JP5219837B2 - A.ガルバジネンシスおよびa.リグリエに由来するランチビオティック生合成遺伝子クラスター - Google Patents

A.ガルバジネンシスおよびa.リグリエに由来するランチビオティック生合成遺伝子クラスター Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、ランチビオティックアクタガルジン(actagardine)の生合成遺伝子クラスターの特徴付け、アクタガルジンの新規な変異体およびその生合成クラスターの同定、ならびに特徴付けられた生合成遺伝子クラスターに由来する遺伝子を用いて、アクタガルジン、A.リグリエ株において作製される新規なアクタガルジン変異体、および本発明に従って作製されるこれらの両方の変異体を作製および使用する方法に関する。
発明の背景
ランチビオティックスは、グラム陽性細菌によって産生される、抗生活性および他の活性を有するペプチドである。これらは、修飾残基の中でも特に、チオエーテルアミノ酸のランチオニンおよびメチルランチオニンを含み、これらは、ペプチド鎖を架橋して多環構造体にする。これらは2つのクラス、A型およびB型に分類されているが、このような分類は問題がない。A型ランチビオティックスは、一般に、細菌膜および他の形質膜中に小孔を形成することができる細長い両親媒性物質である。例は、ナイシンおよびサブチリンである。一方、B型ランチビオティックスは、酵素機能を阻害する、球状の立体配置的に定義されたペプチドである。例は、シンナマイシンおよびデュラマイシンである。
シンナマイシンのようなB型ランチビオティックスに帰される活性には、抗菌活性(抗生物質としての潜在的な用途を提供する)、アンギオテンシン変換酵素の阻害(血圧調節における潜在的な用途を提供する)、ホスホリパーゼA2の阻害を介した免疫調節(抗炎症剤としての潜在的な用途を提供する)、ならびにプロスタグランジンおよびロイコトリエン生合成への干渉が含まれる。
B型ランチビオティックスは、それぞれの基質を遮断することによって酵素活性に干渉することにより、活性を発揮すると思われる。例えば、メルサシジンおよびアクタガルジンなどのB型ランチビオティックスは、ペプチドグリカンの生合成を阻害することが見出されている。グリコシル転移は、標的反応として同定された。この反応の基質は、脂質結合型細胞壁前駆体脂質IIである。これは、ランチビオティックバンコマイシンの標的であるが、作用部位は異なり、かつ現在のどの抗菌薬によっても使用されていない新しい標的結合部位である。
B型ランチビオティックスのシンナマイシンクラスに関して、特にバチルス(Bacillus)株で、抗菌活性が観察されており、膜機能、ATP依存性プロトン転移およびCa2+取込み、ならびにATPアーゼに対する影響が説明されている。また、ホスファチジルエタノールアミン含有平面膜における形の定まった小孔の形成も報告されている。これらの影響は、ホスファチジルエタノールアミンへのこれらのB型ランチビオティックスの特異的結合に帰することができる。
ランチビオティックスは、食品添加物ならびにプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)および問題のある病原体、例えば、一般に使用される多くの抗生物質に対する耐性を発達させたか、または発達させつつあるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)、および肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に対する抗菌剤として有効性および有用性を有することが示されている。総説については、SahlおよびBierbaum (1998) Annual Rev.Microbiol. 52:41-79(非特許文献1);JackおよびSahl (1995) TIBTECH 13:269 278(非特許文献2);Gasson (1995) 10章、Lantibiotics、ViningおよびStuttard(編) Biotechnology Series:Genetics and Biochemistry of Antibiotic Production, Biotechnological I 30 シリーズ28、283〜306頁(非特許文献3)を参照されたい。
抗生物質の分野内で、耐性、生体適合性、および毒性などの問題を克服するために、新しい抗生化合物を提供することが引き続き必要とされている。したがって、ランチビオティックスを作製する方法、および(ネイティブ型と比べて異なる活性プロファイルを有する場合がある)ランチビオティックスの変異型の作製が望ましい。
アクタガルジンは、アミノ酸長19(1890Da)の公知のB型四環系ランチビオティックである。これは、インビトロ動物モデルおよびインビボ動物モデルの両方において黄色ブドウ球菌および化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)など重要なグラム陽性病原体に対する強力な活性を有する。アクタガルジンの構造を図4に示す。この化合物は、C末端部分がポリペプチド配列SSGWVCTLTIECGTVICAC(SEQ ID NO:4)を有するプレプロペプチドから産生される。SEQ ID NO:4のポリペプチドは、以下の架橋結合によって修飾されて、二次構造および三次構造を作り出す:架橋結合1-6、ランチオニン(Ser-Cys);架橋結合7-12、β-メチルランチオニン(Thr-Cys)、架橋結合9-17、β-メチルランチオニン(Thr-Cys)、架橋結合14-19、β-メチルランチオニンスルホキシド(Thr-Cys)。
アクタガルジンは、アクチノプラネス属(Actinoplanes)の2種、すなわちA.ガルバジネンシス(A. garbadinensis)およびA.リグリエ(A. liguriae)によって産生されることが報告されている。また、架橋結合14-19が酸化されていない類似体も同時産生される。すなわち、これは、β-メチルランチオニンスルホキシドではなくβ-メチルランチオニンであり、本明細書においてデオキシアクタガルジンと名付ける。
US6,022,851(特許文献1)では、A.ガルバジネンシスおよびA.リグリエの分離株からのアクタガルジン単離を記載している。
US6,022,851 SahlおよびBierbaum (1998) Annual Rev.Microbiol. 52:41-79 JackおよびSahl (1995) TIBTECH 13:269 278 Gasson (1995) 10章、Lantibiotics、ViningおよびStuttard(編) Biotechnology Series:Genetics and Biochemistry of Antibiotic Production, Biotechnological I 30 シリーズ28、283〜306頁
発明の開示
本発明は、アクチノプラネス・ガルバジネンシスおよびA.リグリエに由来するB型ランチビオティックのアクタガルジンの生合成遺伝子クラスターに関連する、クローン化され、配列決定され、かつ解明された構造情報および調節情報に関する。
本発明者らはまた、驚くべきことに、本明細書においてA.リグリエNCIMB41362と呼ぶA.リグリエの分離株において、新規な型のアクタガルジン(本発明者らは、アクタガルジンB、または非酸化型のものはデオキシアクタガルジンBと呼んだ)が産生されることを発見した。これらの型は、アクタガルジンと同様の抗微生物活性を有し、かつアクタガルジンと同様の架橋を経る、SEQ ID NO:1の一次ポリペプチド配列から生成される。変異体は、アクタガルジンの新規かつ有用な代替物を提供する。さらに、アクタガルジンと異なるアクタガルジンB中の残基を同定することにより、これらの差異に基づいてさらに別のランチビオティックスが提供される。
本発明者らはまた、アクタガルジンおよびアクタガルジンBを作製するための遺伝子を含む、アクタガルジンを産生するA.ガルバジネンシスおよびA.リグリエNCIMB41362の両方から遺伝子クラスターを単離した。
1つの局面において、本発明は、SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:3、ならびにそれらの変異体の一次ポリペプチド配列に基づく変異体を含む、新規なアクタガルジンBおよびその変異体を提供する。
さらなる局面において、本発明は、アクタガルジンBおよびその変異体をコードする核酸、前述の遺伝子クラスターに由来する核酸およびその変異体のセット、アクタガルジンBおよびその変異体を作製する方法、ならびにアクタガルジンBの新規な変異体を作製する方法を提供する。
配列の説明
読者の利便性のために、以下のとおり、本出願の配列に非連続的に番号を付けた。
SEQ ID NO:1は、アクタガルジンBの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:2は、アクタガルジンB変異体VVの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:3は、アクタガルジンB変異体LIの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:4は、アクタガルジンの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:11は、Ala-アクタガルジンBの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:12は、Ala-アクタガルジンB変異体VVの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:13は、Ala-アクタガルジンB変異体LIの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:14は、Ala-アクタガルジンの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:212は、プレプロアクタガルジンBの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:22は、プレプロアクタガルジンB変異体VVの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:23は、プレプロアクタガルジンB変異体LIの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:119は、プレプロアクタガルジンの一次ポリペプチド配列である。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:100は、コスミドCosAG14の非ベクター、A.ガルバジネンシス由来のヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:101〜SEQ ID NO:132は、それぞれ、SEQ ID NO:100のオープンリーディングフレームorf1〜orf32のポリペプチド配列である。
SEQ ID NO:200は、コスミドCosAL02の非ベクター、A.リグリエ由来のヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:201〜SEQ ID NO:231は、それぞれ、SEQ ID NO:200のオープンリーディングフレームorf1〜orf31のポリペプチド配列である。
SEQ ID NO:300〜SEQ ID NO:312は、本明細書において以下に説明するプライマー配列である。
発明の詳細な説明
本発明は、SEQ ID NO:100およびSEQ ID NO:200の遺伝子クラスター、ならびにこれらのクラスターによってコードされるポリペプチドおよびそれらの変異体に関する。SEQ ID NO:119のポリペプチドは、プレプロアクタガルジンであり、SEQ ID NO:212のポリペプチドは、プレプロアクタガルジンBである。残りのポリペプチドおよびそれらの変異体(本明細書において定義する)は、本明細書において総称的に「クラスターポリペプチド」と呼ばれる。SEQ ID NO:100に由来するクラスターポリペプチドは、「1xxポリペプチド」と呼ばれ、SEQ ID NO:200に由来するものは、「2xxポリペプチド」と呼ばれる。配列および長さの両方がクラスターポリペプチドと100%同一であるポリペプチドは、「野生型」ポリペプチドと呼ばれる。SEQ ID NO:100またはSEQ ID NO:200に由来するクラスターポリペプチドは、野生型または変異体でよい。
ポリペプチドは、実質的に単離された形態でよい。本発明の単離されたポリペプチドは、細胞中にそれと共に存在する他のポリペプチドのような、天然にそれに付随する材料を含まないか、または実質的に含まない、単離された形態の上記に定義したものである。例えば、ポリペプチドは、当然、希釈剤または補助剤と共に製剤化されてよく、かつさらに、実用的目的のために単離されてよい。
本発明のポリペプチドはまた、実質的に精製された形態でもよく、その場合、それは一般に、調製物中にポリペプチドを含み、その調製物中のポリペプチドの90%超、例えば、95%、98%、または99%が本発明のポリペプチドである。
ランチビオティックポリペプチドおよびランチビオティックA遺伝子
本発明において、ランチビオティックAポリペプチドまたはLanAポリペプチド、ランチビオティックA遺伝子またはLanA遺伝子への言及は、総称的に、B型ランチビオティックポリペプチドまたはそのようなペプチドをコードする遺伝子を指す。したがって、これらへの言及は、シンナマイシン、メルサシジン、アクタガルジンおよびアクタガルジンB、ならびにこれらの産物をコードする遺伝子への言及を含む。ランチビオティックを産生する宿主細胞への言及は、本明細書において下記にさらに定義するように、ネイティブな形態でLanAポリペプチドを産生する任意の宿主細胞を指す。
LanAポリペプチドは、抗微生物活性を有するポリペプチドである。抗微生物活性は、基準生物、例えばミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)に対するMIC値を決定することによって検査することができる。LanAポリペプチドは、基準微生物の同じ株に対するアクタガルジンのMIC値より16倍大きな値より少ないか、またはそれに等しいMIC値を有する場合、抗微生物活性を示すとみなされる。本発明において、A.ガルバジネンシスLanA遺伝子は、actAと呼ばれ、A.リグリエLanA遺伝子は、LigAと呼ばれる。
他のLanポリペプチド
本明細書において使用される場合、「LanM」ポリペプチドへの言及は、ポリペプチド前駆体からランチビオティック化合物への変換に必要とされる修飾因子である、ランチビオティック遺伝子クラスターに由来するポリペプチドである。LanMポリペプチドには、SEQ ID NO:120(ActM)もしくはその変異体、SEQ ID NO:213(LigM)もしくはその変異体のもの、WO02/088367において定義されるcinMポリペプチド、Altena et al, 2000において開示されるmrsMポリペプチド、またはB型ランチビオティックを産生する細菌の別の遺伝子クラスターに由来する相同ポリペプチドが含まれる。
「LanR」ポリペプチドへの言及は、ポリペプチド前駆体の産生の調節に必要とされる調節因子である、ランチビオティック遺伝子クラスターに由来するポリペプチドである。LanRポリペプチドには、SEQ ID NO:122(ActR)もしくはその変異体、SEQ ID NO:216(LigR)もしくはその変異体のもの、WO02/088367において定義されるcinR1ポリペプチド、Altena et al, 2000において開示されるmrsR1ポリペプチド、またはB型ランチビオティックを産生する細菌の別の遺伝子クラスターに由来する相同ポリペプチドが含まれる。
「LanT」ポリペプチドへの言及は、ポリペプチド前駆体からランチビオティック化合物への産生に必要とされる輸送因子である、ランチビオティック遺伝子クラスターに由来するポリペプチドである。LanTポリペプチドには、SEQ ID NO:123(ActT)もしくはその変異体、SEQ ID NO:214(LigT)もしくはその変異体のもの、WO02/088367において定義されるcinTポリペプチド、Altena et al, 2000において開示されるmrsTポリペプチド、またはB型ランチビオティックを産生する細菌の別の遺伝子クラスターに由来する相同ポリペプチドが含まれる。
「LanO」ポリペプチドへの言及は、アクタガルジンおよび本発明の化合物のデオキシ型から、Yが-S(O)-であるアクタガルジンまたは本発明の化合物への酸化に関与していると考えられている因子である、ランチビオティック遺伝子クラスターに由来するポリペプチドである。LanOポリペプチドには、SEQ ID NO:122(ActO)もしくはその変異体、SEQ ID NO:215(LigO)もしくはその変異体のもの、またはB型ランチビオティックを産生する細菌の別の遺伝子クラスターに由来する相同ポリペプチドが含まれる。
クラスターポリペプチド
1つの局面において、本発明は、SEQ ID NO:101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、および231のいずれか一つより選択される、単離されたクラスターポリペプチドを提供する。別の局面において、本発明は、前述の配列のうちいずれかの変異体であるクラスターポリペプチドを提供する。
特に対象となるクラスターポリペプチドには、LanMポリペプチド、LanRポリペプチド、LanTポリペプチド、またはLanOポリペプチドである1xxポリペプチドおよび2xxポリペプチドが含まれる。
「変異体」とは、クラスターポリペプチドに関して、以下を意味する:参照ポリペプチド(この場合、任意の野生型クラスターポリペプチド)またはそのポリペプチドの断片のアミノ酸配列と異なるが、有意なアミノ酸配列同一性を示すアミノ酸配列を有する任意のポリペプチド。
別段の指定が無い限り、有意なアミノ酸配列同一性は、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは85%、90%、または95%、さらにより好ましくは、98%または99%である。変異体の長さは、好ましくは、野生型クラスターポリペプチドの長さと同じであるか、または野生型クラスターポリペプチドの長さの少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも95%である。
「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」とは、配列を整列させ、かつ必要な場合にはギャップを導入して、最大の配列同一性パーセントを実現した後、かついかなる保存的置換も配列同一性の一部分として考慮せずに、比較される配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージと定義される。本明細書において使用される同一性%の値は、Altschul et al.(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.htmlから得られたBLAST-2によって決定される。WU-BLAST-2では、いくつかの検索パラメーターを使用し、その大半は、初期設定値に設定されている。調整可能なパラメーターは、以下の値と共に設定される:重複スパン=1、重複比(fraction)=0.125、ワード閾値(T)=11。HSPSパラメーターおよびHSPS2パラメーターは、動力学的な値であり、特定の配列の構成、および関心対照の配列が検索される特定のデータベースの構成に応じて、プログラムそれ自体によって確立される。しかしながら、これらの値を調整して感度を高めることができる。アミノ酸配列同一性%の値は、整列させた領域中の「より長い」配列の残基総数で、一致している同一残基の数を割り、100を掛けることによって決定される。「より長い」配列は、整列された領域中で最も実際的な残基を有するものである(アライメントスコアを最大にするためにWU BLAST-2によって導入されたギャップは無視される)。
望ましくは、変異体は、参照ポリペプチドの生物学的機能を保持する。本発明において、変異体が、クラスターの他のメンバーと共に宿主細胞中に存在する場合にランチビオティックを産生することができる場合、生物学的機能は保持されている。これは、例えば、それぞれアクタガルジンまたはアクタガルジンBを産生する、1xxクラスターポリペプチド変異体の場合にはSEQ ID NO:100、または2xxポリペプチド変異体の場合にはSEQ ID NO:200を含む宿主細胞を提供し、変異体をコードする配列を改変し、かつランチビオティックポリペプチドがそれでもなお産生されるかどうかを判定することによって、決定され得る。
ポリペプチド前駆体
別の局面において、本発明は、本発明の化合物またはアクタガルジンの前駆体である、好ましくは単離型のポリペプチドを提供する。ポリペプチド前駆体には、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:11〜SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:212、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、およびSEQ ID NO:119のいずれか一つのポリペプチド、ならびにランチビオティックポリペプチドに変換され得るその変異体または誘導体が含まれる。
SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:4のいずれか一つのポリペプチド前駆体の変異体は、1つまたは複数、例えば、1個〜5個、例えば1個、2個、3個、または4個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されているポリペプチドである。好ましくは、そのアミノ酸は、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:4のいずれか一つの2位、3位、4位、5位、8位、10位、11位、13位、または18位より選択される位置にある。
SEQ ID NO:11〜SEQ ID NO:14のいずれか一つのポリペプチド前駆体の変異体は、1つまたは複数、例えば、1個〜5個、例えば1個、2個、3個、または4個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されているポリペプチドである。好ましくは、そのアミノ酸は、SEQ ID NO:11〜SEQ ID NO:14のいずれか一つの3位、4位、5位、6位、9位、11位、12位、14位、または19位より選択される位置にある。
SEQ ID NO:212、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、およびSEQ ID NO:119のいずれか一つのポリペプチド前駆体の変異体は、それぞれSEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:4に対応するC末端領域(残基46〜64)の1つまたは複数、例えば、1個〜5個、例えば1個、2個、3個、または4個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されているポリペプチドである。好ましくは、アミノ酸は、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:4のいずれか一つの2位、3位、4位、5位、8位、10位、11位、13位、または18位に対応する位置より選択される位置にある。このような変異体は、N末端領域に対する変更をさらに含んでよく、N末端領域(残基1〜45)の少なくとも70%、例えば少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、例えば少なくとも95%を保持する。例えば、SEQ ID NO:212またはSEQ ID NO:119のN末端領域の変異体は、1つまたは複数の置換(例えば、本発明者らのデータにより、SEQ ID NO:212およびSEQ ID NO:119と異なることが示される、4位、5位、6位、8位、9位、12位、13位、17位、18位、19位、21位、および32位での1個〜12個、例えば、1個〜5個、例えば、1個、2個、または3個の置換)を含んでよい。
置換は、別の天然のアミノ酸による1つのアミノ酸の置換でよく、かつ保存的置換または非保存的置換でよい。保存的置換には、以下の表において説明するものが含まれ、表中、2番目の列の同じ枠、および好ましくは3番目の列の同じ行にあるアミノ酸は互いに置換され得る。
Figure 0005219837
SEQ ID NO:212の場合、置換は、SEQ ID NO:119の対応する位置に位置しているアミノ酸残基と異なるアミノ酸の置換でよく、または逆の場合も同様である。どちらの場合も、置換は、SEQ ID NO:119のアミノ酸をSEQ ID NO:212に導入することでよく、または逆の場合も同様である(例えば、SEQ ID NO:212の4位のIleがLeuによって置換されてよいなど)。
ポリペプチド前駆体は、ランチビオティックの非産生者である細胞において、そのポリペプチドをコードする核酸を発現させることによって得ることができる。
化合物
1つの局面において、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する:
Figure 0005219837
式中、
-X1-X2-は、-Leu-Val-、-Val-Val-、または-Leu-Ile-を表し、
Yは-S-または-S(O)-であり、かつ
Zは、H2N-またはAla-のいずれかである。
別の局面において、本発明は、これらの化合物の変異体および生物学的に活性な誘導体を提供する。
-X1-X2-が-Leu-Val-を表し、Yが-S(O)-であり、かつZがNH2である場合、本発明の化合物は、アクタガルジンBとも呼ばれる。
-X1-X2-が-Leu-Val-を表し、Yが-S(O)-であり、かつZがAla-である場合、本発明の化合物は、ala-アクタガルジンBとも呼ばれる。
-X1-X2-が-Leu-Val-を表し、Yが-S-であり、かつZがNH2である場合、本発明の化合物は、デオキシアクタガルジンBとも呼ばれる。
-X1-X2-が-Leu-Val-を表し、Yが-S-であり、かつZがAla-である場合、本発明の化合物は、ala-デオキシアクタガルジンBとも呼ばれる。
ZがH2N基を示す場合、この部分が、上記の化合物の1位のアラニン残基のN末端を表すことが理解されると考えられる。Z基がAla-を示す場合、この部分が、アミド結合を介して1位のアラニンに連結される、当技術分野において従来Ala(0)と呼ばれるアラニンを表すことが理解されると考えられる。
変異体
式(I)の化合物の変異体は、1つまたは複数、例えば、1個〜5個、例えば1個、2個、3個、または4個のアミノ酸が別のアミノ酸によって置換されている化合物である。好ましくは、アミノ酸は、式(I)の化合物の2位、3位、4位、5位、8位、10位、11位、13位、または18位より選択される位置にある。
変異体はまた、15位または16位に置換を含んでもよい。ただし、15位および16位の両方が置換され、かつ他の位置のどれも変更されておらず、15位および16位は、それぞれValおよびIleではない。
ZがAla-である場合、本発明の化合物の変異体には、Ala-が別のアミノ酸(特に、遺伝コードによってコードされている天然のアミノ酸またはそのD-イソ型)、より具体的には、Ile-、Lys-、Phe-、Val-、Glu-、Asp-、His-、Leu、Arg-、Ser-、およびTrp-基より選択されるアミノ酸によって置換されているものが含まれる。1つの局面において、アミノ酸は、Ile-、Lys-、Phe-、Val-、Glu-、Asp-、His-、Leu-、Arg-、およびSer基より選択され得る。このような変異体は、US6,022,851に記載されているように、Z=H2Nである化合物への残基の化学的付加によって作製することができる。アミノ酸の化学的付加により、アミノ酸がL型立体配置またはD型立体配置で存在することが可能になることが、理解されると考えられる。これは、前述したもののような他のアミノ酸のD型に加えて、D-Alaを含む。
誘導体
本発明の化合物(変異体を含む)の誘導体は、本発明の化合物の1つまたは複数のアミノ酸側鎖が、例えば、エステル化、アミド化、または酸化によって修飾されているものである。
本発明の化合物の誘導体は、アクタガルジンのカルボキシ官能基のうち1つにおける、特にC末端におけるモノアミド誘導体でよい。より具体的には、誘導体は、本発明の化合物のC末端が式-CORを有する化合物でよく、
式中、Rは、-NR1R2基を表し、
式中、R1およびR2は、独立に、
(i)水素、
(ii)式中のnが2〜8の整数を表し、かつR3およびR4が、独立に、水素もしくは(C1〜C4)アルキルを表すか、またはR3およびR4が、共に-(CH2)3-基、-(CH2)4-基、(CH2)2-O-(CH2)2-基、-(CH2)2-S-(CH2)2-基、もしくは-(CH2)5-基を表す、式-(CH2)n-NR3R4の基
を表すか、または
R1およびR2は、隣接する窒素原子と共にピペラジン部分を表し、ピペラジン部分の4位は、以下より選択される置換基で置換されてもよい:
(a)(C1〜C4)アルキル、
(b)(C5〜C7)-シクロアルキル、
(c)ピリジル、
(d)式中のpが1〜8の整数を表し、かつR5およびR6が、独立に、水素または(C1〜C4)アルキルを表す、-(CH2)p-NR5R6
(e)ピペリジニル、
(f)(C1〜4)アルキルであるN置換基を有する、置換されたピペリジニル
(g)ベンジル、および
(h)クロロ、ブロモ、ニトロ、(C1〜C4)アルキル、および(C1〜C4)アルコキシより選択される1つまたは2つの置換基をフェニル部分が有する、置換されたベンジル。
1つの態様において、式-CORにおいて、Rは、-NR1R2基を表し、式中、R1およびR2は、独立に、水素、式-(CH2)n-NR3R4(式中、nは、2〜8の整数を表し、かつR3およびR4は、独立に、水素もしくは(C1〜C4)アルキルを表すか、またはR3およびR4は、共に-(CH2)3-基、-(CH2)4-基、(CH2)2-O-(CH2)2-基、-(CH2)2-S-(CH2)2-基、もしくは-(CH2)5-基を表す)の基を表すか、またはR1およびR2は、隣接する窒素原子と共にピペラジン部分を表し、ピペラジン部分の4位は、(C1〜C4)アルキル、(C5〜C7)-シクロアルキル、ピリジル、ベンジル、および置換されたベンジル(クロロ、ブロモ、ニトロ、(C1〜C4)アルキル、および(C1〜C4)アルコキシより選択される1つまたは2つの置換基をフェニル部分が有する)より選択される置換基で置換されてもよい。
さらに、誘導体は、内部残基の側鎖のカルボキシ官能基、例えば、残基Glu11のものが、-COOHから-COOR5基(R5は、水素、(C1〜C4)アルキル、または(C1〜C4)アルコキシ(C2〜C4)アルキルを表す)に改変されている化合物も含んでよい。
本発明の化合物のN末端誘導体は、N末端アミノ基-NH2が、代わりに-NHR6基(R6は、C1〜4アルキルを表す)であるものでよい。
「(C1〜C4)アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、または1,1-ジメチルエチルなど、1個〜4個の炭素原子を有する直鎖アルキル鎖または分枝アルキル鎖を表すのに対し、「(C2〜C4)アルキル」という用語は、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、または1,1-ジメチルエチルなど、2個〜4個の炭素原子を有する直鎖アルキル鎖または分枝アルキル鎖を表す。「(C5〜C7)シクロアルキル」という用語は、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルより選択されるシクロアルキル基を表す。
「(C1〜C4)アルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、および1,1-ジメチルエトキシなど1個〜4個の炭素原子を有する直鎖アルコキシ鎖または分枝アルコキシ鎖を表す。
本発明による誘導体は、その開示内容が参照により本明細書に組み入れられるEP-0195359においてアクタガルジン誘導体の製造に関して記載されている方法に従って作製することができる。
さらなる態様
誘導体が、C末端が式-COR(式中、Rは-NR1R2基を表す)を有する化合物である場合、いくつかの態様において、R1はHであり、かつR2は、式-(CH2)n-NR3R4の基を表す(式中、nは2〜8の整数を表し、かつR3およびR4は、独立に、水素もしくは(C1〜C4)アルキルを表すか、またはR3およびR4は、共に-(CH2)3-基、-(CH2)4-基、(CH2)2-O-(CH2)2-基、-(CH2)2-S-(CH2)2-基、もしくは-(CH2)5-基を表す)。これらの態様において、R3およびR4は、好ましくは、水素または(C1〜C4)アルキルを表す。より好ましくは、R3およびR4は、(C1〜C2)アルキル、例えばメチルを表す。整数nは、好ましくは、2〜5、およびより好ましくは2〜4、例えば3でよい。
他の態様において、R1およびR2は、隣接する窒素原子と共にピペラジン部分を表す。4位のN置換基は、好ましくは、以下より選択され得る:
(a)(C1〜C4)アルキル、
(b)(C5〜C7)-シクロアルキル、
(d)式中のpが、1〜8の整数を表し、かつR5およびR6が、独立に、水素または(C1〜C4)アルキルを表す、-(CH2)p-NR5R6、
(e)ピペリジニル、および
(f)(C1〜4)アルキルであるN置換基を有する、置換されたピペリジニル。
ピペリジニル基および置換されたピペリジニル基は、好ましくは、4位に窒素原子を有する。
N置換基は、より好ましくは、以下より選択され得る:
(d)式中のpが、1〜8の整数を表し、かつR5およびR6が、独立に、水素または(C1〜C4)アルキルを表す、-(CH2)p-NR5R6、および
(f)(C1〜4)アルキルであるN置換基を有する、置換されたピペリジニル。
N置換基が-(CH2)p-NR5R6である場合、R5およびR6は、好ましくは、(C1〜C4)アルキル、より好ましくは(C1〜C2)アルキル、例えばメチルでよい。整数pは、好ましくは1〜4、例えば3である。
N置換が置換されたピペリジニルである場合、N置換基は、好ましくは、(C1〜C2)アルキル、例えばメチルである。前述したように、Nは、好ましくは4位にある。
核酸
本発明の核酸は、DNAまたはRNAでよいが、好ましくはDNAでよい。本発明の核酸は、一本鎖または二本鎖でよい。1つの局面において、本発明は、クラスターポリペプチドをコードする単離された核酸を提供する。別の局面において、本発明は、ポリペプチド前駆体またはその変異体もしくは断片をコードする単離された核酸を提供する。
別の局面において、本発明は、本明細書において開示される遺伝子間領域を含む断片を含む、SEQ ID NO:100またはSEQ ID NO:200の全体または断片を含んでよい単離された核酸を提供する。このような領域は、本発明のクラスターポリペプチドまたはポリペプチド前駆体の発現のためのプロモーターまたは他の調節エレメントを含んでよい。
25個のヌクレオチドは、本明細書において開示される特定の遺伝子もしくは遺伝子クラスターまたはその部分配列に特異的であるのに十分な数のヌクレオチドとして当業者に認識される。したがって、断片には、少なくとも25、例えば、少なくとも30、例えば、少なくとも50、例えば、少なくとも100、例えば、少なくとも250ヌクレオチド長である、SEQ ID NO:100もしくはSEQ ID NO:200の断片、または有意な配列同一性を有するその変異体が含まれる。
それらの遺伝子間配列の変異体であるプロモーターもまた含まれ、かつ特定の遺伝子間配列(またはそれらの一部分)は、好ましい態様である。すべての場合において、orf、遺伝子、核酸、ポリペプチド、またはプロモーターの好ましい態様が、特定の配列への言及によって定められる場合、より広い意味における本発明は、その特定の配列の変異体を有する態様を含むと意図される。
特定の核酸(参照核酸)に関して本明細書において使用される「変異体」という用語は、以下を示す:参照核酸の配列と異なる配列を有するが、その相補体であるか、または参照核酸もしくはその相補体または参照核酸もしくはその相補体の断片と有意な核酸配列同一性またはストリンジェントな条件下でのそれらへのハイブリダイゼーションを示す、任意の核酸;または参照核酸もしくはその核酸の断片によってコードされるアミノ酸配列と有意なアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする任意の核酸。また、「変異体」という用語は、遺伝コードの縮重のみが原因で、互いに異なり、したがって、導き出される同一のアミノ酸配列をコードする核酸も意味する。本発明の変異体核酸は、さらに以下のとおり定義される。本発明の変異体核酸が、変異体である配列の代わりに、本明細書において同定される遺伝子クラスター中に導入され、かつ組換え断片が、(例えば実施例に示すような)ランチビオティック産生に適した条件下で適切な宿主細胞中に導入される場合、ランチビオティックの1種または複数種の活性(特に抗生活性)を有する分子の産生が結果として起こると考えられる。好ましくは、産生は、高い細胞濃度で起こるように調節される。
有意な核酸配列同一性は、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは60%、70%、80%、または90%、さらにより好ましくは、95%、98%、または99%である。有意な核酸配列同一性は、好ましくは、変異体核酸(またはその一部分)と参照核酸の少なくとも30残基の断片、より好ましくは、少なくとも60残基、90残基、または120残基の断片、さらにより好ましくは、180残基、240残基、または300残基の断片、より好ましくは、参照核酸全体との間で示される。
「核酸配列同一性パーセント(%)」は、比較される配列中のヌクレオチド残基と同一である、候補配列中のヌクレオチド残基のパーセンテージとして定義される。本明細書において使用される同一性の値は、初期設定パラメーターに設定されたWU BLAST-2のBLASTNモジュールにより、重複スパンおよび重複比をそれぞれ1および0.125に設定して求めた。
本発明において使用されるプロモーターの変異体に関して、核酸配列同一性は、好ましくは、少なくとも30残基、より好ましくは40残基または50残基、さらになおより好ましくは60残基の配列にわたって評価される。
本明細書において定義される「ストリンジェントな条件」または「高度にストリンジェントな条件」とは、(1)洗浄用に低イオン強度および高温、例えば、0.015M塩化ナトリウム/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、50℃を使用する条件;(2)ハイブリダイゼーション進行中に、ホルムアミドのような変性剤、例えば、50%(v/v)ホルムアミドを、750 mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを含む0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール(Ficoll)/0.1%ポリビニルピロリドン/50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)と共に42℃で使用する条件、または(3)50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、0.075M クエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハート液、超音波処理したサケ精子DNA(50g/ml)、0.1%SDS、および10%硫酸デキストランを42℃で使用し、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)、42℃および50%ホルムアミド、55℃で洗浄し、続いて、55℃、EDTAを含む0.1×SSCからなる高ストリンジェンシー洗浄を行う条件として特定することができる。
関心対象の核酸が、プロモーターまたは調節配列と「機能的に結合」していると言われる場合、これは、そのプロモーター/調節配列が、翻訳用の正確なリーディングフレーム中の関心対象の核酸と共に、適切な発現系における関心対象の核酸の転写を指示できることを意味する。好ましくは、関心対象の核酸が、プロモーター/調節配列と機能的に結合している場合、関心対象の核酸の転写物は、関心対象の核酸にコードされるポリペプチドを適切な発現系において発現させるための適切に配置されたリボソーム結合部位を含む。例えば、Sambrook et al.(1989)およびAusubel et al. 25(1995)を参照されたい。
核酸が「単離された」と言及される場合、これは、A.ガルバジネンシスおよび/またはA.リグリエ中に通常存在する何らかの核酸または他のすべての核酸、特に、本明細書において同定される遺伝子クラスターセグメント以外の核酸から実質的にまたは完全に単離されていることを意味し得る。
前述の開示に照らして、本発明は、アクタガルジンまたはアクタガルジンBの生合成遺伝子クラスターをコードするヌクレオチド配列またはヌクレオチド配列のセットを提供することが理解されると考えられる。したがって、遺伝子クラスター全体または少なくとも25個の連続したヌクレオチドからなるその一部分は、限定されるわけではないが、アクタガルジンまたはアクタガルジンBの発現、関連した分子などに関して他の生物をスクリーニングするためのプローブとしての使用、および遺伝子サイレンシングなどを導入するための使用などを含む、多種多様な用途に使用され得る。
発現構築物
本発明のさらなる局面において、プロモーターに機能的に連結された、本発明のクラスターポリペプチドまたはランチビオティックポリペプチドをコードする核酸を含む発現構築物が提供される。
さらなる局面において、発現構築物のセットが提供される。発現構築物のセットは、本発明の2つまたはそれ以上のポリペプチドコード配列および該配列の発現に適した少なくとも1つのプロモーターを含む。プロモーターは、ポリペプチド遺伝子が天然に結合しているプロモーター(もしくは、変異体の場合は、変異体が由来している遺伝子のプロモーター)でよく、または宿主細胞において機能的な構成的プロモーターもしくは誘導性プロモーターでよい。したがって、プロモーターは、表1および表2に記載したオープンリーディングフレームのいずれかの上流にSEQ ID NO:100またはSEQ ID NO:200の遺伝子間領域を含む。
プロモーターは、発現構築物のセットの核酸に機能的に連結される。「機能的に連結される」とは、プロモーターが、翻訳用の正確なリーディングフレーム中の関心対象の核酸と共に、適切な発現系における関心対象の核酸の転写を指示できることと理解される。好ましくは、関心対象の核酸が、プロモーター/調節配列と作動的に結合している場合、関心対象の核酸の転写物は、関心対象の核酸にコードされるポリペプチドを適切な発現系において発現させるための適切に配置されたリボソーム結合部位を含む。例えば、Sambrook et al.(1989)、Ausubel et al. (2002)、およびKieser(2000)を参照されたい。
本発明による発現構築物のセットは、上記に定義した本発明のポリペプチド前駆体およびクラスターポリペプチドをコードする遺伝子の多数の順列(permutation)を含む。本発明の様々な局面において、セットは、少なくともLanA遺伝子を含む。このようなセットの例は、下記に「セット1」〜「セット7」として説明されるが、これらのセットは例示にすぎず、限定的ではないことが理解されるべきである。
セット1:ポリペプチド前駆体、好ましくは、本発明の化合物に変換することができるポリペプチド前駆体をコードするLanA遺伝子、およびLanMポリペプチドをコードするLanM遺伝子。LanMポリペプチドは、好ましくは、SEQ ID NO:120もしくはその変異体、またはSEQ ID NO:213もしくはその変異体のLanMである。
セット2:ポリペプチド前駆体、好ましくは、本発明の化合物に変換することができるポリペプチド前駆体をコードするLanA遺伝子、およびLanRポリペプチドをコードするLanR遺伝子。LanRポリペプチドは、好ましくは、SEQ ID NO:122もしくはその変異体、またはSEQ ID NO:216もしくはその変異体のLanRである。
セット3:ポリペプチド前駆体、好ましくは、本発明の化合物に変換することができるポリペプチド前駆体をコードするLanA遺伝子、およびLanMポリペプチドをコードするLanM遺伝子、およびLanRポリペプチドをコードするLanR遺伝子。LanMポリペプチドは、好ましくは、SEQ ID NO:120もしくはその変異体、またはSEQ ID NO:213もしくはその変異体のLanMである。LanRポリペプチドは、好ましくは、SEQ ID NO:122もしくはその変異体、またはSEQ ID NO:216もしくはその変異体のLanRである。
セット4:LanOポリペプチドをコードするLanO遺伝子と合わせた、セット3の遺伝子。LanOポリペプチドは、好ましくは、SEQ ID NO:122もしくはその変異体、またはSEQ ID NO:215もしくはその変異体である。
セット5:LanTポリペプチドをコードするLanT遺伝子と合わせた、セット3またはセット4の遺伝子。LanTポリペプチドは、好ましくは、SEQ ID NO:123もしくはその変異体、またはSEQ ID NO:214もしくはその変異体である。
セット6:SEQ ID NO:116 〜SEQ ID NO:127の遺伝子またはそれらの変異体。
セット7:SEQ ID NO:206 〜SEQ ID NO:220の遺伝子またはそれらの変異体。
1つの局面において、セットは、すべて1xxポリペプチドをコードする配列またはすべて2xxポリペプチドをコードする配列を含む。しかしながら、1xxポリペプチドおよび2xxポリペプチドの両方で構成されるセットは、本発明から除外されない。
組換え発現ベクター
別の局面において、本発明の1種または複数種の発現構築物を含む組換えベクターが提供される。代替の局面において、本発明の発現構築物のセットを含む、組換えベクターのセットが提供される。必要な場合には、付加的なプロモーター、ターミネーター断片、エンハンサーエレメント、マーカー遺伝子、および必要に応じた他のエレメントを含む、適切な付加的調節エレメントを含む、細菌中に導入するための核酸を含む適切なベクターを、選択または構築することができる。ベクターは、必要に応じて、プラスミド、ウイルス、例えば、ファージ、またはファージミドでよい。さらなる詳細については、例えば、Sambrook et al(1989)Molecular Cloning, A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harborを参照されたい。例えば、核酸構築物の調製、変異誘発、配列決定、細胞中へのDNAの導入および遺伝子発現における核酸の操作ならびにタンパク質の解析のための多くの公知の技術およびプロトコールは、Ausubel et al.(1995)Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Interscience Publishers,(1995)に詳細に記載されている。ストレプトマイセス(Streptomyces)種においてこれらの技術を使用する多くの局面は、Hopwood et al(1985) Genetic manipulation of Streptomyces a laboratory manual(Norwich:John Innes Foundation)およびPractical Streptomyces Genetics(2000) Kieser T. et al., The John Innes Foundation 386頁に詳細に記載されている。Sambrook et al、Ausubel et al、Hopwood et alおよびKieser et alの開示内容は、これらの目的および他のすべての目的のために、参照により本明細書にすべて組み入れられる。
発現カセット
別の局面において、本発明者らは、アクタガルジンBのランチビオティック誘導体を作製およびスクリーニングするために有用なベクター系を開発した。これは、発現カセット系を作製するために、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:11、またはSEQ ID NO:212をコードするLanA遺伝子中に1つまたは複数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を導入することによって実現される。したがって、別の局面において、本発明は、アクタガルジンBポリペプチド前駆体をコードするヌクレオチド配列を含む組換えDNAカセットを提供し、該配列は、
コード配列のN末端コード領域にあるかまたはそれに隣接している第1の制限部位、
任意で、第1の制限部位の下流かつコード配列内の第2の制限部位、および
コード配列のC末端コード領域にあるかまたはそれに隣接している第3の制限部位
を含み、
前記制限部位の少なくとも1つは、SEQ ID NO:200として示されるLanAコード配列内に出現しない。
さらなる局面において、アクタガルジンポリペプチド前駆体をコードするヌクレオチド配列を含む組換えDNAカセットが提供され、
該配列は、
コード配列のN末端コード領域にあるかまたはそれに隣接している第1の制限部位、
任意で、第1の制限部位の下流かつコード配列内の第2の制限部位、および
コード配列のC末端コード領域にあるかまたはそれに隣接している第3の制限部位
を含み、
前記制限部位の少なくとも1つは、SEQ ID NO:100として示されるLanAコード配列内に出現しない。
一般に、2つまたは3つの部位はすべて、互いに異なっている。また、カセットがベクターに保有されている場合、これらの部位はそのベクターに対して特有であることが望ましい。
好ましい局面において、非天然の制限酵素部位は、第2の制限部位であり、かつSEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:4のコード配列のコドン5とコドン16の間、例えば6と15の間に位置している。
カセットは、望ましくは、LanAリーダー配列およびLanAプロモーターも含み、かつ特にクラスター遺伝子が等価な宿主細胞遺伝子の喪失を補完するのに必要である場合には、1種または複数種のクラスター遺伝子に加えて含んでよい。
前述の本発明のカセットは、様々な方法で操作され得る。例えば、第1および第2、第1および第3、または第2および第3の制限部位間でカセットを切断することによって得られる断片を、ランチビオティックA変異体をコードする変異体コード配列で置換することができる。したがって、本発明は、コード配列のコード領域内に1個〜15個のヌクレオチド置換を有する本発明のカセットの変異体を提供する。
このような変異体の作製するための中間体として、第1および第2、第1および第3、または第2および第3の制限部位間の配列をより大きなスタッファー断片で置換することができる。
別の局面において、ランチビオティック誘導体をコードするカセットは、宿主細胞を形質転換して誘導体を発現させて、例えば、その抗細菌特性を評価するために使用され得る。
1つの局面において、活性に関して次いでスクリーニングすることができる様々な誘導体のライブラリーを提供するために、多種多様の発現カセットが作製され得る。
本発明の発現カセットは、宿主細胞において遺伝子を発現させるために当技術分野において使用される任意のクローニングおよび発現ベクターに基づいてよい。このようなベクターは、温度感受性でよい、1つまたは複数の複製起点を含む。ベクターは、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、アプラマイシン耐性遺伝子、またはテトラサイクリン耐性遺伝子などの選択マーカーを含んでよい。ベクターはまた、ターゲティング領域も含んでよく、この領域は、LanA遺伝子クラスターの外側に存在する宿主細胞中のゲノム配列に相同である。このようなベクターは、ターゲティング領域に相同なゲノム配列中にカセットを組み込むのに使用され得る。
発現カセットはまた、LanA遺伝子またはその誘導体に加えて、1種または複数種のクラスター遺伝子も含んでよい。宿主細胞が、そのようなクラスター遺伝子も不活性化する様式でLanA遺伝子が不活性化されているΔLanA宿主細胞である場合(例えば、Altena et al, 2000において開示されている株において)、この遺伝子または等価な遺伝子は発現カセット上で提供されることが望ましい。
本明細書において使用される場合、「N末端コード領域にあるかまたはそれに隣接している」とは、制限部位の第1の塩基が、LanAリーダー配列のATGコドンの6残基上流から、プロペプチドの第1コドンの6コドン以下下流までの位置に位置していることを意味する。好ましくは、制限部位の第1の塩基は、プロペプチドコード配列の第1コドンの12残基、好ましくは6残基上流から6残基下流までの位置に位置している。
1つの局面において、第1の制限部位は、BglII部位である。
同様に、「C末端コード領域にあるかまたはそれに隣接している」とは、制限部位の第1の塩基が、プロペプチドの終止コドンのヌクレオチドの少なくとも1つを含むか、または制限部位の5'ヌクレオチドもしくは3'ヌクレオチドが、終止コドンから12残基以下、好ましくは6残基、それぞれ下流もしくは上流にあることを意味する。
1つの局面において、第3の制限部位はAvrII部位である。
第2の制限部位は、存在する場合は、第1の制限部位と第3の制限部位の間に位置する。好ましくは、制限部位は、プロペプチドコード配列のコドン5〜コドン16、好ましくはコドン8〜コドン16に存在する少なくとも1つのヌクレオチドを含む。付随的な実施例において、BsrG1部位が、ActAコード配列のコドン6およびコドン7を変更することによって導入された。しかしながら、他の変更もまた、本発明によって企図される。
発現カセットが第1の制限部位と第3の制限部位の間に2つまたはそれ以上の部位を含むように、1つ以上の変更を導入することも可能である。
カセットは、2つまたは3つの非天然の制限部位を含んでよい。付随的な実施例において、3つすべての部位は、通常、SEQ ID NO:100にコードされるActA配列中に存在しない。
発現カセットにより、本明細書において以下にさらに考察するように、ランチビオティック誘導体の迅速な作製が容易になる。
1つの局面において、第1の部位と第2の部位、第1の部位と第3の部位、または第2の部位と第3の部位の間の領域は、スタッファー断片によって置換され得る。第1の部位と第3の部位の間の2つまたはそれ以上の部位が存在する場合、このような部位の任意のペアの間の領域もまた、スタッファー断片によって置換され得る。スタッファー断片は、それが置換する配列より大きい、DNAの一部分である。スタッファー断片は、50ヌクレオチド〜5000ヌクレオチドのサイズ、例えば、約500ヌクレオチド〜2000ヌクレオチドのサイズでよい。これらのスタッファーDNA断片を導入する価値は、その領域が、ランチビオティックをコードするオリゴヌクレオチドで置換される場合に、プラスミドサイズが有意に減少することである。したがって、結果として生じるプラスミドを、非制限的プラスミドの任意の小集団から容易に精製し、それにより、任意のバックグラウンドを排除することができる。
本発明のカセットは、ベクター中のActA配列に特定の変化を導入するのに使用することができ、このベクターは、次いで、ランチビオティック発現用の宿主細胞中に導入され得る。これを実現するために、配列は、望ましくは、LanA(例えば、ActAまたはLigA)リーダー配列に機能的に連結され、リーダー配列は、次に、LanAプロモーター(例えば、ActAまたはLigA)に機能的に連結される。
さらに、または代替案として、カセットを含むベクターは、LanR遺伝子も含んでよい。LanR遺伝子は、ランチビオティックAコード配列の下流に、かつ連結して配置される。
発現ライブラリー
本発明の発現カセットは、ランチビオティックをコードする遺伝子のライブラリーを提供するのに使用され得る。このようなライブラリーは、カセットの第1の制限部位と第2の制限部位の間、第1の制限部位と第3の制限部位の間、または第2の制限部位と第3の制限部位の間に、SEQ ID NO:100またはSEQ ID NO:200のプロペプチド部分と比較して、1個〜15個、例えば、1個〜10個、好ましくは1個〜6個、例えば、1個〜3個のヌクレオチド変化を有することは別として、対応するActAまたはLigA配列にそれぞれが対応する多種多様の配列を導入することによって作製することができる。好ましくは、このような変化は、その配列によってコードされるタンパク質の変化をもたらす。しかしながら、非コード性の変化は除外されない。
ライブラリーは、本発明のさらなる局面を構成する。このようなライブラリーは、発現カセットのランチビオティックAコード配列の変異体である、10種〜100,000種、例えば10種〜10,000種、例えば10種〜1,000種の異なるコード配列を含んでよい。
ランチビオティックA誘導体をコードする発現カセットは、ランチビオティック発現用の宿主細胞中に導入され得る。
1つの態様において、ライブラリーを宿主細胞中に形質転換し、かつコロニーを単離し、かつ/または抗菌活性に関してスクリーニングすることができる。そのような活性を示す個々のコロニーによって発現されるランチビオティックAの配列は、決定することができる。ランチビオティックAが活性を示す場合、本発明は、本発明の方法によって得られるランチビオティックをさらに提供する。
宿主細胞
2種の主なタイプの宿主細胞が、本発明によって構想される。第1のタイプの宿主細胞は、ランチビオティックを産生する宿主細胞である。あるいは、宿主細胞は、非産生細胞でよく、すなわち、LanA遺伝子も、LanAポリペプチドを産生するのに必要とされる関連したそのクラスター遺伝子も含まない。
1つの態様において、本発明は、本発明の発現構築物のセットで形質転換された宿主細胞を提供する。構築物のセットは、上記に定義したセット1〜セット7のいずれか一つ、または前駆体およびクラスターポリペプチドをコードする核酸の他の任意の組合せに基づいたセットでよい。別の態様において、宿主細胞は、本発明の発現カセットを用いて形質転換され得る。
さらなる態様において、本発明の異なる発現カセットをそれぞれが含む、宿主細胞のライブラリーが提供される。
ランチビオティックを産生する宿主細胞
1つの態様において、宿主細胞は、ランチビオティックを産生する宿主細胞でよい。ランチビオティックを産生する宿主細胞は、LanA遺伝子を含む発現構築物が、任意のクラスター遺伝子の不在下で細胞中に導入された場合に、発現され、かつLanAポリペプチドが産生されると考えられる細胞である。このような細胞には、ランチビオティックを産生する桿菌、放線菌(actinomycete)、またはストレプトマイセス科の菌(streptomycete)(例えば、S.リビダンス(S. lividans)もしくはS.セリカラー(S. coelicolor)の任意の株のような、任意のB型ランチビオティック産生細胞が含まれる。このような細胞の例には、シンナマイシンを産生する宿主細胞(ストレプトマイセス・シナモネウス・シナモネウス(Streptomyces cinnamoneus cinnamoneus) DSM40005)、またはアクタガルジンを産生するアクチノプラネス・ガルバジネンシスもしくはA.リグリエNCIMB41362が含まれる。
本発明が、式(I)(式中、-X1-X2-は-Leu-Val-を表す)の化合物の作製に関する場合、宿主細胞は、それ以上の任意の改変はせずに、A.リグリエNCIMB41362でよい。
1つの局面において、このクラスの宿主細胞は、内因性のランチビオティックA遺伝子中に変異を含んでよく、その結果、その遺伝子は発現されないか、または遺伝子産物は不活性である。このような宿主細胞は、宿主細胞のLanA遺伝子を欠失させるか、または突然変異させる、標的化された相同組換えによって得ることができる。これを実現するための方法は、それ自体、当技術分野において公知であり、かつ開示内容が参照により本明細書に組み入れられるAltena et al,(2000)およびWO2005/093069において例示されている。結果として生じる宿主細胞は、ΔLanA宿主細胞と呼ばれる。1つの特定の態様において、宿主細胞は、例えば、変異または欠失、例えば、相同組換えによって引き起こされる欠失によってligA遺伝子が不活性化されたΔLigA A.リグリエNCIMB41362宿主細胞である。別の態様において、宿主細胞は、例えば、変異または欠失、例えば、相同組換えによって引き起こされる欠失によってActA遺伝子が不活性化されたΔActA A.ガルバジネンシス宿主細胞である。
他のクラスター遺伝子によるこのタイプの宿主細胞の形質転換もまた、本発明によって企図されるが、宿主細胞がlanAの作製に必要なクラスター遺伝子を提供する場合、そのようなクラスター遺伝子の提供は任意である。
非産生細胞
非産生細胞は、LanA遺伝子が、ポリペプチド前駆体をアクタガルジンもしくはその変異体、または本発明の化合物に変換することができる発現構築物のセットの一部分として細胞中に導入されるという条件で、アクタガルジンもしくはその変異体、または本発明の化合物に変換されることができるポリペプチド前駆体をコードするLanA遺伝子の発現により、そのような産物を産生することができる任意の宿主細胞でよい。
非産生宿主細胞は、細菌宿主細胞でよい。細菌宿主細胞には、放線菌、またはストレプトマイセス科の菌、例えば、S.リビダンス、S.セリカラー、もしくはS.シナモネウスが含まれる。
宿主細胞は、変異もしくは欠失によってlanO遺伝子が不活性化されている(もしくは非産生細胞の場合には存在しない)細胞、または例えば、この遺伝子の2つもしくはそれ以上のコピーを提供することにより、もしくは宿主細胞における発現を増大させるプロモーターにこの遺伝子を連結することにより、lanO遺伝子の発現が増大されている細胞でよい。この様式でlanO遺伝子を調節することは、宿主細胞において産生される本発明の化合物の酸化型(Y=-S(O))および還元型(Y=-S-)の相対レベルを変更するために望ましい場合がある。
本発明の化合物の作製
本発明の化合物は、例えば、組換え発現ベクター中に保有されるポリペプチド前駆体をコードする発現構築物の形態で、必要な場合には、ポリペプチド前駆体を産物に変換するのに必要とされる関連するクラスター遺伝子と共にLanA遺伝子を有する宿主細胞において、核酸を発現させることによって作製することができる。上記のように、本発明が、式(I)(式中、-X1-X2-は-Leu-Val-を表す)の化合物の作製に関する場合、宿主細胞は、それ以上の任意の改変はせずに、A.リグリエNCIMB41362でよい。
宿主細胞中への発現カセットまたはベクターの導入は、(特に、インビトロの導入の場合)、一般に、限定されるわけではないが、「形質転換」と呼ぶことができる。これは、任意の利用可能な技術を使用してよい。細菌細胞の場合、適切な技術には、塩化カルシウム形質転換、ポリエチレングリコールで補助した形質転換、エレクトロポレーション、接合、およびバクテリオファージを用いたトランスフェクションまたは形質導入が含まれ得る。
1つの局面において、本発明は、本発明の核酸を発現する方法であって、関心対象の核酸を発現させるために、宿主細胞(または他の発現系)を提供して、宿主細胞を培養する段階を含む方法を提供する。関心対象の核酸は、宿主細胞を培養することにより、本発明の産物が産生されるように、発現カセット中に存在する。
好ましくは、関心対象の核酸は、実質的に、宿主細胞培養物が、高い細胞濃度に、より好ましくは、宿主細胞培養物の定常期か、またはそれに近い状態に達する場合にのみ、発現される。定常期か、またはそれに近い状態の細胞培養物は、1〜20の範囲のOD650値を有する場合がある。細胞を培養する公知の方法は、例えば、Sambrook et al(1989)、Ausubel et al(2002)、および(特にストレプトマイセス種に関して)Kieser et al(2000)から、当技術分野において周知である。発現系の発現産物は回収し、かつ精製することができる。単離方法は、溶媒抽出技術、疎水性樹脂のような吸着樹脂、または硫酸アンモニウム沈殿法のような沈殿法を用いた、発酵培地からの捕捉を含んでよい。精製方法には、例えば、メルサシジンの単離にしてUS5,112,806において記載されているように、イオン交換、疎水性相互作用、逆相、順相、固相抽出、およびHPLCなどのクロマトグラフィー技術が含まれ得る。
細胞の培養後に、本発明の化合物を宿主細胞培養物から回収することができる。回収された化合物は、薬学的組成物の形態で、任意で薬学的に許容される塩の形態で、製剤化され得る。
宿主細胞が、本発明の化合物の混合物、例えば、Yが-S-もしくは-S(O)-であるもの、またはZがNH2もしくはAla-であるもの、または4種すべてのタイプの混合物を産生する場合、これらの産物は、例えば、アクタガルジンおよびAla-アクタガルジンの作製に関してUS6,022,851において説明されているように、HPLCのような標準の分離技術を用いて単離され得る。
回収された化合物は、薬学的組成物の形態で、任意で薬学的に許容される塩の形態で、製剤化され得る。
薬学的に許容される塩
「薬学的に許容される塩」は、塩基が化合物の生物学的な有効性および特性を保持し、かつ生理学的に許容される、酸付加塩でよい。このような塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸などの無機酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、およびサリチル酸などの有機酸により形成されるものが含まれる。
また、塩には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、またはマグネシウム塩などの塩基性の塩も含まれる。
薬学的組成物
本発明のランチビオティックスは、限定されるわけではないが、薬学的に許容される担体、補助剤、賦形剤、希釈剤、増量剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、滑沢剤、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、矯味剤、および甘味剤を含む、当業者に周知である1種または複数種の他の薬学的に許容される成分と共に製剤化され得る。製剤は、他の活性物質、例えば、他の治療的物質または予防的物質をさらに含んでよい。したがって、本発明はさらに、上記に定義した薬学的組成物、および上記に定義した少なくとも1種の活性化合物を、当業者に周知である1種または複数種の他の薬学的に許容される成分、例えば、担体、補助剤、賦形剤などと共に混合する段階を含む、薬学的組成物を作製する方法を提供する。個別の単位(例えば錠剤など)として製剤化される場合、各単位は、所定の量(投薬量)の活性化合物を含む。
本明細書において使用される「薬学的に許容される」という用語は、適切な医学的判断の範囲内で、問題の被験体(例えばヒト)の組織と接触して使用するのに適しており、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、ならびに他の問題および合併症も伴わず、妥当な利益/リスク比に見合う、化合物、成分、材料、組成物、剤形などに関する。各担体、補助剤、賦形剤などもまた、製剤の他の成分と適合できるという意味で、「許容される」ものでなければならない。
組成物は、任意の適切な経路および投与手段用に製剤化され得る。薬学的に許容される担体または希釈剤には、経口、直腸、経鼻、局所(口腔内および舌下を含む)、経腟、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、くも膜下腔内、および硬膜外を含む)投与に適した製剤において使用されるものが含まれる。製剤は、便宜的には、単位剤形で提供されてよく、かつ製薬の分野において周知の方法のいずれかによって調製されてよい。このような方法は、活性成分を、1種または複数種の補助成分を構成する担体と結合させる段階を含む。一般に、製剤は、液状担体もしくは微粉砕した固形担体または両方と活性成分を均一かつ密接に結合させ、次いで、必要な場合には、調製物を成形することによって調製される。
固形組成物の場合、従来の非毒性固形担体には、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、タルカム、グルコース、スクロース、および炭酸マグネシウムなどが含まれ、使用され得る。上記に定義した活性化合物は、例えば、ポリアルキレングリコールおよびアセチル化トリグリセリドなどを担体として用いた坐剤として製剤化され得る。薬学的に投与可能な液体組成物は、例えば、上記に定義した活性化合物および任意の薬学的補助剤を、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、およびエタノールなどの担体中で溶解、分散などし、それによって、溶液または懸濁液を形成させることによって調製することができる。所望の場合は、投与する薬学的組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、およびpH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウラート、オレイン酸トリエタノールアミンなどの非毒性補助物質も少量含んでよい。このような剤形を調製する実際の方法は当業者には公知であるか、または明らかになると考えられる。例えば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、第20版、2000年、Lippincott, Williams & Wilkins出版を参照されたい。投与する組成物または製剤は、いずれにしても、治療される被験体の症状を緩和するのに有効な量で、ある量の活性化合物を含む。
0.25%〜95%の範囲の活性成分を含み、残部が非毒性担体から構成される剤形または組成物を調製することができる。
経口投与の場合、薬学的に許容される非毒性組成物は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、セルロース、セルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、グルコース、スクロース、マグネシウム、およびカルボナートなど通常使用される賦形剤のいずれかを混合することによって形成される。このような組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、および徐放製剤などの形態をとる。このような組成物は、1%〜95%、より好ましくは2%〜50%、最も好ましくは5%〜8%の活性成分を含んでよい。
非経口投与は、一般に、皮下、筋肉内、または静脈内への注射を特徴とする。注射剤は、従来の形態で、液状の溶液剤もしくは懸濁剤、注射前に液体中に溶解もしくは懸濁するのに適した固形形態、または乳剤として、調製することができる。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノールなどである。さらに、所望の場合は、投与する薬学的組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、およびpH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウラート、オレイン酸トリエタノールアミン、トリエタノールアミン酢酸ナトリウムなどの非毒性補助物質も少量含んでよい。
局所適用の場合、薬学的に許容される組成物は、1種または複数種の担体中に懸濁または溶解された活性成分を含む、適切な軟膏剤またはゲル剤中に製剤化され得る。本発明の化合物を局所投与するための担体には、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、および水が含まれるが、それらに限定されるわけではない。あるいは、薬学的に許容される組成物は、1種または複数種の薬学的に許容される担体中に懸濁または溶解された活性成分を含む、適切なローション剤またはクリーム剤中に製剤化され得る。適切な担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
このような非経口用組成物または局所用組成物中に含まれる活性化合物のパーセンテージは、その個々の性質、ならびに化合物の活性および被験体の必要性に著しく依存している。しかしながら、0.1重量%〜10重量%の活性成分のパーセンテージが使用可能であり、かつ組成物が続いて上記のパーセンテージまで希釈される固体である場合には、パーセンテージはより高いと考えられる。好ましくは、組成物は、溶液中に0.2重量%〜2重量%の活性物質を含む。
適切な担体、補助剤、賦形剤などに関するさらなる教示は、標準的な製薬教科書、例えば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、第20版、2000、Lippincott, Williams & Wilkins出版、およびHandbook of Pharmaceutical Excipients、第2版、1994において確認することができる。
化合物の投与
本発明のランチビオティック化合物および組成物は、医学的な治療または予防の方法において被験体に投与され得る。被験体はヒトまたは動物被験体でよい。動物被験体は、哺乳動物、または他の脊椎動物でよい。
したがって、被験体の治療または予防の方法において使用するために、本発明の化合物が提供される。また、被験体の治療または予防の方法において使用するための医薬品を製造するための本発明の化合物の使用も提供される。
治療方法は、皮膚感染、粘膜感染、腸内感染、または全身感染を含む細菌感染症の治療方法でよい。
変異体および組成物は、菌血症(カテーテル関連菌血症を含む)、肺炎、皮膚感染症および皮膚構造感染症(手術部位感染症を含む)、心内膜炎、ならびに骨髄炎の全身的治療のために使用され得る。これらの治療および他のこのような治療は、ブドウ球菌、連鎖球菌、腸球菌などの原因微生物を対象としてよい。本発明の化合物またはそれらの組成物はまた、座瘡、すなわちプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)を含む皮膚感染症の局所的治療のためにも使用され得る。変異体およびそれらの組成物はまた、結膜炎のような眼感染症の治療において、および多重耐性のC.ディフィシレ(difficile)を含むクロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)が原因で生じるもの(偽膜性大腸炎)のような消化管重複感染、またはヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)に関連した消化管感染症に対する経口治療のためにも使用され得る。
変異体はまた、創傷または熱傷における皮膚の感染症の治療または予防においても使用され得る。さらに、変異体およびそれらの組成物は、MRSAの伝染を予防するための鼻孔の清浄用のような予防的方法においても使用され得る。これは、感染症のリスクがある被験体(例えば、病院に入る患者)に対して、または医療専門職もしくはこのような感染症のキャリアであるリスクがある他の看護者に対して実施され得る。腹部の手術に先立つ腸管内菌叢の予防的清浄もまた、企図される。
本発明による化合物は、経腸的に(経口的に)、非経口的に(筋肉内もしくは静脈内)、直腸経由で、または局部的に(局所的に)投与することができる。これらは、液剤、散剤(錠剤、マイクロカプセルを含むカプセル剤)、軟膏剤(クリーム剤もしくはゲル剤)、または坐剤の形態で投与することができる。このタイプの製剤のために使用可能な助剤は、薬学的に慣例的な液体または固体の増量剤およびエキステンダー、溶剤、乳化剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、着色剤、および/または緩衝物質である。便宜的な用量として、0.1mg/kg体重〜1000mg/kg体重、好ましくは0.2mg/kg体重〜100mg/kg体重が投与される。これらは、便宜的に、本発明による化合物の有効な1日量、例えば30mg〜3000mg、好ましくは50mg〜1000mgを少なくとも含む用量単位で投与される。
その最良の形態を含む、本発明の実験の基本原理を、添付図を参照して、ほんの一例として以下に詳細にさらに説明する。
実施例1 遺伝子クラスターのクローニング
A.ガルバジネンシスおよびA.リグリエに由来するアクタガルジン生合成遺伝子クラスターの同定およびクローニング
O/SBDIG-1は、48塩基から構成される、ジゴキシゲニン(DIG)で標識された縮重オリゴヌクレオチドである。これは、アクタガルジンの公知のアミノ酸配列を翻訳し、かつアクチノプラネス属のコドン使用を考慮することによって設計した。A.ガルバジネンシスから単離し、かつ制限酵素NcoIを用いて消化したゲノムDNAのサザンハイブリダイゼーション解析により、O/SBDIG-1にハイブリダイズする〜3kbの断片が同定された。ゲノムDNAのNcoI消化を繰り返し、かつ〜3kbのDNA断片を単離し、かつNcoI切断pLITMUS28(NEB)中にクローニングした。結果として生じるプラスミドを大腸菌(E. coli)DH10B細胞中に導入し、次いで、プローブO/SBDIG-1を用いてサザンハイブリダイゼーションによって解析した。ハイブリダイズするクローンを同定し、かつ配列解析にかけた。配列決定により、pLITAG01と呼ばれるこのプラスミドが、アクタガルジン生合成のためのLanA構造遺伝子をコードするDNA(actA)、ならびにABC糖輸送体の一部分をコードすると考えられる上流領域およびlanMを部分的にコードする下流領域(actM)からなることが明らかにされた。
プライマーO/ACT08FおよびプライマーO/ACT09Rは、pLITAG01由来の配列に基づいて設計した。これらのプライマーを、鋳型としてのDIG標識したdNTP(Roche)およびpLITAG01と共にPCR反応において用いて、2296bpのDIG標識DNA断片を作製し、かつSBDIG-2と呼んだ。
A.ガルバジネンシス(ATCC 31049)およびA.リグリエ(NCIMB41362)に由来する、Sau3AIで消化したゲノムDNAを、BamHIを用いて予め消化したコスミドSuperCos1(Stratagene)中にクローニングすることによって、2つのコスミドライブラリーを作製した。各コスミドライブラリーを、SBDIG-1を用いたサザンハイブリダイゼーションによって解析した。各ライブラリーからSBDIG-1とハイブリダイズすると考えられる25個のコスミドを選択し、かつプローブO/SBDIG-1およびプローブSBDIG-2を用いたサザンハイブリダイゼーションによって再解析した。A.ガルバジネンシスのゲノムDNAに由来するコスミド9個およびA.リグリエのゲノムDNAに由来するコスミド11個が、両方のプローブにハイブリダイズした。各コスミドからDNAを単離し、かつプライマーT3およびプライマーT7を用いて配列決定した。続いて、コスミドCosAL02およびコスミドCosAG14を完全に配列決定した(配列決定施設、生化学部門、ケンブリッジ大学)。
材料および方法

本発明において使用される細菌株を表5にまとめる。
ベクター
コスミドSuperCos1は、Stratagene社から入手した。プラスミドpLITMUSは、New England Biolabs社から入手した。
プライマー
Figure 0005219837
サザンハイブリダイゼーション
DNAプローブの標識
Rocheによって供給されているDigoxygenin(DIG)PCR DNA標識および検出キットを取扱い説明書に従って用いて、DNAハイブリダイゼーションプローブを調製した。
DNAのナイロン膜への移行
関心対象のDNAをアガロースゲル電気泳動によって最初に分離し、かつバキュームブロッター(Q BIO gene)を用いてナイロン膜(Hybond-N、Amersham Int.、UK)に移した。0.5M HClによるDNAの脱プリンにかかる時間を、ブロモフェノールブルーマーカーのバンドが完全に黄色に変わるのにかかる時間(典型的には、0.7%アガロースゲルの場合に15分〜20分)に基づいて判断した。次いで、1.5 M NaCl、1.5 M NaOHを用いてDNAを意図的に変性させ、次いで、0.5M Tris、1.5M NaCl、pH8.0をそれぞれさらに15分〜20分間用いて中和した。最低60分間20×SSCで浸すことによって、DNAの完全なブロッティングを容易にした。ブロットした膜をバキュームから取り出した後、室温で放置して風乾させた。UVトランスイルミネーター(UVP)上に膜(DNA側を下に向けて)置き、かつそれを365nmの波長で5分間、UVに曝露することによって、DNAを架橋した。
コロニーリフトおよびハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションによって選択しようとするコロニーをナイロン膜(Roche diagnostics)上に移した。これは、正に帯電したナイロン膜をコロニーの上に置き、かつ1分間しっかりと押して効果的な移動を徹底することによって、達成した。コロニーに関する位置を示すために、膜上に参照点をマークした。この後、膜を取り外し、かつRoche社のユーザーマニュアル(フィルターハイブリダイゼーション用のDIGアプリケーションマニュアル)に指示されているように、ハイブリダイゼーション用に準備した。
ハイブリダイゼーションおよび膜の発色
DNAを、HB-1000ハイブリダイゼーションオーブン(UVP)中、68℃で一晩(約16時間)、調製されたプローブとハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、2×クエン酸ナトリウム塩(SSC)+0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いて、室温で5分間の膜洗浄を2回実施した。これらの洗浄に続いて、SBDIG-1の存在下でハイブリダイズさせた膜の場合は1×SSC+0.1%SDS、およびSBDIG-2を用いてスクリーニングした膜の場合は0.1×SSC+0.1%SDSを用いて、68℃で、2回目の一連の15分洗浄2回を実施した。次いで、Roche社のユーザーマニュアル(フィルターハイブリダイゼーション用のDIGアプリケーションマニュアル)において推奨されているように、膜を発色させた。
ソフトウェア
FramePlotバージョン2.3.2、BioEdit配列アラインメントエディタ、ClustalW(EMBL-EBI)、およびBasic Local Alignment Search Tool(BLAST、NCBI)を用いて、コンセンサス配列を解析した。
結果および考察
CosAG14
コスミドCosAG14は、A.ガルバジネンシスから単離されたゲノムDNAの38168bp断片を含む。配列解析により、リーダーおよびアクタガルジンプレペプチドをコードするDNAが同定され、この遺伝子にactAという名称が割り当てられた。2つのアラニン残基が、アクタガルジンプレペプチドのすぐ上流に存在する。これらの残基は、アクタガルジンからリーダーペプチドをプロテアーゼが切断する際の認識部位に相当すると考えられている。この位置で部分的に切断されて、アラニンが維持されると、A.ガルバジネンシスの発酵ブロス中でルーチン的に観察されるala-アクタガルジンの産生がもたらされると考えられている。actA遺伝子の下流に、いくつかのlanMタンパク質、例えば、メルサシジン遺伝子クラスター由来のmrsMとの高い配列類似性(30%の同一性)を有する3162bpのDNA領域が存在する。この推定上の遺伝子は、actMと呼ばれ、アクタガルジンプレペプチドの修飾、脱水の触媒、およびチオエーテル形成に関与していると考えられている。actMの11bp下流に位置している、actOと呼ばれるオープンリーディングフレームは、いくつかのルシフェラーゼ型モノオキシゲナーゼとの配列類似性(〜39%の同一性)を有する314アミノ酸のタンパク質をコードする。モノオキシゲナーゼ、ActOの役割は、酸素の組込みを触媒して、デオキシ-アクタガルジンからアクタガルジンを生成させることであると考えられている。actOと逆の向きに、かつ62bp下流に位置して、actRと名付けられたオープンリーディングフレームが存在する。このorfのタンパク質産物は、いくつかの2成分応答調節因子と配列類似性(〜37%の同一性)を示す。789bp下流に位置し、かつactRと同じ向きに、ABC輸送体透過酵素との配列類似性(〜25%の同一性)を示す、推定上の812アミノ酸タンパク質が存在する。actTと呼ばれるこの推定上のタンパク質は、修飾されたランチビオティックの細胞からの搬出を担っている可能性がある。actTの下流の第2のorfおよび第4のorfのアミノ酸配列は、それぞれ、応答調節因子キナーゼおよびペニシリン結合タンパク質に対する類似性(〜30%の同一性)を示す。リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)中のナイシン生合成遺伝子クラスターに関する最近の研究(Gravesen et al., 2004)により、ヒスチジンキナーゼは、ペニシリン結合タンパク質および機能が不明のタンパク質と共に、ナイシン耐性の付与に関与していることが実証された。actAに極めて近い範囲内に類似遺伝子が存在することから、これらの遺伝子がアクタガルジン耐性メカニズムに関与していることが示唆され得る。
CosAL02
コスミドCosAL02は、アクチノプラネス・リグリエから単離されたゲノムDNAの40402bp断片を含む。配列解析により、コスミドCosAG14において同定されたactA遺伝子と高い配列相同性(50残基が同一)を有する64アミノ酸タンパク質をコードするlanA遺伝子を同定した。本発明者らは、lanA遺伝子のこの種をligAと呼んだ。このlanAのプレペプチドのアミノ酸配列は、アクタガルジンの配列と、以下に示す2種の遺伝子(SEQ ID NO:119およびSEQ ID NO:212)のアライメントにおいて示される2つの残基が異なる。
Figure 0005219837
変異V15Lおよび変異I16Vは、アクタガルジンと同一の質量を有するタンパク質を生成すると考えられ、したがって、質量分析(lc-ms)による解析によって区別されないと考えられる。CosAL02において同定されたlanA遺伝子の潜在的な産物は、新規なランチビオティックに相当する。ligAの321bp上流に存在するオープンリーディングフレームは、ストレプトマイセス・グラウセセンス(Streptomyces glaucescens)のStrRタンパク質に対して配列類似性(46%の同一性)を示す、推定上の286アミノ酸タンパク質をコードする。StrRタンパク質は、ストレプトマイシン遺伝子発現の調節に関与している、経路に特異的なDNA結合アクチベーターである。ligAの下流に存在するorfの配列類似性(31%の同一性)から、これが、ligAプレペプチドの修飾に潜在的に関与している1046アミノ酸lanMポリペプチド(以下、「ligM」と呼ぶ)をコードすることが示唆される。後続の下流のオープンリーディングフレームlanT(ligT)の開始コドンは、ligMの停止コドンと重複している。LigTは、いくつかのABC輸送体との配列類似性を有する575アミノ酸タンパク質である。LanTタンパク質は、成熟した最終産物、またはリーダー配列にさらに結合された、翻訳後に修飾された産物のいずれかの分泌を司っている。コスミドCosAG14において観察されるように、ligTの下流の次のorfは、ルシフェラーゼ型モノオキシゲナーゼとの配列類似性(〜38%の同一性)を有する347アミノ酸タンパク質をコードする。この推定上のモノオキシゲナーゼ(ligO)は、酸素の組込みおよびスルホキシド結合形成に関与していると考えられている。ligOの下流に位置し、かつ逆の向きに、いくつかの2成分応答調節因子との配列類似性(〜37%)を示す推定上の217アミノ酸タンパク質が存在する。この推定上の調節因子は、ligRと呼ばれる。
(表1)CosAG14に関する注釈(A.ガルバジネンシスから単離された38168bp断片。SuperCos1ベクターの主鎖(backbone)配列は省略する)
Figure 0005219837
Figure 0005219837
(表2)CosAL02に関する注釈(A.リグリエから単離された40402bp断片。SuperCos1ベクターの主鎖配列は省略する)
Figure 0005219837
Figure 0005219837
実施例2 発現カセット
発現カセットの作製
本実施例では、本発明による発現カセットの作製を例示する。この発現カセット、プラスミドpAGvarXは、本発明の変異体lanA遺伝子の効率的な作製のために設計され、次いで、野生型actAが除去されたA.ガルバジネンシス株(A.ガルバジネンシスΔactA)のような宿主細胞中に導入され得る。このプラスミド、すなわちベクターpSET152の誘導体(Bierman et al., 1992)は、attP付着部位を介して宿主の染色体中に組み込まれる。アクタガルジン生合成遺伝子クラスターの残存する野生型遺伝子と共に、変異actA遺伝子を宿主生物によって発現させると、アクタガルジン変異体が生じるはずである。
プラスミドpAGvarXの構築
別段の記載が無い限り、引用されるすべての位置は、SEQ ID NO:100に関する。プラスミドpAGvarXを構築するためのスキームは図3に示す。21237位のactAの上流に位置するorfに隣接した残基から21672位のactAコード領域内のロイシン残基までを、プライマーO/AGvar01bFおよびO/AGvar02bR(プライマー表)ならびに鋳型としてのpLITAG01を用いてPCRによって増幅した。これらのプライマーは、隣接するXbaI部位を5'末端に、およびactAをコードする3'ロイシン領域にサイレント変異によってBglIIを導入するように設計した。この断片を、SmaIを用いて予め消化した脱リン酸化pUC19中に導入して、pAGvar1を得た。
actAのC末端から隣接する下流のorf(21758〜21836、両端を含む)まで及ぶDNA領域を、プライマーO/AGvar05FおよびO/AGvar06Rならびに鋳型としてのpLITAG01を用いてPCRによって増幅した。これらのプライマーは、隣接するAvrII部位を5'位に、およびEcoRI部位を3'末端に導入するように設計した。結果として生じるPCR産物を、SmaIを用いて予め消化した脱リン酸化pUC19中にクローニングして、pAGvar2を得た。次いで、プラスミドpAGvar1およびプラスミドpAGvar2をXbaIによって消化し、かつpAGva1に由来するPCR断片を回収し、XbaIで消化した脱リン酸化pAGvar2中にクローニングした。入ってくる断片の正確な向きは、制限分析によって決定した。続いて、結果として生じるプラスミドpAGvar3をBglIIおよびAvrIIによって消化し、かつアニールしたオリゴヌクレオチドO/AGvar03FおよびO/AGvar04Rに連結して、pAGvar4を作製した。続いて、プラスミドpAGvar4をEcoRIおよびXbaIによって消化し、かつアニールされたオリゴヌクレオチドを含む、結果として生じる〜620bpの断片を、EcoRIおよびXbaIによって予め消化したpSET152中に導入して、ベクターpAGvarXを得た。
各オリゴヌクレオチドをアニーリングすることによって構築したpAGvarXの領域は、アクタガルジンペプチドに対して、アミノ酸6位および7位(それぞれCおよびT)のサイレント変異を介して、BsrGI部位を導入する。この部位は、actAペプチド内のコードされたアミノ酸のいずれかに対する標的化された変異をコードするDNAを導入するために、上流のBglII部位または下流のAvrII部位のいずれかと組み合わせて使用することができる。
実施例3 宿主細胞
本実施例では、lanA遺伝子が不活性化されたランチビオティック産生宿主細胞の作製を例示する。本実施例において、宿主細胞は、actA遺伝子を欠失させられたA.ガルバジネンシスである。
A.ガルバジネンシスΔactA株の構築
A.ガルバジネンシスΔactA株を、アクタガルジン構造遺伝子actAの変異体を発現するための宿主として使用する。この株は、Gust et al., 2002によって開発されたリダイレクト技術を用いて、野生型A.ガルバジネンシスから作製した。初めに、actAをコードするコスミドCosAG14由来のDNA領域をカセットSBdel-1で置き換えた。SBdel-1は、FLP認識標的(FRT)部位にはさまれたアプラマイシン耐性遺伝子(aac(3)IV)およびoriTからなり、これを、SEQ ID NO:100の21536位および21802位にそれぞれ結合するプライマーO/SB50FおよびプライマーO/SB51Rと共に鋳型としてのプラスミドpIJ773を用いてPCRによって増幅した。リダイレクトプロトコール(Gust et al., 2004)に従って、CosAG14のactAをSBdel-1で置換して、コスミドCosAG14ΔAを作製した。続いて、SBdel-1カセットの中央部分を、リダイレクトプロトコールのステップ7に従い、FLPを介した切出しによってCosAG14ΔAから除去して、CosAG14ΔBを作製した。この領域を除去することにより、無極性かつ無標識のインフレーム欠失の作製、ならびに同じ耐性マーカーの反復使用が可能になる(Gust et al., 2003)。
構築の第2の段階は、接合によってA.ガルバジネンシス中に導入され得るようにコスミドを操作することであった。これは、形質転換によって大腸菌株BW25113/pIJ790中にCosAG14ΔBを最初に挿入することによって開始した。次いで、リダイレクトプロトコール(Gust et al., 2004)に従って、CosAG14ΔBのアンピシリン遺伝子をSBdel-2で置換して、コスミドCosAG14ΔCを作製した。カセットSBdel-2は、SBdel-1と同様に、FRT部位にはさまれたアプラマイシン耐性遺伝子(aac(3)IV)およびoriTを有するが、鋳型pIJ773と共にプライマーO/SB52FおよびプライマーO/SB53Rを用いて作製した。
CosAG14ΔCを用いて大腸菌ET12567/pUZ8002のエレクトロコンピテント細胞を形質転換させた後に、リダイレクトプロトコール(Gust et al., 2004、以下の段落も参照されたい)に従って、A.ガルバジネンシスと接合させた。野生型産生株の染色体からactA遺伝子が除去された、結果として生じる株は、A.ガルバジネンシスΔactAである。
より詳細には、上記のA.ガルバジネンシスΔactA株を得るために、CosAG14ΔCを用いて、大腸菌ET12567/pUZ8002のエレクトロコンピテント細胞を形質転換させた後に、A.ガルバジネンシスと接合させた。アプラマイシン耐性の接合完了体(exconjugant)を得、かつアプラマイシンを含まないTSB中で6回連続的に増殖させて継代培養した。6代目培養物に由来する細胞を培地65に播種し、かつ30℃でインキュベートした。5日後、コロニーを培地65の約1cm2の領域に移動し、寄せ集めた(patched)。30℃で3日間インキュベーションした後、寄せ集めた細胞を、最終濃度50μg/mlのアプラマイシンを含む培地65に移動した。30℃で72時間インキュベーションした後、アプラマイシンに感受性の細胞を選択し、かつ各パッチ(patch)を用いて、10ml TSBを含む50mlフラスコに接種し、30℃、250rpmで4日間、増殖させた。各培養物からゲノムDNAを調製し、かつオリゴヌクレオチド O/AGvar01bFおよびO/AGvar06rを用いたPCRによって解析した。actA遺伝子の欠失と一致するサイズのPCR産物を作製した。並行して、HPLCによる発酵ブロスの解析により、これらの同じ試料がアクタガルジンを産生しないことが実証された。
実施例4 異種発現
本実施例では、非産生細胞S.リビダンスである宿主細胞におけるSEQ ID NO:100遺伝子クラスターからのアクタガルジン発現を例示する。このような宿主細胞は、これら2種のペプチドの活性変異体を作製する代替手段を提供する。
アクタガルジンおよびデオキシアクタガルジンBの産生をコードする生合成遺伝子クラスターを含むコスミドCosAG14およびコスミドCosAL02は、異種宿主への接合伝達を容易にするのに必要な伝達起点(oriT)を備えていない。リダイレクト技術(Gust et al., 2002)を用いて、oriTをファージ付着部位attPおよびインテグラーゼ(int)と共に、CosAG14およびCosAL02のSuperCos1主鎖中に導入して、ネオマイシン耐性遺伝子(neo)を置換することができる。
異種発現のためのベクターの構築
コスミドpMJCOS1(JIC(Norwich)によって供給される)は、ネオマイシン耐性をコードする遺伝子が、oriT、attP、インテグラーゼ(int)、およびアプラマイシン耐性遺伝子(aac(3)IV)をコードするDNAを含むカセット(HEapra)で置換されているSuperCos1(Stratagene)の誘導体である。pMJCOS1をSspIで消化し、かつアガロースゲルからDNAを回収することによって、カセットHEapraを単離した。Gust et al., 2004によって説明されているリダイレクトプロトコールに従って、このカセットをCosAG14およびCosAL02と共に使用して、コスミドCosAG14HEapraおよびコスミドCosAL02HEapraをそれぞれ作製した。
続いて、接合によって、コスミドCosAG14HEapraをS.リビダンス中に導入した。S.リビダンス/CosAG14HEapraのアプラマイシン耐性接合完了体を単離した。3種の接合完了体を用いて、TSB播種培地に接種した。S.リビダンス、A.ガルバジネンシス、およびA.リグリエを並行して増殖させて対照を提供した。48時間のインキュベーション後、播種培養物を用いて、一連の4種の異なる産生用培地、すなわちAAS1、GM1、GM3、およびTSBに接種した。これらの培養物を30℃で合計9日間インキュベートし、インキュベーション5日目、7日目、および9日目の後に、各フラスコから1.5mlのアリコートを取り出した。これらのアリコートを14000rpm(IECマイクロマックスベンチトップ型遠心分離機)で10分間、遠心分離し、次いで、上清をデカントし、かつ希釈せずにバイオアッセイ法およびHPLC-MS解析のために使用した。
輪(halo)がまったく生じなかった、TSB中の発酵物に由来する上清を添加したウェルを除いて、生物学的に活性な化合物の存在を示す阻害ゾーン(輪)が、コスミドCosAG14HEapraを含むS.リビダンス(S.リビダンス/CosAG14HEapra)の上清を添加したすべてのウェルの周囲で観察された。4種の培地のいずれかにおいて増殖させたS.リビダンスの発酵に由来する上清を添加したウェルの周囲では、生物活性はまったく観察されなかった。輪は、増殖が支援されたA.リグリエおよびA.ガルバジネンシスの培養物に由来する上清を添加したすべてのウェルの周囲で明らかであった。輪はすべて、試料採取の最初の日である5日目から9日目まで、一貫して生じたが、輪の直径の全般的な減少は明らかであった。
S.リビダンス/CosAG14HEapraの発酵物に由来する上清のHPLC-MS解析により、ala(0)アクタガルジンに対応する保持時間および質量を有するピークの存在が確認される。これらの同じピークは、S.リビダンスのみの上清には存在しなかった。表3では、5日間のインキュベーション後のS.リビダンス、S.リビダンス/CosAG14HEapra、A.ガルバジネンシス、およびA.リグリエの発酵上清のHPLC-MS解析をまとめる。
(表3)
Figure 0005219837
実施例5 抗菌活性
MICの決定
本明細書において上記に開示したようにして作製した、選択された変異体を、一連の細菌に対する活性に関してさらに試験した。肺炎連鎖球菌は例外として、すべての生物に対する最小阻止濃度(MIC)は、カルシウム最終濃度400μg/mlまで無水塩化カルシウムを添加したミュラー・ヒントンブロス(MHB)中の2倍の抗生物質段階希釈物によって決定した。肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)に対する最小阻止濃度(MIC)は、400μg/ml塩化カルシウム二水和物を添加した脳‐心臓浸出物(BHI)ブロス中の2倍の抗生物質段階希釈物によって決定した。NCCLS基準M7-A6に従って、抗微生物物質ストック溶液を調製し、かつ保存した。
活発に増殖しているブロス培養物を、マックファーランド0.5標準液に等価である600nmでの吸光度0.2〜0.3に調整することによって、105CFU/ml〜106CFU/mlを含むように希釈した。次いで、これらをブロス中でさらに1:100に希釈した。これらのアッセイ法は、滅菌済み96ウェルマイクロタイタープレートにおいて、総体積200μl(ブロス160μl、抗生物質20μl、接種物20μl)、濃度範囲64μg/ml〜0.06μg/ml、デュプリケートで実施した。マイクロタイタープレートの12番目のウェルは、抗微生物物質を含まなかった。バンコマイシンを、精度管理のための参照抗生物質として使用した。37℃で18〜20時間、振盪しながら、プレートを好気的にインキュベートし、眼に見える増殖をもたらさない薬物の最低濃度としてMICを定めた。
Figure 0005219837
実施例6 NMR解析
アクタガルジンおよびデオキシアクタガルジンに関するNMR研究
NMR分光法(COSY、TOCSY、HSQC、およびNOESY)を首尾良く使用して、アクタガルジン(A.ガルバジネンシス)およびデオキシアクタガルジンB(A.リグリエ)の産生株から得られる配列決定の結果を確認した。得られたデータは、全残基の完全に明瞭な割付は可能ではなかったが、図4に示す構造と一致しており、かつA.リグリエ由来のデオキシアクタガルジンBが15位および16位にそれぞれ残基Leuおよび残基Valを有することを確認するのに十分であった。
実施例7 誘導体の合成
デオキシアクタガルジンBの以下の誘導体を作製した。式中、Z基およびC末端アミドは以下のとおりであった。
化合物構造
Figure 0005219837
化合物I〜XIの合成は以下のとおりであった。
一般的手順1 化合物I〜IIIの調製
デオキシアクタガルジンB(20mg、11nmol)、適切なアミン(11nmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(7.2μl、70nmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(0.8ml)溶液に、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop)(70mg、134nmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(1.0ml)溶液200μlを添加した。この混合物をHPLCによって解析して、反応の進行を追跡し、出発原料がすべて消費されるまで、一定分量のPybop溶液をさらに添加した。この段階でのHPLC解析により、ジアミドの多様な量(5%〜20%)も示された。反応の完了後、混合物を、20mM Kpiリン酸緩衝水溶液(pH7)(10ml)中30%アセトニトリルで希釈し、かつ表4に記載した条件を用いて、分離用HPLCによってモノアミドを精製した。適切な画分を初めの体積の25%まで濃縮し、かつ前準備されたC18 Bond Elutカラム(500mg)に添加することによって脱塩し、続いて、このカラムを2カラム容量の30%、40%、70%、および90%メタノール水溶液を用いた連続溶出によって洗浄した。適切な画分を蒸発させて、所望の産物を白色固形物として得た。
化合物I:デオキシアクタガルジンB N-[3-ジメチルアミノプロピル]モノカルボキシアミド(monocarboxamide)
一般的手順1に従ってデオキシアクタガルジンBおよび3-(ジメチルアミノ)プロピルアミンを結合させることによって得た。収量18mg、収率85%。[M+2H 2+]計算値979.0。実測値980.2。
化合物II:デオキシアクタガルジンB N-[1-(1-メチル-4-ピペリジニル)ピペラジン]モノカルボキシアミド
一般的手順1に従ってデオキシアクタガルジンBおよび4-(ピペリジノ)ピペラジンを結合させることによって得た。収量8mg、収率37%。[M+2H 2+]計算値1019.5。実測値1020.0;[M+3H 3+]計算値680.0。実測値680.0。
化合物III:デオキシアクタガルジンB[1-(3-ジメチルアミノプロピル)ピペラジン]モノカルボキシアミド
一般的手順1に従ってデオキシアクタガルジンBおよび1-(3-ジメチルアミノプロピル)ピペラジンを結合させることによって得た。収量10mg、収率46%。[M+2H 2+]計算値1013.5。実測値1014.0。
一般的手順2 化合物IV〜IXの調製
Fmocで保護された適切なアミノ酸(34nmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(0.4ml)溶液を、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBop)(11.4mg、22nmol)およびジイソプロピルエチルアミン(11μl、68nmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(0.4ml)溶液で処理した。次いで、この混合物を、デオキシアクタガルジンB(2mg、11nmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(0.5ml)溶液に添加した。この混合物を室温で1時間放置した。1時間後、分析用HPLC(20mM Kpiリン酸緩衝水溶液(pH7)中30%〜65%アセトニトリル)は、出発原料の完全な変換を示した。この反応混合物を40%メタノール水溶液(20ml)で希釈し、この混合物を、2カラム容量の100%メタノール、続いて2カラム容量の水で洗浄することによって前準備しておいたC18 Bond Eluteカラム(500mg)に通した。このカラムを、2カラム容量の40%、50%、60%、70%、80%、90%、および100%メタノール水溶液で順次溶出させた。画分をHPLCによって解析し、かつFmocで保護された結合産物を含む画分を蒸発乾固させた。残渣をジメチルホルムアミド(1ml)中に溶解し、かつピペリジン(50μl)を添加して、Fmoc保護基を除去した。反応の進行をHPLCによってモニターし、出発原料が完全に消費された後、溶液を30%メタノール水溶液(20ml)中に希釈した。次いで、前述したように、この混合物をC18 Bond Elutカートリッジ(500mg)に通して溶出させ、かつ適切な画分の蒸発後に得られる産物を、表4に記載する条件を用いる分離用HPLCによってさらに精製した。適切な画分を初めの体積の25%まで濃縮し、かつ前準備されたC18 Bond Elutカラム(500mg)に添加することによって脱塩し、続いて、このカラムを2カラム容量の30%、40%、70%、および90%メタノール水溶液を用いた連続溶出によって洗浄した。適切な画分を蒸発させて、所望の産物を白色固形物として得た。
化合物IV:D-Ala(0)デオキシアクタガルジンB
一般的手順2に従ってデオキシアクタガルジンBおよびFmoc-D-アラニンから収率74%で調製した。[M+2H 2+]計算値972.5、実測値973.0。043/188
化合物V:L-Ile(0)デオキシアクタガルジンB
一般的手順2に従って、デオキシアクタガルジンBおよびFmoc-L- イソロイシンから収率27%で調製した。[M+2H 2+]計算値993.5。実測値993.8。
化合物VI:L-Val(0)デオキシアクタガルジンB
一般的手順2に従って、デオキシアクタガルジンBおよびFmoc-L-バリンから収率55%で調製した。[M+2H 2+]計算値986.5。実測値985.9。
化合物VII:L-Phe(0)デオキシアクタガルジンB
一般的手順2に従って、デオキシアクタガルジンBおよびFmoc-L-フェニルアラニンから収率22%で調製した。[M+2H 2+]計算値1010.5。実測値1010.9。
化合物VIII:L-Lys(0)デオキシアクタガルジンB
一般的手順2に従って、デオキシアクタガルジンBおよびBis(Fmoc)-L-リシンから収率45%で調製した。[M+2H 2+]計算値1001.0。実測値1001.6。
化合物IX:L-Tryp(0)デオキシアクタガルジンB
一般的手順2に従って、デオキシアクタガルジンBおよびFmoc-L-トリプトファンから収率55%で調製した。[M+2H 2+]計算値1030.0。実測値1029.9。
実施例8 さらなる抗菌物質データ
MIC決定
ブドウ球菌種、連鎖球菌種、腸球菌(Enterococcus)種
最小阻止濃度(MIC)を決定し、かつ好気性細菌に関するNCCLS基準の微量希釈ブロス法(M7-A6、2003)に従って、抗微生物物質ストック溶液を調製し、かつ保存した。MICは、ミュラー・ヒントンブロス(MHB)または脳‐心臓浸出物(BHI)ブロス(肺炎連鎖球菌)中の2倍の抗生物質段階希釈物によって決定した。活発に増殖しているブロス培養物を、無菌ブロス中で、または直接的なコロニー懸濁によって(肺炎連鎖球菌)、マックファーランド0.5標準液に等価である濁度(1×108CFU/ml)に調整し、次いで、無菌ブロス中にさらに希釈して、無菌96ウェルマイクロタイタープレート中の約5×105CFU/mlの最終接種物を得た。これらのアッセイ法は、参照対照株として含まれるエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)ATCC29212および精度管理のための参照抗生物質としてのバンコマイシンと共にデュプリケートで実施した。37℃で18〜20時間、振盪しながら、プレートを好気的にインキュベートし、眼に見える増殖をもたらさない薬物の最低濃度としてMICを定めた。
クロストリジウム・ディフィシレ
C.ディフィシレに対する最小阻止濃度(MIC)を決定し、かつ嫌気性細菌に関するNCCLS基準の寒天希釈法(M11-A5、2001)に従って、抗微生物物質ストック溶液を調製し、かつ保存した。2倍の抗生物質段階希釈物をウィルキンス・チャルグレン(Wilkens-Chalgren)寒天(WCA)中で調製した。試験生物を、ブレジャ(C.C.E.Y.)寒天上で48時間増殖させた後に選択し、シェドラー(Schaedler)ブロス中でマックファーランド0.5標準液に等価な密度(約1×108CFU/ml)まで継代培養し、WCAプレート上への最終接種物を約105CFU/スポットとした。バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)ATCC 25285を参照対象株として含み、かつメトロニダゾールを精度管理のための参照抗生物質として使用した。操作はすべて、酸素に短時間しか曝露されないように、前還元培地中、周囲雰囲気、デュプリケートで実施した。プレートを嫌気的に37℃で48時間インキュベートし、薬物濃度としてMICを定めた。この際、嫌気的な対照プレートでの増殖と比べて、試験プレートでの増殖の出現に著しい減少が生じた。
プロピオニバクテリウム・アクネス
試験生物を、フラゾリドン(1〜2μg/ml)を添加したウィルキンス・チャルグレン寒天(WCA)上で3日〜7日間増殖させてから選択した。新鮮なウィルキンス・チャルグレンブロス(WCB)に、直接的なコロニー懸濁によって、P.アクネスの単一コロニーを接種し、かつマックファーランド0.5標準液に等価な密度(1×108CFU/ml)に調整し、次いで、無菌WCB中でさらに希釈して、無菌96ウェルマイクロタイタープレート中の約105CFU/mlの最終接種物を得た。NCCLS標準(M11-A5、2001)に従って調製および保存したストック溶液を用いて、2倍の抗生物質段階希釈を滅菌水中で実施した。これらのアッセイ法は、精度管理のための参照抗生物質として使用したバンコマイシンおよびクリンダマイシンと共にデュプリケートで実施した。プレートを嫌気的に37℃で48時間〜72時間インキュベートし、薬物濃度としてMICを定めた。この際、嫌気的な対照プレートでの増殖と比べて、試験プレートでの増殖の出現に著しい減少が生じた。操作はすべて、酸素に短時間しか曝露されないように、前還元培地中、周囲雰囲気、デュプリケートで実施した。
より高い濃度が指示される場合を除いて、50μg/mlのカルシウムイオン(塩化カルシウムとして)を培地に添加した。MIC値(μg/ml)を以下の表に示す。
(表6)腸球菌、連鎖球菌、およびブドウ球菌に対するMIC値
Figure 0005219837
(表7)フシジン酸耐性黄色ブドウ球菌に対するMIC値
Figure 0005219837
(表8)ムピロシン耐性黄色ブドウ球菌に対するMIC値
Figure 0005219837
(表9)プロピオニバクテリウム・アクネスに対するMIC値
Figure 0005219837
(表10)C.ディフィシレに対するMIC値
Figure 0005219837
(表11)C.ディフィシレに対するMIC値
Figure 0005219837
材料および方法
上記の実施例2〜7において使用した材料および方法は以下のとおりである。
培地
緩衝液、溶液、および培地はすべて、逆浸透(RO)水を用いて作製し、1リットル当たり以下の成分を含んだ。
Figure 0005219837
Figure 0005219837
バイオアッセイ法
ミクロコッカス・ルテウスを凍結したストックからミュラー・ヒントンブロス10ml中に接種し、かつ200rpmで振盪しながら30℃で一晩増殖させた。この培養物1mlを用いて、ミュラー・ヒントン寒天300ml中に接種し、次いでペトリ皿中にこれを注いだ。コルクボーラーを用いて、等距離の間隔を空けて置いたウェル(直径6mm)を作製し、続いて、各試料50μlを添加した。このバイオアッセイ法プレートを、添加した試料が拡散するまで、層流中に入れ、拡散した時点でプレートを30℃インキュベーターに移し、一晩放置した。
エンドヌクレアーゼ制限消化
制限酵素によるDNAの消化を、供給される緩衝液中で、かつ製造業者のガイドラインに従って実施した。典型的には、予備消化物の場合、推奨される温度で3時間、12ユニットの酵素でDNA 5μgを消化した。分析用消化物の場合、推奨される温度でさらに2時間〜3時間、2ユニットの酵素でDNA 0.5μgを消化した。消化したDNAをアガロースゲル電気泳動によって解析した。
接合完了体の継代培養
寄せ集めた接合完了体の寒天プラグを用いて、8ml TSBおよびガラスビーズ2個を含む50mlフラスコに接種した。これらの培養物を30℃、250rpmで10日間インキュベートし、次いで、100μlを取り出し、かつガラスビーズ2個を含む50mlフラスコ中のTSB 10mlに添加した。これらのフラスコを2日間インキュベートし、次いで1mlを取り出し、TSB 10mlを含む50mlフラスコに接種するのに使用した。接種物1mlを用いて、合計6回の連続的な増殖(それぞれ、30℃、250rpmで2日間のインキュベーション)を実施した。6回目の継代培養から得られる細胞を、4000rpmで20分間、遠心分離(Heraeus Sepatech Megafuge)することによって沈殿させ、次いで、TSB中で30秒間、超音波処理して(MSE Sanyo Soniprep 150、振幅10ミクロン〜15ミクロン)、菌糸体を破壊した。超音波処理した細胞の段階希釈物(TSB中10-1〜10-5)を培地65に播種し、かつ30℃でインキュベートした。
異種発現のための発酵
ガラスビーズ2個ならびにナリジクス酸および適切な選択用抗生物質を添加したTSBまたはAAS1培地8mlをそれぞれ含む50ml円錐フラスコに、寒天プラグまたは-80℃のグリセロールストック250μlを用いて接種した。30℃、200rpmで2日〜4日間インキュベーションした後、播種培養物当たり1.2ml(3%)を用いて、ガラスビーズ2個を含む250ml円錐フラスコ中の各産生用培地40mlに接種した。これらの培養物を30℃、200rpmで9日間、インキュベートした。バイオアッセイ法による解析および/またはHPLC-MS解析のために、全ブロスのアリコート1.5mlを各培養物から周期的に取り出した。
デオキシアクタガルジンBを単離するためのA.リグリエの発酵
ガラスビーズ2個およびSV2培地50mlをそれぞれ含む250ml円錐フラスコに、グリセロールストックから得たA.リグリエ細胞500μl(1%)を接種した。30℃、250rpmで4日間インキュベーションした後、播種培養物当たり12ml(3%)を用いて、2L円錐フラスコ中のGM3 400mlに接種した。これらの培養物を30℃、225rpmで9日間、インキュベートした。4000rpmで30分間の遠心分離(Heraeus Sepatech Megafuge)によって培養ブロスを回収し、その後、細胞沈殿物から上清をデカントした。
アクタガルジンおよびAla(0)-アクタガルジンを単離するためのA.ガルバジネンシスの発酵
ガラスビーズ2個およびAAS培地50mlをそれぞれ含む250ml円錐フラスコに、グリセロールストックから得たA.ガルバジネンシス細胞500μl(1%)を接種した。30℃、250rpmで9日間インキュベーションした後、播種培養物当たり12ml(3%)を用いて、2L円錐フラスコ中のAAS 400mlに接種した。これらの培養物を30℃、200rpmで8日間インキュベートした。4000rpmで30分間の遠心分離(Heraeus Sepatech Megafuge)によって培養ブロスを回収し、その後、細胞沈殿物から上清をデカントした。
MIC研究のためのデオキシアクタガルジンBの単離
Diaion HP-20樹脂(50g/L)を添加し、A.リグリエの発酵物から単離した上清と混合し、かつ4℃で一晩放置した。懸濁液を等分してBond Elutカラム(60ml)に添加し、かつ4カラム床容量の水とそれに続く3カラム床容量の25%、50%、75%、および100%メタノールで順次、樹脂を洗浄した。HPLC解析により、50%、75%、および100%メタノール画分中のデオキシアクタガルジンBの存在を確認した。これらの画分を合一し、次いで、出発時プールの約4分の1の体積まで濃縮した。ブロス1Lからの濃縮物を、2カラム容量の100%メタノール、続いて2カラム容量の水で洗浄することによって前準備しておいた2つのC18 Bond Eluteカラム(5g)に添加した。これらのカラムを、2カラム容量の50%、60%、70%、80%、90%メタノール、続いて2カラム容量の100%メタノールで順次溶出させた。HPLC解析により、80%、90%、および100%メタノール画分中のデオキシアクタガルジンBの存在を確認し、これらの画分を集め、かつ出発時の体積の3分の1まで濃縮した。50%メタノールに溶かした等体積の40mMリン酸カリウム(pH2.5)を添加し、次いで、前もって平衡化したSCX Bond Elutカラム(1g)3つに均等に濃縮物を添加した。50%メタノールに溶かした40mMリン酸カリウム(pH2.5)でSCXカラムを最初に洗浄し、次いで、1.5カラム容量の50%メタノールに溶かした250mMリン酸カリウム(pH7.0)を用いて溶出させた。2カラム容量のメタノール、続いて2カラム容量の水で前準備しておいたC18 Bond Eluteカラム(5g)に添加することによって、溶出液を脱塩した。2カラム容量の50%メタノール、次いで60%メタノールでカラムを洗浄した。それぞれ2カラム容量の70%、80%、90%、および100%メタノールを添加した後に、デオキシアクタガルジンBを溶出させた。HPLC解析およびLC-MS解析によって確認された、精製したデオキシアクタガルジンBを含む画分を集め、かつ蒸発乾固させた。
A.リグリエの発酵物からのAla(0)-デオキシアクタガルジンBの単離
Diaion HP-20樹脂(50g/L)を、A.リグリエの発酵物4リットルから得られた上清と混合し、かつ4℃で一晩放置した。懸濁液をガラス焼結漏斗中に集め、かつ4カラム床容量の水とそれに続く4カラム床容量の50%メタノールで順次、樹脂を洗浄した。5カラム床容量の100%メタノールで洗浄することによって、デオキシアクタガルジンBおよびAla(0)-デオキシアクタガルジンBを樹脂から溶離させた。100%メタノール画分を元の体積の3分の1まで濃縮し、次いで、最終濃度が60%メタノールになるまで水を添加することによって希釈した。結果として生じる溶液を4つの10g C18 Bond Elutカラムに添加した後、2カラム容量の50%メタノールで洗浄した。2カラム容量のメタノール/0.5%ギ酸を用いて、デオキシアクタガルジンBに関連した成分をカラムから溶出させた。結果として生じる溶出液を蒸発によって40mlまで濃縮し、かつ下記の表に記載する条件を用いる分離用HPLCによってデオキシアクタガルジンBからAla(0)デオキシアクタガルジンBを分離した。
Figure 0005219837
Ala(0)-デオキシアクタガルジンBを含む画分(HPLC解析およびLC-MS解析によって確認された)を、前述したようにC18 Bond Elutカラムを用いて脱塩した後、蒸発乾固させた。
Ala(0)-デオキシアクタガルジンBは、保持時間5.04分でカラムから溶出された。MS解析により、972.2m/z(M+2H)+2の化学種が確認された。
MIC研究のためのアクタガルジンおよびAla(0)-アクタガルジンの単離
SCX Bond Elut段階の後にAla(0)アクタガルジンおよびアクタガルジンを分離するために調製用HPLCが必要とされる点を除いては、A.リグリエからのデオキシアクタガルジンB精製に関して説明した方法を用いて、アクタガルジンおよびAla(0)-アクタガルジンを精製した。SCX Bond Elutカラムからの溶出液を回転式蒸発によって70mlから18mlまで濃縮し、かつ結果として生じる濃縮物を、表4に記載した条件を用いて、調製用HPLCによって精製した。(HPLC解析およびLC-MS解析によって確認された)アクタガルジンおよびAla(0)アクタガルジンを含む各画分を、前述したようにC18 Bond Elutカラムを用いて脱塩した後、蒸発乾固させた。
(表4)アクタガルジンおよびAla(0)アクタガルジンを分離するための調製用HPLCの条件
Figure 0005219837
アガロースゲル電気泳動
Sambrook et al., 1989に説明されているようにして、DNAの電気泳動を実施した。最終濃度0.1μg/mlの臭化エチジウムを含むTAE緩衝液中でアガロースゲル(0.7%〜1%)を調製して、紫外線光によるDNAの可視化を可能にした。0.1体積の10×アガロースゲル添加溶液を試料と混合した。試料を、100bp、1kb、またはλDNA-HindIII消化物ラダー(NEB)の横に並べてゲル上に添加し、かつ1V/cm〜5V/cmで泳動させた。ゲルをλ=300nmで可視化し、かつUVPビデオカメラを用いて撮影した。
アガロースゲルからのDNA回収
DNAをアガロースゲルから切り出し、Qiaquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて回収し、かつ滅菌済み逆浸透精製水、Tris-HCI(10mM、pH8.5)、またはTE緩衝液のいずれかに溶出させた。
末端充填
制限酵素によるDNA消化によって作り出された、窪んだ3'末端の充填は、大腸菌DNAポリメラーゼクレノウ断片を用いて実施した。典型的な反応において、1μgDNA当たり1ユニットの酵素を250μMの各dNTPと共に加えた。反応物を25℃で15分〜30分間インキュベートし、かつEDTAを最終濃度10mMまで添加することによって反応を停止した。
DNAのリン酸化
Sambrook et al., 1989によって説明されている方法に従って、37℃で30分間、T4ポリヌクレオチドキナーゼでPCR産物を処理した。65℃で20分間インキュベートすることによって酵素を不活性化した。
直線状にされたベクターの脱リン酸化
直線状にされたベクターの自己ライゲーションを回避するために、製造業者のガイドラインに従ってエビアルカリホスファターゼ(SAP)を用いて、5'-リン酸基を除去した。典型的な反応において、DNA制限反応の最後の1時間、1ユニットのSAPを制限混合物に加えた。65℃で20分間インキュベートすることによって酵素を不活性化した。
ライゲーション
Sambrook et al.,(1989)によって説明されているように、総体積15μlのT4 DNAリガーゼ1ユニット(U)を用い、かつ16℃で12時間〜16時間インキュベーションして、DNAライゲーションを実施した。
細菌培養物の維持
生細胞は、各培養物0.5mlを最終濃度10%のグリセロールと共に-80℃で凍結することによって、グリセロール懸濁物として保存した。発酵ブロスまたはグリセロールストックに由来する50μlを培地65またはABB13プレートのいずれかに画線することによって、A.ガルバジネンシスおよびA.リグリエの単一コロニーを得た。
ポリメラーゼ連鎖反応法
Stratagene Robocycler Gradient96を用いてポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を実施した。典型的な反応において、鋳型DNA100ng〜200ngを、各オリゴヌクレオチドプライマー20pmolおよび各250μMのdNTPと混合した。製造業者によって供給される好熱性のDNAポリメラーゼ緩衝液およびDMSOは、最終体積50μlまたは100μlの反応混合物のそれぞれ10%(v/v)を構成した。典型的な反応は、1分間の変性(94℃)、1分、Y℃(アニーリング)、および30秒〜3分間の伸長(72℃)の初回サイクルで開始し、伸長終了時に、5ユニットの好熱性DNAポリメラーゼを添加した。これに続いて、94℃で1分間、Y℃(アニーリング)で1分間、および72℃でX分間を30サイクル、ならびに72℃で2X分間の最終サイクルを実施した。伸長時間Xは、Taqポリメラーゼを使用する場合は産物1kb当たり1分であり、Pfuポリメラーゼを使用する場合は産物1kb当たり2分であった。アニーリング温度Yは、pAGvar1およびpAGvar2を作製する際、それぞれ55℃および49℃であった。SBdel-1およびSBdel-2を作製するために使用する条件は、リダイレクトプロトコール(Gust et al., 2004)に説明されているとおりであった。
プライマー
Figure 0005219837
プラスミドDNAの調製
プラスミドDNAは、適切な抗生物質を含む3mlの無菌2TYまたはLBに、2TY(またはLA)寒天プレートから採取した単一コロニーを接種することによって、小規模(20μg未満の調製)で調製した。培養物を37℃および250rpmで一晩(12時間〜16時間)インキュベートした。これらの細胞を12,000×gで1分間の遠心分離によって回収し、かつ製造業者のガイドラインに従ってWizard(Promega)Miniprepキットを用いて、プラスミドDNAを得た。プラスミドDNA最大100μgのより多量の調製物の場合、2TY培養物30mlを増殖させ、かつ製造業者の取扱い説明書に従ってQiagen Midi-prepキットを用いてプラスミドDNAを抽出した。制限解析および/または配列解析の組合せによって、すべてのプラスミド調製物を検査した。
コスミドDNAの調製
コスミドDNAは、適切な抗生物質を含む50mlの無菌2TYまたはLBに、2TY(またはLA)寒天プレートから採取した単一コロニーを接種することによって調製した。培養物を37℃および250rpmで一晩(12時間〜16時間)インキュベートした。これらの細胞を4,000rpm(Heraeus sepatech Megafuge 2.0R)で20分間の遠心分離によって回収し、かつ製造業者のガイドラインに従ってQiagen Midi-prepキットを用いて、コスミドDNAを単離した。
エレクトロコンピテントな大腸菌細胞の調製および形質転換
Dower et al.,(1988)の方法によって、エレクトロコンピテントな大腸菌DH10Bを調製した。コンピテント細胞のアリコート(60μl)を氷上で解凍し、かつ1.8μlのライゲーション混合物またはプラスミドDNAを添加した。混合物をエレクトロポレーションキュベット(Sigma 0.1cm)中に入れ、かつエレクトロポレーター(Stratageneエレクトロポレーター-1000に移した。1.8kV/mm(25μF、200Ω)の電位差を加え、続いて、0.5mlの2TY培地またはLB培地を加えた。次いで、これらの細胞を37℃で45分〜60分間インキュベートして、抗生物質耐性遺伝子を発現させた後、適切な選択培地に播種した。
ゲノムDNAの調製
Kieser et al.(2000)によって説明されている手順を用いて、ゲノムDNA鋳型を調製した。
アクチノプラネス種の接合手順
大腸菌株ET12567/pUB307(Flett et al., 1997)の代わりに大腸菌株ET12567/pUB8002(Kieser et al., 2000)を使用した以外は、Heinzelmann et al.(2003)によって説明されている手順に従って、大腸菌とアクチノプラネス種の属間接合を実施した。接合完了体を、50μg/mlのナリジクス酸および妥当な選択用抗生物質を含む培地65またはABB13の約1 cm2の領域に移動し、かつ寄せ集めた。これらのプレートを30℃で4日〜7日間インキュベートした後、ブロス培養物に対する接種物として使用した。
ストレプトマイセス種の接合手順
Kieser et al., 2000によって説明されている手順に従って、大腸菌とストレプトマイセス種の属間接合を実施した。接合完了体を、50μg/mlのナリジクス酸および妥当な選択用抗生物質を含むSFMの約1cm2の領域に移動し、かつ寄せ集めた。これらのプレートを30℃で4日〜7日間インキュベートした後、ブロス培養物に対する接種物として使用した。
(表5)細菌株
Figure 0005219837
抗生物質
抗生物質ストック溶液を(別段の記載が無い限り)水中で調製し、かつ0.22μm Milliporeフィルターを通過させることによってろ過滅菌した。エタノール中に溶解した溶液は、滅菌しなかった(Sambrook et al., 1989)。抗生物質はすべて-20℃で保存した。アプラマイシンを使用した培地では、(2.5Mのストック溶液から)最終濃度10mMになるまでMgCl2を添加した。
Figure 0005219837
カセット
Figure 0005219837
ベクター
Figure 0005219837
Figure 0005219837
高速液体クロマトグラフィー
Hewlett Packard 1050シリーズのHPLCシステムを後述するパラメーターと共に用いて、HPLC解析を実施した。
Figure 0005219837
高速液体クロマトグラフィー-質量分析法(HPLC-MS)
Micromass Platform LC(MassLynx 3.5バージョンソフトウェアを用いて操作)に連結したHewlett Packard 1050シリーズのHPLCシステムを、以下のパラメーターと共に用いて、HPLC-MS解析を実施した。
カラム:Agilent Zorbax SB-C18 150 x 4.6mm 5μ
流速:1ml/分
移動相:A 10%アセトニトリル、0.1%ギ酸、90%水
B 90%アセトニトリル、0.1%ギ酸、90%水
10分間に渡るAからBへの直線勾配、1分間維持、B-A
波長:200nm〜400nm
注入体積:10μl
ポストカラムスプリット比:1:10
質量分析計:Micromass Platform LC
モード:エレクトロスプレー陽性
窒素流量:380 l/時間
キャピラリー電圧:40V
スキマーレンズ(Skimmer lens)オフセット:5V
寄託物
NCIMB41362は、ブダペスト条約のもと、Novacta Biosystems Limitedによって、2005年12月7日にNCIMB Ltd、Aberdeen、AB21 9YA、スコットランド(英国)に寄託した。
参考文献
Figure 0005219837
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配列リスト
Figure 0005219837
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A.ガルバジネンシスから単離された、アクタガルジンのコード性および調節性の遺伝子クラスターのマップを提供する。 本明細書においてアクタガルジンBと呼ばれるアクタガルジンの新規な変異体をコードする、A.リグリエから単離された、コード性および調節性の遺伝子クラスターのマップを提供する。 A.ガルバジネンシスまたはA.リグリエから単離された核酸配列を用いてアクタガルジン変異体を作製するための、本明細書において開示される方法を示す概略図を提供する。 成熟アクタガルジンの一次構造の図であり、X1-X2はVal-Ileを表し、Yは-S(O)-であり、ZはNH2である。「デオキシアクタガルジンB」は、AbuS14とAlaS19の間に非酸化メチルランチオニン架橋を有するVal15Leu lle16Val変異体である。

Claims (15)

  1. 下記式の化合物:
    Figure 0005219837
    式中、
    -X1-X2-は-Leu-Val-を表し、
    Yは-S-であり、
    Zは、アミノ酸または-NH2のいずれかであり、ここで-NH2は、1位のAlaのN末端を表し、
    Rは-OHまたは-NR1R2を表し、
    式中、R1およびR2は、独立に、
    (i)水素、
    (ii)式中のnが2〜8の整数を表し、かつR3およびR4が、独立に、水素もしくはC1〜4アルキルを表すか、またはR3およびR4が、共に-(CH2)3-基、-(CH2)4-基、(CH2)2-O-(CH2)2-基、-(CH2)2-S-(CH2)2基、もしくは-(CH2)5-基を表す、式-(CH2)n-NR3R4の基
    を表すか、あるいは
    R1およびR2は、隣接する窒素原子と共にピペラジン部分を表し、ピペラジン部分の4位は、
    (a)C1〜4アルキル、
    (b)C5〜7シクロアルキル、
    (c)ピリジル、
    (d)式中のpが1〜8の整数を表し、かつR5およびR6が、独立に、水素またはC1〜4アルキルを表す、-(CH2)p-NR5R6
    (e)ピペリジニル、
    (f)C1〜4アルキルであるN置換基を有する、置換されたピペリジニル
    (g)ベンジル、ならびに
    (h)クロロ、ブロモ、ニトロ、C1〜4アルキル、およびC1〜4アルコキシより選択される1つまたは2つの置換基をフェニル部分が有する、置換されたベンジル
    より選択される置換基で置換されてもよい;
    またはその薬学的に許容される塩。
  2. Zがアミノ酸である、請求項1記載の化合物。
  3. アミノ酸がAlaである、請求項2記載の化合物。
  4. Zが-NH2である、請求項1記載の化合物。
  5. RがOHである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
  6. R1およびR2が、独立に、
    (i)水素、
    (ii)式中のnが2〜8の整数を表し、かつR3およびR4が、独立に、水素もしくはC1〜4アルキルを表す、式-(CH2)n-NR3R4の基
    を表す、
    請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
  7. デオキシアクタガルジンB N-[3-ジメチルアミノプロピル]モノカルボキシアミド(monocarboxamide);
    デオキシアクタガルジンB N-[1-(1-メチル-4-ピペリジニル)ピペラジン]モノカルボキシアミド;
    デオキシアクタガルジンB[1-(3-ジメチルアミノプロピル)ピペラジン]モノカルボキシアミド;
    デオキシアクタガルジンB;
    D-Ala(0)デオキシアクタガルジンB;
    L-Ile(0)デオキシアクタガルジンB;
    L-Val(0)デオキシアクタガルジンB;
    L-Phe(0)デオキシアクタガルジンB;
    L-Lys(0)デオキシアクタガルジンB;および
    L-Trp(0)デオキシアクタガルジンB
    からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  8. 薬学的に許容される担体と共に、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物を含む、薬学的組成物。
  9. 経口投与のための、請求項8記載の薬学的組成物。
  10. 治療における使用のための、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物または請求項8もしくは9記載の薬学的組成物。
  11. 細菌感染の治療における使用のための、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物または請求項8もしくは9記載の薬学的組成物。
  12. 細菌感染の治療における使用のための薬剤の調製における、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物の使用。
  13. SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:11の配列をコードする核酸を発現させる段階を含む、下記式の化合物を調製する方法:
    Figure 0005219837
    式中、
    -X1-X2-は-Leu-Val-を表し、
    Yは-S-であり、
    Zは、Ala、アミノ酸、または-NH2であり、ここで-NH2は、1位のAlaのN末端を表す。
  14. 核酸がA.リグリエ(A. liguriae)において発現される、請求項13記載の方法。
  15. A.リグリエが、ブダペスト条約のもと、託番号:NCIMB41362で寄託されている、請求項14記載の方法。
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