JP5223403B2 - 非接触式カードリーダ/ライタ - Google Patents
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Description
図11は、従来の非接触式ICカードリーダ10における、送信アンテナで発生する磁界(交流磁界)の範囲を説明するための図である。
非接触式ICカードのリーダ10のアンテナ12で発生したキャリア周波数で変化する交流磁界は、図示矢印Gの方向に伝搬していく。そのため、非接触式ICカードリーダ10が隣接して設置されている場合には、その隣接した近接非接触ICカードのリーダ10からの磁界の移動がかざしたICカードに伝わり、無関係なICカードからの信号を誤って受けてしまう虞がある。そのため、非接触式ICカードのリーダ10をそのまま隣接して配置することはできない。
このリーダにおいては、そのアンテナに対し、非接触ICカード挿入用のスリットを挟んで磁性体コアが配置され、スリットに非接触ICカードが挿入されたとき、非接触ICカードのアンテナが、磁性体コアとリーダのアンテナの間に配置されて、リーダのアンテナから放出された電磁波が磁性体コアに収束され、非接触ICカードのアンテナへのみに伝送されるようにしている。
しかし、この方式はリーダにICカード挿入用のスリットが設けられたものに限定されるため、現在のように、ICカードをリーダにかざすだけで交信を行うシステムには適用できない。
しかし、この方式では、隣接するリーダ毎にアンテナの駆動を変更しなければならないから、設定が煩雑であり、例えば、多くのリーダ/ライタを隣接して配置しておくような使用環境では使用しづらいという問題がある。
請求項2の発明は、非接触式のカードとの間で通信を行うカードリーダ/ライタであって、前記通信のための磁界を発生するループアンテナと、前記ループアンテナの磁界エリアを抑制するため、前記ループアンテナを囲むように配置され、それぞれ前記ループアンテナから外方に向かって異なる位置に配置され異なる磁界エリアを備えた複数の導電体と、磁界エリアを切り替える切替手段と、を備え、隣接配置したカードリーダ/ライタ同士が通信して磁界エリアの切替を行うテストモードを有し、前記テストモードにおける通信において、隣接したカードリーダ/ライタから何らかの応答を受信したとき、磁界エリアを小さくするよう、前記切替手段により磁界エリアを切り替えることを特徴とする。
また磁界エリアを多段に切り替えできるようにしたため、隣接するICカードリーダ/ライタ間における最適な磁界エリアの設定が可能であるため、通信精度を確保しつつ他のICカードリーダ/ライタとの混信を効果的に防止することができる。
非接触式ICカードリーダ/ライタ10は、その中央部に配置されたループアンテナ12の周りに、そのループアンテナ12を囲んで、ループアンテナ12と同様、例えば導電性金属材料からなるループ状の導電性パターン14が配置されている。
このループ状の導電性パターン14は、ループアンテナ12で発生する磁界エリアを制限する目的で配置したものである。即ち、ループアンテナ12で発生した磁界はループ状の導電性パターン14で補足され、ループ状の導電性パターン14に誘導電流が誘起される。誘起された誘導電流はループ状の導電性パターン14中を流れ、その抵抗によって熱となって放出される。
このように、ICカードリーダ/ライタ10のループアンテナ12の周りにループ状の導電性パターン14を配置したことにより、磁界エリアが抑制され、そのため隣接したICカードリーダ/ライタ10にかざした例えばICカードが、この磁界に感応することが防止できる。
そこで、第2の実施形態では、ループアンテナ12の周りに、ループアンテナ12からの距離が異なる複数の導電性ループを配置して、これらを適宜切り替えることで、ICカードリーダ/ライタ10で発生する磁界エリアを変更可能にしている。
即ち、第2の実施形態に係る非接触式ICカードリーダ/ライタ10は、その中央部に配置されたループアンテナ12の周りに、そのループアンテナ12を囲むように、例えばループアンテナ12と同様の導電性金属材料からなる複数(図示の例では2つの)のループ状の導電性パターン14a、14bが配置されている。
ループ状の導電性パターン14a、14bは、それぞれその一箇所にループを開放したり閉鎖したりするための切替手段である自動又は手動スイッチ16a、16bが設けられており、スイッチ16a又は16bを閉じたときは、閉ループとなった導電性パターン14a又は14bがアンテナ12で発生した磁界を吸収して、磁界がそれよりも外部に漏れるのを防止する機能(磁界エリア抑制機能)を有している。
図3Aは、ループ状の導電性パターン14a、14bのスイッチ16a、16bが全て解放状態にあることを示す。
この状態は、例えば、非接触式ICカードリーダ/ライタ10を単独で用いる場合、つまり、図3Bに示すようにICカードとの通信距離を出来るだけ長い距離を確保する場合に適合する。この場合、非接触式ICカードリーダ/ライタ10は、そのループアンテナ12から出た磁界を遮るものがないから、ICカード20との距離を最大限(磁界エリア非抑制機能)にして用いることができる。
この状態は、例えば、ICカードリーダ/ライタ10を単独で用いる場合であっても、誤通信(混信)を避けるために通信距離を抑制したい場合、又は、例えば、ポケットなどにICカードを入れた状態で、そのICカードが容易にICカードリーダ/ライタ10のアンテナ位置に接近してしまうような配置環境で用いる場合には、ICカードリーダ/ライタ10の通信距離をある程度の範囲に抑える必要がある。このような場合に、外側の導電性パターン14bを閉じて、閉ループを作ることにより通信距離を抑え、誤動作が起こらないようにすることができる。
図4Bは、図3Bと同様の図であり、ICカード20との通信距離が図3Bで示す場合よりも短くなっていることを示す。
この状態は、ICカードリーダ/ライタ10を複数台隣接して配置して使用する場合に適合する。つまり、様々なICカードに対応するために、やむなくリーダ/ライタ10を隣接して配置する場合でも、このようにスイッチ16aを閉じて、内側の導電性パターン14aの閉ループを形成することにより、磁界エリアをより狭い範囲に抑えることができる。そのため、隣接したICカードリーダ/ライタ10とICカードとの通信に悪影響を及ぼすことを無くすことができる。
この距離では、ICカードリーダ/ライタ10の内側の導電性パターン14aを閉ループに形成したため、互いに隣接配置しても、隣のICカードリーダ/ライタ10の送受信の妨げにならない。
本実施形態に係るICカードリーダ/ライタ10は、通信エラーの頻度により磁界エリアを切り替えることができる。
即ち、通信特性はICカードにより、また非接触ICチップを搭載した例えば携帯電話機により異なる。
そこで、隣接して設置した2台のICカードリーダ/ライタ10を制御するとき、通常は最大能力にて磁界エリアを形成するが、その場合でも、感度の悪いICカードを用いる場合は正常に通信を行うことができる。
図6は、感度の悪いICカードを用いた場合における通信の状態を示す。ICカード20の感度が悪いため、隣接したICカードリーダ/ライタ10からの信号には応答しない。
図7Aは、感度が良いICカード20を用いた場合における通信の状態を示すもので、ICカード20の感度が良すぎるためにICカード20が隣のICカードリーダ/ライタ10の磁界に反応して返信する状態を示している。
このような場合は、図7Bに示すように、本実施形態のICカードリーダ/ライタ10の上記一方の導電性パターンのスイッチを閉成してICカードリーダ/ライタ10の磁界を抑制することができる。
但し、この場合は、ICカードリーダ/ライタ10同士が磁界エリアの切替を行うテストモードを持つ必要がある。
ここで、テストモード1では、ICカードリーダ/ライタ10はキャリアを送出し、同時にテストコマンドを送信する。
テストモード2では、テストモードを待ち状態にする(即ち、キャリアの送出は行わない。)
図8は、ICカードを用いずICカードリーダ/ライタ10同士で上記ループ状パターンの切替の要否を判断する処理を説明するフロー図である。
まず、2台のICカードリーダ/ライタ10を隣接配置しておき、第1のICカードリーダ/ライタ10をテストモードに遷移させ(S101)、第2のICカードリーダ/ライタ10はテストモード2に遷移させておく(S102)。次に、第1のICカードリーダ/ライタ10のキャリアの送出磁界エリアを「大」に設定して(S103)、テストコマンドを第2のICカードリーダ/ライタ10に送信する(S104)。
ここで、第1のICカードリーダ/ライタ10が第2のICカードリーダ/ライタ10からレスポンスを受信した場合は(S105)、隣接による障害があると判断して(S106)、外側のループのスイッチを閉成してキャリアの送出磁界エリアを「中」に設定して(S107)、再びテストコマンドを第2のICカードリーダ/ライタ10に送信する(S108)。
ここで、第2のICカードリーダ/ライタ10にテストコマンドを送信する(S111)。この場合、第2のICカードリーダ/ライタ10は、コマンドを受信できず、従ってレスポンスは行わない(S112)。
第1のICカードリーダ/ライタ10は、一定時間第2のICカードリーダ/ライタ10からの応答を待ち、タイムアウトで応答なしを確認する。つまり、この場合は、磁界エリア「小」に設定して問題なしと判断する(S113)。
なお、テストモードへの遷移は、テストスイッチ、外部端末装置からの制御により行うことができる。
図9は、ICカードリーダ/ライタ10の導電性ループ14の配置状況を説明するための要部の概略平面図である。
第1のICカードリーダ/ライタ10の設置時に設定した値で運用する中で、ICカードとの通信エラー発生率が基準とする予め定めた値を超える頻度が高い場合、即ち所定の頻度数(閾値)に達したとき、現状の通信磁界エリアでは小さいことが原因であると考えられる。そこで、自動で磁界エリアを大きくすることにより、ICカードとのエラー率を下げるようにする。
本実施形態ではループで切り替わる磁界エリアの数は2つしかないが、例えば磁界エリアを8つ以上にして、設定値から+−3の磁界エリアの範囲で自動調整を行うようにすることができる。
ICカードとの通信時のエラーについては、大きく分けて以下のエラーが考えられる。
即ち、
(1)フレームとCRC(cyclic redundancy check)信号は合っているがデータが間違っている場合、
(2)フレーム、CRCとも間違っている場合、
(3)レスポンスなし(タイムアウト時)
ICカードリーダ/ライタ10の磁界の磁界エリアのデフォルト値を「小」にして(S201)、ICカードに対してポーリング送信を繰り返し行う(S202)。ICカードをICカードリーダ/ライタ10にかざすと(S203)、ICカードからレスポンス信号がICカードリーダ/ライタ10に送信される(S204)。ここで、ICカードリーダ/ライタ10側で上記(2)のエラーが発生すると、RF通信特性をよくするために、ループのスイッチを切り替えることにより磁界エリアを大きくする(S205)。その状態でICカードリーダ/ライタ10はエリアを「中」にしてキャリアを送出し(S206)、ICカード20に対してテストコマンドを送信する(S207)。テストコマンドを受信したICカード20は、レスポンス信号をICカードリーダ/ライタ10に送信する(S208)。ここで、ICカードリーダ/ライタ10の正常受信が行われれば、磁界エリアを拡大したことにより、RF通信特性が良くなったと判断する(S209)。
以上のようにして、本実施形態では、通信エラーに基づきICカードリーダ/ライタ10の磁界エリアの調整を行うことができる。
したがって、ここでは、カードというときは携帯型の記録媒体一般を指し、カードリーダ/ライタというときは、上記携帯型の記録媒体用のリーダ/ライタを指す。
Claims (2)
- 非接触式のカードとの間で通信を行うカードリーダ/ライタであって、
前記通信のための磁界を発生するループアンテナと、
前記ループアンテナの磁界エリアを抑制するため、前記ループアンテナを囲むように配置され、それぞれ前記ループアンテナから外方に向かって異なる位置に配置され異なる磁界エリアを備えた複数の導電体と、
磁界エリアを切り替える切替手段と、を備え、
前記カードとの通信エラー発生率が予め定めた値に達したとき、抑制された磁界エリアを大きくするよう前記切替手段により磁界エリアを切り替えることを特徴とするカードリーダ/ライタ。 - 非接触式のカードとの間で通信を行うカードリーダ/ライタであって、
前記通信のための磁界を発生するループアンテナと、
前記ループアンテナの磁界エリアを抑制するため、前記ループアンテナを囲むように配置され、それぞれ前記ループアンテナから外方に向かって異なる位置に配置され異なる磁界エリアを備えた複数の導電体と、
磁界エリアを切り替える切替手段と、を備え、
隣接配置したカードリーダ/ライタ同士が通信して磁界エリアの切替を行うテストモードを有し、
前記テストモードにおける通信において、隣接したカードリーダ/ライタから何らかの応答を受信したとき、磁界エリアを小さくするよう、前記切替手段により磁界エリアを切り替えることを特徴とするカードリーダ/ライタ。
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