JP5225522B2 - 液体紙容器 - Google Patents
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而して、近年、バリア性素材として、2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、あるいは、2軸延伸ナイロンフィルム等の基材フィルムの一方の面に、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を設けた透明バリア性フィルムが注目され、これをバリア性素材として使用した液体紙容器が提案されている。
すなわち、少なくとも、ポリオレフィン系樹脂層(ヒ−トシ−ル性樹脂層)/紙基材/接着性樹脂層/無機酸化物の蒸着膜を設けた基材フィルム/ポリオレフィン系樹脂層(ヒ−トシ−ル性樹脂層)の順で積層して積層材を製造し、次いで、該積層材を使用し、まず、該積層材に折り罫等を施すと共に所望の形状にブランク板を打ち抜き加工し、次に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、その端面に、例えば、スカイブ・ヘミング処理等を施して端面処理を行い、しかる後、シ−ル部にフレ−ム処理、あるいは、ホットエア−処理等を行いフレ−ムシ−ル、あるいは、ホットエア−シ−ル等により胴貼りを行って、筒状のスリ−ブを製造する。
次に、上記で製造した筒状のスリ−ブを、内容物を充填するメ−カ−等に納入し、該筒状のスリ−ブを内容物充填機に供給し、次いで、内容物の充填に先立って、まず、筒状のスリ−ブのボトムの内面をホットエア−により炙り、プレスシ−ルを行って底部を製造し、しかる後、内容物を充填した後、トップの内面をホットエア−で炙り、プレスシ−ルを行ってトップ部を形成して、内容物を充填包装した密閉液体紙容器を製造するものである。
例えば、紙基材と上記の透明バリア性フィルムを、その酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜の面を対向させて、アンカ−コ−ト剤層等を介して、例えば、低密度ポリエチレン樹脂等を使用し、これを330℃位に加熱し、押出機等から溶融押出しながら、その溶融押出樹脂層を介して積層すると、上記の溶融押出樹脂層による加熱温度等により、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜にクラック等を発生し易く、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に著しく劣化させるものである。
そして、上記のようにピンホ−ルが発生すると、シ−ル不良、液漏れ等を発生し、これに伴い内容物の変質と共に保存性、貯蔵性等の安定性に欠けるという問題点があり、場合によっては、その商品価値を著しく低下し、廃棄しなければならないという問題点がある。
而して、上記の炙りピンホ−ルについてその発生の過程等を含めて以下に更に詳しく説明すると、前述のように、製函に際し、まず、紙容器のトップ部あるいは底部を形成するために、筒状のスリ−ブのトップあるいはボトムの内面に、加熱チャンバ−の吹き出し口からホットエア−を吹きつける。
ところで、上記で筒状のスリ−ブのトップあるいはボトムの内面に吹きつけたホットエア−は、その内面にある低密度ポリエチレン樹脂層(ヒ−トシ−ル性樹脂層)を構成する低密度ポリエチレン樹脂(ヒ−トシ−ル性樹脂)を溶融するが、更に、ホットエア−による熱は、紙基材まで到達し、該紙基材を加熱し、而して、紙基材が加熱されると、紙基材中に含まれている水分が、加熱され、これが蒸気となって積層材の内外面側に抜けようとし、これにより、紙基材の内外面に積層されている樹脂フィルムを押し上げて、膨らむという発泡化現象を示す。
更に、ホットエア−による熱が加わると、紙基材に積層されている内面側の樹脂フィルムは、水分の蒸発による蒸気圧に耐えられなくなり、その膨らんだ樹脂フィルムが破れることになり、これにより炙りピンホ−ルが発生するものであると考えられている。
例えば、外面側から、低密度ポリエチレン樹脂層、紙基材、接着性ポリエチレン樹脂層、無機酸化物の蒸着膜を設けた2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、低密度ポリエチレンフィルム等を順次に積層した構成からなる積層材を使用し、これを製函して製造した液体紙容器において、上記の炙りピンホ−ルの発生過程を観察すると、上記と同様に、まず、初期において、接着性ポリエチレン樹脂層において、これが膨れて発泡化現象を発生し、その膨れにつられるように無機酸化物の蒸着膜を設けた2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、更に、低密度ポリエチレンフィルムが膨らんで発泡化し、次いで、最終的に、上記の膨らんで発泡化した気泡が破裂して炙りピンホ−ルが発生することを確認することができるものである。
そこで本発明は、バリア性素材としての透明バリア性フィルムを構成する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜にクラック等が発生することを防止すると共に炙りピンホ−ル等の発生を皆無とし、これにより、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、ピンホ−ルの発生に伴いシ−ル不良、液漏れ等を回避し、内容物の変質等を防止すると共に保存性、貯蔵性等に優れた液体紙容器を提供することである。
まず、本発明にかかる液体紙容器を構成する積層材等の構成についてその一例を例示して図面を用いて説明すると、図1は、本発明にかかる液体紙容器を構成する積層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
次に、本発明にかかる液体紙容器の構成についてその一例を例示して図面を用いて説明すると、図2、図3、図4、および、図5は、上記の図1に示す積層材を使用し、本発明にかかる液体紙容器の製函についてその製函工程の構成を示す各製函工程における液体紙容器の構成を示す概略的斜視図である。
上記の例示は、本発明にかかる液体紙容器を構成する積層材についてその一例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
例えば、本発明においては、図示しないが、上記のような積層材の構成において、バリア性層を構成する無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜と保護膜の面は、紙基材の面、あるいは、最内層の面のいずれの面に対向させて積層してもよいものであるが、好ましくは、紙基材の面に対向させて積層することが望ましいものである。
また、例えば、本発明においては、図示しないが、バリア性層を構成する無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の一層からなる単層膜のみならず同種あるいは異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる多層膜あるいは複合膜等でもよく、更にまた、本発明においては、液体紙容器の包装目的、充填包装する内容物、その使用目的、用途等によって、更に、他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる積層材を設計して製造することができるものである。
次に、図3に示すように、常法により、上記で製造したブランク板Bの端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、例えば、スカイブ・ヘミング処理等を施して端面処理を行った後、糊代部12(図2参照)にフレ−ム処理、あるいは、ホットエア−処理等を行い、該糊代部12の最内層10(図1参照)を構成するヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層等を溶融し、その溶融面に、上記のブランク板Bの他方の端部13(図2参照)を重ね合わせてフレ−ムシ−ル、あるいは、ホットエア−シ−ル等により胴貼りシ−ル部14を形成して、筒状のスリ−ブCを製造する。
次に、図4に示すように、上記で製造した筒状のスリ−ブCを、内容物を充填するメ−カ−等に納入し、該筒状のスリ−ブCを内容物充填機(図示せず)に供給し、次いで、内容物の充填に先立って、まず、筒状のスリ−ブCのボトムの内面をホットエア−により炙り、その内面の最内層を構成するヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層等を溶融させて、プレスシ−ルを行って底シ−ル部15を形成して、上方に開口部16を有する包装用容器Dを製造する。
しかる後、図5に示すように、上記の包装用容器Dの開口部16から内容物17を充填した後、トップの内面をホットエア−で炙り、その内面の最内層を構成するヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層等を溶融させて、プレスシ−ルを行って屋根型トップシ−ル部18を形成して、内容物17を充填包装した本発明にかかる密閉液体紙容器Eを製造するものである。
上記の例示は、本発明にかかる液体紙容器についてその一例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
例えば、本発明においては、図示しないが、本発明にかかる液体紙容器の形状としては、ブロック型のもの、筒状型のもの、その他等の任意の形状を取り得るものである。
なお、本発明においては、上記の図2に示す積層材を使用し、上記と同様にして、同様に液体紙容器を製函し得るものである。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、これを押出機等を用いて溶融押出して、アンカ−コ−ト剤層等を介して、溶融押出樹脂層を溶融押出積層することにより、あるいは、上記のような樹脂の1種ないし2種以上を使用し、予め、これから樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、その樹脂のフィルムないしシ−トを、ラミネ−ト用接着剤層等を介してドライラミネ−ト積層することにより、最外層あるいは最内層等を形成することができるものである。
なお、本発明において、最外層あるいは最内層の厚さとしては、5〜200μm位、好ましくは、10〜100μm位が望ましいものである。
また、本発明において、上記の紙基材としては、坪量約80〜600g/m2位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2位のものを使用することができる。
なお、本発明において、上記の紙基材には、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他等の所望の印刷絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができるものである。
而して、本発明において、上記の接着剤層を構成するポリオレフィン系樹脂としては、前述の最外層あるいは最内層を構成する、例えば、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂、その他等を使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
上記において、ポリオレフィン系樹脂の溶融押出樹脂層の膜厚としては、10μm〜50μm位が好ましく、更には、15μm〜35μm位が好ましいものである。
具体的には、本発明において、基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリ−ルフタレ−ト系樹脂、シリコ−ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ−テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜100μm位、より好ましくは、9〜50μm位が望ましい。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシ−トと後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
上記の図6に示すように、本発明においては、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フィルム5を繰り出し、更に、該基材フィルム5を、補助ロ−ル24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル29を通して真空チャンバ−22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された基材フィルム5の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバ−22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム5は、補助ロ−ル33を介して巻き取りロ−ル34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
また、原料揮発供給装置28においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置26、27から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズル29を介して真空チャンバ−22内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラム25には、電源31から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−22内の原料供給ノズル29の開口部と冷却・電極ドラム25との近傍でグロ−放電プラズマ30が生成され、このグロ−放電プラズマ30は、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルム5を一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマ30によって、冷却・電極ドラム25周面上の基材フィルム6の上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、樹脂フィルム74の搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
また、本発明においては、SiOXプラズマにより基材フィルム5の表面が、清浄化され、基材フィルム5の表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィルム5との密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルム5を原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX(ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げるとCH3部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。
また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
本発明において、具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材フィルムの一方の上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの一方の上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
図7に示すように、巻き取り式真空蒸着装置41の真空チャンバ−42の中で、巻き出しロ−ル43から繰り出す基材フィルム5は、ガイドロ−ル44、45を介して、冷却したコ−ティングドラム46に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム46上に案内された基材フィルム5の上に、るつぼ47で熱せられた蒸着源48、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口49より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク50、50を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム5を、ガイドロ−ル457´、44´を介して送り出し、巻き取りロ−ル51に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、本発明においては、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX、AlOX、MgOX等のようにMOX(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。
本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
而して、上記の異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルムの上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することが望ましいものである。
勿論、本発明においては、上記とは逆くに、基材フィルムの上に、先に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することもできるものである。
上記において、ガスバリア性組成物中には、含窒素有機溶剤を含有することが好ましく、また、無機微粒子〔以下(C)成分という。〕を含有することも好ましいものである。
また、上記において、(B)成分としては、(B)成分を水または水と親水性有機溶媒を含む混合溶媒中で加水分解した後、(A)成分と混合してガスバリア性組成物を調製することができるものである。
上記(A)成分のうち、ポリビニルアルコールは、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものである。
このポリビニルアルコールとしては、酢酵基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコールでも、もしくは、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が変性された変性ポリビニルアルコールでもよく、特に限定されるものではない。
上記ポリビニルアルコールの具体例としては、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等を使用することができる。
また、(A)成分のうち、エチレン・ビニルアルコール共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものであり、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。
エチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは20〜45モル%である。
上記エチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
これらの(A)を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、1種単独で使用することも、あるいは、2種以上を混合して用いることもできる。
また、(A)成分を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、それ自体、ガスバリア性、耐候性、耐有機溶剤性、透明性、熱処理後のガスバリア性などに優れる。
加えて、(A)成分を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、本発明のガスバリア性組成物から得られる塗膜を硬化させる際に、ポリビニルアルコールに由来する繰り返し単位中に存在する水酸基が、後記(B)成分および/また(C)成分と共縮合することにより、優れた塗膜性能をもたらすことができる。
本発明のガスバリア性組成物における(A)成分の割合は、後記(B)成分100重量部に対し、10〜10,000重量部、好ましくは、20〜5,000重量部、さらに好ましくは、100〜1,000重量部である。
10重量部未満では、得られる塗膜にクラックが入りやすく、ガスバリア性が低下し、一方、10,000重量部を超えると、得られる塗膜が高湿皮下ではガスバリア性が低下して好ましくないものである。
なお、上記の金属アルコレートの加水分解物としては、金属アルコレートに含まれるOR2がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの混合物であってもよい。
また、上記の金属アルコレートの縮合物は、金属アルコレートの加水分解物のM−OH基が縮合してM−O−M結合を形成したものであるが、本発明では、M−OH基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部のM−OH基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
さらに、上記の金属アルコレートのキレート化合物は、金属アルコレートと、β−ジケトン類、β−ケトエステル類、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸エステル、ケトアルコールおよびアミノアルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物との反応で得られる。
これらの化合物の中でも、β−ジケトン類またはβ−ケトエステル類を用いることが好ましく、これらの具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。
また、上記のキレート化合物の加水分解物は、上記の金属アルコレートの加水分解物と同様に、キレート化合物に含まれるOR2基がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいは、これらの混合物であってもよい。
本発明において、(B)成分は、(A)成分との共縮合体を形成する作用をなすものと考えられる。
R1の炭素数1〜8の1価の有機基は、一般式(1)で表される化合物が金属アルコレートである場合と金属アシレートである場合とで異なる。
金属アルコレートである場合には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル墓などのアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基などのアシル基;ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
R1の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。
ただし、これらの置換誘導体からなるR1の炭素数は、置換基中の炭素原子を 含めて8以下である。
また、金属アシレートである場合には、R1の炭素数1〜8の1価の有機基としては、アセトキシル基、プロピオニロキシル基、ブチリロキシル基、バレリロキシル基、ベンゾイルオキシル基、トリオイルオキシル基などのアシルオキシル基を挙げることができる。
一般式(1)中に、R1が2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよい。
一般式(1)中に複数個存在するR2は、相互に同一でも異なってもよい。
(イ).テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウム化合物;
などを挙げることができる。
これらの金属アルコレートおよび金属アルコレートのキレート化合物のうち好ましいものとしては、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナート)チタニウム、ジヒドロキシ・ビスラクテタートチタニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムおよびトリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムを挙げることができ、特に好ましい化合物はジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナート)チタニウム、ジヒドロキシ・ビスラクテタートチタニウムなどのチタン化合物である。
これらの(B)成分は、1種単独あるいは2種以上混合して用いられる。
この場合、水の使用量は、一般式R1 mM(OR2)n(1)で表される化合物1モルに対し、0.1〜1000モル、好ましくは、0.5〜500モルである。
また、混合溶媒の場合、水と親水性有機溶媒の配合割合は、水/親水性有機溶媒=10〜90/90〜10(重量比)、好ましくは、30〜70/70〜30、更に、好ましくは、40〜60/60〜40である。
上記の無機微粒子は、平均粒子径が0.2μm以下の実質的に炭素原子を含まない粒子状無機物質であり、金属またはケイ素酸化物、金属またはケイ素窒化物、金属ホウ化物が挙げられる。
無機微粒子の製造方法は、例えば、酸化ケイ素を得るには四塩化ケイ素を酸素と水素の炎中での加水分解により得る気相法、ケイ酸ソーダのイオン交換により得る液相法、シリカゲルのミルなどによる粉砕より得る固相法などの製造方法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
また、無機微粒子の形態は、粉体、水または有機溶剤に分散したコロイドもしくはゾルが挙げられるが、これらは限定されるものではない。
これらの中で、(A)成分および/または(B)成分と共縮合することで優れた塗膜性能を得るために、好ましくは、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、アルミナゾル、スズゾル、ジルコニウムゾル、五酸化アンチモンゾル、酸化セリウムゾル、酸化亜鉛ゾル、酸化チタンゾルなどの粒子表面に水酸基が存在するコロイド状酸化物が用いられる。
無機微粒子の平均粒子径は、0.2μm以下、好ましくは、0.1μm以下であり、平均粒径が0.2μmを超えると、膜の緻密性の観点からガスバリア性が劣る場合がある。
上記において、900重量部を超えると、得られる塗膜のガスバリア性が低下する場合がある。
Sn(OCOCC8H17)2などのカルボン酸型有機スズ化合物;
などのメルカプチド型有機スズ化合物;
などのスルフィド型有機スズ化合物;
これらの(D)硬化促進剤のガスバリア性組成物中における割合は、本発明のガスバリア性組成物の固形分100重量部に対して、通常、0.5〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部用いられる。
すなわち、上記の(B)成分としてガスバリア性組成物中に存在する上記の金属アルコレート中の金属原子に配位することにより、(A)成分と(B)成分との縮合反応をコントロールする作用をし、得られるガスバリア性組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと考えられる。
β−ジケトン類および/またはβ−ケトエスチル類の使用量は、上記(B)成分における金属原子1モルに対し、好ましくは2モル以上、さらに好ましくは、3〜20モルである。
ここで、親水性有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの炭素数1〜8の飽和脂肪族の1価アルコールまたは2価アルコール;エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどの炭素数1〜8の飽和脂肪族のエーテル化合物;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの炭素数1〜8の飽和脂肪族の2価アルコールのエステル化合物;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ピリジンなどの含窒素化合物(含窒素有機溶媒);ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、サリチル酸、サリチル酸メチルなどのヒドロキシカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸エステルなどを挙げることができる。これらのうち、好ましいものとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ピリジンなどの含窒素化合物(含窒素有機溶媒)を挙げることができる。
好ましい溶媒の組成としては、水/炭素数1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール、水/含窒素化合物(含窒素有機溶媒)である。
さらに好ましくは、水/炭素数1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール/含窒素化合物(含窒素有機溶媒)である。
含窒素有機溶媒を混合することで、薄膜でのコーティングにおいて外観が透明で良好な塗膜が得られる。
例えば、薄膜形成を目的に用いられる場合には、通常、5〜40重量%、好ましくは、10〜30重量%であり、また厚膜形成を目的に使用する場合には、通常、20〜50重量%、好ましくは、30〜45重量%である。
ガスバリア性組成物の全固形分濃度が60重量%を超えると、組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
また、上記含窒素有機溶媒の割合は、溶媒全量中に、通常、1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%である。
この際、反応条件は、温度は20〜100℃、好ましくは30〜80℃、時間は0.1〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
得られるガスバリア性組成物の重量平均分子量は、一般的なGPC法によるポリメチルメタクリレート換算値で、通常、500〜100万、好ましくは1,000〜30万である。
ただし、充填材は、上記(C)成分を除く。
充填材としては、例えば、有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。
この充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントイエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどが挙げられる。
充填材の組成物中の割合は、充填材以外の成分の全固形分100重量部に対し、好ましくは、0.1〜300重量部、さらに好ましくは、1〜200重量部である。
このようにすると、ガスバリア性組成物の経時的な粘度変化がなく、取り扱い性に優れたガスバリア性組成物が得られる。
(C)成分を用いる場合の本発明のガスバリア性組成物の調製方法の具体例としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
これらの調製方法において用いられる(B)成分は、水または水と親水性有機溶媒を含む混合溶媒中であらかじめ加水分解したものを用いてもよい。
水および/または親水性有機溶剤に溶解させた(A)成分に(C)成分を添加したのち、(B)成分を添加する方法。
水および/または親水性有機溶剤に溶解させた(A)成分に(C)成分を添加したのち、(B)成分を添加し、加水分解および/または縮合する方法。
水および/または親水性有機溶剤に溶解させた(B)成分に、(C)成分を添加し、加水分解および/または縮合を行ない、そののちに(A)成分を添加する方法。
水および/または親水性有機溶剤に(A)〜(C)成分を一括添加し、溶解・分散する方法。または、そののちに加水分解および/または縮合を行う方法。
本発明においては、無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とが、例えば、加水分解・共縮合反応による化学結合、水素結合、あるいは、配位結合などを形成し、無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜との密着性が向上し、その2層の相乗効果により、より良好なガスバリア性の効果を発揮し得るものである。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの塗装手段により、1回あるいは複数回の塗装で、乾燥膜厚が0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μmの本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができ、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾燥することにより、縮合が行われ、本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができる。
また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プライマー剤等を塗布することもできるものである。
而して、本発明において、上記の保護膜としては、前述の溶融押出樹脂層からなる接着剤層と同一ないし親和性等を有し、相互に溶着し得るポリオレフィン系樹脂、具体的には、前述と同様に、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂から構成される樹脂膜等を使用することができる。
あるいは、本発明においては、例えば、予め、上記のようなポリオレフィン系樹脂の1種ないし2種以上を使用し、上記と同様に、まず、これからポリオレフィン系樹脂フィルムを製造し、次いで、そのポリオレフィン系樹脂フィルムを、バリア性層を構成する無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜の上に、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層等を介して押出積層して、ポリオレフィン系樹脂からなる保護膜を形成することができる。
上記の押出積層においては、約300℃以下位の比較的低温で樹脂を溶融押出することが好ましいものである。
なお、本発明において、上記の保護膜の膜厚としては、10μm〜50μm位が好ましく、更には、15μm〜35μm位が好ましいものである。
また、本発明においては、上記のようにポリオレフィン系樹脂からなる保護膜と溶融押出樹脂層からなる接着剤層との2層から、その膜厚を、従来の溶融押出樹脂層からなる接着剤層の20μm位の厚さから約25μm〜55μm位に厚くすることができ、これにより、例えば、その内面にホットエア−等を吹きつけて、筒条スリ−ブ、底部あるいはトップ部を形成して製函する際に、紙基材までに熱が伝わるのを防止し、紙容器を構成する積層材の内面において、炙りピンホ−ル等の発生を防止し得るという作用効果を奏するものである。
そのため、本発明においては、低温シ−ル性を有するメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に着目し、それによる最内層を形成すると、250℃〜300℃位の低温シ−ルを可能とし、ピンホ−ルの発生を防止し、シ−ル不良、液漏れ等を回避し得るという利点を有する。
更に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体は、粘着性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上させるという利点があるものであり、また、最内層は常時内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッキング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレン−ブテン共重合体等をブレンドすることにより、若干、耐熱性に劣り高温環境下ではシ−ル安定性が劣化する傾向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与するという利点がある。
本発明において、特に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体層からなる最内層を使用する場合には、液体紙容器を製函するときに、低温ヒ−トシ−ル性が可能であるという利点を有するものである。
上記のメタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである(以下、メタロセン触媒は、シングルサイト触媒と同等の意味である。)。
具体的には、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体層からなる最内層としては、バリア性層の面に、例えば、アンカ−コ−ト剤層等を介して積層する溶融押出積層法、あるいは、ラミネート用接着剤層等を介して積層するドライラミネ−ト法等の通常の積層法を用いて形成することができる。
本発明において、最内層の膜厚としては、10μmないし300μm位、好ましくは、20μmないし100μm位が望ましい。
なお、上記のメタロセン触媒は、無機物に担持されて使用されることもある。
上記において、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれる遷移金属、具体的には、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基またと置換フルオニル基が1ないし2個結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アセチルアセトナ−ト基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものを使用することができる。
また、上記において、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等を使用することができる。
ここで、アルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等を使用することができる。
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンとしては、例えば、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成することができる。
例えば、重合時に、アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで生成することができる。
次にまた、上記において、メタロセン触媒を担持させる無機物としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、珪素土等を使用することができる。
また、上記の重合は、バッチ式あるいは連続式等のいずれの方法でもよい。
上記において、重合条件としては、重合温度、−100〜250℃、重合時間、5分〜10時間、反応圧力、常圧〜300Kg/cm2位である。
更に、本発明において、エチレンと共重合されるコモノマーであるα・オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等を使用することができる。
上記のα・オレフフィンは、単独で使用してもよく、また、2以上を組み合わせて使用することもできる。
また、上記のα・オレフフィンの混合比率は、例えば、1〜50重量%、望ましくは、10〜30重量%とすることが好ましい。
而して、本発明において、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフイン共重合体の物性は、例えば、分子量、5×103〜5×106、密度、0.890〜0.930g/cm3、メルトフロ−レ−ト〔MFR〕、0.1〜50g/10分位である。
なお、本発明においては、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体には、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
上記において、共押し出し樹脂層を形成する方法としては、Tダイ共押し出し方式、あるいは、共押し出しインフレ−ション方式等によって製造することができ、また、その層構成は、2層あるいはそれ以上の層からなる共押し出し樹脂層からなり、更にまた、その各樹脂層の厚さとしては、2〜20μm位の範囲内で任意に調整することが望ましい。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
上記の印刷模様層としては、例えば、上記のバリア性塗布膜の上に、通常のグラビアインキ組成物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、スクリーンインキ組成物、その他のインキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、その他の印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他からなる所望の印刷絵柄を形成することにより構成することができる。
上記インキ組成物について、インキ組成物を構成するビヒクルとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロースなどの繊維素系樹脂、塩化ゴム、環化ゴムなどのゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼインなどの天然樹脂、アマニ油、大豆油などの油脂類、その他の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
本発明において、上記のようなビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、染料・顔料などの着色剤の1種ないし2種以上を加え、さらに必要ならば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、その他の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤などで充分に混練してなる各種の形態からなるインキ組成物を使用することができる。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、その他等の前処理を任意に施すことができ、また、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ト剤、あるいは、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−コ−ト剤、ラミネ−ト用接着剤等を任意に使用することができる。
上記において、ラミネート用接着剤としては、例えば、1液、あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などのラミネート用接着剤を使用することができる。
上記ラミネート用接着剤のコーティング法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
そのコーティング量としては、好ましくは0.1〜10g/m2(乾燥状態)位、より好ましくは1〜5g/m2(乾燥状態)位である。
なお、上記ラミネート用接着剤には、例えば、シランカップリング剤などの接着促進剤を任意に添加することができる。
上記の溶融押出接着性樹脂による溶融押出樹脂層の膜厚は、好ましくは5〜100μm位、さらに好ましくは、10〜50μm位である。
なお、本発明において、上記の積層を行う際に、より強固な接着強度を得る必要がある場合には、アンカーコート剤などの接着改良剤などをコートすることもできる。
上記アンカーコート剤としては、例えば、アルキルチタネートなどの有機チタン系アンカーコート剤、イソシアネート系アンカーコート剤、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤、ポリブタジエン系アンカーコート剤、その他の水性または油性の各種のアンカーコート剤を使用することができる。
本発明においては、上記アンカーコート剤を、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレイコート、その他のコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈剤などを乾燥して、アンカーコート剤層を形成することができる。
上記アンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2(乾燥状態)位が好ましい。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
更に、本発明において、本発明にかかる液体紙容器には、例えば、各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装することができるものである。
而して、本発明において、本発明にかかる液体紙容器は、特に、例えば、酒、果汁飲料等のジュ−ス、ミネラルウオ−タ−、醤油、ソ−ス、ス−プ等の液体調味料、あるいは、カレ−、シチュ−、ス−プ、その他等の種々の液体飲食物を充填包装する包装用容器として有用なものである。
実施例1
(1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm)
真空チャンバ−内の真空度;2〜6×10-6mBar
蒸着チャンバ−内の真空度;2〜5×10-3mBar
冷却・電極ドラム供給電力;10kW
ライン速度;100m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセトン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキレート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%であった。
次に、(A)成分として、エチレン・ビニルアルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール溶液(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)100部と、上記で調製したチタンキレート化合物2部とn−プロピルアルコール16.8部および水11.2部を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分とを、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリア性組成物を得た。
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、120℃で2分間加熱処理して、厚さ0.5g/m2(乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形成した。
(3).次に、タンデムドライラミネ−ション(タンデムLM)機を使用し、上記の(2)で形成したガスバリア性塗布膜の面に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚30μm)を対向させてドライラミネ−ションして、バリア性層を製造して、第1のドライラミネ−ション工程を終了し、次いで、第2のドライラミネ−ション工程において、上記で製造したバリア性層を構成する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、上記と同様に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚60μm)を対向させてドライラミネ−ションした。
(4).他方、紙基材〔米国、ポトラッチ(Potlatch)社製、坪量400g/m2〕の一方の面に、コロナ放電処理を施した後、該コロナ放電処理面に、低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを押出コ−トして厚さ30μmの低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、押出ラミネ−ト機を用いて、上記の紙基材の非コ−ト面に、上記の(3)で製造したバリア性層を構成する厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルム面を対向させ、その層間を、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学株式会社製、商品名、M16P、押出温度:320℃、押出膜厚:20μm)を使用し、これを押出して押出ラミネ−トして、上記の紙基材とバリア性層とを貼り合わせて、本発明にかかる積層材を製造した。
(5).次いで、上記で製造した積層材を使用し、ゲ−ベルトップ型の液体紙容器の形状に合わせて、縦あるいは横または斜め等に折り罫を刻設すると共に打ち抜き加工して、糊代部を有するブランク板を製造し、次いで、上記で製造したブランク板の端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、スカイブ・ヘミング処理を施して端面処理を行った後、糊代部にホットエア−処理を行い、該糊代部の低密度ポリエチレンフィルムを溶融し、その溶融面に、上記のブランク板の他方の端部を重ね合わせてその両者を貼り合わせて胴貼りシ−ル部を形成して筒状のスリ−ブを製造した。
次に、上記で製造した筒状のスリ−ブのボトムの内面をホットエア−により炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行って底シ−ル部を形成し、しかる後、他方の開口部から果汁ジュ−スを充填した後、トップの内面をホットエア−で炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行ってゲ−ベルトップシ−ル部を形成して、内容物を充填包装した本発明にかかる密閉液体紙容器を製造した。
上記で製造した密閉液体紙容器は、炙りピンホ−ル等の発生は認められず、更に、、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、かつ、保香性に優れ、その内容物の変質は認められず、また、ラミネ−ト強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
上記の実施例1において、実施例1の(3)の第2の押出ラミネ−ション工程において、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚60μm)に代えて、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体フィルム(東洋紡株式会社製、商品名、L2005フィルム、フィルム膜厚60μm)を使用し、それ以外は、上記の実施例1と全く同様にして、実施例1と同様に、本発明にかかる積層材、液体紙容器を製造し、同様の効果を得た。
(1)基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、下記の条件で厚さ150Åの酸化ケイ素の蒸着膜を上記2軸延伸ナイロンフィルムの一方の面に形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:slm)
真空チャンバー内の真空度:5.2×10-6mbar
蒸着チャンバー内の真空度:5.1×10-2mbar
冷却・電極ドラム供給電力:18kW
フィルムの搬送速度:70m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で酸化ケイ素の蒸着膜を形成した2軸延伸ナイロンフィルムの酸化ケイ素の蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にしてプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセトン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキレート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%であった。
次に、(A)成分として、エチレン・ビニルアルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、ソアノールD2935、ケン化度:98%以上、エチレン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35g/10分〕、および、ポリビニルピロリドン〔和光純薬株式会社製、Mw=25,000〕を、それぞれ、5%含む水/n−プロピルアルコール溶液(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)100部と、ならびに、上記で調製したチタンキレート化合物2部とn−プロピルアルコール16.8部、および水11.2部を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分と、更に、N,N−ジメチルホルムアミド12.1部とを、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリア性組成物を得た。
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、120℃で1分間、加熱処理して、厚さ0.5g/m2(乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形成した。
(3).次に、タンデムドライラミネ−ション(タンデムLM)機を使用し、上記の(2)で形成したガスバリア性塗布膜の面に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚30μm)を対向させてドライラミネ−ションして、バリア性層を製造して、第1のドライラミネ−ション工程を終了し、次いで、第2のドライラミネ−ション工程において、上記で製造したバリア性層を構成する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、上記と同様に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚60μm)を対向させてドライラミネ−ションした。
(4).他方、紙基材〔米国、ポトラッチ(Potlatch)社製、坪量400g/m2〕の一方の面に、コロナ放電処理を施した後、該コロナ放電処理面に、低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを押出コ−トして厚さ30μmの低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、押出ラミネ−ト機を用いて、上記の紙基材の非コ−ト面に、上記の(3)で製造したバリア性層を構成する厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルム面を対向させ、その層間を、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学株式会社製、商品名、M16P、押出温度:320℃、押出膜厚:20μm)を使用し、これを押出して押出ラミネ−トして、上記の紙基材とバリア性層とを貼り合わせて、本発明にかかる積層材を製造した。
(5).次いで、上記で製造した積層材を使用し、ゲ−ベルトップ型の液体紙容器の形状に合わせて、縦あるいは横または斜め等に折り罫を刻設すると共に打ち抜き加工して、糊代部を有するブランク板を製造し、次いで、上記で製造したブランク板の端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、スカイブ・ヘミング処理を施して端面処理を行った後、糊代部にホットエア−処理を行い、該糊代部の低密度ポリエチレンフィルムを溶融し、その溶融面に、上記のブランク板の他方の端部を重ね合わせてその両者を貼り合わせて胴貼りシ−ル部を形成して筒状のスリ−ブを製造した。
次に、上記で製造した筒状のスリ−ブのボトムの内面をホットエア−により炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行って底シ−ル部を形成し、しかる後、他方の開口部から果汁ジュ−スを充填した後、トップの内面をホットエア−で炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行ってゲ−ベルトップシ−ル部を形成して、内容物を充填包装した本発明にかかる密閉液体紙容器を製造した。
上記で製造した密閉液体紙容器は、炙りピンホ−ル等の発生は認められず、更に、、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、かつ、保香性に優れ、その内容物の変質は認あられず、また、ラミネ−ト強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チャンバ−内の真空度:2×10-4mbar
巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10-2mbar
電子ビ−ム電力:25kW
フィルムの搬送速度:240m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形成した。
(2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセトン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキレート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%であった。
次に、(A)成分として、エチレン・ビニルアルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール溶液(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)100部と、上記で調製したチタンキレート化合物2部とn−プロピルアルコール16.8部、および水11.2部を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分とを、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリア性組成物を得た。
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、120℃で2分間、加熱処理して、厚さ0.5g/m2(乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形成した。
(3).次に、タンデムドライラミネ−ション(タンデムLM)機を使用し、上記の(2)で形成したガスバリア性塗希膜の面に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚30μm)を対向させてドライラミネ−ションして、バリア性層を製造して、第1のドライラミネ−ション工程を終了し、次いで、第2のドライラミネ−ション工程において、上記で製造したバリア性層を構成する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、上記と同様に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚60μm)を対向させてドライラミネ−ションした。
(4).他方、紙基材〔米国、ポトラッチ(Potlatch)社製、坪量400g/m2〕の一方の面に、コロナ放電処理を施した後、該コロナ放電処理面に、低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを押出コ−トして厚さ30μmの低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、押出ラミネ−ト機を用いて、上記の紙基材の非コ−ト面に、上記の(3)で製造したバリア性層を構成する厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルム面を対向させ、その層間を、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学株式会社製、商品名、M16P、押出温度:320℃、押出膜厚:20μm)を使用し、これを押出して押出ラミネ−トして、上記の紙基材とバリア性層とを貼り合わせて、本発明にかかる積層材を製造した。
(5).次いで、上記で製造した積層材を使用し、ゲ−ベルトップ型の液体紙容器の形状に合わせて、縦あるいは横または斜め等に折り罫を刻設すると共に打ち抜き加工して、糊代部を有するブランク板を製造し、次いで、上記で製造したブランク板の端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、スカイブ・ヘミング処理を施して端面処理を行った後、糊代部にホットエア−処理を行い、該糊代部の低密度ポリエチレンフィルムを溶融し、その溶融面に、上記のブランク板の他方の端部を重ね合わせてその両者を貼り合わせて胴貼りシ−ル部を形成して筒状のスリ−ブを製造した。
次に、上記で製造した筒状のスリ−ブのボトムの内面をホットエア−により炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行って底シ−ル部を形成し、しかる後、他方の開口部から果汁ジュ−スを充填した後、トップの内面をホットエア−で炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行ってゲ−ベルトップシ−ル部を形成して、内容物を充填包装した本発明にかかる密閉液体紙容器を製造した。
上記で製造した密閉液体紙容器は、炙りピンホ−ル等の発生は認められず、更に、、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、かつ、保香性に優れ、その内容物の変質は認められず、また、ラミネ−ト強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
(1)基材として、厚さ15μmの2軸延伸ナイロンフィルムを使用し、これを巻き取り式真空蒸着装置の送り出しロールに装着し、次いで、上記フィルムをコーティングドラムの上に繰り出して、アルミニウムを蒸着源に用い、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による酸化反応真空蒸着法により、上記2軸延伸ナイロンフィルムの上に、膜厚200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着源:アルミニウム
真空チャンバー内の真空度:7.2×10-6mbar
蒸着チャンバー内の真空度:1.0×10-6mbar
EB出力:40kW
フィルムの搬送速度:500m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した2軸延伸ナイロンフィルムの酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にしてプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、テトラ−n−ブトキシジルコニウム(純度100%)100部、アセト酢酸エチル68部を加え、60℃で30分間攪拌し、ジルコニウムキレート化合物を得た。この反応生成物の純度は77%であった。
次に、(A)成分として、エチレン・ビニルアルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、ソアノールD2908、ケン化度;98%以上、エチレン含量;29モル%、メルトフローインデックス;8g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール/i−プロピルアルコール溶液(水/n−プロピルアルコール/i−プロピルアルコール重量比=38/41/21)100部と、ならびに、上記で調製したジルコニウムキレート化合物2部とn−プロピルアルコール6.6部、i−プロピルアルコール3.3部、水6部、および、N,N−ジメチルホルムアミド12.1部を混合して、室温で30分間、加水分解した(B)成分とを室温で混合して、本発明のガスバリア性組成物を得た。
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、120℃で2分間、加熱処理して、厚さ0.5g/m2(乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形成した。
(3).次に、タンデムドライラミネ−ション(タンデムLM)機を使用し、上記の(2)で形成したガスバリア性塗布膜の面に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚30μm)を対向させてドライラミネ−ションして、バリア性層を製造して、第1のドライラミネ−ション工程を終了し、次いで、第2のドライラミネ−ション工程において、上記で製造したバリア性層を構成する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、上記と同様に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量;4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚60μm)を対向させてドライラミネ−ションした。
(4).他方、紙基材〔米国、ポトラッチ(Potlatch)社製、坪量400g/m2〕の一方の面に、コロナ放電処理を施した後、該コロナ放電処理面に、低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを押出コ−トして厚さ30μmの低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、押出ラミネ−ト機を用いて、上記の紙基材の非コ−ト面に、上記の(3)で製造したバリア性層を構成する厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルム面を対向させ、その層間を、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学株式会社製、商品名、M16P、押出温度:320℃、押出膜厚:20μm)を使用し、これを押出して押出ラミネ−トして、上記の紙基材とバリア性層とを貼り合わせて、本発明にかかる積層材を製造した。
(5).次いで、上記で製造した積層材を使用し、ゲ−ベルトップ型の液体紙容器の形状に合わせて、縦あるいは横または斜め等に折り罫を刻設すると共に打ち抜き加工して、糊代部を有するブランク板を製造し、次いで、上記で製造したブランク板の端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、スカイブ・ヘミング処理を施して端面処理を行った後、糊代部にホットエア−処理を行い、該糊代部の低密度ポリエチレンフィルムを溶融し、その溶融面に、上記のブランク板の他方の端部を重ね合わせてその両者を貼り合わせて胴貼りシ−ル部を形成して筒状のスリ−ブを製造した。
次に、上記で製造した筒状のスリ−ブのボトムの内面をホットエア−により炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行って底シ−ル部を形成し、しかる後、他方の開口部から果汁ジュ−スを充填した後、トップの内面をホットエア−で炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行ってゲ−ベルトップシ−ル部を形成して、内容物を充填包装した本発明にかかる密閉液体紙容器を製造した。
上記で製造した密閉液体紙容器は、炙りピンホ−ル等の発生は認められず、更に、、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、かつ、保香性に優れ、その内容物の変質は認められず、また、ラミネ−ト強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。
(1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm)
真空チャンバー内の真空度;2〜6×10-6mBar
蒸着チャンバー内の真空度;2〜5×10-3mBar
冷却・電極ドラム供給電力;10kW
ライン速度;100m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成して、バリア性フィルムを製造した。
(2).次に、タンデムドライラミネ−ション(タンデムLM)機を使用し、上記の(2)で製造したバリア性フィルムのプラズマ処理面の面に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚30μm)を対向させてドライラミネ−ションして、第1のドライラミネ−ション工程を終了し、次いで、第2のドライラミネ−ション工程において、上記で製造したバリア性フィルムを構成する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、上記と同様に、2液硬化型ラミネ−ト用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コ−ト量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚60μm)を対向させてドライラミネ−ションした。
(3).他方、紙基材〔米国、ポトラッチ(Potlatch)社製、坪量400g/m2〕の一方の面に、コロナ放電処理を施した後、該コロナ放電処理面に、低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを押出コ−トして厚さ30μmの低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、押出ラミネ−ト機を用いて、上記の紙基材の非コ−ト面に、上記の(2)でバリア性フィルムに積層した厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルム面を対向させ、その層間を、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学株式会社製、商品名、M16P、押出温度:320℃、押出膜厚:20μm)を使用し、これを押出して押出ラミネートして、上記の紙基材とバリア性フィルムとを貼り合わせて、積層材を製造した。
(4).次いで、上記で製造した積層材を使用し、ゲ−ベルトップ型の液体紙容器の形状に合わせて、縦あるいは横または斜め等に折り罫を刻設すると共に打ち抜き加工して、糊代部を有するブランク板を製造し、次いで、上記で製造したブランク板の端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、スカイブ・ヘミング処理を施して端面処理を行った後、糊代部にホットエア−処理を行い、該糊代部の低密度ポリエチレンフィルムを溶融し、その溶融面に、上記のブランク板の他方の端部を重ね合わせてその両者を貼り合わせて胴貼りシ−ル部を形成して筒状のスリ−ブを製造した。
次に、上記で製造した筒状のスリ−ブのボトムの内面をホットエア−により炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行って底シ−ル部を形成し、しかる後、他方の開口部から果汁ジュ−スを充填した後、トップの内面をホットエア−で炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行ってゲ−ベルトップシ−ル部を形成して、内容物を充填包装した密閉液体紙容器を製造した。
(1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着面;コロナ処理面
導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm)
真空チャンバ−内の真空度;2〜6×10-6mBar
蒸着チャンバ−内の真空度;2〜5×10-3mBar
冷却・電極ドラム供給電力;10kW
ライン速度;100m/min
次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、上記の比較例1と同様にしてプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセトン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキレート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%であった。
次に、(A)成分として、エチレン・ビニルアルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール溶液(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)100部と、上記で調製したチタンキレート化合物2部とn−プロピルアルコール16.8部、および水11.2部を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分とを、40℃で混合して2時間攪拌し、ガスバリア性組成物を得た。
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、120℃で2分間、加熱処理して、厚さ0.5g/m2(乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、バリア性層を製造した。
(3).他方、紙基材〔米国、ポトラッチ(Potlatch)社製、坪量400g/m2〕の一方の面に、コロナ放電処理を施した後、該コロナ放電処理面に、低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを押出コ−トして厚さ30μmの低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、押出ラミネ−ト機を用いて、上記の紙基材の非コ−ト面に、上記の(2)で製造したバリア性層を構成するガスバリア性塗布膜の面を対向させ、その層間を、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学株式会社製、商品名、M16P、押出温度:320℃、押出膜厚:20μm)を使用し、これを押出して押出ラミネ−トして、上記の紙基材とバリア性層とを貼り合わせた。
(4).更に、押出ラミネ−ト機を使用し、上記の(3)で貼り合わせたバリア性層を構成する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、2液硬化型ラミネート用接着剤〔大日本インキ工業株式会社製、商品名、LX703/KR90、コート量:4g/m2(乾燥状態)〕をグラビアコ−タ−にて塗布し、乾燥炉を通した後、そのラミネート用接着剤層の面に、低密度ポリエチレンフィルム(大日本樹脂株式会社製、商品名、SKSフィルム、フィルム膜厚60μm)を対向させてドライラミネ−ションして、積層材を製造した。
(5).次いで、上記で製造した積層材を使用し、ゲ−ベルトップ型の液体紙容器の形状に合わせて、縦あるいは横または斜め等に折り罫を刻設すると共に打ち抜き加工して、糊代部を有するブランク板を製造し、次いで、上記で製造したブランク板の端面に、内容物の浸透、液漏れ等を防止するために、スカイブ・ヘミング処理を施して端面処理を行った後、糊代部にホットエア−処理を行い、該糊代部の低密度ポリエチレンフィルムを溶融し、その溶融面に、上記のブランク板の他方の端部を重ね合わせてその両者を貼り合わせて胴貼りシ−ル部を形成して筒状のスリ−ブを製造した。
次に、上記で製造した筒状のスリ−ブのボトムの内面をホットエア−により炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行って底シ−ル部を形成し、しかる後、他方の開口部から果汁ジュ−スを充填した後、トップの内面をホットエア−で炙り、その内面の低密度ポリエチレンフィルムを溶融させて、プレスシ−ルを行ってゲ−ベルトップシ−ル部を形成して、内容物を充填包装した密閉液体紙容器を製造した。
上記の実施例1〜5、および、比較例1〜2で製造した液体紙容器について、酸素透過度とトップシ−ル温度範囲について測定した。
(1).酸素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2).トップシ−ル温度範囲の測定
これは、内容物を充填する際に、充填機(大日本印刷株式会社製、機種名、DR−10機)のトップシ−ル温度を任意に変化させ、その都度、シ−ル性の確認を行い、液漏れの心配のないシ−ル温度の最も高い温度(それ以上ではピンホ−ルが発生する)を上限温度とし、更に、そのシ−ル温度よりも低い温度に設定した場合、シ−ル不良等により液漏れ等が発生するシ−ル温度の最も低い温度を下限温度として測定した。
上記のテスト結果について下記の表1に示す。
これに対し、比較例1のものは、酸素透過度に劣り、また、比較例2のものは、トップシ−ル温度範囲が狭いものであった。
B ブランク板
C 筒状のスリ−ブ
D 包装用容器
E 密閉液体紙容器
1 最外層
2 紙基材
3 溶融押出樹脂層
4 接着剤層
5 基材フィルム
6 無機酸化物の蒸着膜
7 ガスバリア性塗布膜
8 保護膜
9 バリア性層
10 最内層
11 折り罫
12 糊代部
13 端部
14 胴貼りシ−ル部
15 底シ−ル部
16 上方に開口部
17 内容物
18 屋根型トップシ−ル部
Claims (4)
- 少なくとも、最外層、
紙基材、
溶融押出樹脂層からなる接着剤層、
基材フィルムの一方の面に、蒸着モノマ−ガスとして有機珪素化合物を使用し、化学気相成長法により形成した酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合により含有する可撓性に富む蒸着膜からなる無機酸化物の蒸着膜と、少なくとも、ポリビニルアルコ−ル系樹脂と、一般式R1mM(OR2)n(式中、Mは、金属原子を表し、R1は、同一または異なり、炭素数1〜8の有機基を表し、R2は、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を表し、mおよびnは、それぞれ0以上の整数を表し、m+nは、Mの原子価を表す。)で表される金属アルコレ−ト、該金属アルコレ−トの加水分解物、該金属アルコレ−トの縮合物、該金属アルコレ−トのキレ−ト化合物、該キレ−ト化合物の加水分解物および金属アシレ−トの群から選ばれた少なくとも1種とを含有するガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜と、ポリオレフィン系樹脂層からなる保護膜とを設けた構成からなるバリア性層、
および、低密度ポリエチレンまたはメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体からなる最内層を順次に積層し、
かつ、上記のバリア性層を構成する保護膜の面を、上記の紙基材の面に対向させて上記接着剤層を介して接着積層した積層材を構成し、
更に、該積層材を使用し、これを製函してなること
を特徴とする液体紙容器。
- 最外層が、ヒ−トシ−ル性を有するポリオレフィン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1に記載する液体紙容器。
- 紙基材が、坪量80〜600g/m2の紙基材からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する液体紙容器。
- 基材フィルムが、2軸延伸加工した樹脂のフィルムないしシ−トからなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する液体紙容器。
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