設されている。また、それぞれの光源を点灯させるためのランプケースと回路が配設されている。
これに対して、指示表示エリアの照明はすべての指示表示用意匠を同時に表示させればよいのであるから、原理的には1個の光源でよい。ところが、実際には 光源は1個では済まなくて、従来は、図5(b)に示すように、9個ものLED光源が文字板の裏側の計器底部50Bに配設されている。
すべての指示表示用意匠を1個の光源で照明するためにはその光源を文字板の中央に設ければよいのであるが、実際には上記のように文字板中央に警告エリア50Eの各マーク照明用の光源とそのためのランプケースと回路があるので、それが不可能となっている。
したがって、中央に警告エリア50Eがあるという制約の下で、各指示表示用意匠を輝度ムラを無く均一に発光させるためには、指示表示用意匠の直下に光源を配置するしかなく、したがって多数の光源が必要であった。かかる理由から、指示表示用意匠エリアの照明には図5(b)のLED光源の配置状態のように、9個のLED光源が設けられていたのである。
そこで、文字板の指示表示用意匠を照明するための光源を増やさなくてもすべての指示表示用意匠を輝度ムラを無く均一に照明するには、導光板を使用すればよいことに本出願人は気がついた。
そこで、本出願人は文字板の指示表示用意匠を導光板を使って照明する技術を検索したところいくつかの公報がヒットした(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1記載の導光板は、反射部での減衰が大きかった欠点を反射部の形状を工夫することで解決する発明であるが、上記のような課題、すなわち、文字板の指示表示用意匠を照明するための光源を増やさなくても、すべての意匠を輝度ムラが無く均一に照明する導光板ではなかった。
特許文献2記載の導光板は、LEDに近い部位の明るさと遠い部位の明るさに差があった欠点を光の進行方向を規制する規制溝を設けることで解決する発明であるが、上記のような課題、すなわち、文字板の指示表示用意匠を照明するための光源を増やさなくても、すべての意匠を輝度ムラが無く均一に照明する導光板ではなかった。
特許文献3記載の導光板は、光源からの光を導光体に多く取り込むためには容量や重量が増大せざると得なかったという欠点を第1反射部とこの第1反射部で反射された光を出光部へ反射する第2反射部を設けることで解決する発明であるが、上記のような課題、すなわち、文字板の指示表示用意匠を照明するための光源を増やさなくても、すべての意匠を輝度ムラが無く均一に照明する導光板ではなかった。
図1は本発明の実施例1に係る照明プリズムを使用した自動車用計器の文字板で、(a)は平面図、(b)は自動車用計器から文字板を取り外したときの本発明に係る照明プリズムの配置状態を示す平面図、(c)はさらに、その照明プリズムを取り外したときのLED光源の配置状態を示す平面図である。
図1(a)において、自動車用計器100には文字板10が嵌め込まれており、その文字板10の中央部位には点線で示す警告エリア10Eの中に多数の意匠が表示されている。文字板10のこの警告エリア10Eの裏側には各意匠を照明するための光源がそれぞれ配設されていて、それぞれの光源を表示させるためのランプケースと回路が配設されているので、この警告エリア10Eの内側に文字板の指示表示用意匠を照明するための光源は設けることができない。
自動車用計器100から文字板10を取り外すと、図1(b)に示すように、警告エリア10Eの範囲を空隙としてその周囲を囲むようにして形成された本発明による立体形状をした照明プリズム20が設けられている。照明プリズム20は環状導光部20Cと、この環状導光部20Cの側方3箇所からそれぞれ下方のLED(図1(c))へ向けて彎曲しながら延びる脚状導光部20L1〜20L3とから構成されている。
このような照明プリズム20が設けられたことで光源としてのLEDは図1(c)に示すように3個で済むようになる。
以下に、3個のLEDで済むようになる本発明の照明プリズム20について説明する。
図2は本発明に係る照明プリズム20を説明する図で、(a)はやや下から見上げた正面図で、(b)は斜視図である。図2から判るように、照明プリズム20は文字板10(図1(a))の外周部に沿って環状に延びる環状導光部20Cと、この環状導光部20Cの側方3箇所からそれぞれ下方のLEDへ向けて彎曲しながら延びる脚状導光部20L1〜20L3(図2(b))とから成り、各脚状導光部20L1〜20L3はそれぞれ同じ形状をしている。以下に、脚状導光部20L1の形状を説明するが、他の脚状導光部20L2および20L3も同じ形状なので説明を省略する。
図2(a)において、脚状導光部20L1は、LED光源からの光を略垂直方向に受光する受光部E11と上方の環状導光部20Cへ略水平方向に出光する出光部D11とこれら受光部E11および出光部D11との間を連絡する略90度湾曲した連絡導光部20L11と、同じくLED光源からの光を略垂直方向に受光する受光部E12と上方の環状導光部20Cへ略水平方向に出光する出光部D12とこれら受光部E12および出光部D12との間を連絡する略90度湾曲した連絡導光部20L12とを備え、かつ、連絡導光部20L11の彎曲凸部と連絡導光部20L12の彎曲凸部とが互いに背中合わせとなるように配置されて成る。
脚状導光部20L1の導光方向について、図2(a)に多数の矢印で示している。
これらの矢印の向きから判るように、脚状導光部20L1の一方の脚状導光部20L11はLEDからの光を下方受光部E11から採り入れ、連絡導光部20L11の中を全反射しながら上方へ進み、出光部D11から環状導光部20Cの中へ入って全周に進む。
もう一方の脚状導光部20L12も同様で、LEDの光を受光部E12から採り入れ、連絡導光部20L12の中を全反射しながら上方へ進み、出光部D12から環状導光部20Cの中へ入って全周に進む。
また、LEDの光の一部は受光部E11とE12の隙間から漏れ出て、直接、環状導光部20Cの中に入るようにもなる。
以上の説明から判るように、照明プリズム20には脚状導光部が3個(20L1〜20L3)あり、各脚状導光部20L1〜20L3に1個のLEDを配置しているので、照明プリズム20には、図1(c)に示すように全体でたった3個のLEDで済ませている。
このように3個のLEDしか用いていないにもかかわらず、本発明によれば、各LEDからの光が環状導光部20Cの中へ有効に採り入れられ、環状導光部20Cの中を導光し続けるので、数字0〜8、および各目盛などのすべてが明るくかつ均一に照明されるようになる。
図3は本発明に係る照明プリズム20を用いた自動車用計器100を示す三面図で、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面矢視図、図3(c)は図3(a)のB−B断面矢視図である。
図3において、図3(b)および(c)の断面図で底面10Bの上にLED光源が設けられ、その直上に連絡導光部20L11の受光部E11が置かれ、90度湾曲して外側に向かい、上方先端の出光部D11が環状導光部20Cに一体となっている。一方の連絡導光部20L12も同様である。このように連絡導光部20L11と20L12と環状導光部20Cとが一体となって構成された照明プリズム20が文字板10の下に近接配置されている。
照明プリズム20は下方から支持部材10Hで支持され、照明プリズム20の上部周辺はスペーサ10Sを介して周方向固定部材10Kで固定されている。
図3(a)の指示表示エリアの数字0〜8および各目盛の裏側には、図3(b)および(c)のように照明プリズム20の環状導光部20Cが近接配置されているので、数字0〜8および各目盛のすべてが明るくかつ均一に照明されるようになり、文字板の指示表示用意匠を照明するための光源を警告エリアに設けなくても、光源の数を増やさなくても、わずか3個のLEDだけですべての意匠を輝度ムラが無く均一に照明することができるようになる。
3個のLEDを同じ発光色にすればすべての数字を同じ色で表示できることとなる。
しかしながら一方で、3個のLEDをそれぞれR(赤)・G(緑)・B(青)の発光色のものにしてもよい。例えば、図1(a)において、数字1、4、7の下位にあるLEDをそれぞれR・G・BのLEDとすると、数字1、4、7はそれぞれ赤、緑、青の色で表示される。また、それぞれの中間に位置する数字2は赤がかった黄色、数字3は緑がかった黄色で表示されるし、数字5は緑がかったシアン、数字6は青がかったシアンで表示され、数字8は青がかったマゼンタ、数字0は赤がかったマゼンタで表示されるようになり、本発明によれば、たった3個のLEDで彩色豊かな数字の表示板が得られることとなる。
図4は本発明の実施例2に係る照明プリズムを示す縦断面図である。
図4の照明プリズムが図3(b)の照明プリズムと異なるのは、照明プリズム20の各連絡導光部20L11、20L12の下方の各受光部E11、E12のそれぞれにLEDが設けられていることと、受光部E11と受光部E12の間に仕切り板13Tが底面10Bから立設されている点である。
このような構成とすると、1対をなす2個のLEDの発光色をそれぞれ同じ色にして、かつ、対をなすLEDの色を上記のようにR・G・Bで構成すると上記と同じように彩色豊かな数字の表示板が得られるようになる。
また、全ての対をなす2個のLEDのうちの一方をG光のLEDとし、他方のLEDをR光のLEDとしておくと、自動車用計器が速度計の場合、設定された制限速度以下で走行している場合はすべてのG光のLEDを点灯することで速度計の数字がすべて緑色で表示されるので運転者に安心感を与えるし、また、制限速度を超えた場合には、速度計の数字をすべて赤色で表示することにより、運転者に速度違反を明確に警告することができる。
10 文字板
10B 底面
10E 警告エリア
10H 支持部材
10K 周方向固定部材
10S スペーサ
10T 仕切り板
20 照明プリズム
20C 環状導光部
20L1〜20L3 脚状導光部
D11、D21 出光部
E11、E12 受光部
L11、L12 連絡導光部
Claims (6)
- 文字板の周辺に配設された意匠を前記文字板の裏側に近接配置されて前記文字板の複数の意匠をまとめて照射する環状導光部と、前記文字板の前記意匠のある部位の下方に位置する光源からの光を前記環状導光部に導く脚状導光部とから成る照明プリズムであって、
前記脚状導光部が、光源からの光を略垂直方向に受光する受光部と、前記環状導光部へ略水平方向に出光する出光部と、前記受光部と前記出光部との間を連絡する略90度湾曲した連絡導光部とから成り、かつ、前記脚状導光部が2個で1対を構成し、しかもこれら2個の脚状導光部の各連絡導光部の湾曲凸部が互いに背中合わせになるように配置して成ることを特徴とする照明プリズム。 - 前記1対の脚状導光部を複数対設けたことを特徴とする請求項1記載の照射プリズム。
- 周辺に意匠が配設された文字板と、前記文字板の前記意匠のある部位の下方に位置する光源と、前記光源からの光を前記文字板の意匠まで導光する導光手段とを備えた自動車用計器において、
前記導光手段として請求項2記載の照射プリズムを用いたことを特徴とする自動車用計器。 - 1対を構成する前記脚状導光部の2つの受光部の共通の光源が1個のLEDで構成されることを特徴とする請求項3記載の自動車用計器。
- 1対を構成する前記脚状導光部を複数対設けたものにおいて、前記各複数対の脚状導光部の2つの受光部の共通の光源が異なる発光色のLEDで構成されることを特徴とする請求項4記載の自動車用計器。
- 1対を構成する前記脚状導光部の2つの受光部に対応する光源がそれぞれ別のLEDを備え、かつ2つのLEDの発光色が互いに異なることを特徴とする請求項3記載の自動車用計器。
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