JP4850025B2 - 通信装置 - Google Patents

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本発明は、タグとの間で無線通信を行うリーダライタ等の通信装置に関する。
タグ(RFIDタグ)との間で無線通信を行うリーダライタ(RFIDリーダライタ)としては、現在主に、搬送波周波数が13MHzのもの、950MHzのもの、2.4GHzのものがある。
その中の950MHzのものをUHF帯RFIDリーダライタと呼んでいる。このリーダライタは、タグとの通信可能距離が例えば10m程度と長いことから、商品や物流管理用のRFID(Radio Frequency Identification)に好適であって注目されている。例えば、商品にタグを添付して、商品及びタグをメーカから消費者まで流通させ、その流通過程においてタグに対する情報の書き込み及び読出しを行いつつ商品の管理を行うことが可能である。すなわち、流通過程の上流から下流まで、同一のタグを用いて、商品を管理することができる。
しかしながら、UHF帯での電波の使用に対する規制が厳しいことから、UHF帯RFIDリーダライタは、搬送波周波数を正確に維持して安定化させるための水晶発信器を搭載したり、スプリアスを防止するためのSAWフィルタ、誘電体フィルタ等の様々なフィルタを複数組み合わせて挿入するなど、高価な部品が必要になり、小型化や低コスト化が困難であり、一般ユーザまで普及するとは考え難い。
また、2.4GHz近傍の周波数帯域は、通信のためだけではなく、電子レンジや医療機器などの分野でも使用され、しかも、高出力で使用されている。このため、この周波数帯域では、UHF帯と比べると、電波の使用に対する規制が厳しくなく、2.4GHz帯RFIDリーダライタを安価な部品で構成することができ、小型化や低コスト化が可能であって、一般ユーザへの普及を期待することができる。ところが、電波の使用に対する規制が緩いことから、その有効利用エリアが工場や倉庫に特定され、UHF帯の様な広範囲での商品や物流管理には適さない。
一方、特許文献1には、タグ上で、複数の静電容量をアンテナに選択的に並列接続して、電源電圧を調節制御するという技術が開示されているが、ここでは本発明の様に静電容量を外部装置との通信制御を目的として用いてはいない。
特開2001−160122号公報
この様にUHF帯RFIDリーダライタは、商品や物流管理に好適であるが、UHF帯での電波の使用に対する規制が厳しく、高価な部品が必要になり、小型化や低コスト化が困難であって、一般ユーザまで普及するとは考え難い。
また、2.4GHz帯RFIDリーダライタは、安価な部品で構成することができ、小型化や低コスト化が可能であって、一般ユーザへの普及を期待することができるが、その利用エリアが特定され、UHF帯の様な広範囲での商品や物流管理には適さない。
更に、従来の2.4GHz帯RFIDリーダライタは、UHF帯RFIDリーダライタとは全く異なる周波数帯域で用いられ、UHF帯RFIDタグに対する情報の書き込み及び読出しを行うことはできない。
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、例えば2.4GHz帯RFIDリーダライタでありながらも、UHF帯RFIDタグに対する情報の書き込み及び読出しが可能な通信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、外部装置に対して搬送波を送信すると共に、外部装置で反射された該搬送波を受信して、信号の送受信を行う通信装置において、搬送波送受用のアンテナ手段と、前記アンテナ手段を介して搬送波を送受信する送受信手段と、前記アンテナ手段と前記送受信手段間に挿入された可変インピーダンス手段と、前記送受信手段で受信された搬送波の受信レベルを検出し、前記検出した搬送波の受信レベルが最も低くなる様に前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御する制御手段とを備えている。
あるいは、前記制御手段は、前記搬送波を用いて、該搬送波の周波数とは異なる他の搬送波の周波数を用いる外部装置と通信するときに、前記検出した搬送波の受信レベルが最も低くなる様に前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御する。
この様な本発明の通信装置では、外部装置に対して搬送波を送信すると共に、外部装置で反射された該搬送波を受信して、信号の送受信を行う。この場合は、アンテナ手段と送受信手段間に挿入された可変インピーダンス手段のインピーダンスを規定値に設定すれば、外部装置との間で搬送波を送受信することができる。
また、送受信手段で受信された搬送波の受信レベルを検出して、この検出した受信レベルに応じて可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御すれば、該搬送波の周波数とは異なる他の搬送波の周波数を用いる外部装置との間で通信することも可能である。従って、本来の外部装置及び他の外部装置のいずれとの間でも通信が可能である。
例えば、検出した搬送波の受信レベルが最も低くなる様に可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御する。あるいは、搬送波を用いて、該搬送波の周波数とは異なる他の搬送波の周波数を用いる外部装置と通信するときに、検出した搬送波の受信レベルが最も低くなる様に可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御する。ただし、通信装置と他の搬送波の周波数を用いる外部装置を近接配置した状態とする。両者の装置を近接配置した状態では、搬送波の受信レベルが最も低くなるということは、他の外部装置のアンテナからの搬送波の反射レベルが低く、この他の外部装置での搬送波の吸収レベルが高いということになり、この他の外部装置で搬送波が確実に受信されていることになる。これにより、他の外部装置との間の通信が可能になる。
より具体的には、通信装置が2.4GHz帯RFIDリーダライタであり、外部装置が同じく2.4GHz帯RFIDタグであるとすると、このRFIDタグと通信するときには、可変インピーダンス手段のインピーダンスを規定値に設定して、RFIDリーダライタとRFIDタグ間の通信を行う。また、950MHzのUHF帯RFIDタグと通信するときには、2.4GHz帯RFIDリーダライタとUHF帯RFIDタグを近接配置した状態で、検出した搬送波の受信レベルが最も低くなる様に可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御する。これにより、UHF帯RFIDタグのアンテナからの搬送波の反射レベルが低くなって、このUHF帯RFIDタグのアンテナでの搬送波の吸収レベルが高くなり、UHF帯RFIDタグとの間の通信が可能になる。2.4GHz帯RFIDリーダライタとUHF帯RFIDタグを近接配置した状態では、リーダライタ側のアンテナとタグ側のアンテナが容量結合するので、可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御して、リーダライタで検出した搬送波の受信レベルを最も低くすることにより、タグでの搬送波の吸収レベルを高くすることができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の通信装置の一実施形態を示すブロック図である。本実施形態の通信装置は、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1であり、2.4GHz帯RFIDタグ2との間で通信を行って、RFIDタグ2に対する情報の書き込み及び読出しを行う。
RFIDリーダライタ1は、アンテナ11、送受信機12、アンテナ11と送受信機12間に挿入された可変インピーダンス部13、及び可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節制御する制御部14を備えている。
アンテナ11は、2.4GHz帯の搬送波を送受するためのダイポールアンテナである。また、可変インピーダンス部13は、コイル13aと可変容量ダイオード13bを直列接続してなり、この直列回路の両端が送受信機12からアンテナ11の各エレメントへと至るそれぞれのラインに接続されている。
送受信機12は、2.4GHz帯の搬送波信号を発振出力する局部発振器21、局部発振器21からの搬送波信号を変調して、送信信号を生成しアンテナ11へと出力する送信回路22、局部発振器21からの搬送波信号を用いて、アンテナ11からの受信信号を復調する受信回路23、及び送信回路22からアンテナ11への方向に送信信号を通過させると共にアンテナ11から受信回路23への方向に受信信号を通過させる方向性結合器24を備えている。
送信回路22は、例えば図2(b)に示す様な局部発振器21からの搬送波信号Shを入力すると共に、図2(a)に示す様な情報信号Siを入力し、情報信号Siにより搬送波信号Shを変調して、図2(c)に示す様な送信信号Stを出力する。この送信信号Stは、方向性結合器24を介してアンテナ11に印加され、アンテナ11から電磁波となって送信され、RFIDタグ2で受信される。
また、送信回路22は、RFIDタグ2の応答期間に図2(b)の搬送信号Shを変調しないでそのまま送信信号Stとして出力する。
受信回路23は、図3に示す様に混合器23a及びローパスフィルタ23bからなり、RFIDタグ2の応答期間に該RFIDタグ2からの受信信号Srをアンテナ11及び方向性結合器24を介して入力すると、混合器23aで受信信号Srと局部発振器21からの搬送波信号Shを混合して周波数選択を行い、ローパスフィルタ23bで混合器23aの出力から不要な高周波数成分を取り除いて、復調出力Skを生成出力する。
ここで、RFIDタグ2は、ダイポールアンテナ2a及びタグIC2bを備えており、送信回路22からの電磁波の送信信号Stをダイポールアンテナ2aで受信して、受信信号Strをダイポールアンテナ2aからタグIC2bへと入力する。タグIC2bでは、この受信信号Strの一部を動作電力に変換して消費する。
また、タグIC2bは、図4に示す様なダイオードD1と抵抗素子R1からなる包絡線検波器を有しており、図2(c)に示す様な受信信号Strを入力すると、この受信信号Strを該包絡線検波器に通して、この受信信号Strの直流成分のみを抽出し、図2(a)に示す様な情報信号Siを取得して、この情報信号Siに基づき情報の書き込みや読出し等を行う。
更に、タグIC2bは、図5に示す様なダイオードD2と抵抗素子R2を直列接続してなる応答回路を有しており、この応答回路がダイポールアンテナ2aに接続されている。RFIDタグ2の応答期間になると、図2(b)の搬送信号Shが送信回路22からそのまま電磁波の送信信号Stとして送信されるので、タグIC2bでは、応答信号Sjを応答回路に印加し、応答信号Sjに応じてダイポールアンテナ2aのインピーダンスを変化させて、図2(c)に示す様にダイポールアンテナ2aで反射される電磁波の送信信号Stのレベルを変化させる。この図2(c)の送信信号Stは、受信信号SrとしてRFIDリーダライタ1のアンテナ11で受信されて受信回路23に入力される。
RFIDリーダライタ1の制御部14は、通常、可変インピーダンス部13のインピーダンスを2.4GHz帯RFIDタグ2との通信に最適な値に維持している。すなわち、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1と2.4GHz帯RFIDタグ2間の通信のときには、RFIDリーダライタ1のアンテナ11による電磁波の送受信が効率的に行われる様に可変インピーダンス部13のインピーダンスを設定する。
また、RFIDリーダライタ1の制御部14は、UHF帯RFIDタグと通信するときに、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルを抽出し、この直流成分のレベルに基づいて、UHF帯RFIDタグとの通信が効率的に行われる様に可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節する。この可変インピーダンス部13のインピーダンスの調節に際しては、RFIDタグ2の応答期間と同様に、図2(b)の搬送信号Shを変調しないでそのまま送信信号Stとして送信した状態で、受信信号Srを受信し、受信回路23の復調出力Skを制御部14に加える。
図6に示す様に2.4GHz帯RFIDリーダライタ1をUHF帯RFIDタグ25に近接配置した状態では、RFIDリーダライタ1のアンテナ11とUHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aが容量結合するので、可変インピーダンス部13のインピーダンスの調節によりRFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との通信が可能となる。UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aは、950MHz付近で共振する様に設計されているが、RFIDリーダライタ1のアンテナ11と容量結合すると、可変インピーダンス部13のインピーダンスの影響を受けて、可変インピーダンス部13のインピーダンスの調節により2.4GHz帯で共振する様になり、RFIDリーダライタ1からの2.4GHz帯の電磁波を送受することが可能になる。
RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25の離間距離としては、3cm以下(2.4GHz波長の1/4程度)が好ましい。また、2.4GHz帯の搬送波信号を受信して応答することが可能なUHF帯RFIDタグ25としては、例えばフィリップス(Philips)社製のUCODE HSL(商品名)があり、また、多くのUHF帯RFIDタグは小型と省電力化の為に2.4GHzの搬送波信号を処理可能なICプロセスで作られているため、ほとんどのUHF帯RFIDタグで使用することが出来る。
次に、RFIDリーダライタ1の制御部14の構成及び動作を詳しく説明する。図7に示す様にRFIDリーダライタ1の制御部14は、ローパスフィルタ31、直流電圧検出回路32、遅延回路33、比較回路34、加算減算回路35、遅延回路36、及び直流電圧出力回路37を備えている。
直流電圧検出回路32は、受信回路23の復調出力Skをローパスフィルタ31を介して入力し、この復調出力Skの直流成分を抽出し、この直流成分のレベルを示す直流レベル信号Qiを出力する。この直流レベル信号Qiは、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルを示すから、タグからの受信信号Srのレベルを示す。この受信信号Srのレベルがタグのアンテナで反射された搬送波の電磁波のレベルに対応するので、直流レベル信号Qiがタグのアンテナで反射された搬送波の電磁波のレベルを示すことになる。
この直流レベル信号Qiは、比較器34に加えられると共に、遅延回路33に加えられる。遅延回路33は、直流レベル信号Qiを一定時間遅延させてから比較回路34に加える。これにより、比較回路34には今回検出された直流レベル信号Qi1と前回検出された直流レベル信号Qi0が加えられる。比較回路34は、今回検出された直流レベル信号Qi1と前回検出された直流レベル信号Qi0を比較し、この比較結果を加算減算回路35に加える。
また、遅延回路36は、加算減算回路35の出力レベル指示信号Qcを一定時間遅延させてから該加算減算回路35に加える。これにより、加算減算回路35には前回の出力レベル指示信号Qc0が加えられる。
加算減算回路35は、前回の出力レベル指示信号Qc0によって示される出力電圧信号Qoのレベルに規定レベルを加算又は減算して、今回の出力電圧信号Qoのレベルを求め、この今回の出力電圧信号Qoのレベルを示す今回の出力レベル指示信号Qc1を直流電圧出力回路37に加える。
直流電圧出力回路37は、今回の出力レベル指示信号Qc1を入力すると、この出力レベル指示信号Qc1によって示されるレベルに出力電圧信号Qoを調整し、この出力電圧信号Qoを可変インピーダンス部13のコイル13aと可変容量ダイオード13bからなる直列回路に印加する。この出力電圧信号Qoは、可変容量ダイオード13bの逆バイアスとなり、可変容量ダイオード13bの静電容量を変化させる。これにより、可変インピーダンス部13のインピーダンスが調節される。具体的には、出力電圧信号Qoのレベルが高くなると、可変容量ダイオード13bの静電容量が小さくなり、また出力電圧信号Qoのレベルが低くなると、可変容量ダイオード13bの静電容量が大きくなる。
ここで、加算減算回路35は、比較回路34の比較結果により今回の直流レベル信号Qi1が前回の直流レベル信号Qi0未満であることが示されていれば、つまりタグのアンテナで反射された搬送波の電磁波のレベルが小さくなっていれば、前回の加算又は減算を維持して、前回の出力電圧信号Qoから今回の出力電圧信号Qoのレベルを導出して、今回の出力電圧信号Qoのレベルを示す今回の出力レベル指示信号Qc1を生成出力する。例えば、加算減算回路35により前回加算が行われていると、前回の出力電圧信号Qoに規定レベルを加算した今回の出力電圧信号Qoのレベルを導出して、今回の出力電圧信号Qoのレベルを示す今回の出力レベル指示信号Qc1を出力する。また、加算減算回路35により前回減算が行われていると、前回の出力電圧信号Qoから規定レベルを減算した今回の出力電圧信号Qoのレベルを導出して、今回の出力電圧信号Qoのレベルを示す今回の出力レベル指示信号Qc1を出力する。
また、比較回路34の比較結果により今回の直流レベル信号Qi1が前回の直流レベル信号Qi0よりも大きいことが示されていれば、つまりタグのアンテナで反射された搬送波の電磁波のレベルが大きくなっていれば、前回の加算又は減算を切り替えて変更した上で、前回の出力電圧信号Qoから今回の出力電圧信号Qoのレベルを導出して、今回の出力電圧信号Qoのレベルを示す今回の出力レベル指示信号Qc1を生成出力する。例えば、加算減算回路35により前回加算が行われていると、加算から減算に切り替え、前回の出力電圧信号Qoから規定レベルを減算した今回の出力電圧信号Qoのレベルを導出して、今回の出力レベル指示信号Qc1を出力する。また、加算減算回路35により前回減算が行われていると、減算から加算に切り替え、前回の出力電圧信号Qoに規定レベルを加算した今回の出力電圧信号Qoのレベルを導出して、今回の出力レベル指示信号Qc1を出力する。
この結果、常に、タグのアンテナで反射された搬送波の電磁波のレベルが小さくなる様に、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoのレベルが変更されて、可変インピーダンス部13のインピーダンスが調節される。
こうしてタグのアンテナで反射された搬送波のレベルが小さくされたときには、タグのアンテナでの搬送波の吸収レベルが高くなっており、タグのアンテナで搬送波が確実に受信されている。従って、RFIDリーダライタ1とタグとの間の通信を確実に行うことが可能である。
図8のグラフには、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1と2.4GHz帯RFIDタグ2間の通信における可変インピーダンス部13に印加される出力電圧信号Qoと直流レベル信号Qi(復調出力Skの直流成分のレベル)との特性が点線Hで示されている。
この点線Hの特性から明らかな様に可変インピーダンス部13に印加される出力電圧信号Qoが規定レベルのときに、つまり可変インピーダンス部13のインピーダンスが規定値のときに、直流レベル信号Qi(復調出力Skの直流成分のレベル)が最低値となり、2.4GHz帯RFIDタグ2のアンテナ2aで反射された搬送波の電磁波のレベルが最も低くなっていることが分る。このとき、RFIDリーダライタ1とRFIDタグ2との間の通信を確実に行うことが可能になる。
ただし、実際の2.4GHz帯RFIDリーダライタ1と2.4GHz帯RFIDタグ2間の通信に際しては、RFIDタグ2のアンテナ2aの共振周波数のバラツキや可変インピーダンス部13のインピーダンスの調節誤差等を考慮しても、可変インピーダンス部13のインピーダンスを逐一調節する必要がない。このため、制御部14では、通常、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoを規定レベルに設定して固定し、可変インピーダンス部13のインピーダンスを2.4GHz帯RFIDタグ2との通信に最適な値に固定的に維持したままで、このインピーダンス調節を行わない。
また、図8のグラフには、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25間の通信における可変インピーダンス部13に印加される出力電圧信号Qoと直流レベル信号Qi(復調出力Skの直流成分のレベル)との特性が実線Iで示されている。
この実線Iの特性から明らかな様に、UHF帯RFIDタグ25との通信に際しても、
可変インピーダンス部13に印加される出力電圧信号Qoを調節することにより、つまり可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節することにより、直流レベル信号Qi(復調出力Skの直流成分のレベル)を最低値に調節することができる。このときにUHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波のレベルが最も低く、ダイポールアンテナ25aでの搬送波の吸収レベルが高くなっているので、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との間の通信を確実に行うことが可能になる。
UHF帯RFIDタグ25との通信は、図6に示す様に2.4GHz帯RFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25に近接配置された状態で、RFIDリーダライタ1のアンテナ11とUHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aが容量結合しているときに行われ、この近接配置並びに容量結合の状態が特定されない。例えば、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25の離間距離として、3cm程度が考えられるが、数mmであっても、あるいは5〜6cm程度であっても、良好な通信状態が設定されるべきである。
このため、UHF帯RFIDタグ25との通信に際しては、先に述べた様にRFIDリーダライタ1の制御部14により直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoのレベルを変更して、可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節し、図8の実線Iの特性に示す様に直流レベル信号Qi(復調出力Skの直流成分のレベル)を最低値にして、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波のレベルを最も低くし、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との間の通信が確実に行われる様にする必要がある。
そこで、本実施形態のRFIDリーダライタ1では、図8の点線H上の直流レベル信号Qiの最低値よりも高い閾値Pを予め求めて設定しておき、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値P未満のときには、2.4GHz帯RFIDタグ2との通信が行われているとみなし、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoを規定レベルに固定して、可変インピーダンス部13のインピーダンスを2.4GHz帯RFIDタグ2との通信に最適な値に維持しておき、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値Pよりも大きくなったときに、UHF帯RFIDタグ25との通信が行われているとみなし、可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節して、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との間の通信が確実に行われる様にしている。
図8のグラフから明らかな様に直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値Pよりも大きくなったときには、RFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25に近接配置され、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波が受信されていると仮定することができる。逆に、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値P未満のときには、RFIDリーダライタ1近傍にUHF帯RFIDタグ25が無く、2.4GHz帯RFIDタグ2が存在すると仮定することができる。
RFIDリーダライタ1の制御部14は、通常、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoを規定レベルに固定して、可変インピーダンス部13のインピーダンスを2.4GHz帯RFIDタグ2との通信に最適な値に維持しておき、この状態で、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiを監視しつつ、この直流レベル信号Qiが閾値Pよりも大きくなると、RFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25に近接配置されたとみなし、可変インピーダンス部13のインピーダンスの調節制御を開始して、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25間の通信が可能な状態にする。
図9(a)及び(b)は、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25の離間距離を変化させたときの直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qi及び直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoの特性を示している。尚、図9(c)は、可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節制御しなかったときの直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiの特性を比較例として示している。
この図9(a)、(b)から明らかな様に時点t0〜時点t1では、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値P未満であって、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoが規定レベルに固定されて、可変インピーダンス部13のインピーダンスが2.4GHz帯RFIDタグ2との通信に最適な値に維持されている。
時点t1〜時点t2の期間では、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25に接近しつつあり、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが上昇して行く。
時点t2〜時点t3の期間では、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25に接近配置されて、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値Pよりも大きくなることから、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoが変更されて、可変インピーダンス部13のインピーダンスが調節され、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qi(復調出力Skの直流成分)が最低値にされ保持される。このとき、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との間の通信が行われる。
仮に、この期間に可変インピーダンス部13のインピーダンスが調節されなければ、UHF帯RFIDタグ25のアンテナ25aで反射される搬送波のレベルが高くなって、図9(c)に示す様に直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが高くなる。この状態では、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との間の通信が不可能である。
時点t3以降の期間では、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25から離間しつつあり、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが一旦上昇して下降して行き、直流レベル信号Qiが閾値P未満になると、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoが規定レベルに固定されて、可変インピーダンス部13のインピーダンスが2.4GHz帯RFIDタグ2との通信に最適な値に調節される。
次に、図10のフローチャートを参照しつつ、RFIDリーダライタ1の制御部14による可変インピーダンス部13のインピーダンスの制御過程を説明する。
RFIDリーダライタ1の制御部14では、通常、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値P未満となっており、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoが規定レベルに固定されて、可変インピーダンス部13のインピーダンスが2.4GHz帯RFIDタグ2との通信に最適な値に維持されている。
また、UHF帯RFIDタグ25との通信開始のときには、ユーザによりRFIDリーダライタ1のアンテナ11がUHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aに近接配置される。このため、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波のレベルが高くなって、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値Pを超える。
直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値Pよりも大きくなると、加算減算回路35の出力レベル指示信号Qcが初期設定されて(ステップS101)、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoも初期設定される(ステップS102)。
更に、フラッグflagが加算を指示する「+1」に初期設定される(ステップS103)。このフラッグflagは、加算減算回路35による加算及び減算の一方を指示するためのものである。
また、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが遅延回路33及び比較回路34に取り込まれる(ステップS104)。
こうして初期設定が行われた後に、ステップS105〜S111の処理が繰り返されて、可変インピーダンス部13のインピーダンスが調節されて行く。このステップS105〜S111の処理の開始当初は、出力レベル指示信号Qcの初期値、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoの初期値、及び直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiの初期値に応じて過渡的な制御状態になるが、次の様な制御状態に直ちに移行する。
すなわち、遅延回路33は、直流レベル信号Qiを一定時間遅延させてから比較回路34に加える。これにより、比較回路34には今回検出された直流レベル信号Qi1と前回検出された直流レベル信号Qi0が加えられる。比較回路34は、今回検出された直流レベル信号Qi1と前回検出された直流レベル信号Qi0を比較し、この比較結果を加算減算回路35に加える。また、遅延回路36は、加算減算回路35の出力レベル指示信号Qcを一定時間遅延させてから該加算減算回路35に加える。これにより、加算減算回路35には前回の出力レベル指示信号Qc0が加えられる(ステップS105)。
加算減算回路35は、フラッグflagが加算を指示する「+1」であることから、前回の出力レベル指示信号Qc0によって示される出力電圧信号Qoに一定レベルαを加算して、出力電圧信号Qoを更新し、この更新された出力電圧信号Qoのレベルを示す今回の出力レベル指示信号Qc1を直流電圧出力回路37に加える(ステップS106)。
直流電圧出力回路37は、今回の出力レベル指示信号Qc1によって示される出力電圧信号Qoを可変インピーダンス部13の可変容量ダイオード13bに印加して、可変容量ダイオード13bの静電容量を小さくし、可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節する(ステップS107)。
これにより、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波のレベルが変化し、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが変化する。
この後、比較回路34は、今回検出された直流レベル信号Qi1を直流電圧検出回路32から取り込む(ステップS108)。
そして、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値P未満となっていなければ(ステップS109で「No」)、つまりRFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25から離間されていなければ、比較回路34により今回検出された直流レベル信号Qi1と前回検出された直流レベル信号Qi0とが比較される(ステップS110)。
このとき、今回検出された直流レベル信号Qi1が前回検出された直流レベル信号Qi0未満であるという比較結果であれば(ステップS110で「Qi1<Qi0」)、フラッグflagが「+1」に維持されたままで、ステップS105からの処理に戻り、前回の直流レベル信号Qi0が更新され、また出力電圧信号Qoに一定レベルαが再び加算され、この更新された出力電圧信号Qoが可変インピーダンス部13の可変容量ダイオード13bに印加されて、可変容量ダイオード13bの静電容量が小さくなり、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが変化して、この直流レベル信号Qi1が取り込まれる。
従って、今回検出された直流レベル信号Qi1が前回検出された直流レベル信号Qi0未満であって、今回検出された直流レベル信号Qi1がより小さくなっている限りは、フラッグflagが「+1」に維持されて、出力電圧信号Qoに一定レベルαが繰り返し加算され、出力電圧信号Qoが徐々に増大され、この出力電圧信号Qoが可変容量ダイオード13bに印加されて、その静電容量が徐々に小さくされ、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが変化して行く。
また、今回検出された直流レベル信号Qi1が前回検出された直流レベル信号Qi0よりも大きいという比較結果であれば(ステップS110で「Qi1<Qi0」)、フラッグflagが「−1」に切り替えられて(ステップS111)、ステップS105からの処理に戻る。
この場合も、比較回路34による今回検出された直流レベル信号Qi1と前回検出された直流レベル信号Qi0との比較結果が加算減算回路35に加えられ、かつ前回の出力レベル指示信号Qc0が加算減算回路35に加えられるが(ステップS105)、加算減算回路35は、フラッグflagが減算を指示する「−1」であることから、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoから一定レベルαを減算して、この更新した出力電圧信号Qoのレベルを示す出力レベル指示信号Qcを直流電圧出力回路37に加える(ステップS106)。
直流電圧出力回路37は、出力電圧信号Qoを可変インピーダンス部13の可変容量ダイオード13bに印加して、可変容量ダイオード13bの静電容量を大きくし、可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節する(ステップS107)。
これにより、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波のレベルが変化し、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが変化する。
この後、比較回路34は、今回検出された直流レベル信号Qi1を直流電圧検出回路32から取り込む(ステップS108)。
更に、今回検出された直流レベル信号Qi1が前回検出された直流レベル信号Qi0よりも小さいという比較結果であれば(ステップS110で「Qi1<Qi0」)、フラッグflagが「−1」に維持されたままで、ステップS105からの処理に戻り、前回の直流レベル信号Qi0が更新され、また出力電圧信号Qoから一定レベルαが再び減算され、この更新された出力電圧信号Qoが可変インピーダンス部13の可変容量ダイオード13bに印加されて、可変容量ダイオード13bの静電容量が大きくなり、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが変化して、この直流レベル信号Qi1が取り込まれる。
従って、今回検出された直流レベル信号Qi1がより小さくなっている限りは、フラッグflagが「−1」に維持されて、出力電圧信号Qoから一定レベルαが繰り返し減算されて、出力電圧信号Qoが徐々に減少し、この出力電圧信号Qoが可変容量ダイオード13bに印加されて、その静電容量が徐々に大きくされ、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが逐次変化する。
この様に今回検出された直流レベル信号Qi1がより小さくなる限りは、出力電圧信号Qoが一定レベルαずつ大きくなるか又は小さくなる。また、今回検出された直流レベル信号Qi1がより大きくなったときには、出力電圧信号Qoに対する一定レベルαの加算及び減算が切り替えられて、直流レベル信号Qiがより小さくなる様にされる。従って、今回検出された直流レベル信号Qi1が最も小さくなるまで、出力電圧信号Qoが徐々に変更されて、可変容量ダイオード13bの静電容量が調節される。
そして、今回検出された直流レベル信号Qi1が最も小さくなったときに、出力電圧信号Qoの更新が停止されて、出力電圧信号Qoのレベルが維持され、可変容量ダイオード13bの静電容量が一定容量に維持される。これにより、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波レベルが最も低くなり、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との間の通信が確実に行われる状態が維持される。
尚、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qi1が最も小さくなる様に出力電圧信号Qoのレベルが維持されている状態で、直流レベル信号Qiが更に低下して閾値P未満になると(ステップS109で「Yes」)、RFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25から離間したとみなされて、図10の制御過程が終了する。また、直流レベル信号Qi1が変化しても閾値Pを超えていれば、図10の制御過程がステップS110から再開される。
次に、図11のフローチャートを参照しつつ、可変インピーダンス部13のインピーダンスの制御過程の変形例を説明する。尚、図11において、図10と同様の作用を果たすステップには同じ符号を付す。
この制御過程では、可変容量ダイオード13bの静電容量の調節時間を短縮するために、調節の開始当初は出力電圧信号Qoの更新幅を大きくして、静電容量の調節を大まかに行い、調節が進む程、出力電圧信号Qoの更新幅を小さくして、静電容量の調節を細やかに行っている。このために、図11においては、図10のステップS103の代わりに、ステップS103Aを挿入し、かつステップS112を追加している。
さて、RFIDリーダライタ1のアンテナ11がUHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aに近接配置されて、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波のレベルが高くなり、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値Pよりも大きくなると、加算減算回路35の出力レベル指示信号Qc及び直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoが初期設定される(ステップS101、S102)。
また、フラッグflagが加算を指示する「+100」に初期設定される(ステップS103)。このフラッグflag「+100」は、図10の制御過程におけるフラッグflag「+1」のときの一定レベルαよりも100倍大きい更新レベル(100×α)で直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiを変更することを示している。
また、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが遅延回路33及び比較回路34に取り込まれる(ステップS104)。
こうして初期設定が行われた後に、ステップS105〜S112の処理が繰り返されて、次の様な制御状態となる。
比較回路34は、今回検出された直流レベル信号Qi1と前回検出された直流レベル信号Qi0を比較し、この比較結果を加算減算回路35に加える。また、加算減算回路35には前回の出力レベル指示信号Qc0が加えられる(ステップS105)。
加算減算回路35は、フラッグflagが加算を指示する「+100」であることから、直流電圧出力回路37の出力電圧信号Qoに更新レベル(100×α)を加算して、出力電圧信号Qoを大幅に更新し、この更新された出力電圧信号Qoのレベルを示す今回の出力レベル指示信号Qc1を直流電圧出力回路37に加える(ステップS106)。
直流電圧出力回路37は、今回の出力レベル指示信号Qc1によって示される出力電圧信号Qoを可変インピーダンス部13の可変容量ダイオード13bに印加して、可変容量ダイオード13bの静電容量を大幅に小さくし、可変インピーダンス部13のインピーダンスを大幅に調節する(ステップS107)。
これにより、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波のレベルが変化し、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが変化する。
この後、比較回路34は、今回検出された直流レベル信号Qi1を直流電圧検出回路32から取り込む(ステップS108)。
そして、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値P未満となっていなければ(ステップS109で「No」)、比較回路34により今回検出された直流レベル信号Qi1と前回検出された直流レベル信号Qi0とが比較される(ステップS110)。
このとき、今回検出された直流レベル信号Qi1が前回検出された直流レベル信号Qi0未満であるという比較結果であれば(ステップS110で「Qi1<Qi0」)、フラッグflag「+100」が1/2の「+50」に更新され、つまり出力電圧信号Qoの更新レベルが(100×α)から1/2の(50×α)に更新され(ステップS112)、この後にステップS105からの処理に戻り、前回の直流レベル信号Qi0が更新され、また出力電圧信号Qoに更新レベル(50×α)が加算され、この更新された出力電圧信号Qoが可変インピーダンス部13の可変容量ダイオード13bに印加されて、可変容量ダイオード13bの静電容量が小さくなり、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが変化して、この直流レベル信号Qi1が取り込まれる。
以降同様に、今回検出された直流レベル信号Qi1が前回検出された直流レベル信号Qi0未満であって、今回検出された直流レベル信号Qi1がより小さくなっている限りは、その度に出力電圧信号Qoの更新レベルが1/2にされて、この1/2にされた更新レベルが出力電圧信号Qoに加算される。これにより、出力電圧信号Qoの更新幅が最初は大きく徐々に小さくなって行き、これに伴って可変容量ダイオード13bの静電容量も最初は大幅に変更されて徐々に小幅に変更され、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが速やかに低下して行く。
また、今回検出された直流レベル信号Qi1が前回検出された直流レベル信号Qi0よりも大きいという比較結果であれば(ステップS110で「Qi1<Qi0」)、加算減算回路35がフラッグflagの正負を切り替え変更して(ステップS111)、ステップS105からの処理に戻る。
この場合も、今回検出された直流レベル信号Qi1が前回検出された直流レベル信号Qi0未満であって、今回検出された直流レベル信号Qi1がより小さくなっている限りは、その度に出力電圧信号Qoの更新レベルが1/2にされて、この1/2にされた更新レベルが出力電圧信号Qoから減算され、出力電圧信号Qoの更新幅が最初は大きく徐々に小さくなって行き、これに伴って可変容量ダイオード13bの静電容量も最初だけ大幅に変更されて徐々に小幅に変更され、受信回路23の復調出力Skの直流成分のレベルが速やかに低下して行く。
これにより、今回検出された直流レベル信号Qi1が最も小さくなるまで、出力電圧信号Qoが速やかに変更されて、可変容量ダイオード13bの静電容量も速やかに調節される。
そして、今回検出された直流レベル信号Qi1が最も小さくなったときに、出力電圧信号Qoの更新が停止されて、出力電圧信号Qoのレベルが維持され、可変容量ダイオード13bの静電容量が一定容量に維持される。これにより、UHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aで反射された搬送波の電磁波のレベルが最も低くなり、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との間の通信が確実に行われる状態が維持される。
尚、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qi1が最も小さくなる様に出力電圧信号Qoのレベルが維持されている状態で、直流レベル信号Qiが更に低下して閾値P未満になると(ステップS109で「Yes」)、RFIDリーダライタ1がUHF帯RFIDタグ25から離間したとみなされて、図11の制御過程が終了する。また、直流レベル信号Qi1が変化しても閾値Pを超えていれば、図11の制御過程がステップS110から再開される。
この様に本実施形態では、通常、可変インピーダンス部13のインピーダンスを2.4GHz帯RFIDタグ2との通信に最適な値に維持しておき、RFIDリーダライタ1のアンテナ11がUHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aに近接配置されて、直流電圧検出回路32の直流レベル信号Qiが閾値Pよりも大きくなると、可変インピーダンス部13のインピーダンスを調節して、RFIDリーダライタ1のアンテナ11とUHF帯RFIDタグ25のダイポールアンテナ25aを容量結合させ、RFIDリーダライタ1とUHF帯RFIDタグ25との間の通信を可能にしている。
従って、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1でありながら、2.4GHz帯RFIDタグ2及びUHF帯RFIDタグ25のいずれとも通信が可能である。
しかも、この2.4GHz帯RFIDリーダライタ1は、UHF帯RFIDリーダライタの様に水晶発信器、SAWフィルタ、誘電体フィルタ等の高価な部品を必要とせず、安価な部品で構成することができ、小型化や低コスト化が可能であって、一般ユーザへの普及を期待することができる。例えば、RFIDリーダライタ1を5mm〜10mm四方のチップに集積化することが可能であり、携帯電話機等へのモバイル機器への搭載も可能である。この場合は、モバイル機器のアンテナをRFIDリーダライタ1のアンテナ11として用いても構わない。
また、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1を2.4GHz帯の通信機能を有する電子棚札に搭載することも可能である。この場合は、商品にUHF帯RFIDタグ25を貼り付けておき、電子棚札に搭載のRFIDリーダライタ1に商品のUHF帯RFIDタグ25を接近させて、電子棚札のRFIDリーダライタ1により商品のUHF帯RFIDタグ25に対する情報の読み書きを行うことができる。例えば、顧客が不用意に商品を別の棚に移動させてしまったときに、電子棚札のRFIDリーダライタ1によりその商品のUHF帯RFIDタグ25から情報を読み出して、この情報に基づいて商品を元の棚に戻すことができる。
あるいは、多数の電子棚札を使用する場合は、これらの電子棚札の識別や配置等の管理が容易ではない。そこで、電子棚札にUHF帯RFIDタグ25を搭載し、またハンディターミナルを別途用意して、このハンディターミナルに2.4GHz帯RFIDリーダライタ1を搭載しておき、ハンディターミナルのRFIDリーダライタ1により電子棚札のUHF帯RFIDタグ25から情報を読み出して、この情報を電子棚札の管理に役立てる。
また、UHF帯RFIDタグの生産工程で、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1をタグの検査に使用することができる。特に、海外の生産工場等においては、950MHz付近のUHF帯が他の通信システムに割り当てられて、UHF帯を使用することができないことがある。この様な状況で、2.4GHz帯RFIDリーダライタ1をUHF帯RFIDタグに近接配置して、RFIDリーダライタ1によりUHF帯RFIDタグに対する情報の読み書きを行えば、UHF帯の他の通信システムに影響を与えることなく、UHF帯RFIDタグを検査することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、RFIDリーダライタ、RFIDタグのアンテナとして、ダイポールアンテナを例示しているが、図12に示す様なメアンダアンテナ41、あるいは他の種類のアンテナを適用しても構わない。
また、可変インピーダンス部13としては、コイル13aと可変容量ダイオード13bの直列回路だけではなく、図13(a)〜(h)に示す様なコンデンサ13c、コイル13d等を組み合わせた回路、図13(i)に示す様なコイル13aとスイッチ13eを組み合わせた回路、図13(j)に示す様なコイル13aと高周波用PINダイオード13fを組み合わせた回路等を適用することができる。あるいは、周知の可変インダクタンス素子を用いても構わない。更に、可変容量ダイオードや可変インダクタンス素子を組み合わせて用いても良い。
更に、上記実施形態では、2.4GHz帯RFIDリーダライタ、2.4GHz帯RFIDタグ、UHF帯RFIDタグを例示しているが、他の種類の通信装置、通信システム、通信方法であっても、本発明を適用することができる。
本発明の通信装置の一実施形態である2.4GHz帯RFIDリーダライタを示すブロック図である。 (a)、(b)、及び(c)は、図1のRFIDリーダライタにおける送信回路に入力出力される情報信号、搬送波信号、及び送信信号を示す波形図である。 図1のRFIDリーダライタにおける受信回路の構成を示すブロック図である。 図1のRFIDリーダライタと通信するRFIDタグの検波器の構成を示すブロック図である。 図1のRFIDリーダライタと通信するRFIDタグの応答回路の構成を示すブロック図である。 図1のRFIDリーダライタに対してUHF帯RFIDタグを近接配置した状態を概念的に示す図である。 図1のRFIDリーダライタにおける制御部の構成を示すブロック図である。 図1のRFIDリーダライタにおける可変インピーダンス部に印加される出力電圧信号Qoと復調出力Skの直流成分レベルの特性を示すグラフである。 (a)〜(c)は、RFIDリーダライタにおける可変インピーダンス部に印加される出力電圧信号Qo及び復調出力Skの直流成分レベルの変化を示すタイミングチャートである。 図1のRFIDリーダライタにおける可変インピーダンス部のインピーダンスの制御過程を示すフローチャートである。 図1のRFIDリーダライタにおける可変インピーダンス部のインピーダンスの制御過程の変形例を示すフローチャートである。 図1のRFIDリーダライタに適用可能なメアンダアンテナを例示する図である。 (a)〜(h)は、図1のRFIDリーダライタにおける可変インピーダンス部の変形例を示す図である。 (a)、(b)は、図1のRFIDリーダライタにおける可変インピーダンス部の他の変形例を示す図である。
符号の説明
1 2.4GHz帯RFIDリーダライタ
2 2.4GHz帯RFIDタグ
11 アンテナ
12 送受信機
13 可変インピーダンス部
14 制御部
21 局部発振器
22 送信回路
23 受信回路
24 方向性結合器
25 UHF帯RFIDタグ
31 ローパスフィルタ
32 直流電圧検出回路
33 遅延回路
34 比較回路
35 加算減算回路
36 遅延回路
37 直流電圧出力回路

Claims (2)

  1. 外部装置に対して搬送波を送信すると共に、外部装置で反射された該搬送波を受信して、信号の送受信を行う通信装置において、
    搬送波送受用のアンテナ手段と、
    前記アンテナ手段を介して搬送波を送受信する送受信手段と、
    前記アンテナ手段と前記送受信手段間に挿入された可変インピーダンス手段と、
    前記送受信手段で受信された搬送波の受信レベルを検出し、前記検出した搬送波の受信レベルが最も低くなる様に前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御する制御手段とを備えることを特徴とする通信装置。
  2. 前記制御手段は、前記搬送波を用いて、該搬送波の周波数とは異なる他の搬送波の周波数を用いる外部装置と通信するときに、前記検出した搬送波の受信レベルが最も低くなる様に前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調節制御することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
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