JP5227808B2 - 収縮性フィルム用のモノビニルアレーン共役ジエンブロックコポリマー組成物 - Google Patents

収縮性フィルム用のモノビニルアレーン共役ジエンブロックコポリマー組成物 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、全体的に、収縮性フィルム用途に適合したモノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマーに関する。
モノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマーは、収縮性フィルム用途でますます使用されてきている。一般的に、フィルムは、フィルムを破壊することなく所望の厚さまで延伸することを可能にするのに十分高い「配向」温度で「配向」、すなわち延伸される。一例として、配向温度は、一般的に、100℃未満であり、2ミルの厚さを有するフィルムが一般的である。
フィルムは、一般的に、周囲温度でその延伸された配向を保持すべきであり、このようにして貯蔵中の「自然収縮」を回避している。自然収縮に対する一般的な規格は、フィルムが、7日間40℃において貯蔵した場合に、5%を超えて収縮してはならないというものである。収縮フィルムにおける意味では、収縮率とは、その配向された形状と比較した配向フィルムの寸法での変化を意味する。適用に際して、フィルムは、たとえば約100℃であり得る昇温された「活性化」温度で、物体の周囲に収縮することができる。
収縮フィルムは実質的に透明であることが一般的に望ましい。かかる場合の一般的な規格は、フィルムの曇り度は5%未満であるというものである(2ミル厚さの試験片を用いるASTM D−1003(1992年)によるBYK Gardner Haze−Gard Plus)。
前述のものを含む目的を達成することを指向した組成物および方法に対する継続した要望が、とくにコスト効率的に達成することとして存在する。
発明の要約
収縮性フィルム用途に適合したモノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマーが提供される。全体的に、本発明においては、2ミルの配向フィルムをブロックコポリマーの性能の基準となるものとして用いる。当業者は、本発明のブロックコポリマーから他のフィルムの構成も可能であることを理解するであろう。
一例として、本発明は、ブロックコポリマーとして80℃以下で配向される2ミルフィルムを形成するのに好適なものとして、80℃において少なくとも50%の収縮率を示すものを提供する。その他の例として、本発明は、ブロックコポリマーとして100℃以下で配向される2ミルフィルムを形成するのに好適なものとして、70℃において10%未満の収縮率、および100℃において少なくとも70%の収縮率を示すものを提供する。その他の例として、本発明は、ブロックコポリマーとして80℃以上で配向される2ミルフィルムを形成するのに好適なものとして、70℃において17%未満の収縮率、80℃において少なくとも42%の収縮率、および100℃において少なくとも73%の収縮率を示すものを提供する。
ある態様により、低い配向温度、例えば75℃以下、または70℃以下といった配向温度を与えることができる。ある態様は、低い曇り度(haze)、例えば、5%以下の曇り度を有することができる。ある態様により、低い自然収縮率、例えば、5%以下の自然収縮率を有することができる。ある態様により、100℃において高い収縮率、例えば、少なくとも70%、または少なくとも75%の収縮率を与えることができる。
性能の特徴により定義されることに加えて、本発明にかかるブロックコポリマーのある態様は、種々の組成物の特長を含むことができる。ある態様では、ブロックコポリマーは、ブロックコポリマーの15〜30重量%である最初の(initial)モノビニルアリーレンブロックを含む。ある態様では、ブロックコポリマーは20〜30重量%の共役ジエンを含む。ある態様では、ブロックコポリマーはカップリングされている。ある態様では、ブロックコポリマーは、モノビニルアリーレンおよび共役ジエンのランダム混合ブロックを含む。ある態様では、このランダム混合ブロックは、共役ジエンの4〜9倍量のモノビニルアリーレンを含む。
本発明にかかるブロックコポリマーのある態様は、種々の構造的な特長を含むこともできる。例として、ある態様では、好適なブロックコポリマーが、次のチャージ順序(charge order)のいずれによっても形成することができる:i−A−B−C−CA;i−A−B−C−A−CA;i−A−C−B−CA;およびi−A−i−C−B−CA(ここで、「i」は、重合開始剤チャージであり、「A」は、モノビニルアリーレンチャージであり、「B」は、共役ジエンチャージであり、「C」は、モノビニルアリーレンおよび共役ジエンのランダム混合ブロックであり、「CA」は、カップリング剤である)。チャージ順序に関してのかかる構造の定義は、理解の一助となる図示とすることを意図したものである。類似または同一の構造は、反応体の添加の変更および重合条件の変更を含むその他の手段によって導くことができること、ならびにかかるブロックコポリマーも本発明の一部であることが、理解されるであろう。
本発明の利点およびその他の特長は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
態様の例の説明
モノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマーを調製するための基本的な出発物質および重合条件は、例えば、米国特許第4091053号、第4584346号、第4704434号、第4704435号、第5130377号、第5227419号、第6265484号、第6265485号、第6420486号、および第6444755号に開示されている。これらは参照として本明細書に組み込まれる。そこで教示されている技術は、全体的に、以下で検討するモノビニルアレーン−共役ジエンゴムの製造に適用することができる。
本明細書で用いられる「モノビニルアレーン」は、有機化合物として、単一の炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの芳香族部分、および合計で8〜18個の炭素原子、例えば8〜12個の炭素原子を含むもの、を意味する。モノビニルアレーンの例として、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−デシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(4−フェニル−n−ブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。ある態様では、モノビニルアレーンはスチレンである。ポリマー単位(polymer unit)として、モノビニルアレーンモノマーの重合から誘導されるのは「モノビニルアレーン単位」である。
本明細書で用いられる「共役ジエン」は、有機化合物として、共役炭素−炭素二重結合および合計で4〜12個の炭素原子、例えば、4〜8個の炭素原子を含むものを意味する。共役ジエンの例としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−ペンタジエン、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。ある態様では、共役ジエンは1,3−ブタジエンまたはイソプレンである。ポリマー単位として、共役ジエンモノマーの重合から誘導されるのは「共役ジエン単位」である。
「モノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマー」は、モノビニルアレーン単位および共役ジエン単位を含むポリマーである。該ポリマーは1つまたは2つ以上のブロックを含み、各ブロックはモノビニルアレーン単位または共役ジエン単位を含む。あらゆる特定のブロックは、モノビニルアレーン単位もしくは共役ジエン単位のいずれかまたは両方を含むことができる。ブロックが1つのタイプの単位だけを含む場合は、それは「モノブロック」と名付けることができる。ブロックが両方を含む場合は、それは、ランダムブロック、テーパードブロック、段階的(stepwise)ブロック、またはあらゆる他のタイプのブロックであることができる。
ブロックが「テーパード」であるとは、(a)ブロックの第1のセクションの共役ジエン単位のモル分率が、ブロックの第2のセクションの共役ジエン単位のモル分率よりも高く、ブロックの該第2のセクションがブロックの所定の末端の近くにあり、かつ(b)条件(a)が、実質的にブロックの全てのセクションにあてはまる場合である(考慮されるセクションのサイズによっては、条件(a)は全てのセクションにおいてあてはまらないかもしれない。しかし、かかる場合であっても、あてはまらないのは偶然によって与えられる水準に近い水準以下である)。
ブロックが「ランダム」であるとは、ブロックの1つのセクションにおける共役ジエン単位およびモノビニルアレーン単位のモル分率が、ブロック全体における共役ジエン単位およびモノビニルアレーン単位のモル分率と実質的に同じである場合である。これは、規則性(すなわち、非ランダムの出現)を有するブロックのセクションの可能性を除外しないが、かかる規則的なセクションは、典型的に、偶然によって与えられる水準に近い水準以下で存在する。
重合工程は、炭化水素希釈剤中で、約−100℃〜約150℃の任意の好適な温度で、例えば、約0℃〜約150℃において、圧力として反応混合物を実質的に液相で維持するのに十分なものにおいて行うことができる。ある態様では、炭化水素希釈剤は、直鎖もしくは環状パラフィンまたはこれらの混合物であることができる。直鎖または環状パラフィンの例としては、限定されないが、とりわけペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、およびこれらの混合物等が挙げられる。
典型的に望ましいのは、重合工程は、酸素および水の実質的不存在下、例えば、不活性ガス雰囲気下等で行われることである。
重合工程は開始剤の存在下で行うことができる。種々の有機モノアルカリ金属化合物が開始剤として用いられるものとして知られている。一例として、開始剤は式RMのものであり得る。Rは、4〜8個の炭素原子を含むアルキル、シクロアルキル、またはアリール基であり、例えば、n−ブチル基等であり、Mは、アルカリ金属であり、例えば、リチウム等である。ある特定の態様では、開始剤はn−ブチルリチウムである。その他の開始剤も用いることができ、限定されないが、sec−ブチルリチウムおよびt−ブチルリチウムを挙げることができる。
用いられる開始剤の量は、所望のポリマーまたはブロックの分子量に応じて改変することができるところ、このことは当該技術分野で公知であり、容易に決定することができ、供給原料流中の微量の反応毒の痕跡に対してしかるべき許容量を考慮する。本明細書における意味では、他に特定されない限り、分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で測定された平均ピーク分子量を意味するものと解される。
重合工程は、少量のランダム化剤を含有することをさらに含むことができる。ある態様では、ランダム化剤は、極性有機化合物であってよく、例えば、エーテル、チオエーテル、または第三級アミン等である。その他の態様では、ランダム化剤は、アルコールのカリウム塩またはナトリウム塩であることができる。ランダム化剤の含有は、開始剤の効果を向上するために、混合したモノマーチャージ中のモノビニルアレーンモノマーの少なくとも一部をランダム化するために、またはその両方のために、炭化水素希釈剤中に行うことができる。ランダム化剤の含有に価値があり得るのは、本発明のポリマーのランダムモノビニルアレーン−共役ジエンブロックまたはテーパードモノビニルアレーン−共役ジエンブロックを形成する場合である。
ランダム化剤の例としては、限定されないが、とりわけジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−オクチルエーテル、アニソール、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシプロパン、ジベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、1,2−ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、カリウムt−アミレート、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジ−n−プロピルスルフィド、ジ−n−ブチルスルフィド、メチルエチルスルフィド、ジメチルエチルアミン、トリ−n−エチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、N,N−ジ−メチルアニリン、N−メチル−N−エチルアニリン、N−メチルモルホリン、およびこれらの混合物等が挙げられる。
一般的に、エーテル等のある種のランダム化剤は、重合混合物中で緩徐な、より制御可能なランダム化効果を有する傾向があるため、これらは、多くの場合、目的がテーパード混合ブロックを達成することである場合に用いられる。一方、カリウム塩等のある種のランダム化剤は、一般的に、はるかにより迅速であり、制御し難いランダム化効果を有するため、これらは、多くの場合、目的がランダム混合ブロックを達成することである場合に用いられる。かかるランダム化剤の機能および効果は、前述のものに限定されない点に注意されたい。重合段階および条件を含むその他の要素も、所望のポリマー組成物および構造を達成するために操作してよい。
ある特定のブロックを形成する場合、各モノマーチャージまたはモノマー混合チャージは、溶液重合条件下で重合することができ、各モノマーチャージまたはモノマー混合チャージの重合は、特定のブロックを形成するために、その後のチャージを投入する前に実質的に完了するようにする。本明細書で用いられる「投入する」とは、反応帯域への化合物の導入を意味し、例えば、反応容器の内部等への導入を意味する。
理論に拘束されないが、開始剤があるチャージに含まれる場合、ブロックは、典型的には、初めから(de novo)形成されるか、または終結前の予め形成されたブロックの末端に添加されることにより形成される。さらに、理論に拘束されないが、開始剤がチャージに含まれない場合は、ブロックは、典型的には、終結前の予め形成されたブロックの末端への付加により形成されるのみである。
カップリング剤は、重合が完了した後に添加することができる。好適なカップリング剤としては、限定されないが、とりわけ二価または多価ビニルアレーン化合物;二価または多価エポキシド;二価または多価イソシアネート;二価または多価アルコキシシラン;二価または多価イミン;二価または多価アルデヒド;二価または多価ケトン;アルコキシスズ化合物;二価または多価ハロゲン化物、例えば、ハロゲン化ケイ素およびハロシラン等;一価、二価または多価無水物;二価または多価エステル、例えば、モノアルコールと多価カルボン酸とのエステル等;一価アルコールとジカルボン酸とのエステルであるジエステル;一塩基酸と多価アルコールとのエステルであるジエステル、例えば、グリセロール等;および2つ以上のかかる化合物の混合物等が挙げられる。
有用な多価官能カップリング剤としては、限定されないが、エポキシド化植物油、例えば、とりわけエポキシド化大豆油、エポキシド化亜麻仁油、およびこれらの混合物等が挙げられる。ある態様では、カップリング剤はエポキシド化大豆油である。エポキシド化植物油は、Arkema Chemicalsから、Vikoflex(商標)の販売名で市販されている。
カップリングを行うに際しては、任意の有効量のカップリング剤を用いることができる。ある態様では、活性ポリマーアルカリ金属に対して化学量論量のカップリング剤によって、カップリングを最大に促進する傾向がある。しかし、化学量論量より多い量または少ない量を用いることは、カップリング効率を変動させて特定の生成物のために、所望により可能である。
カップリング反応がある場合、その完了に続いて、重合反応混合物の処理を、ブロックコポリマーからアルカリ金属を除去するために、または着色調節のために終結剤によって行うことができ、終結剤としては、例えば、水、二酸化炭素、アルコール、フェノール、または直鎖飽和脂肪族モノ−もしくはジ−カルボン酸等である。
終結がある場合、その後に、ポリマーセメント(重合溶媒中のポリマー)は、通常、約10〜40重量%の固形分、より普通には20〜35重量%の固形分を含む。ポリマーセメントは、フラッシュして溶媒の一部を蒸発させ、固形分含有量を約50〜約99重量%の固形分濃度まで増加せしめ、次いで、真空オーブンまたは揮発分除去押出機で乾燥し、残留溶媒を除去することができる。
ブロックコポリマーは回収し、所望の形状への加工を、例えば、粉砕、押出し、または射出成形等により行うことができる。ブロックコポリマーは添加剤を含有することもでき、例えば、耐酸化剤、耐ブロッキング剤、離型剤、充填剤、増量剤、染料等である。
複数の開始剤チャージの添加により形成されるコポリマーは、一般に、多峰性(multi−modal)と称される。分析により、これは集団分子量分布の棒グラフで2つ以上のピークを有するブロックコポリマー分子の集団があることによって立証される。実際には、重合開始剤の各注入または投入は、さらなる形式をもたらす。例えば、二峰性ブロックコポリマーは、少なくとも2つの重合開始剤単位等の注入により形成される。その他の例としては、多峰性コポリマーは、単峰性コポリマーをブレンドすることにより調製することができることが理解される。代替手段として、多峰性コポリマーは、成長している単峰性コポリマーを重合中の種々の段階で不完全に終結させることにより調製することができる。
本発明では、モノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマーは、少なくとも1つのランダム混合ブロックを有する。本明細書で与えられる構造に関するチャージの表記では、これは要素「C」として記載される。この表記では、単一要素「C」は、一連の1つまたは2つ以上のランダム混合ブロックを意味してもよいことが理解される。例えば、重合における発熱性に鑑み、ランダムブロックの形成に望ましいかもしれないのは一連の段階によるものであり、かかる場合重合によって生成される熱の管理が可能となる。複数の同一のランダム混合ブロックが順次形成される場合、得られるセグメントは、単独の大きなランダム混合ブロックが形成されている場合と同じになり得る。その他の場合では、組成が変化したランダムブロックの形成を順次行うことができ、得られたコポリマーのランダムセグメントは、ランダムセグメント全体が単一工程で形成されている場合と同じではないようになる。
同様に、構造に関するチャージの表記におけるモノ−ブロック「A」および「B」は、得られるコポリマーに影響しない複数のより小さい単位へ分割することが潜在的に可能であることが理解される。
かかる方法を、以下の例において与えられる検討によりさらに説明する。
材料:
シクロヘキサンを活性アルミナ上で乾燥し、窒素下で貯蔵した。n−ブチルリチウム開始剤(「Li」)をシクロヘキサン中の15重量%で受け取り、シクロヘキサンで2重量%まで希釈した。テトラヒドロフラン(THF)を活性アルミナ上、窒素下にて保存した。例えば、カリウムt−アミレート(「K」または「KTA」)を使用した場合、KTAは、BASFからシクロヘキサン溶液として購入し、シクロヘキサンで、指示されているように反応器に投与するのに好適な濃度まで希釈した。スチレンおよびブタジエンを活性アルミナ上で精製した。エポキシド化大豆油は受け取ったものを用いた。
反応器:
表1〜3の重合を、2−ガロンステンレススチール反応器で行った。反応器には、温度制御用のジャケット、二重オージェインペラー(auger impeller)、および邪魔板を装備した。表4での重合は、106ガロンまで規模を拡大した類似の反応器で行った。
重合:
この研究で調製されるコポリマーのための処方は表1〜4に列挙してあるところ、モノマー100当たりの部(PHM)を基準として表示されている。括弧での記入項目は、スチレンおよびブタジエンの両方の単回の同時投入を定義する。表1〜3では、典型的な重合には2000gのモノマーを用いたが、粘度または熱除去の制限により低い固形分が必要とされる場合は例外である。表4では、典型的な重合には90,000gのモノマーを用いたが、粘度または熱除去の制限により低い固形分が必要とされる場合は例外である。
初めにシクロヘキサンを反応器へ投入し、続いてTHFを投入した。温度を約60℃に調整して開始剤を投入し、続いてスチレンの第一チャージを投入した。重合が完了した後、第一重合ブロックのサンプルを、窒素を拡散せしめたイソプロパノール中で凝固させ、濾過し、乾燥し、ゲル透過クロマトグラフィーで分析する。重合の継続を行い、必要に応じてモノマーおよび/または開始剤を順次投入した。カップリング剤を投入し、100℃において15分間反応させた。ポリマーを溶媒蒸発により回収し、単軸スクリュー押出機でペレット化した。
サンプルの形成:
表1〜3では、ペレット化生成物を、Killionシートラインを取り付けたDavis Standard 150S押出機で8インチ幅の10ミルシートに押し出した。12cm×12cmのプラークを10ミルシートサンプルからダイカットし、フィルムサンプルとして用いた。Brueckner Maschinenbau製の二軸配向装置を用いて、フィルムの一軸の延伸を押し出しに対して横方向に行った。5:1延伸を可能にする、最低延伸温度にて行った。シートサンプルの延伸を3cm/秒の一定速度で行った。表4では、ペレット化した生成物の10ミルシートの直接配向を工業的規模の装置で行った。
熱収縮:
配向せしめたフィルムの浸漬を、オイル・バスにて30秒間行い、その後熱収縮率を計算した。
(自然収縮)
配向せしめたフィルムを、40℃に設定したオーブン中に7日間載置し、その後自然収縮率を計算した。
Figure 0005227808
Figure 0005227808
Figure 0005227808
Figure 0005227808
以下の表中の例5、16、17、19および23は、比較例として例示される。
Figure 0005227808
本発明の組成物および方法を特定の態様について説明したが、本明細書で説明した組成物および方法ならびに工程の段階または段階の配列に変更が行われても、本発明の概念、精神および範囲から逸脱しないかぎりいいことは、当業者に明らかであろう。例えば、化学的に関連した剤を、本明細書で説明された剤に代用しても、同じかまたは類似の結果が達成されることは明らかであろう。全てのかかる代用および変更のうち当業者にとって明らかなものは、添付の特許請求の範囲で画定される本発明の精神、範囲および概念に包含されるものとみなされる。

Claims (13)

  1. モノビニルアリーレンおよび共役ジエンを含むブロックコポリマーであって、
    このブロックコポリマーが、ブロックコポリマーの15〜30重量%である最初のモノビニルアリーレンブロックを含み、
    モノビニルアリーレンと共役ジエンのランダム混合ブロックを含み、この混合ブロックは、共役ジエンに対して4〜9倍量のモノビニルアリーレンを含み、
    20〜30重量%の共役ジエンを含み、
    カップリングされており、
    50.8μm(2ミル)厚の配向フィルムが、以下の(1)〜(3)のいずれかの物性を示し:
    (1)80℃以下で配向されたとき、フィルムが以下の物性を示す:80℃における少なくとも50%の収縮率
    (2)100℃以下で配向されたとき、フィルムが以下の物性を示す:70℃における10%未満の収縮率および100℃における少なくとも70%の収縮率;または
    (3)少なくとも80℃で配向されたとき、フィルムが以下の物性を示す:70℃における17%未満の収縮率、80℃における少なくとも42%の収縮率、および100℃における少なくとも73%の収縮率、
    そして、
    ビニル芳香族炭化水素含有量が100重量%であるポリマーセグメントAを少なくとも1個、ビニル芳香族炭化水素含有量が75重量%を超え、90重量%以下であるポリマーセグメントBを少なくとも1個、ビニル芳香族炭化水素含有量が75重量%以下であるポリマーセグメントCを少なくとも1個をそれぞれ有し、全体としてのビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が60/40〜95/5であるブロックコポリマーであって、ブロックコポリマー中に占めるセグメントAに対応する部分の総量(A’)が20〜80重量部、セグメントBに対応する部分の総量(B’)が10重量部以上、セグメントCに対応する部分の総量(C’)が10重量部以上、B’とC’の合計量が20〜80重量部(但しA’+B’+C’=100重量部)であり、しかもセグメントBがセグメントAに隣接して存在するブロックコポリマーを除く、
    上記ブロックコポリマー
  2. 80℃以下で配向された物性(1)のブロックコポリマーの50.8μm(2ミル)厚のフィルムが5%以下の曇り度を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  3. 80℃以下で配向された物性(1)のブロックコポリマーの50.8μm(2ミル)厚のフィルムが、5%以下の自然収縮率を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  4. 80℃以下で配向された物性(1)のブロックコポリマーの50.8μm(2ミル)厚のフィルムが、100℃において少なくとも70%の収縮率を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  5. 80℃以下で配向された物性(1)のブロックコポリマーの50.8μm(2ミル)厚のフィルムが、100℃において少なくとも75%の収縮率を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  6. 75℃以下の温度で配向された、請求項1に記載の物性(1)のブロックコポリマー。
  7. 70℃以下の温度で配向された、請求項1に記載の物性(1)または物性(2)のブロックコポリマー。
  8. モノビニルアリーレンがスチレンであり、共役ジエンが1,3−ブタジエンである、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  9. チャージ順序:i−A−B−C−CAによって形成される、請求項1に記載の物性(1)のブロックコポリマー:
    「i」は重合開始剤チャージであり;
    「A」はモノビニルアリーレンチャージであり;
    「B」は共役ジエンチャージであり;
    「C」は、モノビニルアリーレンと共役ジエンのランダム混合ブロックであり;
    「CA」はカップリング剤である。
  10. チャージ順序:i−A−C−B−CAによって形成される、請求項1に記載の物性(1)または物性(2)のブロックコポリマー:
    「i」は、重合開始剤チャージであり、
    「A」は、モノビニルアリーレンチャージであり、
    「B」は、共役ジエンチャージであり、
    「C」は、モノビニルアリーレンおよび共役ジエンのランダム混合ブロックであり、
    「CA」は、カップリング剤である。
  11. チャージ順序:i−A−i−C−B−CAによって形成される、請求項1に記載の物性(1)または物性(2)のブロックコポリマー:
    「i」は、重合開始剤チャージであり、
    「A」は、モノビニルアリーレンチャージであり、
    「B」は、共役ジエンチャージであり、
    「C」は、モノビニルアリーレンおよび共役ジエンのランダム混合ブロックであり、
    「CA」は、カップリング剤である。
  12. 100℃以下で配向された物性(2)のブロックコポリマーの50.8μm(2ミル)厚のフィルムが、5%以下の曇り度を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  13. 100℃以下で配向された物性(2)のブロックコポリマーの50.8μm(2ミル)厚のフィルムが、5%以下の自然収縮率を有する請求項1に記載のブロックコポリマー。
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