JP5220860B2 - ピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体及びその多形形態の製造方法 - Google Patents
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Description
式(I):
[式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ又は低級アルケニルであり、ここで、低級アルキル、低級アルコキシ及び低級アルケニルは、場合により、低級アルコキシカルボニル、アリール又はヘテロシクリルにより置換されていてもよい]
で示されるピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体、及び薬学的に許容しうるその塩は、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、及び/又は耐糖能障害、並びにDPP−IVにより通常不活性化されるペプチドの増幅作用が治療上の効果を与える他の病状の治療及び/又は予防に有用である。該化合物はまた、肥満症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、及び/又はメタボリックシンドロームの治療及び/又は予防、あるいはβ細胞保護において使用することができる。更に、該化合物は、利尿薬として並びに高血圧の治療及び/又は予防のために使用することができる(PCT公開番号WO2005/000848)。
式(I):
[式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ又は低級アルケニルであり、ここで、低級アルキル、低級アルコキシ及び低級アルケニルは、場合により、低級アルコキシカルボニル、アリール又はヘテロシクリルにより置換されていてもよい]で示されるピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体及び薬学的に許容しうるその塩の製造を含み、この方法は、
式(II):
[式中、R1、R2及びR3は、上記と同義であり、そしてR4は、酸不安定アミノ保護基である]で示されるN−保護ピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体を、脂肪族ケトン、脂肪族ニトリル、環状エーテル又はそれらの混合物、及び、脂肪族ケトン、脂肪族ニトリル、環状エーテル又はそれらの混合物と混合した水からなる群より選択される溶媒中で、塩酸を用いて脱保護することを含む。
a) 式(III):
[式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ又は低級アルケニルであり、ここで、低級アルキル、低級アルコキシ及び低級アルケニルは、場合により、低級アルコキシカルボニル、アリール又はヘテロシクリルにより置換されていてもよく、そしてR4は、アミノ保護基である]で示されるアミンを、式(IV):
[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記と同義であり、そしてMsは、メタンスルホニルを表す]で示されるメシラートを、式(V)のブチルアミドとメタンスルホニルクロリド又はメタンスルホン酸無水物と反応させることにより、形成すること;
c) 有機塩基の存在下、式(VI)のメシラートの閉環により、式(II):
[式中、R1、R2及びR3は、上記と同義であり、そしてR4は、酸不安定アミノ保護基である]で示されるN−保護ピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体を形成すること;並びに
d) 式(II)のN−保護ピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体を、脂肪族ケトン、脂肪族ニトリル若しくは環状エーテル又はそれらの混合物から選択される溶媒中で、あるいは脂肪族ケトン、脂肪族ニトリル若しくは環状エーテル又はそれらの混合物と混合した水中で、塩酸を用いて脱保護することを含む。
そのような複素環は、場合により、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、シアノ、アジド、アミノ、ジ−低級アルキルアミノ又はヒドロキシにより、独立にモノ−、ジ−、トリ−置換されていてもよい。好ましい置換基は、低級アルキルであり、メチルが好ましい。
工程a)は、式(III):
[式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ又は低級アルケニルであり、ここで、低級アルキル、低級アルコキシ及び低級アルケニルは、場合により、低級アルコキシカルボニル、アリール又はヘテロシクリルにより置換されていてもよく、そしてR4は、酸不安定アミノ保護基である]で示されるアミンを、式(IV):
工程b)は、式(VI):
[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記と同義であり、そしてMsは、メタンスルホニルを表す]で示されるメシラートを、式(V)のブチルアミドとメタンスルホニルクロリド又はメタンスルホン酸無水物と反応させることにより、形成することを必要とする。
工程c)において、有機塩基の存在下、式(VI)のメシラートの閉環を実施して、式(II):
工程d)は、式(II)のN−保護ピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体を、脂肪族ケトン、脂肪族ニトリル若しくは環状エーテル又はそれらの混合物、あるいは、脂肪族ケトン、脂肪族ニトリル若しくは環状エーテル又はそれらの混合物と混合した水から選択される溶媒中で、塩酸を用いて脱保護することを含む。
そして、該形態Aは:
− 下記の、およそ:6.0、10.1、12.1、13.2、14.5、15.2、15.5、16.1、16.4、17.7、19.5、20.7、21.6、22.6、27.3、27.8及び30.2において2θ/°で表わされる特性ピークを有するCuKα線で得られるX線回折パターンにより特徴付けすることができる。「およそ」という用語は、本文脈において、2θ/°の測定において±0.2(2θ/°表示)の誤差が存在することを意味する;
− およそ3582cm−1、3440cm−1、3237cm−1、2726cm−1、2535cm−1、2477cm−1、1953cm−1、1681cm−1、1601cm−1、1575cm−1、1525cm−1、1491cm−1、1408cm−1、1308cm−1、1260cm−1、1225cm−1、1193cm−1、1145cm−1、1130cm−1、1096cm−1、1054cm−1、1000cm−1、967cm−1、946cm−1、879cm−1、844cm−1、808cm−1、768cm−1、及び654cm−1においてcm−1で表わされる特性ピークを有するIR吸収スペクトルにより特徴付けすることができる。「およそ」という用語は、本文脈において、cm−1の値が、例えば最大±3cm−1まで変動可能であることを意味する;並びに
− 苛酷な分解条件下における約295℃〜310℃の融解範囲(DSC)により
特徴付けすることができる。
− 下記の、およそ:6.8、12.5、13.5、15.1、17.4、18.1、18.4、24.3、24.8、25.3、27.2、27.9、28.1、29.9及び30.7において2θ/°で表わされる特性ピークを有するCuKα線で得られるX線回折パターンにより特徴付けすることができる。「およそ」という用語は、本文脈において、2θ/°の測定において±0.2(2θ/°表示)の誤差が存在することを意味する;
− およそ3480cm−1、3376cm−1、2706cm−1、2682cm−1、2610cm−1、2574cm−1、2532cm−1、2381cm−1、1684cm−1、1659cm−1、1622cm−1、1574cm−1、1528cm−1、1487cm−1、1410cm−1、1383cm−1、1310cm−1、1267cm−1、1251cm−1、1229cm−1、1192cm−1、1135cm−1、1107cm−1、998cm−1、988cm−1、930cm−1、900cm−1、841cm−1、767cm−1、680cm−1、及び667cm−1においてcm−1で表わされる特性ピークを有するIR吸収スペクトルにより特徴付けすることができる。「およそ」という用語は、本文脈において、cm−1の値が、例えば最大±3cm−1まで変動可能であることを意味する;
− 171℃〜175℃の吸熱事象(外挿ピーク;DSC)により特徴付けすることができる。
− そのXRPDパターンにおいて鋭いX線回折ピークを欠くことによって特徴付けすることができる;
− およそ3429cm−1、2507cm−1、1680cm−1、1612cm−1、1515cm−1、1310cm−1、1261cm−1、1246cm−1、1219cm−1、1127cm−1、994cm−1、964cm−1、945cm−1、888cm−1、860cm−1、842cm−1、767cm−1、685cm−1、及び635cm−1においてcm−1で表わされる特性ピークを有するIR吸収スペクトルにより特徴付けすることができる。「およそ」という用語は、本文脈において、cm−1の値が、例えば最大±3cm−1まで変動可能であることを意味する。
略語
(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)のアッセイを、HPLC分析[使用するカラム:Waters社製 XBridge C18、3.5μm、4.6×150mm、UV検出:284nm、勾配:水、アセトニトリル及びトリエチルアミンの混合物、流速:1mL/分、カラムオーブン温度:40℃に調整、外部標準を使用]により決定した。
(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)の調製
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた1.2Lの反応器に、トルエン450ml中の(2S,3S,11bS)−(3−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル)]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1)30.0g(79.5mmol)及び6−クロロ−2−ピリジノール1.20g(9.1mmol)を入れた。混合物を85〜90℃に加熱し、(S)−4−フルオロメチル−ジヒドロ−フラン−2−オン12.2g(103mmol)を45〜60分間以内に加えた。添加の後、混合物を100〜110℃に加熱し、この温度で8時間撹拌した。次にトルエン約200mlを留去し、得られた濃い懸濁液を85℃で更に10〜15時間撹拌した。次に混合物を25〜30℃に放冷し、THF 450mlを加えた。次に混合物を25〜30℃にてメタンスルホニルクロリド12.9g(111mmol)で、続いてトリエチルアミン13.1g(130mmol)で処理した。得られた濃い懸濁液を25〜30℃で60〜90分間撹拌し、次に−10〜0℃に冷却し、この温度で1〜2時間以内にリチウム−ビス(トリメチルシリル)アミド(THF中23.8%)168g(238mmol)を用いて処理した。添加完了の後、ほぼ清澄な溶液を更に1〜2時間、−10〜0℃で撹拌した。次に混合物を水75mlでクエンチした。層を分離し、有機層を水(1´75ml)で洗浄した。有機層から、THF及びトルエンを完全に留去し、MeOHで置き換えた。得られた懸濁液(約250ml)を還流温度に加熱し、次に−20℃に4〜6時間以内に冷却した。得られた懸濁液を−20℃で2時間撹拌した。結晶を濾別し、予め冷却したMeOH 60mlで洗浄し、45℃/<30mbarで乾燥させて、標記生成物29.8gを無色の結晶(収率77%; アッセイ:97.5%(m/m))として得た。
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた1.2Lの反応器に、トルエン450ml中の(2S,3S,11bS)−(3−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル)]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1)30.0g(79.5mmol)及び6−クロロ−2−ピリジノール1.20g(9.1mmol)を入れた。混合物を85〜90℃に加熱し、(S)−4−フルオロメチル−ジヒドロ−フラン−2−オン12.2g(103mmol)を45〜60分間以内に加えた。添加の後、混合物を105℃に加熱し、この温度で5時間撹拌した。次にトルエン約250mlを留去し、得られた濃い懸濁液を85℃で更に16時間撹拌した。次にトルエン100mlを留去し、THF 400gで置き換えた。蒸留の終わりに、反応容量500mlを調整した。次に混合物を23℃に冷却し、23〜30℃でメタンスルホニルクロリド13.8g(0.12mol)を用いて、続いてトリエチルアミン14.0g(0.14mol)を用いて処理した。得られた濃い懸濁液を25〜30℃で75分間撹拌し、次に−10〜0℃に冷却し、この温度で1〜2時間以内に、リチウム−tert.−ブトキシド(THF中20%)95g(0.24mol)を用いて処理した。添加が完了した後、懸濁液を−5℃で2時間撹拌した。次に混合物を水75gでクエンチした。層を分離し、有機層を硫酸溶液(水中2.5%)70gで洗浄した。有機層から、THF及びトルエンを完全に留去し、MeOHで置き換えた。得られた懸濁液(約230ml)を還流温度に加熱し、次に5時間以内に−10℃に冷却した。懸濁液を−10℃で2時間撹拌した。結晶を濾別し、予め冷却したMeOH 50mlで洗浄し、45℃/<30mbarで乾燥させて、標記生成物30.02gを無色の結晶(収率79%; アッセイ:99.2%(m/m))として得た。
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩(VII)の調製
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた350mlの反応器に、(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)15.0g(30.8mmol)、THF 120ml及び水3mlを入れた。20〜30℃の温度で、塩酸(水中37%)9.15g(約93mmol)を15〜30分間以内に加えた。得られた溶液を45℃で4時間加熱した。懸濁液を10〜15℃に冷却し、次にこの温度で2〜3時間撹拌した。結晶を濾別し、THF 40mlで洗浄し、45℃/<30mbarで乾燥させて、標記化合物13.5gを無色の結晶(収率96%; アッセイ:98.9%(m/m))として得た。
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた250mlのダブルジャケット反応器に、(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)21.10g(43.74mmol)、アセトン20.0g及び水19.0gを入れた。47〜53℃の温度で、塩酸(水中37%)15.2g(153mmol)を10分間以内に加えた。得られた溶液を、5μm篩を通して濾過し、250mlの反応器をアセトン18.0gと水2.0gの混合物で洗浄した。濾過した溶液を、撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた500mlのダブルジャケット反応器に移した。撹拌下、20〜30℃でアセトン250gを、溶液に1〜2時間以内に加えた。その後、混合物を20〜25℃で更に2時間撹拌した。結晶を濾過し、アセトン200gで洗浄し、90℃/<20mbarで乾燥させて、標記化合物19.70gを無色の結晶(収率92.3%; アッセイ:99.9%(m/m))として得た。
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた250mlのダブルジャケット反応器に、(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)21.10g(43.74mmol)、アセトン20.0g及び水19.0gを入れた。47〜53℃の温度で、塩酸(水中37%)15.2g(153mmol)を10分間以内に加えた。得られた溶液を、5μm篩を通して濾過し、250mlの反応器を、アセトン18.0gと水2.0gの混合物で洗浄した。濾過した溶液を、撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた500mlのダブルジャケット反応器に移した。撹拌下、38〜42℃でACN 250gを、溶液に1〜2時間以内に加えた。その後、混合物を38〜42℃で更に2時間撹拌した。結晶を濾別し、ACN 80gで洗浄し、90℃/<20mbarで乾燥させて、標記化合物19.80gを無色の結晶(収率93.5%; アッセイ:98.8%(m/m))として得た。
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた250mlのダブルジャケット反応器に、(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)21.10g(43.74mmol)、MEK 20.0g及び水18.0gを入れた。47〜53℃の温度で、塩酸(水中の37%)15.2g(153mmol)を10分間以内に加えた。得られた溶液を、5μm篩を通して濾過した。濾過した溶液を、撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた500mlのダブルジャケット反応器に移した。撹拌下、20〜25℃でMEK 80gを溶液に、1〜2時間以内に加えた。その後、混合物を20〜22℃で更に16時間撹拌した。アセトン120gを10分間以内に加えた。20〜22℃で4〜5時間更に撹拌した後、結晶を濾別し、アセトン200gで洗浄し、90℃/<20mbarで乾燥させて、標記化合物16.96gを無色の結晶(収率86.1%; アッセイ:99.1%(m/m))として得た。
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた350mlの反応器に、(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)10.0g(20.7mmol)及びMeOH 50mlを入れた。懸濁液を50℃に加熱し、この温度で5分間以内に塩酸(水中37%)10.2gを用いて処理した。混合物を50℃で4時間撹拌した。次に無色の懸濁液を室温に放冷し、次に酢酸メチル100mlを用いて15〜30分間以内で処理した。懸濁液を0〜5℃に冷却し、この温度で1〜2時間撹拌した。結晶を濾別し、酢酸メチルとメタノールの混合物で洗浄し、70℃/<30mbarで乾燥させて、標記化合物8.89gを、数百ppmの塩化メチル含量で無色の結晶(収率93%; アッセイ:98%(m/m))として得た。
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた250mlのダブルジャケット反応器に、(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)21.10g(43.74mmol)、メタノール20.0g及び水15.0gを入れた。47〜53℃の温度で、塩酸(水中37%)15.2g(153mmol)を10分間以内で加えた。得られた溶液を、5μm篩を通して濾過した。濾過した溶液を、撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた500mlのダブルジャケット反応器に移した。撹拌下、20〜30℃でアセトン250gを溶液に1〜2時間以内に加えた。(VII)200mgを播種した後、混合物は結晶化を開始した。その後、混合物を−5〜0℃に冷却し、更に16時間撹拌した。結晶を濾別し、アセトン40gで洗浄し、90℃/<20mbarで乾燥させて、標記化合物19.44gを、100〜200ppmの塩化メチル含量で無色の結晶(収率91.8%; アッセイ:98.5%(m/m))として得た。
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた250mlのダブルジャケット反応器に、(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)21.10g(43.74mmol)、IPA 20.0g及び水18.0gを入れた。47〜53℃の温度で、塩酸(水中37%)15.2g(153mmol)を10分間以内に加えた。得られた溶液を、5μm篩を通して濾過した。濾過した溶液を、撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた500mlのダブルジャケット反応器に移した。撹拌下、20〜25℃でIPA 250gを溶液に1〜2時間以内に加えた。(3)200mgを播種した後、混合物は結晶化を開始した。その後、混合物を20〜22℃で更に3時間撹拌した。結晶を濾別し、IPA 40gで洗浄し、90℃/<20mbarで乾燥させて、標記化合物18.22gを、約100ppmの塩化イソプロピル含量で無色の結晶(収率92.50%; アッセイ:98.4%(m/m))として得た。
機械式撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた250mlのダブルジャケット反応器に、(2S,3S,11bS)−3−((4S)−フルオロメチル−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2)21.10g(43.74mmol)、EtOH 20.0g及び水18.0を入れた。47〜53℃の温度で、塩酸(水中37%)15.2g(153mmol)を10分間以内に加えた。得られた溶液を、5μm篩を通して濾過した。濾過した溶液を、撹拌器、Pt-100温度計、滴下漏斗及び窒素入口を備えた500mlのダブルジャケット反応器に移した。撹拌下、20〜25℃でエタノール250gを溶液に1〜2時間以内に加えた。(3)200mgを播種した後、混合物は結晶化を開始した。その後、混合物を20〜22℃で更に3時間撹拌した。結晶を濾別し、エタノール40gで洗浄し、90℃/<20mbarで乾燥させて、標記化合物19.44gを、200〜300ppmの塩化エチル含量で無色の結晶(収率91.8%; アッセイ:98.4%(m/m))として得た。
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の形態Aの調製
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の形態Aは、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノールなどの溶媒中で、又は、アセトン/水(例えば1:1、w/w)、水/メタノール(例えば1:1、w/w)、水/エタノール(例えば0.4:0.6w/w)などの溶媒混合物中で、温浸により生成することができる。それはまた、非限定的にメタノール、メタノール/水(例えば0.5:0.5、w/w)、エタノール、水/エタノール(例えば0.6:0.4、w/w)を含む溶媒系中で播種有り又は無しで、(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の再結晶化により調製することができる。
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩250.00gを、アセトン91.2g及び水91.2gに溶解し、50〜55℃に加熱した。溶液を熱時濾過した。清澄な溶液に、50〜55℃でアセトン4763.0gを加えた。アセトン400mlを加えた後、(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の形態A播種結晶2.0gを50〜55℃で加えた。アセトンの添加が完了した後、懸濁液の温度を、0.3〜0.6K/分の速度で5〜10℃に冷却した。5〜10℃で1時間撹拌した後、無色の結晶を濾過し、アセトン約200ml(5〜10℃)で洗浄し、70℃/<20mbarにて14時間で乾燥させた。収量(収率):241.0g(95.4%)。
形態A播種結晶は、非限定的にエタノール、メタノール及びエタノール/水(例えば0.4:0.6 w/w)の水混合物を含む溶媒系中の(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩のスラリーの温浸により調製することができる。スラリーを室温で数日間撹拌した後、形態A結晶を濾過することができ、70℃/<20mbarで14時間乾燥させた。
形態AのXRPD−パターン、IR−スペクトル、DSC曲線、及びTG曲線を、図1〜4に示す。
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の形態Bの調製
DMF溶媒和物である(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の形態Bは、DMF/水(例えば0.5:0.5 w/w)の溶媒系中の(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の温浸により調製することができる。
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩0.38gを、0.50gDMF/水(0.5:0.5 w/w)に懸濁し、周囲温度で5日間撹拌した。濾過し、40℃〜50℃/<20mbarで数時間乾燥させた後、白色の固体0.04gを単離した。収量:0.04g。
形態BのXRPD−パターン、IR−スペクトル、DSC曲線、及びTG曲線を、図5〜8に示す。
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の非晶質形態の調製
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩の非晶質形態は、凍結乾燥により入手できた。
(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩5.00gを、水20gに周囲温度で溶解した。清澄な溶液を凍結し、減圧下で72時間凍結乾燥(冷却器:−55℃、真空圧:0.2mbar)した。分析は、非晶質(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩を示した。収量(収率):4.7g(94%)。
非晶質形態のXRPD−パターン、IR−スペクトル、DSC曲線、及びTG曲線を、図9〜12に示す。
Claims (17)
- 式(I):
[式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ又は低級アルケニルであり、ここで、低級アルキル、低級アルコキシ及び低級アルケニルは、場合により、低級アルコキシカルボニル、アリール又はヘテロシクリルにより置換されていてもよい]
で示されるピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体、又は薬学的に許容しうるその塩の製造方法であって、
式(II):
[式中、R1、R2及びR3は、上記と同義であり、そしてR4は、アミノ保護基である]で示されるN−保護ピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体を、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物、及び、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物と混合した水からなる群より選択される溶媒中で、塩酸を用いて脱保護することを含む、方法。 - アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はそれらの混合物、あるいは、アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はそれらの混合物と混合した水を使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- R1及びR2が、メトキシであり、そしてR3が、水素である、請求項1又は2記載の方法。
- 請求項1記載の方法であって、
a) 式(III):
[式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ又は低級アルケニルであり、ここで、低級アルキル、低級アルコキシ及び低級アルケニルは、場合により、低級アルコキシカルボニル、アリール又はヘテロシクリルにより置換されていてもよく、そしてR4は、アミノ保護基である]で示されるアミンを、式(IV):
で示されるフルオロラクトンと、触媒として6−クロロピリジン−2−オールの存在下でカップリングして、式(V):
[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記と同義である]で示されるブチルアミドを形成すること;
b) 式(VI):
[式中、R1、R2、R3及びR4は、上記と同義であり、そしてMsは、メタンスルホニルを表す]で示されるメシラートを、式(V)のブチルアミドとメタンスルホニルクロリド又はメタンスルホン酸無水物と反応させることにより、形成すること;
c) 有機塩基の存在下、式(VI)のメシラートを閉環して、式(II):
[式中、R1、R2及びR3は、上記と同義であり、そしてR4は、アミノ保護基である]で示されるN−保護ピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体を形成すること;並びに
d) 式(II)のN−保護ピリド[2,1−a]イソキノリン誘導体を、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物、及び、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物と混合した水からなる群より選択される溶媒中で、塩酸を用いて脱保護すること
を更に含む、方法。 - 工程a)において6−クロロピリジン−2−オール触媒が、式(III)のアミンの1mol当量に対して、0.05mol当量〜0.20mol当量の量で用いられることを特徴とする、請求項4記載の方法。
- 工程a)における変換が、80℃〜111℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項4又は5記載の方法。
- 工程a)から得られる式(V)のブチルアミドを、メシル化工程b)に反応混合物から単離せずに使用することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項記載の方法。
- 工程b)においてメタンスルホニルクロリドを使用することを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項記載の方法。
- 工程b)における変換が、10℃〜35℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項記載の方法。
- 工程b)で得られた式(VI)のメシラートを、閉環工程c)に反応混合物から単離せずに使用することを特徴とする、請求項4〜9のいずれか一項記載の方法。
- 工程c)においてリチウムtert.−ブトキシド又はリチウム−ビス(トリメチルシリル)アミドが、有機塩基として選択されることを特徴とする、請求項4〜10のいずれか一項記載の方法。
- リチウムtert.−ブトキシド又はリチウム−ビス(トリメチルシリル)アミドが、式(III)のアミンの1mol当量に対して、2.5mol当量〜3.5mol当量の量で用いられることを特徴とする、請求項11項記載の方法。
- 工程c)における変換が、−20℃〜10℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項4〜12のいずれか一項記載の方法。
- 工程d)の脱保護に関して、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル若しくはテトラヒドロフラン又はそれらの混合物、あるいは、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル若しくはテトラヒドロフラン又はそれらの混合物と混合した水から選択される溶媒を、使用することを特徴とする、請求項4〜13のいずれか一項記載の方法。
- アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はそれらの混合物、あるいは、アセトン若しくはテトラヒドロフラン又はそれらの混合物と混合した水を使用することを特徴とする、請求項14記載の方法。
- 工程d)における変換が、35℃〜66℃の温度で実施されることを特徴とする、請求項4〜15のいずれか一項記載の方法。
- 式(I)の化合物が、(2S,3S,11bS)−1−(2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4(S)−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン二塩酸塩である、請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。
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