JP5229359B2 - 脱進調整装置および鍵盤楽器の音量制御装置 - Google Patents
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Description
A.グランドピアノのアクション機構
まず、図1は本発明の第1実施形態に係る消音装置(音量制御装置)が装着されたアコースティックグランドピアノの1つの鍵の動作に応じて駆動されるアクション機構を示す側断面図である。ここで、同図に示すように、このアクション機構(打弦アクション機構)は、鍵10と、この鍵10の動作により駆動されるウイペン11と、このウイペン11の動作により駆動されるジャック12と、このジャック12により駆動されて弦Sを打撃するハンマアセンブリ13とを備えている。そして押鍵により鍵10の後端側(図の左端側)が上昇し、そこに固定されたキャプスタン14がウイペン11を押し上げるようになっている。
本実施形態に係る消音装置は、ストッパ機構(打弦力制御手段)30と、レギュレーチングバー(第2レギュレーチング部材)223と、レギュレーチングバー223を後述する消音演奏時の位置と、通常演奏時の位置との間で移動させる駆動機構300と、消音演奏時におけるレギュレーチングバー223の位置を調節するための調節機構305とを備えている。
ストッパ機構30は、鍵10の配列方向を軸方向とする軸33Aを有しており、この軸33Aにハンマストッパ33が固着されている。また、ハンマストッパ33の右側面には、ハンマシャンク21が当接する緩衝材33Bが取り付けられている。ここで、軸33Aは、所定角度の範囲で回転可能になされている。
図1〜図3に示すように、レギュレーチングバー223は、グランドピアノの左右方向(図1および図2の紙面垂直方向)に延在する部材であり、その下面には消音演奏時にジャック小12Bにおけるその回動中心と突起12Baとのほぼ中間位置(以下、ジャック小の中間位置という)に当接する緩衝部材223aが設けられている。繊維性のひも、フェルト、発泡スポンジ、発泡ゴム、クロス、フェルト等の粘弾性体から構成される緩衝部材223aは、グランドピアノの左右方向に延在する円柱状の部材である。ここで、レギュレーチングバー223は、グランドピアノ全体に延在する1つの部材であってもよいし、音域毎に複数設けるようにしてもよい。例えば、低音域、中音域および高音域毎にそれぞれ2つのレギュレーチングバー223、つまり合計6つのレギュレーチングバー223を設けるようにしてもよく、レギュレーチングバー223を設ける数は任意である。
このようなレギュレーチングバー223は、駆動機構300によって通常演奏時の位置(図1参照)と消音演奏時の位置(図2参照)との間を移動させられられるようになっている。駆動機構300は、グランドピアノの左右方向である鍵10の配列方向に延在するレギュレーチングロッド150を有している。レギュレーチングロッド150は、シャンクレール18にネジ153により固定されたロッド支持部154によって回転自在に支持されている。図3ではレギュレーチングロッド150の両端を支持する構造となっているが、これに限らず、レギュレーチングロッド150の中間部分の1または複数箇所にロッド支持部154を設けて支持するようにしてもよい。
次に、上述したように駆動機構300によって通常演奏状態もしくは消音演奏状態の位置に保持されるレギュレーチングバー223の位置を調節することが可能な調節機構305について図4および図5を参照しながら説明する。図4および図5に示すように、調節機構305は、上述したレギュレーチングロッド150へのレギュレーチングバーブラケット161の取付位置を調整することによりレギュレーチングバーブラケット161に保持されるレギュレーチングバー223の位置調整を行う機構であり、回動部材160と、固定部180と、レギュレーチングスクリュー(操作部材)170とを有している。
次に、上記構成の消音装置を備えたグランドピアノの演奏時の動作について説明する。
まず、通常の演奏を行う場合には、図1に示すように、ストッパ機構30はハンマシャンク21の移動範囲から待避した位置に配置され、レギュレーチングバー223は、ジャック小12Bの移動範囲から待避した位置に配置される。
次に、消音演奏時の動作について説明する。消音演奏を行う場合には、図2に示すように、ストッパ機構30はハンマシャンク21の移動範囲の位置に配置され、レギュレーチングバー223はジャック小12Bの移動範囲の位置に配置される。
上述したように本実施形態に係るグランドピアノでは、レギュレーチングボタン23と先端突起12Baが当接するタイミングと同時にレギュレーチングバー223をジャック小12Bの中間位置に当接させることにより、連打性や鍵タッチ感を損なうことのない消音演奏を可能としている。しかしながら、当該消音装置をグランドピアノに後付けする時やメンテナンス時には、消音演奏時における接近の距離を調節するといった作業を行う必要があり、また上記のようなタイミングで緩衝部材223aがジャック小12Bの中間位置に当接するように調節が必要となり、これらの場合にはレギュレーチングバー223の位置を調節する必要がある。本実施形態では、このようにレギュレーチングバー223の位置を調節するために、上述した調節機構305を設けており、以下、レギュレーチングバー223の位置調節時の操作、ならびにその時の調節機構305の動作について図5および図7を参照しながら説明する。
本実施形態に係る消音装置によれば、消音演奏時において、脱進開始タイミングを変更することなく、接近を通常演奏時よりも拡大することができ、ハンマシャンク21がジャック12とストッパ機構30との間に挟み込まれるといったことが抑制され、通常演奏時と同様の演奏性を維持することができる。また、脱進開始タイミングは通常演奏時と同様であるため、通常演奏時、つまり通常のアコースティックピアノと鍵タッチ感がほとんど変わらない。また、本実施形態に係る消音装置では、上述したような優れた消音機能を提供するために、レギュレーチングバー223に円柱状の緩衝部材223aを設け、消音演奏時に、ジャック小12Bの突起12Baがレギュレーチングボタン23に当接するタイミングと同時に緩衝部材223aをジャック小12Bの中間位置に当接させることができるようにしている。したがって、ジャック12は、通常のアコースティックグランドピアノに用いられるジャックをそのまま使用することができ、図11に示すように2つの先端部2aの突起および突起2bを有する特殊なジャックを用いる必要がない。したがって、通常の一般的なアコースティックグランドピアノに当該消音装置を後付けする場合にも、ジャックを交換するといった作業が不要であり、またジャック交換に伴うアクション機構の整調作業も行う必要がなく、後付け作業が容易である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
上述した実施形態においては、ストッパ機構30によってハンマシャンク21の運動を阻止して消音演奏を実現する消音装置を備えたグランドピアノについて説明したが、これに限らず、上述した構成のグランドピアノにおいて、ストッパ機構30を用いずに弱音演奏を可能とする弱音装置に本発明を適用することも可能である。具体的な手法は次の通りである。
また、上述した実施形態では、レギュレーチングバー223に円柱状の緩衝部材223aを設け、消音演奏時に該円柱状の緩衝部材223aをジャック小12Bの中間位置と当接させることにより両者を点接触させるようにしていたが、このような形状のものに限るものではない。例えば、図8に示すように、円柱状の緩衝部材223aに代えて、円筒状の緩衝部材323aをレギュレーチングバー223に設けるようにしてもよい。このような円筒状の緩衝部材323aを設けた場合にも、上記実施形態と同様に緩衝部材323aをジャック小12Bの中間位置に当接させることにより上記実施形態と同様の優れた消音機能を提供することができる。また、半円柱状の緩衝部材を用いるようにしてもよいし、半円筒状のの緩衝部材を用いるようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、本発明をグランドピアノに適用した場合について説明したが、これに限らず、アップライトピアノなど他の鍵盤楽器に適用することも可能である。
Claims (5)
- 複数配列された鍵と、当該鍵の配列方向に延在するシャンクレールと、当該各鍵の動作に応じて移動するジャック、および移動する前記ジャックのジャック小の先端部分にのみ設けられた突起部に当接して当該ジャックの移動方向を変えるレギュレーチング部材を有する打弦アクション機構とを備える鍵盤楽器において、前記ジャックの運動速度を調整する脱進調整装置であって、
前記ジャックの運動範囲の位置と、該位置から待避した位置との間で移動可能に設けられ、前記運動範囲の位置に配置された場合に前記ジャック小における前記突起部と異なる部位に当接して前記ジャックの運動速度を変える第2レギュレーチング部材と、
前記シャンクレールに回転自在に取り付けられたレギュレーチングロッドと当該レギュレーチングロッドにより一端側を当該レギュレーチングロッドの円周方向に回動自在に支持されるブラケットとを有し、当該レギュレーチングロッドが回転させられることにより当該ブラケットの他端側に保持された前記第2レギュレーチング部材を駆動し、前記運動範囲の位置および前記待避した位置のいずれか一方の位置に前記第2レギュレーチング部材を選択的に保持する駆動保持機構と、
前記レギュレーチングロッドにより支持され、前記円周方向における前記ブラケットの位置を調整することで前記駆動保持機構による前記第2レギュレーチング部材の保持位置を調節する調節機構と
を具備することを特徴とする鍵盤楽器の脱進調整装置。 - 前記第2レギュレーチング部材の前記ジャック小と当接する部分は、当接する側が突出する曲面形状となっていること
を特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の脱進調整装置。 - 前記第2レギュレーチング部材は、前記鍵の動作に応じた運動時の前記ジャック小との当接部に異なる弾性率の弾性体が複数積層された弾性体積層部を有しており、該弾性体積層部は各前記弾性体が前記ジャック小と当接する部分側ほど弾性率が小さくなる順序で配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の脱進調整装置。 - 調整者により操作される部材であって、調整者の操作に応じて前記調節機構を動作させる操作部材をさらに具備し、当該操作部材の操作部分は、前記打弦アクション機構よりも当該鍵盤楽器の演奏者側の位置に、演奏者側に向けて配設されていること
を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鍵盤楽器の脱進調整装置。 - 複数配列された鍵と、当該鍵の配列方向に延在するシャンクレールと、当該各鍵の動作に応じて移動するジャック、および移動する前記ジャックのジャック小の先端部分にのみ設けられた突起部に当接して当該ジャックの移動方向を変えるレギュレーチング部材を有する打弦アクション機構とを備える鍵盤楽器に設けられる音量制御装置であって、
前記打弦アクション機構による打弦を阻止もしくは打弦力を弱める位置と、当該阻止もしくは弱める位置から待避した位置との間に移動可能に設けられる打弦力制御手段と、
前記ジャックの運動範囲の位置と、該位置から待避した位置との間で移動可能に設けられ、前記運動範囲の位置に配置された場合に前記ジャック小における前記突起部と異なる部位に当接して前記ジャックの運動速度を変える第2レギュレーチング部材と、
前記シャンクレールに回転自在に取り付けられたレギュレーチングロッドと当該レギュレーチングロッドにより一端側を当該レギュレーチングロッドの円周方向に回動自在に支持されるブラケットとを有し、当該レギュレーチングロッドが回転させられることにより当該ブラケットの他端側に保持された前記第2レギュレーチング部材を駆動し、前記運動範囲の位置および前記待避した位置のいずれか一方の位置に前記第2レギュレーチング部材を選択的に保持する機構であって、前記打弦力制御手段が前記打弦アクション機構による打弦を阻止もしくは打弦力を弱める位置にある場合に、前記第2レギュレーチング部材を前記運動範囲の位置で保持する駆動保持機構と、
前記レギュレーチングロッドにより支持され、前記円周方向における前記ブラケットの位置を調整することで前記駆動保持機構による前記第2レギュレーチング部材の保持位置を調節する調節機構と
を具備することを特徴とする鍵盤楽器の音量制御装置。
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