JP2744887B2 - 工具ホルダーにおける給油装置 - Google Patents

工具ホルダーにおける給油装置

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JP2744887B2
JP2744887B2 JP6108278A JP10827894A JP2744887B2 JP 2744887 B2 JP2744887 B2 JP 2744887B2 JP 6108278 A JP6108278 A JP 6108278A JP 10827894 A JP10827894 A JP 10827894A JP 2744887 B2 JP2744887 B2 JP 2744887B2
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治明 久保
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Big Daishowa Seiki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切削工具を工作機械の
スピンドルに装着するための工具ホルダーのうち、工作
機械側の送油路からオイルホール付回転切削工具に切削
油を供給する給油装置を備えた工具ホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】オイルホール付き回転切削工具は、オイ
ルホールに供給される切削油を刃先部より注出しつつ切
削を行わせることにより、刃先部の冷却と潤滑を図り、
切削工具の耐用寿命を延ばすと共に仕上げ面を良好にし
得る特徴がある。
【0003】従来のこの種工具ホルダーにおける給油装
置は、図6に示すように回転軸1を回転自在に支承する
非回転支持部材3に、工作機械側の給油台に着脱可能な
後述の油路接続具を一体的に設け、該油路接続具と非回
転支持部材3の各給油路6を通って回転軸1に設けた工
具用供給路7に通油し、該供給路7より工具のオイルホ
ールに給油するようにしている。
【0004】この際に非回転状態の非回転支持部材3と
回転状態の回転軸1との相対界面部8を横断して給油通
路が形成されるため、その界面部間から漏油するの阻止
するために両者間に油密リング5を介装するようにして
いる。
【0005】ところが長期の使用期間中に、外部から、
または切削油中に混入する切削粉等が上述の相対界面間
から油密リング5とこれが回転接触する回転軸1の外周
面との間に噛み込み、図6に二点鎖線Hで示すように油
密リング5が接触する回転軸の外周面に切削粉等の摺動
摩擦抵抗により窪みが発生して油密リングによる油密性
が破壊され、この窪みより切削油(クーラント)が漏出
して、該切削油が給油路を挟んで設けられる非回転支持
部材軸支用軸受部分2,2に侵入して該軸受2,2を損
傷する事故が多々発生していた。
【0006】この難点を阻止するために、本件出願人
は、過去に図7に示すように回転軸1と一対の軸受2,
2を介して該回転軸1を回転自在に支承する非回転支持
部材3との間の両軸受2,2間に取り替え可能なスリー
ブ4を介装すると共に、非回転支持部材3とスリーブ4
との間に油密リング5を介在させるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の図7に示す構成
であると、外部から、または切削油中に混入する切削粉
等が油密リング5とこれが回転接触するスリーブ4の外
周面との間に噛み込み、油密リング5が接触するスリー
ブ4の外周面に切削粉等の摺動摩擦抵抗により窪みが発
生して油密リング5による油密性が破壊された場合に
は、該スリーブ4を回転軸1から取り外して交換するだ
けで、高価な回転軸1を取り替える必要がなく、それだ
け補修費用が安くなるという利点がある。
【0008】しかしながら上記従来技術であると、非回
転支持部材3は軸受2,2で支持されると共に、前述の
油路接続具と一体的に形成されているため、スリーブ4
の交換時にこれらを全部分解して交換しなければなら
ず、また装着時はいちいち元の状態に組み込まなければ
ならず、その交換作業が非常に面倒であるという難点を
依然として有していた。
【0009】従って、本発明は、使用時の給油作用には
なんら支障をきたすことがなく、即ち、非回転支持部材
や油路接続具を分解することなく、また回転軸が多少磨
耗しても使用に支障をきたすことのない工具ホルダーに
おける給油装置を提案することを解決課題とする。
【0010】また上記従来技術であると、切削油がスリ
ーブ4と油密リング5との間から不測に軸受部分2に侵
入し、これがために該軸受部分2を短期間に損傷すると
いう難点がある。
【0011】従って、本発明は、例え切削油の流通途上
で非回転支持部材側に漏出するようなことがあっても、
可能な限り漏油が非回転支持部材の軸受部分に侵入しな
いようにすることを解決課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、実施例の参照符号を付して示せば、請求項
1に係る発明にあっては、工作機械のスピンドルに取り
付けられる回転軸10と、該回転軸10を回転可能に支
持する非回転支持部材11とを備えてなる工具ホルダー
において、該非回転支持部材11に軸方向に隣り合っ
て、非回転支持部材11とは別体で回転軸10に設けた
工具用供給油路12に連通する非回転給油リング13を
回転軸10に外嵌すると共に、該非回転給油リング13
と工作機械側の油路接続具14とを通油管15で接続し
非回転給油リング13を非回転状態に支持し、且つ
油路接続具14の油路16と非回転給油リング13の給
油路17とを前記通油管15の通油路18を介して連通
するようにし、回転軸10の外周面に、該回転軸10と
一体回転するスリーブ19を嵌合し、非回転給油リング
11の内周面に、該内周面に沿う周方向への移動は規制
されるが該周方向に直交する軸方向への移動は可能なメ
タル軸受20を、非回転給油リング13とメタル軸受2
0との間に介在させた付勢部材21(図2)によって軸
方向に付勢されるようにして嵌合し、回転軸10と一体
回転する前記スリーブ19の回転面に、非回転給油リン
グ13と共に非回転状態のメタル軸受20が前記付勢部
材21の付勢力によって常時押圧的に接触するようにし
て、前記非回転給油リング13は回転軸10に軸支され
てなる構成を採用するものである。
【0013】また請求項2に係る発明にあっては、前記
メタル軸受20は正面視環状に形成されると共に、該メ
タル軸受20の環状外周面に平坦部20aを設け、該メ
タル軸受20が嵌合される非回転給油リング13の内周
面は環状段部37に形成され、該環状段部37に前記メ
タル軸受20の平坦面20aに合致する平坦面37aを
形成し、これによってメタル軸受20を軸方向への移動
は可能であるが周方向への移動を規制するようにしてな
る請求項1記載の構成を採用するものである。
【0014】また請求項3に係る発明にあっては、前記
非回転支持部材11と非回転給油リング13との間にド
レン22が介在してなる請求項1または2記載の構成を
採用するものである。
【0015】また請求項4に係る発明にあっては、前記
非回転給油リング1と工作機械側の油路接続具14と
をつなぐ通油管15を着脱可能に設けてなる請求項1〜
3のいずれか記載の構成を採用するものである。
【0016】また請求項5に係る発明にあっては、非回
転給油リング1とメタル軸受20との間に介在する前
記付勢部材21は油密リングである請求項1〜4のいず
れか記載の構成を採用するものである。
【0017】
【作用】請求項1に係る発明によれば、工作機械のスピ
ンドル48に回転軸10が取り付けられ、非回転支持部
材11に連繋している油路接続具14が工作機械側の給
油台23に接続されることによって、回転軸10は該非
回転支持部材11によって回転自在に支承され、また該
非回転支持部材11に軸方向に隣り合って、非回転給油
リング13は通油管15を介して前記油路接続具14に
規制されて回転軸10に非回転状態に支持され、これよ
って非回転給油リング13の給油路17は通油管15の
通油路18及び油路接続具14の油路16とに回転軸1
0の回転に係わらず常時連通状態にあり、従って油路接
続具14が上記給油台23に接続されることによって給
油台23からの切削油(クーラント)は油路接続具14
の油路16、通油管15の通油路18、非回転給油リン
グ13の給油路17及び回転軸10の工具用供給油路1
2を通って工具Tのオイルホールhに給油されることに
なる。
【0018】従って、従来のように非回転支持部材11
の軸受部分25に切削油(クーラント)が侵入して該軸
受部分25を損傷して非回転支持部材11を取り替える
必要がある場合に比べて、本発明では、その虞れが殆ど
ないため回転軸10を支承する非回転支持部材11は回
転軸10から分解する必要がなく、非回転給油リング1
3のみを回転軸10から取り外して該非回転給油リング
13を修理すればよく、または新しい非回転給油リング
13と交換すればよい。
【0019】長期間の使用により非回転給油リング13
が磨耗して、回転軸10とこれに軸支される非回転給油
リング13との間の油密性が若干失われ、漏油する場合
があっても、本発明では、非回転給油リング13と非回
転支持部材11とは別体に形成されているため、非回転
給油リング13と回転軸10との間から漏出した切削油
は、非回転支持部材11の軸受部分25に至る前に非回
転支持部材11と非回転給油リング13との間から外部
に排出され、切削油は該軸受部分25に侵入することが
ない。
【0020】また本発明にあっては、回転軸10の外周
面に、該回転軸10と一体回転するスリーブ19を嵌合
し、非回転給油リング13の内周面に、該内周面に沿う
周方向への移動は規制されるが該周方向に直交する軸方
向への移動は可能なメタル軸受20を、非回転給油リン
グ13とメタル軸受20との間に介在させた付勢部材2
1(図2)によって軸方向に付勢されるようにして嵌合
し、回転軸10と一体回転する前記スリーブ19の回転
面に、非回転給油リング13と共に非回転状態のメタル
軸受20が前記付勢部材21の付勢力によって常時押圧
的に接触するようにして、前記非回転給油リング13は
回転軸10に軸支されてなるため、スリーブ19とメタ
ル軸受20との間の油密性は付勢部材21に維持され一
種のメカニカルシールを形成し、回転軸10が高速回転
するも、非回転給油リング13の給油路17を流通する
切削油はスリーブ19とメタル軸受20との間から漏出
することが殆どない。
【0021】また請求項2に係る発明によれば、前記メ
タル軸受20の外周面と、これが嵌合される非回転給油
リング13の内周面とに互いに合致して当接する平坦面
20a,37aを形成するだけで、メタル軸受20を軸
方向には移動可能であるが周方向には移動を規制するよ
うにしてあるため、その規制手段の構成が極めて簡単で
ある。
【0022】また請求項3に係る発明にあっては、前記
非回転支持部材11と非回転給油リング13との間にド
レン22が介在してなるため、非回転給油リング13と
回転軸10との間から漏出した切削油は、非回転支持部
材11の軸受部分25に至る前にドレン22から外部に
排出され、該軸受部分25に切削油が侵入することを可
能な限り防止する。なお、非回転支持部材11と非回転
給油リング13との間に所要の間隙を設ける必要が特に
なく、非回転給油リング13が非回転支持部材11に当
接した状態であってもよい。
【0023】また請求項4に係る発明にあっては、前記
非回転給油リング13と工作機械側の油路接続具14と
をつなぐ通油管15を着脱可能に設けてなるため、スリ
ーブ19とメタル軸受20との間に侵入する切削屑等に
よって両者間の油密性が失われてスリーブ19またはメ
タル軸受20を交換する必要がある場合には、着脱可能
な通油管15を非回転給油リング13から脱出させた状
態で、非回転給油リング13及びこれに内嵌されるメタ
ル軸受20と共にスリーブ19を回転軸10の外周面に
沿って移動させ、その工具取付部24側から取り外すよ
うにすればよい。
【0024】即ち、この場合には回転軸10を支承する
非回転支持部材11は回転軸10から分解される必要は
全くない。
【0025】なお、通油管15を非回転給油リング13
から取り外す構成としては、通油管15とこれにつなが
れる油路接続具14とを分解することなく、油路接続具
14と、これに連繋される非回転支持部材11とを分解
することによって通油管15を非回転給油リング13か
ら取り外すようにするようにしても、通油管15のみを
取り外すようにしてもよい。
【0026】交換された新しいスリーブ19およびメタ
ル軸受20は、再び非回転給油リング13と共に回転軸
10の外周面に装着され、通油管15が油路接続具14
に接続されるだけでよく、これによって一連の給油通路
が形成される。
【0027】また請求項5に係る発明にあっては、非回
転給油リング1とメタル軸受20との間に介在する前
記付勢部材21は油密リングであるため、非回転給油リ
ング1とメタル軸受20との間の油密性が良好であ
る。
【0028】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示すもので、回転
軸10の一端側にマニピュレータ用把持部26と先細り
状のシャンク部27が同心状に形成され、他端部にはオ
イルホール付切削工具Tの取付部24が同心状に形成さ
れている。
【0029】回転軸10は、軸受25を介して非回転支
持部材11に回転可能に支持され、非回転支持部材11
の一側半径方向突出部に形成されたシリンダー部11A
には、回り止め機構を兼ねた油路接続具14が取り付け
られている。
【0030】この油路接続具14は、前記シリンダー部
11Aに回転軸10と平行な方向に摺動可能に内装され
且つシャンク部27のある側に突出する外筒28と、こ
の外筒28に軸方向伸縮自在に螺嵌する内筒29とから
構成され、外筒28の外端と内筒29に螺嵌されたロッ
クナット30との間には回り止め部材31が固定されて
いる。また前記内筒29の内部には、スプリング32a
と該スプリング32aによって筒口29aを閉塞するよ
うに付勢された球状弁体32bとから成る逆止弁32が
装着されている。前記外筒28は圧縮コイルスプリイグ
33によって外向きに付勢され、該コイルスフリング3
3は外筒28の端面34とシリンダー部11Aの底面と
の間に介装されている。このスプリング33の付勢力に
よって外向きに外筒28が押し出される結果、不使用状
態に於いては、回り止め部材31の遊端部がマニピュレ
ータ用把持部26に隣接して回転軸10に設けられた係
合溝35に嵌合し、回転軸10と非回転支持部材11と
を相対回転不能に係合するようになっている。なお、図
1は係合状態が解除されている状態を示す。
【0031】一方、非回転支持部材11に隣り合って、
回転軸10に非回転給油リング13が外嵌され、該非回
転給油リング13の内周面には環状の給油路17が形成
され、該給油路17は、回転軸10に設けた径方向の給
油路12に連通しており、また非回転給油リング13の
うち前記油路接続具14に面する側には通油管15が油
密リング36を介在して抜き差し可能に挿入され、該通
油管15の端部が油路接続具14のシリンダー部11A
に螺着によって接続されることによって非回転給油リン
グ13が油路接続具14に規制されてその回転が阻止さ
れるようになっている。
【0032】図1、特に図2に示すように、非回転給油
リング13の内周面軸方向両側部が環状段部37に形成
され、この環状段部37に、砲金材等の軸受材として適
した金属性のメタル軸受20が嵌合される。このメタル
軸受20は、図3または図4に示すように段面略L状で
正面視環状に形成されると共に、その環状外周面の複数
個所が平坦部20aに形成され、これに対応する非回転
給油リング13の前記環状段部37の内周面も平坦部3
7aに形成され、従ってメタル軸受20を前記環状段部
37に嵌合することによって、該メタル軸受20は両者
の平坦部20a,37aに規制されて周方向に移動する
ことがなく軸方向にのみ移動可能に非回転給油リング1
3に嵌合される。また図1、特に図2に示すように、非
回転給油リング13とメタル軸受20との軸方向の対向
間には合成ゴムや軟質合成樹脂などからなるOリング、
即ち油密リング21が介装され、該油密リング21によ
ってメタル軸受20は、これに軸方向に対向するスリー
ブ19側に付勢される。従って該油密リングは付勢部材
21としての役割も担っている。
【0033】更に詳細に説明すると、図2に示すよう
に、スリーブ19は、回転軸10に順次嵌合される肉厚
な第一スリーブ19aと肉薄で油孔38を設けた第二ス
リーブ19bと肉厚な第三スリーブ19cからなり、第
一スリーブ19aと第三スリーブ19cとの間に非回転
給油リング13が介装され、これに内嵌される一対のメ
タル軸受20,20がそれぞれ第一スリーブ19aと第
三スリーブ19cとに付勢部材21に押圧された状態で
接触している。そして第一スリーブ19aが非回転支持
部材11側の当板39に当接した状態で、第三スリーブ
19cに隣接して回転軸10に螺合したナット40によ
ってスリーブ19が回転軸10に一体的に、即ち回転軸
10と一体回転するよう固定されている。なお、図2〜
図4に示すように、メタル軸受20のスリーブ側当接面
には周方向適当間隔に油溝41が形成され、これに滞留
する切削油によってスリーブ19とメタル軸受20との
互いの当接面の円滑な摺動性を増進させるようにしてい
る。
【0034】このように非回転給油リング13に内嵌し
た非回転状態のメタル軸受20、20は、回転軸10と
共に回転するスリーブ19、正確には第一スリーブ19
aと第三スリーブ19cとに付勢部材21に付勢された
状態で常時接触するようになっているため、この両者が
一種のメカニカルシールを形成している。従って非回転
状態の非回転給油リング13の内周面側(給油路)から
回転軸10の外周面側に切削油を流通させても、該切削
油は第一スリーブ19a及び第三スリーブ19cと付勢
部材21に付勢されるメタル軸受20とによって外部に
漏出することが阻止され、回転軸10が急速回転するも
両者間の油密性は良好に維持される。
【0035】なお、図2に示すように、接続管から高圧
の切削油がメタル軸受20と第一及び第二のスリーブ1
9a,19cとの隙間42に侵入するが、この油圧力は
メタル軸受20、20を非回転給油リング13側に付勢
することがあっても軸方向の第一及び第二のスリーブ1
9a,19c側に付勢することがないため、メタル軸受
20と両スリーブ19a,19cとの間に過度の接触力
をかけることがない。なお、図1及び図2において、4
4は油密リングである。
【0036】また図5に示すようにシリンダー部11
A、従って油路接続具14は非支持部材11とは別体に
形成されており、両者はボルト43,43によって一体
的に連結されるようになっている。従って非回転給油リ
ング13を回転軸10から分解するためには非回転給油
リング13を固定するナット40と、油路接続具14と
非回転支持部材11とを連結するボルト43を外すこと
によって油路接続具14は給油管15と共に、非回転支
持部材11から取り外すことができ、これによって非回
転給油リング13、メタル軸受20及びスリーブ19を
回転軸11から容易に抜き出すことができる。
【0037】このように非回転給油リング13を非回転
支持部材11に対して軸方向に隣り合って配設すること
によって軸受25,25に軸支される非回転支持部材1
1を回転軸10から分解する必要がなく、これだけ分解
作業を迅速に行うことができる。
【0038】また図1または図2に示すように、非回転
支持部材11、正確にはその当板39と非回転給油リン
グ13との間にドレン22を設けてあるため、不測に非
回転給油リング13側から非回転支持部材11側に切削
油が漏出しても、非回転支持部材11、正確にはその軸
受部分25に侵入する前にドレン22から外部に放出さ
れる。なお、非回転支持部材11と非回転給油リング1
3との間にドレン用の間隙を設けることは必ずしも必要
でなく、非回転給油リング13が非回転支持部材11に
直接に当接するようになっていても、両者が油密的に当
接していなければよい。
【0039】スリーブ19は、一般の鋼板にクロムメッ
キしたもの、焼入鋼や超硬材からなるもの、あるいはこ
れらにセラミックスやチタンナイトライトをコーテイン
グしたもの等のように、少なくとも表面が耐磨耗性を有
するものによって形成されることが好ましく、これに当
接するメタル軸受20はスリーブ19とは異質の材料、
例えば砲金材等の合金で形成されることが好ましい。
【0040】工具ホルダーの使用途上においては、非回
転支持部材11は回り止めを兼ねた油路接続具14が、
工作機械の固定部45(図1)に設けられた給油台23
に係止されることによって回り止め部材31がコイルス
プリング33の付勢力に抗して後退し、該部材31と回
転軸10側の係合溝35との係合状態が解除され、回転
軸10は回転自在に保持される。従って回転軸10は非
回転支持部材11に支持された状態で、その先端の工具
取付部24に取り付けられた回転切削工具Tで所定の切
削加工が行われる。
【0041】しかして給油台23の送油孔23aから送
り出される切削油(クーラント)は、逆止弁32を押し
開き、油路接続具14の油路16、通油管15の通油路
18、非回転給油リング13の給油路17を通り、該非
回転給油リング13の内周面が直接に且つ油密的に回転
軸10の外周面に接触して油密が適宜保持されながら、
あるいは非回転給油リング13に内嵌するメタル軸受2
0と、回転軸10に外嵌するスリーブ19との間の相対
界面間の油密が適宜保持されながら、切削油は回転軸1
0側の工具用供給油路12を通って切削工具Tのオイル
ホールhに給油され、該工具Tの先端部よりクーラント
が吐出される。
【0042】この際に、図1に示すように非回転給油リ
ング13とこれに隣接する非回転支持部材11とは互い
に別体に形成され、両者は互いに単に当接しているだけ
であるから、非回転給油リング13のメタル軸受20と
回転軸10側のスリーブ19との間から切削油(クーラ
ント)が非回転支持部材11側に不測に漏出しても、両
者の当接隙間から切削油が外部に放出され、非回転支持
部材1の軸受部分に切削油が侵入することを可能な限り
防止する。
【0043】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、従来のよ
うに非回転支持部材の軸受部分に切削油(クーラント)
が侵入して該軸受部分を損傷して非回転支持部材を取り
替える必要がある場合に比べて、本発明では、その虞れ
が殆どないため回転軸を支承する非回転支持部材を回転
軸から分解する必要がなく、また非回転給油リングの油
密性が失われた場合には、非回転給油リング側のみを回
転軸から取り外して該非回転給油リングを修理すればよ
く、または新しい非回転給油リングと交換すればよいか
ら、それだけ保守と管理が容易である。
【0044】また長期間の使用により非回転給油リング
が磨耗して、回転軸とこれに軸支される非回転給油リン
グとの間の油密性が若干失われ、該非回転給油リングと
回転軸との間から不測に漏油する場合があっても、非回
転給油リングと非回転支持部材とは別体に形成されてい
るため、非回転給油リングと回転軸との間から漏出した
切削油は、非回転支持部材の軸受部分に至る前に非回転
支持部材と非回転給油リングとの間から外部に排出さ
れ、切削油は該軸受部分に侵入することをできるだけ防
止し、フェイルセーフの機能を最大限に発揮させること
ができる。
【0045】また本発明によれば、回転軸の外周面に、
該回転軸と一体回転するスリーブを嵌合し、非回転給油
リングの内周面に、該内周面に沿う周方向への移動は規
制されるが該周方向に直交する軸方向への移動は可能な
メタル軸受を、非回転給油リングとメタル軸受との間に
介在させた付勢部材によって軸方向に付勢されるように
して嵌合し、回転軸と一体回転する前記スリーブの回転
面に、非回転給油リングと共に非回転状態のメタル軸受
が前記付勢部材の付勢力によって常時押圧的に接触する
ようにして、前記非回転給油リングは回転軸に軸支され
てなるため、スリーブとメタル軸受との間の油密性は付
勢部材に維持され一種のメカニカルシールを形成し、回
転軸が高速回転するも、非回転給油リングの給油路を流
通する切削油はスリーブとメタル軸受との間から漏出す
ることが殆どない。
【0046】また請求項2に係る発明によれば、前記メ
タル軸受の外周面と、これが嵌合される非回転給油リン
グの内周面とに互いに合致して当接する平坦面を形成す
るだけで、メタル軸受を軸方向には移動可能であるが周
方向には移動を規制するようにしてあるため、その規制
手段の構成が極めて簡単で合理的である。
【0047】また請求項3に係る発明にあっては、前記
非回転支持部材と非回転給油リングとの間にドレンが介
在してなるため、非回転給油リングと回転軸との間から
漏出した切削油は、非回転支持部材の軸受部分に至る前
にドレンから外部に排出され、該軸受部分に侵入するこ
とが殆どなく、フェイルセーフの機能を最大限に発揮さ
せることができる。
【0048】また請求項4に係る発明にあっては、前記
非回転給油リングと工作機械側の油路接続具とをつなぐ
通油管を着脱可能に設けてなるため、スリーブとメタル
軸受との間に侵入する切削屑等によって両者間の油密性
が失われてスリーブまたはメタル軸受を交換する必要が
ある場合には、着脱可能な通油管を非回転給油リングか
ら脱出させた状態で、非回転給油リング及びこれに内嵌
されるメタル軸受と共にスリーブを回転軸の外周面に沿
って移動させ、その工具取付部側から取り外すようにす
ればよい。即ち、回転軸を支承する非回転支持部材およ
び両者間に介在する軸受部分は回転軸から分解される必
要が全くないため、それだけ交換作業が簡単であり、保
守と管理が容易である。
【0049】また請求項5に係る発明にあっては、非回
転給油リングとメタル軸受との間に介在する前記付勢部
材は油密リングであるため、非回転給油リングとメタル
軸受との間の油密性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】 同要部の断面図である。
【図3】 同要部の分解斜視図である。
【図4】 同要部の正面図である。
【図5】 同の実施例の正面図である。
【図6】 従来例の要部を示す断面図である。
【図7】 従来例の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
10 回転軸 11 非回転支持部材 12 工具用供給油路 13 非回転給油リング 14 油路接続具 15 通油管 16 油路 17 給油路 18 通油路 19 スリーブ 20 メタル軸受 21 付勢部材 22 ドレン

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械のスピンドルに取り付けられる
    回転軸と、該回転軸を回転可能に支持する非回転支持部
    材とを備えてなる工具ホルダーにおいて、該非回転支持
    部材に軸方向に隣り合って、非回転支持部材とは別体で
    回転軸に設けた工具用供給油路に連通する非回転給油リ
    ングを回転軸に外嵌すると共に、該非回転給油リングと
    工作機械側の油路接続具とを通油管で接続して非回転給
    油リングを非回転状態に支持し、且つ該油路接続具の油
    路と非回転給油リングの給油路とを前記通油管の通油路
    を介して連通するようにし、回転軸の外周面に、該回転
    軸と一体回転するスリーブを嵌合し、非回転給油リング
    の内周面に、該内周面に沿う周方向への移動は規制され
    るが該周方向に直交する軸方向への移動は可能なメタル
    軸受を、非回転給油リングとメタル軸受との間に介在さ
    せた付勢部材によって軸方向に付勢されるようにして嵌
    合し、回転軸と一体回転する前記スリーブの回転面に、
    非回転給油リングと共に非回転状態のメタル軸受が前記
    付勢部材の付勢力によって常時押圧的に接触するように
    して、前記非回転給油リングは回転軸に軸支されてなる
    工具ホルダーにおける給油装置。
  2. 【請求項2】 前記メタル軸受は正面視環状に形成され
    ると共に、該メタル軸受の環状外周面に平坦部を設け、
    該メタル軸受が嵌合される非回転給油リングの内周面は
    環状段部に形成され、該環状段部に前記メタル軸受の平
    坦面に合致する平坦面を形成し、これによってメタル軸
    受を軸方向への移動は可能であるが周方向への移動を規
    制するようにしてなる請求項1記載の工具ホルダーにお
    ける給油装置。
  3. 【請求項3】 前記非回転支持部材と非回転給油リング
    との間にドレンが介在してなる請求項1または2記載の
    工具ホルダーにおける給油装置。
  4. 【請求項4】 前記非回転給油リングと工作機械側の油
    路接続具とをつなぐ通油管を着脱可能に設けてなる請求
    項1〜3のいずれか記載の工具ホルダーにおける給油装
    置。
  5. 【請求項5】 非回転給油リングとメタル軸受との間に
    介在する前記付勢部材は油密リングである請求項1〜4
    のいずれか記載の工具ホルダーにおける給油装置。
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