しかしながら、上述した特許文献1及び2記載の保管庫によれば、入庫すべき荷及び出庫すべき荷を一時的にスライド板に取り置きするので、直接に搬送車から又は搬送車へ移載する場合よりも入出庫動作に時間がかかってしまう。仮に、このような取り置きにかかる動作時間を短縮するために、スライド板を高速で進退させたり、昇降機能を高速で駆動させることが可能であるが、入庫すべき荷及び出庫すべき荷にかかる振動が増大してしまうという技術的問題点がある。また、連続する入出庫のために利用されるスライド板及びスライド機構の設置は、搬送システム全体の高コスト化を招く。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、簡単な構成により効率良く荷を出入庫することを可能ならしめる保管庫、及びこのような保管庫の入出庫方法を提供することを課題とする。
本発明の第1保管庫は上記課題を解決するために、一の荷の入庫及び他の荷の出庫が、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能であると共に横移載可能な搬送車との間で、連続して行われる保管庫であって、筐体又はフレームと、該筐体又はフレーム内に配置され且つ前記一の荷及び前記他の荷を収容若しくは載置可能であり、(i)前記筐体の外壁又は前記フレームの外枠に設けられた一の出入口を介して前記筐体又は前記フレームの内側並びに外側間で前記一の荷が載置された状態で水平移動可能に構成されており、前記外側へ移動された際に前記搬送車から前記一の荷が縦載置により載置される入庫ポートとして機能する一の棚部分及び(ii)該一の棚部分よりも上方に位置しており、前記外壁又は前記外枠に設けられた他の出入口を介して、前記他の荷が前記搬送車へ横移載により取り出される出庫ポートとして機能する他の棚部分を含む、上下方向に配列された複数の棚部分と、前記一の棚部分を前記外側及び前記内側へ選択的に水平移動させる外内移動手段とを備える。
本発明の第1保管庫によれば、先ず入庫時には、例えばFOUP等の入庫すべき一の荷は、例えば天井に敷設された軌道に沿って走行する搬送車により、入庫ポートまで搬送される。ここに「搬送車」は、例えば天井走行型のビークルであり、荷を保持するグリッパ機構、荷をグリッパ機構ごと昇降させるホイスト機構、並びに荷をグリッパ機構及びホイスト機構ごと収容すると共に走行機能を持つ本体部を有する。更に、搬送車は、出庫用に横移載可能に構成されており、例えば本体部からホイスト機構及びグリッパを横方向にせり出させるスライダ機構を更に有する。
このような搬送車の搬送と相前後して又は並行して、入庫ポートとして機能する一の棚部分は、例えばスライダ機構、コンベア機構等を有する外内移動手段によって、筐体の外壁又はフレームの外枠に設けられた一の出入口を介して、筐体又はフレームの外側に移動される。即ち、一の棚部分は、筐体又はフレームの外にせり出された状態とされる。この状態で、一の荷は、停止した搬送車から、筐体又はフレームの外側へと移動された一の棚部分である入庫ポートへ、典型的には、縦移載或いは縦載置される。具体的には例えば、一の荷は、搬送車におけるグリッパ機構等により保持されたままホイスト機構等の昇降動作によって、入庫ポートの上方位置から入庫ポートまで下降される。更に、グリッパ機構等の解放動作によって、入庫ポートに移載される。
このように入庫ポートへの移載が完了すると、今度は、この入庫ポートとして機能する一の棚部分が、外内移動手段により筐体又はフレームの内側へと移動される。続いて、一の荷は、一の棚部分から、例えば鉛直駆動部及び水平駆動部を備える駆動手段によって、複数或いは多数の棚部分のうち所望の棚部分へと移動される。即ち、入庫動作に続いて保管庫内搬送される。尚、このような保管庫内搬送は、次に説明する出庫に係る動作と相前後して又は並行して行われてよい。
他方、出庫時には、上述の入庫に係る動作と相前後して又は並行して、出庫すべき他の荷が、複数或いは多数の棚部分のうち所望の棚部分から、駆動手段によって当該保管庫における出庫ポートまで保管庫内搬送される。続いて、他の荷は、出庫ポートから、停止した状態にある入庫を終えた搬送車へと、筐体又はフレームに設けられた他の出入口を介して横移載される。具体的には、他の荷は、入庫ポートへの移載を完了した横移載機能を有する搬送車によって、例えば出庫ポート上まで、スライド機構により横方向にせり出されたホイスト機構及びグリッパ機構によって、出庫ポートから搬送車へと横移載される。その後、例えば、出庫された荷は、搬送車において、グリッパ機構、ホイスト機構及びスライダ機構と共に本体部に収容され、搬送される。
尚、入庫ポート及び一の棚部分、並びに出庫ポート及び他の棚部分の組み合わせについて、ポートと棚部分とを別扱いせずに、入庫ポート及び棚部分の一つ、並びに出庫ポート及び棚部分の一つは、夫々兼用させてもよい。
以上の結果、入庫ポート上に停止した搬送車による一連の移載動作によって、入庫及び出庫を連続的に実行することが可能となる。また、保管庫側でも、入庫に係る動作及び出庫に係る動作を少なくとも部分的に並列に、しかも搬送車の到着前に予め実行できる。この際、前述した背景技術の如く入庫すべき或いは出庫すべき荷を一時的に取り置きする必要は無く、直接に搬送車から入庫ポートへ移載できると共に引き続いて出庫ポートから搬送車へ移載できる。故に、比較的簡単な構成により、効率良く入出庫することができる。
本発明の第1保管庫の一態様では、前記一の荷を入庫すべき場合に、前記一の棚部分を前記外側へ水平移動させるように、前記外内移動手段を制御し、前記一の荷が前記一の棚部分に載置された後に、前記一の棚部分を前記内側へ水平移動させるように前記外内移動手段を制御する制御手段を更に備える。
この態様によれば、一の荷を入庫すべき場合に、例えばコントローラ、プロセッサ、メモリ等を有する制御手段による制御下で、外内移動手段によって、一の棚部分は、筐体又はフレームの外側へ水平移動させられて、即時に載置可能な入庫ポートとして機能し得る。即ち、筐体又はフレームから外側にせり出した入庫ポートを介して、一の荷を当該保管庫へ入庫できる。更に、制御手段による制御下で、外内移動手段によって、一の荷が移載された一の棚部分は、筐体又はフレームの内側へ水平移動させられる。よって、入庫された一の荷の保管庫内搬送を、入庫ポートへの移載から遅延なく実行可能となる。
このように、一の棚部分を筐体又はフレームの内側並びに外側へ水平移動させるという比較的簡単な構成により、迅速化且つ効率良く入庫すること及び入庫に続く保管庫内搬送を行うことができる。
この態様では、前記一の荷及び前記他の荷を夫々その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、該載置部を、前記複数の棚部分の相互間で移動可能である駆動手段とを更に備え、前記制御手段は、前記一の荷を入庫すべき場合に、前記一の棚部分が前記内側へ水平移動された後に、前記載置部により前記一の荷を前記一の棚部分から前記複数の棚部分のうち前記一の棚部分以外の棚部分へ移動させるように前記駆動手段を制御し、前記他の荷を出庫すべき場合に、前記載置部により前記他の荷を前記複数の棚部分のうち前記他の棚部分以外の棚部分から前記他の棚部分へ移動させるように前記駆動手段を制御してもよい。
このように構成すれば、第1載置面で一の荷及び他の荷を夫々その底側から支持する載置部は、例えばアクチュエータ、スライダ、モータ、ロボットアーム等を有する駆動手段によって、複数の棚部分の相互間で移動される。この移動により、上述された入庫時及び出庫時の保管庫内搬送が可能となる。
この際特に、制御手段は、一の棚部分が筐体又はフレームの内側へ水平移動された後に、載置部により一の棚部分に載置されている一の荷を、一の棚部分以外の棚部分へ移動させるように駆動手段を制御する。ここで「一の棚部分以外の棚部分」は、例えば保管用棚部分や、出庫ポートとして機能する他の棚部分であり、保管用棚部分に移動された場合に、入庫された一の荷が当該保管庫内に少なくとも一時的に収容される。また、制御手段は、他の荷を出庫すべき場合に、載置部により他の荷を複数の棚部分のうち他の棚部分以外の棚部分から他の棚部分へ移動させるように駆動手段を制御する。ここで「他の棚部分以外の棚部分」は、例えば保管用棚部分や、入庫ポートとして機能する一の棚部分である。
このような出庫準備が入庫よりも前に行われた場合に、入庫を終えた直後に、搬送車により他の荷が出庫可能である。これにより、出庫動作をより効率化することができる。
この態様では、前記駆動手段は、前記載置部を水平一方向に往復移動可能な水平駆動部と、前記載置部を鉛直方向に往復移動可能な鉛直駆動部とを更に備え、前記複数の棚部分は、前記鉛直方向に複数段に渡って段毎に、前記水平駆動部により到達可能な水平位置に一又は複数設けられると共に、前記第1載置面との間で前記荷を相互に移載可能に構成されている第2載置面を夫々有し、前記複数の棚部分のうち最上段にある一つは、前記出庫ポートとして機能し、前記複数の棚部分のうち前記出庫ポートの下段に位置する棚部分の前記第2載置面は、前記入庫ポートとして機能してもよい。
このように構成すれば、保管庫内搬送の際には、複数段に渡って段毎に一又は複数設けられる複数の棚部分のうち“搬送元”の棚部分に向かって、例えば水平アクチュエータ、水平スライダ、ロボットアームの水平移動機構等の水平駆動部によって、載置部は、水平一方向に往復移動される。この水平一方向の移動と相前後して、かかる搬送元の棚部分に向かって、例えば鉛直エレベータ、鉛直アクチュエータ、ロボットアームの鉛直移動機構等の鉛直駆動部によって、載置部は、鉛直方向に往復移動される。その後、搬送元の棚部分における第2載置面から第1載置面への荷の移載が行われる。更に、複数の棚部分のうち“搬送先”の棚部分に向かって、水平駆動部によって、載置部は、水平一方向に往復移動される。この水平一方向の移動と相前後して、かかる搬送先の棚部分に向かって、鉛直駆動部によって、載置部は、鉛直方向に往復移動される。その後、搬送先の棚部分における第2載置面へと第1載置面からの荷の移載が行われる。ここでの載置面間での荷の受け渡しは、次のように行われる。
即ち、複数の棚部分は、鉛直方向に一列又は複数列配列された複数の載置面(即ち、第2載置面)を有する。例えば、鉛直方向にm(但し、mは2以上の自然数)段、水平一方向にn(但し、nは1以上の自然数)列、且つこれに垂直である残る水平一方向(以下、単に「厚み方向」と称する)には1列のみといった具合に、薄く且つ縦に細長い平板形状となるように、棚全体の骨格は、構成される。載置部は、例えばその第1載置面上に荷を載せた状態で、このような保管庫内を、鉛直駆動部及び水平駆動部によって、鉛直方向及び水平一方向という2方向或いは2軸方向に移動可能に構成されている。
第1及び第2載置面は、一の荷及び他の荷を夫々、相互に移載可能である。入庫時に、例えば、入庫ポートとして機能する一の棚部分が筐体又はフレームの外側へ移動され、搬送車から該一の棚部分の第2載置面に一の荷が縦移載される。この縦移載により、当該保管庫に一の荷が入庫される。続いて、該一の棚部分が筐体又はフレームの内側へ移動されると、一の荷が保管庫内搬送可能な状態となる。続いて、該一の棚部分の第2載置面上の一の荷は、2軸方向に移動可能な載置部の第1載置面に移載される。例えば、第1及び第2載置面は、荷(一の荷又は他の荷)の底面における相異なる部分(典型的には、中央寄り部分と周辺寄り部分)を支持するように構成されており、どちらか一方で荷(一の荷又は他の荷)を支持することが可能である。具体的には、載置部が、第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動された際に、第2載置面に代わって、第1載置面で一の荷を支持することで、第2載置面から第1載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より高くなるまで移動されることで、一の荷は、第1載置面によって支持されることとなる。これにより、入庫時における保管庫内搬送が開始される。ここでは、鉛直駆動部及び水平駆動部による簡単な2軸動作によって、棚部分におけるいずれの第2載置面にも迅速に保管庫内搬送が可能である。
続いて、載置部が、保管に使用しようとする第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動された際には、第1載置面に代わって、第2載置面で一の荷を支持することで、第1載置面から第2載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より低くなるまで移動されることで、一の荷は、第2載置面によって支持されることとなる。これにより、入庫時における保管庫内搬送が終了され、棚部分での保管が開始される。
他方、出庫時には、載置部が、出庫しようとする他の荷が載置されている第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動される。続いて、第2載置面に代わって、第1載置面で支持することで、第2載置面から第1載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より高くなるまで移動されることで、他の荷は、第1載置面によって支持されることとなる。これにより、出庫時における保管庫内搬送が開始される。続いて、載置部が、出庫ポートとして機能する第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動される。ここでは、鉛直駆動部及び水平駆動部による簡単な2軸動作によって、いずれの第2載置面からでも迅速に保管庫内搬送が可能である。
続いて、第1載置面に代わって出庫ポートとして機能する第2載置面で支持することで、第1載置面から出庫ポートとして機能する第2載置面への移載が行われる。典型的には、鉛直駆動部により第1載置面が第2載置面より低くなるまで移動されることで、荷は、第2載置面によって支持されることとなる。これにより出庫時における保管庫内搬送が終了され、出庫ポートから搬送車への移載が可能な状態となる。
その後、当該保管庫への入庫を終え、軌道上の同一位置に待機していた搬送車によって、出庫ポートから該搬送車へ他の荷が横移載される。この横移載により、当該保管庫から他の荷が出庫される。
本態様では特に、複数の棚部分のうち入庫ポートとして機能する棚部分(言い換えれば、該棚部分の第2載置面)は、出庫ポートの下段に位置する。具体的には、出庫ポートとして、最上段にある1つの棚部分が設定される場合に、入庫ポートとして、上から2番目の段にあって出庫ポートの下段にある棚部分が設定される。但し、該棚部分を入庫ポートとして機能させるには、該棚部分を筐体又はフレームの外側に移動させる。この設定では、搬送車が当該保管庫に対する停止位置に停止された場合に、例えば、搬送車の下方に入庫ポートが配置され、該搬送車の側方に出庫ポートが配置される。この配置では、搬送車の停止位置(即ち、保管庫との間で移載を行う移載位置)が変更されることがなく、搬送車による縦移載時の昇降移動距離、及び横移載時の水平移動距離が最短となる。これにより、搬送車による荷(一の荷及び他の荷)の移載時間を短縮することができるので、搬送車との間で連続して行われる出入庫動作をより効率化することができる。尚、外内移動手段と水平駆動部とは、少なくとも部分的に、機構又は機能が共有或いは共用であってもよい。
本発明の第1保管庫の他の態様では、前記出庫ポートは、前記他の荷を出庫するための停止位置における前記搬送車が前記出庫ポートから移載する時間が相対的に短時間であるものとして設定されている。
この態様によれば、出庫ポートから搬送車へ他の荷が短時間で移動されるので、出庫動作をより迅速化且つ効率化することができる。例えば、出庫ポートは、入庫ポートとして設定される一の棚部分と同一の鉛直上にあればよい。
本発明の第2保管庫は上記課題を解決するために、一の荷の入庫及び他の荷の出庫が、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能であると共に横移載可能な搬送車との間で、連続して行われる保管庫であって、筐体又はフレームと、該筐体又はフレーム内に配置され且つ前記一の荷及び前記他の荷を収容若しくは載置可能であり、(i)前記筐体の外壁又は前記フレームの外枠に設けられた一の出入口を介して前記筐体又は前記フレームの内側並びに外側間で前記他の荷が載置された状態で水平移動可能に構成されており、前記外側へ移動された際に前記搬送車へ前記他の荷が縦載置により取り上げられる出庫ポートとして機能する一の棚部分及び(ii)該一の棚部分よりも上方に位置しており、前記外壁又は前記外枠に設けられた他の出入口を介して、前記一の荷が前記搬送車から横移載により入れ置かれる入庫ポートとして機能する他の棚部分を含む、上下方向に配列された複数の棚部分と、前記一の棚部分を前記外側及び前記内側へ選択的に水平移動させる外内移動手段とを備える。
本発明の第2保管庫によれば、先ず入庫時には、入庫すべき一の荷は、搬送車により、入庫ポートまで搬送される。搬送車は、入庫用に横移載可能に構成されている。一の荷は、停止した搬送車から、筐体又はフレームに設けられた他の出入口を介して、入庫ポートへ横移載或いは横載置される。
このように入庫ポートへの移載が完了すると、一の荷は、入庫ポートから、駆動手段により複数或いは多数の棚部分のうち所望の棚部分へと保管庫内搬送される。尚、このような保管庫内搬送は、次に説明する出庫に係る動作と相前後して又は並行して行われてよい。
他方、出庫時には、上述の入庫に係る動作と相前後して又は並行して、例えば、出庫ポートとして機能する一の棚部分が、外内移動手段によって筐体の外壁又はフレームの外枠に設けられた一の出入口を介して、筐体又はフレームの内側へと移動される。続いて、出庫すべき他の荷が、複数或いは多数の棚部分のうち所望の棚部分から、駆動手段により一の棚部分まで保管庫内搬送され、一の棚部分に載置される。続いて、一の棚部分は、外内移動手段により一の出入口を介して筐体又はフレームの外側に移動され、筐体又はフレームの外にせり出された状態とされる。この状態で、他の荷は、筐体又はフレームの外側へと移動された一の棚部分である出庫ポートから、停止した状態にある入庫を終えた搬送車へと、典型的には、縦移載される。その後、例えば、出庫された荷は、搬送車の本体部に収容され、搬送される。
尚、入庫ポート及び他の棚部分、並びに出庫ポート及び一の棚部分の組み合わせについて、ポートと棚部分とを別扱いせずに、入庫ポート及び棚部分の一つ、並びに出庫ポート及び棚部分の一つは、夫々兼用させてもよい。
以上の結果、出庫ポート上に停止した搬送車による一連の移載動作によって、入庫及び出庫を連続的に実行することが可能となる。また、保管庫側でも、入庫に係る動作及び出庫に係る動作を少なくとも部分的に並列に、しかも搬送車の到着前に予め実行できる。この際、前述した背景技術の如く入庫すべき或いは出庫すべき荷を一時的に取り置きする必要は無く、直接に搬送車から入庫ポートへ移載できると共に引き続いて出庫ポートから搬送車へ移載できる。故に、比較的簡単な構成により、効率良く入出庫することができる。
本発明の第2保管庫の一態様では、前記他の荷を出庫すべき場合に、前記他の荷が載置された状態で前記一の棚部分を前記外側へ水平移動させるように、前記外内移動手段を制御し、前記他の荷が取り上げられた後に、前記一の棚部分を前記内側へ水平移動させるように前記外内移動手段を制御する制御手段を更に備える。
この態様によれば、他の荷を出庫すべき場合に、制御手段による制御下で、外内移動手段によって、一の棚部分は、筐体又はフレームの外側へ水平移動させられて、即時に取り上げ可能な出庫ポートとして機能し得る。即ち、筐体又はフレームから外側にせり出した出庫ポートを介して、他の荷を当該保管庫から出庫できる。更に、制御手段による制御下で、外内移動手段によって、他の荷が取り上げられた一の棚部分は、筐体又はフレームの内側へ水平移動させられる。よって、次回出庫すべき他の荷の保管庫内搬送を、出庫ポートからの取り上げ後に実行可能となる。
このように、一の棚部分を筐体又はフレームの内側並びに外側へ水平移動させるという比較的簡単な構成により、迅速化且つ効率良く出庫すること及び次回出庫すべき他の荷の保管庫内搬送を行うことができる。
本発明の第1入出庫方向は上記課題を解決するために、(I)筐体又はフレーム、(II
)該筐体又はフレーム内に配置され且つ一の荷及び他の荷を収容若しくは載置可能であり、(i)前記筐体の外壁又は前記フレームの外枠に設けられた一の出入口を介して前記筐体又は前記フレームの内側並びに外側間で前記一の荷が載置された状態で水平移動可能に構成されており、前記外側へ移動された際に前記搬送車から前記一の荷が縦載置により載置される入庫ポートとして機能する一の棚部分及び(ii)該一の棚部分よりも上方に位置しており、前記外壁又は前記外枠に設けられた他の出入口を介して、前記他の荷が前記搬送車へ横移載により取り出される出庫ポートとして機能する他の棚部分を含む、上下方向に配列された複数の棚部分、並びに(III)前記一の棚部分を前記外側及び前記内側へ選択的に水平移動させる外内移動手段を備える保管庫と、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能であると共に横移載可能な搬送車との間で、前記一の荷の入庫及び前記他の荷の出庫を連続して行う入出庫方法であって、前記一の荷を入庫すべき場合に、前記一の棚部分を前記外側へ水平移動させるように、前記外内移動手段を制御する第1制御工程と、該第1制御工程に続いて前記一の荷が前記一の棚部分に載置された後に、前記一の棚部分を前記内側へ水平移動させるように前記外内移動手段を制御する第2制御工程とを備える。
本発明の第1入出庫方法によれば、上述した本発明の第1保管庫と同様に、入庫すべき一の荷及び出庫すべき他の荷を一時的に取り置きすることなく、直接に搬送車から入庫ポートへ又は出庫ポートから搬送車へ移載する。故に、比較的簡単な構成により、効率良く入出庫することができる。
尚、本発明の第1入出庫方法においても、上述した本発明の第1保管庫における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の第1入出庫方法の一態様では、前記保管庫は、前記一の荷及び前記他の荷を夫々その底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、該載置部を、前記複数の棚部分の相互間で移動可能である駆動手段とを更に備え、前記一の荷を入庫すべき場合に、前記第2制御工程によって前記一の棚部分が前記内側へ水平移動された後に、前記載置部により前記一の荷を前記一の棚部分から前記複数の棚部分のうち前記一の棚部分以外の棚部分へ移動させるように前記駆動手段を制御する第3制御工程と、前記他の荷を出庫すべき場合に、前記第1から第3制御工程と相前後して、前記載置部により前記他の荷を前記複数の棚部分のうち前記他の棚部分以外の棚部分から前記他の棚部分へ移動させるように前記駆動手段を制御する第4制御工程とを更に備える。
この態様によれば、第3制御工程により、駆動手段を用いて、第1載置面を有する載置部を複数の棚部分の相互間で移動させることで、入庫時及び出庫時の保管庫内搬送が可能である。該保管庫内搬送において、具体的には、一の棚部分が筐体又はフレームの内側へ水平移動された後に、一の棚部分に載置されている一の荷が、一の棚部分以外の棚部分へ移動される。一の棚部分以外の棚部分が、例えば保管用棚部分である場合に、入庫された一の荷が当該保管庫内に少なくとも一時的に収容される。また、出庫の際に、他の荷が複数の棚部分のうち他の棚部分以外の棚部分から他の棚部分へ移動される。他の棚部分以外の棚部分が、例えば保管用棚部分である場合に、当該保管庫内に収容されていた他の荷が出庫ポートに載置される。このような出庫準備が入庫よりも前に行われた場合に、入庫を終えた直後に、搬送車により他の荷が出庫可能である。これにより、出庫動作をより効率化することができる。
本発明の第2入出庫方向は上記課題を解決するために、(I)筐体又はフレーム、(II
)該筐体又はフレーム内に配置され且つ一の荷及び他の荷を収容若しくは載置可能であり、(i)前記筐体の外壁又は前記フレームの外枠に設けられた一の出入口を介して前記筐体又は前記フレームの内側並びに外側間で前記他の荷が載置された状態で水平移動可能に構成されており、前記外側へ移動された際に前記搬送車へ前記他の荷が縦載置により取り上げられる出庫ポートとして機能する一の棚部分及び(ii)該一の棚部分よりも上方に位置しており、前記外壁又は前記外枠に設けられた他の出入口を介して、前記一の荷が搬送車から横移載により入れ置かれる入庫ポートとして機能する他の棚部分を含む、上下方向に配列された複数の棚部分、並びに(III)前記一の棚部分を前記外側及び前記内側へ選択的に水平移動させる外内移動手段を備える保管庫と、前記一の荷の入庫及び他の荷の出庫が、前記一の荷及び前記他の荷を夫々昇降可能であると共に横移載可能な前記搬送車との間で、前記一の荷の入庫及び前記他の荷の出庫を連続して行う入出庫方法であって、前記他の荷を出庫すべき場合に、前記他の荷が載置された状態で前記一の棚部分を前記外側へ水平移動させるように、前記外内移動手段を制御する第1制御工程と、該第1制御工程に続いて前記他の荷が取り上げられた後に、前記一の棚部分を前記内側へ水平移動させるように前記外内移動手段を制御する第2制御工程とを備える。
本発明の第2入出庫方法によれば、上述した本発明の第2保管庫と同様に、入庫すべき一の荷及び出庫すべき他の荷を一時的に取り置きすることなく、直接に搬送車から入庫ポートへ又は出庫ポートから搬送車へ移載する。故に、比較的簡単な構成により、効率良く入出庫することができる。
尚、本発明の第2入出庫方法においても、上述した本発明の第2保管庫における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る保管庫の構成について図1から図5を参照して説明する。
先ず、保管庫を有する搬送システムの概要について図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る保管庫を備える搬送システムの外観を示す。
図1において、搬送システム100は、レール1、ビークル2、ストッカ10、及びコントローラ20を備える。搬送システム100は、ビークル2を駆動して、レール1上でFOUP3の搬送を行う。レール1は、ビークル2が走行するための軌道の役割を果たす。
ビークル2は、本発明に係る「搬送車」の一例として、例えばリニアモータにより駆動されるOHT(Overhead Hoist Transport)(天井走行車)であり、ストッカ10や図示しない製造装置、OHTバッファ、大型ストッカ等に、FOUP3を搬送する。ビークル2は、本体部2aと、上下移動部5と、水平移動部6とを備えており、入庫すべきFOUP3の縦移載、及び出庫すべきFOUP3の横移載を可能とする。
本体部2aは、内部に、上下移動部5と、水平移動部6とを配置している。上下移動部5は、水平移動部6の下部に、水平移動可能に取り付けられている。本体部2aにおいて、上下移動部5の下方には、FOUP3を収容可能な空間が設けられている。本体部2aは、該空間の下方の底面、及び該空間の一側方の側面(即ち、図1におけるビークル2の左側面)を夫々開放しており、収容しているFOUP3の上下移動及び水平移動が可能である。
次に図2及び図3を参照して、図1に示した保管庫の内部構成について説明する。ここに図2は、図1の保管庫の内部構造を、搬送車による縦移載の動作状態と共に模式的に示し、図3は、この内部構造を、搬送車による横移載の動作状態と共に模式的に示す。
図2及び図3において、上下移動部5は、ホイスト5aと、ベルト5bと、グリッパ5cとを備える。ホイスト5aは、図示しないモータを備え、このモータの制御により、ベルト5bを繰り出す又は巻き上げる動作を行う。ベルト5bにおいて、一端がホイスト5aの図示しない巻き軸に固着されており、他端がグリッパ5cの上面に固定されている。グリッパ5cは、FOUP3の上部に取り付けられたフランジ4を把持可能に、両端部が内側に向けて屈曲されている。グリッパ5cは、フランジ4を把持する把持状態と、フランジ4を解放する解放状態との間で変位可能である。ホイスト5aは、ベルト5bの繰り出し又は巻き上げ動作により、グリッパ5cを上下移動させる。ビークル2は、グリッパ5cの入庫又は出庫ポートに対する位置(例えば、水平二方向及び回転方向についての位置)を微調整する調整機構を更に備えていてもよい。
水平移動部6は、本体部6aと、レール6bと、図示しないモータ或いはアクチュエータとを備える。本体部6aの底面には、図示しない凹部が形成されており、該凹部にレール6bが嵌合されている。レール6bは、長手方向がレール1と直交する水平方向と平行になるように配置されており、本体部6aにより該水平方向へ移動される。該レール6bの下部には、上下移動部5の上部が嵌合されており、上下移動部5がレール6bに沿って移動される。
ビークル2は、ストッカ10との間で、入庫すべきFOUP3の入庫及び/又は出庫すべきFOUP3の出庫を行う際に、ストッカ10における入庫ポートP1の上方であって出庫ポートP4の側方に停止される。この場合、入庫の際に、図2に示すように、上下移動部5は、把持状態のグリッパ5cを下降させ、グリッパ5cにより、把持状態にあるFOUP3を、その底面が入庫ポートP1に接触された位置で解放させることで、入庫すべきFOUP3を入庫ポートP1に載置(即ち、縦移載)する。また、出庫の際に、図3に示すように、水平移動部6は、レール6bの水平移動、及びレール6bに沿った上下移動部5の移動により、ホイスト5aを出庫ポートP4の上方に水平移動させる。更に、上下移動部5は、該移動された位置から、解放状態のグリッパ5cを下降させ、グリッパ5cにより出庫ポートP4に載置されているFOUP3を把持させることで、出庫すべきFOUP3を出庫ポートP4から取り出す(即ち、横移載する)。本実施形態では、ビークル2は、このような入庫動作及び出庫動作を連続して行う。
FOUP3は、本発明に係る「一の荷」及び「他の荷」の一例として、ストッカ10内で、ビークル2との間の入庫及び出庫、並びに保管位置の調整等のために搬送(即ち保管内搬送)される。
次に、図4及び図5を参照して、FOUPを載置部間で受け渡しする構造及び動作について説明する。ここに図4は、第1実施形態に係る第1及び第2載置面の、荷に対する係合状態を示し、図5は、実施形態に係る載置部の水平一方向への動作状態を示す。
図4及び図5に示すように、FOUP3は、底面に、凹部5及び凹部6を有している。凹部5は、後述の棚部分15に設けられた凸部16に対応するサイズに形成されている。一方、凹部6は、後述の載置部11に設けられた凸部12に対応するサイズに形成されている。
再び図1において、コントローラ20は、例えば半導体素子製造の工程スケジュールに基づいて、ストッカ10に対して、FOUP3の出入庫(保管庫内搬送)を指示する。この指示に応答して、ストッカ10が駆動され、ビークル2により搬送されるFOUP3に各種処理が施されることで、半導体素子が製造される。
(保管庫単体)
次に図2から図4を参照して保管庫単体の構造及び動作について、説明を加える。ストッカ10は、本発明に係る「保管庫」の一例として、レール1に隣接して敷設され、FOUP3を複数保管する。本実施形態では、ストッカ10は、ビークル2との間で、入庫すべき荷の入庫動作、及び出庫すべき荷の出庫動作を連続して行う。
図2において、ストッカ10は、本体部10aと、保管庫内搬送装置19と、複数の棚部分15と、スライド部21とを備える。保管庫内搬送装置19は、載置部11と、水平駆動部13と、鉛直駆動部14とを有し、コントローラ20の制御により、複数の棚部分15の間でFOUP3を移載する。
本体部10aは、本発明に係る「筐体又はフレーム」の一例として、FOUP3が入出庫可能に開放されている。具体的には、本体部10aには、入庫すべきFOUP3を本体部10a内へ取り込むための開口H1、及び出庫すべきFOUP3を本体部10a外へ取り出すための開口H2が形成されている。開口H1は、本発明に係る「一の出入口」の一例として、レール1側の側壁に設けられ、開口H2は、本発明に係る「他の出入口」の一例として、レール1側の側壁及び該側壁に続く天壁の一部に設けられている。尚、開口H2は、出庫ポートの周囲が大きく切りかかれているが、ビークル2が横移載により荷を取り上げ可能である限りにおいて、出庫ポートの周囲が壁で囲まれていてもかまわない。
載置部11は、複数の棚部分15の間でFOUP3を移載するために、水平駆動部13により水平一方向に、且つ鉛直駆動部14により鉛直方向に移動される。載置部11は、上面に第1載置面11aを有している。第1載置面11aは、移載時に、FOUP3の底面に接触し、FOUP3をその底側から支持する。第1載置面11aには、支持部材として、凸部12が形成されている。図4(b)に示すように、凸部12は、FOUP3の凹部6に対応するサイズに形成されており、移載時に、この凹部6に係合される。
再び図2において、水平駆動部13は、本発明に係る「駆動手段」の一例として、例えば図示しないモータにより、水平一方向に延びる水平ガイド17上で、駆動される。水平駆動部13は、載置部11と連結されており、載置部11を水平ガイド17に沿って、水平一方向D1に往復移動させる。
鉛直駆動部14は、本発明に係る「駆動手段」の一例として、例えば図示しないモータにより、鉛直方向に延びる鉛直ガイド18上で、駆動される。鉛直駆動部14には、水平ガイド17の中央部が固定されている。鉛直駆動部14は、この水平ガイド17を鉛直ガイド18に沿って、鉛直方向D2に往復移動させる。この往復移動時に、載置部11は、水平ガイド17の中央部に位置する。このように、載置部11は、水平駆動部13及び鉛直駆動部14により、鉛直方向及び水平一方向の2軸方向に移動される。
複数の棚部分15は、鉛直方向に7段、各段における水平一方向に2列、且つ各段における厚み方向に1列として、合計14個の棚部分から構成されている。各棚部分15は、上面に第2載置面15aを有しており、この第2載置面15aに、FOUP3が載置される。第2載置面15aには、支持部材として、凸部16が形成されている。図4(a)に示すように、凸部16は、FOUP3の凹部5に対応するサイズに形成されており、載置(保管)時に、この凹部5に係合される。
再び図2において、14個の棚部分15のうち1つの棚部分(言い換えれば、これが有する第2載置面15a)は、本体部10aの外側及び内側へ水平移動可能に構成されている。該1つの棚部分は、本体部10aの外側に位置する時に、ビークル2からFOUP3を受け取るための入庫ポートP1として機能する入庫用棚部分I15である。入庫用棚部分I15は、上から2段目にある2つの棚部分15のうち、開口H1に近接する棚部分(即ち、図2における二点鎖線P1内)である。
入庫用棚部分I15を除いた13個の棚部分15のうち1つの棚部分は、ビークル2へFOUP3を受け渡すための出庫ポートP4として機能する出庫用棚部分O15である。出庫用棚部分O15は、最上段にある2つの棚部分のうち、開口H2に近接する棚部分(即ち、図2における二点鎖線P4内)である。
スライド部21は、本発明に係る「外内移動手段」の一例として、入庫用棚部分15を、本体部10aの外側に配置する入庫位置(即ち、図2において実線で示される)、及び本体部10aの内側に配置する搬送位置(即ち、図2において点線で示される)との間で水平移動させる。スライド部21は、本体部21aと、支持部21bとを備える。本体部21aは、不図示のアクチュエータを備えており、支持部21bを、レール1と直交する水平方向に移動させる。支持部21bの上面は、入庫用棚部分I15の底面に固着されており、入庫用棚部分I15をその底側から支持する。スライド部21は、入庫の際に、支持部21bを本体部10aの外側へ移動させることで、入庫用棚部分I15を入庫位置に変位させ、入庫ポートP1を設定する。スライド部21は、入庫すべきFOUP3が入庫位置にある入庫用棚部分I15に載置された(言い換えれば、入庫ポートP1に入庫された)後に、支持部21bを本体部10aの内側へ移動させることで、入庫用棚部分I15を搬送位置に変位させ、入庫されたFOUP3を保管庫内搬送可能な状態とする。
コントローラ20は、本発明に係る「制御手段」の一例として、入庫しようとする際に、入庫用棚部分I15が搬送位置にある場合に、スライド部21を制御して、入庫用棚部分I15を入庫位置に移動させる。これにより、入庫すべきFOUP3が、ビークル2から入庫用棚部分I15(言い換えれば、入庫ポートP1)に移載可能な状態となる。また、コントローラ20は、入庫(即ち、入庫すべきFOUP3が入庫用棚部分I15上に載置された)の後に、スライド部21を制御して、入庫用棚部分I15を搬送位置に移動させる。これにより、入庫されたFOUP3が、入庫用棚部分I15を含む全ての棚部分15間で相互に保管庫内搬送可能な状態となる。
入庫用棚部分I15及び出庫用棚部分O15を除いた他の12個の棚部分15は、FOUP3を保管するための保管用棚部分15(即ち、図2における、例えば二点鎖線P5内)である。コントローラ20は、入庫用棚部分I15を搬送位置に移動させた後に、入庫用棚部分I15に載置されているFOUP3を、保管用棚部分15のいずれかに移載し、ストッカ10内に収容する。
コントローラ20は、入庫に続いて出庫しようとする際に、入庫すべきFOUP3がビークル2から入庫用棚部分I15に移載されるまでに、保管庫内搬送装置19を制御して、載置部11を所望の保管用棚部分15から出庫ポートP4に移動させ、出庫すべきFOUP3を出庫用棚部分O15に載置する。これにより、出庫すべきFOUP3が、出庫用棚部分O15(言い換えれば、出庫ポートP4)からビークル2へ移載可能な状態となる。この後、コントローラ20は、ビークル2を制御して、出庫すべきFOUP3を出庫ポートP4からビークル2へ移載させる。この際に、出庫すべきFOUP3が、入庫用棚部分I15よりも上方に位置する保管用棚部分15のどれよりも短時間で、出庫ポートP4からビークル2の本体部2a内に移動される。このように、出庫ポートP4は、ストッカ10に対応する停止位置に停止されたビークル2に近い方が、迅速な出庫作業を行う上で有利である。
ストッカ10の配置について、入庫ポートP1がレール1の下方に、且つ出庫ポートP4がレール1と入庫ポートP1との間の空間よりも側方に配置される。より詳細には、載置部11が移動される水平一方向の方位が、レール1の方位に対して直角に交わる。
次に、本実施形態に係る第1及び第2載置面の形体について図5(a)を参照して説明する。図5(a)は、具体的には、図2におけるA1−A1断面に相当しており、ストッカ10の上から2段目に設置される、2列の棚部分15(第2載置面15a)を示している。該2列の棚部分15のうち1列の棚部分15は、入庫用棚部分I15である。
図5(a)に示すように、ストッカ10の上面側から視て、第2載置面15aは、馬蹄のようにU字形に形成され、第1載置面11aは、そのU字形の中央を埋める島のように形成されている。従って、第1及び第2載置面11a,15aは、相互に相補の平面形状を有している。このような第1及び第2載置面11a,15aの間で、FOUP3の移載が行われる。
尚、図4及び図5(a)に示した例では、平面的に見て、第1載置面11aの方が、第2載置面15aの内側に位置しており、外径が小さい。しかしながら、逆に、第1載置面11aの方が、第2載置面15aの外側に位置しており、外径が大きくなるように両者は、構成されてもよい。この場合、図5(a)に示される第1及び第2載置面の形体の変形例として、図5(b)に示すように、例えばストッカ30の上面側から視て、第1載置面31aが馬蹄のようにU字形に形成され、第2載置面35aが、そのU字形の中央を埋める島のような形状に形成されている。このように、上下左右に移動される第1載置面31aを大きくした方が、FOUP3を載置部31に載せての保管庫内搬送の際における安定性が増し、FOUP3の落下防止やガタツキ防止に役立つ。
(保管庫内搬送動作)
次に、本実施形態に係る保管庫内の荷の移載、即ち保管庫内搬送の動作について、引き続き図2から図5を参照して説明する。
図2及び図5において、ビークル2により、本体部10aの外側(即ち、入庫位置)にある入庫用棚部分15の第2載置面15aに載置されたFOUP3を、同段のもう1つの第2載置面15a(即ち、図2における二点鎖線で示すエリアP5内)に移載する。この場合に、先ず、スライド部21により、入庫位置にある入庫用棚部分I15(即ち、図5(a)において二点鎖線で示される)が内側に移動され、保管庫内搬送可能な状態(即ち、図5(a)において実線で示される)となる。続いて、エリアP2(即ち、図2において二点鎖線で示される)内の第2載置面15aへのFOUP3の移載を終えた載置部11(即ち、図2において破線で示される)が、入庫用棚部分I15の第2載置面15aの直下に移動される。この際、載置部11が、水平駆動部13により水平ガイド17の略中央に移動された後、鉛直駆動部14により鉛直ガイド18に沿って所定の鉛直位置に移動される。この所定の鉛直位置は、本体部10aの内側(即ち、搬送位置)にある入庫用棚部分I15の第2載置面15aよりも下方である。この後、所定の鉛直位置にある載置部11が、水平駆動部13により水平ガイド17に沿って所定の水平位置(即ち、図2において実線で示される)に移動される。図4(a)に示すように、この所定の水平位置は、FOUP3の凹部6の鉛直下方向に、載置部11の凸部12が存在する位置である。
所定の鉛直位置且つ水平位置に移動された載置部11は、鉛直駆動部14により上昇される。この上昇により、第1載置面11aが第2載置部15aの中央を通過して、図4(b)に示すように、第2載置面15aよりも高くなる。この時、入庫ポートP1における凹部5及び凸部16の係合が外れ、第2載置面15aに代わって、第1載置面11aでFOUP3が支持されると共に、載置部11の凸部12及びFOUP3の凹部6が相互に係合されることで、FOUP3が第2載置面15aから第1載置面11aへ移載される。
FOUP3が移載された載置部11は、エリアP5内の第2載置面15aの直上に移動される。この際、載置部11が、水平駆動部13により水平一方向の所定の水平位置に移動される。この所定の水平位置は、エリアP5内の第2載置面15aの凸部16の鉛直上方向に、FOUP3の凹部5が存在する位置である。所定の水平位置に移動された載置部11は、鉛直駆動部14により下降される。この下降により、第1載置面11aがエリアP2の第2載置部15aの中央を通過して、図4(a)に示すように、第2載置面15aよりも低くなる。この時、エリアP5における凸部12及び凹部6の係合が外れ、第1載置面11aに代わって、第2載置面15aでFOUP3が支持されると共に、FOUP3の凹部5及び第2載置面15aの凸部16が相互に係合されることで、FOUP3が第1載置面11aから、エリアP5の第2載置面15aへ移載される。これにより、入庫ポートP1(即ち、入庫位置にある入庫用棚部分I15)からエリアP5(即ち、保管用棚部分15)へのFOUP3の移載動作が完了される。尚、この移載工程を逆の順序で行えば、エリアP5から入庫ポートP1への移載動作となる。
(第1実施形態の入出庫動作処理)
次に、本実施形態に係る保管庫の入出庫の動作について図6を参照して説明する。ここに図6は、本実施形態に係る保管庫の入出庫の動作処理を示すフローチャートである。尚、入庫用棚部分は、初期設定として、本体部10aの外側の入庫位置にあることとする。
図6において、先ず、コントローラ20により、半導体素子製造の工程スケジュールに基づいて、ストッカ10から、出庫の要求が有るか否かが判定される(ステップS31)。ここで要求が無いと判定された場合に(ステップS31:NO)、ステップS32及びS33による出庫準備が省かれ、ステップS34の処理が実行される。
一方、ステップS31の判定の結果、出庫の要求が有ると判定された場合に(ステップS31:YES)、保管庫内搬送装置19により、エリアP2の保管用棚部分15に保管されている出庫すべきFOUP3が、載置部11に移載される(即ち、保管用棚部分15から取り出される)(ステップS32)。続いて、出庫すべきFOUP3を載置した状態にある載置部11が、出庫ポートP4へ移動されると、出庫すべきFOUP3が載置部11から出庫ポートP4(即ち、出庫用棚部分O15)に移載される(ステップS33)。
次に、ストッカ10に対応する停止位置にビークル2が到着したか否かが判定されると共に、到着したビークル2が入庫可能であるか又は出庫可能であるかが判定される(ステップS34)。ここでビークル2が到着しないと判定された場合に(ステップS34:未着)、再びステップS31の処理が実行される。
一方、ステップS34の判定の結果、ビークル2が入庫すべきFOUP3を把持しておらず、出庫可能であると判定された場合に(ステップS34:出庫ビークル)、ステップS38の処理が実行される。他方、ビークル2が入庫すべきFOUP3を把持しており、入庫可能であると判定された場合に(ステップS34:入庫ビークル)、ビークル2による縦移載により、入庫すべきFOUP3がビークル2から入庫ポートP1(即ち、入庫位置にある入庫用棚部分I15)に移載される(ステップS35)。続いて、スライド部21により、入庫用棚部分I15が本体部10aの内側の搬送位置に移動されると、入庫されたFOUP3が保管庫内搬送可能な位置に水平移動される(ステップS36)。
次に、出庫すべきFOUP3が出庫ポートP4にあるか否かが判定される(ステップS37)。ここで出庫すべきFOUP3が無い場合に(ステップS37:NO)、ステップS40の処理が実行される。一方、出庫すべきFOUP3が在る場合に(ステップS37:YES)、ビークル2による横移載により、出庫すべきFOUP3が、出庫ポートP4からビークル2へ移載される(ステップS38)。
次に、入庫されたFOUP3が、搬送位置にある入庫用棚部分I15にあるか否かが判定される(ステップS39)。ここで入庫されたFOUP3が無い場合に(ステップS39:NO)、一連の入出庫動作処理が終了され、再びステップS31の処理が実行される。一方、入庫されたFOUP3が未だ在る場合に(ステップS39:YES)、保管庫内搬送装置19により、搬送位置にある入庫用棚部分I15に載置されている、入庫されたFOUP3が、載置部11に移載される(即ち、入庫用棚部分I15から取り出される)(ステップS40)。続いて、入庫されたFOUP3を載置した状態にある載置部11が、エリアP2へ移動されると、入庫されたFOUP3が載置部11から保管用棚部分15に移載(収容)される(ステップS41)。これにより、一連の入出庫動作処理が終了される。
このように、第1実施形態のストッカ10によれば、開口H1及び開口H2が設けられた本体部10aと、入庫用棚部分I15及び該入庫用棚部分I15よりも上方に位置する出庫用棚部分O15を含む複数の棚部分15と、入庫用棚部分I15を本体部10aの外側及び内側へ移動させるスライド部21とを備える。このようなストッカ10では、入庫の際に、無載置の入庫用棚部分I15を、本体部10aの内側から開口H1を介して該外側へ移動させ或いは移動させたままとすることで、ビークル2による縦移載により、入庫すべきFOUP3を、ビークル2から入庫用棚部分I15に載置するのが可能である。また、出庫の際に、ビークル2による横移載により、出庫すべきFOUP3を、出庫用棚部分O15から開口H2を介してビークル2へ取り出すのが可能である。このような縦移載及び横移載可能なビークル2との間で連続して行われる入出庫動作において、入庫すべきFOUP3及び出庫すべきFOUP3を一時的に取り置きすることなく、直接にビークル2から入庫ポートP1(即ち、入庫位置にある入庫用棚部分I15)へ又は出庫ポートP4(即ち、出庫用棚部分O15)からビークル2へ移載する。故に、比較的簡単な構成により、効率良く入出庫することができる。
尚、本実施形態によれば、入庫ポートP1をレール1の下方に、出庫ポートP4をレール1と入庫ポートP1との間の空間よりも側方に配置するが、入庫ポートP1の代わりに、出庫ポートP4をレール1の下方に、出庫ポートP4の代わりに、入庫ポートP1を該空間よりも側方に配置してもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る保管庫の構成について図7を参照して説明する。ここに図7は、第2実施形態に係る保管庫の内部構造を模式的に示す、図2と同趣旨の断面図である。具体的に、第2実施形態では、図2に示される入庫ポートP1を、出庫ポートに設定すると共に、図2に示される出庫ポートP4を、入庫ポートに設定する点が第1実施形態と異なる。尚、図7に示される保管庫において、図2に示される保管庫と同等に構成される要素について、同一の番号を付し、その説明を省略する。
図7において、搬送システム200は、レール1、ビークル2、ストッカ110、及びコントローラ120を備える。ストッカ110は、本体部110aと、保管庫内搬送装置19と、複数の棚部分115と、スライド部121を備える。保管庫内搬送装置19は、載置部11と、水平駆動部13と、鉛直駆動部14とを有し、コントローラ120の制御により、複数の棚部分115の間でFOUP3を移載する。
本体部110aは、図2に示されるストッカ10と同様に、FOUP3が入出庫可能に開放されている。具体的には、本体部10aには、出庫すべきFOUP3を本体部10a外へ送り出すための開口H11、及び入庫すべきFOUP3を本体部10a内へ入れ置くための開口H12が形成されている。
複数の棚部分115は、図2に示されるストッカ10と同様に、14個の棚部分15から構成されている。
14個の棚部分15のうち1つの棚部分は、本体部10aの外側及び内側へ水平移動可能に構成されている。該1つの棚部分は、本体部10aの外側に位置する時に、ビークル2へFOUP3を受け渡すための出庫ポートP14として機能する出庫用棚部分O115である。出庫用棚部分O115は、上から2段目にある2つの棚部分15のうち、開口H1に近接する棚部分(即ち、図7における二点鎖線P14内)である。
出庫用棚部分O115を除いた13個の棚部分15のうち1つの棚部分は、ビークル2からFOUP3を受け取るための入庫ポートP11として機能する入庫用棚部分I115である。入庫用棚部分I115は、最上段にある2つの棚部分のうち、開口H2に近接する棚部分(即ち、図7における二点鎖線P11内)である。
スライド部121は、出庫用棚部分O115を、本体部110aの外側に配置する出庫位置(即ち、図7において実線で示される)、及び本体部110aの内側に配置する搬送位置(即ち、図7において点線で示される)との間で水平移動させる。
コントローラ120は、出庫しようとする際に、出庫用棚部分O115が未だ無載置の状態で搬送位置にある場合に、保管庫内搬送装置19を制御して、出庫すべきFOUP3を搬送位置にある出庫用棚部分O115に載置させる。すると、スライド部121を制御して、出庫すべきFOUP3が載置された出庫用棚部分I15を出庫位置に移動させる。これにより、出庫すべきFOUP3が、出庫用棚部分O115(言い換えれば、出庫ポートP14)からビークル2へ移載可能な状態となる。また、コントローラ120は、出庫(即ち、出庫すべきFOUP3が出庫用棚部分O115から取り上げられた)の後に、スライド部121を制御して、出庫用棚部分O115を搬送位置に移動させる。これにより、次回に出庫すべきFOUP3が、出庫用棚部分I15に載置可能な状態となる。
コントローラ120は特に、入庫に続いて出庫しようとする際に、入庫すべきFOUP3がビークル2から入庫用棚部分I115に移載されるまでに、保管庫内搬送装置19を制御して、載置部11を、所望の保管用棚部分15から搬送位置にある出庫用棚部分O115に移動させ、出庫すべきFOUP3を該出庫用棚部分O115に載置させる。更には、スライド部121を制御して、出庫すべきFOUP3が載置された出庫用棚部分I15を搬送位置から出庫位置に移動させる。
(第2実施形態の入出庫動作処理)
次に、本実施形態に係る保管庫の入出庫の動作について図8を参照して説明する。ここに図8は、本実施形態に係る保管庫の入出庫の動作処理を示すフローチャートである。
図8において、先ず、図6に示されるステップS31と同様に、コントローラ120により、半導体素子製造の工程スケジュールに基づいて、ストッカ110から、出庫の要求が有るか否かが判定される(ステップS51)。ここで要求が無いと判定された場合に(ステップS51:NO)、ステップS52〜S54による出庫準備が省かれ、ステップS55の処理が実行される。
一方、ステップS51の判定の結果、出庫の要求が有ると判定された場合に(ステップS51:YES)、保管庫内搬送装置19により、エリアP2の保管用棚部分115に保管されている出庫すべきFOUP3が、載置部11に移載される(即ち、保管用棚部分15から取り出される)(ステップS52)。続いて、出庫すべきFOUP3を載置した状態にある載置部11が、本体部110aの内側の搬送位置にある出庫用棚部分O115に移動されると、出庫すべきFOUP3が載置部11から出庫用棚部分O115に移載される(ステップS53)。続いて、スライド部121により、出庫用棚部分O115が本体部110aの外側の出庫位置に水平移動されると、(ステップS54)。
次に、ストッカ110に対応する停止位置にビークル2が到着したか否かが判定されると共に、到着したビークル2が入庫可能であるか又は出庫可能であるかが判定される(ステップS55)。ここでビークル2が到着しないと判定された場合に(ステップS55:未着)、再びステップS51の処理が実行される。
一方、ステップS55の判定の結果、ビークル2が入庫すべきFOUP3を把持しておらず、出庫可能であると判定された場合に(ステップS55:出庫ビークル)、ステップS58の処理が実行される。他方、ビークル2が入庫すべきFOUP3を把持しており、入庫可能であると判定された場合に(ステップS55:入庫ビークル)、ビークル2による横移載により、入庫すべきFOUP3がビークル2から入庫ポートP11(即ち、入庫用棚部分I115)に移載される(ステップS56)。
次に、出庫すべきFOUP3が、出庫位置にある出庫用棚部分O115にあるか否かが判定される(ステップS57)。ここで出庫すべきFOUP3が無い場合に(ステップS57:NO)、ステップS61の処理が実行される。一方、出庫すべきFOUP3が在る場合に(ステップS57:YES)、ビークル2による縦移載により、出庫すべきFOUP3が、出庫ポートP14(即ち、出庫位置にある出庫用棚部分O115)からビークル2へ移載される(ステップS58)。続いて、スライド部21により、出庫用棚部分O115が搬送位置に水平移動される(ステップS59)。
次に、入庫されたFOUP3が、入庫ポートP11(即ち、入庫用棚部分I115)にあるか否かが判定される(ステップS60)。ここで入庫されたFOUP3が無い場合に(ステップS60:NO)、一連の入出庫動作処理が終了され、再びステップS51の処理が実行される。一方、入庫されたFOUP3が未だ在る場合に(ステップS60:YES)、保管庫内搬送装置19により、入庫ポートP11に載置されている、入庫されたFOUP3が、載置部11に移載される(即ち、入庫用棚部分I115から取り出される)(ステップS61)。続いて、入庫されたFOUP3を載置した状態にある載置部11が、エリアP2へ移動されると、入庫されたFOUP3が載置部11から保管用棚部分15に移載(収容)される(ステップS62)。これにより、一連の入出庫動作処理が終了される。
このように、第2実施形態のストッカ110によれば、開口H1及び開口H2が設けられた本体部10aと、出庫用棚部分O115及び該出庫用棚部分O115よりも上方に位置する入庫用棚部分I115を含む複数の棚部分115と、出庫用棚部分O115を本体部110aの外側及び内側へ移動させるスライド部121とを備える。このようなストッカ110では、入庫の際に、ビークル2による横移載により、入庫すべきFOUP3を、ビークル2から開口H2を介して入庫用棚部分I115に入れ置くのが可能である。また、出庫の際に、出庫すべきFOUP3が載置された状態の出庫用棚部分O115を、本体部110aの内側から開口H1を介して該外側へ移動させ或いは移動させたままとすることで、ビークル2による縦移載により、出庫すべきFOUP3を、出庫ポートからビークル2へ取り上げるのが可能である。このような縦移載及び横移載可能なビークル2との間で連続して行われる入出庫動作において、入庫すべきFOUP3及び出庫すべきFOUP3を一時的に取り置きすることなく、直接にビークル2から入庫ポートP11(即ち、入庫用棚部分I115)へ又は出庫ポートP14(即ち、出庫位置にある出庫用棚部分O115)からビークル2へ移載する。故に、比較的簡単な構成により、効率良く入出庫することができる。
尚、上述した第1実施形態と第2実施形態とを同一の保管庫において、選択的に実行することも可能である。例えば、現在要求される入出庫の内容、保管庫内における載置部11の空き若しくは載置の状況、出庫ポート又は入庫ポートの空き若しくは載置の状況などに応じて、複数の棚部分のうち上から2段目において開口H1に面する水平移動される棚部分を適宜に入庫ポートとして又は出庫ポートとして利用してもよい。更に、このような状況等に応じて、最上段において開口H2に面する棚部分を適宜に入庫ポートとして又は出庫ポートとして利用してもよい。特に、多数の保管庫及び多数の搬送車を含んでなる搬送システムにおいては、このような入庫又は出庫ポートの使い分けによって、搬送効率の一層の向上が可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う入出庫方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…レール、2…ビークル(天井走行車)、3…FOUP(荷)、10…ストッカ(保管庫)、20…コントローラ、21…スライド部、11…載置部、13…水平駆動部、14…鉛直駆動部、15…棚部分、100…搬送システム