JP5227603B2 - 画像形成装置およびその露光量調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置およびその露光量の調整方法に関する。
前記電子写真方式の画像形成装置において、感光体膜の膜質(表面電荷密度に対する光キャリア発生量、キャリア移動速度、光導電層膜厚等のパラメータを持つ)によって、同じ露光量であっても、感光体表面電位、すなわち濃度が異なってくる。図6は、その露光量に対する感光体表面電位の減少量の関係を示すEV特性の一例である。No.1の感光体は、早くに表面電位が低下し、したがって早くに黒つぶれが生じ、その後の階調表現が困難になる。これに対して、No.2の感光体は、比較的表面電位の低下が一様で、広い帯域に亘って階調表現が可能である。一方、No.3の感光体は、表面電位の低下が頭打ちになり、高濃度の再現性が悪くなる。
前記No.3の感光体は、たとえば図7で示すように、アルミなどから成る導電性基板1上に、SiN:H等から成り、正負両極性の電荷の基板1への注入を阻止する絶縁層型阻止層2、Si(P):H等から成り、正極性の電荷の基板1への注入を阻止するダイオード型阻止層3、その上にSi:H等から成るキャリア励起・輸送層(光導電層)4、SiC:H等から成る表面(保護)層5が順次積層されて構成される。このようにキャリア励起・輸送層(光導電層)4と導電性基板1との間に、アモルファスシリコン(a−Si)から成るキャリア励起・輸送層(光導電層)4よりも電気的絶縁性の高い絶縁層2と電荷注入阻止層3とを積層することで、感光体の絶縁破壊に対する耐圧を高めつつ、該キャリア励起・輸送層(光導電層)4で発生した光励起キャリアの導電性基板1への流出が妨げられるので、高画質化を図るようになっている。
これは、感光体膜の絶縁破壊は大きな課題であり、従来では感光体膜厚を厚くすることで耐圧効果を得ていたけれども、それによって画質劣化を引起こし、耐圧と画質とのトレードオフが生じるので、画質を維持しながら耐圧効果を得るために、感光体膜の材料であるアモルファスシリコン(a−Si)よりも電気的絶縁性の高いSi−C層またはSi−N層を、該感光体膜とアルミなどの基材層との間に介在したものである。このような感光体は、たとえば特許文献1で示されている。
一方、前記No.1〜3の感光体にどれだけの露光量で露光を行うと、所望の画質が得られるのかを示した結果が、図8である。前記露光量はドット再現性に大きく寄与するので、評価指標としては、ドット再現性を用いている。評価方法としては、図9で示すように、一定面積内のドット占有面積率を6.25%(1/16)としたパターンを露光して、これを入力面積率として、感光体上で現像して得られたトナー像のドット占有面積率を測定して、これを出力面積率とし、入力面積率に対して出力面積率がどれだけ変化したかを評価する。画像形成の条件としては、感光体膜の材料は前記a−Siで、感光体の径は40mm、線速度は400mm/sec、前記感光体暗電位Voは前記350V、LSUビーム径は60μmとしている。
そして、露光量は、従来からの手法で、感光体暗電位Voが半減するのに必要な半減露光量を基本光量Ebとして、その基本光量Ebの何倍以上の光量で露光を行うことで、所定のドット再現性が得られるかを示している。具体的には図6の例では、Vo≒350Vであり、半減露光量(=基本光量Eb)はVo/2の175Vとなる露光量で、No.1の感光体で0.20μJ/cm程度、No.2,3の感光体で0.30μJ/cm程度である。
その結果、図8で示すように、1ドットの再現に必要な光量倍数は、前記基本光量Ebに対して、No.1の感光体では3.00倍、No.2の感光体では2.25倍、No.3の感光体では3.60倍となっている。したがって、No.1,3の感光体は、No.2の感光体よりドット再現性が悪く、1ドットの再現に必要な光量倍数が高い。これは、No.1の感光体に対しては、薄膜であるNo.2の感光体の方が表面電荷密度が高く、ドットを形成するための現像電界強度が高くなってドット再現性が高くなることが要因と考えられる。また、前記耐圧層を備えたNo.3の感光体は、No.2の感光体に比べて、感光体明電位VLが、約50V高いので、ドットを形成する電界強度が不足したことが要因と考えられる。前記感光体明電位VLは、図6に示すように、光量の増加に対して表面電位が略一定となったときの表面電位の値である。前記No.3の感光体は、前記絶縁層2および電荷注入阻止層3によって、キャリアの導電性基板1への注入を防ぐ機能が高まり、感光体膜4の耐圧性が高まるが、一方で前記感光体明電位VLや残留電位に影響が現れている。
そこで、特許文献2には、露光量を前記半減露光量の3倍以上10倍以下とすることで、感光体膜(光導電層)の膜削れによる前記感光体明電位VLの上昇を抑え、前記感光体明電位VLの膜厚依存性を小さくして、長期に亘って良好な画像形成を可能にした画像形成装置が提案されている。
特公平2−33149号公報 特開2002−40766号公報
前記特許文献2のように感光体暗電位Voに対する半減露光量のみから露光量を決定すると、前記図8で示すようにドット再現性がばらつき、光量倍数がどうしても高くなるという問題がある。このため、感光体に不所望な疲労を招いてしまう。感光体は、同じ機体であっても、黒色の感光体とカラーの感光体とで前記EV特性が違ったり、また仕向け地などによってもEV特性が違ったりする。さらに、改良や不具合対策等で後に出荷される交換品が、初期の感光体とEV特性が大きく異なる可能性もある。
本発明の目的は、感光体のEV特性のばらつきに対して、最適な露光量を求めることができる画像形成装置およびその露光量調整方法を提供することである。
本発明の画像形成装置およびその露光量調整方法は、露光手段から感光体への書き込み露光量Eが、予め定められる基本光量Ebの所定数N倍に設定される画像形成装置において、感光体暗電位の絶対値をVo、前記感光体暗電位の絶対値Voからの半減露光量の2倍以下の所定の光量E1で露光して得られる表面電位の絶対値をV1、予め定められた正の相関を有する1次関数をFとするとき、前記倍数Nが、N≧F(δ)ただし、δ=(Vo−V1)/E1に設定されることを特徴とする。
上記の構成によれば、電子写真方式の画像形成装置およびその露光量調整方法において、露光手段から感光体への書き込み露光量が、従来では、感光体暗電位Voからの半減露光量(感光体電位がVo/2となる露光量)を基本光量Ebとして、その基本光量Ebの所定数N倍、すなわちE=N・Ebで、たとえば2〜3倍に設定されていたのに対して、本発明では、先ず前記感光体暗電位Voに、所定の光量E1で露光して得られる表面電位をV1とするとき、(Vo−V1)/E1から求められる露光量の傾きδを用いて、前記倍数Nを、その傾きδの関数で決定し、最低必要光量とする。これは、前記露光量の傾きδに対して最低必要光量の倍数Nminが、直線関係の相関があるという本願発明者の知見に基づくものである。
したがって、同じ濃度を得るにも感光体によってばらつきのある露光量、すなわち前記基本光量Ebに対する最低必要光量の倍数Nminを、EV特性の傾きδから正確に求めることができる。こうして、感光体のEV特性のばらつきに対して、最適な露光量を求めることができる。
また、本発明の画像形成装置は、前記光量E1を前記感光体暗電位の絶対値Voからの半減露光量とし、その時の表面電位の絶対値V1がVo/2に設定されることを特徴とする。
上記の構成によれば、上述のようにして最低必要光量の倍数Nminが求められるが、前述のように表面電位V1を求めるための所定の光量E1を、感光体暗電位Voからの半減露光量とする。
したがって、感光体明電位VLを求める場合には光量変化の微分値が0になる値を求めるなど、複雑な処理が必要になるのに対して、比較的簡単に前記EV特性の傾きδを求めることができる。また、前記EV特性において、前記感光体暗電位Voからこの半減露光量Vo/2は線形性が良く、比較的正確に前記傾きδを求めることができる。
さらにまた、本発明の画像形成装置では、前記基本光量Ebは、感光体明電位の絶対値をVLとするとき、感光体電位が、(Vo−VL)/2+VLとなるときの露光量に設定されることを特徴とする。
上記の構成によれば、基本光量Ebを、従来では感光体暗電位Voからの単に半減露光量としているのに対して、本発明では、感光体明電位をVLとするとき、(Vo−VL)/2+VLから求める。
したがって、感光体によってばらつきのある前記感光体明電位VLを考慮して、特に該感光体明電位VLが高い感光体において、低階調域の再現性を高めることができる。
また、本発明の画像形成装置は、前記感光体明電位の絶対値VLには標準値Vrefが設定されており、VL−Vrefの差分ΔVだけ、前記感光体暗電位の絶対値Voおよび現像手段における現像バイアスVBが偏倚されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記感光体明電位VLには標準値Vrefが設定されており、実際の感光体明電位VLが標準値Vrefからずれが生じると、現像手段における現像バイアスVBとの差が小さくなって、ベタ画像の再現性が悪くなる。そこで、VL−Vrefの差分ΔVだけ、該現像バイアスVBを高くする。一方、前記現像バイアスVBと感光体暗電位Voとの電位差が一定の値より小さくなると、カブリが生じるので、対応して該感光体暗電位Voも高くしておくことで、そのような不具合の発生を防止することができる。
さらにまた、本発明の画像形成装置は、前記感光体の光導電層が、アモルファスシリコン(a−Si)から成ることを特徴とする。
上記の構成によれば、セレン系感光体や有機感光体等と比較して、表面硬度が高く、耐久性や取扱い性に優れるといった利点を有する。詳しくは、アモルファスシリコン感光体であれば、表面硬度が高いことから、繰返し画像形成を行なった場合であっても、感光層の摩耗劣化が生じにくいばかりか、感光層表面に傷や圧接痕が生じにくく、画像形成装置への組付け等をする際の取扱い性にも優れているためである。
また、本発明の画像形成装置は、前記感光体の光導電層とアルミなどの導電性基板層との間に、前記アモルファスシリコン(a−Si)よりも電気的絶縁性の高いSi−C層またはSi−N層を介在することを特徴とする。
上記の構成によれば、感光体の絶縁破壊に対する耐圧を高めつつ、光導電層で発生した光励起キャリアのアルミ基板層への流出が妨げられるので、高画質化を図ることができる。
本発明の画像形成装置およびその露光量調整方法は、以上のように、電子写真方式の画像形成装置において、露光手段から感光体への書き込み露光量が、従来では、感光体暗電位Voからの半減露光量(感光体電位がVo/2となる露光量)を基本光量Ebとして、その基本光量Ebの所定数N倍、すなわちE=N・Ebで、たとえば2〜3倍に設定されていたのに対して、本発明では、先ず前記感光体暗電位Voに、所定の光量E1で露光して得られる表面電位をV1とするとき、(Vo−V1)/E1から求められる露光量の傾きδを用いて、前記倍数Nを、その傾きδの関数で決定し、最低必要光量とする。
それゆえ、同じ濃度を得るにも感光体によってばらつきのある露光量、すなわち前記基本光量Ebに対する最低必要光量の倍数Nminを、EV特性の傾きδから正確に求めることができる。こうして、感光体のEV特性のばらつきに対して、最適な露光量を求めることができる。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置である複写機31の機械的構成を示す縦断面図である。この複写機31は、大略的に、画像形成を行う本体部32と、前記本体部32の上方側に配設され、原稿読取り装置であるスキャナ部33と、そのスキャナ部33の上方側に配設されるADF34とを備えて構成される。
前記本体部32では、1または複数(図1では3個)の給紙トレイ41,42,43や手差しトレイ44に装填された記録紙41a,42a,43a,44aの何れかが取込みローラ41b,42b,43b,44bで1枚ずつ取出され、レジストローラ45,46にてタイミング調整が行われた後、画像形成部47に搬送される。前記画像形成部47は、感光体47aの周囲に、帯電器47b、レーザ書込みユニット47c、現像器47d、クリーニングユニット47eおよび転写ユニット47f等が配置され、前記記録紙41a,42a,43a,44aに電子写真方式で画像形成を行う。こうして記録紙41a,42a,43a,44aに形成されたトナー像は、定着部48にて定着され、排出ローラ49,50から排紙トレイ51上に排出される。
前記レーザ書込みユニット47cに与えられる原稿画像データは、スキャナ部33にて読取られる。スキャナ部33は、原稿載置台52に載置されたブック物や1枚物の原稿に照明光を照射し、その反射光を読取るベッド式の原稿読取り装置を構成する。また、ADF34が設けられており、このADF34は、原稿トレイ53に積層されたシート原稿54を順次取込んで前記スキャナ部33に原稿画像を読取らせ、これらのADF34およびスキャナ部33は原稿給送式の原稿読取り装置を構成し、読取られた原稿は排出トレイ55上へと排出される。こうして読取られた原稿画像データは、図示しない画像処理ユニットにて濃度調整や輪郭強調などの画像処理が行われ、前記レーザ書込みユニット47cに与えられる。
注目すべきは、本実施の形態では、露光手段である前記レーザ書込みユニット47cにおける書込み露光量Eを、予め定められる基本光量Ebの所定数N倍に設定するにあたって、前記感光体暗電位Voに、所定の光量E1で露光して得られる表面電位をV1、1次関数をFとするとき、前記倍数Nを、
N≧F(δ) ・・・(1)
ただし、
δ=(Vo−V1)/E1 ・・・(2)
に設定することである。
以下、具体的な本願発明者の実験による倍数Nの求め方について説明する。先ず、以下の表1で示すような各部の膜厚(μm)を有するNo.1〜7の感光体を用意した。画像形成の条件としては、前述のように感光体の径は40mm、線速度は400mm/sec、感光体暗電位Voは前記350V、LSUビーム径は60μmとしている。感光体の構造は、前述の図7で示すような構造であり、表1において膜厚の記載がない部分は、その層が設けられていないものとする。
これらアモルファスシリコン感光体は、セレン系感光体や有機感光体等と比較して、表面硬度が高く、耐久性や取扱い性に優れるといった利点を有する。詳しくは、アモルファスシリコン感光体であれば、表面硬度が高いことから、繰返し画像形成を行なった場合であっても、感光層の摩耗劣化が生じにくいばかりか、感光層表面に傷や圧接痕が生じにくく、画像形成装置への組付け等をする際の取扱い性にも優れているためである。
そして、そのような各感光体を用いて、EV特性を測定した結果が、図2である。その結果から、前記半減露光量、基準光量Eb、EV傾きδ(No.1の感光体に示す)を求めた結果が、以下の表2である。さらに、前記図9で示すようなパターンを画像形成してみて、目標面積率を達成するために、前記基準光量Ebに対して必要な倍数Nの最小値Nminを求めた結果も、前記表2に合わせて示している。ただし、これらの実験において、前記絶縁層型阻止層2が設けられているNo.3,4の感光体については、図2で示すように感光体明電位VLが50〜60Vと高く、後述するようなカブリが発生しないように、現像バイアスVBを50Vだけ上昇させて、これに対応して感光体暗電位Voも、350Vから400Vに50Vだけ上昇させた結果を、それぞれNo.3−2,4−2で示している。
前記表2の結果を、EV傾きδを横軸にとり、最低必要光量倍数Nminを縦軸にとると、図3で示すように、EV傾きδが一定の関係にあり、EV傾きδに対する最低必要光量倍数Nminの関係が次の一次式で与えられることが理解される。
Nmin=F(δ)=0.0033・δ+0.65 ・・・(3)
このようにして、基本光量Ebと、EV傾きδとから適正な光量倍数Nを決定することができる。ちなみに、図4に、従来の方法の半減露光量に対する必要最低光量倍数Nminを求めた結果を示す(N=E/Eb)。図4から明らかなように、これらの間には、全く相関が得られていない。
このように構成することで、レーザ書込みユニット47cから感光体47aへの書き込み露光量が、従来では、感光体暗電位Voからの半減露光量(感光体電位がVo/2となる露光量)を基本光量Ebとして、その基本光量Ebの所定数N倍、すなわちE=N・Ebで、たとえば2〜3倍に設定されていたのに対して、本発明の複写機31では、前記図3で示すような本願発明者の知見に基づき、前記感光体暗電位Voに、所定の光量E1で露光して得られる表面電位をV1とするとき、(Vo−V1)/E1から求められる露光量の傾きδを用いて、前記倍数Nを、その傾きδの関数で決定し、最低必要光量とするので、同じ濃度を得るにも感光体47aによってばらつきのある露光量Eを、EV特性の傾きδから正確に求めることができる。こうして、感光体47aのEV特性のばらつきに対して、最適な露光量を求めることができる。
また、注目すべきは、本発明の複写機31では、上述のようにして最低必要光量の倍数Nminが求められるが、前記表面電位V1を求めるための所定の光量E1を、感光体暗電位Voからの半減露光量とする。したがって、式2にV1=Vo/2を代入して、
δ=Vo/2E1
とする。したがって、感光体明電位VLを求める場合には光量変化の微分値が0になる値を求めるなど、複雑な処理が必要になるのに対して、比較的簡単に前記EV特性の傾きδを求めることができる。また、図2で示すように、前記EV特性において、前記感光体暗電位Voからこの半減露光量Vo/2までは線形性が良く、比較的正確に前記傾きδを求めることができる。
さらにまた、注目すべきは、前記基準光量Ebを、従来では感光体暗電位Voからの単に半減露光量としているのに対して、本発明の複写機31では、前記感光体暗電位Voだけでなく、感光体明電位VLも含めて決定され、感光体47aの電位が、(Vo−VL)/2+VLとなるときの露光量が基本光量Ebに設定されることである。具体的には、No.3の感光体の場合で、VL=60V、したがって、(350−60)/2+60=205V、または(400−60)/2+60=230Vとなり、基本光量Ebは図2より0.24μJ/cm、または0.30μJ/cmとなる。実際の書き込み光量Eは、基本光量Ebの2倍〜2.5倍に設定することができる。
したがって、単に半減露光量を基本光量Ebとした場合に比べて、感光体47aによってばらつきのある前記感光体明電位VLを考慮して、特に該感光体明電位VLが高い感光体において、低階調域の再現性を高めることができる。
さらにまた、注目すべきは、前記感光体明電位VLには標準値Vrefが設定されており、前述のようにVL−Vrefの差分ΔVだけ、前記感光体暗電位Voおよび現像手段である現像器47dにおける現像バイアスVBが偏倚されていることである。具体的には、図2の例では、前記標準値Vrefは、No.1の感光体に対応して、10Vに設定されており、No.3,4の感光体で、前記VL=60Vにつき、ΔV=50Vだけ、前記現像バイアスVBを上昇させている。これらNo.3,4の感光体は、前述のように絶縁層型阻止層2を設けることで、絶縁破壊に対する耐圧を高めつつ、キャリア励起・輸送層(光導電層)4で発生した光励起キャリアの導電性基板1への流出を防止し、高画質化が図られている。
しかしながら、そのように現像バイアスVBを上昇させ、感光体暗電位Voと現像バイアスVBとの電位差が小さくなると、カブリが発生するので、前記No.3−2,4−2で示すように、Vo=400Vとしている。したがって、たとえばNo.3の感光体では、Vo=350Vから400Vになったことで、上述のように基本光量Ebとすべき感光体電位も205Vから230Vになり、図2で示すように、Eb=0.24μJ/cmから0.30μJ/cmに変更される。このように感光体暗電位Voだけでなく、感光体47aによってばらつきのある感光体明電位VLを考慮して基本光量Ebを決定することで、特に該感光体明電位VLが高い感光体において、低階調域の再現性を高めることができる(ドット再現性がばらつくことがない)。
さらにまた、注目すべきは、この複写機31では、感光体47aにはICメモリ47gが実装されており、そのICメモリ47gに、感光体個々で異なる前記基本光量Ebや、EV傾きδ、感光体明電位VLなどの情報が記憶されており、それを読取った制御手段が前記レーザ書込みユニット47cにおける書込み露光量を変化させることである。
図5は、本実施の形態の複写機31における前記制御手段の機能的構成を示すブロック図である。感光体47aの交換時、または電源投入時などで、読取り部21が前記ICメモリ47gから前記基本光量EbおよびEV傾きδの情報を読取る。そのEV傾きδの情報は、倍数演算部23に入力されて、前記式3から、最低必要光量倍数Nminが求められる。その最低必要光量倍数Nminを用いて、乗算器22において、基本光量Ebが乗算されて、実際の露光量データが求められ、露光量セット部24に記憶される。前記レーザ書込みユニット47cは、露光量セット部24によって制御され、半導体レーザの発光輝度、すなわち電流が制御されて、所望とする露光量で前記感光体47aへ原稿画像に対応した光照射を行う。
また、前記ICメモリ47gには、前記感光体明電位VLも記憶されており、前記制御手段において、前記読取り部21で読取られたその感光体明電位VLの情報は、減算器25において、Vref記憶部26に記憶されている標準値Vrefが減算されて前記差分ΔVが求められ、さらに加算器27において、VB記憶部28に記憶されているバイアス電圧VBに加算されて実際のバイアス電圧が求められ、現像バイアスセット部29に記憶される。前記現像器47dは、前記現像バイアスセット部29によってセットされたバイアス電圧VBで感光体47aの静電潜像の現像を行う。
このように構成することで、寿命や不具合等で感光体47aのユニット交換を行った場合にも、制御手段はICメモリ47gから必要な情報を読取って、適正な制御を行うことができる。
本発明の実施の一形態に係る画像形成装置である複写機の機械的構成を示す縦断面図である。 本発明による基本光量の求め方を説明するための感光体のEV特性のグラフである。 本発明でEV特性の傾きから求めた必要最低光量倍数のグラフである。 従来の方法で半減露光量から求めた必要最低光量倍数のグラフである。 本発明の実施の一形態の複写機において、露光量および現像バイアスを制御するための機能的構成を示すブロック図である。 従来例による基本光量の求め方を説明するための感光体のEV特性のグラフである。 本発明で用いる感光体の断面構造を説明するための図である。 従来の方法で求めた必要最低光量倍数のグラフである。 本発明の評価に用いたパターンの正面図である。
符号の説明
21 読取り部
22 乗算器
23 倍数設定部
24 露光量セット部
25 減算器
26 Vref記憶部
27 加算器
28 VB記憶部
29 現像バイアスセット部
31 複写機
32 本体部
33 スキャナ部
34 ADF
47 画像形成部
47a 感光体
47b 帯電器
47c レーザ書込みユニット
47d 現像器
47e クリーニングユニット
47f 転写ユニット
47g ICメモリ

Claims (7)

  1. 露光手段から感光体への書き込み露光量Eが、予め定められる基本光量Ebの所定数N倍に設定される画像形成装置において、
    感光体暗電位の絶対値をVo、前記感光体暗電位の絶対値Voからの半減露光量の2倍以下の所定の光量E1で露光して得られる表面電位の絶対値をV1、予め定められた正の相関を有する1次関数をFとするとき、前記倍数Nが、
    N≧F(δ)
    ただし、
    δ=(Vo−V1)/E1
    に設定されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 記光量E1を前記感光体暗電位の絶対値Voからの半減露光量とし、その時の表面電位の絶対値V1がVo/2に設定されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記基本光量Ebは、感光体明電位の絶対値をVLとするとき、感光体電位が、
    (Vo−VL)/2+VL
    となるときの露光量に設定されることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体明電位の絶対値VLには標準値Vrefが設定されており、VL−Vrefの差分ΔVだけ、前記感光体暗電位の絶対値Voおよび現像手段における現像バイアスVBが偏倚されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体の光導電層が、アモルファスシリコンから成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体の光導電層と導電性基板層との間に、前記アモルファスシリコンよりも電気的絶縁性の高いSi−C層またはSi−N層を介在することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 露光手段から感光体への書き込み露光量Eが、予め定められる基本光量Ebの所定数N倍に設定される画像形成装置の露光量調整方法において、
    感光体暗電位の絶対値をVo、前記感光体暗電位の絶対値Voからの半減露光量の2倍以下の所定の光量E1で露光して得られる表面電位の絶対値をV1、予め定められた正の相関を有する1次関数をFとするとき、前記倍数Nを、
    N≧F(δ)
    ただし、
    δ=(Vo−V1)/E1
    に設定することを特徴とする画像形成装置の露光量調整方法。
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