JP5221064B2 - 印刷用メタルマスク及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スクリーン印刷や孔版印刷等に用いられる印刷用メタルマスクとその製造方法とに係り、特に、当該メタルマスクの表面構造と、その表面に施される被膜形成処理の方法とに関する。
従来、抵抗部品における抵抗パターンの形成や配線部品における導電パターンの形成には、安価に実施できることから、メタルマスクを用いたスクリーン印刷や孔版印刷が利用されている。スクリーン印刷用のメタルマスクは、ステンレススチールなどの針金で織られた網状のスクリーンに、所要の印刷パターンに対応する透孔が開設されたレジスト膜を形成してなる。これに対して、孔版印刷用のメタルマスクは、ステンレススチールなどの板材に、所要の印刷パターンに対応する透孔を開設してなる。
これらの印刷用メタルマスクには、電気部品の小型化及び多機能化を図るため、高精細なパターンを精度よく印刷できることが求められると共に、電気部品の生産性を高めるため、メンテナンスが容易で、多数の抵抗パターンや導電パターンを連続的に印刷できることが求められる。
しかしながら、従来の印刷用メタルマスクは、抵抗インク、半田ペースト及び配線用インクなどのインク類の型離れが悪く、印刷用メタルマスクの背面側、即ち、被印刷物との対向面にこれらのインク類が付着しやすく、印刷パターンのさらなる高精細化が難しいという問題がある。また、被印刷物との対向面にインク類が付着しやすいことから、比較的少数回の印刷が終了する毎に印刷用メタルマスクを清掃しなくてはならず、生産性を高めることも難しいという問題もある。これらの問題の解決を図るため、エッチングによる金属表面の処理等が行われているが、有効な手段とはなっていない。
本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高精細なパターンを精度よく印刷でき、かつ電気部品の生産性を高められる印刷用メタルマスクとその製造方法とを提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、印刷用メタルマスクに関して、板状又は網状に形成された金属材料からなるマスク本体の表面に、下記の化5で表されるフッ素含有トリアジンの被膜が形成され、かつ、前記被膜中の官能基に、下記の化6で表されるオキシラン基を有するシランカップリング剤が結合されているという構成にした。
Figure 0005221064
Figure 0005221064
フッ素含有トリアジンは、反応性、溶解性及び界面活性に優れるので、その被膜を金属材料からなるマスク本体の表面に形成すると、印刷用メタルマスクからのインク類の型離れが良好となり、印刷用メタルマスクの背面側にインク類が付着しにくくなる。よって、インク類の滲みがない高精細な印刷パターンを精度よく印刷することが可能になると共に、印刷用メタルマスクの清掃頻度を低くすることができ、電気部品等の生産性を高めることができる。また、被膜中の官能基にオキシラン基を有するシランカップリング剤を結合すると、被膜中の官能基がシランカップリング剤を介して互いに結合されるので、印刷用メタルマスク表面からの被膜の脱落を抑制でき、フッ素含有トリアジン被膜を形成したことによる効果を持続させることができる。
一方、本発明は、印刷用メタルマスクの製造方法に関して、板状又は網状に形成された金属材料からなるマスク本体の表面に、下記の化7で表されるフッ素含有トリアジンの被膜を形成する工程と、前記被膜中の官能基に、下記の化8で表されるオキシラン基を有するシランカップリング剤を結合する工程とを含むという構成にした。
Figure 0005221064
Figure 0005221064
マスク本体に対するフッ素含有トリアジン被膜の形成は、マスク本体と対向電極とを処理液中に浸漬し、電気化学的手段を施すことにより実施できるので、マスク本体の表面に所要の被膜を高能率に形成できると共に、マスク本体の表面に対する密着度が高い被膜を形成することができる。また、当該被膜中の官能基にシランカップリング剤を結合させる処理は、処理液中にフッ素含有トリアジン被膜が施されたマスク本体を浸漬することにより実施できるので、官能基の固定を簡便な装置を用いて容易に実施することができる。
また、本発明は、印刷用メタルマスクの製造方法に関して、前記マスク本体の表面に前記フッ素含有トリアジンの被膜を形成する工程において、前記マスク本体と、網状に形成された金属材料からなる対向電極とを処理液中に浸漬し、前記マスク本体を正極、前記対向電極を負極として電気化学的手段により前記マスク本体の表面に前記フッ素含有トリアジンの被膜を形成するという構成にした。
マスク本体にフッ素含有トリアジンの被膜を形成する際に、対向電極として、金属製の網状物を用いると、マスク本体の表面に形成されるフッ素含有トリアジン被膜の均一性を高めることができる。その理由については、必ずしも明らかになっていないが、板状の対向電極を用いる場合のように外周エッジ部に電流密度が集中せず、マスク本体と対向電極との間の電流密度が均一化されるためであると考えられる。
また、本発明は、印刷用メタルマスクの製造方法に関して、前記マスク本体を構成する金属材料と前記対向電極を構成する金属材料とが同一であり、かつ、前記対向電極は、形状が前記マスク本体の形状と相似であり、サイズが、前記対向電極のサイズと同一以上であるという構成にした。
マスク本体にフッ素含有トリアジンの被膜を形成する際に、マスク本体と同一材料からなり、形状がマスク本体と相似形で、かつサイズが同一以上の対向電極を用いると、マスク本体の表面に形成されるフッ素含有トリアジン被膜の均一性を更に高めることができる。その理由は、前述の網状物にしたことによる効果に、形状が相似であることの効果が加わり、マスク本体と対向電極との間の電流密度がより均一化されるためであると考えられる。
また、本発明は、印刷用メタルマスクの製造方法に関して、前記マスク本体及び前記対向電極として、ステンレススチールの針金を織ることによって網状に形成されたものを用いるという構成にした。
前述のように、抵抗部品や配線部品などの電気部品の製造には、ステンレスマスクが一般的に用いられているので、マスク本体及び対向電極としてステンレス製のものを用いることにより、表面にフッ素含有トリアジンの被膜が形成された実用的な電気部品製造用のステンレスマスクを得ることができる。
本発明の印刷用メタルマスクは、反応性、溶解性及び界面活性に優れたフッ素含有トリアジンの被膜を表面に形成してなるので、背面側にインク類が付着しにくく、高精細な印刷パターンを精度よく印刷できる。また、清掃頻度を低くできることから、電気部品等の生産性を高めることができる。さらに、被膜中の官能基にオキシラン基を有するシランカップリング剤を結合するので、メタルマスク表面からの被膜の脱落が抑制され、フッ素含有トリアジン被膜を形成したことによる効果を持続させることができる。
本発明の印刷用メタルマスクの製造方法は、電気化学的な手法でマスク本体の表面にフッ素含有トリアジンの被膜を形成するので、マスク本体の表面に所要の被膜を高能率に形成できると共に、マスク本体の表面に対する密着度が高い被膜を形成することができる。また、本発明の印刷用メタルマスクの製造方法は、所要の被膜が形成されたメタルマスクを所要の処理液中に浸漬することにより、被膜中の官能基にシランカップリング剤を固定するので、簡便な装置を用いて容易に実施することができ、生産性に優れる。
以下、本発明に係る印刷用メタルマスク及びその製造方法の一実施形態を、図1乃至図6に基づいて説明する。図1はスクリーン印刷用のメタルマスクを示す平面図及び要部断面図、図2は孔版印刷用のメタルマスクを示す平面図及び要部断面図、図3は実施形態例に係る印刷用メタルマスクの表面状態を模式的に示す断面図、図4はスクリーン印刷用のメタルマスクの製造方法を示すフロー図、図5は孔版印刷用のメタルマスクの製造方法を示すフロー図、図6は実施形態例に係るマスク本体の表面にフッ素含有トリアジンの被膜を形成する工程を示す説明図である。
スクリーン印刷用のメタルマスク1は、図1(a),(b)に示すように、ステンレススチールなどの針金で織られた網状のマスク本体2と、マスク本体2の外周部を固定するアルミニウムなどの金属材料をもって形成された枠体3と、マスク本体2に均一に形成され、所定部分に所要の印刷パターンに対応する透孔4が開設されたレジスト膜5とからなる。透孔4が開設されたレジスト膜5の形成は、マスク本体2にレジスト膜5を均一に形成した後、当該レジスト膜5の片面に透孔4の元になるポジフィルムを貼り付け、ポジフィルムの外側からレジスト膜5の露光光を照射してレジスト膜5を感光し、ポジフィルム剥離後、現像処理により感光部分又は非感光部分を選択的に除去することにより行うことができる。
孔版印刷用のメタルマスク11は、図2(a),(b)に示すように、所要の印刷パターンに対応する透孔12が開設されたステンレススチールなどの板材からなるマスク本体13と、マスク本体13の外周部を固定するアルミニウムなどの金属材料をもって形成された枠体14とからなる。板材に対する透孔12の開設は、レーザ加工やエッチングなどによって行うことができる。
なお、図1(a)及び図2(a)の例では、図示を容易にするため、透孔4,12が文字「A」の形に形成されているが、抵抗部品や配線部品などの電気部品の製造に適用する場合には、それぞれ所要の抵抗パターンの形状及び導電パターンの形状に形成される。
マスク本体2,13の表面には、図3に模式的に示すように、下記の化9で表されるフッ素含有トリアジンの被膜21が均一に形成されると共に、当該被膜21の官能基21aに、下記の化10で表されるオキシラン基を有するシランカップリング剤22が結合される。
Figure 0005221064
Figure 0005221064
化9に示すフッ素含有トリアジンは、反応性、溶解性及び界面活性に優れるので、その被膜21を金属材料からなるマスク本体2,13の表面に形成すると、マスク本体2,13からのインク類の型離れが良好となり、印刷を繰り返しても、マスク本体2,13の背面側にインク類が付着しにくくなる。よって、インク類の滲みを防止でき、高精細な印刷パターンを精度よく印刷することが可能になると共に、マスク本体2,13の清掃頻度を低くすることができて、電気部品等の生産性を高めることができる。また、被膜21中の官能基21aにオキシラン基を有するシランカップリング剤22を結合すると、図3に模式的に示すように、被膜21中の官能基21aがシランカップリング剤22を介して互いに結合されるので、マスク本体2,13からの被膜21の脱落が抑制され、フッ素含有トリアジンの被膜21を形成したことによる効果を持続させることができる。なお、化9に示すフッ素含有トリアジンの製造方法や金属材料の表面への被膜形成方法については、特許第3128574号公報に開示されている。
スクリーン印刷用のメタルマスク1は、図4に示す手順で作成される。即ち、まず、ステンレススチールなどの針金で織られた網状のマスク本体2の周辺部を枠体3に固定(ステップS1)した後、マスク本体2にレジスト膜5を均一に形成する(ステップS2)。レジスト膜5の形成は、マスク本体2に液状のレジスト剤を塗布した後、これを乾燥することにより行うことができる。次いで、当該レジスト膜5に所要の印刷パターンに対応する透孔4を開設する(ステップS3)。レジスト膜5に対する透孔4の開設は、レジスト膜5の片面に、透孔4の元になるパターンが形成されたポジフィルムを貼り付け、ポジフィルムの外側からレジスト膜5の露光光を照射した後、レジスト膜5を現像処理して、露光部分又は非露光部分を選択的に除去することにより行うことができる。次いで、枠体3の表面に絶縁処理を施す(ステップS4)。枠体3の絶縁処理は、枠体3の表面に絶縁テープを貼るなどの方法により行うことができる。次いで、透孔4の開設部分に露出するマスク本体2の表面に前出の化9で表されるフッ素含有トリアジンの被膜21を均一に形成する(ステップS5)。被膜21の形成は、図6に示すように、所要の処理液31が供給された処理容器32内に、ゴムスペーサ33を介して一定間隔で対向に配置された印刷用メタルマスク1と対向電極34を浸漬し、マスク本体2を正極、対向電極34を負極として電流を印加することにより行う。これにより、金属材料からなるマスク本体2の表面にのみ、被膜21が選択的に形成される。なお、対向電極34は、金属線で織られた網状のものを用いることもできるし、金属板にて形成された板状のものを用いることもできるが、均一性の高い被膜21を形成できることから、金属線で織られた網状のものを用いる方が望ましい。その理由については、必ずしも明確になっていないが、板状の対向電極を用いる場合のように外周エッジ部に電流密度が集中しないので、マスク本体2と対向電極34との間の電流密度が均一化されるためであると考えられる。また、対向電極34は、マスク本体2と同一材料からなるものを用いることもできるし、異なる材料からなるものを用いることもできるが、均一性の高い被膜21を形成できることから、マスク本体2と同一材料からなるものを用いる方が望ましい。さらに、対向電極34は、マスク本体2とほぼ同一サイズのものを用いることもできるし、異なるサイズのものを用いることもできるが、均一性の高い被膜21を形成できることから、マスク本体2と相似の形状で、ほぼ同一サイズあるいはより大きなものを用いる方が望ましい。これらの理由についても、明確になっていないが、マスク本体2と対向電極34との間の電流密度が均一化されるためであると考えられる。最後に、マスク本体2の表面に形成された被膜21中の官能基21aに、前出の化10で表されるオキシラン基を有するシランカップリング剤22を結合する(ステップS6)。官能基21aに対するシランカップリング剤22の結合は、所要の処理液が供給された処理容器内に、被膜21が形成された印刷用メタルマスク1を浸漬することにより行う。
これに対して、孔版印刷用のメタルマスク11は、図5に示す手順で作成される。即ち、所要の印刷パターンに対応する透孔12が開設されたステンレススチールなどの板材からなるマスク本体13の外周部を枠体14に固定(ステップS11)すると共に、枠体14の表面にスクリーン印刷用のメタルマスク1と同様の方法で、絶縁処理を施す(ステップS12)。次いで、当該印刷用メタルマスク11を先に説明した対向電極34と共に所要の処理液31が供給された処理容器32内に浸漬し、スクリーン印刷用のメタルマスク1と同様の方法で、マスク本体13の表面に前出の化9で表されるフッ素含有トリアジンの被膜21を均一に形成する(ステップS13)。次いで、マスク本体13の表面に形成された被膜21中の官能基21aに、スクリーン印刷用のメタルマスク1と同様の方法で、前出の化10で表されるオキシラン基を有するシランカップリング剤22を結合する(ステップS14)。
このように、本発明の被膜形成方法は、電気化学的な手法でマスク本体2,13の表面に化9で表されるフッ素含有トリアジンの被膜21を形成するので、マスク本体2,13の表面に所要の被膜21を高能率に形成できると共に、マスク本体2,13の表面に対する密着度が高い被膜21を形成することができる。また、本発明のシランカップリング剤による官能基21aの固定方法は、所要の被膜21が形成された印刷用メタルマスク1,11を所要の処理液中に浸漬するだけで行うことができるので、簡便な装置を用いて容易に実施することができる。
以下に、本発明に係る印刷用メタルマスクの実施例と比較例とを挙げ、図7乃至図9により本発明の効果を明らかにする。図7は印刷用メタルマスクの裏面におけるインク類の付着状態を示す図、図8は印刷物上の印刷状態を示す図、図9は実施例及び比較例に係る印刷用メタルマスクの特性を比較して示す表図である。
〈実施例〉
純水1Lに、前出の化9で表されるフッ素含有トリアジン1mmolと炭酸ナトリウム0.1molとを溶かし、被膜形成用の第1処理液を調製した。また、メタノールの90%水溶液に、前出の化10で表されるオキシラン基を有するシランカップリング剤を1%添加し、官能基処理用の第2処理液を調製した。プラスチック容器の底面に対向電極を置き、その上面の角部に厚さが5mmで縦幅及び横幅が2cmのゴムスペーサを載置した。次いで、被膜の形成面を下向きにして、ゴムスペーサの上面にスクリーン印刷用のメタルマスクを載置し、当該メタルマスクと対向電極とが互いに完全に対向し合うようにそれらの位置を調整した。メタルマスク及び対向電極としては、ステンレススチールの針金で織られた網状のものを用い、その平面形状及びサイズについても、ほぼ同一形状、同一サイズとした。しかる後に、これら対向電極、ゴムスペーサ及びメタルマスクが浸漬するように、プラスチック容器内に被膜形成用の第1処理液を注入し、メタルマスクを正極、対向電極を負極として0.1mAの低電流を5分間印加した(図6参照)。電流遮断後、メタルマスクをプラスチック容器から取り出して、水洗と、温風乾燥と、80℃×30分間の熱処理とをこの順に行った。これにより、印刷用メタルマスクの表面に、フッ素含有トリアジンの被膜が形成される。次いで、この被膜が形成された印刷用メタルマスクを、官能基処理用の第2処理液に30秒間浸漬した。取り出し後、メタノールの50%水溶液で印刷用メタルマスクを軽く洗浄し、80℃×30分間の熱処理を行った。これにより、フッ素含有トリアジンの被膜に含まれる官能基にシランカップリング剤が結合される。
〈比較例1〉
ステンレススチールの針金で織られた網状のマスク本体に、実施例と同じ条件で、フッ素含有トリアジンの被膜を形成した。但し、被膜形成後のシランカップリング剤処理については、行わなかった。
〈比較例2〉
ステンレススチールの針金で織られた網状のマスク本体を備えた印刷用メタルマスクであって、マスク本体にフッ素含有トリアジンの被膜形成が行われておらず、したがって被膜形成後のシランカップリング剤処理も行われていないものを用いた。
図7(a),(b)において、暗色の部分はマスク本体2に形成されたレジスト膜であり、明色の部分は印刷に使用された銀ペーストである。また、図7(a)は実施例及び比較例1に係る印刷用メタルマスクの裏面図であり、図7(b)は比較例2に係る印刷用メタルマスクの裏面図である。これらの図から明らかなように、実施例及び比較例1に係る印刷用メタルマスクは、印刷後においても、裏面にほとんど銀ペーストが残らないのに対して、比較例2に係る印刷用メタルマスクは、印刷後に、裏面に比較的多量の銀ペーストが残存する。
図8(a),(b)において、暗色の部分は印刷された抵抗膜であり、明色の部分は印刷物の素地である。また、図8(a)は実施例及び比較例1に係る印刷用メタルマスクを用いた印刷物の表面図であり、図8(b)は比較例2に係る印刷用メタルマスクを用いた印刷物の表面図である。なお、印刷された抵抗膜の線幅は200μmであり、抵抗膜間のスペース幅は100μmである。これらの図から明らかなように、比較例2に係る印刷用メタルマスクを用いると、抵抗膜の滲みを生じ、抵抗膜の線幅が一定にならないのに対して、実施例及び比較例1に係る印刷用メタルマスクを用いると、抵抗膜が高精度に形成される。
したがって、図9に示すように、比較例2に係る印刷用メタルマスクを用いた場合には、線幅が100μmまでの印刷物については印刷が可能であるが、線幅がそれ以下の印刷物については印刷が不可能であるのに対して、実施例及び比較例1に係る印刷用メタルマスクを用いた場合には、線幅が50μmまでの印刷物について印刷が可能になる。また、比較例2に係る印刷用メタルマスクを用いた場合には、約100回印刷を繰り返す毎に印刷用メタルマスクの清掃が必要であるのに対して、実施例及び比較例1に係る印刷用メタルマスクを用いた場合には、清掃が必要な印刷回数を500回〜1000回に延長することができる。さらに、比較例1に係る印刷用メタルマスクを用いた場合には、フッ素含有トリアジンの被膜を形成したことによる効果が、10000回〜20000回印刷を繰り返した時点で失われるのに対して、実施例に係る印刷用メタルマスクを用いた場合には、約50000回印刷を繰り返しても、その効果が失われなかった。
かかる効果は、板状のマスク本体を用いる孔版印刷用のメタルマスク11についても、同様に確認された。
スクリーン印刷用のメタルマスクを示す平面図及び要部断面図である。 孔版印刷用のメタルマスクを示す平面図及び要部断面図である。 実施形態例に係る印刷用メタルマスクの表面状態を模式的に示す断面図である。 スクリーン印刷用のメタルマスクの製造方法を示すフロー図である。 孔版印刷用のメタルマスクの製造方法を示すフロー図である。 実施形態例に係るマスク本体の表面にフッ素含有トリアジンの被膜を形成する工程を示す説明図である。 印刷用メタルマスクの裏面におけるインク類の付着状態を示す図である。 印刷物上の印刷状態を示す図である。 実施例及び比較例に係る印刷用メタルマスクの特性を比較して示す表図である。
符号の説明
1,11 印刷用メタルマスク
2,13 マスク本体
3,14 枠体
4,12 透孔
5 レジスト膜
21 被膜
21a 官能基
22 シランカップリング剤
31 処理液
32 処理容器
33 ゴムスペーサ
34 対向電極

Claims (5)

  1. 板状又は網状に形成された金属材料からなるマスク本体の表面に、下記の化1で表されるフッ素含有トリアジンの被膜が形成され、かつ、前記被膜中の官能基に、下記の化2で表されるオキシラン基を有するシランカップリング剤が結合されていることを特徴とする印刷用メタルマスク。
    Figure 0005221064
    Figure 0005221064
  2. 板状又は網状に形成された金属材料からなるマスク本体の表面に、下記の化3で表されるフッ素含有トリアジンの被膜を形成する工程と、前記被膜中の官能基に、下記の化4で表されるオキシラン基を有するシランカップリング剤を結合する工程とを含むことを特徴とする印刷用メタルマスクの製造方法。
    Figure 0005221064
    Figure 0005221064
  3. 前記マスク本体の表面に前記フッ素含有トリアジンの被膜を形成する工程において、前記マスク本体と、網状に形成された金属材料からなる対向電極とを処理液中に浸漬し、前記マスク本体を正極、前記対向電極を負極として電気化学的手段により前記マスク本体の表面に前記フッ素含有トリアジンの被膜を形成することを特徴とする請求項2に記載の印刷用メタルマスクの製造方法。
  4. 前記マスク本体を構成する金属材料と前記対向電極を構成する金属材料とが同一であり、かつ、前記対向電極は、形状が前記マスク本体の形状と相似であり、サイズが、前記対向電極のサイズと同一以上であることを特徴とする請求項3に記載の印刷用メタルマスクの製造方法。
  5. 前記マスク本体及び前記対向電極として、ステンレススチールの針金を織ることによって網状に形成されたものを用いることを特徴とする請求項4に記載の印刷用メタルマスクの製造方法。
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