JP5223659B2 - 電力変換装置の試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置の試験技術に係り、特に電力変換器と制御回路により構成された半導体スイッチング素子を用いた電力変換装置に好適な電力変換装置の試験装置に関する。
電力変換器と制御回路により構成される半導体電力変換装置では、浮遊容量に起因して制御回路から金属製の筐体に流れる電流等により、制御回路が誤動作することがある。
制御回路の誤動作を回避するために、半導体電力変換装置の制御回路に対し、製造工程において電磁ノイズ耐量試験が行われ、ノイズ耐量を所定のレベルに改善する対策がなされる。
図16は、従来の電力変換装置の試験方法を示す図である。
図16に示す、従来の電力変換装置100は、電力変換器101と、その電力変換器101を制御する制御回路102によって構成される。
電力変換器101は、与えられた交流電圧を直流電圧に整流するダイオードブリッジ(整流回路)103と、この直流電圧を平滑する平滑コンデンサ104と、複数の半導体スイッチング素子(例えば、IGBT、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)105−1、105−2、106−1、106−2、107−1、107−2により構成されて、平滑された直流電圧を交流電圧に変換する三相インバータ回路108とを備え、負荷(モータ等、図16では不図示)に交流電圧を出力する。電流センサ109−1、109−2は、三相インバータ回路108のu相の出力端とw相の出力端に流れる交流電流をその大きさに応じた検出電圧(交流電圧)に変換し、電流検出信号として制御回路102に出力する。
制御回路102は、整流回路103により整流された直流電圧と、電力変換器101が出力する交流電流に対応した検出電圧とが入力され、上記各半導体スイッチング素子のゲート電圧を制御するゲート駆動信号を生成し、各ゲート駆動回路(図16では、半導体スイッチング素子105−1、105−2に対応するゲート駆動回路111−1、111−2だけが図示され、後は省略されている)に出力する。
そして、図17に示すように、高周波電圧印加装置112により、制御回路102の信号の基準となる電位部と、電力変換器101の接地電位部(図17では、筺体等金属114をグランドとしている)との間に数kVのノイズ電圧を印加して、制御回路102が誤動作しないことを確認する電磁ノイズ耐量試験を実施する。
電磁ノイズ耐量試験は、開発時に制御回路102のみで実施する場合もあれば、出荷時に制御回路102を図16に示すように電力変換装置100に組み込んだ状態で行う場合もある。
制御回路102のみで電磁ノイズ耐量試験を実施する場合は、制御回路のプリント基板、これに結合されるケーブル類の実装状態、半導体変換装置の電力変換器101の動作によって生じる制御回路102の電位変動、磁界・電界の発生状況が、電力変換装置100に組み込んだ場合と異なる。よって、これらの要因の影響を評価することができない、という問題がある。
一方、電力変換装置100に組み込んだ状態で電磁ノイズ耐量試験(組み合わせノイズ試験)を行う場合は、装置がすべて完成した後でなければ試験を行えない。例えば、制御回路102が電力変換器101に先行して完成した場合、組み合わせノイズ試験の実施時期が遅れる。このような場合に、誤動作の問題が発生した場合、納期の都合上、十分な対策期間が取れなくなる、という問題がある。
なお、特許文献1には、電力変換器とは分野が異なる通信分野におけるイミュニティ(耐量)試験の実施方法が示されている。また、これらの分野を含めた電気機器の伝導イミュニティ試験方法は、国際規格IEC61000−4−6(伝導イミュニティ試験)に規定されている。
特開2000−304794号公報
以上の問題を鑑みて、本発明は、組み合わせノイズ試験と同等のノイズ試験を、電力変換装置における最終製品の電力変換器を用いずに行なうことができる電力変換装置の試験装置を提供することを目的とする。
提案する電力変換装置の試験装置は、複数の半導体スイッチング素子により構成されて、与えられた直流電圧を交流電圧に変換して出力するインバータ回路を有する最終製品の電力変換器と、前記各半導体スイッチング素子に流れる主電流を制御する制御信号を生成してこれらの半導体スイッチング素子にそれぞれ与える制御回路と、を具備した電力変換装置を試験する試験装置である。
この電力変換装置の試験装置は、前記最終製品の電力変換器に換えて用いられて、この電力変換器よりも出力容量が小さい試験用電力変換器と、前記最終製品の電力変換器と前記試験用電力変換器との電気的特性の差分を調整する差分調整部と、前記制御回路の信号の基準となる電位部と前記試験用電力変換器の接地電位部との間にノイズ電圧を印加する高周波電圧印加装置と、を有する。
例えば、前記試験用電力変換器は試験用インバータ回路を備え、この試験用インバータ回路の出力側に、前記試験用電力変換器の出力容量よりも負荷容量の小さい負荷を接続するか、または、負荷を接続せずに開放端としてもよい。
また、例えば、前記最終製品の電力変換器は前記インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第1の冷却フィンを備え、前記試験用電力変換器は、前記試験用インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第2の冷却フィンを備え、前記差分調整部は、前記インバータ回路と前記第1の冷却フィンとの間の静電容量C0と、前記試験用インバータ回路と前記第2の冷却フィンとの間の静電容量C1とを一致または略一致させるコンデンサを備えるようにしてもよい。
また、例えば、前記差分調整部は、前記インバータ回路の各出力端子および接地電位部との間の対地インピーダンスとそれぞれ等価なインピーダンス素子を、前記試験用インバータ回路の各出力端子および接地電位部との間にそれぞれ備えるようにしてもよい。
また、例えば、前記最終製品の電力変換器は、さらに入力された交流電圧を直流電圧に変換する第1の整流回路と、この第1の整流回路から出力される直流電圧を平滑する第1の平滑コンデンサとを有するコンバータ回路を備え、このコンバータ回路から出力される直流電圧を前記インバータ回路の直流電圧として与える一方、前記前記試験用電力変換器は、さらに入力された交流電圧を直流回路に変換する第2の整流回路と、この第2の整流回路から出力される直流電圧を平滑する第2の平滑コンデンサとを有する試験用コンバータ回路を備え、この試験用コンバータ回路から出力される直流電圧を前記試験用インバータ回路の直流電圧として与え、前記差分調整部は、前記第1の整流回路の各入力端および接地電位部との間の対地インピーダンスとそれぞれ等価なインピーダンス素子を前記第2の整流回路の各入力端および接地電位部との間にそれぞれ備えるようにしてもよい。
また、例えば、前記差分調整部は、前記試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のゲート端子と対応する各ゲート駆動信号出力部との間にゲート抵抗を備えるか、または、前記各半導体スイッチング素子のゲート−エミッタ間にゲートコンデンサを備え、前記各ゲート抵抗の各抵抗値または前記各ゲートコンデンサの各容量を調整して、前記試験用電力変換器における各半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率を、最終製品の電力変換器において対応するそれぞれの半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率に一致または略一致させるようにしてもよい。なお、この際、前記試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率を、最終製品の電力変換器において対応するそれぞれの半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率より大きく設定するようにしてもよい。
また、例えば、前記試験用電力変換器における電源電圧V1を、前記最終製品の電力変換器における電源電圧V0より低く設定した場合において、前記最終製品の電力変換器は、前記インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第1の冷却フィンを備え、前記試験用電力変換器は、前記試験用インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第2の冷却フィンを備えるものとした場合、前記差分調整部は、前記試験用インバータ回路と前記第2の冷却フィンとの間の静電容量C1を、前記インバータ回路と前記第1の冷却フィンとの間の静電容量C0より大きく設定させるコンデンサを備えるようにしてもよい。
また、例えば、前記試験用電力変換器における電源電圧V1を、前記最終製品の電力変換器における電源電圧V0より低く設定した場合において、前記最終製品の電力変換器は、前記インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第1の冷却フィンを備え、前記試験用電力変換器は、前記試験用インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第2の冷却フィンを備えるものとした場合、前記差分調整部として、前記試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のゲート端子と対応する各ゲート駆動信号出力部との間にゲート抵抗を備えるか、または、前記各半導体スイッチング素子のゲート−エミッタ間にゲートコンデンサを備え、前記最終製品の電力変換器および前記試験用電力変換器における半導体スイッチング素子の電圧変化率の代表値をdV0/dtおよびdV1/dtとそれぞれした場合に、前記最終製品の電力変換器における電源電圧V0、前記試験用電力変換器における電源電圧V1、前記インバータ回路と前記第1の冷却フィンとの間の静電容量C0、前記試験用インバータ回路と前記第2の冷却フィンとの間の静電容量C1の間に下記第1の関係式が、前記半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時に成立するように、前記各ゲート抵抗または前記各ゲートコンデンサを調整して、前記試験用電力変換器のdV1/dtおよび静電容量C1を設定するようにしてもよい。
V0/(dV0/dt) = V1/(dV1/dt)
C0×V0 = C1×V1
なお、上記第1の関係式の代わりに、下記第2の関係式が、前記半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時に成立するように、前記各ゲート抵抗または前記各ゲートコンデンサを調整して、前記試験用電力変換器のdV1/dtおよび静電容量C1を設定するようにしてもよい。
V0/(dV0/dt) = V1/(dV1/dt)
C0×V0 < C1×V1
また、例えば提案する電力変換装置の試験装置は、試験用電力変換器に供給する電源電圧を調整する電圧調整部、をさらに有することも可能である。
また、例えば提案する電力変換装置の試験装置は、試験用電力変換器の前段に、系統インピーダンスを模擬した系統インピーダンス模擬部、をさらに有する構成とすることも可能である。
提案する電力変換装置の試験装置によれば、最終製品の電力変換器より小さい出力容量の試験用電力変換器を用いることで、広い試験用エリアを確保する必要がなく、省スペースでありながら、接続された制御回路の配線類に発生する電位変動を、最終製品の電力変換器に接続した場合と同様にして(近似して)、組み合わせノイズ試験と同等のノイズ耐量試験を制御回路に対して行なうことができる。
例えば、試験用インバータ回路の出力側に、試験用電力変換器の出力容量よりも負荷容量の小さい負荷を接続するか、または、負荷を接続せずに開放端としても、電力変換器の半導体スイッチング素子のオン、オフによる電圧変動については、負荷を接続した場合と同様なノイズ耐量試験を実施できるために、試験用エリアをさらに省スペース化することが可能となる。
本発明の電力変換装置の試験装置は、例えば、試験用インバータ回路の出力端と冷却フィンとの間にコンデンサを設けることで、最終製品の電力変換器のインバータ回路と冷却フィンとの間の浮遊容量を考慮したノイズ試験が実施できる。
また、例えば、インピーダンス素子を試験用電力変換器におけるインバータ回路の出力端と接地電位部との間に接続することで、最終製品の負荷(モータ等)の浮遊インピーダンスを考慮したノイズ試験が実施できる。
また本発明の電力変換装置の試験装置は、例えば、インピーダンス素子を試験用電力変換器における整流回路と接地電位部との間に接続することで、最終製品の整流回路と接地電位部との間の浮遊インピーダンスを考慮したノイズ試験が実施できる。
本発明の電力変換装置の試験装置は、例えば、試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率を、最終製品の電力変換器において対応するそれぞれの半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率に一致または略一致させた場合には、その電圧変化率に比例するノイズを一層正確に再現することができ、ノイズ耐量評価の妥当性を高めることができる。更に本発明の電力変換装置の試験装置は、、例えば、試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率を、最終製品の電力変換器において、対応するそれぞれの半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率より大きく設定した場合、要求される耐量より更に厳しい条件で試験を行なうことができ、より高い信頼性を実現することができる。
また本発明の電力変換装置の試験装置は、例えば、試験用電力変換器における電源電圧V1を、最終製品の電力変換器における電源電圧V0より低く設定した場合において、差分調整部が、上記試験用インバータ回路と上記第2の冷却フィンとの間の静電容量C1を、上記インバータ回路と上記第1の冷却フィンとの間の静電容量C0より大きく設定させるコンデンサを備える構成の場合には、試験用電力変換器における電源電圧V1を最終製品の電力変換器における電源電圧V0より低く設定することによって、コモンモード電流Icが最終製品よりも小さくなることを避けることができ、ノイズ耐量について条件が緩和してしまうのを避けることができる。
本発明の電力変換装置の試験装置は、例えば、試験用電力変換器における電源電圧V1を、最終製品の電力変換器における電源電圧V0より低く設定した場合において、差分調整部が、試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子と対応する各ゲート駆動信号出力部との間にゲート抵抗を備えるか、または、各半導体スイッチング素子のゲート−エミッタ間にゲートコンデンサを備えるかした場合で、かつ、上記第1の関係式を満たすように、試験用電力変換器のdV1/dtおよびC1を設定するようにした場合には、コモンモード電流Icを最終製品のものと一致あるいは略一致させることができ、ノイズ耐量の精度を高めることができる。
なお、上記第1の関係式の代わりに上記第2の関係式を満たすように、試験用電力変換器のdV1/dtおよびC1を設定するようにした場合は、コモンモード電流Icを最終製品のものより大きくでき、最終製品より厳しい条件下で制御回路が誤動作しないことを確認できる。よって本発明の電力変換装置の試験装置は、ノイズ耐量のマージンを持たせて信頼性の向上を図ることができる。
本発明の電力変換装置の試験装置は、試験用電力変換器に供給する電源電圧を調整する電圧調整部、をさらに有する構成とすることで、その電力変換器の試験装置を、用途の異なる多種多様な設置条件・出力形態を持つ最終製品の電力変換器に対して汎用的に使用できるものとすることができる。
本発明の電力変換装置の試験装置は、試験用電力変換器の前段に、系統インピーダンスを模擬した系統インピーダンス模擬部、をさらに有する構成とすることで、系統インピーダンスの影響を考慮したノイズ耐性試験を行なうことができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態についての詳細を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電力変換装置の試験装置の構成図である。
図1に示す、本実施形態の電力変換装置10は、最終製品の電力変換器より小さい出力容量を有する試験用電力変換器11と、その試験用電力変換器11を制御する制御回路12によって構成される。この図1に示す制御回路12は、図16のように、最終製品の電力変換器に接続されるのではなく、最終製品の電力変換器より小さい出力容量の試験用電力変換器11に接続される。
試験用電力変換器11は、与えられた交流電圧をダイオードブリッジにより構成した整流回路13により整流し、平滑コンデンサ14により平滑化された直流電圧を複数の半導体スイッチング素子15−1、15−2、16−1、16−2、17−1、17−2により構成される三相インバータ回路18により交流電圧に変換して、負荷(モータ等)23に出力する。なお、図1において、負荷23が破線で示されているのは、後述するように、負荷を接続しない場合もあるからである。電流センサ19−1、19−2は、三相インバータ回路18のu相の出力端とw相の出力端に流れる交流電流をその大きさに応じた検出電圧(交流電圧)に変換し、電流検出信号として制御回路12に出力する。
制御回路12は、整流回路13により整流された直流電圧と、試験用電力変換器11が出力する交流電流の大きさに対応した検出電圧とにより、各半導体スイッチング素子のゲート電圧を制御するゲート駆動信号を生成し、各ゲート駆動回路(図1では、半導体スイッチング素子15−1、15−2に対応するゲート駆動回路21−1、21−2だけが図示され、後は省略されている)に出力する。
そして、図1に示すように、高周波電圧印加装置22により、制御回路12の信号の基準となる電位部と、試験用電力変換器11の接地電位部(図1では、筺体等金属24をグランドとしている)との間に数kVのノイズ電圧を印加して、制御回路12が誤動作しないことを確認する電磁ノイズ耐量試験を実施する。なお、以上の説明では、試験用電力変換器11は、交流電圧を入力し、整流する構成であったが、整流回路13を廃し、交流電圧の代わりに直流電圧を入力する構成をとることも可能である。
例えば、最終製品の電力変換器が、入力された交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、この整流回路から出力される直流電圧を平滑する平滑コンデンサとを有するコンバータ回路を備え、このコンバータ回路から出力される直流電圧をその最終製品の電力変換器のインバータ回路に直流電圧として与える場合、試験用電力変換器11も、図1に示すように、入力された交流電圧を直流回路に変換する整流回路13と、この整流回路13から出力される直流電圧を平滑する平滑コンデンサ14とを有する試験用コンバータ回路を備え、この試験用コンバータ回路から出力される直流電圧を試験用の三相インバータ回路18に直流電圧として与えることが好ましい。
なお、上記した制御回路12の信号の基準となる電位部とは、制御回路12内のCPU(Central Processing Unit)のシグナルグランド、制御回路12内の絶縁部分(すなわち、他の回路部分とは絶縁した箇所にある導電部)のシグナルグランド、等である。最終製品の電力変換器が数百Vの電圧で動作するのに対して、制御回路12内のこれらの部位は、数Vの電圧で動作するため、誤動作が発生しやすくなっている。なお、シグナルグランド以外にも試験対象の電力変換装置における回路上の任意の点を基準となる電位部と定めて試験してもかまわない。
電力変換器の出力容量は、負荷容量に応じて決まる。すなわち、負荷に印加すべき電圧、通流すべき電流が電力変換器にも課せられる。これにより、電力変換器の主要な構成部品(半導体スイッチング素子等の能動部品や、リアクトル等の受動部品の定格容量、これら部品の冷却のための冷却フィンの大きさ、通風のためのファンの大きさ、等)の仕様が決まる。これら電力変換器の構成部品は一般に定格容量が大きいほど、発生する損失(すなわち熱量)が大きくなり、その損失に耐えることを主な理由として寸法が増大する。
例えば、半導体スイッチング素子について述べると、通電すべき電流にほぼ比例して、半導体スイッチング素子の半導体部分の面積は増大する。また、半導体スイッチング素子に電流が通電することによって発生する熱量は、半導体スイッチング素子の外に逃がして半導体スイッチング素子の温度が高温にならないようにする必要があるが、その熱量は、半導体スイッチング素子の印加電圧と通電電流とに比例する。このため、半導体スイッチング素子で発生した熱を放熱するための冷却用部品も、半導体スイッチング素子の面積の増加に伴い、大型化する。
例えば、モータ駆動用の汎用インバータの場合、5.5kWのものの体積が約10,000cmであるのに対し、55kWのものの体積は約70,000cmである。
このことを逆の方向から見ると、精度が高いノイズ耐量試験を行なうために、最終製品と同等の大きな出力容量を有する電力変換器と制御回路12とを接続するには、試験用に広いエリアを確保しなければならない、ということである。これは、コスト面、試験装置作成の手間などから困難である。
また、図1の構成では、最終製品の電力変換器と同様の構成を有し、より小さい出力容量を有する試験用電力変換器11を用いることで、試験用の広いエリアを確保する必要がなく、省スペースで、接続された制御回路12の配線類に発生する電位変動(ノイズ)を、最終製品の電力変換器に接続した場合と同様にする(近くする)ことが可能になる。
なお、図1の試験用電力変換器11の回路構成は、最終製品の電力変換器と同じでもよいが、半導体スイッチング素子をオン、オフすることによって、接続された制御回路12の配線類に発生するノイズが最終製品の電力変換器に接続した場合と同等になる範囲で異なる回路方式としてもよい。このような構成であれば、少なくともノイズを模擬したノイズ耐量試験を行なうことができる。
一方、制御回路については、電力変換器の所定の性能、機能を実現するためのロジックに基づいて構成され、電力変換器の出力容量とはあまり関係ない。したがって、制御回路の寸法は、電力変換器の出力容量にほとんど依存しない。例えば、上述の例の5.5kWの汎用インバータと、55kWの汎用インバータとを同一の制御回路によって動作させることは可能である。
すなわち、図1の制御回路12は、最終製品に使用予定のものである。上述の高周波電圧印加装置22により、制御回路12の基準となる電位部と、電力変換器11の接地電位部との間に数kVのノイズ電圧を印加して、制御回路12が誤動作した場合(例えば、制御回路12内のCPUが暴走し、安全装置により装置が停止した場合)、制御回路12の改良が行われる。
なお、電力変換器が制御回路に及ぼす電磁ノイズの影響の主要なものは、電力変換器の電圧変化すなわち電力変換器の半導体スイッチング素子をオン、オフすることによって発生する電圧の変動と、電力変換器に電流が通電することによって発生する磁界の変化と、の2つである。
このうち、前者の電圧変動は、電力変換器が負荷電流を通電しなくても、通電した場合と同様に発生する。このことを利用して、図1の試験用電力変換器11によるノイズ耐量試験において、試験用電力変換器11に負荷を接続せず、試験用電力変換器11の三相インバータ回路18の出力信号が通る導体の先端を開放したり、または、試験用電力変換器11の出力容量より小さい出力容量を有する負荷を接続して、試験用電力変換器11の三相インバータ回路18に流れる電流を小さくしたりする。
このようにしても、電圧変動については、規定の負荷を接続した場合とほぼ同様なノイズ耐量試験を行なうことができる。
なお、負荷を接続する場合は、負荷の設置場所の確保が必要となるだけでなく、負荷の消費電力を熱に変換したり、電源に回生させたりする必要がある。そして、このことに伴って、冷却装置が大規模化したり、電源に回生させるための専用の装置が必要になったりし、煩雑である。提案する手法を用いることで、これらの問題が解決する。
半導体電力変換器では、一般に、半導体スイッチング素子に放熱フィンを取り付けて用いる。放熱フィンは一般に接地される。ここで、放熱フィンと半導体スイッチング素子との間には浮遊容量が存在し、この浮遊容量を介して半導体スイッチング素子をオン、オフした場合に電流が流れる。これが所謂、コモンモード電流であり、電磁ノイズの要因である。そこで、図1の試験用電力変換器11として、最終製品の電力変換器より出力容量が小さい半導体スイッチング素子を用いる場合、出力容量の違いに起因する浮遊容量の違いを考慮する必要がある。
一般に、出力容量の大きなスイッチング素子のチップは面積が大きく、したがって浮遊容量も大きい。浮遊容量の値は、代表的なスイッチング素子であるIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)において、600V、120Aのもので数百pFである。コモンモード電流の大きさは、印加電圧の振幅、時間変化率、および、浮遊容量の大きさにより決まる。よって、前二者(印加電圧の振幅、時間変化率)を回路設計や調整で最終製品の電力変換器と合わせても、浮遊容量の大きさについては、スイッチング素子の出力容量が異なりチップの面積も異なるため、そのままでは最終製品の電力変換器と合わせることはできない。出力容量が試験用より大きい最終製品の電力変換器の方が、コモンモード電流が大きくなり電磁ノイズの条件として厳しくなる。すなわち、試験用電力変換器11の方が電磁ノイズの条件として緩くなり、最終製品の電力変換器においてノイズ耐量を満たしているかどうかが評価できない恐れがある。
この問題は、図1の試験用電力変換器11において、図2に示すように、三相インバータ回路18のブリッジの出力端(各相の上アームと下アームとの間)と放熱フィン25との間に、最終製品の電力変換器と試験用電力変換器11との電気的特性の差分(ここでは浮遊容量)を調整する差分調整部を構成するコンデンサ26、27、28を付加することにより解決できる。
すなわち、最終製品の電力変換器における三相インバータ回路の各相の半導体スイッチング素子と放熱フィンとの間の浮遊容量C1と、試験用電力変換器11における三相インバータ回路18の各相の半導体スイッチング素子と放熱フィン25との間の浮遊容量C2と、の差分の容量C3(=C1−C2)を持つコンデンサ26、27、28を浮遊容量と並列に接続する。
これにより、試験用電力変換器11における三相インバータ回路18の出力端と三相インバータ回路18を構成する半導体スイッチング素子が取り付けられた放熱(冷却)フィン(第2の放熱フィン)25との間の静電容量を、最終製品の電力変換器における三相インバータ回路の出力端と放熱フィン(第1の放熱フィン)との間の静電容量に一致または略一致させることができ、最終製品の電力変換器の三相インバータ回路と放熱フィンとの間の浮遊容量を考慮したノイズ試験を実施できる。
なお、コンデンサのインピーダンスは周波数特性を有し、高周波帯域では、寄生インダクタンスの影響でコンデンサとして作用しなくなるため、問題となる周波数帯域におけるインピーダンス特性が、最終製品の電力変換器を接続した場合の浮遊容量に近くなるようなコンデンサを選定する必要がある。
半導体電力変換器に接続される負荷(モータ等)は、対地インピーダンス(浮遊インピーダンス)を有することが多い。このため負荷の筺体やフレームが接地されている場合には、負荷の電流通電部と筺体やフレームとの間の浮遊容量を介して、負荷の対地電圧の変化に応じた電流が流れる。この電流は、コモンモード電流に相当し、電磁ノイズの一因となる。したがって、この部分を最終製品の電力変換器を接続した条件に合わせることが、ノイズ耐量のより高精度の評価にとっては望ましい。
この問題は、図3に示すように、負荷の対地インピーダンスと等価なインピーダンス素子31、32、33を、試験用電力変換器11における三相インバータ回路(ブリッジ回路)18の各相の出力端と接地電位部との間に接続し、差分調整部とすることにより解決できる。負荷の対地インピーダンスは、一般に負荷インピーダンスと比較して十分に大きいため、消費電力が問題にならない小容量のインピーダンス素子を用いれば足りる。
なお、負荷の対地インピーダンスとしては、一般にある周波数までは浮遊容量の容量成分が現れ、その周波数以降は寄生インピーダンスの誘導成分が現れる。さらに周波数が高まると、様々な部位の容量成分、誘導成分が現れ、複雑なインピーダンス特性を示す。提案する試験においては、少なくとも静電容量と寄生インピーダンスに相当する部分の模擬が必要である。それ以上の周波数におけるインピーダンスについては、電磁ノイズへの影響を考慮して模擬する。
いずれにしても、事前に、その出力端に導体を介して接続される負荷(モータ等)の浮遊インピーダンスの周波数特性を最終製品の電力変換器におけるインバータ回路の出力端と接地電位部とから見た周波数特性として計測しておき、その計測データに適合した試験装置を構成するような値が設定された、コンデンサ、コイル、抵抗、等を用いたネットワーク回路によって、図3に示す各インピーダンス素子を構成し、差分調整部とすればよい。このような技術については、下記文献に述べられている。
佐々木、玉手、鳥羽:「多重共振点を持つ受動素子の広帯域モデル化法」、平成19年電気学会全国大会講演論文集、4−041(2007)
上述の負荷の対地インピーダンスと同様に、電源側のインピーダンスもノイズ特性に大きな影響を及ぼす。したがって、試験用電力変換器11において電源側のインピーダンスを最終製品の電力変換器を接続した場合と合わせることが望ましい。
このことは、電源側に相当するインピーダンス素子を接続することで達成できる。すなわち、図4に示すように、電源側については、対地インピーダンス35と、電源39のインピーダンス36、37、38とを加えた差分調整部を設けて模擬することが望ましい。
以上に示した、半導体スイッチング素子と放熱フィン間の浮遊容量、負荷および電源のインピーダンスを模擬する手法のうち、複数の手法を組み合わせてノイズ耐量試験を行なうことも可能である。これらの手法は、それぞれの要因の影響度を考慮し、必要なものを用いればよい。これにより、最終製品の電力変換器を接続した場合に近い条件で制御回路12のノイズ耐量を評価することができる。
このように、試験用電力変換器11を用いることによって、最終製品の電力変換器の電位変動を模擬してノイズ耐量試験を行なうことができる。しかし、最終製品の電力変換器に電流が通電することによって生じる磁界についてはこれまで説明した手法では模擬できず、その影響を評価することはできない。
この問題は、図5に示すように、制御回路12や制御回路12に接続された配線類等に、磁界照射装置41、42により別途磁界を照射しつつ、試験用電力変換器11を用いたノイズ耐量試験に行なうことで解決できる。
磁界は、コイルに電流を通流することによって発生する。よって、周波数や振幅を可変とすることができる電源にコイルを接続した構成の装置を磁界照射装置として用いることができる。そして、その磁界照射装置のコイル部分を制御回路12や配線類に照射することで最終製品の電力変換器に電流が通流されることによって生じる磁界を模擬できる。
一般に、半導体電力変換器においては、電力変換器の電流によって発生する磁界が制御回路へ与える影響を緩和するため、電力変換器と制御回路等との距離を離す、磁界シールドを施す、等の対策がとられる。よって、実際に制御回路等へ到達する磁界は、発生源近傍と比較してかなり小さくなる。一方、磁界照射装置のコイルは、制御回路等の至近範囲をスィープさせることができるため、その発生磁界はほとんど減衰せずに制御回路等に到達する。したがって、磁界照射装置は小容量のもので足りる。
また、照射すべき磁界の強度は、最終製品の電力変換器が発生する磁界がどの程度で、これが制御回路に到達するまで減衰していかなる強度になるか、ということを参酌して決める必要がある。
前者の最終製品の電力変換器が発生する磁界については、その大きさは、通電電流のみならず、発生磁束を小さくするための配慮としてどのようなことがなされているかによって大きく異なる。すなわち、導線に電流が流れることによって磁束が発生するが、これを小さくする手法として、同じ電流が流れる帰路と近接して並行配置する方法がある。例えば、直流電力を供給する場合の、直流電源に接続する正負2本の給電経路を並走させることがこれに相当する。このような措置を取った場合、2本の距離によって発生磁束は大きな影響を受ける。さらに、直線2本の並行であれば、比較的簡単に発生磁束を理論的に求めることができるものの、通常は装置の構造上の制約から、直線ではなく曲線になったり、2線間の距離が均一でなかったりするため、発生磁束を理論的に求めることは事実上ほとんど不可能である。
また、上述した、後者の発生磁界が制御回路に到達するまでどの程度減衰するかについても、磁界発生源たる(最終製品の)電力変換器の部位と制御回路とがそれぞれ単独で空気中に存在するならば計算が可能であるものの、実際の装置では、その他の電気部品、構造部品が多数存在し、それらが大きく影響するため算定は困難である。
以上のような事情により、最終製品の電力変換器が発する磁界による制御回路近傍の磁界を理論的に算出することは困難である。このことに対する現実的な対策として、様々な装置における磁界の強さを測定し、そこから得られる結果に基づき、照射すべき磁界の強さを帰納的に求めるようにすればよい。
このような評価手法をとることによって、電力変換器に電流が通流することによって生じる磁界を考慮したノイズ試験を実施できる。
図1においては、上述したように、制御回路12に試験用電力変換器11の出力電流の検出結果を入力させて制御する構成が示されている。例えば、出力電流のフィードバック制御を行なう場合には、図1のように、出力電流を検出して制御回路12に入力させる必要がある。
また他の方法として、出力電圧、電力変換器内部の電圧、電流などを制御、監視の目的で用いる場合には、その出力電圧、電力変換器内部の電圧、電流などを検出して制御回路に入力させる構成となる。つまり、最終製品の電力変換器において、電流、電圧の検出を検出回路で行い、制御回路に入力させているものについては、その検出回路を通じて通流するノイズ電流を試験時にも再現するために、試験用電力変換器においても同様に、その電流、電圧の検出を行い、制御回路に入力させる必要がある。
また、上述したように、半導体電力変換器では、一般に、半導体スイッチング素子に放熱フィンを取り付けて用いる。放熱フィンは一般に接地される。図6Aは、図2の試験用電力変換器11において、インバータ回路の半導体スイッチング素子15−1および15−2から構成される段の出力端と放熱フィン25との間に生じる浮遊容量(静電容量)Cを示した概念図である。なお、この静電容量Cの一部に図2に示した差分調整用のコンデンサ26の容量も含まれている。したがって、図6Aには図2に示されるコンデンサ26は図示されていない。また、この静電容量Cは、最終製品における、インバータ回路の対応する段の出力端と放熱フィンとの間に生じる静電容量に一致あるいは略一致する。
図6Aに示すように、放熱フィン25と半導体スイッチング素子15−1および15−2の間の出力端との間には浮遊容量Cが存在し、この浮遊容量Cを介して例えば半導体スイッチング素子15−2をオン、オフした場合、この浮遊容量Cの充放電によって電磁ノイズの要因となるコモンモード電流Icが発生する。
一方、半導体スイッチング素子15−2の電圧変化率は、その半導体スイッチング素子15−2の両端間の電圧(ソース−ドレイン間電圧)Vの時間変化(時間波形)を検出することにより導出できる。半導体スイッチング素子のソース−ドレイン間電圧Vを時間微分した(対応する出力端の電圧Vを時間微分した)電圧変化率dV/dtは、放熱フィンと半導体スイッチング素子との間の浮遊容量Cの充放電によって発生するコモンモード電流Icの振幅と周波数の決定要因の一つである。
図6Aに示すように、三相インバータ回路18に印加される直流電圧をE(試験装置に印加される電源電圧が略一定で変化しない場合、直流電圧Eも略一定値である)とし、三相インバータ回路18の図6Aに示されたスイッチングアームを流れる電流をIとし、図6Aの2つのスイッチング素子の接続点の電圧をVとすると、図6Bの上のグラフに示すような時間変化を、その電流Iおよび電圧Vは示す。一般には、コモンモード電流Icの振幅と、浮遊容量Cと、電圧Vを時間微分した電圧変化率dV/dtとの間には下記関係式(1)が成立する。
Icの振幅 = C×(dV/dt) ・・・(1)
図6Bの上のグラフでは、電圧Vはターンオン時に直線的に下降するとともに、ターンオフ時に直線的に上昇しているので、ターンオン時、ターンオフ時ともに、電圧変化率dV/dtが一定である。しかしながら実際の回路動作としては多くの場合、より複雑な時間変化をする。いずれにせよ、コモンモード電流Icの振幅としては、図6Bの下のグラフに示すように、ターンオン時には、電圧変化率dV/dtが負の値であることに対応して、Icの振幅も負の値を持ち、ターンオフ時には、電圧変化率dV/dtが正の値であることに対応して、Icの振幅も正の値を持つ。
コモンモード電流Icの通電時間Tについては、印加される直流電圧E、電圧変化率dV/dtとの間に下記関係式(2)が成立する。
T = E/(dV/dt) ・・・(2)
なお、コモンモード電流Icはスイッチング素子のターンオン時と、ターンオフ時に通流する。(2)式は、ターンオン時の通電時間Tonと、ターンオフ時の通電時間Toffとをそれぞれ求めるときに適用する式であるということができる。
また、(2)式において、スイッチング素子のターンオン時と、ターンオフ時における通電時間の間、電圧変化率dV/dtの値は、一般には一定ではなく変化する。このため、(2)式のdV/dtの値としては、電圧変化率dV/dtの代表値を使用することになる。代表値の決め方には様々な方法がある。例えば、通電時間の間において、電圧の上限値と下限値により定まる電圧変化の区間を求め、その電圧変化の区間の10%と90%の間(これを、ここではΔVとする)に対応する時間軸上の区間(これを、ここではΔtとする)に対し、ΔV/Δtを電圧変化率の代表値として定義する。
上記関係式(1)より、電圧変化率dV/dtが大きくなると、コモンモード電流Icの振幅が大きくなることが分かる。また、上記関係式(2)より、電圧変化率dV/dtが大きくなると、通電時間Tが短くなることが分かる。つまり、電圧変化率dV/dtが大きくなることによって、コモンモード電流Icの振幅が大きくなって、かつ、パルス幅が狭くなり、結果として、高周波成分を多く含みノイズが大きくなることが分かる。
このように、電圧変化率dV/dtとノイズは比例関係にあるので、この電圧変化率dV/dtを試験装置と最終製品とで一致あるいは略一致させることで、試験装置におけるノイズ耐量評価の妥当性を高めることができる。
次に、図7を参照して、電圧変化率dV/dtの調整方法について説明する。
図7において、ゲート抵抗44は、試験用電力変換器のインバータ回路の半導体スイッチング素子(例えばIGBT)46とゲート駆動回路(ゲート駆動信号出力部)43との間に接続される抵抗であり、ゲートコンデンサ45は、そのスイッチング素子46のゲート−エミッタ間に接続されるコンデンサである。
図7のスイッチング素子46は、例えば図2のスイッチング素子15−1、15−2、16−1、16−2、17−1、17−2のいずれかに対応する。
スイッチング素子46としてIGBTを用いる場合、ゲート抵抗44の抵抗値が小さいほど電圧変化率dV/dtは大きくなり、ゲートコンデンサ45の容量が小さいほど電圧変化率dV/dtは大きくなる。
例えば、コモンモード電流Icの通電時間を長くする場合、電圧変化率dV/dtは小さくなることになる。抵抗とコンデンサの双方を使用する場合、動作安定性を確保するために、ゲート抵抗44の抵抗値はそれほど大きくせずに、ゲートコンデンサ45の容量を大きめにとり、電圧変化率dV/dtを小さくする。なお、ゲート抵抗44、ゲートコンデンサ45のいずれか一方のみを追加して、電圧変化率dV/dtを調整するようにしてもよい。
また、上述したように、電圧変化率dV/dtが大きいほど、ノイズが大きくなり、ノイズ耐量の観点から条件が厳しくなる。したがって、試験装置においてあえて電圧変化率dV/dtを最終製品よりも大きくし、試験条件を厳しくすることも可能である。このようにすることによって、要求されるノイズ耐量よりも更に厳しい条件下でもノイズ耐量が確保でき、より高い信頼性が実現できる。
なお、以上のような電圧変化率dV/dtの調整を簡便に行なうために、ゲート抵抗として抵抗値が可変の可変抵抗を用いてもよい。または、ゲートコンデンサとして可変容量コンデンサを用いてもよい。あるいは、ゲート抵抗やゲートコンデンサを簡便に付け替えることが可能な構成としてもよい。
また、最終製品においては、電源電圧として様々な値のものが用いられる。例えば100Vの場合もあれば、数kVの場合もある。特に電源電圧が高い場合は、安全上、機能上、特別な配慮(代表的には、絶縁性能確保のための寸法や材料の制約)が必要である。また、装置の試験にも相当程度の慎重さが要求される。このことは直ちに、試験費用、試験期間の増大につながる。
この問題は、今回提示する試験装置において、最終製品よりも低い電源電圧で試験を行なうことにより緩和できる。電源電圧を低く設定すれば、試験装置の構成が簡略化されるとともに、試験方法も簡略化され、費用、期間の面で有利となる。しかし、最終製品の動作条件あるいはその動作条件に近い条件でノイズ耐量を評価する必要があるために、電源電圧を下げて行なうノイズ耐量試験は意義が薄いことが多い。
本実施形態では、試験装置の設計を巧妙に行なうことによって、最終製品の電力変換器よりも電源電圧を下げつつ、制御回路のノイズ耐量を評価することを可能としている。その方法を以下に説明する。
図1の試験用電力変換器11の電源電圧を最終製品の電力変換器より低く設定した場合に、ノイズ耐量の再現性の観点から主に問題となるのは、スイッチング素子のスイッチング動作に起因して、スイッチング素子−放熱フィン間を流れるコモンモード電流Icが最終製品と比べて減少することである。
コモンモード電流Ic(の振幅)、静電容量C、電圧変化率dV/dt、直流電圧E、(コモンモード電流Icの)通電期間Tの間には、上記した関係式(1)および(2)の
関係が成立することから、電源電圧の低下に伴い、三相インバータ回路18に印加される直流電圧Eが低下すると、上記関係式(2)により、電圧変化率dV/dtが一定の場合、通電期間Tが短くなる。
また、直流電圧Eが低下したことに対応して、電圧変化率dV/dtが低下した場合、上記関係式(1)により、コモンモード電流Icの振幅が低下する。これらは、いずれもノイズ耐量に関して条件が緩和される方向であり、最終製品のノイズ耐量を確保するための試験を行う妨げとなる。
この問題を解決するには、上記関係式(1)において、静電容量Cを、電圧変化率dV/dtの低下分を打ち消す程度に増加させればよい。これは、具体的には、図2に示した三相インバータ回路18の各段に追加したコンデンサ26、27、28の容量を増やすことに相当する。このようにすることで、最終製品相当のコモンモード電流Icを試験装置において実現することができる。なお、電圧変化率dV/dtが低下しない場合でも、半導体スイッチング素子のスイッチングに起因するコモンモード電流Icを試験装置において、最終製品よりも大きくでき、より厳しい条件でノイズ耐量を評価できる。
また、試験装置において、電源電圧を低く設定したときに、コモンモード電流Icを最終製品のものと合致させる別の方法を以下に説明する。
試験用電力変換器11と最終製品の電力変換器に対し、電源電圧をV1、V0、インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子の電圧変化率の代表値(上述の方法により求める)をdV1/dt、dV0/dt、とそれぞれし、かつ、試験用電力変換器11において、三相インバータ回路18の各段の出力端と放熱フィン25との間に取り付けられた各コンデンサ(図2のコンデンサ26、27、28)と、その各段の出力端と放熱フィン25との間に生じる静電容量との合計をC1とし、最終製品の電力変換器において、三相インバータ回路の各段の出力端と放熱フィンとの間に生じる静電容量をC0とした場合に、下記(3−1)および(3−2)式の関係が半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時においてそれぞれ成立あるいは概ね成立するように、試験装置の電圧変化率(の代表値)dV1/dtおよびC1を調整する。
V0/(dV0/dt) = V1/(dV1/dt) ・・・(3−1)
C0×V0 = C1×V1 ・・・(3−2)
実際に、上記(3−1)及び(3−2)式より、C0×(dV0/dt)=C1×(dV1/dt)の関係を導くことができ、上記(3−1)及び(3−2)式が成立している場合は、コモンモード電流が最終製品と試験装置とで一致していることが分かる。
容量C1の調整は、追加するコンデンサ(図2のコンデンサ26、27、28)の容量を調整することにより行われる。また、電圧変化率dV1/dtの調整は、図7のゲート抵抗の抵抗値、ゲートコンデンサの容量を調整することにより行われる。
図8は、最終製品(左側)および試験装置(右側)において、インバータ回路の出力端の電流および電圧の時間波形と、そのインバータ回路のスイッチング素子のターンオン時、ターンオフ時に流れるコモンモード電流の時間波形とをそれぞれ示した図(その1)である。
このような容量C1、電圧変化率dV1/dtについての調整を行なうことによって、図8に示すように、半導体スイッチング素子のスイッチングに起因するコモンモード電流Icを試験装置と最終製品とで一致または略一致させることができる。
なお、上記関係式(3−1)および(3−2)を、それぞれ次の(4−1)および(4−2)の組み合わせに変更することもできる。
V0/(dV0/dt) = V1/(dV1/dt) ・・・(4−1)
C0×V0 < C1×V1 ・・・(4−2)
実際に、上記(4−1)及び(4−2)式より、C0×(dV0/dt)<C1×(dV1/dt)の関係を導くことができ、上記(4−1)及び(4−2)式が成立している場合は、試験装置の方が最終製品よりもコモンモード電流が大きくなっていることが分かる。
そして、上記(4−1)および(4−2)式の関係が半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時においてそれぞれ成立あるいは概ね成立するように、試験装置の電圧変化率(の代表値)dV1/dtおよびC1を調整する。
図9は、最終製品(左側)および試験装置(右側)において、インバータ回路の出力端の電流および電圧の時間波形と、そのインバータ回路のスイッチング素子のターンオン時、ターンオフ時に流れるコモンモード電流の時間波形とをそれぞれ示した図(その2)である。
このような容量C1、電圧変化率dV1/dtについての調整を行なうことによって、図9に示すように、半導体スイッチング素子のスイッチングに起因するコモンモード電流Icを、試験装置において最終製品より大きくすることができる。これにより、最終製品よりも厳しい条件を試験時に制御装置に課すことができるため、試験時に制御装置が誤動作しないことを確認することで、ノイズ耐量にマージンを持たせて信頼性の向上を図ることができる。
また、最終製品の電力変換器において、入力電圧、相数の条件は多様にあり、試験対象としての制御回路はこの最終製品の電力変換器と組み合わせて使用する前提で設計されている。そのため、上記した一部の実施例の主張とは異なるが、本実施形態のもう1つの変形例として、制御回路の動作を最終製品の電力変換器に接続された状態に近い状態で評価するために、試験用電力変換器に供給する電圧を最終製品の電力変換器に供給する電圧と同等となるように調整できる構成を、試験用電力変換器が持つことが望ましい。これにより、電力変換器の試験装置を、用途の異なる多種多様な設置条件・出力形態を持つ最終製品の電力変換器に対して汎用的に使用できるものとすることができる。
電圧を調整する構成について、図10および図11を参照して説明する。
図10は、電圧調整機能を有する出力電圧可変の単巻変圧器(例えば、スライダック(登録商標))51を、系統電源(交流電源)52と整流回路13との間に設けた構成を示した図である。
図10では、系統電源52が出力する交流電圧を出力電圧可変の単巻変圧器51に入力して、それを所望とする電圧まで昇圧して、出力電圧可変の単巻変圧器51から整流回路13に出力している。なお、図10の構成において、当然のこととして、出力電圧可変の単巻変圧器51を用いて、所望とする電圧まで降圧することも可能である。
所望とする電圧まで昇圧する出力電圧可変の単巻変圧器がない場合、図11に示すように、図10の構成に対し、巻数比固定の昇圧トランス55を、出力電圧可変の単巻変圧器51と整流回路13の間に設ける。そして、所望とする電圧より小さい値の電圧まで、出力電圧可変の単巻変圧器51により昇圧し、出力電圧可変の単巻変圧器51の出力を、昇圧トランス55に入力して、それを所望とする電圧まで昇圧して、昇圧トランス55から整流回路13に出力する。
整流回路の最大直流出力電圧は、整流回路13の入力交流電圧の線間電圧となることから、必要な最大直流電圧が整流回路13に出力できるように逆算をして、昇圧トランス55の巻数比を決定する。
図10および図11に示す構成の場合、電圧調整部分には半導体を使用していないことから、スイッチングに起因するノイズの発生はなく、試験装置による正確なノイズ耐量の評価が可能となる。
一方、電圧調整部分を、整流回路13の後段に設けるために、調整する電圧が直流電圧になるものの、昇降圧チョッパ回路57を用いても電圧を調整することができる。
昇降圧チョッパ回路57は、図12に示すように、整流回路13による整流後の直流電圧を平滑コンデンサ59により平滑化して、その平滑コンデンサ59の出力を昇降圧する。この昇降圧チョッパ回路57は、その平滑コンデンサ59の他に、スイッチング素子61、リアクトル62、ダイオード63、コンデンサ65により構成される。そして、スイッチング素子61を駆動するゲート信号のデューティー比を調整することにより、後段の回路部分へ出力する電圧を昇降圧チョッパ回路57の入力電圧よりも低くすることも高くすることも可能である。さらに、この昇降圧チョッパ回路57は構成が簡単なことから、これを使用することにより、試験装置の規模の小型化・軽量化に貢献することができるという利点がある。
しかし、昇降圧チョッパ回路57はスイッチング素子61を含んでいて、このスイッチング素子61のスイッチングにより、出力電圧(直流電圧)を調整している。このため、この昇降圧チョッパ回路57自身もスイッチングに起因するノイズの発生源となっている。そして、この昇降圧チョッパ回路57の発生するノイズにより、試験時に使用する制御回路(これは、最終製品でも使用されるものである)が誤動作する可能性がある。この場合の制御回路の誤動作は、最終製品の電力変換器を模擬した試験用電力変換器によるものではない。
このように、昇降圧チョッパを構成するスイッチング素子をスイッチングすることで、試験用電力変換器に供給する電圧を調整する場合には、昇降圧チョッパ自体のノイズを低減する対策をとることが必要となる。
試験装置の設置場所の系統インピーダンス(これの主要な部分は、配線の長さ、配線の断面積等で決まるC成分およびL成分である)は一定ではないため、同一条件で運転していても設置場所によりノイズ耐性試験をクリアできる場合とできない場合が生じる恐れがある。そこで、試験装置には設置場所に依存しない基準となるインピーダンスを供給する系統インピーダンス模擬部を持たせる必要がある。一方、例えば、最終製品の納品先の設置場所において設置場所特有の問題が生じた場合には、その最終製品の設置条件を別の場所(例えば、ノイズ耐性試験の実施場所)においても忠実に模擬する構成が必要である。本実施形態では、このような2つの課題に対応した系統インピーダンス模擬部を提案する。
以下では直流中間電圧の調整機能として、図10または図11に示す構成を使用した場合を前提として説明する。
まず、基準となるインピーダンスを供給する系統インピーダンス模擬部について説明する。
直流中間電圧を調整する機能として、図10または図11に示すように、出力電圧可変の単巻変圧器51や巻数比固定の昇圧トランス55を使用する場合、単巻変圧器51や昇圧トランス55のインピーダンスが大きいため、それより系統側(電源側)に設置したインピーダンスは、ほとんど回路に影響を与えなくなる。このような構成の場合、系統インピーダンス模擬部を、図10または図11に示した直流中間電圧の調整部分よりも後段に設けることで、系統インピーダンスの影響を考慮したノイズ耐性試験を行なうことができる。
ここで、通常系統電源は交流であるが、本実施形態では、直流部に系統インピーダンス模擬部を設置するため、系統インピーダンス模擬部内のインピーダンス素子の回路定数は、交流のものを直流の相当するものに変換して決める必要がある。
系統インピーダンス模擬部の構成として、本実施形態では、擬似電源回路網(LISN、Line Impedance Stabilization Network)を使用する。通常、LISNは、交流での使用を前提としているが、上記したように、本実施形態の試験装置では、整流回路、平滑回路の後段に接続して使用している。
図13および図14に、系統インピーダンス模擬部として、LISNを使用した構成例を示す。
図14に示す構成では、電圧供給線(図中では「P」および「N」として表記される)にリアクトル85、86を接続して、ノーマルモードに対する高周波インピーダンスを高くしている。また、接地コンデンサ87、88により、高周波のコモンモードノイズのバイパス経路を確保することで、系統側へ漏洩する高周波成分を抑制している。また、図中、FGはフレームグランドを示している。
また、図14において、コモンモード経路のインピーダンスばらつきを低減するために、LISNの対地インピーダンス部分は線間コンデンサ直列回路(線間コンデンサ91−1、91−2、92−1、92−2により構成される回路)の中点に接続し、線間コンデンサを用いて分流する構成としている。つまり、LISNの対地インピーダンスの回路定数は、コモンモード等価回路を構成することで変形できる。例えば、この図14の構成では、最終製品が三相入力機器の場合、各容量成分Cを交流の場合と比較して3倍、各抵抗成分Rを交流の場合と比較して1/3倍にし、単相入力機器の場合、各容量成分Cを2倍、各抵抗成分Rを1/2倍にすればよい。また、直流中点を形成する線間コンデンサは、対地インピーダンスへの影響を十分小さくするために、接地コンデンサの静電容量に対し、約10倍以上の値のものを使用するとよい。すなわち、線間コンデンサ91−1、91−2の容量を、接地コンデンサ87の容量の約10倍以上の値に設定し、線間コンデンサ92−1、92−2の容量を、接地コンデンサ88の容量の約10倍以上の値に設定する。
リアクトルについても図14の構成では同様に、コモンモード等価回路を構成して定数変換すると、通常のLISNの部品定数に対して、最終製品が三相入力機器の場合2/3倍、単相入力機器の場合1倍(変換の必要なし)にすればよい。
また、図13に示す構成では、電圧供給線にリアクトル71、72を接続して、ノーマルモードに対する高周波インピーダンスを高くしている。また、接地コンデンサ74、75、77、81により、高周波のコモンモードノイズのバイパス経路を確保することで、系統側へ漏洩する高周波成分を抑制している。回路定数の選定は図14で説明した場合と同様に行なう。
図13および図14の構成は、LISNによって、系統側と回路側で高周波信号を分断し、設置場所の系統インピーダンスの影響を受けず、一定のインピーダンスで試験することを保証するものである。
LISNは通常雑音端子電圧測定に使用する機器であるものの、上記のように、回路に一定のインピーダンスを供給することができるので、基準となるインピーダンスを供給する系統インピーダンス模擬部の構成として使用可能である。
一方では、最終製品の設置場所の系統インピーダンスを別の場所においても模擬するために、系統インピーダンス模擬部にインピーダンスを任意(可変)に設定できる機能を持たせる必要がある。
図15は、インピーダンスを可変に設定できる機能を持たせた系統インピーダンス模擬部の構成を示す図である。
図15において、電源のノーマルモードインピーダンス94−1、94−2と、対地インピーダンス95、96の他に、平滑コンデンサ14より上流側の影響を小さくする目的で、電源のノーマルモードインピーダンス模擬部(インピーダンス94−1、94−2により構成される回路)より十分大きな(5〜10倍)インピーダンス93−1、93−2を接続し、これらのインピーダンスの値を可変とする。
このように、任意にインピーダンスを設定できる機能を持たせたことにより、出荷後の製品にノイズトラブルが生じた場合に、別の場所においても、系統インピーダンス模擬部のインピーダンスを調整することで、設置条件を再現することができるため、原因究明に役立つ。
また、ここでは、図示しないが、直流中間電圧の調整機能として、図12に示すような昇降圧チョッパ回路57を用いた場合でも、その昇降圧チョッパ回路57の後段に図13、14、15に示すような系統インピーダンス模擬部を設けることができる。
なお、以上では、半導体スイッチング素子にIGBTを使用した場合で各実施形態を説明したが、半導体スイッチング素子としてMOS−FETを使用することも可能である。
本発明の一実施形態に係る電力変換装置の試験装置の構成図である。 図1の電力変換装置の試験装置において、インバータ回路の出力端と放熱フィンとの間にコンデンサを設けた図である。 図1の電力変換装置の試験装置において、インバータ回路の出力端とグランドとの間に対地インピーダンス素子を設けた図である。 図1の電力変換装置の試験装置において、整流回路の出力端とグランドとの間にインピーダンス素子を設けた図である。 本実施形態に係る電力変換装置の試験装置を、その制御回路等に磁界を照射する磁界照射装置とともに示した図である。 試験用電力変換器において、インバータ回路の出力端と放熱フィンとの間にある浮遊容量を、そのインバータ回路の出力端と放熱フィンとの間に設けたコンデンサとともに示した概念図である。 試験用電力変換器において、インバータ回路の出力端の電流および電圧の時間波形と、そのインバータ回路のスイッチング素子のターンオン時、ターンオフ時に流れるコモンモード電流の時間波形とを示した図である。 試験用電力変換器において、インバータ回路のあるスイッチング素子とゲート駆動回路との間に接続されるゲート抵抗、および、そのスイッチング素子のゲート−エミッタ間に接続されるゲートコンデンサを示した図である。 最終製品および試験装置において、インバータ回路の出力端の電流および電圧の時間波形と、そのインバータ回路のスイッチング素子のターンオン時、ターンオフ時に流れるコモンモード電流の時間波形とをそれぞれ示した図(その1)である。 最終製品および試験装置において、インバータ回路の出力端の電流および電圧の時間波形と、そのインバータ回路のスイッチング素子のターンオン時、ターンオフ時に流れるコモンモード電流の時間波形とをそれぞれ示した図(その2)である。 本実施形態の試験装置における電圧を調整する構成(その1)を示す図である。 本実施形態の試験装置における電圧を調整する構成(その2)を示す図である。 本実施形態の試験装置における電圧を調整する構成(その3)を示す図である。 基準となるインピーダンスを供給する系統インピーダンス模擬部の構成(その1)を示す図である。 基準となるインピーダンスを供給する系統インピーダンス模擬部の構成(その2)を示す図である。 インピーダンスを可変に設定できる機能を持たせた系統インピーダンス模擬部の構成を示す図である。 従来の電力変換装置の試験方法を示す図(その1)である。 従来の電力変換装置の試験方法を示す図(その2)である。
符号の説明
10、100 電力変換装置
11 試験用電力変換器
12、102 制御回路
13、103 整流回路
14、104 平滑コンデンサ
15、16、17、46、105、106、107 半導体スイッチング素子
18、108 三相インバータ回路
19、109 電流センサ
21、43、111 ゲート駆動回路
22、112 高周波電圧印加装置
23 負荷
24、114 筺体等金属
25 放熱フィン
26、27、28 コンデンサ
31、32、33 インピーダンス素子
35 対地インピーダンス
36、37、38 電源のインピーダンス
39、52 電源
41、42 磁界照射装置
44 ゲート抵抗
45 ゲートコンデンサ
51 出力電圧可変の単巻変圧器
55 昇圧トランス
101 電力変換器

Claims (21)

  1. 複数の半導体スイッチング素子により構成されて、与えられた直流電圧を交流電圧に変換して出力するインバータ回路を有する最終製品の電力変換器と、
    前記各半導体スイッチング素子を制御する制御信号を生成してこれらの半導体スイッチング素子にそれぞれ与える制御回路と、
    を具備した電力変換装置を試験する試験装置であって、
    この電力変換装置の試験装置は、前記最終製品の電力変換器に換えて用いられて、この電力変換器よりも出力容量が小さい試験用電力変換器と、
    前記制御回路の信号の基準となる電位部と、前記試験用電力変換器の接地電位部との間にノイズ電圧を印加する高周波電圧印加装置と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置の試験装置。
  2. 前記試験用電力変換器は、試験用インバータ回路を備え、
    この試験用インバータ回路の出力側に、前記試験用電力変換器の出力容量よりも負荷容量の小さい負荷を接続したか、または、負荷を接続しないことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置の試験装置。
  3. 前記試験用電力変換器は、前記最終製品の電力変換器と前記試験用電力変換器との電気的特性の差分を調整する差分調整部、をさらに有し、
    前記制御回路の信号の基準となる電位部と前記試験用電力変換器の接地電位部との間にノイズ電圧を印加することを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置の試験装置。
  4. 前記最終製品の電力変換器は、前記インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第1の冷却フィンを備え、
    前記試験用電力変換器は、前記試験用インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第2の冷却フィンを備え、
    前記差分調整部は、前記インバータ回路と前記第1の冷却フィンとの間の静電容量C0と、前記試験用インバータ回路と前記第2の冷却フィンとの間の静電容量C1とを一致または略一致させるコンデンサを備えることを特徴とする請求項3記載の電力変換装置の試験装置。
  5. 前記差分調整部は、前記インバータ回路の各出力端子と接地電位部との間の対地インピーダンスとそれぞれ等価なインピーダンス素子を、前記試験用インバータ回路の各出力端子と接地電位部との間にそれぞれ接続したものである請求項3記載の電力変換装置の試験装置。
  6. 前記最終製品の電力変換器は、さらに入力された交流電圧を直流電圧に変換する第1の整流回路と、
    この第1の整流回路から出力される直流電圧を平滑する第1の平滑コンデンサと
    を有するコンバータ回路を備え、
    このコンバータ回路から出力される直流電圧を前記インバータ回路の直流電圧として与える一方、
    前記試験用電力変換器は、さらに入力された交流電圧を直流電圧に変換する第2の整流回路と、
    この第2の整流回路から出力される直流電圧を平滑する第2の平滑コンデンサと
    を有する試験用コンバータ回路を備え、
    この試験用コンバータ回路から出力される直流電圧を前記試験用インバータ回路の直流電圧として与えるものであって、
    前記差分調整部は、前記第1の整流回路の各入力端と接地電位部との間の対地インピーダンスとそれぞれ等価なインピーダンス素子を前記第2の整流回路の各入力端と接地電位部との間にそれぞれ接続したことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置の試験装置。
  7. 前記制御回路は、この制御回路の作動を司る中央処理装置を備え、
    前記信号の基準となる電位部は、前記中央処理装置のシグナルグランドであることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置の試験装置。
  8. 前記制御回路の信号の基準となる電位部は、前記制御回路内の他の回路部分とは絶縁された箇所にある導電部のシグナルグランドであることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置の試験装置。
  9. 前記制御回路に磁界を照射する磁界照射装置をさらに有することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置の試験装置。
  10. 前記差分調整部は、前記試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のゲート端子と対応する各ゲート駆動信号出力部との間にゲート抵抗を備えるか、または、前記各半導体スイッチング素子のゲート−エミッタ間にゲートコンデンサを備え、
    前記各ゲート抵抗の各抵抗値または前記各ゲートコンデンサの各容量を調整して、前記試験用電力変換器における各半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率を、最終製品の電力変換器において対応するそれぞれの半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率に一致または略一致させたことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置の試験装置。
  11. 前記差分調整部は、前記試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のゲート端子と対応する各ゲート駆動信号出力部との間にゲート抵抗を備えるか、または、前記各半導体スイッチング素子のゲート−エミッタ間にゲートコンデンサを備え、
    前記各ゲート抵抗の各抵抗値または前記各ゲートコンデンサの各容量を調整して、前記試験用電力変換器における各半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率を、最終製品の電力変換器において対応するそれぞれの半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時の電圧変化率より大きく設定したことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置の試験装置。
  12. 前記試験用電力変換器における電源電圧V1を、前記最終製品の電力変換器における電源電圧V0より低く設定したことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置の試験装置。
  13. 前記最終製品の電力変換器は、前記インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第1の冷却フィンを備え、
    前記試験用電力変換器は、前記試験用インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第2の冷却フィンを備え、
    前記差分調整部は、前記試験用インバータ回路と前記第2の冷却フィンとの間の静電容量C1を、前記インバータ回路と前記第1の冷却フィンとの間の静電容量C0より大きくさせるコンデンサを備えることを特徴とする請求項12記載の電力変換装置の試験装置。
  14. 前記最終製品の電力変換器は、前記インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第1の冷却フィンを備え、
    前記試験用電力変換器は、前記試験用インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第2の冷却フィンを備え、
    前記差分調整部は、前記試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のゲート端子と対応する各ゲート駆動信号出力部との間にゲート抵抗を備えるか、または、前記各半導体スイッチング素子のゲート−エミッタ間にゲートコンデンサを備え、
    前記最終製品の電力変換器における電源電圧をV0、前記試験用電力変換器における電源電圧をV1、前記インバータ回路と前記第1の冷却フィンとの間の静電容量をC0、前記試験用インバータ回路と前記第2の冷却フィンとの間の静電容量をC1とし、前記最終製品の電力変換器および前記試験用電力変換器における半導体スイッチング素子の電圧変化率の代表値をそれぞれdV0/dtおよびdV1/dtとした場合、前記各ゲート抵抗の抵抗値または前記各ゲートコンデンサの静電容量を調整して、前記半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時に、
    V0/(dV0/dt) = V1/(dV1/dt)
    C0×V0 = C1×V1
    の両式が成立するように、前記試験用電力変換器のdV1/dtおよびC1を設定したことを特徴とする請求項12記載の電力変換装置の試験装置。
  15. 前記最終製品の電力変換器は、前記インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第1の冷却フィンを備え、
    前記試験用電力変換器は、前記試験用インバータ回路を構成する半導体スイッチング素子を冷却する第2の冷却フィンを備え、
    前記差分調整部は、前記試験用電力変換器の各半導体スイッチング素子のゲート端子と対応する各ゲート駆動信号出力部との間にゲート抵抗を備えるか、または、前記各半導体スイッチング素子のゲート−エミッタ間にゲートコンデンサを備え、
    前記最終製品の電力変換器における電源電圧をV0、前記試験用電力変換器における電源電圧をV1、前記インバータ回路と前記第1の冷却フィンとの間の静電容量をC0、前記試験用インバータ回路と前記第2の冷却フィンとの間の静電容量をC1とし、前記最終製品の電力変換器および前記試験用電力変換器における半導体スイッチング素子の電圧変化率の代表値をそれぞれdV0/dtおよびdV1/dtとした場合、前記各ゲート抵抗の抵抗値または前記各ゲートコンデンサの静電容量を調整して、前記半導体スイッチング素子のオン時およびオフ時に、
    V0/(dV0/dt) = V1/(dV1/dt)
    C0×V0 < C1×V1
    の両式が成立するように、前記試験用電力変換器のdV1/dtおよびC1を設定したことを特徴とする請求項12記載の電力変換装置の試験装置。
  16. 前記試験用電力変換器に供給する電源電圧を調整する電圧調整部、をさらに有することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置の試験装置。
  17. 交流電源からの交流電圧を直流電圧に整流する整流回路と、
    前記交流電源と前記整流回路との間に設けられた、半導体スイッチング素子を用いずに構成された電圧調整部とをさらに有し、
    前記電圧調整部により、交流電源から出力された交流電圧を、所望とする電圧まで昇圧または降圧して、前記整流回路に出力することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置の試験装置。
  18. 交流電源からの交流電圧を直流電圧に整流する整流回路と、
    前記整流回路から出力された直流電圧を、所望とする電圧まで昇圧または降圧して、平滑コンデンサに出力する昇降圧チョッパ回路と、を有することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置の試験装置。
  19. 前記試験用電力変換器は、前記試験用インバータ回路の前段に、系統インピーダンスを模擬した系統インピーダンス模擬部、をさらに有することを特徴とする請求項2記載の電力変換装置の試験装置。
  20. 前記系統インピーダンス模擬部は、インピーダンスを可変に設定できる機能をさらに有することを特徴とする請求項19記載の電力変換装置の試験装置。
  21. 前記系統インピーダンス模擬部は、コモンモード等価回路に基づいて定数変換された部品定数を持つ部品により構成されたLISNにより構成されることを特徴とする請求項19記載の電力変換装置の試験装置。
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