JP5230465B2 - 赤外線吸収布帛およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線吸収性能を有する布帛およびその製造方法に関する。
近年、カメラやビデオカメラは、可視光線領域を越えた範囲で撮影できるものが市販されており、目視では透過しないものであっても、人体等から放出または反射される赤外線に感知し、衣服を着用している部分が透けて撮影されるといった問題が発生している。
このような問題は、特に、水着やスケートなどの薄いスポーツ衣料や下着をはじめとする薄い生地を直接肌に着用したものにて顕著である。
そのため、このようなカメラを用いた透撮を防止するため、金属、金属炭化物、セラミックの薄膜をバインダー樹脂を介し、繊維布帛表面に付与したり、また、蒸着、スパッタリングなどの方法により付与したり、さらに糸そのものにこれらの物質を練り混むことが試みられている(特許文献1)。
しかしながら、バインダー樹脂を用いたものでは、風合いが硬くなり、また生地重量も重くなるため、着用感が悪く、特にスポーツ衣料では記録にも悪影響が現れるため、改善が望まれている。
蒸着法、スパッタリングにより上記の物質を繊維に付与したものでは、バインダー樹脂を用いたものに比べて生地重量は重くはならないが、着用感が悪く、また着用時や洗濯時の摩耗によって付与物質が脱落するといった問題を有していた。
さらに、合成繊維に上記の物質を練り込み紡糸したものでは、耐久性もあり、重量もさほど増加はしないものの、通常繊維の紡糸製造ロットは非常に大きいものであり、水着などの特定用途用では糸の使用量が少なく、製造した糸が長期在庫となる恐れが大きく、これを改良する技術が望まれていた。
その他の方法として、赤外線吸収性能を有する市販の酸性染料を用いて繊維を染色する方法も検討されてはいるが、この場合は赤外線吸収性能が不足し、十分な透撮防止効果が得られていないのが現状である。
また、暖かい衣服を得るために赤外線吸収物質を繊維布帛に付与することも行われているが、上記と同様に赤外線吸収物質を合成繊維を形成するための樹脂に練りこみ紡糸を行ったもの(特許文献2)では製造した糸が長期在庫となる恐れがあり、バインダーを介して赤外線吸収物質を繊維表面に付与したもの(特許文献3)では、風合いが硬く、洗濯やドライクリーニングを行なうと赤外線吸収物質が脱落してしまうといった問題があった。
特開2005−42252号公報 特開2007−002372号公報 特開平8−325478号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、風合いが柔らかく、耐久性があり、優れた赤外線吸収性能を有する赤外線吸収布帛を提供することを課題としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の構成(1)〜(4)からなる。
(1)赤外線吸収物質をバインダー樹脂を介さずに合成繊維に付与してなり、前記赤外線吸収物質がジイモニウム系化合物およびアミニウム系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする赤外線吸収布帛。
(2)赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を合成繊維に付与する赤外線吸収布帛の製造方法であって、前記赤外線吸収物質がジイモニウム系化合物およびアミニウム系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする赤外線吸収布帛の製造方法。
(3)赤外線吸収物質溶解剤が酢酸および/またはギ酸である、上記(2)に記載の赤外線吸収布帛の製造方法。
(4)上記(1)に記載の赤外線吸収布帛を少なくとも一部に用いて製造された衣服。
本発明では、赤外線吸収物質を、バインダー樹脂を介さずに、また、蒸着法、スパッタリングにも因らずに合成繊維に付与しているため、風合いが柔らかく、軽く、また耐久性に優れた赤外線吸収布帛を提供することができる。また、合成繊維を製造するための樹脂に赤外線吸収物質を練り込んで紡糸したものではないため、大量の在庫等の懸念も解消される。
また、本発明の赤外線吸収布帛は優れた赤外線吸収性能を有しており、透撮を防止できるため、本発明の赤外線吸収布帛を用いた水着などのスポーツ衣服、下着等の衣服を着用していれば透撮が防止される。
また、本発明の赤外線吸収布帛は、優れた赤外線吸収性能を有しており、赤外線を吸収することにより、繊維布帛の温度を上昇させ、暖かい繊維布帛、暖かい衣服、布団、コタツ布団などが提供される。
本発明の赤外線吸収布帛は、赤外線吸収物質をバインダー樹脂を介さずに合成繊維に付与してなり、前記赤外線吸収物質がジイモニウム系化合物およびアミニウム系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである。特に、透撮防止性能の観点からはジイモニウム系化合物が好ましい。また、赤外線の吸収により繊維布帛の温度を上昇させ暖かな繊維布帛を得るとの観点からは、アミニウム系化合物が好ましい。
赤外線吸収物質は、1種類だけを用いてよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、ジイモニウム系化合物やアミニウム系化合物以外の赤外線吸収性能を有する物質を含んでいてもよい。
ジイモニウム系化合物としては、市販されているものが入手可能であり、ナガセケムテックス(株)製NIR−IM1、日本化薬(株)製KAYASORB IRG−069、IRG−068、IRG−022などが挙げられる。
アミニウム系化合物としても、市販されているものが入手可能であり、ナガセケムテックス(株)製NIR−AM1などが挙げられる。
ジイモニウム系化合物やアミニウム系化合物は着色しているものが多いが、一般に染料として用いられているものとは異なり、可視光領域ではビルドアップ性が低いため得られる赤外線吸収布帛の色相に対する影響は小さい。また、得られる赤外線吸収布帛の任意のカラー展開が可能となるとの観点からは、可視光領域にて着色のより少ない赤外線吸収物質を用いるとよい。
これらの赤外線吸収物質としてのジイモニウム系化合物やアミニウム系化合物は、そのままでは水にほとんど溶解しない難溶性物質であるが、本発明ではこれらの赤外線吸収物質を溶解して用いることができる。
バインダー樹脂を介さずにジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を合成繊維に付与することにより、風合いが柔らかく、軽く、また耐久性に優れた赤外線吸収布帛を得ることができる。溶解されたジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物はバインダー樹脂などを用いなくとも、合成繊維に吸尽され、固着される。
本発明において、合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アラミド(芳香族ポリアミド)、アクリル、ポリウレタン、アセテートなどの公知の合成繊維を用いることができ、その形状も、糸状、織物、編物、不織布や、また水着等任意の形状にあってよい。
また、これらの合成繊維は、複数の繊維を複合したものであってもよく、コンジュゲート糸や混繊、混紡品であったり、布帛にした場合には交織、交編したものであってもよい。水着などの伸縮性を要求されるものに用いる場合には、伸縮性を有する繊維、特にポリウレタン繊維を含むものが好ましく、なかでもポリウレタン繊維の周りをポリエステル繊維やナイロン繊維等でカバーリングした合成繊維を用いた編物が好ましく挙げられる。
また、赤外線吸収性能の観点からは、カチオン可染ポリエステルを含む繊維が好ましく用いられる。
あるいは、綿、毛、絹、麻などの天然繊維やレーヨン等の再生繊維と上記合成繊維とを複合したものであってもよい。
さらに、加工の安定性および小ロット生産の観点からは、合成繊維を含む織物、編物、不織布などの布帛の形状にあるのが好ましい。
これらの合成繊維には、染色、捺染、抗菌防臭加工、制菌加工、難燃加工、吸水加工、SR加工、消臭加工、撥水加工、紫外線遮蔽加工、制電加工等が施されていてもよい。
合成繊維に付与されるジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の量は、合成繊維の質量に対し0.01〜10.00%omfが好ましい。0.01%omfを下まわると十分な赤外線吸収性能を得ることができない可能性があり、10.00%omfを超えても赤外線吸収物質が合成繊維にこれ以上ほとんど吸尽されないためコスト的に不利である。
本発明の赤外線吸収布帛の赤外線吸収性能の一つとして、赤外線の反射率の測定により評価を行う。本発明の赤外線吸収布帛の赤外線の反射率は、850〜1400nmの波長領域にわたって平均反射率が60%以下の性能を有しているとよい。透撮防止の観点からは平均反射率は50%以下であるのがより好ましい。平均反射率が60%を上まわると容易に透撮される恐れがある。
また、本発明の赤外線吸収性能の評価の他の方法として、赤外線を繊維布帛に照射し、繊維布帛の温度の上昇を測定することにより評価を行う。
本発明の赤外線吸収布帛は、布帛全体にほぼ均一な赤外線吸収性能を有していてもよいが、捺染法などを用いて部分的に赤外線吸収性能が付与されていてもよく、また多段階にわかれた赤外線吸収性能を有するものでもよい。例えば、水着に用いる赤外線吸収布帛では、胸部のみに赤外線反射率が50%以下の性能を有するように赤外線吸収物質を合成繊維に付与したり、また赤外線迷彩服では、迷彩柄に応じて多段階の赤外線反射率を有するものとしてもよい。なお、赤外線迷彩服に用いる場合に関しては、布帛全体に均一な赤外線吸収性能を付与した後、公知の染料や顔料を用いて柄を付与することにより、赤外線反射率を微調整してもよい。
また、本発明の赤外線吸収布帛を暖かな衣服を得るために用いる場合には、特に暖めたい肩部や腰部のみに、またはこれらの部分に多く、赤外線吸収物質を付与してもよい。
また、本発明の赤外線吸収布帛は、洗濯処理に対する耐久性を有しており、好ましくは洗濯処理(JIS L0217 103法に準じた洗濯処理)20回後、さらに好ましくは50回後においても赤外線吸収性能を有しているとよい。
特に、水着用途に用いる場合には、塩素処理水にて処理(JIS L0884 C法に準じた処理)した後においても、その赤外線吸収性能を有しているとよい。
また、ジャケットやスキーウエアーなどドライクリーニングを行う用途に用いられるものはドライクリーニングした後においても、その赤外線吸収性能を有しているとよい。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を合成繊維に付与する赤外線吸収布帛の製造方法であって、前記赤外線吸収物質がジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を含むものである。
より具体的に、以下の方法1〜3について説明する。
方法1:赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液に合成繊維を浸しながら、40〜150℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする赤外線吸収布帛の製造方法。
方法2:赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を合成繊維にパディング法またはスプレー法により付与した後、40〜210℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする赤外線吸収布帛の製造方法。
方法3:赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊を合成繊維に捺染法により付与した後、70〜210℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする赤外線吸収布帛の製造方法。
上記方法1〜3のいずれにおいても、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質はジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を含むものである。
方法1では、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液に合成繊維を浸しながら、40〜150℃の温度で熱処理を行う。赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を含み、具体的には前記のものを用いることができる。
また、合成繊維も前記のものを用いることができ、その形状も前記のものを用いることができる。また、これには染色、捺染、抗菌防臭加工、制菌加工、難燃加工、吸水加工、SR加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、制電加工等が施されていてもよい。
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液中の赤外線吸収物質としてのジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の添加量は、合成繊維の質量に対してジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の質量が0.01%omf以上10.00%omf以下となるように調整されるのがよい。
0.01%omfを下まわると赤外線吸収布帛に十分な赤外線吸収性能を付与できない恐れがあり、10.00%omfを上まわってもジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維にさほど吸尽しないためコスト的に不利である。
本発明の製造方法では、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を用いることにより、溶解されたジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維に吸尽され、合成繊維にバインダー樹脂を用いなくともジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維に固着される。
このとき用いられる赤外線吸収物質溶解剤としては、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を溶解するものであれば任意のものを用いることができるが、好ましくは有機酸、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、アセトニトリルおよびジメチルホルムアミド(DMF)からなる群から選ばれる少なくとも1種、より好ましくは有機酸、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールおよびメチルエチルケトンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものであるのがよい。
有機酸としては、酢酸、ギ酸、プロピオン酸などを挙げることができる。合成繊維へのジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の吸尽性や作業時の環境面からは有機酸が好ましく、酢酸および/またはギ酸が特に好ましい。さらに、合成繊維の劣化防止の観点からは酢酸が特に好ましい。
処理液中における赤外線吸収物質溶解剤の濃度は、5g/l以上、100g/l以下であるのが好ましく、さらに好ましくは、9g/l以上である。この濃度が5g/lを下まわると、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維へムラ状に付着し、十分に付与されない恐れがある。有機酸を用いる場合には、9g/l以上であるのがジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への均一付着との観点より好ましい。また、赤外線吸収物質溶解剤の濃度が100g/lを超えると合成繊維が劣化する恐れがある。
なお、処理液へのジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の混合は、赤外線吸収物質溶解剤にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を溶解させた後、この溶液を水と混合することにより行うことができる。こうして得られた処理液は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の水溶液として用いることができ、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽量の向上や加工の安定性の観点より好ましい。
ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を一度赤外線吸収物質溶解剤に溶解すれば、その後水で希釈して処理液とした場合においても、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物がほとんど析出せず、安定して合成繊維にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が吸尽され、固着される。
ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を、赤外線吸収物質溶解剤に溶解せずに、赤外線吸収物質溶解剤を含む水にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を添加した場合、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が溶解せずに分散液や水と分離した状態となる恐れがあり、このような処理液を用いて合成繊維を処理すると、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽量が低下したり、合成繊維へムラづきし、赤外線吸収性能、外観品位および加工の安定性の観点より好ましくない。
なお、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の赤外線吸収物質溶解剤への溶解は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が溶解すれば、水等で希釈した赤外線吸収物質溶解剤にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を添加することにより行ってもよい。また、赤外線吸収物質溶解剤としてMEKなどの水に溶けないものを用いた場合には、処理液中の水と赤外線吸収物質溶解剤に溶解されたジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の溶液とは、ほとんど混和せず、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物は赤外線吸収物質溶解剤に溶解した溶液の状態で処理液中に存在する。
方法1では、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液に合成繊維を浸す。このときの合成繊維と赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液の浴比は1:3〜1:300であるのが好ましい。浴比が1:3を下まわるとジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物がムラ状に合成繊維に付着する恐れがあり、浴比が1:300を上まわるとジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維に十分に吸尽されず、固着されない恐れがある。
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液に合成繊維を浸しながら、処理液を加熱することによって、熱処理を行う。このときの熱処理温度は、40〜150℃である。合成繊維の種類にもよるが、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の吸尽の観点からは、例えば、レギュラーポリエステルの場合であれば60〜140℃、カチオン可染ポリエステルの場合であれば40〜130℃で熱処理を行えばよい。また、6−ナイロンであれば40〜115℃で熱処理を行えばよい。また、アラミド繊維であれば80〜150℃で熱処理を行えばよい。
なお、熱処理温度が40℃を下まわるとジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が十分に合成繊維に吸尽されない恐れがあり、150℃を超えると合成繊維が劣化する恐れがある。
また、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液には、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽を妨げない範囲で、酢酸やギ酸、界面活性剤(分散剤、均染剤、緩染剤、キャリアなど)、染料、フィックス剤、抗菌剤、難燃剤、芒硝や酢酸ソーダ名等の塩類などが含まれていてもよい。
生産性の観点からは、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液に染料を添加し、染色処理と同時に、合成繊維へ赤外線吸収物質を吸尽させ、合成繊維に赤外線吸収物質を付与するとよい。
また、ポリウレタン繊維とポリエステル繊維を複合した合成繊維を用いたものを分散染料にて染色する場合には、染色堅牢度および還元洗浄、ソーピング後のジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への残留量の観点より、染料とは別浴で処理するとよい。特に、染色処理(還元洗浄、ソーピング含む)後、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液に、合成繊維を浸しながら熱処理するとよい。
方法1では、ウインス、液流染色機、ビーム型染色機、ジッカー、ドラム型染色機、かせ染め機などを用いて処理することができる。
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液に合成繊維を浸しながら熱処理した後は、必要に応じ、還元洗浄、ソーピング、水洗等を行えばよい。
また、その後必要に応じ、染色、捺染、フィックス処理、抗菌防臭加工、制菌加工、難燃加工、吸水加工、SR加工、撥水加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、制電加工、防水加工等が施されてもよい。また、必要に応じて、乾燥処理や仕上セットなどの熱処理を行ってもよい。
方法2では、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を合成繊維にパディング法またはスプレー法により付与した後、40〜210℃の温度で熱処理を行う。赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を含み、具体的には前記のものを用いることができる。
また、合成繊維としても前記のものを用いることができ、それらには染色、捺染、抗菌防臭加工、制菌加工、難燃加工、吸水加工、SR加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、制電加工等が施されていてもよい。
なお、合成繊維の形態としては、前記のものを用いることができるが、合成繊維を含む織物、編物、不織布などの布帛の形態であるのが、合成繊維への赤外線吸収物質の付与量の安定化の観点から好ましい。
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液には、合成繊維へのジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の付与量が前記の量となるようにジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を添加すればよい。具体的には、合成繊維への赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液の付与量(ピックアップ等)にもよるが、処理液中にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を好ましくは0.01〜10質量%含むのがよい。0.01質量%を下まわると合成繊維にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を必要量付与することができず、十分な赤外線吸収性能が得られない恐れがあり、また10%質量を超えてもジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維にそれ以上あまり吸尽しないため、コスト的に不利である。
本発明の製造方法では、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を用いることにより、バインダー樹脂を用いなくともジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維に吸尽され、固着される。
このとき用いられる赤外線吸収物質溶解剤としては、前記の方法1に記載のものと同様のものを用いることができる。好ましい赤外線吸収物質溶解剤も前記の方法1と同様である。
このとき用いられる赤外線吸収物質溶解剤の濃度としては、処理液中、5g/l以上、100g/l以下が好ましく、さらに好ましくは、9g/l以上がよい。5g/lを下まわると、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維へムラ状に付着し、十分に付与されない恐れがある。有機酸を用いる場合には、9g/l以上がジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への均一付着の観点より好ましい。また、赤外線吸収物質溶解剤の濃度が100g/lを超えると、合成繊維が劣化する恐れがある。
なお、処理液へのジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の混合は、赤外線吸収物質溶解剤にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を溶解させた後、この溶液を水と混合することにより行うことができる。こうして得られた処理液は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の水溶液として用いることができ、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽量の向上や加工の安定性の観点より好ましい。
ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を一度赤外線吸収物質溶解剤に溶解すれば、その後水で希釈した処理液とした場合においても、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物がほとんど析出せず、安定して合成繊維にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が吸尽され、固着される。
ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を、赤外線吸収物質溶解剤に溶解せずに、赤外線吸収物質溶解剤を含む水にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を添加した場合、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が溶解せずに分散液や水と分離した状態となる恐れがあり、このような処理液を用いて合成繊維を処理すると、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽量が低下したり、合成繊維へムラづきし、赤外線吸収性能および加工の安定性、外観品位の観点より好ましくない。
なお、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の赤外線吸収物質溶解剤への溶解は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が溶解すれば、水等で希釈した赤外線吸収物質溶解剤にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を添加することにより行ってもよい。また、赤外線吸収物質溶解剤としてMEKなどの水に解けないものを用いた場合には、処理液中の水と赤外線吸収物質溶解剤に溶解されたジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の溶液とは、ほとんど混和せず、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物は赤外線吸収物質溶解剤に溶解した状態で処理液中に存在する。
方法2では、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を合成繊維にパディング法またはスプレー法で付与する。パディング法、スプレー法はニップロールやスプレーノズルなどを用いた公知の方法で行えばよい。
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を合成繊維にパディング法またはスプレー法で付与した後、40〜210℃の温度で熱処理が行われる。熱処理温度は、合成繊維の種類にもよるが、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の吸尽との観点からは、例えば、ポリエステルの場合であれば40〜200℃(レギュラーポリエステルで60〜200℃、カチオン可染ポリエステルで40〜190℃)で熱処理を行えばよい。また、6−ナイロンであれば、40〜190℃で熱処理を行えばよい。また、アラミド繊維であれば80〜210℃で熱処理を行えばよい。
なお、熱処理温度が40℃を下まわるとジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が十分に合成繊維に吸尽されない恐れがあり、210℃を超えると合成繊維が劣化する恐れがある。熱処理は、乾熱処理、湿熱処理いずれであってもよい。また、この熱処理を行う前に、低温(30〜120℃)にて乾燥処理を行ってもよい。
また、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液には、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽を妨げない範囲で、酢酸やギ酸、界面活性剤(分散剤、キャリアなど)、染料、フィックス剤、抗菌剤、難燃剤、芒硝や酢酸ソーダ等の塩類を含んでいてもよい。
生産性の観点からは、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液に染料を添加し、染色処理と同時に、合成繊維へ赤外線吸収物質を吸尽させ、固着させるとよい。
ポリウレタン繊維とポリエステル繊維を複合した合成繊維を用いたものを分散染料にて染色する場合には、染色堅牢度および還元洗浄、ソーピング後のジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への残留量の観点より、染料とは別浴で処理するとよい。特に、染色処理(還元洗浄、ソーピング含む)後、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を合成繊維にパディング法またはスプレー法により付与し、熱処理するとよい。
熱処理した後は、必要に応じ、還元洗浄、ソーピング、水洗等を行えばよい。
また、その後必要に応じ、染色、捺染、フィックス処理、抗菌防臭加工、制菌加工、難燃加工、吸水加工、SR加工、撥水加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、防水加工等が施されてもよい。
また、必要に応じて、さらに乾燥処理や仕上セットなどの熱処理を行ってもよい。
方法3では、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊を合成繊維に捺染法により付与した後、70〜210℃の温度で熱処理を行う。赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を含み、具体的には前記のものを用いることができる。また、合成繊維としても、前記のものを用いることができるが、合成繊維の形状は、合成繊維を含む織物、編物、不織布等の布帛の形態にあってよい。さらに、これらには、染色、捺染、抗菌防臭加工、制菌加工、難燃加工、吸水加工、SR加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、制電加工等が施されていてもよい。
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊へのジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の添加量は、合成繊維へのジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の付与量が前記の量となるような量であればよいが、捺染糊中に0.05〜10質量%程度であるのが好ましい。より好ましくは、0.1〜5質量%である。捺染糊中のジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の配合量が0.05質量%を下まわると十分な赤外線吸収性能を有することができない恐れがあり、また10質量%を超えても赤外線吸収物質の合成繊維への吸尽量がさほど増加しないためコスト的に不利である。
なお、赤外線吸収性能を付与する必要のない箇所へ付与する捺染糊には、赤外線吸収物質を添加する必要はない。
本発明の製造方法では、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊を用いる。このような捺染糊を用いることにより、バインダー樹脂を用いなくとも、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が合成繊維に吸尽され、固着される。
このとき用いられる赤外線吸収物質溶解剤としては、前記の方法1と同様のものを用いることができる。好ましい赤外線吸収物質溶解剤としても前記の方法1と同様である。
このとき用いられる赤外線吸収物質溶解剤の濃度としては、捺染糊中、0.1質量%以上、40質量%以下であるのが好ましく、さらに好ましくは1質量%以上である。0.1質量%を下まわると、十分な赤外線吸収性能を有さない恐れがある。また、40質量%を上まわると、合成繊維が劣化する恐れがある。
なお、捺染糊へのジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の混合は、赤外線吸収物質溶解剤にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を溶解させた後、この溶液を捺染糊に混合することにより行うことができる。こうして得られた捺染糊は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が捺染糊中に溶解した状態で用いることができ、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽量の向上や加工の安定性、外観品位の観点より好ましい。
ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を一度赤外線吸収物質溶解剤に溶解すれば、その後水で希釈したり、捺染糊に混合して捺染糊とした場合においても、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物がほとんど析出せず、安定して合成繊維にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が吸尽され、固着される。
ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を、赤外線吸収物質溶解剤に溶解せずに、赤外線吸収物質溶解剤を含む捺染糊にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を添加した場合、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が溶解せずに赤外線吸収物質の粒子が分散した状態の捺染糊となる恐れがあり、このような捺染糊を用いて合成繊維を処理すると、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽量が低下したり、合成繊維へムラづきし、赤外線吸収性能、加工の安定性および外観品位の観点より好ましくない。
なお、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の赤外線吸収物質溶解剤への溶解は、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が溶解すれば、赤外線吸収物質溶解剤を添加した捺染糊にジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物を添加することにより行ってもよい。
捺染糊に用いる元糊としては、ソリューション糊、エマルジョン糊、ハーフエマルジョン糊等の公知のものを用いることができる。
捺染法により、赤外線吸収物質を合成繊維に付与する場合には、合成繊維を含む布帛の全面に付与することもでき、また赤外線吸収性能を付与したい部分にのみに付与することも容易にできる。
また、赤外線吸収物質の捺染糊への配合量を変化させることにより、合成繊維を含む布帛への赤外線吸収物質の吸尽量を部分的に調整し、合成繊維への赤外線吸収物質の付与量を変えることによって、部分的に異なる赤外線反射性能を付与することができ、この方法は赤外線迷彩柄を付与するには好ましい方法である。
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊の合成繊維に対する捺染法による付与は、スクリーン捺染機などの公知の捺染機を用いて合成繊維を含む布帛に付与することにより行うことができる。また、かかる捺染法では、特に合成繊維を含む布帛全面に赤外線吸収物質を付与するために、合成繊維を含む布帛全面に捺染糊を付与する場合には、スクリーン捺染機以外にもナイフコータ等のコータを用いることもできる。
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊を合成繊維に付与し、熱処理をおこなう。このときの熱処理温度は、70〜210℃である。合成繊維の種類にもよるが、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の吸尽との観点からは、例えば、ポリエステルの場合であれば70〜200℃(レギュラーポリエステルで100〜200℃、カチオン可染ポリエステルで70〜190℃)で熱処理を行えばよい。また、6−ナイロンであれば、70〜170℃で熱処理を行えばよい。また、アラミド繊維であれば100〜210℃で熱処理を行えばよい。
なお、70℃を下まわるとジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物が十分に合成繊維に吸尽されない恐れがあり、210℃を超えると合成繊維が劣化する恐れがある。
熱処理は、乾熱処理、湿熱処理のいずれであってもよい。
また、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊を付与した合成繊維(合成繊維を含む布帛)に上記熱処理を行う前に、30〜120℃程度の温度で乾燥処理を行ってもよい。
また、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊には、ジイモニウム系化合物および/またはアミニウム系化合物の合成繊維への吸尽を妨げない範囲で、酢酸やギ酸、界面活性剤(分散剤、キャリアなど)、染料、抗菌剤、難燃剤、ターペン等が含まれていてもよい。
熱処理した後は、公知の方法により還元洗浄、ソーピング、水洗等を行えばよい。
また、その後必要に応じ、染色、捺染、フィックス処理、抗菌防臭加工、制菌加工、難燃加工、吸水加工、SR加工、撥水加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、制電加工、防水加工等が施されてもよい。また、必要に応じて、乾燥処理や仕上セットなどの熱処理を行ってもよい。
次に、本発明の衣服について説明する。
本発明の衣服は、本発明の赤外線吸収布帛を少なくとも一部に用いている。したがって、透撮を防ぎたい衣服の一部の箇所(たとえば、水着の胸部)、また特に暖かくしたい衣服の一部の箇所(例えば、肩部)に用いてもよく、また衣服全体を本発明の赤外線吸収布帛で製造してもよい。
衣服としては、水着、下着、スピードスケート用ユニホーム、陸上競技用ユニホーム、ティーシャツ、ジャケット、ヤッケなどの任意のものであってもよい。また、表地と裏地を有する衣服の場合には、本発明の赤外線吸収布帛を表地、裏地のいずれか一方またはその両方に用いてもよい。
また、本発明の赤外線吸収布帛は、布団、シーツ、カイロ袋、こたつ布団などに用いてもよい。コタツ布団に用いた場合には、省エネルギー効果も期待できる。
また、本発明の赤外線吸収布帛を用いて赤外線迷彩服も製造することができる。赤外線迷彩服では、赤外線吸収物質の量を調整した捺染糊等を用いて捺染法により合成繊維(合成繊維を含む布帛)に赤外線吸収物質を付与することにより、部分的に赤外線反射率を変化させて迷彩効果を得ることができる。さらに、布帛全体に均一な赤外線吸収性能を有する本発明の赤外線吸収布帛に、従来公知の赤外線吸収性能を有する顔料含むバインダー樹脂や染料を部分的に付与した赤外線吸収布帛を用いて赤外線迷彩服を得てもよい。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。また、例中の「%」は質量%である。
以下の実施例における評価は次の方法により行った。赤外線吸収性能は、赤外線透過撮影防止性能、赤外線反射率、赤外線照射による温度上昇にて評価を行った。
赤外線透過撮影防止性能:試料を透過判定版(視力表)に被せ、試料台に設置する。7mW/cmの照射強度で赤外線(極大波長940nm)を照射し、赤外線フィルター(FUJIFILM IR 76)を装着したデジタルカメラ(NIKON COOLPIX 4500)で試料を撮影する。撮影した画像により透過の有無を判定する。なお、捺染品は、印捺面を表面(撮影面)として用いた。
○:透過しない、△:はっきりと判定できない。×:透過する。
赤外線平均反射率:850〜1400nmの波長領域にわたり反射率を測定し、平均反射率を表1に記載した。測定機としては、パーキンエルマー社製FT−IR ONE NTSを用いた。なお、捺染品は、印捺面を表面として用いた。
赤外線照射による温度上昇:10cm×10cmの大きさの2枚の試料を重ね合わせ発泡スチロールの台の上に置く。赤外線照射のためのランプ(写真用レフランプPRF−500WB、松下電器産業(株)製)と試料の間隔が28cmとなる高さにランプを設置する。前記の2枚重ねた試料の間に熱電対を挟みこみ赤外線照射を行う。赤外線照射開始10分後の温度を測定する。なお、温度測定時の室温は10℃、風速は、無風時と1m/分の風速時にて行った。各温度測定は2回行い、その平均値から室温(10℃)を差し引いたものを赤外線照射による上昇温度とした。
洗濯処理:JIS L−0217 103に準じて20回、50回洗濯を行った。なお、洗濯処理としては、5回連続洗濯(洗濯25分―脱水―すすぎ10分―脱水―すすぎ10分―脱水)を4回(20回洗濯)、10回(50回洗濯)行った。また、乾燥としては、吊り干し乾燥を行った。
塩素処理水:JIS L0884 C法に準じて行った。
実施例1
合成繊維としてポリウレタン繊維(PU)とカチオン可染ポリエステル繊維(CDP)(PU44デシテックス、1フィラメント、16.3%、CDP56デシテックス、24フィラメント、83.7%)を用いて得られた布帛(トリコット、ウエール32本/2.54cm、コース64本/2.54cm)を、カチオン染料 Kayacryl Yellow 3RL−ED 2.0%omf、Red GL−ED 1.0%omf、Blue FP−ED 5.0%omf(何れも日本化薬(株)製)にて染色し、ソーピング、湯洗いを行った。
次に、赤外線吸収物質NIR−IM1(ジイモニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製)を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸)に溶解させた後、赤外線吸収物質の量が合成繊維に対して0.05%omfとなるように水に添加し、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした(処理液中の酢酸濃度10g/l)。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
液流染色機を用い、前記処理液に布帛を浸しながら、処理液の温度を上昇させ、110℃にて30分間熱処理を行った。その後、水洗し、乾燥して、赤外線吸収布帛を得た。さらに、撥水剤(アサヒガードAG710 旭硝子(株)製)の5%水溶液を用いて撥水処理を行った。
得られた赤外線吸収布帛の赤外線吸収性能等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
また、得られた赤外線吸収性布帛を用いて水着を作成した。得られた水着は十分な透撮防止性能を有していた。
また、得られた赤外線吸収布帛の赤外線照射による温度上昇は、無風時では46℃(測定温度56℃)、風速1m/分では26℃(測定温度36℃)であった。これらの結果を表2に示す。
下記比較例2で得られた布帛に対し、実施例1と同様に赤外線照射による温度上昇を測定したところ、無風時では39℃(測定温度49℃)、風速1m/分では20℃(測定温度30℃)であり、赤外線吸収物質で処理をおこなった実施例1の赤外線吸収布帛と比較例2の布帛では、無風時では7℃、風速1m/分では6℃の温度上昇差があった。
実施例1の赤外線吸収布帛を用いて作成された水着は、プールから上がり濡れているものを着用していても暖かく感じられ、冷え感はほとんどなかった。
比較例1
赤外線吸収物質溶解剤としての酢酸を用いなかった以外は実施例1の操作を繰り返して処理布帛を得た。処理液は赤外線吸収物質が水に分散した分散液であった。
得られた処理布帛の赤外線吸収性能等を表1に示す。
なお、この処理布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。また、赤外線吸収物質が処理布帛にムラ状に付着しており外観品位の悪いものであった。
比較例2
赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液による処理を行わなかった以外は実施例1の操作を繰り返して処理布帛を得た。
得られた処理布帛の赤外線吸収性能等を表1(赤外線照射による温度上昇は表2)に示す。また、赤外線照射による温度上昇を表2に示す。
なお、この処理布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
実施例2
合成繊維としてPUと6−ナイロン繊維(Ny)(PU44デシテックス、1フィラメント、13%、Ny78デシテックス、24フィラメント、87%)を用いて得られた布帛(トリコット、ウエール32本/2.54cm、コース64本/2.54cm)を、酸性染料 Kayanol Milling Green GW 0.5%omf(日本化薬(株)製)にて染色し、湯洗いを行った。
次に、赤外線吸収物質NIR−IM1(ジイモニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製)を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸)に溶解させた後、赤外線吸収物質の量が合成繊維に対し0.1%omfとなるように水に添加し、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした(処理液中の酢酸濃度10g/l)。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
液流染色機を用い、前記処理液に布帛を浸しながら、処理液の温度を上昇させ100℃にて30分間熱処理を行った。その後、水洗して、赤外線吸収布帛を得た。
得られた布帛の赤外線吸収性能等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
得られた赤外線吸収布帛を用いて水着を製造した。得られた水着は十分な透撮防止性能を有していた。
実施例3
合成繊維としてレギュラ−ポリエステル繊維(PET)を用いて得られた織物(ギャバ、タテ糸178デシテックス、54フィラメント、ヨコ糸165デシテックス、48フィラメント、密度 タテ×ヨコ=167本/2.54cm×75本/2.54cm)を、分散染料Disperse Blue PLG(ダイスタージャパン(株))にて染色し、還元洗浄、湯洗いを行った。
次に、赤外線吸収物質Kayasorb IRG−069(ジイモニウム系化合物、日本化薬(株)製)をギ酸に溶解させた後、赤外線吸収物質の0.1%水溶液となるように、赤外線吸収物質を溶解したギ酸溶液を水に添加し処理液とした(処理液中のギ酸の濃度10g/l)。
処理液には、更に帯電防止剤ナイスポールFE26(日華化学(株)製)を、その添加量が0.1%となるように添加した。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
次に、パッダ−を用い、パディング法にて、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を織物に付与した。ピックアップは70%であった。次に、120℃で30秒間乾燥後、170℃で30秒間乾熱処理を行った。
得られた赤外線吸収布帛の赤外線吸収性能等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
また、得られた赤外線吸収性布帛をもちいてパンツを作成した。得られたパンツは十分な透撮防止性能を有していた。
実施例4
合成繊維としてレギュラ−ポリエステル繊維(PET)を用いて得られた織物(ギャバ)(タテ糸178デシテックス、54フィラメント、ヨコ糸165デシテックス、48フィラメント、密度 タテ×ヨコ=167本/2.54cm×75本/2.54cm)を用いた。
赤外線吸収物質IGR−068(ジイモニウム系化合物、日本化薬(株)製)を赤外線吸収物質溶解剤(MEK)に溶解させた後、赤外線吸収物質の量が合成繊維に対し0.1%omfとなるように水に添加し赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした(処理液中のMEK濃度10g/l)。処理液中、水とMEKは分離していたが、赤外線吸収物質は処理液中に析出しておらず、溶解していた。
液流染色機を用い、前記処理液に布帛を浸しながら、処理液の温度を上昇させ、120℃にて30分間熱処理を行った。その後、水洗し、赤外線吸収布帛を得た。
得られた布帛の赤外線吸収性能等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
得られた赤外線吸収布帛を用いてパンツを製造した。得られたパンツは十分な透撮防止性能を有していた。
実施例5
合成繊維としてノーメックス(アラミド繊維、デュポン(株)製)(タテ糸 40番手/双糸、ヨコ糸 40番手/双糸)を用いた織物(ツイル、密度 タテ×ヨコ=50本/2.54cm×60本/2.54cm)をカチオン染料 Kayacryl Yellow 3RL−ED 2.0%omf、Red GL−ED 1.0%omf、Blue FP−ED 5.0%omf(何れも日本化薬(株)製)にて染色し、還元洗浄、湯洗いを行った。
次に、赤外線吸収物質Kayasorb IRG−022(ジイモニウム系化合物、日本化薬(株)製)を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸:ギ酸の混合溶液=1:1)に溶解させた後、赤外線吸収物質の量が合成繊維に対して0.05%omfとなるように水に添加し、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした(処理液中の酢酸:ギ酸の混合溶液濃度10g/l)。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
液流染色機を用い、前記処理液に布帛を浸しながら、処理液の温度を上昇させ、130℃にて30分間熱処理を行った。その後、水洗し、乾燥して、赤外線吸収布帛を得た。
得られた赤外線吸収布帛の赤外線吸収性能等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
また、得られた赤外線吸収性布帛を用いてパンツを作成した。得られたパンツは十分な透撮防止性能を有していた。
実施例6
合成繊維としてポリウレタン繊維(PU)とカチオン可染ポリエステル繊維(CDP)(PU44デシテックス、1フィラメント、16.3%、CDP56デシテックス、24フィラメント、83.7%)を用いて得られた布帛(トリコット、ウエール32本/2.54cm、コース64本/2.54cm)を用いた。
次に、赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製)を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸)に溶解させた後、合成繊維の質量に対し、カチオン染料 Kayacryl Yellow 3RL−ED 2.0%omf、Red GL−ED 1.0%omf、Blue FP−ED 5.0%omf(何れも日本化薬(株)製)、赤外線吸収物質の量0.05%omfとなるように水に添加し、また芒硝10g/lを添加して、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした(処理液中の酢酸濃度10g/l)。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
液流染色機を用い、前記処理液に布帛を浸しながら、処理液の温度を上昇させ、130℃にて30分間熱処理を行った(染色同時処理)。その後、還元洗浄、湯洗いを行うことにより赤外線吸収布帛を得た。
得られた赤外線吸収布帛の赤外線吸収性能等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
また、得られた赤外線吸収性布帛を用いて水着を作成した。得られた水着は十分な透撮防止性能を有していた。
実施例7
赤外線吸収物質を赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物)に替えて、Kayasorb IRG−022(ジイモニウム系化合物、日本化薬(株)製)を用い、芒硝に替えて酢酸ソーダ5g/lを用いた以外は実施例6の操作を繰り返して赤外線吸収布帛を得た。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
得られた赤外線吸収布帛の赤外線吸収性能等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
また、得られた赤外線吸収性布帛を用いて水着を作成した。得られた水着は十分な透撮防止性能を有していた。
実施例8
合成繊維として、PUとCDPを用いて得られた布帛(トリコット)を準備した(実施例1で用いたものと同様のトリコット)。
次に、赤外線吸収物質を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸)に溶解させたものを準備し、溶解された赤外線吸収物質を元糊に混合し、捺染糊を作成した。捺染糊中、赤外線吸収物質は溶解していた(捺染糊1、3)。
下記捺染糊1、2、3を、3本のストライプ柄状にスクリーン捺染機を用いて捺染法により付与した(白場残しなし)。なお、捺染糊の合成繊維(布帛)への付着量は200g/mであった。
赤外線吸収物質+赤外線吸収物質溶解剤
赤外線吸収物質(ジイモニウム系化合物またはアミニウム系化合物) 1.0%
赤外線吸収物質溶解剤(酢酸) 99.0%
元糊
セルパールSL100(グアガム系糊剤、安達糊料(株)製) 10%
レデューサ 50%
水 40%
レデューサ
ターペン 70%
乳化剤 20%
水 10%
捺染糊1(赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊)
赤外線吸収物質:NIR−IM1(ジイモニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製)
元糊 60%
赤外線吸収物質+赤外線吸収物質溶解剤 30%
Dianix Yellow P−6G liq 1%
(ダイスタージャパン(株)、染料)
水 9%
捺染糊2
元糊 60%
Dianix Red S−BEL liq 1%
(ダイスタージャパン(株)、染料)
水 39%
捺染糊3(赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊)
赤外線吸収物質:赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株))
元糊 60%
赤外線吸収物質+赤外線吸収物質溶解剤 30%
Miketon Polyester Blue TSF 1%
(ダイスタージャパン(株)、染料)
水 9%
次に、170℃、15分間乾熱処理を行い、引続き、還元洗浄、ソーピングをした後、乾燥し、仕上セットを行って赤外線吸収布帛を得た。得られた赤外線吸収布帛の赤外線吸収量等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
得られた赤外線吸収布帛を用いて水着を製造した。捺染糊1を付与した部分は胸部、捺染糊2を付与した部分は腹部、捺染糊3を付与した部分は下腹部となるようにして縫製した。得られた水着は、胸部、下腹部において優れた透撮防止性能を有していた。
比較例3
合成繊維としてPUとCDPを用いて得られた布帛(トリコット)を準備した(実施例1で用いたものと同様のトリコット)。
下記捺染糊1、2、3を、3本のストライプ柄状にスクリーン捺染機を用い捺染法により付与した(白場残しなし)。なお、捺染糊の合成繊維(布帛)への付着量は200g/mであった。
捺染糊1
Dexcel Clear 3301EX 80.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、バインダー樹脂)
赤外線吸収物質NIR−IM1(ジイモニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製) 0.5%
Ryudye Yellow FF7G 1.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、顔料)
Dexcel Agent 2K 2.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、バインダー用架橋剤)
Dexcel Agent 15V 1.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、増粘剤)
水 15.5%
捺染糊2
Dexcel Clear 3301EX 80.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、バインダー樹脂)
Ryudye Red FFGR 1.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、顔料)
Dexcel Agent 2K 2.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、バインダー用架橋剤)
Dexcel Agent 15V 1.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、増粘剤)
水 16.0%
捺染糊3
Dexcel Clear 3301EX 80.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、バインダー樹脂)
赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株))
0.5%
Ryudye Blue FF2R 1.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、顔料)
Dexcel Agent 2K 2.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、バインダー用架橋剤)
Dexcel Agent 15V 1.0%
(大日本インキ化学工業(株)製、増粘剤)
水 15.5%
次に、170℃、30秒間乾熱処理を行い、また仕上セットを行って赤外線吸収布帛を得た。得られた赤外線吸収布帛の赤外線吸収量等を表1に示す。
また、得られた赤外線吸収布帛を手で触ったところ実施例8で得られたものに比べて風合いが硬く、重く感じられた。
実施例9
合成繊維としてレギュラ−ポリエステル繊維(PET)を用いた織物(ギャバ、タテ糸178デシテックス、54フィラメント、ヨコ糸165デシテックス、48フィラメント、密度 タテ×ヨコ=167本/2.54cm×75本/2.54cm)を用いた。
次に、赤外線吸収物質を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸:ギ酸=1:1)に溶解させた溶液を準備し、この溶液を元糊に混合して捺染糊を作成した。捺染糊中、赤外線吸収物質は溶解していた(捺染糊1、2、3、4)。
下記捺染糊1、2、3、4を、迷彩柄状に、スクリーン捺染機を用い、捺染法により付与した。なお、捺染糊の合成繊維(布帛)への付着量は200g/mであった。
赤外線吸収物質+赤外線吸収物質溶解剤
赤外線吸収物質(ジイモニウム系化合物またはアミニウム系化合物) 1.0%
赤外線吸収物質溶解剤(酢酸:ギ酸=1:1) 99.0%
元糊
セルパールSL100(グアガム系糊剤、安達糊料(株)製) 10%
レデューサ 50%
水 40%
レデューサ
ターペン 70%
乳化剤 20%
水 10%
捺染糊1(赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊:ベージュ)
赤外線吸収物質Kayasorb IRG−069(ジイモニウム系化合物、日本化薬(株)製)
元糊 60.0%
赤外線吸収物質+赤外線吸収物質溶解剤 35.0%
Disperse Orange 30 liq 2.7%
(ヨークシャー、染料)
Dianix Red S−BEL liq 0.3%
(ダイスタージャパン(株)、染料)
Kayalon Polyester Blue 2R−SR p 1.7%
(日本化薬(株)、染料)
水 0.3%
捺染糊2(赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊:グリーン)
赤外線吸収物質Kayasorb IRG−069(ジイモニウム系化合物、日本化薬(株)製))
元糊 60.0%
赤外線吸収物質+赤外線吸収物質溶解剤 25.0%
Disperse Orange 30 liq 4.8%
(ヨークシャー、染料)
Kayalon Polyester Blue 2R−SR p 4.1%
(日本化薬(株)、染料)
水 6.1%
捺染糊3(赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊:ブラウン)
赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株))
元糊 60.0%
赤外線吸収物質+赤外線吸収物質溶解剤 15.0%
Dispers Orange 30 liq 7.2%
(ヨークシャー、染料)
Dianix Red S−BEL liq 4.5%
(ダイスタージャパン(株)、染料)
Kayalon Polyester Blue 2R−SR p 4.3%
(日本化薬(株)、染料)
水 9.0%
捺染糊4(赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む捺染糊:ブラック)
赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製)
元糊 60.0%
赤外線吸収物質+赤外線吸収物質溶解剤 5.0%
Disperse Orange 30 liq 7.5%
(ヨークシャー、染料)
Dianix Red S−BEL liq 5.0%
(ダイスタージャパン(株)、染料)
Kayalon Polyester Blue 2R−SR p 10.8%
(日本化薬(株)、染料)
水 11.7%
次に、170℃、15分間乾熱処理を行い、引続き、還元洗浄、ソーピングをした後、乾燥し、アサヒガードAG710を用いパディング法による撥水加工後、仕上セットを行い、赤外線吸収布帛を得た。得られた赤外線吸収布帛の赤外線吸収量等を表1に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかいものであった。
得られた赤外線吸収布帛を用いて赤外線迷彩衣服を製造した。
Figure 0005230465
実施例10
合成繊維として、PETを用いて得られた織物(タフタ、タテ糸、ヨコ糸とも56デシテックス、48フィラメント、密度 タテ×ヨコ=164本/2.54cm×118本/2.54cm)を用いた。
赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株))を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸)に溶解させた後、赤外線吸収物質の量が合成繊維の質量に対して0.3%omfとなるように水に添加し、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
液流染色機を用い、前記処理液に合成繊維(織物)を浸しながら、130℃にて30分間、熱処理を行った。その後、水洗し、乾燥して、赤外線吸収布帛を得た。さらに、帯電防止剤ナイスポールFE26(日華化学(株)製)の0.1%水溶液を用い帯電防止処理を行った。
得られた赤外線吸収布帛の風合いを手で確認したが、柔らかく、軽いものであった。
また、得られた赤外線吸収布帛の赤外線照射による温度上昇は、無風時では40℃(測定温度50℃)、風速1m/分では22℃(測定温度32℃)であった。また、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液での処理を行わなかった以外は実施例10と同様にし、得られた処理布帛についても赤外線照射による温度上昇を測定したところ、無風時では30℃(測定温度40℃)、風速1m/分では17℃(測定温度27℃)であり、赤外線吸収物質で処理を行わなかった処理布帛と比較し、本実施例の赤外線吸収布帛は、無風時では10℃、風速1m/分では5℃の温度上昇があった。これらの結果をまとめて表2に示す。
得られた赤外線吸収布帛を裏地に用いてジャケットを製造し、着用したところ、赤外線吸収物質で処理を行わなかった処理布帛を裏地にもちいたジャケットに比べ暖かく感じられた。
実施例11
合成繊維としてレギュラーポリエステル繊維(PET)を用いて得られたタフタ(タテ糸56デシテックス、48フィラメント、密度 タテ×ヨコ=164本/2.54cm×118本/2.54cm)を分散染料Disperse Blue PLG(ダイスタージャパン(株))0.5%omfにて染色し、還元染料、湯洗いを行った。
次に、赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製)を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸)に溶解させた後、赤外線吸収物質の量が合成繊維に対して0.1%omfとなるように水に添加し、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした(処理液中の酢酸濃度10g/l)。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
液流染色機を用い、前記処理液に布帛を浸しながら、処理液の温度を上昇させ、80℃にて60分間熱処理をおこなった。その後、水洗し、乾燥して、赤外線吸収布帛を得た。さらに、帯電防止剤ナイスポールFE26(日華化学(株)製)の0.1%水溶液を用いパディング法にて帯電防止処理を行った。
得られた赤外線吸収布帛の赤外線照射による温度上昇は、無風時では38℃(測定温度48℃)、風速1m/分では23℃(測定温度33℃)であった。また、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液での処理を行わなかった以外は実施例11と同様にし、得られた処理布帛についても赤外線照射による温度上昇を測定したところ、無風時では32℃(測定温度42℃)、風速1m/分では17℃(測定温度27℃)であり、赤外線吸収物質で処理を行わなかった処理布帛と比較し、本実施例の赤外線吸収布帛は、無風時では6℃、風速1m/分では6℃の温度上昇があった。これらの結果をまとめて表2に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合を手で確認したが柔らかいものであった。
得られた赤外線吸収布帛を裏地に用いて日傘を製造し使用したところ、赤外線を吸収し布帛表面の温度は上昇したが、日傘の下では、赤外線の透過が防止されているため、涼しく感じられた。
実施例12
合成繊維としてアクリル繊維を70%用いて得られたブラックに染色されたアクリル/ウール(混率70/30)のリブ編を用いた。また、赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製)を赤外線吸収物質溶解剤(酢酸)に溶解させた後、赤外線吸収物質の量が合成繊維に対して0.3%omfとなるように水に添加し、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした(処理液中の酢酸濃度30g/l)。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
液流染色機を用い、前記処理液に布帛を浸しながら、処理液の温度を上昇させ、90℃にて60分間熱処理を行った。その後、水洗し、乾燥して、赤外線吸収布帛を得た。
また、得られた赤外線吸収布帛の赤外線照射による温度上昇は、無風時では53℃(測定温度63℃)、風速1m/分では33℃(測定温度43℃)であった。また、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液での処理を行わなかった以外は実施例12と同様にし、得られた処理布帛についても赤外線照射による温度上昇を測定したところ、無風時では43℃(測定温度53℃)、風速1m/分では27℃(測定温度37℃)であり、赤外線吸収物質で処理を行わなかった処理布帛と比較し、本実施例の赤外線吸収布帛は、無風時では10℃、風速1m/分では6℃の温度上昇があった。これらの結果をまとめて表2に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合を手で確認したが柔らかいものであった。
得られた赤外線吸収布帛を用いてセーターを製造し、着用したところ、赤外線吸収物質で処理を行わなかった処理布帛を用いたセーターに比べ暖かく感じられた。
実施例13
合成繊維としてアラミド繊維を用いて得られたイエローに染色された平織物(東レ・デュポン(株)製、ケブラ−、フィラメント、タテ糸1670デシテックス、ヨコ糸1670デシテックス、密度 タテ×ヨコ=22本/2.54cm×22本/2.54cm)を用いた。
赤外線吸収物質NIR−AM1(アミニウム系化合物、ナガセケムテックス(株)製)を赤外線吸収物質溶解剤(ギ酸)に溶解させた後、赤外線吸収物質の量が合成繊維に対して0.1%omfとなるように水に添加し、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液とした(処理液中のギ酸濃度10g/l)。処理液中においても赤外線吸収物質は溶解しており、処理液は赤外線吸収物質の水溶液の状態であった。
液流染色機を用い、前記処理液に布帛を浸しながら、処理液の温度を上昇させ、135℃にて60分間熱処理を行った。その後、水洗し、乾燥して、赤外線吸収布帛を得た。
また、得られた赤外線吸収布帛の赤外線照射による温度上昇は、無風時では47℃(測定温度57℃)、風速1m/分では26℃(測定温度36℃)であった。また、赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液での処理を行わなかった以外は実施例13と同様にし、得られた処理布帛についても赤外線照射による温度上昇を測定したところ、無風時では38℃(測定温度48℃)、風速1m/分では20℃(測定温度30℃)であり、赤外線吸収物質で処理を行わなかった処理布帛と比較し、本実施例の赤外線吸収布帛は、無風時では9℃、風速1m/分では6℃の温度上昇があった。これらの結果をまとめて表2に示す。
なお、この赤外線吸収布帛の風合を手で確認したが赤外線吸収物質を含む処理液にて処を行わないものと比べても風合は硬化していなかった。
得られた赤外線吸収布帛を用いて手袋を製造し、着用したところ、赤外線吸収物質で処理を行わなかった処理布帛を用いた手袋に比べ暖かく感じられた。
Figure 0005230465
本発明によれば風合いが柔らかく、軽く、また耐久性に優れる赤外線吸収布帛を提供することができるので、本発明は産業上有用である。

Claims (7)

  1. 赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質を含む処理液を用いて赤外線吸収物質をバインダー樹脂を介さずに合成繊維に付与してなり、前記赤外線吸収物質がジイモニウム系化合物およびアミニウム系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする赤外線吸収布帛。
  2. 赤外線吸収物質溶解剤が有機酸である、請求項1に記載の赤外線吸収布帛。
  3. 有機酸が酢酸および/またはギ酸である、請求項2に記載の赤外線吸収布帛。
  4. 赤外線吸収物質溶解剤で溶解された赤外線吸収物質をバインダー樹脂を介さずに合成繊維に付与する赤外線吸収布帛の製造方法であって、前記赤外線吸収物質がジイモニウム系化合物およびアミニウム系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする赤外線吸収布帛の製造方法。
  5. 赤外線吸収物質溶解剤が有機酸である、請求項4に記載の赤外線吸収布帛の製造方法。
  6. 赤外線吸収物質溶解剤が酢酸および/またはギ酸である、請求項に記載の赤外線吸収布帛の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線吸収布帛を少なくとも一部に用いて製造された衣服。
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