JP4506363B2 - Icカードリーダ - Google Patents
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また、わが国においては、2002年10月に電波法が改正されているが、改正前の電波法の規制値では、非接触型ICカードと通信を行う装置については遠方において発生する磁界を押さえなければならないという事情もあった。しかし、上記改正によって通信装置の送信出力規制値は緩和されているため、その規制値に応じて最適となる送信出力制御を行うことが好ましい。
請求項3記載のICカードリーダによれば、制御手段は、スイッチング手段を制御して、閉ループ導体に接続するインピーダンス素子を切り替え、閉ループ導体に流れる電流の大きさを制御する。従って、閉ループ導体のインピーダンスを、インピーダンス素子とスイッチング手段との組み合わせによって選択的に変化させることができる。
そして、ループ状導体を複数巻のループで構成するので、複数のスイッチング手段を選択的に閉じることで有効となるループ状導体の巻数を変化させることができる。従って、その巻数の変化により、ループ状導体に流れる電流の大きさを変化させることができる。
請求項10記載のICカードリーダによれば、距離検出手段は、受光センサを、ICカードとの通信を行う面側に配置することで構成されている。即ち、ICカードがカードリーダの通信面側に接近していない場合、受光センサは周囲の光を受光可能な状態にある。そして、ICカードが通信面側に接近すれば受光センサの受光面を蔽うような状態になるため、センサの受光量は低下する。従って、当該センサの信号を参照することでICカードとの距離を検出することができる。
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図9を参照して説明する。図5は、非接触型ICカードに対してデータを読み書きするためのリーダライタ1の電気的構成を示す機能ブロック図である。リーダライタ(ICカードリーダ)1の送信系は、13.56MHzのキャリアを発生させる発振器2、そのキャリアを変調するための変調回路3、被変調信号を増幅する増幅回路4、その増幅回路4とループコイル状のアンテナ5との間に配置され、インピーダンスの整合を図るための整合回路6などで構成されている。アンテナ5からは、変調された磁気信号が送信されるようになっている。
即ち、リーダライタ1における送信路のインピーダンスは、整合回路6によって整合が図られた状態にある。その状態からアンテナ5にICカード22が接近すると、相互インダクタンスなどの影響を受けてインピーダンスの整合にずれが生じる。その結果、アンテナ5の端子電圧は上昇し、流れる電流は減少するようになる。尚、これらの大小関係は、整合回路6の構成(素子接続における直並列の相違や、次数など)に応じて逆転する場合もある。
尚、閉ループ導体19には、例えば抵抗値10Ω程度の抵抗(電流制御手段,可変インピーダンス手段,インピーダンス素子)20が挿入されており、その抵抗20を短絡するためのスイッチ(電流制御手段,可変インピーダンス手段,スイッチング手段)21が並列に接続されている。そして、スイッチ21のON/OFFは、CPU10によって制御されるようになっている。従って、アンテナ5と閉ループ導体19とは、近接して配置されることで相互インダクタンスによって結合した状態にある(図3参照)。また、抵抗20の抵抗値を極めて大きくし、スイッチ21のON/OFFによって閉ループ導体19が実質的に閉又は開となるようにすることも可能である。
一方、ステップS2において、検波電圧が遠方監視電圧以上である場合は(「NG」)、ICカード22がリーダライタ1の近傍領域にあると判断される。従って、CPU10はスイッチ21をONにする(ステップS3)。この場合、抵抗20が短絡されて閉ループ導体19のインピーダンスは低下するので、アンテナ5との結合度合いは大きくなる。従って、アンテナ5より送信される磁界信号の一部は、閉ループ導体19側にも誘導されて消費される。その結果、リーダライタ1の送信出力は低下するようになる。
図4は、横軸にリーダライタとICカードとの距離をとり、リーダライタ側に閉ループ導体がない場合、リーダライタ側に閉ループ導体がある場合で、且つその外形が、ICカード側のアンテナコイルに略等しい場合とそのアンテナコイルよりも小さい場合とについて、縦軸に、リーダライタのアンテナとICカード側のアンテナとの結合係数をとって示すものである。この図4から明らかなように、リーダライタ側に閉ループ導体がない場合(実線)の結合係数が最も高く、閉ループ導体の外形がICカード側のアンテナコイルに略等しい場合(1点鎖線)の結合係数が最も低くなっている。斯様な原理によって、リーダライタ側の磁界信号の出力を変化させている。
図10及び図11は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図10は、リーダライタ(ICカードリーダ)23の図5相当図である。第2実施例では、ICカード22が接近したことを検出するのに、アンテナ5の端子電圧を検出することに替えて、リーダライタ23の消費電流を検出することで行うようにしたものである。
以上のように構成された第2実施例による場合も、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
図12及び図13は本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。第3実施例では、ICカード22が接近したことを検出するのに、例えばフォトトランジスタなどの受光素子(光電変換素子,距離検出手段)25を用いて行うようにしたものである。
以上のように構成された第3実施例による場合も、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
図14は、本発明の第4実施例を示すものであり、カードリーダ側における閉ループ導体の他の配置例を示すものである。図14(a)は、アンテナ5の内周側に配置された閉ループ導体19に加えて、外周側にも抵抗27を挿入した閉ループ導体28を配置したものである。また、図14(b)は、アンテナ5の外周側に閉ループ導体28を配置すると共に、更にその外周側にも抵抗29を挿入した閉ループ導体30を配置したものである。尚、何れの場合も、抵抗20,27,29を短絡するためのスイッチについては図示を省略している。
以上のように構成される第4実施例によれば、リーダライタ側に閉ループ導体を複数備えることで、ICカードの接近距離に応じて発生させる磁界強度を多段階で変化させることができる。
図15乃至図19は本発明の第5〜第9実施例を示すものである。これらの実施例は、何れも閉ループ導体のインピーダンスを変化させたり、或いは閉ループ導体に誘導される電流の大きさを変化させる構成に関するものである。
図15に示す第5実施例では、複数例えば3回巻きのループとなっている閉ループ導体31の両端に、抵抗(インピーダンス素子)32とスイッチ(スイッチング手段)33との直列回路が3並列(a,b,c)で接続されている。そして、抵抗32及びスイッチ33は、可変インピーダンス手段34を構成している。そして、CPU10がスイッチ33a〜33cを段階的に閉じることで閉ループ導体31のインピーダンスを変化させ、リーダライタ1による発生磁界強度を変化させることができる。即ち、抵抗32をより多く接続すれば閉ループ導体31のインピーダンスは低下するので、アンテナ5との結合度合いが高くなり、発生磁界強度は低下するようになる。
図16に示す第6実施例では、3つの閉ループ導体31a〜31cの夫々の両端に、第5実施例と同様の抵抗32とスイッチ33との直列回路を接続した構成となっている。この場合、CPU10がスイッチ33a〜33cを段階的に閉じることで、閉ループ導体31a〜31cを段階的に有効化して、アンテナ5より出力される磁界に基づく電流を誘導させることができる。即ち、スイッチ33をより多く閉じれば、より多くの閉ループ導体31が有効化され、リーダライタ1による発生磁界強度は低下する。
図17に示す第7実施例では、第5実施例と同様の閉ループ導体31の一端と、閉ループ導体31の1ターン目の途中部位,2ターン目の途中部位,3ターン目、即ち他端との間にスイッチ33a,33b,33cを接続したものである。尚、閉ループ導体31とスイッチ33c〜33aとは電流制御手段35を構成する。
図18に示す第8実施例では、独立した3つの閉ループ導体36,37,38(ループ面積:大,中,小)を同心に配置して、それらの共通に接続された一端と夫々の多端との間に第7実施例と同様のスイッチ33a,33b,33cを接続したものである。この場合、CPU10がスイッチ33a〜33cを段階的に閉じることで、有効化する閉ループ導体の数が変化する。即ち、有効化する閉ループ導体の数が多くなる程、リーダライタ1による発生磁界強度は低下する。
図19に示す第9実施例では、ループ面積がほぼ同じである独立した3つの閉ループ導体40,41,42を並列に配置して、それらの共通に接続された一端と夫々の多端との間に、第7,第8実施例と同様のスイッチ33a,33b,33cを接続したものである。この場合、CPU10がスイッチ33a〜33cを段階的に閉じることで、第8実施例と同様に有効化する閉ループ導体の数が変化する。即ち、有効化する閉ループ導体の数が多くなる程、リーダライタ1による発生磁界強度は低下する。
図20は本発明の第10実施例を示すものである。第10実施例では、距離検出手段として、リーダライタ1側に赤外線センサ44を配置して、ICカード22との距離を検出するように構成したものである。即ち、赤外線センサ44は、赤外線LED44Tより照射した赤外線が検出対象によって反射されたものをフォトトランジスタ44Rで受光し、その受光強度に応じて検出対象、この場合ICカード22との距離を検出することができる。
第1実施例においてアンテナ5の端子電圧変化を検出する場合や、第2実施例においてリーダライタの消費電流変化を検出する場合、A/D変換器に代えてコンパレータを用いても良い。
閉ループ導体に挿入する抵抗素子の抵抗値は、個別の設計に応じて適宜変更すれば良い。
閉ループ導体を4つ以上設けても良い。
第6実施例において、閉ループ導体31a〜31cの夫々のインピーダンスを、第5実施例と同様の構成によって変化させるように構成しても良い。
第7実施例において、閉ループ導体のターン数を変化させることに替えて、複数のスイッチを選択的に閉じることで1ターンの閉ループ導体の長さを変化させても良い。
リーダライタに限ることなく、データの読取り機能のみを有するICカードリーダに適用しても良い。
Claims (10)
- 非接触型ICカードと電磁結合方式により通信を行うためのコイル状に形成されたアンテナを具えたICカードリーダにおいて、
前記ICカードとの距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段が検出した距離が短くなるのに応じて、磁気信号の送信出力を低下させるための切替え制御が可能に構成される出力低下手段と、
この出力低下手段を切替えて、前記送信出力を低下させるように制御する制御手段とを備え、
前記出力低下手段は、
前記アンテナと実質的に平行となるように形成された1つ以上の閉ループ導体と、
当該アンテナが送信する磁気信号によって誘導されることにより前記閉ループ導体に流れる電流の大きさを制御する電流制御手段とを備えて構成され、
前記制御手段は、前記閉ループ導体に流れる電流の大きさを変化させるように電流制御手段を制御することを特徴とするICカードリーダ。 - 前記電流制御手段は、前記閉ループ導体のインピーダンスを可変制御可能な可変インピーダンス手段を備え、
前記制御手段は、前記可変インピーダンス手段を制御して、前記閉ループ導体に流れる電流の大きさを制御することを特徴とする請求項1記載のICカードリーダ。 - 前記可変インピーダンス手段は、
夫々のインピーダンス値が異なる複数のインピーダンス素子と、
これら複数のインピーダンス素子を夫々前記閉ループ導体に断続するためのスイッチング手段とを備え、
前記制御手段は、前記スイッチング手段を制御して、前記閉ループ導体に接続するインピーダンス素子を切り替えることを特徴とする請求項2記載のICカードリーダ。 - 非接触型ICカードと電磁結合方式により通信を行うためのコイル状に形成されたアンテナを具えたICカードリーダにおいて、
前記ICカードとの距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段が検出した距離が短くなるのに応じて、磁気信号の送信出力を低下させるための切替え制御が可能に構成される出力低下手段と、
この出力低下手段を切替えて、前記送信出力を低下させるように制御する制御手段とを備え、
前記出力低下手段は、
前記アンテナと実質的に平行となるように形成された複数巻きのループ状導体と、
接点の一方が前記ループ状導体の一端に共通に接続され、接点の他方が前記ループ状導体の他端から途中部位にかかる間の夫々異なる位置に接続される複数のスイッチング手段とを備え、
前記制御手段は、前記スイッチング手段を選択的に閉じることで前記ループ状導体に流れる電流の大きさを制御することを特徴とするICカードリーダ。 - 前記可変インピーダンス手段は、
前記アンテナの内周側又は外周側に配置される第1の閉ループ導体と、
前記アンテナの外周側で且つ前記第1の閉ループ導体の外周側に配置される第2の閉ループ導体と、
前記第1及び第2の閉ループ導体にそれぞれ挿入される抵抗と、
前記抵抗を短絡するためのスイッチとで構成され、
前記制御手段は、前記スイッチを制御して、前記第1及び第2の閉ループ導体に流れる電流の大きさを制御することを特徴とする請求項2記載のICカードリーダ。 - 前記第1及び第2の閉ループ導体は、実質的に同心となるように配置されていることを特徴とする請求項5記載のICカードリーダ。
- 前記距離検出手段は、前記アンテナの端子電圧に基づいて、前記ICカードとの距離を検出することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のICカードリーダ。
- 前記距離検出手段は、ICカードリーダの消費電流に基づいて、前記ICカードとの距離を検出することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のICカードリーダ。
- 前記距離検出手段は、前記ICカードとの距離を検出する赤外線センサによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のICカードリーダ。
- 前記距離検出手段は、前記ICカードとの通信を行う面側に配置されている受光センサによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のICカードリーダ。
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