JP5222296B2 - 磁性流体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ある液体に分散した磁性粒子を含む磁性流体組成物とその磁性流体組成物の製造方法とその利用に関する。
磁性流体組成物(略語:MRF)は、一般的には磁場の作用でその流動学的性質が変化する配合物をさす。これらは、一般には、ある液体中に入れられた強磁性、超常磁性または常磁性粒子の懸濁液である。
このような懸濁液が磁場に暴露されると、その流動抵抗が増加する。これは、磁気的な相互作用のために、分散した磁性粒子、例えば鉄粒子が、磁線に沿って鎖状構造を形成するという事実により引起されている。MRFに剪断応力をかけると、これらの構造が部分的に破壊されるが、再び形成される。磁場中の磁性流体組成物の流動学的性質は、流動限界を持つ塑性材料の性質に類似しており、したがってこの磁性流体組成物を流動させるには、最小の剪断応力をかける必要がある。
磁性流体組成物を緩衝材やクラッチ、ブレーキや、これ以外の装置(例えば、触覚(ハプティック)装置や、衝撃吸収装置、ステア−バイ−ワイヤ式操舵装置、ギア−及びブレーキ−バイ−ワイヤ式装置、人工補装器、及びベアリング)などの制御装置に使用するには、大きな伝達性の剪断応力が必要となる。
既知の磁気粘性液体の用途が、例えば特許文献1や特許文献2、特許文献3に記載されている。
当業者には既知の先行技術による配合物は、アルカンやアルケン、ポリ−α−オレフィン(PAO)などの炭化水素、またはエステル、ポリエステル、シリコーン油、ポリアルキレングリコールまたは水を基本液として用いている。大きさが1〜30μmのカルボニル鉄粉末−球状鉄粒子が、磁気成分としてよく用いられるが、他の合金の粒子(特許文献4)または不規則な形状の粒子(特許文献5または特許文献6)も記載されている。
磁性流体組成物が使用に適するには、用いる磁性粒子が液体中で沈降しにくいことが必要となる。沈降物が発生する場合、磁性流体組成物が用いられる装置の機能に悪影響を及ぼさないように、この沈降物を容易に攪拌できる、即ち容易に最分散できることが必要となる。適当な分散剤を用いることで、再分散不可能な凝集物や堅い沈降物の形成を、部分的にまたは完全に防止することができる。ポリマーまたは界面活性剤が、原則としてこの目的に使用される。特許文献7は、コロイド安定性を改善するための磁性粒子分散剤としてチオリン化合物及び/又はチオカルバメート化合物の使用について述べている。特許文献8は、分散剤としての、オレエート、ナフテネート、スルホネート、ホスフェートエステル、ラウレート、ステアレートの使用を、例えばリチウムヒドロキシステアレート、ステアリン酸、グリセリルモノオレエート、脂肪アルコールの利用について述べている。特許文献9は、エトキシ化アルキルアミン、例えば牛脂系アミンエトキシレートが、好ましい界面活性剤であると述べている。特許文献10は、エトキシ化アルキルアミンやプロポキシ化アルキルアミンについて述べている。
また、既知の磁性流体組成物は、一般的には、流動限界を定めかくして粒子の沈降を防止する揺変剤を含んでいる。このような添加物により、沈降物の堅さが小さくなり、沈降した粒子の再分散が容易となる。先行技術では、疎水的に変性されたスメクタイト型シリカゲル、特にベントナイトの主成分であるモンモリロナイト型シリカゲルのシート状シリケート(特許文献11)、または分散シリカ(特許文献12)が無極性液体中で使用されている。このための炭素粒子の利用(特許文献13)やポリウレアの利用(特許文献14)も知られている。
水系の磁性流体組成物が特許文献15に記載されてあり、これらは、ベントナイト型またはヘクトライト型の親水性シート状シリケートを含んでいる。この目的での使用には、ヘクトライトに似た合成シート状シリケートのラポナイトも好ましい。
磁性流体組成物の伝達性剪断応力は、磁性粒子の重量が増えると増加する。いずれの用途においても、磁性粒子の使用量(重量)が90%以上であることが極めて望ましい。使用重量を最大とし、かくしてある特定分野での伝達性剪断応力を最大とするには、粒度の精密な調整が望ましく、また可能なら異なる大きさの粒子径の使用が望ましい(特許文献16)。特許文献17は、磁場中での伝達性剪断応力の無磁場での伝達性剪断応力に対する比率を最大とするための大鉄粒子と小鉄粒子からなる混合物に関するものである。しかしながら、いずれの場合も、磁性粒子の細密充填と粒子の添加量の増大に伴う固有粘度または剪断応力の上昇が制限因子となる。したがって、US特許出願である特許文献18は、特殊な幾何構造の磁性粒子を多く含む磁性流体組成物について述べている。これらの薄板状、針状、円柱状または卵状の粒子は、磁場の非影響下で液体の流動方向に整列し、このため、例えば球状の粒子を含む磁性流体組成物に比較して、磁場内でほぼ同じ最大の剪断応力を保持しながら、より低い固有粘度を示す。
達成可能な剪断応力を最大とするための他の方法は、粒子表面上にある問題を引起す不純物を除去すること(特許文献19や特許文献20)や特定の合金を使用すること(特許文献21)である。
US5,547,049 EP1016806B1 EP1025373B1 WO94/10691 WO04/044931 US2004/140447 US5,683,615 US2004/0084651 US2002/0130305 US2003/0047705 WO01/03150A1 US5,667,715 US5,354,488 DE19654461A1 US6,132,633 WO97/15058 US5,667,715 US2006/0033068 WO94/10694 WO95/28719 WO94/10691
磁性流体組成物中に存在する液体の極性が、磁場内で磁性流体組成物により達成可能な剪断応力に影響を与える役割を持つことは、当業者にはよく知られている。したがって、ポリ−α−オレフィン系の磁性流体組成物は、シリコーン系のMR配合物よりあるいは水系のシステムよりも低い剪断応力を示す。磁性流体組成物の液体成分に高極性の添加物を添加すると、剪断応力が改善される。
しかしながら、従来の磁性流体組成物に含まれる高極性液体、例えば水やポリアルキレングリコールは、過度に高粘性をまたは−20℃未満の低温で凝固を示し、したがって、磁場中での伝達性剪断応力の無磁場での伝達性剪断応力に対する比率の高い好適な磁性流体組成物とはならない。
もう一つの未解決の問題は、磁性流体組成物中に存在する液体の熱安定性が低いことある。したがって、低温では低粘度で、このため例えば自動車分野に使用可能であるいろいろな既知の磁性流体組成物は、最高100℃の温度まで比較的長期間安定となるがが、最高150℃の高温では、蒸発減量や磁性流体組成物中に存在する液体の化学変化のため十分安定とはならない。なお、「安定」とは、熱負荷の結果として性能特徴が低下しないことをいうものとする。この性能特徴は、まず、流動学的性質、即ち無磁場での流動挙動と磁場の影響下での流動性である。第二に、これらの配合物は、比較的長期間熱負荷に曝された後であっても、例えば特に分散剤の機能の部分的または完全な損失による不安定性または不均一性を、例えば再分散が不可能な堅い沈降物の形成を伴う凝集やひどい沈降を示してはならない。磁性流体組成物に存在する低温で低粘度の液体は、150℃を超える温度では過剰に大きな蒸気圧を持つことが多い。高使用温度での液体成分の蒸発と、その結果としての磁性流体組成物の増粘が起こる。磁性流体組成物の寿命に悪影響を与えることなく170℃を超える高使用温度に曝すことの可能な液体を含む既知の磁性流体組成物は、粘度が高すぎて、磁場をかけなくても−20℃未満の温度で無定形状に固化するか結晶化する。
従来の磁性流体組成物の欠点は、これらが、しばしばそれぞれの利用分野に望ましい一連の性質を有していないことである。多くの用途においては、これらの配合物の個々の成分(例えば、基本液や、粘度調整剤、磁性粒子、分散剤、増粘剤、腐食防止剤、潤滑剤等)を、磁性粒子が高体積分率となっても配合物の利用が保証されるように相互に調整することが必要である。これは、広い温度範囲で、例えば−40℃〜200℃にわたっての配合物の流動性であること、無磁場でもできる限り低粘性であること、磁場中で伝達性剪断応力ができる限り高いこと、磁性粒子の沈降がほとんどないこと、凝集がほとんどないこと、沈降後の再分散性が容易であることを意味するものとする。もう一つの重要な性質は、使用の結果として起こるエネルギー入力に対して磁性流体組成物が高い安定性を示すことである。このエネルギーは、磁場下や無磁場下における強い剪断によりもたらされ、高い流体温度、摩耗、物理化学的な流体変化として表れる。
したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、一定の用途に望ましい上述の性質をできる限り多くもつ磁性流体組成物を提供することである。
特に、この磁性流体組成物は、広い温度範囲で使用可能である必要がある;例えば、ある特別な例では、これは、−40℃で液体であり、使い勝手に悪影響を与えることなく150℃を超える温度に暴露可能である必要がある。また、特に本発明の目的は、磁性粒子が沈降しても問題なく最分散可能な磁性流体組成物であり、これにより磁場を印加することでできる限りの大きな剪断応力が伝達可能なものを提供することである。また、大きな機械的な応力の後では、磁場中でも磁場外でも磁性流体組成物の流動学的性質の変化ができる限り小さいことが必要である。
本目的は、本発明に係る、アニオンとカチオンと、平均径が0.1〜500μmの分散した磁性粒子と、適当なら添加物とを含むイオン性液体を含む磁性流体組成物により達成される。
この分散粒子は、イオン性液体のみ(100重量%)からなる液体に分散してもよいし、またイオン性液体に加えて他の成分を、例えば添加物を含む液体にも分散してもよい。磁性流体組成物の総重量に対する添加物の重量割合に対して、磁性流体組成物の総重量に対するイオン性液体の重量割合の比は、好ましくは1より大きく、特に好ましくは2より大きい。イオン性液体と磁性粒子以外の磁性流体組成物中の全成分が、添加物とよばれる。
イオン性液体を基礎とする本発明の配合物は、まったく新規な組成を持つ液体であり、先行技術から知られている磁性流体組成物に含まれる液体とは対照的に、炭化水素、エステル、ポリエーテル、ポリエステル、シリコーン油または水を実質的に含んでいない。
本発明の磁性流体組成物は、磁場に曝されると非常に高い剪断応力を示す。ほぼ同じ剪断応力を持つ従来の磁性流体組成物と比較すると、低レベルの添加(体積当たりの磁性粒子の数が少ない)により本発明の磁性流体組成物を得ることができる。これは、この磁性流体組成物が無磁場で低粘度であることを意味する。また、磁場中での剪断応力の温度依存性は、疎水性油系の磁性流体組成物より実質的に小さい。本発明の磁性流体組成物の特別なものは、−40℃でも流動性を示し、同時に180℃を超える温度で化学的に安定であり非常に小さな蒸発減量を示す。イオン性液体はその極性のため、親水性表面を持つ磁性粒子、例えば鉄粒子を分散する際に、表面活性添加剤または分散剤とともに分散可能であり、このようにして、例えば長期的または永続的な応力の印加後に磁性流体組成物に起こりうる、また例えば分散剤の変化によって起こりうる物理化学的変化を防止することができる。したがって、磁場内外でのイオン性液体系の磁性流体組成物の伝達性剪断応力は、連続的な負荷試験後でも実質的に変わらないが、例えばポリ−α−オレフィン系の磁性流体組成物は、剪断応力の変化を経験することとなる。
本発明のイオン性液体は、好ましくは100℃未満の温度で液体である液体塩である。
本発明に示されるイオン性液体は、好ましくは、以下のものである。
(A)一般式(I)の塩
Figure 0005222296
(式中、nは1、2、3、または4であり、[A]+は、4級アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、またはホスホニウムカチオンであり、[Y]n-は、一価、二基、三価、または四価のアニオンである);
(B)一般式(II)の混合塩
Figure 0005222296
(式中、[A1+と[A2+と[A3+と[A4+は、相互に独立して、上記[A]+基から選ばれ、[Y]n-は、(A)において述べた意味を有する);または
(C)一般式(III)の混合塩
Figure 0005222296
(式中、[A1+と[A2+と[A3+は、相互に独立して、上記[A]+基から選ばれ;[Y]n-は、(A)で述べた意味を有し;[M1+と[M2+と[M3+は、一価の金属カチオンであり;[M42+は、二基の金属カチオンであり;[M53+は、三価の金属カチオンである。)
好ましくは、このイオン性液体は、180℃未満の融点を持つ。また、この融点は好ましくは150℃未満、より好ましくは120℃未満、さらにより好ましくは100℃未満である。
イオン性液体のカチオン[A]+の形成に好適な化合物が、例えばDE10202838A1に開示されている。したがって、このような化合物は、酸素、リン、硫黄または特に窒素原子を含んでいてもよく、例えば少なくとも一個の窒素原子、好ましくは1〜10個の窒素原子、特に好ましくは1〜5個、極めて好ましくは1〜3個、特に1〜2個の窒素原子を含んでいてもよい。適当なら、他のヘテロ原子、例えば酸素、硫黄または燐原子が存在していてもよい。この窒素原子は、好ましいイオン性液体カチオン中の正電荷担体であり、平衡においてここからプロトンまたはアルキル基がアニオンに供与され、電気的に中性の分子を形成する。
この窒素原子がイオン性液体カチオン中の正電荷担体である場合は、イオン性液体の合成に当たり、カチオンが、まず、窒素原子の、例えばアミンまたは窒素複素環の四級化により生産される。この四級化を、窒素原子のアルキル化により行ってもよい。用いるアルキル化剤によっては、異なるアニオンを持つ塩が得られる。四級化のみで所望のアニオンが形成できない場合は、これを他の合成工程で行ってもよい。例えばアンモニウムハライドから出発し、このハライドをルイス酸と反応させて、このハライドとルイス酸からアニオンを形成してもよい。あるいは、ハライドイオンを他の所望のアニオンに交換してもよい。これは、イオン交換体を用いて金属塩を添加し、得られるハロゲン化金属を沈殿させて行うこともできるし、ハライドイオンを強酸で置換(ハロ酸の遊離を伴う)して行うこともできる。好適なプロセスが、例えば、Angew.Chem.2000,112、p.3926−3945やその中に引用されている文献に記載されている。
アミンや窒素複素環中の窒素原子を四級化するのに好適なアルキル基は、例えばC1〜C18−アルキルであり、好ましくはC1〜C10−アルキル基、特に好ましくはC1〜C6−アルキル基、極めて好ましくはメチル基である。このアルキル基は、無置換であってもよく、一個以上の同一または異なる置換基を有していてもよい。
好ましい化合物としては、少なくとも一種の窒素原子と適当なら酸素または硫黄原子を持つ少なくとも一種の五〜六員環の複素環、特に五員環複素環があげられる。特に好ましい化合物は、一個、二個、または三個の窒素原子と一個の硫黄または一個の酸素原子を持つ少なくとも一種の五〜六員環の複素環であり、極めて好ましいのは二個の窒素原子をもつものである。芳香族複素環がさらに好ましい。
特に好ましい化合物は、分子量が1000g/mol未満のものであり、極めて好ましくは500g/mol未満、特に250g/mol未満のものである。
また、好ましいカチオンは、式(IVa)〜(IVw)の化合物から選択されるもの:
Figure 0005222296
Figure 0005222296
Figure 0005222296
Figure 0005222296
および、これらの構造を含むオリゴマーである。
他の好適なカチオンは、一般式(IVx)と(IVy)の化合物:
Figure 0005222296
および、これらの構造を含むオリゴマーである。
上記の式(IVa)〜(IVy)中、
・基Rは、水素、炭素含有の有機、飽和又は不飽和、非環式または環式の脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この基は、非置換であっても置換されていてもよく、1〜5個のヘテロ原子または官能基により中断されていてもよく、1〜20個の炭素原子を有し;
・基R1〜R9は、相互に独立して、水素、スルホ基、または炭素含有の有機、飽和又は不飽和、非環式または環式脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この基は、非置換であっても置換されていてもよく、1〜5個のヘテロ原子または官能基が挿入されていてもよく、1〜20個の炭素原子を有し、上記式(IV)中で炭素原子に結合した(ヘテロ原子に結合していない)基R1〜R9が、さらにハロゲンまたは官能基であってもよく;または
1〜R9のうち二つの隣接する基は、一緒になって、二基の炭素を含有する有機飽和又は不飽和、非環式または環式脂肪族、芳香族または芳香脂肪族基であり、この基は、非置換であっても置換されていてもよく、1〜5個のヘテロ原子または官能基が挿入されていてもよく、1〜20個の炭素原子を有しているものである。
基RとR1〜R9の定義において、好適なヘテロ原子は、原則として、−CH2−、−CH=、−C=、または=C=基に、確実に置換可能なすべてのヘテロ原子である。上記炭素含有基がヘテロ原子を含む場合、酸素、窒素、硫黄、リン、およびケイ素が好ましい。特に、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR’−、−N=、−PR’−、−PR’2、および−SiR’2−が好ましい基としてあげられ、基R1は炭素含有の基の残りの部分である。上記式(IV)中においてこれらの基が炭素原子に結合(ヘテロ原子には非結合)している場合、基R1〜R9は、ヘテロ原子を経由して直接結合していてもよい。
好適な官能基は、原則として炭素原子またはヘテロ原子に結合可能なすべての官能基である。−OH(ヒドロキシル)、=O(特にカルボニル基として)、−NH2(アミノ)、=NH(イミノ)、−COOH(カルボキシル)、−CONH2(カルボキサミド)、−SO3H(スルホ)、及び−CN(シアノ)が、好適な例としてあげられる。官能基とヘテロ原子とは、直接隣接していてもよく、したがって複数の隣接する原子の組合せ、例えば、−O−(エーテル)、−S−(チオエーテル)、−COO-(エステル)、−CONH−(第二級のアミド)、または−CONR1−(第三級のアミド)も含まれ、具体例としては、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、C1〜C4−アルキルオキシカルボニルまたはC1〜C4−アルキルオキシがあげられる。
フッ素と塩素、臭素、ヨウ素がハロゲンとしてあげられる。
基Rは、好ましくは以下のものである。
・無置換の、またはヒドロキシル、ハロゲン、フェニル、シアノ、C1〜C6−アルコキシカルボニル及び/又はスルホ基のうちの一つ以上で置換された、全体として1〜20個の炭素原子を含む直鎖または分岐状のC1〜C18−アルキル、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、ベンジル、3−フェニルプロピル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル、ノナ−フルオロイソブチル、ウンデシルフルオロペンチル、ウンデシルフルオロイソペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、およびプロピルスルホン酸;
・グリコール、ブチレングリコール、およびこれらの1〜100単位と水素原子またはC1〜C8−アルキル基を末端基を持つオリゴマー、例えば、RAO−(CHRB−CH2−O)n−CHRB−CH2−またはRAO−(CH2CH2CH2CH2O)n−CH2CH2CH2CH2O−(式中、RAとRBは、好ましくは水素、メチルまたはエチルであり、nは好ましくは0〜3である)、特に3−オキサブチル、3−オキサペンチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル、および3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル;
・ビニル;および
・N,N−ジ−C1〜C6−アルキルアミノ基、例えば、N,N−ジメチルアミノ及びN,N−ジエチルアミノ。
基Rは、特に好ましくは直鎖で無置換のC1〜C18−アルキル基、例えばメチル、エチル、1−プロピル、1−ブチル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−デシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシルであり、特にメチル、エチル、1−ブチル、1−オクチル、CH3O−(CH2CH2O)n−CH2CH2−、およびCH3CH2O−(CH2CH2O)n−CH2CH2−(式中、nは0〜3である)である。
基R1〜R9は、相互に独立して、好ましくは次のものであり、
・水素;
・ハロゲン;
・官能基;
・必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換され、及び/又は一個以上の酸素及び/又は硫黄原子及び/又は一個以上の置換又は非置換イミノ基により中断されたC1〜C18−アルキル基;
・必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換され、及び/又は一個以上の酸素及び/又は硫黄原子及び/又は一個以上の置換又は非置換イミノ基により中断されたC2〜C18−アルケニル基;
・必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC6〜C12−アリール基;
・必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC5〜C12−シクロアルキル基;
・必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC5〜C12−シクロアルケニル基;または
・必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換され、また酸素、窒素及び/又は硫黄原子を有する五員環または六員環の複素環;または
二個の隣接する基が一緒になって、
・必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換され、必要に応じて一個以上の酸素及び/又は硫黄原子及び/又は一個以上の置換又は非置換のイミノ基により中断された不飽和や飽和環または芳香族環である。
必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC1〜C18−アルキルは、好ましくは、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−トリデシル、1−テトラデシル、1−ペンタデシル、1−ヘキサデシル、1−ヘプタデシル、1−オクタデシル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、ベンジル(フェニルメチル)、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)、トリフェニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、α,α−ジメチルベンジル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)エチル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、6−エトキシヘキシル、アセチル、Cn2(n-a)+(1-b)2a+b(式中、nは1〜30であり、0<a<n、またb=0または1(例えば、CF3、C25、CH2CH2−C(n-2)2(n-2)+1、C613、C817、C1021、C1225)、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、メトキシメチル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、2−メトキシイソプロピル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)エチル、ブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、2−フェニルチオエチル、5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサノニル、14−ヒドロキシ−5,10−ジオキサテトラデシル、5−メトキシ−3−オキサペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−メトキシ−4−オキサヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサノニル、14−メトキシ−5,10−ジオキサテトラデシル、5−エトキシ−3−オキサペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−エトキシ−4−オキサヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサノニル、または14−エトキシ−5,10−オキサ−テトラデシルである。
必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換され、及び/又は一個以上の酸素及び/又は硫黄原子及び/又は一個以上の置換又は非置換イミノ基により中断されたC2〜C18−アルケニルは、好ましくはビニル、2−プロペニル、3−ブテニル、シス−2−ブテニル、トランス2−ブテニル、またはCn2(n-a)-(1-b)2a-b(式中、n<30、0<a<n、またb=0または1)である。
必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC6〜C12−アリールは、好ましくはフェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシロキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニル、エトキシメチルフェニル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニル、tert−ブチルチオフェニル、またはC6(5-a)a(式中、0<a<5)である。
必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC5〜C12−シクロアルキルは、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、Cn2(n-a)-(1-b)2a-b(式中、n<30、0<a<n、またb=0または1)、及びノルボルニルまたはノルボルネニルなどの飽和又は不飽和のビシクロ系である。
必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC5〜C12−シクロアルケニルは、好ましくは3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニル、またはCn2(n-a)-3(1-b)2a-3b(式中、n<30、0<a<n、またb=0または1)である。
必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換され、また酸素、窒素及び/又は硫黄原子を有する五〜六員環の複素環は、好ましくはフリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンズオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、またはジフルオロピリジルである。
隣接する二つの基が一緒になって、必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換され、必要に応じて一個以上の酸素及び/又は硫黄原子及び/又は一個以上の置換又は非置換のイミノ基により中断された不飽和、飽和または芳香族環を形成する場合、この基は、好ましくは1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロピレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロペニレン、3−オキサ−1,5−ペンチレン、1−アザ−1,3−プロペニレン、1−C1〜C4−アルキル−1−アザ−1,3−プロペニレン、1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、1−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、または2−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンである。
上述の基が酸素及び/又は硫黄原子及び/又は置換又は非置換のイミノ基を有する場合、酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又はイミノ基の数に制限はない。原則として、その基の中で、5以下であり、好ましくは4以下、極めて好ましくは3以下である。
上述の基が複数のヘテロ原子を含む場合、原則として少なくとも一個の炭素原子、好ましくは少なくとも2個の炭素原子が、二個のヘテロ原子間に存在する。
基R1からR9は、相互に独立して、特に好ましくは
・水素;
・無置換のまたは、ヒドロキシル、ハロゲン、フェニル、シアノ、C1〜C6−アルコキシカルボニル及び/又はスルホで一置換あるいは多置換で、合計1〜20個の炭素原子を持つ直鎖または分岐状のC1〜C18−アルキル基、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(tert−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、1−テトラデシル、1−ヘキサデシル、1−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、ベンジル、3−フェニルプロピル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル、ノナフルオロイソブチル、ウンデシルフルオロペンチル、ウンデシルフルオロイソペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、およびプロピルスルホン酸;
・グリコール、ブチレングリコール、およびこれらを1〜100単位を持ち一個の水素または一個のC1〜C8−アルキルを末端基としてもつオリゴマー、例えば、RAO−(CHRB−CH2−O)n−CHRB−CH2−、RAO−(CH2CH2CH2CH2O)n−、またはCH2CH2CH2CH2O−(式中、RAとRBは好ましくは水素、メチルまたはエチルであり、nは好ましくは0〜3である)、特に3−オキサブチル、3−オキサペンチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル、および3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル;
・ビニル;および
・N,N−ジ−C1〜C6−アルキルアミノ基は、例えばN,N−ジメチルアミノやN,N−ジエチルアミノである。
基R1〜R9は、相互に独立して、極めて好ましくは、水素、またはC1〜C18−アルキル基、例えばメチル、エチル、1−ブチル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−ヘプチル、または1−オクチル、フェニル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)エチル、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、塩素、CH3O−(CH2CH2O)n−CH2CH2−、およびCH3CH2O−(CH2CH2O)n−CH2CH2−(式中、nは0〜3である)である。
極めて好ましく用いられるピリジニウムイオン(IVa)は、内部において、
・基R1〜R5のうちの一つがメチル、エチルまたは塩素であり、残りの基R1〜R5が水素であり;
・R3がジメチルアミノであり、残りの基、R1、R2、R4、およびR5が水素であり;
・すべての基R1〜R5が水素であり;
・R2がカルボキシルまたはカルボキサミドであり、残りの基R1、R2、R4、およびR5が水素であり;または
・R1とR2、またはR2とR3が、1,4−ブタ−1,3−ジエニレンであり、残りの基R1とR2、R4、R5が水素であるものであり;
特に、その中で
・R1〜R5が水素であり;または
・基R1〜R5の一つがメチルまたはエチルであり、残りの基R1〜R5が水素であるものである。
極めて好ましいピリジニウムイオン(IVa)としては、1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−(1−ブチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ドデシル)−ピリジニウム、1−(1−テトラデシル)ピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)ピリジニウム、1,2−ジメチルピリジニウム、1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチルピリジニウム、1−メチル−2−エチルピリジニウム、1,2−ジエチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−エチルピリジニウム、1,2−ジメチル−5−エチルピリジニウム、1,5−ジエチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、および1−(1−ヘキサデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウムをあげることができる。
極めて好ましく用いられるピリダジニウムイオン(IVb)は、その内部で、
・R1〜R4が水素であり;または
・基R1〜R4の一つがメチルまたはエチルであり、残りの基R1〜R4が水素であるものである。
極めて好ましく用いられるピリミジニウムイオン(IVc)は、その内部で、
・R1が水素、メチルまたはエチルで、R2〜R4が、相互に独立して、水素またはメチルであり;または
・R1が水素、メチルまたはエチルで、R2とR4がメチルで、R3が水素であるものである。
極めて好ましく用いられるピラジニウムイオン(IVd)は、その内部で、
・R1が水素、メチルまたはエチルで、R2〜R4が、相互に独立して、水素またはメチルであり;
・R1が水素、メチルまたはエチルで、R2とR4がメチルであり、R3が水素であり;
・R1〜R7がメチルであり;または
・R1〜R4がメチルまたは水素であるものである。
極めて好ましく用いられるイミダゾリウムイオン(IVe)は、その内部で、
・R1が、水素、メチル、エチル、1−プロピル、1−ブチル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−オクチル、2−ヒドロキシエチルまたは2−シアノエチルであり、R2〜R4が、相互に独立して、水素、メチルまたはエチルであるものである。
極めて好ましいイミダゾリウムイオン(IVe)としては、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)イミダゾリウム、1−(1−オクチル)−イミダゾリウム、1−(1−ドデシル)イミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)イミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−イミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサ−デシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、3−ブチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチル−イミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−エチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−ブチルイミダゾリウム、および1,4,5−トリメチル−3−オクチルイミダゾリウムがあげられる。
極めて好ましく用いられるピラゾリウムイオン(IVf)、(IVg)、または(IVg’)は、その内部において、
・R1が水素、メチルまたはエチルであり、R2〜R4が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられるピラゾリウムイオン(IVh)は、その内部において、
・R1〜R4が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられる1−ピラゾリニウムイオン(IVi)は、その内部において、
・R1〜R6が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられる2−ピラゾリニウムイオン(IVj)または(IVj’)は、その内部において、
・R1が水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、R2〜R6が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられる3−ピラゾリニウムイオン(IVk)または(IVk’)は、その内部において、
・R1とR2が、相互に独立して水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、R3〜R6が、相互に独立して水素またはメチルである。
極めて好ましく用いられるイミダゾリニウムイオン(IVl)は、その内部において、
・R1とR2が、相互に独立して水素、メチル、エチル、1−ブチルまたはフェニルであり、R3とR4が、相互に独立して水素、メチルまたはエチルであり、R5とR6が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられるイミダゾリニウムイオン(IVm)または(IVm’)は、その内部において、
・R1とR2が、相互に独立して水素、メチルまたはエチルであり、R3〜R6が、相互に独立して水素またはメチルである。
極めて好ましく用いられるイミダゾリニウムイオン(IVn)または(IVn’)は、その内部において、
・R1とR3が、相互に独立して水素、メチルまたはエチルであり、R4とR6が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられるチアゾリウムイオン(IVo)、(IVo’)、及び極めて好ましく用いられるオキサゾリウムオン(IVp)は、その内部において、
・R1が水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、R2とR3が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられる1,2,4−トリアゾリウムイオン(IVq)、(IVq1’または(IVq”)は、その内部において、
・R1とR2が、相互に独立して水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、R3が水素、メチルまたはフェニルであるものである。
極めて好ましく用いられる1,2,3−トリアゾリウムイオン(IVr)、(IVr’)または(IVr”)は、その内部において、
・R1が水素、メチルまたはエチルであり、R2とR3が、相互に独立して水素またはメチルであり、またはR2とR3とが一緒になって1,4−ブタ−1,3−ジエニレンであるものである。
極めて好ましく用いられるピロリジニウムイオン(IVs)は、その内部において、
・R1が水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、R2〜R9が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられるイミダゾリジニウムイオン(IVt)は、その内部において、
・R1とR4が、相互に独立して水素、メチル、エチルまたはフェニルであり、R2とR3、及びR5とR8が、相互に独立して水素またはメチルであるものである。
極めて好ましく用いられるアンモニウムイオン(IVu)は、その内部において、
・R1〜R3が、相互に独立してC1〜C18−アルキルであり;または
・R1とR2とが一緒になって、1,5−ペンチレンまたは3−オキサ−1,5−ペンチレンであり、R3がC1〜C18−アルキル、2−ヒドロキシエチルまたは2−シアノエチルであるものである。
メチルトリ(1−ブチル)アンモニウム、N,N−ジメチルピペリジニウム、およびN,N−ジメチルモルホリニウムが、極めて好ましいアンモニウムイオン(IVu)としてあげられる。
上記の基Rを用いる四級化により一般式(IVu)の4級アンモニウムイオンが得られる第三級アミンの例としては、ジエチル−nブチルアミン、ジエチル−tert−ブチルアミン、ジエチル−n−ペンチルアミン、ジエチルヘキシルアミン、ジエチルオクチルアミン、ジエチル−(2−エチルヘキシル)アミン、ジ−n−プロピルブチルアミン、ジ−n−プロピル−n−ペンチルアミン、ジ−n−プロピルヘキシルアミン、ジ−n−プロピルオクチルアミン、ジ−n−プロピル−(2−エチルヘキシル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピル−n−プロピルアミン、ジイソプロピルブチルアミン、ジイソプロピルペンチルアミン、ジイソプロピルヘキシルアミン、ジイソプロピルオクチルアミン、ジイソプロピル−(2−エチルヘキシル)アミン、ジ−n−ブチルエチルアミン、ジ−n−ブチル−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミン、ジ−n−ブチルヘキシルアミン、ジ−n−ブチルオクチルアミン、ジ−n−ブチル−(2−エチルヘキシル)アミン、N−n−ブチルピロリジン、N−sec−ブチルピロリジン、N−tert−ブチルピロリジン、N−n−ペンチルピロリジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジ−n−ブチルシクロヘキシルアミン、N−n−プロピルピペリジン、N−イソプロピルピペリジン、N−n−ブチルピペリジン、N−sec−ブチルピペリジン、N−tert−ブチルピペリジン、N−n−ペンチルピペリジン、N−n−ブチルモルホリン、N−sec−ブチルモルホリン、N−tert−ブチルモルホリン、N−n−ペンチルモルホリン、N−ベンジル−N−エチルアニリン、N−ベンジル−N−n−プロピルアニリン、N−ベンジル−N−イソプロピルアニリン、N−ベンジル−N−nブチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ−n−ブチル−pトルイジン、ジエチルベンジルアミン、ジ−n−プロピルベンジルアミン、ジ−n−ブチルベンジルアミン、ジエチルフェニルアミン、ジ−n−プロピルフェニルアミン、およびジ−n−ブチルフェニルアミンがあげられる。
好ましい第三級アミン(IVu)としては、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチル−tert−ブチルアミン、ジイソプロピルブチルアミン、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミン、N,N−ジ−n−ブチルシクロヘキシルアミン、およびペンチル異性体由来の第三級アミンがあげられる。
特に好ましい第三級アミンは、ジ−n−ブチル−n−ペンチルアミンとペンチル異性体由来の第三級アミンである。他の好ましい3個の同じ基を持つ第三級アミンは、トリアリルアミンである。
極めて好ましく用いられるグアニジニウムイオン(IVv)は、その内部において、
・R1〜R5がメチルであるものである。
N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサメチルグアニジニウムが、極めて好ましいグアニジニウムイオン(IVv)としてあげられる。
極めて好ましく用いられるコリニウムイオン(IVw)は、その内部において、
・R1とR2が、相互に独立してメチル、エチル、1−ブチルまたは1−オクチルであり、R3が水素、メチル、エチル、アセチル、−SO2OHまたは−PO(OH)2であり;
・R1がメチル、エチル、1−ブチルまたは1−オクチルであり、R2が−CH2−CH2−OR4基であり、R3とR4が、相互に独立して水素、メチル、エチル、アセチル、−SO2OHまたは−PO(OH)2であり;または
・R1が−CH2−CH2−OR4基であり、R2が−CH2−CH2−OR5基であり、R3〜R5が、相互に独立して水素、メチル、エチル、アセチル、−SO2OHまたは−PO(OH)2であるものである。
特に好ましいコリニウムイオン(IVw)は、その内部において、R3が、水素、メチル、エチル、アセチル、5−メトキシ−3−オキサペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−メトキシ−4−オキサヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサノニル、14−メトキシ−5,10−オキサテトラデシル、5−エトキシ−3−オキサペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−エトキシ−4−オキサヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサノニル、または14−エトキシ−5,10−オキサテトラデシルから選択されるものである。
極めて好ましく用いられるホスホニウムイオン(IVx)は、その内部において、
・R1〜R3が、相互に独立してC1〜C18−アルキル、特にブチル、イソブチル、1−ヘキシル、または1−オクチルであるものである。
上述の複素環式カチオンの中では、ピリジニウムイオン、ピラゾリニウムイオン、ピラゾリウムイオン、イミダゾリニウムイオン、およびイミダゾリウムイオンが好ましい。アンモニウムイオンがさらに好ましい。
特に好ましいものとしては、1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−(1−ブチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)−ピリジニウム、1−(1−ドデシル)ピリジニウム、1−(1−テトラデシル)ピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−ピリジニウム、1,2−ジメチルピリジニウム、1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチルピリジニウム、1−メチル−2−エチルピリジニウム、1,2−ジエチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−エチルピリジニウム、1,2−ジメチル−5−エチルピリジニウム、1,5−ジエチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)イミダゾリウム、1−(1−オクチル)イミダゾリウム、1−(1−ドデシル)イミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)イミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)イミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、3−ブチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−エチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−ブチルイミダゾリウム、および1,4,5−トリメチル−3−オクチルイミダゾリウムがあげられる。
式(IIIa)〜(IIIj)中の金属カチオン[M1+、[M2+、[M3+、[M42+、および[M53+は、元素周期律表の第1、2、6、7、8、9、10、11、12、及び13属の一般的な金属カチオンである。好適な金属カチオンの例としては、Li+、Na+、K+、Cs+、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Cr3+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Ag+、Zn2+、およびAl3+があげられる。
原則としていかなるアニオンも使用することができる。
イオン性液体のアニオン[Y]n-は、例えば、次の基より選択される
・上記ハロゲン化物、ハロゲン含有化合物、及び次式の擬ハライドを含む基:
-、Cl-、Br-、BF4 -、PF6 -、AlCl4 -、Al2Cl7 -、Al3Cl10 -、AlBr4 -、FeCl4 -、BCl4 -、SbF6 -、AsF6 -、ZnCl3 -、SnCl3 -、CuCl2 -、CF3SO3 -、(CF3SO32-、CF3CO2 -、CCl3CO2 -、CN-、SCN-、およびOCN-
・次の一般式のスルフェート、スルファイト、およびスルホネートからなる基:
SO4 2-、HSO4 -、SO3 2-、HSO3 -、RaOSO3 -、RaSO3 -
・次の一般式のホスフェートからなる基:
PO4 3-、HPO4 2-、H2PO4 -、RaPO4 2-、HRaPO4 -、RabPO4 -
次の一般式のホスホネートやホスフィネートからなる基:
aHPO3 -、RabPO2 -、RabPO3 -
・次の一般式のホスファイトからなる基:
PO3 3-、HPO3 2-、H2PO3 -、RaPO3 2-、RaHPO3 -、RabPO3 -
・次の一般式のホスホナイトやホスフィナイトからなる基:
abPO2 -、RaHPO2-、RabPO-、RaHPO-
・次の一般式のカルボン酸からなる基:
aCOO-
・次の一般式のボレートからなる基:
BO3 3-、HBO3 2-、H2BO3 -、RabBO3 -、RaHBO3 -、RaBO3 2-、B(ORa)(ORb)(ORc)(ORd-、B(HSO4-、B(RaSO4-
・次の一般式のボロネートからなる基:
aBO2 2-、RabBO-
・次の一般式のカーボネートやエステルカーボナートからなる基:
HCO3 -、CO3 2-、RaCO3 -
・次の一般式のシリケートやエステルシリケートからなる基:
SiO4 4-、HSiO4 3-、H2SiO4 2-、H3SiO4 -、RaSiO4 3-、RabSiO4 2-、RabcSiO4 -、HRaSiO4 2-、H2aSiO4 -、HRabSiO4 -
・次の一般式のアルキル−またはアリールシラン塩からなる基:
aSiO3 3-、RabSiO2 2-、RabcSiO-、RabcSiO3 -、RabcSiO2 -、RabSiO3 2-
・次の一般式のカルボキシミドや、ビス(スルホニル)イミド、スルホニルイミド、ジシアナミドからなる基:
Figure 0005222296
・次の一般式のメチドからなる基:
Figure 0005222296
・次の一般式のアルコキシドやアリールオキシドからなる基:Ra-
・次の一般式のハロゲン化金属酸塩からなる基:

[MqHalrs-

(式中、Mはある金属であり、Halは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、qとrは、正の整数で錯体の化学量を示し、sは、正の整数で錯体の電荷を示す);
・次の一般式のスルフィド、硫化水素、ポリスルフィド、水素ポリスルフィド、及びチオレートからなる基:
2-、HS-、[Sv2-、[HSv-、[RaS]-
(式中、Vは2〜10の正の整数である);
・複合金属イオン、例えばFe(CN)6 3-、Fe(CN)6 4-、MnO4 -、Fe(CO)4 -からなる基。
(式中、Ra、Rb、Rc、およびRdは、相互に独立して、それぞれ、水素、C1〜C30−アルキル、一個以上の非隣接の酸素及び/又は硫黄原子及び/又は一個以上の置換又は非置換のイミノ基で中断されていてもよいC2〜C18−アルキル、C6〜C14−アリール、C5〜C12−シクロアルキル、または酸素、窒素及び/又は硫黄原子を有する五員環または六員環の複素環であり、これらのうちの二つの基が、一緒になって、一個以上の酸素及び/又は硫黄原子及び/又は一個以上の非置換又は置換のイミノ基で中断されていてもよい不飽和、飽和、または芳香族環を形成してもよく、上記の基が、いずれの場合も、さらにアリール、アルキル、アリーロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環により置換されていてもよい。)
なお、必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC1〜C18−アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、1,1−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ベンジル、1−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ベンズヒドリル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)エチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、クロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、2−メトキシイソプロピル、2−エトキシエチル、ブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、2−フェニルチオエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、2−ヒドロキソ−2.2−ジメチルエチル、2−フェノキシ−エチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、または6−エトキシヘキシルがあげられる。
必要に応じて一個以上の非隣接の酸素及び/又は硫黄原子及び/又は一個以上の置換又は非置換のイミノ基で置換されたC2〜C18−アルキル基の例としては、5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサノニル、14−ヒドロキシ−5,10−オキサテトラデシル、5−メトキシ−3−オキサペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−メトキシ−4−オキサヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサノニル、14−メトキシ−5,10−オキサテトラデシル、5−エトキシ−3−オキサペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサオクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサウンデシル、7−エトキシ−4−オキサヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサノニル、または14−エトキシ−5,10−オキサテトラデシルがあげられる。
二つの基が環を形成する場合、これらの基は一緒になって、例えば縮合した構成要素として、例えば、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロピレン、2−オキサ−1,3−プロペニレン、1−アザ−1,3−プロペニレン、1−C1〜C4−アルキル−1−アザ−1,3−プロペニレン、1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、1−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、または2−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンであってよい。
非隣接の酸素及び/又は硫黄原子及び/又はイミノ基の数は、原理的には制限されないか、上記の基や環構成要素の大きさにより自動的に制限される。原則として、この数は、各基において5以下であり、好ましくは4以下、また極めて好ましくは3以下である。また、原則として少なくとも一個の、好ましくは少なくとも2個の炭素原子が二個のヘテロ原子間に存在している。
置換および無置換のイミノ基は、例えば、イミノ、メチルイミノ、イソプロピルイミノ、n−ブチルイミノ、またはtert−ブチルイミノである。
「官能基」とは、例えば、カルボキシル、カルボキサミド、ヒドロキシル、ジ−(C1〜C4−アルキル)アミノ、C1〜C4−アルキルオキシカルボニル、シアノ、またはC1〜C4−アルコキシをいうものとする:C1〜C4−アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルである。
必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC6〜C14−アリール基は、例えば、フェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシロキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−または4−ニトロフェニル、2,4−または2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニル、またはエトキシメチルフェニルである。
必要に応じてアリール、アルキル、アリーロキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子などの官能基及び/又は複素環で置換されたC5〜C12−シクロアルキルは、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、またはノルボルニルやノルボルネニルなどの飽和又は不飽和のビシクロ系基である。
酸素、窒素及び/又は硫黄原子を有する五員環または六員環の複素環は、例えば、フリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンズオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、ジフルオロピリジル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニル、またはtert−ブチルチオフェニルである。
好ましいアニオンは、上記のハロゲン化物やハロゲン含有化合物、擬ハライドからなる群から、ジシアナミドからなる基から、カルボン酸からなる基から、スルフェートやスルファイト、スルホネートからなる基から、またホスフェートからなる基からから選択される。
好ましいアニオンは、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、SCN-、OCN-、CN-、N(CN)2-、アセテート、C1〜C4−アルキルスルフェート、RaCOO-、RaSO3 -、RabPO4 -、メタンスルホネート、トシレート、C1〜C4−ジアルキルホスフェート、水素スルフェート、またはテトラクロロアルミネートである。
特に好ましいアニオンは、SCN-、CH3CH2SO4 -、N(CN)2-、またはCH3SO3 -である。
イオン性液体中には、少なくとも一種の塩を形成するカチオンとアニオンが存在している。
本発明の磁性流体組成物中に存在するイオン性液体のアニオンとカチオンが、次の群から選択される少なくとも一種の塩を形成することが極めて好ましい:1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムn−ブチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムn−ヘキシルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムn−オクチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルピリジニウムエチルスルフェート、1−エチル−3−メチルピリジニウムノナフレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム2−(2−メトキシエトキシ)エチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスフェート、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルスルフェート、および1−エチル−3−メチルイミダゾリウムハイドロゲンスルフェート。
本発明の磁性流体組成物中には、磁性粒子が存在している。これらは、既知のいずれの所望の磁性粒子であってもよい。
この本発明の磁性流体組成物中に存在する磁性粒子の平均径は、0.1〜500μmであり、好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは1〜50μmである。磁性粒子の形状は、均一であっても不規則であってもよい。例えば、球状粒子であっても棒状や針状粒子であってもよい。実質的に球状の磁性粒子が、好ましく使用される。例えば溶融金属を噴霧することでほぼ球状の粒子を得ることができる(噴霧粉)。
本発明には、磁性粒子の混合物を、特に異なる粒度分布を持つ及び/又は異なる材料を含む磁性粒子の混合物を使用することができる。
本発明の磁性流体組成物は、好ましくは鉄含有粒子、ニッケル含有粒子、及びコバルト含有粒子からなる群から選択される磁性粒子を含んでいる。この粒子は、例えば、鉄、鉄合金、酸化鉄、窒化ニトライト、炭化鉄、カルボニル鉄、ニッケル、コバルト、ステンレス鋼、珪素鋼板、あるいはこれらの合金や混合物の粒子である。しかしながら、例えば二酸化クロムを含む粒子が共存していてもよい。
この磁性粒子は、被膜を有していてもよい。例えば、シリケートやホスフェート、酸化物、炭化物、窒化物などの絶縁性耐食性の無機物質で、あるいは、他の金属や、少なくとも一種のポリマーで覆われた鉄粉を使用することができる。本発明の特に好ましい実施様態によれば、本磁性流体組成物中には、カルボニル鉄粉末(ClP)粒子が磁性粒子として存在している。このカルボニル鉄粉末は、鉄五カルボニルの分解により製造することが好ましい。いろいろな種類のClPが、当業者に知られている。熱分解による堅いClP型製品に加えて、還元したカルボニル鉄粉末を併用することもできる。このような粉末は、研磨性が弱く、機械的により軟らかい。表面処理した型式のものは、いろいろな方法で硬質還元ClP粉末から作られる。最もよく用いられる処理カルボニル鉄粉末は、シリケート被覆またはホスフェート被覆のものであるが、他の材料で処理したものも入手可能である。カルボニル鉄粉末を区別するもう一つの判定基準は、それぞれの粒子の粒度分布であり、これは性能特徴にかなり大きな影響をもつことがある。この分散したカルボニル鉄粉末粒子の平均径は、好ましくは1〜30μmである。原理的にはすべてのカルボニル鉄粉末製品が本発明に好適である。実際に何を選択するかは、本発明の磁性流体組成物の利用条件によって決定する。
本発明の磁性流体組成物においては、磁性粒子が、磁性流体組成物の全重量に対して、好ましくは50重量%〜90重量%の量で存在し、特に好ましくは70重量%〜88重量%の量で存在する。
本発明のある変例によれば、この磁性流体組成物がイオン性液体以外に少なくとも一種の添加物を含んでいる。これらの添加物は、好ましくは揺変剤、粘度調整剤、増粘剤、分散剤、表面活性添加剤、酸化防止剤、スリップ剤/潤滑剤、および腐食防止剤からなる群から選択される。
粘度調整剤は、イオン性液体に可溶で配合物の粘度を変えるものなら、溶媒であっても高分子状の添加物であってもよい。例えば、水やアセトン、アセトニトリル、低分子量アルコール、アミン、アミド、DMF、DMSOなどの極性溶媒、または例えば未変性または変性多糖類やポリアクリレート、ポリウレアなどの高分子状添加物が好適である。
本発明の磁性流体組成物が、粘度調整剤として働く添加物を含む場合は、これらは、いずれの場合もイオン性液体と添加物の総重量に対して、好ましくは0.01〜49重量%の濃度で、特に好ましくは0.01〜30重量%の、特に0.05〜10重量%の濃度で存在する。
揺変剤は、流動限度を設定して、磁性流体組成物の液体中での磁性粒子の沈降を防ぐ添加物である。本発明の磁性流体組成物は、例えば、スメクタイト系の天然および合成のシート状シリケート(適当なら、WO01/03150A1に開示されているモンモリロナイト型のような疎水的に変性されたシート状シリケート)、シリカゲルまたは(非晶質)分散シリカ(US5,667,715に開示されているような)、繊維状のシリケート(例えば微粉砕した海泡石やアタパルジャイト)、炭素粒子(US5,354,488に開示されているような)、およびポリウレア(DE19654461A1に開示されているような)からなる群から選択される少なくとも一種の揺変剤を含んでいてもよい。キサンタン−ガラクトマンナン誘導体やグアー誘導体などの高分子炭水化物系や、アニオン性またはノニオン性のセルロースエーテル、またはデンプンエーテル揺変剤を使用することもできる。
使用可能なシート状シリケートの例としては、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、またはロックウッド・アディティブズ社のラポナイト(登録商標)などの合成のシート状シリケート、およびこれらの疎水的に変性された誘導体があげられる。イオン性液体の特徴のため磁性流体組成物中に存在する液の極性が非常に高いため、例えば、単純なシート状シリケート増粘剤を使用することができ、その結果、磁性粒子の沈降が少なくなる。したがって、疎水的に変性された、ポリ−αオレフィンやシリコーンなどの疎水的な基本油に適合するシート状シリケートの使用も可能であるが、全く必須であるということではない。
本発明の磁性流体組成物が揺変剤として働く添加物を含んでいる場合、これらは、磁性流体組成物に対して、好ましくは0.01〜10重量%の濃度で、特に好ましくは0.01〜5重量%、特に0.05〜1重量%の濃度で存在する。
分散剤は、磁性流体組成物中に存在する液体中での磁性粒子の沈降後の再分散性を向上させ、その凝集を防止する添加物である。イオン性液体の極性のため、親水性の表面をもつ磁性粒子を、例えば鉄粒子を本発明の磁性流体組成物の液体中に分散する際には、分散剤を省くことができる。この場合、例えば長期または連続的な応力印加後に起こる、分散剤に起因する磁性流体組成物中の物理化学的変化が発生しなくなる。
しかしながら、分散剤を本発明の磁性流体組成物中で使用することができ、その例としては、多糖類、ポリアクリレート、ポリエステル、特にポリヒドロキシステアリン酸、アルキド樹脂、長鎖アルコキシレート、さらにポリアルキレンオキシド、例えば、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド/ポリエチレンオキシドブロックコポリマーやポリプロピレンオキシド/ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマーであるBASF社のプルオニック(登録商標)などの高分子状の分散剤があげられる。可能な分散剤としては、さらに当業者には公知であり具体的に述べる必要はない、アニオン性やカチオン性、両性、ノニオン性界面活性剤がある。例えば多糖界面活性剤やアルコールアルコキシレートがノニオン性界面活性剤としてあげられ、カルボン酸のアニオン、例えばオレエートやステアレート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルカンスルホネートがアニオン界面活性剤の例としてあげられ、アルキルアミン酸化物が両性または双生イオン性界面活性剤の例としてあげられる。
本発明の磁性流体組成物が分散剤として働く添加物を含んでいる場合、これらは、磁性流体組成物に対して、好ましくは0.01〜5重量%の濃度で存在し、特に好ましくは0.05〜1重量%の濃度で存在する。
本発明の磁性流体組成物は、必要に応じて他の添加物を、例えばテフロン(登録商標)粉、モリブデンスルファイトまたはグラファイト粉などの滑り止め剤や、腐食防止剤、耐磨耗添加物、酸化防止剤を含んでいてもよい。
本発明のある好ましい実施様態によれば、磁性流体組成物中に存在するイオン性液体の、25℃での動粘度(好ましDIN51562またはISO3105に準じてショット社501型ウベローデ粘度計を用いて測定したもの)は、5000mPa・s未満であり、好ましくは1000mPa・s未満、特に好ましくは200mPa・s未満である。また、磁性流体組成物のイオン性液体の粘度は、−30℃で、好ましくは20000mPa・s未満であり、特に好ましくは10000mPa・s未満、極めて好ましくは2000mPa・s未満である。
本発明は、さらにアニオンとカチオンを含むイオン性液体を含む液体中に磁性粒子を分散して本発明の磁性流体組成物を製造する方法に関する。
製造は、例えばまずイオン性液体を調整し、適当なら添加物を添加するような方法で行われる。磁性流体組成物の他の構成成分と混合する前に、粘度低下のためにこのイオン性液体を加熱してもよい。磁性流体組成物の製造のためには、磁性粒子がイオン性液体を含む液体に分散される。しかしながら、イオン性液体中で磁性粒子を攪拌し、その後添加物を添加することもできる。この磁性流体組成物は、例えば適当な攪拌装置を用いて均一化される。得られる磁性流体組成物を、必要に応じて減圧下で脱気してもよい。
本発明は、また、磁性流体組成物を、緩衝材、クラッチ、ブレーキ、他の装置(触覚装置や、衝撃吸収装置、ステア−バイ−ワイヤ式操舵装置、ギアー−及びブレーキ−バイ−ワイヤ式装置、シール、人工補装器、及びベアリング)などの制御装置に使用する方法に関する。
以下、本発明を、実施例を参照しながらより詳細に説明する。
A)本発明の磁性流体組成物の三実施例と一比較例
実施例1:
19.5重量%のEMIM EtSO4(1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート)と、0.5重量%のシート状シリケート(揺変剤、ラポニット(登録商標)RDS、ロックウッド・アディティブズ社)と80重量%のBASF社のカルボニル鉄粉末(磁性粒子)からなる磁性流体組成物。
実施例2:
22.34重量%の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネートと、0.66重量%のシート状シリケート(揺変剤、ラポナイト(登録商標)RDS、ロックウッド・アディティブズ社)と77重量%の平均粒子径が4μmのカルボニル鉄粉末(磁性粒子)とからなる磁性流体組成物。
実施例3:
23重量%の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネートと77重量%のBASF社のカルボニル鉄粉末ON型(磁性粒子)とからなる磁性流体組成物。
比較例:
23重量%のポリ−α−オレフィン(デュラシン(登録商標)DS192、BASF社)と77重量%のカルボニル鉄粉末ON型(BASF社)とからなる磁性流体組成物。
これらの磁性流体組成物の性質を表1と表2に示す。
表1は、いろいろな温度での(−30℃と25℃)磁性流体組成物の剪断応力τと、無磁場で25℃、および1s-1の磁場(磁束密度:0.7T)でのずり速度(10s-1と100s-1)とを示す。
磁場中での配合物の流動学的測定は、市販レオメーターの、アントンパール社の磁気測定室MRD180/1Tを備えたアントンパール社フィジカMCR501を用いて行う。測定では、標準品の直径20mmのローターを用い、プレート−プレート配列により、プレート間隔が0.3mmで行う。磁束密度測定用試料を用いる磁気測定室の校正は、F.W.ベル社の磁束計(9500型、F.W.ベル1X型プローブ)を用いて行う。試料を取り付けた後、測定室を完全に脱磁する。再現性のある測定条件を得るため、各試料に、各々の測定前にずり速度が10s-1で20秒間、前もって応力をかけ、次いで10秒間静置させる。ある一定の電流強度のソレノイドのもとで、いろいろなずり速度で試験する(例えば、0.1、1、10、100s−1)。10秒間後、測定値を得る。このような剪断応力は、ニュートン液体を仮定して計算されたものである。
無磁場での配合物の流動学的測定は、直径が40mmで円錐角が2°の円錐−プレート配置(レオストレス150レオメーター、テルモハーケ社)を用いて実施する。測定モードは、剪断応力コントロールであり、剪断応力下のステップは、1秒間(典型的な剪断応力の範囲:0.05〜2500Pa)行い、流動曲線をプロットする。ずり速度10で100s-1の剪断応力を、この曲線から読み取る。
Figure 0005222296
表2は、−40℃での流動挙動、再分散性、28日後の再分散性、油分離についてのデータを含む。
Figure 0005222296
試験方法の説明:
a)−40℃での流動挙動:
配合物を、ねじ蓋つきのガラスジャー中で−40℃に冷却する。その後ガラスジャーを約130°まで傾けた後、流動挙動を評価する。ガラスジャー中で水平な液面が形成される速度を求める。
++:速やかに流れる(低粘性)
+:ゆっくり流れる(粘稠)
0:非常にゆっくり流れる(粘着性)
−:固体
b)再分散性(2000g;15分)
磁性流体組成物を遠心器で4000rpmで15分間遠心分離する。この際、重力の2000倍の遠心力が発生する。遠心分離後、沈降物の再分散性を試験する。このために、試験室スパチュラを沈降物に挿入(容器の底から3mm上まで)し、180°回転させる。スパチュラの動きに対する抵抗を定性的に評価する:
++:抵抗が非常に低い(極めて再分散性がよい)
+:抵抗が低い(容易に再分散する)
0:抵抗が高い(再分散可能)
−:抵抗が非常に高い(再分散性が悪い)
−−:スパチュラがほとんど動かない(再分散性なし)
c)28日後の再分散性
磁性流体組成物を、ねじ蓋つきのガラスジャーに5cmの高さまで入れる。28日後に、試験室スパチュラを沈降物に挿入(容器の底から3mm上まで)し、180°回転させる。スパチュラの動きに対する抵抗を、定性的に評価する:
++:抵抗が非常に低い(極めて再分散性がよい)
+:抵抗が低い(容易に再分散する)
0:抵抗が高い(再分散可能)
−:抵抗が非常に高い(再分散性が悪い)
−−:スパチュラがほとんど動かない(再分散性なし)
d)油分離:
磁性流体組成物を、ねじ蓋、目盛りつきの試験管に入れ、20℃、28日後での油分離を百分率として読み取る。
B)加熱減量試験と比較試験
−40℃で流動し異なる液体成分を有する三種の磁性流体組成物(うち、一つが本発明の磁性流体組成物)を熱重量分析(TGA)にかけ、昇温速度5℃/分で250℃まで空気中で加熱する(装置:ネッチSTA449C)。三種の配合物について、次の重量減が得られた。
Figure 0005222296
上記三種の試験磁性流体組成物は、次の組成をもつ:
i)9.38重量%のポリ−α−オレフィン(デュラシン(登録商標)DS192、BASF社)と、90重量%のカルボニル鉄粉末ON型(BASF社)、0.40重量%の分散剤ディスパービク108(ビックケミー)と、0.24重量%のベントンSD3(エレメンティススペシャリティーズ)。
ii)16.65重量%のポリジメチルシロキサンワッカーDM5と、83重量%のカルボニル鉄粉末SQ型(BASF社)と、0.35重量%のベントンSD3。
iii)19.5重量%の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェートと、80重量%のカルボニル鉄粉末SQ型(BASF社、磁性粒子)と、0.5重量%のシート状シリケート(ラポナイト(登録商標)SD3、ロックウッド・アディティブズ社、揺変剤)。
C)低カルボニル鉄粉末(ClP)含量(約80重量%)での剪断応力の試験と比較試験
試験は、25℃、ずり速度が10s-1で行った。
a)本発明の磁性流体組成物の試験:22.34重量%の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネートと、77重量%の磁性粒子としてのカルボニル鉄粉末と、0.66重量%の揺変剤のシート状シリケートラポナイト(登録商標)RDS(ロックウッド・アディティブズ社)。
b)第一の比較試験:17.75重量%のポリジメチルシロキサン(ワッカーDM5)と、82重量%のカルボニル鉄粉末ON型(BASF社)と、0.25重量%のベントンSD。
c)第二の比較試験:18.67重量%のポリ−α−オレフィン(ドテカン二量体)と、80重量%のカルボニル鉄粉末ON型(BASF社)と、0.66重量%の分散剤ボルチゲンBG911(ボルチャーズ社)と0.67重量%のシート状シリケート、ベントンSD3。
Figure 0005222296
D)本発明の磁性流体組成物に好適ないろいろなイオン性液体の粘度
Figure 0005222296
Figure 0005222296
20℃で粘度が<1000mPa・sであり、−20℃未満の温度ででも液体であるイオン性液体が、本発明の磁性流体組成物として特に好ましく使用される。これらの例としては、特に1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルピリジニウムエチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、および1−エチル−3−メチルイミダゾリウム2−(2−メトキシエトキシ)エチルスルフェートがあげられる。

Claims (7)

  1. アニオン及びカチオンを含むイオン性液体、
    平均径が0.1〜500μmである分散した磁性粒子、及び
    適切であれば添加物、
    を含む磁性流体組成物であって、
    イオン性液体が、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルピリジニウムエチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウム2−(2−メトキシエトキシ)エチルスルフェートから選択されることを特徴とする磁性流体組成物。
  2. 上記磁性流体組成物が、揺変剤、粘度調整剤、増粘剤、分散剤、表面活性添加剤、酸化防止剤、滑り止め剤/潤滑剤、及び腐食防止剤からなる群から選択される少なくとも一種の添加物を含む請求項1に記載の磁性流体組成物。
  3. 磁性流体組成物の総重量に対する添加物の重量割合に対して、磁性流体組成物の総重量に対するイオン性液体の重量割合の比が、1より大きい請求項1または2に記載の磁性流体組成物。
  4. 鉄含有粒子、ニッケル含有粒子、及びコバルト含有粒子からなる群から選択される磁性粒子を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁性流体組成物。
  5. 平均径が1〜30μmであるカルボニル鉄粒子が磁性粒子として存在する請求項4に記載の磁性流体組成物。
  6. アニオンとカチオンを含むイオン性液体を含む液体中に、磁性粒子を分散させる工程を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁性流体組成物の製造方法。
  7. 緩衝材、クラッチ、ブレーキ、及びフィットネス装置、触覚装置、保持システム、衝撃吸収装置、ステア−バイ−ワイヤ式操舵装置、ギア−及びブレーキ−バイ−ワイヤ式装置、シール、人工装具、及びベアリングなどの他の装置からなる群から選択される制御装置において請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁性流体組成物を使用する方法。
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