JP5221278B2 - ロータリジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、回転部に流体を送給するために用いられるロータリジョイントに関するものである。
作動時に回転状態にある回転部に流体を送給する流体送給機構において、固定された流体送給配管を回転部の流路と接続する流体継手としてロータリジョイントが用いられる。ロータリジョイントは、回転部に結合されて回転する回転軸と流体送給配管に接続される固定軸とを同軸に配置して軸方向に対向させ、それぞれの対向端面に装着された回転シールのシール面を相互に密着させることにより流体の漏洩を防止するメカニカルシール機構が採用される(特許文献1参照)。
メカニカルシールにおいては、シール面は相互に押圧されて摺動するため、シール面の摩耗により微細な異物が発生する場合がある。このような異物を含んだ流体が流体の供給対象の機器にそのまま供給されると、供給対象の機器の可動部への異物噛み込みやワークの汚損などの不具合を生じる場合がある。特に食品加工分野や半導体製造分野などに用いられる装置に組み込まれる場合には、送給される流体には高い清浄度が必要とされるため、流体中に混入する異物に対する対策が求められる。
このような異物対策としては、従来よりポンプなどに用いられるメカニカルシールに関するものが知られている(特許文献2参照)。ここでは、シール部材として用いられるアルミナなどのセラミックスで形成した摺動リングのシール面に切り込み形状の溝を形成し、摺動によって発生した異物をこの溝によって捕集して排出するようにしている。
特開2004−205037号公報 特開2000−161501号公報
しかしながら上述の特許文献2に示す先行技術には、以下のような問題点がある。まず先行技術例に示すメカニカルシールにおける異物の排出機構は構成が複雑であることから、ロータリジョイントのような簡便な構成の流体機器には適用が困難であるとともに、摺動リングに用いられるセラミックスへの加工などの高コストの加工工程を伴うことから、製造コストが上昇することが避けがたい。さらに、一旦捕集した異物が流路に再度戻る可能性があることから、完全な異物排除機能が確保されているとは言い難いという機能上の難点がある。このように、従来のロータリジョイントにおいては、シール面の摩耗によって発生する異物を簡便な構成によって供給される流体から完全に排除することが困難であるという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、シール面の摩耗によって発生する異物を簡便な構成によって供給される流体から完全に排除することができるロータリジョイントを提供することを目的とする。
本発明のロータリジョイントは、軸方向の回転流路が設けられ回転軸に装着される回転部および軸方向の固定流路が設けられケーシング部材に装着される固定部を同軸配置して成り、流体供給源から供給される流体を軸心廻りに回転する前記回転部の回転流路へ前記固定流路を介して送給するロータリジョイントであって、前記回転部に設けられ側端面に第1のシール面を有する回転シール部と、前記固定流路が前記軸方向に貫通して形成され前記ケーシング部材に設けられた嵌合孔に前記軸方向の移動が許容された状態で嵌合する固定軸部を有し、一方側の側端面に前記固定流路が開口した第2のシール面を有する固定シール部と、前記流体供給源から前記嵌合孔内へ前記流体を供給して前記固定軸部の他方側の側端面に流体圧を作用させて、前記固定シール部を前記回転シール部に対して前記流体圧に応じた面圧力で押圧することにより、前記第1のシール面と第2のシール面とを相互に密着させて形成された面シール部と、前記回転シール部から前記固定シール部側へ同軸に延出して設けられ、前記回転流路と連通して先端開口部が前記固定流路と連通する円筒軸部と、前記円筒軸部の外周面と前記固定流路の内周面との間に前記面シール部を軸方向の隙間形成範囲内に含めて形成され、前記固定流路と連通し前記面シール部から回転部側へ隔てた位置において閉止された円筒隙間と、前記円筒隙間内において圧力損失を発生させることにより前記円筒隙間内における前記流体の流動を抑制する流動抑制手段とを備え、前記流体圧に対する前記面圧力の比で定義される前記面シール部のバランス比が0.6以下に設定されており、前記流体前記面シール部から前記バランス比に応じた所定の漏れ量で外部に漏洩させることにより、前記面シール部で発生した異物を外部に排出するとともに、前記流動抑制手段によって前記異物を含む流体の前記円筒隙間内での逆流を抑制し、さらに前記流動抑制手段は、前記円筒隙間内に凸出して凸部を設けることにより前記円筒隙間を部分的に狭めた隙間シールもしくは前記固定流路の内面に複数の凸部および凹部を交互に設けたラビリンスシールのいずれかである。
また本発明のロータリジョイントは、軸方向の回転流路が設けられ回転軸に装着される回転部および軸方向の固定流路が設けられケーシング部材に装着される固定部を同軸配置して成り、流体供給源から供給される流体を軸心廻りに回転する前記回転部の回転流路へ前記固定流路を介して送給するロータリジョイントであって、前記回転部に設けられ側端面に前記回転流路が開口した第1のシール面を有する回転シール部と、前記固定流路が前記軸方向に貫通して形成され前記ケーシング部材に設けられた嵌合孔に前記軸方向の移動が許容された状態で嵌合する固定軸部を有し、一方側の側端面に第2のシール面を有する固定シール部と、前記固定シール部を付勢手段によって回転シール部側へ付勢して前記固定シール部を前記回転シール部に対して所定の面圧力で押圧することにより、前記第1のシール面と第2のシール面とを相互に密着させて形成された面シール部と、前記固定シール部から前記回転シール部側へ同軸に延出して設けられ、前記固定流路と連通して先端開口部が前記回転流路と連通する円筒軸部と、前記円筒軸部の外周面と前記回転流路の内周面との間に前記面シール部を軸方向の隙間形成範囲内に含めて形成され、前記回転流路と連通し前記面シール部から固定部側へ隔てた位置において閉止された円筒隙間と、前記円筒隙間内において圧力損失を発生させることにより前記円筒隙間内における前記流体の流動を抑制する流動抑制手段とを備え、前記流体圧に対する前記面圧力の比で定義される前記面シール部のバランス比が0.6以下に設定されており、前記流体前記面シール部から前記バランス比に応じた所定の漏れ量で外部に漏洩させることにより、前記面シール部で発生した異物を外部に排出するとともに、前記流動抑制手段によって前記異物を含む流体の前記円筒隙間内での逆流を抑制し、さらに前記流動抑制手段は、前記円筒隙間内に凸出して凸部を設けることにより前記円筒隙間を部分的に狭めた隙間シールもしくは前記固定流路の内面に複数の凸部および凹部を交互に設けたラビリンスシールのいずれかである。
本発明によれば、回転シール部から固定シール部側へまたは固定シール部から回転シール部側へ同軸に延出する円筒軸部を設け、この円筒軸部の外周面と固定流路または回転流路の内周面との間に一方側が閉止された円筒隙間を面シール部を軸方向の隙間形成範囲に含ませて形成し、この円筒隙間内において圧力損失を発生させることにより円筒隙間内における流体の流動を抑制する流動抑制手段とを備え、さらに面シール部のバランス比を流体が面シール部から所定の漏れ量で外部に漏洩するように設定することにより、面シール部のシール面の摩耗によって発生する異物は面シール部から漏れる流体と共に排出され、簡便な構成によってこれらの異物を供給される流体から完全に排除することができる。
(実施の形態1)
図1、図2は本発明の実施の形態1におけるロータリジョイントの断面図、図3は本発明の実施の形態1におけるロータリジョイントの部分断面図、図4は本発明の実施の形態1におけるロータリジョイントの動作説明図である。
まず図1、図2を参照して、ロータリジョイント1の全体構成を説明する。図1において、ロータリジョイント1は、食品加工分野や半導体製造分野など清浄度が要求されるクリーン用途に用いられる洗浄ノズルや回転テーブルなどの回転軸へ流体を送給する流体供給機構に用いられるものであり、軸方向の回転流路が設けられた回転部1aおよび軸方向の固定流路が設けられた固定部1bを同軸配置して構成される。なお図2は、説明の便宜のため回転部1aと固定部1bとを軸方向に分離した状態を示している。
回転部1aは回転軸であるスピンドル軸2の流路孔2aに締結されており、スピンドル軸2は、スピンドルに内蔵されたモータによって回転駆動されて軸心A廻りに回転する。なお工作機械などに用いられる場合には、スピンドル軸2は回転とともに、クランプ/アンクランプシリンダ(図示省略)によって軸方向の進退動作を行う。また固定部1bは、円筒ブロック形状のケーシング部材3に設けられた嵌合孔3aに嵌合して装着されており、スピンドル軸2が挿通するフレーム(図示省略)にボルトなどの締結手段によってケーシング部材3を着脱自在に締結することにより、固定部1bは回転部1aと同軸に配置される。嵌合孔3aには、流体供給部(図示省略)より洗浄液や冷却用のエアなどの気体が選択的に送給される(矢印a)。
次に、ロータリジョイント1の詳細構造を説明する。図1、図2において回転部1aは、スピンドル軸2に装着されたロータ4およびロータ4を同軸に貫通する円筒軸部7を主体としている。ロータ4は、回転軸部4aの一方側の端部に回転軸部4aよりも外径が大きいフランジ部4bを設けた構成となっており、回転軸部4aの外面には雄ねじ部4dが設けられている。流路孔2aの開口端部の内面には雌ねじ部2bが設けられており、雄ねじ部4dを雌ねじ部2bに螺合させることにより、ロータ4はスピンドル軸2にねじ締結され、Oリング6によってロータ4の外周面と流路孔2aの内周面との当接部が密封される。
図2に示すように、ロータ4の右側(固定部1bと対向する側)の側端面には、円形状の凹部4cが形成されており、凹部4cには第1のシールリング5が固定されている。第1のシールリング5はセラミックなどの耐摩耗性に富む硬質材料を、中央部に開口部5aを有する円環形状に成形したものであり、平滑面に仕上げられた第1のシール面5bを外面側にした状態で凹部4cに固定される。すなわち第1のシールリング5が固定されたロータ4は、回転部1aに設けられ側端面に第1のシール面5bを有する回転シール部となっている。
円筒軸部7は下流側(図1,2において左側)の一方側の端部にボス部7bが設けられた円筒状の軸部材であり、ロータ4に設けられた装着孔4eにボス部7bを圧入することにより固定装着され、ボス部7bから延出した貫通軸部7aがロータ4を貫通する。この装着状態において円筒軸部7は開口部5aを挿通してロータ4から上流側へ同軸に延出しており、円筒軸部7の内部孔はロータ4の軸心部を貫通して設けられた回転流路4fとなっている。
次に、ケーシング部材3に装着される固定部1bの構造を説明する。図2において固定部1bは、ケーシング部材3の嵌合孔3aに嵌合して装着されたフローティングシート8を主体としている。フローティングシート8は、一方側(図において回転部1aと対向する側)に円板形状のフランジ部8bが設けられ、他方側に固定流路8fが軸方向に貫通して形成された固定軸部8aを有する形状となっている。固定軸部8aは、嵌合孔3aに軸方向の移動が許容された状態で嵌合する。嵌合孔3aの内面にはOリング溝3bが設けられており、Oリング溝3bに装着されたOリング11によって、固定軸部8aの嵌合部が密封される。ケーシング部材3には廻り止め部材12が軸方向に植設されており、フローティングシート8をケーシング部材3に装着した状態において、廻り止め部材12はフランジ部8bに設けられた廻り止め孔8cを軸方向に挿通している。
フランジ部8bの左側(回転部1aと対向する端面)に設けられた凸部8dには、固定流路8fの開孔面を囲む配置で、円形状の凹部8eが形成されており、凹部8eには第2のシールリング9が固定されている。第2のシールリング9は第1のシールリング5と同様の硬質材料を中央部に開口部9aを有する円環形状に成形したものであり、平滑面に仕上げられた第2のシール面9bを外面側にした状態で凹部8eに固定される。そしてこの状態では、固定流路8fは開口部9aと連通して第2のシール面9bに開口する。すなわち第2のシールリング9が固定されたフローティングシート8は、固定流路8fが軸方向に貫通して形成され、ケーシング部材3に設けられた嵌合孔3aに軸方向の移動が許容された状態で嵌合する固定軸部8aを有し、側端面に固定流路8fが開口した第2のシール面9bを有する固定シール部となっている。
ロータリジョイント1の使用状態においては、図1に示すように、円筒軸部7を固定流路8f内に挿通させて、回転部1aと固定部1bとを近接させる。これにより、第1のシール面5bと第2のシール面9bとが当接して、面シール部10が形成される。この状態では、円筒軸部7の先端開口部7cは固定流路8f内に開口し、これにより回転流路4fは先端開口部7cを介して固定流路8fと連通する。また円筒軸部7の外周面と固定流路8fの内周面との間には、円筒隙間Sが形成される。円筒隙間Sは固定流路8fと連通しており、面シール部10を軸方向の隙間形成範囲に含めて形成され、面シール部10から回転部1a側へ第1のシールリング5の幅寸法だけ隔てた位置において凹部4cによって行き止まりとなり閉止されている。
すなわち円筒軸部7は、回転流路4fと連通して回転シール部から固定シール部側へ同軸に延出して設けられ、先端開口部7cが固定流路8fと連通する形態となっている。また円筒隙間Sは、円筒軸部7の外周面と固定流路8fの内周面との間に、面シール部10を軸方向の隙間形成範囲に含めて形成され、固定流路8fと連通し面シール部10から回転部1a側へ隔てた位置において閉止された形態となっている。このような構成を採用することにより、上流側から嵌合孔3a内に供給され固定流路8fに流入した流体を円筒軸部7を介して回転流路4fに導くことができる。
このとき、円筒隙間Sは面シール部10から回転部1a側へ隔てた位置において閉止されていることから、円筒隙間S内における流体の回転部1a側への流動は阻害されるものの、流体圧は円筒隙間S内に作用する。これにより後述するように、面シール部10におけるバランス比を安定的に保つことが可能となっている。なお、図1においては円筒軸部7は先端開口部7cが固定軸部8aの上流端の手前に位置するように設けられているが、先端開口部7cが固定流路8fから嵌合孔3a内に突出してもよく、要は面シール部10の上流側に先端開口部7cが位置して固定流路8fと連通していればよい。
図3は、図1におけるB部、すなわち円筒隙間Sの詳細を示している。上述のように、固定部1bから回転部1aへの流体の流動は円筒軸部7を介して行われ、円筒隙間Sは流体圧を面シール部10に作用させることを主な機能としていることから、円筒隙間Sの流路としての構成は流体の流動を極力抑制するようなものであることが望ましい。このため本実施の形態においては、円筒隙間Sにおける流体の流動を抑制する流動抑制手段を円筒隙間Sに設けるようにしている。
図3(a)は、固定流路8fの内面に円筒隙間S内に凸出する凸部8gを設け、円筒軸部7の外周面との間の隙間間隔dを部分的に狭めた例を示している。これにより円筒隙間S内において流体が流動する際に隙間シール効果による圧力損失が発生し、円筒隙間S内における流体の流動が抑制される。また図3(b)は、固定流路8fの内面に複数の凸部8hおよび凹部8iを交互に設けた例を示している。これにより円筒隙間S内において複数の凸部8hおよび凹部8iが反復して存在することによるラビリンス効果によって圧力損失が発生し、同様に円筒隙間S内における流体の流動が抑制される。
本実施の形態においては、図3(a)、(b)のいずれを採用してもよく、または必要な圧力損失を確保するために、円筒隙間Sの隙間を全範囲にわたって狭く設定するようにしてもよい。すなわち、本実施の形態に示すロータリジョイント1は、円筒隙間S内において圧力損失を発生させることにより円筒隙間S内における流体の流動を抑制する流動抑制手段を備えている。
次に、図4を参照してロータリジョイント1の動作を説明する。ロータリジョイント1が工作機械などに用いられてスピンドル軸2の進退動作を伴う場合には、送給される流体の圧力によるフローティングシート8の進出と、スピンドル軸2の進退動作によって、面シール部10のシール面の接離が行われる。すなわちフローティングシート8が後退して第1のシール面5bと第2のシール面9bとが相互に離隔した状態において、嵌合孔3a内に流体が送給されることによりフローティングシート8が前進(矢印b方向)し、第1のシール面5bが第2のシール面9bに当接して面シール部10が形成される。そしてスピンドル軸2が固定部1bに対して相対的に前進(矢印e方向)することにより、フローティングシート8は後退(矢印c方向)し、フランジ部8bがケーシング部材3に近接した位置に復帰する。そしてこの状態からスピンドル軸2を相対的に後退(矢印d方向)させることにより、第1のシール面5bと第2のシール面9bとが相互に離隔した状態に戻る。また、ロータリジョイント1がスピンドル軸2の進退動作を伴わない用途に用いられる場合には、面シール部10のシール面の接離は行われず、第1のシール面5bと第2のシール面9bとは常に接触した状態となる。
次に、ロータリジョイント1における面シール部10によるシール機能について説明する。嵌合孔3a内に供給対象の流体が送給される(矢印a)と、この流体は固定流路8fを介して円筒軸部7の先端開口部7c内に流入し(矢印f)、さらに円筒軸部7の内部孔を介してロータ4の回転流路4fに流入する。このとき嵌合孔3a内に供給された流体の流体圧は、固定軸部8aの他方側(第2のシールリング8の反対側)の側端面8jに作用する。これにより、固定軸部8aは嵌合孔3a内で回転部1a側へスライドし、第2のシールリング9は第1のシールリング5に対して、側端面8jの投影面積A1に流体圧を乗じた大きさの押圧力Fで押圧される。このフローティングシート8のスライドにおいて、フランジ部8bに設けられた廻り止め孔8cが廻り止め部材12に沿って摺動することにより、フローティングシート8の軸方向の移動がガイドされるとともに、軸廻りの廻り止めが行われる。
この押圧力Fは第2のシール面9bと第1のシール面5bとを相互に密着させ、これにより嵌合孔3aから円筒軸部7を介して軸廻りに回転状態の回転流路4fへ送給される流体の漏洩を防止する面シール部10(図1)が形成される。すなわち、流体供給源から嵌合孔3a内へ流体を供給して固定軸部8aの他方側の側端面8jに流体圧を作用させて、固定シール部であるフローティングシート8を回転シール部であるロータ4に対して押圧することにより、第1のシール面5bと第2のシール面9bとを相互に密着させて面シール部10を形成する。
このとき、嵌合孔3a内に供給された流体の流体圧は円筒隙間Sを介して面シール部10に作用し、以下に説明するバランス比を安定させる上で重要な役割を果たす。ロータリジョイント1に採用されるメカニカルシール構造においては、図4に示すように流体圧が嵌合孔3a内において側端面8jに作用することによる押圧力Fを面シール部10に作用させることによりシール機能を果たしている。そして押圧力Fにより面シール部10に生じる面圧力の面シール部10内部の流体圧に対する相対比で定義されるバランス比を、予め使用条件に応じて適正に設定された比率に保つことにより、安定したシール性能を維持するようにしている。
すなわち本実施の形態においては、面シール部10に作用する流体圧は一方側が閉止されて内部における流体の流動が制約された円筒隙間S内の流体の圧力であることから、嵌合孔3a内における流体圧とほぼ等しい。したがって、円筒軸部7を介して流動する流体の流量が変動する場合にあっても、面シール部10に作用する流体圧は常に嵌合孔3aに供給された流体の流体圧にほぼ等しく、面シール部10のバランス比は大きく変動することなくほぼ一定に保たれる。
なおここに示す例では、嵌合孔3a内において側端面8jに作用する流体力のみによって押圧力Fを発生させるようにしているが、このような流体力に加えて、フローティングシート8を付勢手段(実施の形態2において図5に示す圧縮バネ部材113参照)によってロータ4側へ付勢することによる面圧力を加算したものを押圧力Fとしてもよい。すなわちこの場合には、面シール部10に生じる面圧力は、流体圧による面圧力に固定シール部を回転シール部側へ付勢する付勢手段による面圧力を加算したものとなっている。
メカニカルシールにおいては、バランス比を小さくするほどシール面から流体が漏れやすくなる傾向にあり、バランス比が0.6以下となる条件ではシール面から流体が高い確率で漏洩する。そしてこの流体の漏れ量はバランス比の値が小さくなるのに伴って増大することが経験的な知見として得られている。このような経験的知見に基づき、本実施の形態に示すロータリジョイント1においては、このバランス比が0.6以下となるように各部寸法を設定するようにしている。すなわちバランス比を0.6以下に設定することにより、面シール部10から流体をバランス比の値に応じた所定の漏れ量だけ漏洩させることができる。
ここで漏れ量は、当該ロータリジョイント1のシール性能に影響を及ぼさない範囲で許容される所定の漏れ量以下であることが求められる。許容される所定の漏れ量は、用途および使用条件によって個別に設定されるが、一般には5ml/min.以下であることが望ましい。すなわち許容される漏れ量が決定されることにより、この漏れ量に対応したバランス比を推定することができ、このバランス比に基づいて製作されたロータリジョイントの実際の漏れ量を試行により確認することにより、バランス比と漏れ量との関係が特定される。
バランス比をこのように設定することにより、ロータリジョイント1の作動状態において、図4に示すように、円筒隙間S内に上流側から進入した流体(矢印g)は、常にバランス比に応じた所定の漏れ量だけ第1のシール面5bと第2のシール面9bとの摺動面を介して外部へ漏洩する(矢印h)。このように面シール部10からシール性能に影響を及ぼさない範囲で許容される所定の漏れ量の流体を常に漏洩させることにより、以下のような効果を有する。すなわち、ロータリジョイント1の作動状態においては、回転部1aの回転により第1のシール面5bと第2のシール面9bとは常に相互に押圧されて摺動するため、摺動面の摩耗により微細な異物が発生する。
このような状態にあっても、上述のように、円筒隙間S内の流体をバランス比に対応した所定量だけ第1のシール面5bと第2のシール面9bとの摺動面を介して外部へ漏洩させることにより、摺動面に発生した微細な異物は漏洩する流体とともに外部に排出される。また円筒隙間Sには図3に示すような流動抑制手段が設けられていることから、面シール部10で発生した異物を含む流体が円筒隙間Sを逆流して固定流路8fまで移動しにくくなっている。このため、面シール部10において発生した異物が回転流路4fに進入して、下流側へ供給される流体を汚損する事態が発生しない。したがって、ロータリジョイント1が食品分野や半導体製造分野などクリーン用途に用いられる装置に組み込まれる場合において、送給される流体を高い清浄度に保つことが可能となっている。
(実施の形態2)
図5、図6は本発明の実施の形態2におけるロータリジョイントの断面図、図7は本発明の実施の形態2におけるロータリジョイントの動作説明図である。本実施の形態2は、実施の形態1においては回転シール部から固定シール部側へ延出して設けられていた円筒軸部を、固定シール部から回転シール部側へ延出する構成としたものである。
まず図5、図6を参照して、ロータリジョイント101の全体構成を説明する。図1において、ロータリジョイント101は、実施の形態1に示すロータリジョイント1と同様に、工作機械のスピンドル軸などの回転軸へ冷却用の流体を送給する流体供給機構に用いられるものであり、軸方向の回転流路が設けられた回転部101aおよび軸方向の固定流路が設けられた固定部101bを同軸配置して構成される。なお図6は、説明の便宜のため回転部101aと固定部101bとを軸方向に分離した状態を示している。
回転部101aは回転軸であるスピンドル軸102の流路孔102aに締結されており、スピンドル軸102は、スピンドルに内蔵されたモータによって回転駆動されて軸心A廻りに回転するとともに、クランプ/アンクランプシリンダ(図示省略)によって軸方向の進退動作を行う。また固定部101bは、円筒ブロック形状のケーシング部材103に設けられた嵌合孔103aに嵌合して装着されており、スピンドル軸102が挿通するフレーム(図示省略)にボルトなどの締結手段によってケーシング部材103を着脱自在に締結することにより、固定部101bは回転部101aと同軸に配置される。固定部101bには、流体供給部(図示省略)より液体クーラントや冷却用のエアなどの気体が選択的に送給される(矢印a)。
次に、ロータリジョイント101の詳細構造を説明する。図5、図6において回転部101aは、スピンドル軸102に装着されたロータ104を主体としている。ロータ104は、回転軸部104aの一方側の端部に回転軸部104aよりも外径が大きいフランジ部104bを設け、軸心部を軸方向に貫通して連通する回転流路104f、104gを設けた構成となっている。ここで固定部101b側に近接する回転流路104gは、後述する円筒軸部107の挿通部107aを挿通させるために、回転流路104fよりも大きな内径で設けられている。回転軸部104aの外面には雄ねじ部104dが設けられており、流路孔102aの開口端部の内面には雌ねじ部102bが設けられている。雄ねじ部104dを雌ねじ部102bに螺合させることにより、ロータ104はスピンドル軸102にねじ締結され、Oリング106によってロータ104の外周面と流路孔102aの内周面との当接部が密封される。
図6に示すように、ロータ104の右側(固定部101bと対向する側)の側端面には、円形状の凹部104cが形成されており、凹部104cには実施の形態1に示す第1のシールリング5と同様の第1のシールリング105が固定されている。第1のシールリング105は第1のシール面105bを外面側にした状態で凹部104cに固定され、第1のシール面105bには回転流路104gが開口している。すなわち第1のシールリング105が固定されたロータ104は、回転部101aに設けられ側端面に回転流路104gが開口した第1のシール面105bを有する回転シール部となっている。
次に、ケーシング部材103に装着される固定部101bの構造を説明する。図6において、固定部101bは、ケーシング部材103の嵌合孔103aに嵌合して装着されたフローティングシート108およびフローティングシート108を貫通する円筒軸部107を主体としている。フローティングシート108は、一方側(図において回転部101aと対向する側)に円板形状のフランジ部108bが設けられ、他方側に固定軸部108aを有する形状となっている。固定軸部108aは、嵌合孔103aに軸方向の移動が許容された状態で嵌合している。
固定軸部108aには内部孔108fが軸方向に貫通して形成されており、内部孔108fには円筒軸部107が軸方向の相対移動が許容された状態で嵌合して挿通している。円筒軸部107は軸方向に貫通する内部流路107cを有する円筒状の軸部材であり、下流側(回転部101a側)は段付部107fを介して外径が減少した挿通部107aとなっている。ロータリジョイント101の作動状態において、挿通部107aはロータ104の回転流路104gに挿通する(図5参照)。
円筒軸部107の上流側には、ケーシング部材103に固定装着するためのボス部107bが設けられている。ケーシング部材103の上流側に設けられた装着凸部103bには装着孔103cが設けられており、装着孔103cにはボス部107bが圧入されている。ボス部107bは流体供給孔114aが設けられた締結ナット部材114によって、装着凸部103bにねじ締結によって固定装着される。流体供給源から供給される流体は、流体供給孔114aを介して内部流路107c内に供給される(矢印a)。したがって内部流路107cは、固定部101bに軸方向に設けられた固定流路となっており、以下の説明においては固定流路107cと記述する。
この流体の供給において、締結ナット部材114とボス部107bとの当接面はOリング115によって密封され、これにより外部への流体の漏洩が防止される。また嵌合孔103aの内面にはOリング溝103bが設けられており、Oリング溝103bに装着されたOリング111によって、固定軸部108aの嵌合部が密封される。これにより、固定流路107cを介して流動し内部孔108fの内面と円筒軸部107の外周面107dとの間の微小隙間を介して嵌合孔103aに進入した流体の外部への漏洩が防止される。
ケーシング部材103には廻り止め部材112が軸方向に植設されており、フローティングシート108をケーシング部材103に装着した状態において、廻り止め部材112はフランジ部108bに設けられた廻り止め孔108cを軸方向に挿通している。廻り止め部材112には付勢手段であるコイル状の圧縮バネ部材113が装着されており、圧縮バネ部材113はフランジ部108bを回転部101a側へ所定の付勢力で付勢している。ロータリジョイント101の作動状態においては、この付勢力によって以下に説明する第2のシールリング109を第1のシールリング105に対して押圧し、これにより流体の漏洩を防止する。
フランジ部108bの左側(回転部101aと対向する端面)に設けられた凸部108dには、内部孔108fの開孔面を囲む配置で、円形状の凹部108eが形成されており、凹部108eには実施の形態1における第2のシールリング9と同様の第2のシールリング109が固定されている。第2のシールリング109は、第2のシール面109bを外面側にした状態で凹部108eに固定される。そしてこの状態では、内部孔108fは開口部109aと連通して第2のシール面109bに開口する。すなわち第2のシールリング109が固定されたフローティングシート108は、固定流路107fが軸方向に貫通して形成されケーシング部材103に設けられた嵌合孔103aに軸方向の移動が許容された状態で嵌合する固定軸部108aを有し、一方側の側端面に第2のシール面109bを有する固定シール部となっている。内部孔108fに嵌合して挿通する円筒軸部107は、段付部107fを第2のシールリング109の上流側(固定部101b側)に位置させた状態で装着され、これにより開口部109a内において挿通部107aと第2のシールリング109の内面との間には隙間が確保されている。
ロータリジョイント101の使用状態においては、図5に示すように、挿通部107aを回転流路104g内に挿通させて、回転部101aと固定部101bとを近接させる。これにより、第1のシール面105bと第2のシール面109bとが当接して、面シール部110が形成される。この状態では、円筒軸部107の先端開口部107eは開口部105aを挿通して回転流路104gに開口する。これにより回転流路104gは、先端開口部107eを介して固定流路107cと連通する。また円筒軸部107の外周面と回転流路104gの内周面との間には、円筒隙間Sが形成される。円筒隙間Sは回転流路104gと連通しており、面シール部110を軸方向の隙間形成範囲に含めて形成されている。そして面シール部110から固定部101b側へ隔てた位置において、段付部107fによって行き止まりとなり閉止されている。
すなわち、円筒軸部107は、固定シール部から回転シール側へ同軸に延出して設けられ、固定流路107cと連通して、先端開口部107eが回転流路104gと連通する形態となっている。また円筒隙間Sは、円筒軸部107の外周面と回転流路104gの内周面との間に、面シール部110を軸方向の隙間形成範囲に含めて形成され、回転流路104gと連通し面シール部110から固定部101b側へ隔てた位置において閉止された形態となっている。このような構成を採用することにより、上流側から流体供給孔114aに供給され固定流路107cに流入した流体を、円筒軸部107を介して回転流路104gに導くことができる。
このとき、円筒隙間Sは面シール部110から固定部101b側へ隔てた位置において閉止されていることから、円筒隙間S内における流体の固定部101b側への流動は阻害されるものの、流体圧は円筒隙間S内に作用する。これにより、後述するように、面シール部110におけるバランス比を安定的に保つことが可能となっている。なお、図5においては円筒軸部107の先端開口部107eが開口する位置は面シール部110の下流側であればよく、挿通部107aの長さ寸法は任意に決定してよい。図5におけるB部には、実施の形態1にて図3に示すような流動抑制手段が設けられており、円筒隙間S内の流体が回転流路104gに流動しにくいようになっている。
次に、図7を参照してロータリジョイント101の動作を説明する。ロータリジョイント101の作動状態においては、実施の形態1に示すロータリジョイント1とは異なり、フローティングシート108には常に圧縮バネ部材113の不勢力が作用しているため、スピンドル軸102の進退動作によって、面シール部110のシール面の接離が行われる。すなわちスピンドル軸102が固定部101bに対して相対的に後退した状態においては、フローティングシート108は圧縮バネ部材113の不勢力によって前進(矢印b方向)する。この状態において、スピンドル軸102が固定部101bに対して相対的に前進(矢印e方向)することにより、フローティングシート8は押し込まれて後退(矢印c方向)し、第1のシール面105bが第2のシール面109bに当接して面シール部110が形成される。そしてこの状態からスピンドル軸102を相対的に後退(矢印d方向)させることにより、第1のシール面105bと第2のシール面109bとが相互に離隔した状態に戻る。
次に、ロータリジョイント101における面シール部110によるシール機能について説明する。流体供給孔114a内に供給対象の流体が送給される(矢印a)と、この流体は円筒軸部107の固定流路107c内に流入し(矢印f)、さらに挿通部107aを介して先端開口部107eからロータ104の回転流路104g、さらに回転流路104f内に流入する。このとき、圧縮バネ部材113がフランジ部108bに与える付勢力により、固定軸部108aは嵌合孔103a内で回転部101a側へスライドし、第2のシールリング109は第1のシールリング105に対して、圧縮バネ部材113の付勢力に応じた押圧力Fで押圧される。このフローティングシート108のスライドにおいて、フランジ部108bに設けられた廻り止め孔108cが廻り止め部材112に沿って摺動することにより、フローティングシート108の軸方向の移動がガイドされるとともに、軸廻りの廻り止めが行われる。
この押圧力Fは第2のシール面109bと第1のシール面105bとを相互に密着させ、これにより嵌合孔103aから円筒軸部107を介して軸廻りに回転状態の回転流路104g、104fへ送給される流体の漏洩を防止する面シール部110(図5)が形成される。すなわち、固定シール部を付勢手段である圧縮バネ部材113によって回転シール部側へ付勢して、固定シール部であるフローティングシート108を回転シール部であるロータ104に対して押圧することにより、第1のシール面105bと第2のシール面109bとを相互に密着させて面シール部110を形成する。
このとき、固定流路107c内に供給された流体の流体圧は円筒隙間Sを介して面シール部110に作用し、以下に説明するバランス比を安定させる上で重要な役割を果たす。ロータリジョイント101に採用されるメカニカルシール構造においては、図7に示すように固定シール部を付勢手段である圧縮バネ部材113によって回転シール部側へ付勢することによる押圧力Fを面シール部110に作用させることによりシール機能を果たしている。そして押圧力Fにより面シール部110に生じる面圧力の面シール部110の内部の流体圧に対する相対比で定義されるバランス比を、予め使用条件に応じて適正に設定された比率に保つことにより、安定したシール性能を維持するようにしている。
すなわち本実施の形態2においては、面シール部110に作用する流体圧は一方側が閉止されて内部における流体の流動が制約された円筒隙間S内の流体の圧力であることから、回転流路104gにおける流体圧とほぼ等しい。したがって、固定流路107c、回転流路104g、104fを介して流動する流体の流量が変動する場合にあっても、面シール部110に作用する流体圧は常に回転流路104gにおける流体の流体圧にほぼ等しく、面シール部110のバランス比は大きく変動することなくほぼ一定に保たれる。
本実施の形態2に示すロータリジョイント101においても実施の形態1におけるものと同様に、このバランス比を0.6以下に設定するようにしている。このバランス比は、円筒隙間S内の流体が、面シール部110からから当該ロータリジョイント101のシール性能に影響を及ぼさない範囲で許容される所定の漏れ量で外部に漏洩するような設定となっている。この所定の漏れ量とバランス比との関係は、実施の形態1において述べた通りである。
バランス比をこのように設定することにより、ロータリジョイント101の作動状態において、図7に示すように、円筒隙間S内に回転流路104gから進入した流体(矢印g)は、常にバランス比に応じた所定の漏れ量だけ第1のシール面105bと第2のシール面109bとの摺動面を介して外部へ漏洩する(矢印h)。このように面シール部110からシール性能に影響を及ぼさない範囲で許容される所定量の流体を常に漏洩させることにより、実施の形態1と同様の効果を有する。
本発明のロータリジョイントは、シール面の摩耗によって発生する異物を簡便な構成によって供給される流体から完全に排除することができるという特徴を有し、食品分野や半導体製造分野などに用いられる装置の回転部に洗浄液やエアなどの流体を送給する用途に有用である。
本発明の実施の形態1におけるロータリジョイントの断面図 本発明の実施の形態1におけるロータリジョイントの断面図 本発明の実施の形態1におけるロータリジョイントの部分断面図 本発明の実施の形態1におけるロータリジョイントの動作説明図 本発明の実施の形態2におけるロータリジョイントの断面図 本発明の実施の形態2におけるロータリジョイントの断面図 本発明の実施の形態2におけるロータリジョイントの動作説明図
符号の説明
1、101 ロータリジョイント
1a,101a 回転部
1b、101b 固定部
2、102 スピンドル軸
3、103 ケーシング部材
4、104 ロータ
4f、104f、104g 回転流路
5、105 第1のシールリング
5b、105b 第1のシール面
7、107 円筒軸部
8、108 フローティングシート
8a,108a 固定軸部
8f、107c 固定流路
9、109 第2のシールリング
9b 第2のシール面
10、110 面シール部
113 圧縮バネ部材

Claims (2)

  1. 軸方向の回転流路が設けられ回転軸に装着される回転部および軸方向の固定流路が設けられケーシング部材に装着される固定部を同軸配置して成り、流体供給源から供給される流体を軸心廻りに回転する前記回転部の回転流路へ前記固定流路を介して送給するロータリジョイントであって、
    前記回転部に設けられ側端面に第1のシール面を有する回転シール部と、
    前記固定流路が前記軸方向に貫通して形成され前記ケーシング部材に設けられた嵌合孔に前記軸方向の移動が許容された状態で嵌合する固定軸部を有し、一方側の側端面に前記固定流路が開口した第2のシール面を有する固定シール部と、
    前記流体供給源から前記嵌合孔内へ前記流体を供給して前記固定軸部の他方側の側端面に流体圧を作用させて、前記固定シール部を前記回転シール部に対して前記流体圧に応じた面圧力で押圧することにより、前記第1のシール面と第2のシール面とを相互に密着させて形成された面シール部と、
    前記回転シール部から前記固定シール部側へ同軸に延出して設けられ、前記回転流路と連通して先端開口部が前記固定流路と連通する円筒軸部と、
    前記円筒軸部の外周面と前記固定流路の内周面との間に前記面シール部を軸方向の隙間形成範囲内に含めて形成され、前記固定流路と連通し前記面シール部から回転部側へ隔てた位置において閉止された円筒隙間と、
    前記円筒隙間内において圧力損失を発生させることにより前記円筒隙間内における前記流体の流動を抑制する流動抑制手段とを備え、
    前記流体圧に対する前記面圧力の比で定義される前記面シール部のバランス比が0.6以下に設定されており、前記流体前記面シール部から前記バランス比に応じた所定の漏れ量で外部に漏洩させることにより、前記面シール部で発生した異物を外部に排出するとともに、
    前記流動抑制手段によって前記異物を含む流体の前記円筒隙間内での逆流を抑制し、
    さらに前記流動抑制手段は、前記円筒隙間内に凸出して凸部を設けることにより前記円筒隙間を部分的に狭めた隙間シールもしくは前記固定流路の内面に複数の凸部および凹部を交互に設けたラビリンスシールのいずれかであることを特徴とするロータリジョイント。
  2. 軸方向の回転流路が設けられ回転軸に装着される回転部および軸方向の固定流路が設けられケーシング部材に装着される固定部を同軸配置して成り、流体供給源から供給される流体を軸心廻りに回転する前記回転部の回転流路へ前記固定流路を介して送給するロータリジョイントであって、
    前記回転部に設けられ側端面に前記回転流路が開口した第1のシール面を有する回転シール部と、
    前記固定流路が前記軸方向に貫通して形成され前記ケーシング部材に設けられた嵌合孔に前記軸方向の移動が許容された状態で嵌合する固定軸部を有し、一方側の側端面に第2のシール面を有する固定シール部と、
    前記固定シール部を付勢手段によって回転シール部側へ付勢して前記固定シール部を前記回転シール部に対して所定の面圧力で押圧することにより、前記第1のシール面と第2のシール面とを相互に密着させて形成された面シール部と、
    前記固定シール部から前記回転シール部側へ同軸に延出して設けられ、前記固定流路と連通して先端開口部が前記回転流路と連通する円筒軸部と、
    前記円筒軸部の外周面と前記回転流路の内周面との間に前記面シール部を軸方向の隙間形成範囲内に含めて形成され、前記回転流路と連通し前記面シール部から固定部側へ隔てた位置において閉止された円筒隙間と、
    前記円筒隙間内において圧力損失を発生させることにより前記円筒隙間内における前記流体の流動を抑制する流動抑制手段とを備え、
    前記流体圧に対する前記面圧力の比で定義される前記面シール部のバランス比が0.6以下に設定されており、前記流体前記面シール部から前記バランス比に応じた所定の漏れ量で外部に漏洩させることにより、前記面シール部で発生した異物を外部に排出するとともに、
    前記流動抑制手段によって前記異物を含む流体の前記円筒隙間内での逆流を抑制し、
    さらに前記流動抑制手段は、前記円筒隙間内に凸出して凸部を設けることにより前記円筒隙間を部分的に狭めた隙間シールもしくは前記固定流路の内面に複数の凸部および凹部を交互に設けたラビリンスシールのいずれかであることを特徴とするロータリジョイント。
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