JP4635469B2 - マイクロ波電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波電源装置に関し、特に、正弦波の位相制御あるいはパルス波のパルス幅制御によりマイクロ波出力を制御するマイクロ波電源装置に関する。
近年、高度情報化社会の急速な進歩にともなって、半導体デバイス,記録媒体,光ファイバーなどの高性能化や高密度化がすすめられている。これら電子部品や通信設備の製造プロセス技術の中で、重要な役割を担っているものに薄膜形成・加工技術がある。
この薄膜形成・加工技術におけるドライプロセスとしては、物理的蒸着と化学的蒸着があり、それぞれの特徴を生かした用途に利用されている。これらのうち、化学的蒸着は、膜の付きまわり性や密着強度に優れ、粉末やファイバー・ウィスカーなども製造できることから、低温で良質な薄膜形成が可能なプラズマCVD(Chemical vapor deposition)を中心にその利用が広がっている。
このプラズマCVDを利用して薄膜形成が行われるものとしては、上述した電子部品や光ファイバーの他に、太陽電池、半導体レーザなどの半導体製造、アモルファスシリコン感光体を用いた電子写真、光学薄膜、磁性膜などがあり、さらに、工具、金型のコーディングなどの保護膜形成にも利用されている。
そして、近年では、プラスチックへの酸素透過防止コーティング,ガラスへの高機能コーティング,その他鋼材やペットボトル等へのコーティング,シリカやアルミナの粉末の製造などにも幅広く利用されている。
なお、化学的蒸着には、プラズマCVDの他にも、化学反応の励起方法として、熱CVDや光CVDがある。
ところで、プラズマ方式の化学的蒸着を行う場合は、プロセスチャンバー内でプラズマを発生させるために導波管を通してマイクロ波を送るマイクロ波電源装置が必要となる。
マイクロ波電源装置とは、マイクロ波発生部(例えば、マグネトロンなど)にマイクロ波を放出させるために電力を供給する電源装置をいう。このマイクロ波電源装置の従来の一般的な回路構成を図21(鉄トランス方式)、図22(インバータ方式)に示す。
例えば、鉄トランス方式を用いたマイクロ波電源装置100は、図21に示すように、交流電源(商用電源)110から供給されてきた電源電圧を、変圧回路120で高圧に変圧し、整流回路130で全波整流して、この電圧をマイクロ波発生部140(例えば、マグネトロンなど)へ印加する。つまり、この場合は、全波整流された電圧がそのままマイクロ波発生部140に印加される。
これにより、マイクロ波発生部140は、その印加電圧の平均値に応じた出力強度のマイクロ波を放出する(例えば、特許文献1参照、第一の従来技術。)。
一方、インバータ方式を用いたマイクロ波電源装置200は、図22に示すように、交流電源(商用電源)210から供給されてきた電源電圧を、整流回路220(例えば、ダイオードブリッジなど)によって直流に変換し、平滑回路230(例えば、抵抗やコンデンサなど)によってリプル分等を取り除き、インバータ回路240(例えば、スイッチング素子(トランジスタ)241やコンデンサ等で構成されたハーフブリッジインバータなど)によって高周波化し、変圧回路250(例えば、高周波トランスなど)によって高周波電圧を高電圧にし、倍電圧整流回路260(例えば、ダイオードやコンデンサなど)によって高周波高電圧をマイクロ波発生部270(例えば、マグネトロンなど)へ印加する(例えば、特許文献2参照、第二の従来技術。)。
これによっても、マイクロ波発生部270は、その印加電圧に応じた出力強度のマイクロ波を放出する。
また、インバータ方式を用いたマイクロ波電源装置においては、マイクロ波発生部から発生するマイクロ波出力を変化させるために、そのマイクロ波発生部に印加される電圧(印加電圧)をON・OFF制御するものがある。
例えば、図22に示すように、インバータ回路240に設けられたスイッチング素子241が、スイッチング制御部(図示せず)によりON・OFF制御(ON状態とOFF状態との各時間の比率を調整する制御)されることで、マイクロ波発生部270に印加される電圧(パルス波)のON時間(パルス幅)を調整して、マイクロ波出力を変化させるものがある(例えば、特許文献3、4参照、第三の従来技術。)。
この場合、スイッチング素子241のOFF状態に対するON状態の時間的比率を調整することにより、マイクロ波発生部270の印加電圧の平均電圧値(すなわち、マイクロ波発生部270への供給電力)を変えることができる。このため、マイクロ波発生部270のマイクロ波出力を変化させることができる。
特開2002−323222号公報(第2頁、第13図) 特開平5−062774号公報(第2−3頁、第2図) 特開2001−185340号公報(第2−3頁、第11図) 特開2001−332934号公報(第2−3頁、第5図)
しかしながら、第一,第二の従来技術は、マイクロ波発生部の印加電圧を調整することができないため、この調整に伴ってマイクロ波出力を変化させることができなかった。
これに対し、第三の従来技術は、マイクロ波発生部の印加電圧のON時間を調整することでマイクロ波の出力を変化させられるものの、この調整の対象が印加電圧のON時間のみであったため、この第三の従来技術をCVD用マイクロ波電源装置に単に応用しただけでは、望ましい薄膜特性が得られないという問題があった。
プラズマ方式による化学的蒸着の工程は、図23に示すように、例えば、低出力強度でマイクロ波を発生させる初期段階(低出力状態)と、その出力強度を次第に高くする立ち上げ段階と、高出力強度でマイクロ波を発生させる高出力段階(高出力状態)とに分けて行うことが考えられる。
そして、このような工程でプラズマ蒸着を行った場合、プロセスチャンバー内においては、まず充填された処理用ガスのプラズマが低出力のマイクロ波によって点火され、次いで低出力状態において、有機成分を多く含んだ薄膜層が基体上(薄膜を蒸着させる対象物上)に形成され、続いて、高出力状態において、有機成分の少ない硬質な薄膜質が形成される。
こうして形成された積層薄膜は、有機成分を多く含んだ薄膜初期層により、基体と硬質な薄膜層との密着性が向上する。
ここで、第三の従来技術を用いてマイクロ波発生部の印加電圧のON時間を調整することにより、マイクロ波の出力を変化させて、密着性に優れた良好な薄膜を得ようとすることが考えられる。
ところが、基体上の薄膜形成は、酸素や水分の透過防止を意図して行われるため、密着性だけでなく、バリヤー性(気体遮断性)が優れていることも薄膜の品質として求められる。
この点、第三の従来技術を用いてマイクロ波出力を調整した場合は、密着性又はバリヤー性のうち一方のみを良好とすることはできるものの、双方ともに良好とすることはできないという問題があった。
この第三の従来技術を用いてマイクロ波出力を調整した場合の薄膜の各特性(バリヤー性,密着性)の具体的な検査結果を図24(1),(2)に示す。
なお、同図(1),(2)の「ON時間」は、初期段階(又は高出力段階)におけるマイクロ波発生部への印加電圧のON時間を示す。また、各特性(バリヤー性,密着性)の値はそれぞれ小さいほど良好とされる。
また、同図中、「低出力時間」とは、低出力状態にある時間を、「立ち上げ時間」とは、立ち上げ段階の時間を、「高出力時間」とは、高出力状態にある時間をそれぞれいう。
例えば、第三の従来技術を用いてマイクロ波出力を変化させる場合は、マイクロ波発生部への印加電圧のON時間が調整されるが、この低出力時のON時間を長くし、低出力時ピーク出力(パワーモニタの検出電圧値で示す。)を高くすると、高出力時のマイクロ波のピーク出力も大きくなることから、バリヤー性(PETのみのガス遮断性を1とすると、値が小さいほど良好)は良くなる。ところが、密着性(環境経時後の膜減少量で値が小さいほど良好)は却って悪くなっていた(同図(1))。
一方、低出力時のON時間を短くし、低出力時のピーク出力を低くすると、高出力時のマイクロ波のピーク出力が小さくなることから、密着性は良くなるものの、バリヤー性は悪くなっていた(同図(2))。
これらのように、例えば、初期段階(低出力状態)において、第三の従来技術によりマイクロ波の出力強度を変化させた場合は、バリヤー性又は密着性の一方については良好な結果が得られるものの、必ずしも他方についてまで良好な結果が得られるとは限らず、却って薄膜の品質低下につながることが懸念された。
これに対し、例えば、低出力時のマイクロ波発生部の印加電圧のON時間を短くしつつ、高出力時のピーク出力を大きくすることができれば、バリヤー性と密着性の双方ともに良好な結果が得られる(同図(3))。
このため、CVD技術において、マイクロ波発生部に印加される電圧のON時間とピーク電圧との双方を調整可能にして、バリヤー性と密着性との双方ともに良好な薄膜を形成可能とする新たな技術の提供が望まれていた。
また、マイクロ波の出力強度を大きくすると、プロセスチャンバー内のプラズマの発光性を向上できるが、そのマイクロ波の出力強度を大きくするためには、従来は、ON時間を長くするか、あるいはマイクロ波発生部への印加電圧の平均値を高くしていた。
そうすると、上述のように、薄膜性能としては、バリヤー性の向上は可能となるものの、密着性が悪くなっていた。
このため、プラズマの発光性を向上しつつ、薄膜の密着性を良好にし得る技術の提供が期待されていた。
さらに、初期段階(低出力状態)で、マイクロ波の出力強度を高くしつつ、ON時間を短くできるのであれば、この初期段階だけでなく高出力段階の時間短縮を図ることも可能となる(図24(4))。このため、プラズマCVDによる薄膜形成工程の全体に要する時間を短縮できる。
このことからも、マイクロ波発生部への印加電圧のON時間とピーク電圧を独立して調整が可能な技術の提供が求められていた。
加えて、高出力段階においては、初期段階における印加電圧の制御とは異なる制御を行う必要があった。
初期段階においては、図24(3)に示すように、ON時間が短く、かつ、ピーク出力が高い方が、薄膜のバリヤー性と密着性との双方をともに向上できる。特に、密着性の向上が顕著である。
これに対し、高出力段階においては、図25に示すように、ON時間が長く、かつピーク出力が高い方が、バリヤー性(酸素バリヤー性:値が小さい方が良好)を向上できる。
このため、良好な薄膜特性が得られるように、初期段階での印加電圧の調整と異なる調整を高出力段階で行える技術の提供が望まれていた。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、バリヤー性と密着性との双方ともに良好な性能評価が得られるように、マイクロ波発生部への印加電圧のピーク電圧とON時間との各々の調整を可能とするとともに、初期段階と高出力段階とでそれぞれ異なった印加電圧の調整を適切に行うことができ、かつ、プラズマCVDによる薄膜形成全体に要する時間の短縮を可能とするマイクロ波電源装置の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の請求項1記載のマイクロ波電源装置は、直流電圧を断続的な高周波電圧に変換するスイッチング素子を有したインバータと、このインバータからの高周波電圧を昇圧するトランスと、昇圧された高周波電圧をマグネトロンに印加する倍電圧整流平滑回路とを備えたマイクロ波電源装置であって、マグネトロンに印加される高周波電圧を印加電圧とし、この印加電圧のピーク電圧を調整するための出力可変入力用の可変器と、インバータで高周波電圧が発生している時間をON時間、高周波電圧が発生していない時間をOFF時間としたときに、印加電圧のON時間を調整するためのパルス幅可変入力用の可変器と、ピーク電圧の調整値を示す出力コントロール信号を、出力可変入力用の可変器から受け取り、この出力コントロール信号の示す電圧値にもとづいて形成した波形にしたがって、インバータのスイッチング素子を駆動するインバータ駆動回路部とを備え、このインバータ駆動回路部は、設定可変制御回路とゲート駆動回路を備え、設定可変制御回路は、所定のサイクルタイムで、のこぎり波を発生するノコギリ波発生器と、ON時間の調整値を示す発振時間コントロール信号をパルス幅可変入力用の可変器から受け取るとともに、のこぎり波を、発振時間コントロール信号にもとづいてパルス幅変調を行い、この波形を発振停止信号として出力する比較器と、発振停止信号を入力するとともに、この発振停止信号が0を示すときに出力コントロール信号を0にし、出力コントロール信号をゲート駆動回路へ送る発振停止回路とを備え、ゲート駆動回路は、発振停止回路から出力コントロール信号が送られてきたときに、インバータを駆動し、出力コントロール信号が0とされて発振停止回路から送られてこないときに、インバータの駆動を行わず、これらインバータを駆動して高周波電圧を発生させるON時間と、インバータが駆動せず高周波電圧が発生しないOFF時間とを、交互に印加電圧の波形に形成するように、インバータを制御して、マグネトロンに断続的なマイクロ波を発生させる構成としてある。
また、請求項2記載のマイクロ波電源装置は、設定可変制御回路が、マグネトロンに印加される電圧を倍電圧整流平滑回路から受け取り、この印加電圧が過電流か否かを判断し、判断の結果である過電流検出信号を発振停止回路へ送る過電流検出部を備え、発振停止回路は、過電流検出信号が過電流を示すときは、出力コントロール信号を0にする構成としてある。
また、請求項3記載のマイクロ波電源装置は、インバータ駆動回路部は、ゲート駆動回路を備え、このゲート駆動回路が、三角波を発生する三角波発生器と、三角波が所定の閾値以下の値を示しているときに、方形波を発生する第一比較器Aと、所定の閾値よりも低い値に設定された比較電圧と三角波とを比較し、三角波が比較電圧以上の値を示しているときに、方形波を発生する第一比較器Bと、第一比較器Aからの方形波に、ノコギリ波を整形して出力するノコギリ波整形器Aと、第一比較器Bからの方形波に、ノコギリ波を整形して出力するノコギリ波整形器Bと、ノコギリ波整形器Aでノコギリ波が整形された方形波と、発振停止回路から入力した出力コントロール信号の示す電圧値とを比較し、当該方形波が電圧値以下の値を示すときに、方形波である波形Fを発生する第二比較器Aと、ノコギリ波整形器Bでノコギリ波が整形された方形波と、発振停止回路から入力した出力コントロール信号の示す電圧値とを比較し、当該方形波が電圧値以下の値を示すときに、方形波である波形Gを発生する第二比較器Bと、波形Fにしたがって、インバータのスイッチング素子を駆動するIGBTドライバAと、波形Gにしたがって、インバータのスイッチング素子を駆動するIGBTドライバBとを備えた構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすると、マイクロ波発生部への印加電圧のON時間を調整するON時間調整回路だけでなく、その印加電圧のピーク出力(最大電圧値)を調整する電圧値調整回路を設けたため、それらON時間とピーク出力との双方をそれぞれ個別に調整できる。
しかも、印加電圧制御回路が、電圧値調整回路で調整されたピーク出力(電圧設定値)と、ON時間調整回路で調整されたON時間との双方にもとづいて、印加電圧の波形形成を行うため、それらピーク出力とON時間とを調整することにより、その印加電圧が与えられるマイクロ波発生部からのマイクロ波の出力を所望の波形に変化させることができる。
さらに、それらピーク出力とON時間とを調整して印加電圧を制御可能とすることで、薄膜形成を行う際の初期段階と高出力段階とにおいて、印加電圧を適切な波形に形成できる。
例えば、初期段階においては、電圧設定値を高くしてON時間を短くすることで、図24(3)に示すような良好な特性を得ることができ、一方、高出力段階においては、電圧設定値を高くしてON時間を長くすることで、図25に示すような良好な酸素バリヤー性を得ることができる。
したがって、プラズマCVDによる薄膜形成において、従来のマイクロ波電源装置では成し得なかったバリヤー性と密着性との双方の性能向上が可能となる。
加えて、マイクロ波発生部に印加される電圧についてのピーク出力(電圧設定値)とON時間との二つのパラメータを、それぞれ独立して調整可能なため、薄膜形成を行う際の初期段階と高出力段階とにおいても、それら電圧設定値とON時間とについて異なった調整が可能となる。
なお、高出力段階においては、電圧設定値をあまり高くしすぎると、薄膜処理の対象(例えば、プラスチックや樹脂等)の耐熱性が低い場合には、その処理対象自体が変形するおそれがあるため、ON時間を長くしながらも、その電圧設定値を若干低くくすることが好ましい。
さらに、プラズマCVDの薄膜蒸着の初期段階において、印加電圧のON時間を短くしつつ、出力強度を高くすることができるため、薄膜の各性能(バリヤー性や密着性)を向上できるとともに、プラズマの発光性をも高めることができる。
しかも、その初期段階において、マイクロ波の出力強度を高めつつON時間を短くでき、かつ、高出力段階の高出力時間を短縮できるため(図24(4))、プラズマCVDによる薄膜形成全体に要する時間の短縮が可能となる。
また、マイクロ波電源装置は、電圧を印加してマイクロ波発生部を駆動するマイクロ波電源装置であって、印加電圧のピーク出力を定める電圧値調整回路と、印加電圧のON時間を定めるON時間調整回路と、電圧値調整回路からのピーク出力、及び/又は、ON時間調整回路からのON時間にもとづいて、印加電圧の波形を形成する印加電圧制御回路とを有した構成としてある。
また、マイクロ波電源装置は、印加電圧制御回路が、印加電圧を高周波のパルス波形に形成するインバータ回路部と、電圧値調整回路からのピーク出力、及び/又は、ON時間調整回路からのON時間にもとづいて、インバータ回路部を駆動するインバータ駆動回路部とを有した構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすると、インバータ方式を採用したマイクロ波電源装置においても、電圧値調整回路で設定されたピーク出力とON時間調整回路で設定されたON時間との双方にもとづく印加電圧の調整が可能となる。
このため、この調整された印加電圧にもとづいて、マイクロ波発生部から発生されるマイクロ波の制御が可能となり、したがって、バリヤー性と密着性との双方に優れた薄膜の形成が可能となる。
また、マイクロ波電源装置は、インバータ回路部が、印加電圧を高周波に形成するスイッチング素子を有し、インバータ駆動回路部が、電圧値調整回路からのピーク出力、及び/又は、ON時間調整回路からのON時間にもとづいて、ピーク出力及び/又はON時間の調整値を示す制御信号を形成する設定可変制御部と、制御信号にもとづいて、インバータ回路部のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子駆動部とを有した構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、スイッチング素子駆動部(ゲート駆動回路)が、印加電圧のピーク出力(電圧設定値)やON時間についての各値又は変動値(調整値)を示す制御信号にもとづいて、スイッチング素子(例えば、トランジスタ等)を駆動制御することができる。これにより、スイッチング素子は、整流された電圧を、それら調整された電圧設定値とON時間との双方にもとづく断続的な高周波のパルス波形に変換することができる。
このため、マイクロ波発生部は、それら電圧設定値とON時間が調整された印加電圧にもとづいてマイクロ波を発生する。したがって、プラズマCVDによる薄膜形成においては、マイクロ波電源装置でそれら電圧設定値やON時間を調整することにより、マイクロ波を所望の波形に形成して、バリヤー性や密着性の良好な薄膜をコーティングできる。
また、マイクロ波電源装置は、電圧を印加してマイクロ波発生部を駆動するマイクロ波電源装置であって、印加電圧のピーク出力を定める電圧値調整回路と、この電圧値調整回路で定められた印加電圧のピーク出力にもとづいて、印加電圧のON時間を定めるON時間調整回路と、このON時間調整回路からのON時間にもとづいて、印加電圧の波形を形成する印加電圧制御回路とを有した構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、鉄トランス方式を採用したマイクロ波電源装置において、電圧値調整回路で印加電圧のピーク出力を調整することにより、このピーク出力の調整値に応じたON時間がON時間調整回路で調整・設定され、印加電圧制御回路でそのON時間にもとづいて印加電圧の波形が形成される。
このため、印加電圧は、それら調整されたピーク出力とON時間との双方を反映した波形に形成される。
したがって、本発明のマイクロ波電源装置をプラズマCVDに用いた場合には、従来用いられていたマイクロ波電源装置でON時間のみ調整されていたことに比べて、より品質の高い薄膜を形成することができる。
しかも、電圧値調整回路で印加電圧のピーク出力が高く調整されたときには、ON時間調整回路でON時間が短く調整され、一方、電圧値調整回路で印加電圧のピーク出力が低く調整されたときには、ON時間調整回路でON時間が長く調整されるようにすれば、プラズマCVDにおいて形成された薄膜のバリヤー性と密着性との双方の性質を良好なものとすることができる。
さらに、プラズマCVDの薄膜蒸着の初期段階において、印加電圧の出力強度を高くし、これによりON時間を短くできるため、薄膜の各性能(バリヤー性や密着性)を向上できるとともに、プラズマの発光性をも高めることができる。
しかも、その初期段階において、マイクロ波の出力強度を高めつつON時間を短くでき、かつ、高出力段階の高出力時間を短縮できるため(図24(4))、プラズマCVDによる薄膜形成全体に要する時間の短縮が可能となる。
また、マイクロ波電源装置は、電圧値調整回路が、印加電圧のピーク出力を調整するトランス及び/又はスライダックを有した構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、電圧値調整回路に、操作が簡単なトランスやスライダックが用いられるため、印加電圧のピーク出力を容易かつ迅速に調整できる。
また、マイクロ波電源装置は、ON時間調整回路が、電圧値調整回路で定められた印加電圧のピーク出力にもとづいて、印加電圧のON時間を調整するON時間調整部と、このON時間調整部からのON時間にもとづいてトリガの発生タイミングを定めるトリガ発生部とを有し、印加電圧制御回路が、トリガの発生タイミングにもとづいて印加電圧を位相制御する位相制御部を有した構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、鉄トランス方式を採用したマイクロ波電源装置において、設定されたピーク出力にもとづいてトリガの発生タイミングが定められ、このトリガにより印加電圧の位相制御が行われるため、ピーク出力を適切な値に調整することにより、印加電圧のON時間をも連動して適切に調整できる。
特に、ピーク出力を高く調整するとON時間を短くでき、また、ピーク出力を低く調整するとON時間を長くできるようにすることで、マイクロ波発生部に対して一定の電力を与えながらも、ピーク出力とON時間とが調整された印加電圧を供給することができる。
したがって、供給電力の過剰による薄膜の変形を防止しつつ、その薄膜の各性能(バリヤー性や密着性)の向上を図ることができる。
また、マイクロ波電源装置は、マイクロ波発生部に印加される印加電圧をフィードバック電圧として受けるフィードバック部を有し、ON時間調整回路のON時間調整部が、フィードバック部からのフィードバック電圧にもとづいて、ON時間を調整する構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすると、電圧値調整回路でピーク出力(最大電圧値)の調整された印加電圧が、フィードバック部によってON時間調整部へ送られ、このON時間調整部でそのフィードバック電圧にもとづき印加電圧のON時間が設定されるため、そのフィードバックされる電圧のピーク出力を電圧値調整部で調整することにより、この調整されたピーク出力に応じたON時間をON時間調整部に設定させることができる。
そして、印加電圧制御回路において、それら調整されたピーク出力とON時間とにもとづいて印加電圧の波形が形成されることから、それらピーク出力とON時間とが反映されたマイクロ波出力を、マイクロ波発生部に発生させることができる。
したがって、本発明のマイクロ波電源装置は、マイクロ波発生部に印加される電圧について、そのON時間だけでなく、ピーク出力をも調整可能となることから、従来のマイクロ波電源装置に比べて、より良好なバリヤー性・密着性を有した薄膜を形成することができる。
また、マイクロ波電源装置は、ON時間調整回路が、印加電圧の電圧値を設定する出力設定器を有し、ON時間調整部が、出力設定器からの電圧値にもとづいて、ON時間を調整する構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、印加電圧の電圧値を出力設定器によっても設定することができる。そして、ON時間調整部が、その出力設定器で設定された電圧値に応じて印加電圧のON時間を自動的に定め、トリガ発生部が、その定められたON時間に応じてトリガを発生し、印加電圧制御回路が、そのトリガの発生タイミングにしたがって印加電圧を位相制御することができる。
このため、出力設定器で印加電圧の電圧値を可変することで、この電圧値にもとづいて印加電圧の波形を形成することができる。
また、マイクロ波電源装置は、トリガ発生部が、トリガを発生するパルストランスを有し、ON時間調整部が、フィードバック部からのフィードバック電圧及び/又は出力設定器からの電圧値にもとづいて、ON時間を定めるダイオードブリッジと、トリガ発生部に一定値を示す電圧を与えるコンデンサとを有した構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすると、ダイオードブリッジが、フィードバック部からのフィードバック電圧や出力設定器からの電圧値にもとづいてON時間を定め、コンデンサが、トリガ発生部に一定値を示す電圧を与えるため、そのトリガ発生部は、その出力側に、ダイオードブリッジで定められたON時間に応じて位相(発生タイミング)が決められ、かつ電圧値が一定な電圧(トリガ)を出力することができる。これにより、印加電圧制御回路は、調整されたピーク出力にもとづいて発生タイミングがはかられたトリガにしたがって印加電圧を位相制御できる。
このように、電圧値調整回路で印加電圧のピーク出力を調整することで、そのピーク出力に応じてON時間をも調整できることから、これらピーク出力とON時間との双方にもとづいて印加電圧の波形を形成できる。
したがって、ピーク出力とON時間との双方が調整された印加電圧によりマイクロ波発生部からマイクロ波が出力されることから、バリヤー性や密着性の良好な薄膜を形成可能とすることができる。
また、マイクロ波電源装置は、位相制御部が、トリガ信号にもとづいて印加電圧を位相制御するトライアックを有した構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、交流正弦波形の正負双方の波形に対して位相制御を行うことができる。このため、トライアックを用いた印加電圧制御回路を交流電源と変圧回路との間(あるいは、交流電源と整流回路との間)に設けたとしても、その位相制御された印加電圧をマイクロ波発生部に与えて、所望のマイクロ波を発生させることができる。
また、請求項記載のマイクロ波電源装置は、電源電圧として印加された交流電圧を所定の電圧に安定させるスイッチングレギュレータと、このスイッチングレギュレータからの交流電圧を整流する整流回路とを備えた構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、電源電圧が変動しても、マイクロ波発生部に印加される電圧を安定化させることができ、チャンバ内で安定したプラズマを発生させることができる。しかも、スイッチングレギュレータは、応答速度が速く、リップル分が小さいため、常に一定で安定したプラズマを発生させることができる。
また、請求項記載のマイクロ波電源装置は、マイクロ波発生部のヒータ電圧を安定化するヒータ電圧安定化回路を有した構成としてある。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、マイクロ波発生部のヒータの加熱状態が安定し、電子の安定放出可能な予熱状態とすることができる。これにより、チャンバ内で安定したプラズマを発生させることができる。
本発明によれば、電圧値調整回路で設定された電圧設定値と、ON時間調整回路で設定されたON時間とのそれぞれにもとづいて、印加電圧の波形を形成できるため、それら電圧設定値やON時間の一方又は双方を調整して、マイクロ波発生部から放出されるマイクロ波の出力を制御できる。
したがって、初期段階では、例えば、電圧設定値を高くしつつON時間を短くし、高出力段階では、電圧設定値を高くしつつON時間を長くすることで、良好な特性(バリヤー性や密着性)を有する薄膜の形成が可能となる。
また、マイクロ波の出力強度を高くしつつ、印加電圧のON時間を短くできるため、プロセスチャンバー内のプラズマの発光性の向上を図ることができる。
さらに、初期段階におけるON時間の短縮化にともない、高出力段階における高出力時間の短縮化も図れるため、プラズマCVDによる薄膜形成全体に要する時間の短縮が可能となる。
しかも、交流電圧を所望の電圧に安定化させるスイッチングレギュレータや、マイクロ波発生部のヒータ電圧を安定化させる安定化回路を備えることにより、電源電圧が変動しても、チャンバ内で安定したプラズマを発生させることができる。
以下、本発明のマイクロ波電源装置の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一の実施形態にかかるマイクロ波電源装置の全体構成について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態のマイクロ波電源装置の回路構成を示すブロック図である。
同図に示すように、マイクロ波電源装置1は、交流電源11と、電圧値調整回路12と、電圧値設定部12−1と、印加電圧制御回路13と、変圧回路14と、整流回路15と、駆動回路16と、マイクロ波発生部17と、フィードバック回路18と、ON時間調整回路19とを有している。
交流電源11は、200[V](又は100[V])の商用電源である。なお、同じ電圧の蓄電池を用いることもできる。この場合、平滑回路が不要である。
電圧値調整回路12は、交流電源11から供給されてきた電源電圧を、使用者の操作により任意の電圧値に調整して、印加電圧制御回路13へ与えるための電圧可変回路であって、例えば、変圧トランスやスライダックなどを用いることができる。
また、外部信号により任意の電圧値に調整が可能である。例えば、低出力時には電圧を高く設定、高出力時には低く設定するように切り替えるのである。
電圧値設定部12−1は、電圧値調整回路12で調整された電圧の最大電圧値(ピーク電圧)を設定する。
印加電圧制御回路13は、電圧値調整回路12で定められた印加電圧の最大電圧値(ピーク電圧)と、ON時間調整回路19で定められたON時間(電圧印加時間)とにもとづいて、マイクロ波発生部17への印加電圧の波形を形成する。
変圧回路14は、昇圧トランスを有しており、印加電圧制御回路13から送られてきた電圧を昇圧する。
整流回路15は、変圧回路14で昇圧された高電圧を全波整流する。
駆動回路16は、整流回路15からの高電圧整流電圧をマイクロ波発生部17に印加して、このマイクロ波発生部17を駆動する。なお、本実施形態においては、マイクロ波発生部17に印加される電圧を、印加電圧という。
マイクロ波発生部17は、印加電圧の波形(最大電圧値やON時間)にもとづいてマイクロ波を発生する。
フィードバック回路18は、整流回路15から受け取った電圧をON時間調整回路19へ送る。つまり、フィードバック回路18は、マイクロ波発生部17に印加される電圧と対応する電圧をON時間調整回路19へ送る。
ON時間調整回路19は、マイクロ波発生部17に印加される印加電圧のON時間を定めるために、フィードバック回路18からの電圧にもとづいて、印加電圧制御回路13へ所定の信号(例えば、所定のタイミングがはかられたトリガ等)を送る(あるいは、印加電圧制御回路13を動作制御する)。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、マイクロ波発生部に印加される電圧を、電圧値調整回路で設定された電圧値やON時間調整回路で定められたON時間にもとづいて調整・制御できる。
したがって、マイクロ波発生部から放出されるマイクロ波の出力強度を変化させることができ、バリヤー性と密着性との双方ともに優れた薄膜の形成が可能となる。
なお、図1においては、交流電源11からマイクロ波発生部18までの構成各部の配置順が、「交流電源11」→「電圧値調整回路12」→「印加電圧制御回路13」→「変圧回路14」→「整流回路15」→「駆動回路16」→「マイクロ波発生部17」となっているが、このような配置順に限るものではなく、例えば、「交流電源11」→「電圧値調整回路12」→「変圧回路14」→「印加電圧制御回路13」→「整流回路15」→「駆動回路16」→「マイクロ波発生部17」や、「交流電源11」→「電圧値調整回路12」→「変圧回路14」→「整流回路15」→「印加電圧制御回路13」→「駆動回路16」→「マイクロ波発生部17」、あるいは、「交流電源11」→「電圧値調整回路12」→「印加電圧制御回路13」→「整流回路15」→「変圧回路14」→「駆動回路16」→「マイクロ波発生部17」などのようにすることもできる。
ただし、それら交流電源11からマイクロ波発生部17までの構成各部の配置順は、マイクロ波発生部17からマイクロ波を発生させることが可能であり、かつ、マイクロ波発生部17の印加電圧を調整することをも可能な構成とすることが必要である。
次に、本実施形態のマイクロ波電源装置の具体的な回路構成について、図2を参照して説明する。
同図は、鉄トランス方式によりマイクロ波発生部(マグネトロン)に電圧を印加してマイクロ波を発生させる回路に、電圧値調整回路,フィードバック回路,ON時間調整回路,印加電圧制御回路等を設けたマイクロ波電源装置の回路構成を示す電気回路図である。
同図に示すように、マイクロ波電源装置1は、交流電源11と、電圧値調整回路12と、電圧値設定部12−1と、SCR位相制御部13−1と、高圧トランス14−1と、高圧整流器15−1と、ヒータトランス16−1と、マグネトロン17−1と、フィードバック部18−1と、トリガ形成回路19−1とを有している。
電圧値調整回路12は、交流電源11から送られてきた電源電圧を、任意の電圧値に変換可能とする機器(あるいは、装置,回路,デバイス等)であって、例えば、スライダック,トランス、自動可変スライダック(例えば、0V〜5Vの入力によって、入力電圧200Vを0Vから220Vに可変できるスライダック)などを用いることができる(スライダック方式,トランス方式)。
このため、電圧値設定部12−1は、印加電圧の最大電圧値(ピーク電圧)を調整する機能と、その調整された最大電圧値となるように印加電圧を形成する機能とを有している。
電圧値設定部12−1は、電圧値調整回路12で調整される電源電圧の最大電圧値(ピーク電圧)を設定する。
SCR位相制御部(位相制御部)13−1は、サイリスタを二つ組み合わせた回路(あるいは、トライアックを含んだ回路)によって構成されており、電圧値調整回路12から供給されてきた正弦波交流電圧の位相制御を行う。この位相制御については、後述の「本実施形態のマイクロ波電源装置において、印加電圧が調整・制御される様子」で詳細に説明する。
高圧トランス14−1は、SCR位相制御部13−1で位相制御された交流電圧を昇圧する。
高圧整流器15−1は、高圧トランス14−1で昇圧された電圧を、全波整流して、マグネトロン17−1のアノードへ印加する。このように高圧整流器15−1から出力された電圧が、マグネトロン17−1に印加されて、このマグネトロン17−1が駆動することから、高圧整流器15−1は、駆動回路17としての機能を有している。
ヒータトランス16−1は、マグネトロン17−1のヒーター(図示せず)に電力を供給して、カソード(マグネトロン17−1の陰極フィラメント)を傍熱する。これにより、マグネトロン17−1は、電子の放出を容易に行える状態になる。
マグネトロン17−1は、高圧整流器15−1からの印加電圧のピーク電圧やON時間にもとづいて、マイクロ波を放出する。
このマグネトロン17−1の内部では、次のような現象が起こっている。
印加電圧が所定の電圧値(カットオフ電圧)に満たないときは、高抵抗でマイクロ波を発生しないが、カットオフ電圧以上のときは、低抵抗となり、カソードから照射された電子がアノードに到達し、他の回路(例えば、高圧回路や二次巻線など)とともに閉ループを形成して、アノード−カソード間にマグネトロン電流(アノード電流)を流す。このとき、マグネトロン17−1内に発生する電力は、ある変換効率をもってマイクロ波に変換されて放射される。
フィードバック部18−1は、マグネトロン17−1に印加される電圧と同値の電圧を高圧整流器15−1から受け取る。
なお、フィードバック部18−1は、図2においては、高圧整流器15−1から電圧を受け取っているが、高圧整流器15−1に限るものではなく、例えば、マグネトロン17−1のアノード付近から電圧を受け取るようにしてもよい。
トリガ形成回路19−1は、図3に示すように、出力設定器19−11と、増幅器19−12と、ツーロン回路19−13とを有している。
出力設定器19−11は、例えば、可変電圧源や可変コンデンサなどの電圧供給源を有しており、これら電圧供給源から出力される電圧の値を可変することで、マグネトロン17−1の印加電圧のON時間(ひいては、マグネトロン17−1に与えられる電力)を調整する。
増幅器19−12は、フィードバック部18−1から送られてきた一定値を示す電圧や、出力設定器19−11で設定された電圧値を増幅してツーロン回路19−13へ与える。
ツーロン回路19−13は、ダイオードブリッジ19−14と、トランス19−15と、コンデンサ19−16と、パルストランス19−17とを有している。
ダイオードブリッジ19−14は、四つのダイオード(D1,D2,D3,D4)によってブリッジを構成している。これら四つのダイオードは、P1(D1のカソードとD2のカソードとの接続点),P2(D2のアノードとD3のカソードとの接続点),P3(D3のアノードとD4のアノードとの接続点),P4(D4のカソードとD1のアノードとの接続点)でそれぞれ接続されている。
これら接続点のうち、P1−P3間では、増幅器19−12からの電圧を受けており、この電圧により、P2−P4間に電圧
Figure 0004635469
(以下、「ベクトルV」という)が発生する。
なお、本実施形態においては、ダイオードブリッジ19−14とコンデンサ19−16とを総称して「ON時間調整部」という。
トランス19−15は、電源電圧を変圧し、この変圧された電圧を、ダイオードブリッジ19−14とコンデンサ19−16とに加える。これにより、ダイオードブリッジ19−14のP2−P4間にはベクトルVが、コンデンサ19−16には電圧
Figure 0004635469
(以下、「ベクトルV」という)が、それぞれ発生する。
パルストランス(トリガ発生部)19−17は、トリガを発生して、SCR位相制御部13−1へ与える。
このツーロン回路19−13における構成各部の電圧の関係は、次のようになる。
ダイオードブリッジ19−14とコンデンサ19−16とはトランス19−15に対して直列に接続されており、この直列接続されたダイオードブリッジ19−14とコンデンサ19−16との両端にトランス19−15の二次側電圧
Figure 0004635469
(以下、「ベクトルV」という)が加わる。
そうすると、ダイオードブリッジ19−14にはベクトルVが、コンデンサ19−16にはベクトルVがそれぞれ発生するが、これらは図4に示すように、位相が90°ずれる(ベクトルVがベクトルVよりも90°遅れる)とともに、それらを合成するとベクトルVとなる(ベクトルV+ベクトルV=ベクトルV)。
これに対し、パルストランス19−17は、ダイオードブリッジ19−14やコンデンサ19−16に対して並列に接続されており、さらに、パルストランス19−17の一端は、トランス19−15の二次側巻線のちょうど真中に接続されている。
このことから、パルストランス19−17に発生する電圧
Figure 0004635469
(以下、「ベクトルV」という)は、このベクトルVのベクトルの始点がベクトルVを二等分した点に位置する。
また、ベクトルVとベクトルVとは互いに90°の位相差を有していることから、ベクトルVの始点がベクトルVの始点に位置し、ベクトルVの終点がベクトルVの終点に位置するようにすると、ベクトルVの終点とベクトルVの始点とが重なる点PRCは、ベクトルVを直径とする半円の円周上の何処かに位置する。
そして、パルストランス19−17に発生するベクトルVは、このベクトルVの終点が点PRCに位置する。
さらに、ベクトルVは、増幅器19−12からの電圧によってその値が変化するが、これにより、点PRCは、ベクトルVを直径とする半円の円周上を移動する。この移動に伴い、ベクトルVは、その大きさが一定で、かつ位相が0°から180°近くまで変化する。
このとき、このパルストランス19−17から発生するトリガのタイミングは、ベクトルVの位相に従う。このため、ツーロン回路19−13は、出力設定器19−11で設定された電圧値や、フィードバック部18−1からの電圧値にもとづいて、トリガの発生タイミングを定めることができる。
そして、SCR位相制御部(位相制御部)13−1では、二つのサイリスタのゲートとカソードにそれぞれパルストランス19−17からのトリガを受けることにより、電圧値調整回路12からの交流電圧を位相制御することができる。
なお、図2においては、二つのサイリスタを用いているが、この二つのサイリスタに代えてトライアックを用いることもできる。
次に、本実施形態のマイクロ波電源装置において、印加電圧が調整・制御される様子について、図5を参照して説明する。
同図に示すように、交流電源11の電源電圧が、200[V]の最大電圧(ピーク電圧)を示す交流正弦波電圧であるものとする。
この200[V]を示す電源電圧は、電圧値調整回路12で、その最大電圧が任意の電圧値に設定・調整される。例えば、電圧値設定部12−1で180[V]に設定されたとすると、200[V]を示していた電源電圧は、図6に示すように、電圧値調整回路12で180[V]に調整される。
この電圧値調整回路12における電圧の調整は、コーティング途中、低出力時と高出力時とでそれぞれ異なった調整が可能である。例えば、低出力時では205[V]に設定・調整し、高出力時では165[V]に設定・調整することができる。
このように、電圧値調整回路12で電源電圧の電圧値を調整可能とすることで、マグネトロン17−1に印加される電圧のピーク電圧の調整が可能となる。
しかも、薄膜形成工程において、低出力時と高出力時とで異なった電圧値の調整(印加電圧の最大電圧値(ピーク電圧)の調整)が可能となることから、マグネトロン17−1から発生するマイクロ波の出力についても、それら低出力時と高出力時とでそれぞれ異なった変化をさせることができる。
ただし、ここでは、電圧の調整は行わず、電圧値調整回路12の二次側電圧は、200[V]の最大電圧値を示すものとする。
次いで、この電圧値調整回路12からの交流電圧が、SCR位相制御部13−1で位相制御されて、図7に示すような波形となる。
この位相制御された交流電圧が、高圧トランス14−1で昇圧され、高圧整流器15−1で全波整流されると、図8に示すように、位相制御された全波整流波形となる。
この位相制御された全波整流波形に形成された電圧(印加電圧)が、マグネトロン17−1のアノードに印加される。そして、ヒータトランス16−1でカソードが加熱されることで、マグネトロン17−1からマイクロ波が放出される。
ところで、マグネトロン17−1に印加される電圧と同値を示す電圧が、フィードバック部18−1を介して、高圧整流器15−1からトリガ形成回路19−1に取り込まれる。また、出力設定器19−11では、一定のON時間が設定されるものとする。
そして、これらフィードバック部18−1からの電圧と、出力設定器19−11からの電圧が、増幅器19−12で増幅され、ツーロン回路19−13のダイオードブリッジ19−14に印加される。
この増幅された電圧の印加により、ダイオードブリッジ19−14のベクトルVが、その印加された電圧値に応じた値を示す。
ここで、例えば、ダイオードブリッジ19−14のベクトルVの絶対値がコンデンサ19−16のベクトルVの絶対値よりも大きくなったとすると(図9(a))、トリガ形成回路19−1で発生するトリガは、パルストランス19−17のベクトルVの位相に応じて(ベクトルVが、ベクトルVの垂直二等分線のうちベクトルVの中点を起点とする上半分(図示せず)よりも進んでいるために)、電源電圧の示す正弦波形のピークを少し過ぎた時点で発生する(同図(b)参照)。
このトリガが発生すると、SCR位相制御部13−1が動作して、電圧値調整回路12からの電源電圧が位相制御される。
そして、昇圧,整流された印加電圧が、図9(b)に示すような波形に形成され、マグネトロン17−1へ与えられて、マイクロ波の出力が開始される。
なお、上記の説明においては、出力設定器19−11の設定を一定に保っていたが、この出力設定器19−11を調整することにより、同じ最大電圧におけるON時間の調整、ひいてはマグネトロン17−1に与えられる印加電圧の電力を調整できる。
一方、図6に示したように、200[V]の最大電圧値を示した交流電源11の電源電圧が、電圧値設定部12−1で少し低く設定されると(例えば、180[V]に設定されると)、出力設定器19−11の設定値が一定である場合には、ツーロン回路19−13のダイオードブリッジ19−14に印加される電圧も変化するため、そのダイオードブリッジ19−14のベクトルVも変化する。
この変化によりベクトルVの絶対値がコンデンサ19−16のベクトルVの絶対値よりも小さくなったとすると(図10(a))、トリガ形成回路19−1で発生するトリガは、パルストランス19−17のベクトルVの位相に応じて(ベクトルVが、ベクトルVの垂直二等分線のうちベクトルVの中点を起点とする上半分(図示せず)よりも遅れているために)、電源電圧の示す正弦波形のピークの少し手前の時点で発生する(同図(b)参照)。
このトリガが発生すると、SCR位相制御部13−1が動作して、電圧値設定部12−1からの電源電圧が位相制御される。
そして、昇圧,整流された印加電圧が、図10(b)に示すような波形に形成され、マグネトロン17−1へ与えられて、マイクロ波の出力が開始される。
ここで、図9(b)と図10(b)とを比較すると、フィードバックがある場合出力設定が一定なら、各トリガの発生タイミングはそれぞれ異なるものの、マグネトロン17−1に与えられる(各波形の斜線で示した部分の面積)電力は同じになる。
すなわち、電圧値設定部12−1で電源電圧が200[V]に設定されても、また、180[V]に設定されても、マグネトロン17−1に与えられる電力は一定である。
このことを言い換えると、出力設定を変えること以外に電圧値設定部12−1や電圧値調整回路12で電源電圧の最大電圧値を設定・調整することにより、マグネトロン17−1には、最大電圧が高くON時間の短い印加電圧(図9(b)のような波形)や、その逆に最大電圧値が低くON時間の長い印加電圧(図10(b)のような波形)を与えることが可能となる。
すなわち、低出力時には、出力設定を低くして、さらに、電圧値設定部12−1で電源電圧を高くすることにより、ON時間がより短く、かつピーク出力の高いパルス印加電圧が得られる。また、高出力時には、出力設定を高くして、さらに電圧値設定部12−1で電源電圧を低くすることにより、ON時間が長く、かつピーク出力の高いパルス印加電圧が得られる。
そして、このように調整された、マグネトロン17−1から放出されるマイクロ波出力により、図21(3)で示したように、バリヤー性と密着性との双方ともに良好となる薄膜を形成することができる。
以上述べたように、本実施形態のマイクロ波電源装置は、電圧値設定部でのみ調整することで、マグネトロンに与えられる電力を一定に保ちつつ、最大電圧値が高くON時間の短い印加電圧や、平均的出力が大きくON時間の長い印加電圧を与えることができる。そして、電圧値設定部と出力設定部の双方を調整することで、マグネトロンに与えられる電圧の波形を所望の形に調整できる。
したがって、本実施形態のマイクロ波電源装置は、薄膜蒸着の対象物(基体)の性質に応じてマイクロ波の出力強度を調整でき、かつ、バリヤー性と密着性との双方に優れた薄膜を形成可能とする。
[第二実施形態]
次に、本発明のマイクロ波電源装置の第二の実施形態について、図11を参照して説明する。
同図は、本実施形態のマイクロ波電源装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、マイクロ波電源装置の印加電圧の変換方式が相違する。すなわち、第一実施形態では、印加電圧の変換方式が鉄トランス方式であるのに対し、本実施形態では、その変換方式がインバータ方式である点で相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図11において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図11に示すように、マイクロ波電源装置1は、交流電源11と、整流回路15と、平滑回路20と、インバータ回路部21と、変圧回路14と、倍電圧整流平滑回路22と、マイクロ波発生部17と、電圧値調整回路23と、ON時間調整回路24と、インバータ駆動回路部25とを有している。
なお、本実施形態においては、インバータ回路部21とインバータ駆動回路部25とを合わせて「印加電圧制御回路VC」という。
ここで、整流回路15は、交流電源11からの電源電圧を全波整流する。
平滑回路20は、コンデンサや抵抗、チョークコイルなどで構成されており、整流回路15で整流された電圧のリプル分を取り除く。
インバータ回路部21は、スイッチング素子21−1を有しており、平滑回路20からの電圧を、インバータ駆動回路部25からの印加電圧調整波にしたがって、断続制御した高周波電圧(通常、インバータ周波数は、20kHz以上)を発生させる。
このインバータ回路部21で断続制御された波形を、図12に示す。
同図に示すように、インバータ回路部21で生成される波形のうち、高周波電圧が発生している時間を「ON時間」といい、また、高周波電圧が発生していない時間を「OFF時間」という。
そして、ON時間で発生している高周波電圧が各パルスとして断続的に発生している。
なお、インバータ回路部21で発生する断続制御された高周波電圧のON時間の長さ,OFF時間の長さ,ON時間における高周波電圧の周波数は、インバータ駆動回路25によって制御される。
変圧回路14は、昇圧トランスなどで構成されており、インバータ回路部21からの高周波電圧を昇圧する。
なお、この変圧回路14の二次側には、例えば高圧巻線や陰極加熱用巻線などを設けることができる(高圧巻線や陰極加熱用巻線については、図示せず)。
倍電圧整流平滑回路22は、高圧コンデンサや高圧ダイオードなどを有している。
これらのうち、高圧コンデンサは、インバータ回路部21のスイッチング素子21−1のOFF時間に変圧回路14の二次側高圧巻線に現れる逆方向高電圧によって充電される。
この高圧コンデンサに充電された電圧は、スイッチング素子21−1のON時間に変圧回路14の二次側高圧巻線に現れる高電圧に直列に付加されて、マイクロ波発生部(例えば、マグネトロン等)17の陽極に印加される。
電圧値調整回路23は、印加電圧の電圧設定値(ピーク電圧値)を外部から入力する。また、電圧値調整回路23は、マイクロ波発生部17に印加される電圧を倍電圧整流回路22から受け取ることもできる。つまり、電圧値調整回路23は、それら外部入力したピーク電圧値(又は、倍電圧整流回路22からの印加電圧のピーク電圧)を、その印加電圧のピーク電圧として定める。
ON時間調整回路24は、印加電圧のON時間を外部から入力する。つまり、ON時間調整回路24は、その外部入力したON時間を、その印加電圧のON時間として定める。
インバータ駆動回路部25は、電圧値調整回路23で入力された印加電圧の電圧設定値や、ON時間調整回路24で入力された印加電圧のON時間にもとづいて、印加電圧の波形を調整するための信号(印加電圧調整波)を形成し、この印加電圧調整波にしたがって、インバータ回路部21のスイッチング素子21−1を駆動制御する。
マイクロ波電源装置をこのような構成とすれば、電圧値調整回路で設定された印加電圧の電圧設定値(ピーク電圧)やON時間調整回路で設定された印加電圧のON時間にもとづいて、マイクロ波発生部から放出されるマイクロ波の出力強度を変化させることができる。
したがって、印加電圧のピーク電圧やON時間を適切な値に設定することで、CVD蒸着の際、基体に形成される薄膜のバリヤー性と密着性との双方が良性となるようなマイクロ波をマイクロ波発生部に出力させることができる。
次に、本実施形態のマイクロ波電源装置の具体的な回路構成について、図13を参照して説明する。
同図に示すように、本実施形態のマイクロ波電源装置1は、三相交流電源11−1と、三相整流器15−2と、平滑回路20と、ハーフブリッジインバータ21−1と、トランス14−2と、倍電圧整流平滑回路22と、マグネトロン17−1と、出力可変入力23−1と、パルス幅可変入力24−1と、設定可変制御回路25−1と、ゲート駆動回路25−2とを有している。
三相整流器15−2は、三相交流電源11−1からの三相交流電圧を直流電圧に変換する。
なお、図13においては、電源に三相交流電源11−1を使用しているが、三相交流電源に限るものではなく、例えば、二相交流電源であってもよい。
ハーフブリッジインバータ21−1には、スイッチング素子としてのトランジスタ21−11(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT),バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT),MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)など)と、ダイオード21−12と、コンデンサ21−13が設けられている。
トランジスタ21−11は、ゲートがゲート駆動回路25−2に接続されており、このゲート駆動回路25−2の駆動制御により、平滑回路20からの直流電圧を断続的な高周波電圧(図12)に変換する。この変換された断続的な高周波電圧は、トランス14−2の一次側巻線に印加される。
なお、本実施形態においては、トランジスタ21−11を二つ(トランジスタ21−11a及びトランジスタ21−11b)を備えている。
トランス(インバータトランス)14−2は、ハーフブリッジインバータ21−1からの高周波電圧を昇圧し、高周波高圧電圧として倍電圧整流平滑回路22に与える。
倍電圧整流平滑回路22は、高圧コンデンサ22−1と高圧ダイオード22−2とを有しており、インバータ回路21のスイッチング素子のOFF時間にトランス14−2の二次側高圧巻線に現れる逆方向高電圧により高圧コンデンサ22−1を充電する。そして、この高圧コンデンサ22−1に充電された電圧を、スイッチング素子のON時間に二次側高圧巻線に現れる高電圧に直列に付加して、マグネトロン17−1のアノードに印加する。
出力可変入力23−1は、マグネトロン17−1に印加される電圧のピーク電圧値(電圧設定値)を調整するために設けられた可変器(例えば、可変抵抗器、外部制御信号など)であって、そのピーク電圧の調整値を示す信号(出力コントロール信号)を設定可変制御回路25−1へ送る。
パルス幅可変入力24−1は、マグネトロン17−1に印加される電圧のパルス幅(ON時間)を調整するために設けられた可変器(例えば、可変抵抗器、外部制御信号など)であって、そのパルス幅の調整値を示す信号(発振時間コントロール信号)を設定可変制御回路25−1へ送る。
設定可変制御回路(設定可変制御部)25−1は、出力可変入力23−1からの電圧設定値や、パルス幅可変入力24−1からのON時間設定値を受け取って、ゲート駆動回路25−2へ送る。
具体的には、設定可変制御回路25−1は、図14に示すように、ノコギリ波発生器25−11と、比較器E25−12と、過電流検出25−13と、発振停止回路25−14と、発振許可信号入力25−15と、ヒータ用タイマ25−16とを有している。
ノコギリ波発生器25−11は、所定のサイクルタイムでのこぎり波を発生する。
比較器E25−12は、ノコギリ波発生器25−11から入力したのこぎり波を、パルス幅可変入力24−1から入力したパルス幅調整値(発振時間コントロール信号)にもとづいてPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)を行い、この波形(発振停止信号)を発振停止回路25−14へ送る。
過電流検出25−13は、マグネトロン17−1に印加される電圧(印加電圧)を倍電圧整流平滑回路22から受け取り、この受け取った印加電圧が過電流か否かを判断し、この判断の結果(過電流検出信号)を発振停止回路25−14へ送る。
発振停止回路25−14は、出力可変入力23−1から入力した出力コントロール信号を第二比較器A25−24a及び第二比較器B25−24bへ送る。
また、発振停止回路25−14は、比較器E25−12からの発振停止信号が“0”を示すときは、出力コントロール信号を強制的に0[V]にする。
なお、発振停止信号25−17には、比較器E25−12から入力したPWMの行われたのこぎり波の他、過電流検出25−13から入力した過電流検出信号,発振許可信号入力25−15から入力した発振許可信号,ヒータ用タイマ25−16から入力した信号などが含まれる。
ゲート駆動回路(スイッチング素子駆動部)25−2は、設定可変制御回路25−1からの出力コントロール信号にもとづいて、ハーフブリッジインバータ21−1のトランジスタ(IGBT)21−11を駆動する。また、ゲート駆動回路25−2は、設定可変制御回路25−1から出力コントロール信号が送られてこないときは、トランジスタ(IGBT)21−11の駆動は行わない。
なお、本実施形態においては、設定可変制御回路25−1とゲート駆動回路25−2とを総称して「インバータ駆動回路部25」という。
ここで、ゲート駆動回路25−2は、具体的には、図14に示すように、三角波発生器25−21と、第一比較器A25−22aと、第一比較器B25−22bと、ノコギリ波整形器A25−23aと、ノコギリ波整形器B25−23bと、第二比較器A25−24aと、第二比較器B25−24bと、IGBTドライバA25−25aと、IGBTドライバB25−25bとを有している。
三角波発生器25−21は、三角波(波形A)を発生する(図15(a))。
第一比較器A25−22aは、三角波発生器25−21で発生した三角波と所定の閾値(比較電圧A)とを比較し(比較A)、その三角波が閾値以下の値を示しているときに、方形波(波形B)を発生する(図15(b))。
第一比較器B25−22bは、三角波発生器25−21で発生した三角波と閾値(比較電圧Aよりも低い値に設定された比較電圧B)とを比較し(比較B)、その三角波が閾値以上の値を示しているときに、方形波(波形C)を発生する(図15(c))。
ノコギリ波整形器A25−23aは、第一比較器A25−22aで発生した方形波に、ノコギリ波を整形して出力する(波形D、図15(d))。
ノコギリ波整形器B25−23bは、第一比較器B25−22bで発生した方形波に、ノコギリ波を整形して出力する(波形E、図15(e))。
第二比較器A25−24aは、ノコギリ波整形器A25−23aでノコギリ波が整形された方形波(波形D)と、発振停止回路25−14から入力した出力コントロール信号の示す電圧値(出力コントロール電圧)とを比較し、その波形Dがその出力コントロール電圧以下の値を示すときに、方形波(波形F)を発生する(図15(f))。
第二比較器B25−24bは、ノコギリ波整形器B25−23bでノコギリ波が整形された方形波(波形E)と、発振停止回路25−14から入力した出力コントロール信号の示す電圧値(出力コントロール電圧)とを比較し、その波形Eがその出力コントロール電圧以下の値を示すときに、方形波(波形G)を発生する(図15(g))。
IGBTドライバA25−25aは、第二比較器A25−24aからの方形波(波形F)にしたがって、ハーフブリッジインバータ21−1のトランジスタ(IGBT)21−11aを駆動する。
IGBTドライバB25−25bは、第二比較器B25−24bからの方形波(波形G)にしたがって、ハーフブリッジインバータ21−1のトランジスタ(IGBT)21−11bを駆動する。
これらトランジスタ(IGBT)21−11a及びトランジスタ(IGBT)21−11bが駆動してインバータトランス14−2に与えられる電圧は、図15(h)のようになる。
なお、第一比較器A25−22aの比較電圧Aは、第一比較器B25−22bの比較電圧Bよりも若干高い値に設定されている。このため、波形Bの立ち上がり時と波形Cの立ち下がり時(あるいは、波形Bの立ち下がり時と波形Cの立ち上がり時)には、それぞれ「ずれL」が生じる。そして、この「ずれL」が生じることにより、第二比較器A25−24aから出力される波形Fと第二比較器B25−24bから出力される波形Gとの間には「隙間S」ができる。
つまり、IGBTドライバA25−25aを動作させる波形FとIGBTドライバB25−25bを動作させる波形Gとは、それぞれ波形の形成時が異なり、かつ、波形Fと波形Gとの間に「隙間S」がある。このことから、ハーフブリッジインバータ20−1のIGBT21−11aとIGBT21−11bとは、それぞれ同時にONすることはない。
また、図15(a)〜(h)に示す波形の制御は、設定可変制御回路25−1の発振停止回路25−14から第二比較器A25−24a及び第二比較器B25−24bへ、それぞれ出力コントロール信号が送られたときに行われる制御である。
これに対し、出力コントロール信号が発振停止回路25−14から第二比較器A25−24a及び第二比較器B25−24bへ送られない場合(設定可変制御回路25−1の比較器E25−12から発振停止回路25−14へ送られる発振停止信号25−17が“0”を示す場合)は、第二比較器A25−24aからIGBTドライバA25−25aへの波形Fと、第二比較器B25−24bからIGBTドライバB25−25bへの波形Gとがともに0[V]となるため、IGBT20−11からは波形が出力されず、これにより、マグネトロン17−1からマイクロ波は発生しない。
このように、発振停止回路25−14から第二比較器A25−24a及び第二比較器B25−24bへ、出力コントロール信号を送ることにより、印加電圧のピーク電圧を調整できるとともに、出力コントロール信号を送る時間(ON時間)と送らない時間(OFF時間)とをつくることにより、断続的なマイクロ波の発生を可能としている。
つまり、出力可変入力23−1で入力された電圧設定値によって、IGBT20−11から出力される印加電圧のピーク電圧を調整できる。また、パルス幅可変入力24−1で入力されたパルス幅設定値によって、IGBT20−11から出力される印加電圧のON時間を調整できる。
これらのうち、パルス幅可変入力24−1で入力されたパルス幅設定値によって印加電圧のON時間を調整するときの印加電圧の波形の形成は、図16,図17に示すように行われる。
例えば、パルス幅可変入力24−1においてON時間が短く設定されたときは、図16に示すように、OFF時間が長く、ON時間が短くなる。
一方、パルス幅可変入力24−1においてON時間が長く設定されたときは、図17に示すように、OFF時間が短く、ON時間が長くなる。両者において、出力可変入力を変化させると、電圧の高さが変化する。
なお、図16又は図17のパルス波においては、ハーフブリッジインバータ21−1のトランジスタ21−11から高周波が出力されている。このため、図16又は図17に示す波形は、高周波で形成されたパルス波が断続的に出力されていることを示すものである。
これらにより、平滑回路20からハーフブリッジインバータ21−1へ送られてきた直流電圧は、トランジスタ21−11のON・OFF制御により、出力可変入力23−1で入力された電圧設定値,パルス幅可変入力24−1で入力されたパルス幅(ON時間)、ゲート駆動回路(出力・パルス幅制御回路)25−2で入力された印加電圧の電圧値に応じた波形に形成された高周波に変換される。
[第三実施形態]
次に、本発明のマイクロ波電源装置の第三の実施形態について、図18を参照して説明する。
同図は、本実施形態のマイクロ波電源装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、スイッチングレギュレータやヒータ電圧安定化回路を新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図18において、図1等と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図18に示すように、本実施形態のマイクロ波電源装置1は、スイッチングレギュレータ31と、基準電圧設定部32と、ヒータ電圧安定化回路40とを有している。
ここで、スイッチングレギュレータ31は、デジタルスイッチをオン/オフしてパルス幅を変調することにより、安定した出力電圧が得られるように制御する回路である。このようなスイッチングレギュレータ31を用いることにより、電源電圧として供給された交流電圧を所望の電圧に安定化させて整流回路15等へ送ることができる。
本実施形態のマイクロ波電源装置に交流電圧安定化手段を備えるとともに、その手段としてスイッチングレギュレータを採用した理由は、次による。
マイクロ波電源装置は、例えば、薄膜蒸着用のチャンバへマイクロ波を供給するためのマグネトロンの駆動源として用いられる。
しかしながら、このようなマイクロ波電源装置にマイクロ波出力を安定化するための手段が備えられていない場合、電源電圧が変動すると、これに応じてマイクロ波出力も大きく変動してしまう。このため、チャンバ内では安定したプラズマが得られなくなる。
そこで、マイクロ波電源装置に交流電圧安定化手段を備えることが必要となるが、さらに、チャンバ内で性能の優れた薄膜を形成するためには、図19に示すように、非常に狭い範囲で電源電圧を安定化させることが求められる。具体的には、200[V]から204[V]の範囲内であり、これよりも小さい値ではバリヤー性能が低い薄膜となり、一方、大きい値では成膜対象物(例えば、ペットボトルなど)の熱変形が発生してしまう。
しかも、電圧の安定化に時間がかかるようでは、蒸着膜の性能が悪くなってしまう。
そこで、マイクロ波電源装置に備えられる交流電圧安定化手段には、優れた安定性、応答性が求められる。
ここで、電圧安定化手段には、例えば、シリーズレギュレータ、位相制御、フィードバック、スイッチングレギュレータなどがある。
ところが、シリーズレギュレータは、不必要とされた電圧を熱として放出するため損失が大きい。また、位相制御は、応答性が悪く、しかも、リップルが発生するという欠点がある。さらに、フィードバックは、出力を検出してフィードバックするため応答が悪く、出力の立ち上がり特性が損なわれるため、蒸着膜の性能が悪くなる。
これらに比べて、スイッチングレギュレータは、応答速度が速く、かつ、損失が小さい。また、出力電圧の安定性に優れ、リップル分が小さい。しかも、消費電力が少なく、効率の良い電圧変換が行えるという利点を有している。
そこで、本実施形態においては、交流電圧安定化手段としてスイッチングレギュレータを採用する。これにより、マイクロ波電源装置の電源電圧が変動しても、チャンバ内で安定したプラズマを発生させることができる。
なお、インバータ回路部21におけるスイッチング周波数を例えば100[kHz]とすると、スイッチングレギュレータ31のスイッチング周波数は例えば27[kHz]などとすることができる。
また、スイッチングレギュレータ31を備えることにより、電源電圧変動では±5[%]、直流電圧変動では±0.2[%]、出力変動では±2.5[%]など、優れた安定性に起因する各値を得ることができる。
基準電圧設定部32は、スイッチングレギュレータ31で安定化させる電圧値を設定する。
例えば、図19にもとづけば202[V]などと設定することができる。
ヒータ電圧安定化回路40は、例えば、位相制御回路などで構成でき、図20に示すように、ヒータトランス40−1を介してマグネトロン17−1のヒータに接続されて、そのヒータに所定の電圧を印加する。これにより、そのヒータを所定温度に安定に加熱して、マグネトロンが電子を安定して放出可能な(エミッション)予熱状態とすることができる。したがって、チャンバ内では安定したプラズマを発生させることができる。
本発明は、マイクロ波発生部(マグネトロン)に印加される電圧を制御可能な電源装置に関する発明であるため、マイクロ波を使用する装置におけるマグネトロン駆動用の電源装置として利用可能である。
本発明の第一実施形態にかかるマイクロ波電源装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態にかかるマイクロ波電源装置の具体的な回路構成を示す電気回路図である。 トリガ回路の内部構成を示す電気回路図である。 ツーロン回路における各部の電圧の関係を示すベクトル図である。 図1に示すマイクロ波電源装置の交流電源の波形を示す曲線グラフである。 図1に示すマイクロ波電源装置の電圧値調整回路で降圧された交流電源の波形を示す曲線グラフである。 図2に示すマイクロ波電源装置のSCR位相制御部で交流電源が位相制御された波形を示す曲線グラフである。 図7に示す位相制御された交流電源が全波整流された波形を示す曲線グラフである。 ツーロン回路のパルストランスで発生する電圧Vの位相が進んでいる場合の、ツーロン回路における各部の電圧の関係を示すベクトル図(a)と、この(a)に示す関係にあるときの、トリガの発生タイミングを示すグラフである。 ツーロン回路のパルストランスで発生する電圧Vの位相が遅れている場合の、ツーロン回路における各部の電圧の関係を示すベクトル図(a)と、この(a)に示す関係にあるときの、トリガの発生タイミングを示すグラフである。 本発明の第二実施形態にかかるマイクロ波電源装置の構成を示すブロック図である。 図11に示すインバータ回路部で断続制御された高周波電圧の波形を示す波形図である。 本発明の第二実施形態にかかるマイクロ波電源装置の具体的な回路構成を示す電気回路図である。 図13に示す設定可変制御回路及びゲート駆動回路の具体的な構成を示すブロック図である。 図14に示すゲート駆動回路で、各構成部から出力される波形を示す波形図である。 パルス幅可変入力でON時間が短く設定されたときの印加電圧の波形を示す波形図である。 パルス幅可変入力でON時間が長く設定されたときの印加電圧の波形を示す波形図である。 本発明の第三実施形態にかかるマイクロ波電源装置の構成を示すブロック図である。 優れた性能の蒸着膜を施すためのマイクロ波電源装置の電源電圧の適正範囲を示すグラフである。 ヒータ電圧安定化回路(ヒータトランス含む)の具体的な回路構成を示す電子回路図である。 従来のマイクロ波電源装置(鉄トランス方式)の回路構成を示すブロック図である。 従来のマイクロ波電源装置(インバータ方式)の回路構成を示すブロック図である。 プラズマCVDによる薄膜形成の各工程で出力されるマイクロ波の出力強度を示す曲線グラフである。 印加電圧のON時間、マイクロ波の出力強度、低出力時間、立ち上げ時間及び高出力時間と、バリヤー性及び密着性との関係を示す特性関係図である。 高出力段階におけるON時間とバリヤー性関係を示す特性関係図である。
符号の説明
1 マイクロ波電源装置
11 交流電源
12 電圧値調整回路
12−1 電圧値設定部
13 印加電圧制御回路
13−1 SCR位相制御部
14 変圧回路
15 整流回路
16 駆動回路
17 マイクロ波発生部
18 フィードバック部
19 ON時間調整回路
19−11 出力設定器
19−12 増幅器
19−13 ツーロン回路
19−14 ダイオードブリッジ
19−15 トランス
19−16 コンデンサ
19−17 パルストランス
20 平滑回路
21 インバータ回路部
21−1 ハーフブリッジインバータ
22 倍高圧整流平滑回路
23 電圧値調整回路
23−1 出力可変入力
24 ON時間調整回路
24−1 パルス幅可変入力
25 インバータ駆動回路部
25−1 設定可変制御回路
25−2 ゲート駆動回路
31 スイッチングレギュレータ
32 基準電圧設定部
40 ヒータ電圧安定化回路

Claims (5)

  1. 直流電圧を断続的な高周波電圧に変換するスイッチング素子を有したインバータと、このインバータからの前記高周波電圧を昇圧するトランスと、昇圧された前記高周波電圧をマグネトロンに印加する倍電圧整流平滑回路とを備えたマイクロ波電源装置であって、
    前記マグネトロンに印加される前記高周波電圧を印加電圧とし、この印加電圧のピーク電圧を調整するための出力可変入力用の可変器と、
    前記インバータで前記高周波電圧が発生している時間をON時間、前記高周波電圧が発生していない時間をOFF時間としたときに、前記印加電圧のON時間を調整するためのパルス幅可変入力用の可変器と、
    前記ピーク電圧の調整値を示す出力コントロール信号を、前記出力可変入力用の可変器から受け取り、この出力コントロール信号の示す電圧値にもとづいて形成した波形にしたがって、前記インバータの前記スイッチング素子を駆動するインバータ駆動回路部とを備え、
    このインバータ駆動回路部は、設定可変制御回路とゲート駆動回路を備え、
    前記設定可変制御回路は、
    所定のサイクルタイムで、のこぎり波を発生するノコギリ波発生器と、
    前記ON時間の調整値を示す発振時間コントロール信号を前記パルス幅可変入力用の可変器から受け取るとともに、前記のこぎり波を、前記発振時間コントロール信号にもとづいてパルス幅変調を行い、この波形を発振停止信号として出力する比較器と、
    前記発振停止信号を入力するとともに、この発振停止信号が0を示すときに前記出力コントロール信号を0にし、前記出力コントロール信号を前記ゲート駆動回路へ送る発振停止回路とを備え、
    前記ゲート駆動回路は、
    前記発振停止回路から前記出力コントロール信号が送られてきたときに、前記インバータを駆動し、
    前記出力コントロール信号が0とされて前記発振停止回路から送られてこないときに、前記インバータの駆動を行わず、
    これら前記インバータを駆動して前記高周波電圧を発生させる前記ON時間と、前記インバータが駆動せず前記高周波電圧が発生しない前記OFF時間とを、交互に前記印加電圧の波形に形成するように、前記インバータを制御して、前記マグネトロンに断続的なマイクロ波を発生させる
    ことを特徴とするマイクロ波電源装置。
  2. 前記設定可変制御回路が、
    前記マグネトロンに印加される電圧を前記倍電圧整流平滑回路から受け取り、この印加電圧が過電流か否かを判断し、判断の結果である過電流検出信号を前記発振停止回路へ送る過電流検出部を備え、
    前記発振停止回路は、前記過電流検出信号が過電流を示すときは、前記出力コントロール信号を0にする
    ことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波電源装置。
  3. 前記ゲート駆動回路が、
    三角波を発生する三角波発生器と、
    前記三角波が所定の閾値以下の値を示しているときに、方形波を発生する第一比較器Aと、
    前記所定の閾値よりも低い値に設定された比較電圧と前記三角波とを比較し、前記三角波が前記比較電圧以上の値を示しているときに、方形波を発生する第一比較器Bと、
    前記第一比較器Aからの方形波に、ノコギリ波を整形して出力するノコギリ波整形器Aと、
    前記第一比較器Bからの方形波に、ノコギリ波を整形して出力するノコギリ波整形器Bと、
    前記ノコギリ波整形器Aで前記ノコギリ波が整形された方形波と、前記発振停止回路から入力した出力コントロール信号の示す電圧値とを比較し、当該方形波が前記電圧値以下の値を示すときに、方形波である波形Fを発生する第二比較器Aと、
    前記ノコギリ波整形器Bで前記ノコギリ波が整形された方形波と、前記発振停止回路から入力した出力コントロール信号の示す電圧値とを比較し、当該方形波が前記電圧値以下の値を示すときに、方形波である波形Gを発生する第二比較器Bと、
    前記波形Fにしたがって、前記インバータのスイッチング素子を駆動するIGBTドライバAと、
    前記波形Gにしたがって、前記インバータのスイッチング素子を駆動するIGBTドライバBとを備えた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロ波電源装置。
  4. 電源電圧として印加された交流電圧を所定の電圧に安定させるスイッチングレギュレータと、
    このスイッチングレギュレータからの交流電圧を整流する整流回路とを備えた
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ波電源装置。
  5. 前記マグネトロンのヒータ電圧を安定化させるヒータ電圧安定化回路を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロ波電源装置。
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