JP5228213B2 - 液状潤滑剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、防錆性、低温特性、付着性、塗布性に優れ、特に屋内外の多段式立体駐車装置、搬送設備等の開放系環境下でのチェーン部に使用する際に好適な液状潤滑剤組成物に関する。
一般に、鉱物油を基油とした液状潤滑剤は、低温流動性が比較的悪く、しばしば摺動部の作動不良を引き起こす。そのため、この種の液状潤滑剤は、開放系環境下におけるチェーン部に少量塗布して使用される潤滑剤として商品化されている。しかし、これらの鉱物油を基油とした液状潤滑剤の中には、塗布量が少量であるが故に、防錆性が十分でないものが多かった。
このような防錆性が十分でないとされている液状潤滑剤を使用する場合、錆の発生によるチェーン部の作動不良を防止するために、メンテナンス期間を短くしている。しかし、メンテナンス期間を短くすると、メンテナンス作業が煩雑になるうえ、液状潤滑剤のトータル使用量が多くなるという問題が生じるため、より一層防錆性に優れた液状潤滑剤が求められている。
また、開放系環境下でのチェーン部などの潤滑箇所には、従来から潤滑剤として液状潤滑剤あるいはグリースを塗布して潤滑を行ってきた。しかし、液状潤滑剤は、温度や使用条件などによっては、潤滑箇所からの飛散、垂れ落ちなどが発生しやすいため、周囲の環境を汚染するという問題があった。
特に一般のマンションや公共設備など幅広く普及している立体駐車設備では、自動給油機を用いてチェーン部のメンテナンスを実施した場合、自動給油中に潤滑剤の飛散や垂れ落ちが生じると甚大な被害が発生することがある。そのため、現状では自動給油機によらず、定期的な刷毛塗りによる確実なメンテナンスが求められている。
尚、グリースもJIS稠度が軟らかいほど液状潤滑剤に似通った性質を有し、同様に飛散や垂れ落ちの問題点を有するが、例えばウレタンプレポリマー及び芳香族ポリアミンを含有することで、飛散や垂れ落ちの問題を改善することが提案されている(特開平6−172770号公報)。しかし、液状潤滑剤では、有効な改善策が何ら提案されていないのが現状である。
特開平6−172770号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、防錆性、低温特性、付着性、塗布性に優れており、例えば屋内外の立体駐車装置や搬送設備等の開放系環境下におけるチェーン部での使用に好適な液状潤滑剤組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者は、基油成分として粘度の異なる2種類の炭化水素系合成油を使用すると共に、無機系増稠剤、固形パラフィン、有機金属系防錆剤、エステル系防錆剤、炭化水素系溶剤を配合することにより、液状潤滑剤組成物の防錆性、低温特性及び付着性が向上することを見出し、この知見に基づいて本発明の完成に至ったものである。
即ち、本発明の液状潤滑剤組成物は、基油、増稠剤、パラフィン及び防錆剤を含むグリースと、溶剤とからなる液状潤滑剤組成物であって、炭化水素系合成油基油Aを35質量%以上49質量%以下、該炭化水素系合成油基油Aより高粘度の炭化水素系合成油基油Bを3.9質量%以上5.4質量%以下、無機系増稠剤を4.25質量%以上5.95質量%以下、固形パラフィンを0.5質量%以上2質量%以下、有機金属系防錆剤を1質量%以上5質量%以下、エステル系防錆剤を1質量%以上5質量%以下、炭化水素系溶剤を30質量%以上50質量%以下含むことを特徴とする。
本発明によれば、実機環境下においてもチェーン部に対して防錆性、低温特性、付着性、塗布性に優れた液状潤滑剤組成物を提供することができる。従って、本発明の液状潤滑剤組成物は、過酷な環境下で使用することができ、特に屋内外の立体駐車装置や搬送設備等の開放系環境下におけるチェーン部で用いられる液状潤滑剤として好適に使用することができる。
本発明の液状潤滑剤組成物は、粘度の異なる2種類の炭化水素系合成油を基油とし、この2種類の基油混合物を無機系増稠剤で増稠したグリースを、炭化水素系溶剤で希釈したものである。また、上記グリースあるいは本発明の液状潤滑剤組成物には、固形パラフィン、有機金属系防錆剤及びエステル系防錆剤が添加配合されている。
基油としては、低温特性に優れることから炭化水素系合成油からなる基油を用いる。また、用いる炭化水素系合成油基油は1種類でなく、2種類の粘度の異なるものを使用する。好ましい組み合わせとしては、炭化水素系合成油基油Aとしてα−オレフィンオリゴマーを用い、この炭化水素系合成油基油Aよりも高粘度の炭化水素系合成油基油Bとしてエチレン−α−オレフィンオリゴマーを用いることで、高粘度でありながら低温流動性を改善することができる。
液状潤滑剤組成物中の炭化水素系合成油基油Aの含有量は液状潤滑剤組成物全量の35質量%〜49質量%とすることが必要であり、また炭化水素系合成油基油Bの含有量は液状潤滑剤組成物全量の3.9質量%〜5.4質量%とすることが必要である。即ち、炭化水素系合成油基油A:炭化水素系合成油基油Bの配合比は、87:13から93:7とする。
上記炭化水素系合成油基油Aとして用いるα−オレフィンオリゴマーは、従来から基油として用いられてきたものでよく、特にJIS K 2283による100℃での動粘度が40mm/s程度のものが好適である。また、上記炭化水素系合成油基油Bとして用いるエチレン−α−オレフィンオリゴマーも、従来から基油として用いられてきたものでよく、特にJIS K 2283による100℃での動粘度が2000mm/s程度のものが好ましい。
上記炭化水素系合成油基油A:炭化水素系合成油基油Bの配合比に基づいて、α−オレフィンオリゴマー:エチレン−α−オレフィンオリゴマーの配合比を87:13から93:7の範囲とすることによって、混合粘度をJIS K 2283による40℃での動粘度が630〜1000mm/sとなるように調整することが好ましい。この混合粘度が630mm/sより低いと付着性が低下し、1000mm/sより高いと低温特性が悪くなるため好ましくない。
尚、液状潤滑剤組成物中の炭化水素系溶剤を除く各成分の比率は、目的や用途に応じて所定の一定値とすることが望ましい。なぜなら、炭化水素系溶剤が揮発した後に一定のJIS K 2220による稠度と成分比率を維持しなければ、防錆性及び付着性などの性能が得られなくなるからである。例えば、炭化水素系合成油基油の成分比率では、α−オレフィンオリゴマーの含有量が35質量%の場合はエチレン−α−オレフィンオリゴマーの含有量は3.9質量%となり、α−オレフィンオリゴマーの含有量が49質量%の場合にはエチレン−α−オレフィンオリゴマーの含有量は5.4質量%となる。
液状潤滑剤組成物で用いる無機系増稠剤としては、SiO化合物が挙げられる。好ましいSiO化合物の具体例としては、フュームドシリカなどの乾式シリカや、シリカゾルなどの湿式シリカを挙げることができる。その中でも、結晶表面をメチル基で表面処理した疎水性のSiO化合物が特に好ましい。
上記無機系増稠剤の配合量は、液状潤滑剤組成物全量の4.25質量%〜5.95質量%とする。無機系増稠剤の配合量が4.25質量%よりも少ないと、例えば炭化水素系溶剤の配合量が50質量%の場合、炭化水素系溶剤を除いた配合成分のJIS K 2220による稠度が軟らかくなり、飛散及び垂れ落ちの恐れがある。また、5.95質量%よりも多くなると、例えば炭化水素系溶剤の配合量が70質量%の場合、炭化水素系溶剤を除いた有効成分のJIS K 2220による稠度が硬くなり、チェーン部の作動不良を起こす恐れがあるため好ましくない。
固形パラフィンとしては、パラフィンワックスあるいはマイクロクリスタリンワックスが好ましい。特にマイクロクリスタリンワックスは、組成中に結晶性の低いイソパラフィンやシクロパラフィンを多く含み、微結晶となり易いため特に好ましい。
上記固形パラフィンの配合量は、液状潤滑剤組成物全量の0.5質量%〜2質量%の範囲とする。固形パラフィンの含有量が0.5質量%よりも少なくなると付着性が低下し、逆に2質量%よりも多くなると低温特性が悪くなるため好ましくない。
有機金属系防錆剤としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び亜鉛塩の中性金属スルホネートからなる防錆剤を用いることができる。アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩を挙げることができ、アルカリ土類金属塩としてはカルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩を挙げることができるが、特にカルシウム塩またはバリウム塩が好ましい。
上記有機金属系防錆剤の配合量は、液状潤滑剤組成物全量の1質量%〜5質量%の範囲、好ましくは2質量%〜4質量%の範囲とする。有機金属系防錆剤の含有量が1質量%よりも少なくなると防錆性が悪くなり、5質量%より多くしても防錆性の更なる向上は得られないからである。
また、エステル系防錆剤としては、多価アルコールのカルボン酸部分エステルが好ましい。その中でも、オレイン酸ソルビタンエステルが特に好ましい。上記エステル系防錆剤の配合量は、潤滑剤組成物全量の1質量%〜5質量%とし、好ましくは2質量%〜4質量%とする。エステル系防錆剤の含有量が1質量%よりも少なくなると防錆性が悪くなり、5質量%よりも多くしても防錆性の更なる向上は得られないからである。
また、上記2種の防錆剤は、エステル系防錆剤:有機金属系防錆剤の配合比率を40:60〜60:40の範囲とすることが好ましく、50:50の配合比率が特に好ましい。
炭化水素系溶剤としては、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、イソヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、キシレン、トルエン等の脂肪族、芳香族、脂環式の炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1種が好ましい。刷毛塗り用としては比較的乾燥速度の遅い炭化水素系溶剤を選択し、スプレー用としては反対に乾燥速度の早い炭化水素系溶剤を用いることが好ましい。
上記炭化水素系溶剤は、液状潤滑剤組成物全量の30質量%〜50質量%の範囲で配合する。炭化水素系溶剤の配合量が30質量%よりも少ないと、粘度が高くなりすぎて刷毛塗りが困難となる。また、50質量%よりも多くなると、粘度が低くなりすぎるため、刷毛塗り時に垂れ落ちが激しくなる。
本発明の液状潤滑剤組成物の調整方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記した2種の基油、増稠剤、パラフィン、及び2種の防錆剤を含むグリースを調整し、このグリースを溶剤と通常の撹拌機を用いて混合すればよい。その際、必要に応じて、潤滑油分野で一般的に使用される各種の添加剤を配合することもできる。
以下、本発明の実施例および比較例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨に反しない限り各組成物を組み合わせることができる。
以下の実施例において、下記A〜Iの成分化合物を用いて液状潤滑剤組成物を製造した。尚、Aは炭化水素系合成油基油A、Bは炭化水素系合成油基油B、Cは増稠剤、Dは固形パラフィン、EとFは有機金属系防錆剤の中性金属スルホネート系防錆剤、Gはエステル系防錆剤、Hは炭化水素系溶剤、及びIは通常使用される添加剤の1種であって、フェノール系酸化防止剤と有機金属系摩耗防止剤の混合物である。
A:α−オレフィンオリゴマー(エクソンモービル(株)製、SpectraSyn40)
B:エチレン−α−オレフィンオリゴマー(三井化学(株)製、LUCANT HC2000)
C:SiO化合物(日本アエロジル(株)製、アエロジルR972)
D:マイクロクリスタリンワックス(融点88℃)
E:ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム塩
F:ジノニルナフタレンスルホン酸カルシウム塩
G:オレイン酸ソルビタンエステル
H:ミネラルスピリット
I:2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール及びジアルキルチオリン酸亜鉛(配合比1:1)
下記表1に示すように、上記成分化合物のA〜Iを配合して本発明による試料1〜9の液状潤滑剤組成物の使用油を製造した。ただし、試料1は本発明の参考例である。
Figure 0005228213
試料1及び試料2は、炭化水素系合成油基油Aであるα−オレフィンオリゴマーと炭化水素系合成油基油Bであるエチレン−α−オレフィンオリゴマーの比率を、それぞれ80:20及び90:10とした試料油である。また、試料3及び試料4は、固形パラフィンであるマイクロクリスタリンワックスの配合量をそれぞれ0.5質量%及び2.0質量%とし、その他の成分は主に炭化水素系合成油基油AとBの配合量を調整して基本的に上記試料2に合わせた試料油である。
試料5及び試料6は、有機金属系防錆剤である中性金属スルホネートのジノニルナフタレンスルホン酸バリウム塩とエステル系防錆剤であるオレイン酸ソルビタンエステルの配合量をそれぞれ1.0質量%及び5.0質量%とし、その他の成分は基本的に上記試料2に合わせた試料油である。また、試料7は、有機金属系防錆剤である中性金属スルホネートとして、試料2のジノニルナフタレンスルホン酸バリウム塩の代わりに、ジノニルナフタレンスルホン酸カルシウム塩を用いた試料油である。
試料8及び試料9は、炭化水素系溶剤であるミネラルスピリットの配合量をそれぞれ30.0質量%及び50.0質量%とし、残りの成分は基本的に上記試料2と同比率となるように配合した試料油である。そのため、試料8及び試料9においては、炭化水素系合成油Aの配合量が49.0質量%及び35.0質量%、炭化水素系合成油Bの配合量が5.4質量%及び3.9質量%、増稠剤の配合量が5.9質量%及び4.3質量%となっている。
上記した本発明による試料1〜9の試料油と比較するために、下記表2に示すように上記成分化合物のA〜Iを配合して、比較例である試料10〜18の液状潤滑剤組成物の使用油を製造した。
Figure 0005228213
比較例である試料10は、基油としてα−オレフィンオリゴマーのみを用い、エチレン−α−オレフィンオリゴマーを加えず、その他の成分は上記試料2に合わせた試料油である。比較例である試料11は、基油であるα−オレフィンオリゴマーとエチレン−α−オレフィンオリゴマーの比率を70:30とし、その他の成分は上記試料2に合わせた試料油である。
比較例である試料12及び試料13は、無機系増稠剤であるSiO化合物の配合量をそれぞれ3.0質量%及び6.5質量%とし、その他の成分は基本的に上記試料2に合わせたの試料油である。また、比較例である試料14は固形パラフィンを除き、比較例である試料15は固形パラフィンであるマイクロクリスタリンワックスの配合量を3.0質量%とし、その他の成分は基本的に上記試料2に合わせた試料油である。
比較例である試料16は、エステル系防錆剤であるオレイン酸ソルビタンエステルを除き、その他の成分は基本的に上記試料2に合わせた試料油である。比較例である試料17及び試料18は、炭化水素系溶剤の配合量をそれぞれ20.0質量%及び60.0質量%とし、残りの成分は基本的に上記試料2と同比率となるように配合した試料油である。
次に、上記した本発明による試料1〜9の液状潤滑剤組成物の試料油と、比較例である試料10〜18の試料油について、防錆性、付着性、低温性、及び塗布性を評価した。
具体的には、防錆性は薄膜防錆性試験により評価した。即ち、試験片として150×70×0.8mmの冷間圧延鋼板を用い、その表面を#240研磨紙で研磨し、溶剤で洗浄した後、表面中央部に127×55mmの試験面を残して全面にマスキングシートを貼る。適度に溶剤で希釈した試料油中に試験片をディッピングし、24時間吊り下げて溶剤を完全に蒸発させ、試料平均膜厚が20±2μmになるように調整する。試料平均膜厚の求め方は、JIS K 2246に規定される「さび止め油 膜厚試験方法」に準じる。膜厚調整した試験片をJIS Z 2371に規定される中性塩水噴霧試験方法に準じて試験を実施し、試験片に錆が発生するまでの時間を求める。
この防錆性の評価は、錆の発錆時間が24時間未満を×、24時間以上48時間未満を○、48時間以上を◎とする。
付着性については耐水付着性試験により評価した。即ち、試験片として150×70×1.0mmの冷間圧延鋼板を用い、その表面を溶剤で洗浄した後、表面中央部に127×55mmの試験面を残して全面にマスキングシートを貼る。溶剤を除いた試料油をガラス棒にてマスキングシートの厚み(100μm)となるように塗布する。この試験片をJIS K 2220 16に規定される水洗耐水度試験で用いる試験器中に立て掛け、試験温度40℃、噴射流量5ml/s±0.5ml/s、噴射時間5分の条件で水道水を噴射する。JIS Z 2371に規定される中性塩水噴霧試験方法に準じて試験を実施し、24時間後の発錆状態を観察する。
この付着性の評価は、錆の発生が多い場合を×、若干の錆が発生した場合を○、錆の発生が無い場合を◎とする。
低温性に関しては、低温下での剪断粘度試験により評価した。即ち、粘弾性測定装置(Anton Paar製)を用いて、溶剤を除いた試料油を適量塗布し、試験温度−20℃、剪断速度100s−1における剪断粘度(mPa・s)を測定する。
この低温性の評価は、−20℃での剪断粘度が300,000mPa・s以上を×、200,000mPa・s以上300,000mPa・s未満を○、200,000mPa・s未満を◎とする。
次に、塗布性については、次の塗布性試験を実施した。即ち、#80ローラーチェーンに70mm刷毛を用いて試料油を塗布する。この塗布時の試料油の伸び及び垂れ具合を判断する。
この塗布性の評価は、目視判断により、塗布性が悪い場合を×、塗布性が普通の場合を○、塗布性が良好な場合を◎とする。
上記各試験により得られた評価結果を下記表3に示した。また、試料ごとの総合評価を併せて示した。尚、総合評価は、全ての評価が◎であったものを◎、1つ以上の評価が×であったものを×、それ以外のものを○とした。
Figure 0005228213
上記の結果から、本発明による試料1〜9の液状潤滑剤組成物の各試料油は、薄膜防錆試験による防錆性、耐水付着性試験による付着性、剪断粘度試験による低温性、塗布性試験による塗布性が、いずれも非常に良好であった。
一方、比較例の試料10は、基油が炭化水素系合成油基油Aの1種のみであるため、耐水付着性試験の結果が大きく低下した。また、比較例の試料11は、炭化水素系合成油基油Bのエチレン−α−オレフィンオリゴマーが多すぎるため、剪断粘度が高くなった。
比較例の試料12は、無機系増稠剤が少なすぎるため、耐水付着性試験の結果が低下し、且つ塗布性についても塗布時の垂れ落ちが多くなった。また、比較例の試料13は、無機系増稠剤を多くしたため、剪断粘度が高くなり、且つ塗布性においても試料油の伸びが悪くなった。
比較例の試料14は、固形パラフィンを除くことで薄膜防錆性試験及び耐水付着性試験の結果が大きく低下した。また、比較例の試料15は、固形パラフィンが多すぎるため、剪断粘度が非常に高くなった。また、比較例の試料16は、エステル系防錆剤を除いたため、薄膜防錆性試験及び耐水付着性試験の結果が大きく低下した。
比較例の試料17は、炭化水素系溶剤の配合量を20質量%と少なくしたため伸びが悪くなり、塗布性が低下した。また、比較例の試料18は、炭化水素系溶剤の配合量を60質量%と多くしたため、試料油が垂れ落ちやすくなり、塗布性が大幅に低下した。
尚、従来の一般的な液状潤滑剤組成物として、市販品(住鉱潤滑剤株式会社製、商品名チェーンスペシャルオイル)を用意し、上記と同様に防錆性、付着性、低温性、及び塗布性を評価した。その結果、塗布性は良好であったが、他の全ての試験において良好な結果は得られなかった。

Claims (6)

  1. 基油、増稠剤、パラフィン及び防錆剤を含むグリースと、溶剤とからなる液状潤滑剤組成物であって、炭化水素系合成油基油Aとしてα−オレフィンオリゴマーを35質量%以上49質量%以下、該炭化水素系合成油基油Aより高粘度の炭化水素系合成油基油Bとしてエチレン−α−オレフィンオリゴマーを3.9質量%以上5.4質量%以下、無機系増稠剤を4.25質量%以上5.95質量%以下、固形パラフィンを0.5質量%以上2質量%以下、有機金属系防錆剤を1質量%以上5質量%以下、エステル系防錆剤を1質量%以上5質量%以下、炭化水素系溶剤を30質量%以上50質量%以下含むことを特徴とする液状潤滑剤組成物。
  2. 前記無機系増稠剤がSiO 化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の液状潤滑剤組成物。
  3. 前記固形パラフィンがマイクロクリスタリンワックスであることを特徴とする、請求項項1又は2に記載の液状潤滑剤組成物。
  4. 前記有機金属系防錆剤がバリウム塩又はカルシウム塩の中性金属スルホネートであることを特徴とする、請求項項1〜3のいずれかに記載の液状潤滑剤組成物。
  5. 前記エステル系防錆剤がオレイン酸ソルビタンエステルであることを特徴とする、請求項項1〜4のいずれかに記載の液状潤滑剤組成物。
  6. 前記炭化水素系溶剤が脂肪族系、芳香族系、脂環式系の溶剤から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項項1〜5のいずれかに記載の液状潤滑剤組成物。
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