JP5225633B2 - ビットハンガー - Google Patents
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Description
特許文献1の工具吊り下げ具は、ビットを装着する板状体を備えている。板状体の下方側には開口部が形成されており、開口部にはその前面側を覆うように帯板体が板状体からアーチ状に突設されている。この帯板体の裏面側には、ビットの長手方向の中途側に形成された周溝と係合可能に形成された突出体が一体に形成されている。それゆえ、ビットを開口部から帯板体の裏面側に差し込むと、突出体が周溝に係合してビットが板状体に装着固定される。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、周溝をハンガー本体の突起部に目視により位置合わせしながらビットをハンガー本体に確実に装着することができるビットハンガーを提供することを目的とする。
即ち、本発明のビットハンガーは、長手方向の中途側に周溝を有するビットを装着するビットハンガーであって、ハンガー本体と、ビットを長手方向に沿って挿通して保持する保持部と、ハンガー本体から前面側に突設されていて、保持部に挿通されたビットの周溝と係合して保持部からのビットの離脱を阻止する突起部とを備え、前記保持部と突起部とをビットの長手方向に分けて配置していて、前記保持部を形成した保持体が突起部から上下方向に離れたハンガー本体の部位に装着されており、前記保持体は折り曲げ可能な折り曲げ部を介してハンガー本体に一体形成されており、前記保持体は、前記ビットを上下方向に沿って移動可能に保持したまま突起部の下方のハンガー本体に装着されることで、前記突起部に周溝を位置合わせしつつハンガー本体に嵌め止めされることを特徴としている。
さらに、前記保持部を形成した保持体は突起部から上下方向に離れたハンガー本体の部位に装着されているのが好ましい。
なお、前記保持体はハンガー本体に向かって突出する装着突起を有し、前記ハンガー本体にはこの装着突起が装着する装着孔が形成されており、また前記装着突起は前記装着孔からの離脱を阻止する阻止面又は離脱を許容する離脱許容面が形成されているのが良い。
このようにすれば、装着突起に装着孔からの離脱を阻止する阻止面を形成することで、保持体の装着突起をハンガー本体の装着孔に嵌め止めする(嵌め殺しする)ことができる。または、装着突起に装着孔からの離脱を許容する離脱許容面を形成することで、保持体の装着突起をハンガー本体の装着孔に係脱自在に装着することができる。
これにより、ハンガー本体と保持体とを射出成形等により一体的に成形することが可能となり、製造コストを安く抑えることが可能となる。また、折り曲げ部を介してハンガー本体と保持体とを切り離せないように連結することで、ハンガー本体と保持体とが個別に紛失されることが防止される。
また、前記保持部は、前面側をビットを脱離させる際に破壊可能な薄肉部で形成することができる。
なお、説明の便宜上、図2の上下左右をビットハンガー1の上下左右とする。また、図3の左右をビットハンガー1の前側(前面側)及び後側(後面側)とする。
本発明のビットハンガー1は、ビット2を装着状態で持ち運んだり店頭で展示したりするために用いられる。まず、ビットハンガー1に装着されるビット2について説明する。
図1〜図4はビットハンガー1のビット装着状態を示し、図5〜図10はビット装着前の展開状態を示している。
ビット2は、長手方向の両端側に例えばビスの頭部の溝などと係合可能な刃先3を有しており、長手方向の中途側に周溝4が周方向に連続して円弧状に凹んだ凹状に形成されている。
図1〜図4に示されるように、第1実施形態のビットハンガー1は、長手方向を上下方向に向けた状態でビット2が取り付けられている。ビットハンガー1は、上下に長い板状に形成されたハンガー本体5と、ビット2を長手方向に沿って挿通して保持する複数の保持部6を有する保持体7とを備えている。また、ビットハンガー1は、ハンガー本体5の下端側にビット2の周溝4と係合可能な複数本の突起部8を有している。
吊り下げ用孔9はハンガー本体5の端縁(本実施形態においては左側の端縁)まで伸びる湾曲したスリット部10を有しており、またスリット部10にはハンガー本体5と一体の連接部25が1箇所以上設けられている。この連接部25は破断可能な薄肉帯状に形成されており、連接部25を破断することでスリット部10が吊り下げ用孔9からハンガー本体5の端縁まで開通可能となっている。それゆえ、例えばベルト通しなどの輪状とされた係止具に対しても連接部25を破断すればスリット部10を通してハンガー本体5を引っ掛けることが可能となっている。
突起部8は、左右方向に等間隔に複数(本実施形態では4本)設けられている。突起部8は左右の両側面がビット2の周溝4の形状に合わして円弧状に突出している。隣接し合う突起部8同士の間隔は、ビット2の周溝4の径と等しいか僅かに広く、ビット2の外径(最大の外径)より狭くされている。それゆえ、隣接し合う突起部8同士の間にビット2の周溝4を係合させると、ビット2の上下方向に沿った移動が規制される。
保持部6は、一本のビット2を上下方向に沿って挿通して収容すると共に前面側に向かって開口する凹部13と、凹部13の前面側に向かって開口する部分を覆うように形成された薄肉部14とを有している。
凹部13は隣接し合う突起部8間の中間であって突起部8の下方に複数(本実施形態では3箇所)水平方向に並んで設けられている。それぞれの凹部13は、ビット2を収容可能な溝状に形成され、ビット2の左右の両側面と後面側との三方を囲み、前面側が薄肉部14で閉鎖されている。そのため、凹部13にはその前面側からビット2を嵌め込み可能となっている。
装着突起12は、ハンガー本体5の装着孔11に対応して左右一対設けられており、ハンガー本体5の装着孔11と係合することでハンガー本体5における突起部8の下方(の部位)に装着可能とされている。
阻止面17は、装着突起12をハンガー本体5の装着孔11に挿通させると、ハンガー本体5の後側面に面接するように形成されている。それゆえ、装着突起12が一旦装着孔11に挿入係合されると、阻止面17がハンガー本体5の後側面と面係合して装着突起12の装着孔11からの離脱が阻止される。
折り曲げ部18の中途側には折り曲げが容易となるように切り込み溝19が形成されており、この切り込み溝19を境に折り曲げ部18を折り曲げることで装着突起12が装着孔11に嵌入される。
ビット2をビットハンガー1に装着する場合には、図5に示す展開状態の保持体7を用いる。まず保持体7の保持部6の凹部13にビット2を挿通する。次に、折り曲げ部18を切り込み溝19を境に折り曲げ、ビット2が挿入された保持体7をビット2ごとハンガー本体5に近接させ、ビット2の周溝4をハンガー本体5の突起部8に位置合わせする。そして、ビット2が突起部8に係合すると共に保持体7の装着突起12がハンガー本体5の装着孔11に嵌入する。
なお、ビット2には周溝4から刃先までの長さが工作内容や用途に合わせて異なるものがある。このように長さが異なる複数のビット2を装着した場合でも、ビットハンガー1においては突起部8に係合した周溝4が視認可能となっているので、装着されたビット2の長さが一目瞭然となり、取り違える心配がない。
[第2実施形態]
図11、図12は、ビットハンガー1の第2実施形態を示している。第2実施形態が第1実施形態と異なっている点は、装着孔11に対して係脱自在に装着(係合)可能な装着突起12を備えている点にある。
それゆえ、装着突起12が装着孔11から離脱する際には、離脱許容面20により装着突起12の先端が装着孔11から通り抜け可能となり、保持体7のハンガー本体5からの離脱が許容される。
これによって、第2実施形態においては保持体7をハンガー本体5に係脱自在に装着することが可能となり、ビット2を保持体7ごと自由に取り付けたり取り外したりできるようになり、複数のビット2を何度も付けたり外したりするような場合の利便性が向上する。
[第3実施形態]
図13はビットハンガー1の第3実施形態を示している。第3実施形態が第2実施形態と異なっている点は、薄肉部14を破断してビット2を取り出す保持部6に代えて、長手方向に沿ってビット2を抜き取ることでビット2の取り出しを可能とする筒形状の挿通孔21を保持部6に設けている点にある。
このような構成とすることで、保持部6に薄肉部14を形成したり薄肉部14に切り込み15を形成する手間を省くことが可能になり、製造コストを低く抑えたビットハンガー1を得ることが可能となる。
[第4実施形態]
図14はビットハンガー1の第4実施形態を示している。第4実施形態が第2実施形態と異なっている点は、保持体7とハンガー本体5とを別体に形成した上で、凹部13に代えて筒形状の挿通孔21を設けている点にある。
このような構成とすることで、保持部6に薄肉部14を形成したり薄肉部14に切り込み15を形成する手間を省くことが可能になり、製造コストを低く抑えたビットハンガー1を得ることが可能となる。
[第5実施形態]
図15、図16は、ビットハンガー1の第5実施形態を示している。第5実施形態が第1実施形態と異なっている点は、保持体7がハンガー本体5の前面に一体形成されている点、及び保持部6へのビット2の着脱が常時可能となっている点にある。
このように保持体7をハンガー本体5に一体形成することにより、ビット2のハンガー本体5への装着に合わせてその都度保持体7を装着する手間を省くことができ、ビットハンガー1の利便性を高めることが可能となる。また、射出成形等でビットハンガー1を形成する場合に部品点数が減って製造コストを低くすることもできる。
そこで、本実施形態においては、図15、図16に示されるように、ビット2の取り付け時にも回動するゲート部22を薄肉部14に代えて凹部13の前面に設け、ゲート部22を開動させることによりビット2の保持部6への着脱を可能としている。
[第6実施形態]
図17は、ビットハンガー1の第6実施形態を示している。第6実施形態が第5実施形態と異なっている点は、凹部13の前面に開口部24を設けている点にある。
このような構成により、保持体7がハンガー本体5に予め固定されている場合であっても、ゲート部22と同様に開口部24を介してビット2を保持部6へ着脱することが可能となる。
[第7実施形態]
図18は、ビットハンガー1の第7実施形態を示している。第7実施形態が第1実施形態と異なっている点は、保持体7がハンガー本体5とは全く別の部材として(別体に)形成されている点にある。
このような構成とすることで、射出成形の金型を簡単な構造として製造コストを下げることが可能となる。
なお、上述のように保持体7をハンガー本体5と全く別の部材として(別体に)形成した場合には、保持体7をハンガー本体5に接着剤や係止具等の手段を用いて係合することもできる。
[第8実施形態]
図19は、ビットハンガー1の第8実施形態を示している。第8実施形態が第2実施形態と異なっている点は、保持体7とハンガー本体5とを連結する折り曲げ部18に切り離し部23を形成し、力を加えて切り離し部23を境に折り曲げ部18が切り離し可能に形成されている点にある。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
例えば、前記実施形態では、ビット2を3本収容できるビットハンガー1が例示されている。しかし、ビット2の装着本数は1本又は3本以上の複数本数としても良い。
また、前記実施形態では、保持体7は突起部8の下方のハンガー本体5に配置されていた。しかし、保持体7の配置箇所は突起部8の上方であっても良い。
2 ビット
3 刃先
4 周溝
5 ハンガー本体
6 保持部
7 保持体
8 突起部
9 吊り下げ用孔
10 スリット部
11 装着孔
12 装着突起
13 凹部
14 薄肉部
15 切り込み
16 導入面
17 阻止面
18 折り曲げ部
19 切り込み溝
20 離脱許容面
21 挿通孔
22 ゲート部
23 切り離し部
24 開口部
25 連接部
Claims (3)
- 長手方向の中途側に周溝を有するビットを装着するビットハンガーであって、
ハンガー本体と、
ビットを長手方向に沿って挿通して保持する保持部と、
ハンガー本体から前面側に突設されていて、保持部に挿通されたビットの周溝と係合して保持部からのビットの離脱を阻止する突起部とを備え、
前記保持部と突起部とをビットの長手方向に分けて配置していて、
前記保持部を形成した保持体が突起部から上下方向に離れたハンガー本体の部位に装着されており、
前記保持体は折り曲げ可能な折り曲げ部を介してハンガー本体に一体形成されており、
前記保持体は、前記ビットを上下方向に沿って移動可能に保持したまま突起部の下方のハンガー本体に装着されることで、前記突起部に周溝を位置合わせしつつハンガー本体に嵌め止めされることを特徴とするビットハンガー。 - 前記保持体はハンガー本体に向かって突出する装着突起を有し、前記ハンガー本体にはこの装着突起が装着する装着孔が形成されており、
前記装着突起は、前記装着孔からの離脱を阻止する阻止面又は離脱を許容する離脱許容面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のビットハンガー。 - 前記保持部は、前面側がビットを脱離させる際に破壊可能な薄肉部で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のビットハンガー。
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