JP5219168B2 - アルツハイマー病の予防および/または治療用βシート破壊ペプチド - Google Patents

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Description

本発明は、ポリペプチドおよびそれらの使用に関する。特に、本発明は、アルツハイマー病の予防および/または治療に使用できるタイプのβシート破壊ペプチドおよびアルツハイマー病の予防および/または治療におけるそれらの使用に関する。
老年性認知症とも呼ばれるアルツハイマー病(AD)は、神経変性疾患の一種である。それは、潜在的発症と進行性病理を示し、総合的な認識機能障害および人格変化といった典型的な臨床的特徴を伴う。AD患者は、過去および最近の記憶の機能障害に続いて、進行性知能低下、失語、推論能力の喪失、および運動障害を起こす。この疾患は、患者およびその家族の生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)に深刻な影響を及ぼし、また、患者の家族および社会に大きな負担を課す。
高齢化が加速するにつれ、老人性疾患は、人間の健康に影響を及ぼす重大な問題となってきた。AD、癌、および心臓・脳血管の発作は、高齢者の死亡率の3つの主要原因である。ADは、21世紀の人間の健康における第4の危険因子(リスクファクター)になるであろうと考えられている。世界保健機構(WHO)によると、ADは、21世紀の5つの主要疾患の1つである。中国は、1999年に高齢化社会に入った。2004年末までに60歳以上の高齢者は1億4300万人となり、それは総人口の10.97%を占める。この数字は、2014年までに2億人に、2026年までに3億人に、2037年までに4億人以上になると予測されている。高齢者の人口は、2051年に最大となり、3億人〜4億人の規模で推移するとみられる。高齢者人口の増加は、アルツハイマー病の発生率の増加につながる。現在、ヨーロッパ、日本、および米国において、80歳以上の人の20%以上がこの疾患を患っていると報告されている。世界中で、5000万人以上の65歳以上の人々が、様々な種類の認知症を患っている。
ADの主な病変には、βアミロイドペプチド(AβまたはβAと略される)の析出によって細胞間に広範囲に形成される老人斑(SP)、神経細胞における過リン酸化タウタンパク質による神経原線維変化(NT)、および広範囲ニューロン消失といった特徴がある。Aβの神経毒性が様々な病因に共通する原因であると、多くの証拠が示している。そのため、Aβを標的とした予防および/または治療の取り組みが、近年のAD研究の焦点となってきた。
Aβは、βアミロイド前駆体タンパク質(APP)の代謝産物である。通常の条件下では、APPは、αセクレターゼの酵素触媒反応の下、可溶性sAPPαを生成する。sAPPαは、細胞内のカルシウム濃度を下げ、シナプス可塑性を調整し、シナプス成長を促進し、ニューロンを保護する機能を持つ。これは、Aβを生成しないAPP処理の主要経路である。他の経路において、APPは、βセクレターゼの酵素触媒反応の下、sAPPβおよびC99を生成する。その後、C99は、γセクレターゼの酵素触媒反応の下、Aβペプチドを遊離させる。γセクレターゼによるC99の加水分解は、アラニン713およびトレオニン714間の酵素的切断がAβ1−42を生成し、バリン711およびイソロイシン712間の酵素的切断がAβ1−40を生成するという不均一プロセスである(非特許文献1)。Aβ1−42は、全Aβタンパク質の約10%を占め、Aβ1−40は、全Aβタンパク質の90%を占める。しかしならが、Aβ1−42は凝集しやすく、凝集したAβ1−42は、老人斑の基本成分を構成する。
Aβ1−42ペプチドの一次構造を以下に示す(配列番号:4):
Asp-Ala-Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-
1 5 10 15
Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp-Val-Gly-Ser-Asn-Lys-Gly-Ala-
16 20 25 30
Ile-Ile-Gly-Leu-Met-Val-Gly-Gly-Val-Val-Ile-Ala
31 35 40 42
Aβ1−42のC末端上の10個のアミノ酸残基(残基33〜42)および残基17〜21は疎水性が高く、Aβ1−42の疎水性領域を構成し;アミノ酸残基9〜21もβシート高次構造を形成するかもしれないが、アミノ酸残基28〜42はβシート高次構造を形成する可能性がより高い。βシート高次構造は、Aβ1−42ペプチドの凝集を促す。実験の結果は、C末端の3つの残基Val40、Ile41、Ala42が、βシート高次構造を安定させ、βシートの形成を促す事を示す。Aβ1−42ペプチドのN末端は親水性を有し、異なる溶液の条件に応じて、αらせん、ランダムらせん、またはβシートの高次構造を形成できる。βシート高次構造は、Aβペプチドの凝集を促し、Aβペプチドの凝集はその疎水性領域間の相互作用に起因する事が示されてきた。Sotoら(非特許文献2)が、Aβペプチドの疎水性領域に隣接するアミノ酸残基をプロリンで置き換えたところ、得られた小ペプチドはβシート高次構造を形成せずにAβペプチドに結合し、Aβペプチドをそのランダムらせん状の高次構造に保ち、その凝集を抑制した。また、Aβペプチドの疎水性領域の1つであるペンタペプチドAβ16−20(Lys-Leu-Val-Phe-Phe)は、Aβペプチドに結合でき、それによって凝集を防ぐことも示されてきた。アラニンによって1つずつ置換する事によって、Lys16、Leu17、およびPhe20が、この工程において重要な役割を果たす事が分かった。これは、Aβ16−20残基が、Aβペプチドの凝集において、隣接する2つのAβペプチドが互いに結合するための区分を構成する事を示している。Aβの高次構造がその凝集特性に大きく影響を及ぼす事が示されてきた。すなわち、主要な二次構造がαらせんの場合、凝集は遅くなるが、主要な二次構造がβシートの場合、凝集はより速くなる。
一定の条件の下では、高βシート疎水性領域の露顕はAβの凝集およびオリゴマーの形成を導き、最終的にはニューロンの細胞間隙に析出される不溶性物質の形成を導く。これによって、神経毒性および脳のグリア細胞の活性の増大が起こり、アミロイド斑を一緒に形成する可能性のある炎症性メディエータおよび補体を産生する恐れがある。
モノマーの疎水性電荷の増大はAβ凝集の主要原因の1つである。Aβ1−40と比べて、Aβ1−42は残基を2つ多く有するため、Aβの疎水性が高まって凝集しやすくなるだけでなく、凝集の安定性も向上して速い段階でそれらをアミロイド斑に選択的に析出する。Aβ1−42は、可溶性Aβからオリゴマー、ファイバー、および斑(プラーク)を形成する工程の初期因子である事がある(非特許文献3)。
Jarrettらは、Aβ1−42が「種子」として機能してAβの析出を開始すると推測した。他のモノマーは、それから徐々に核のまわりに集まって、ペプチド鎖を伸展して原線維を形成し(伸長)、原線維はさらに広がって最終的に斑を形成した(非特許文献4)。
Aβの凝集と析出および老人斑の形成、ならびにそれに伴うニューロンのダメージは、ADの病理学的機構の中核を構成すると考えられている。そのため、Aβペプチドの凝集を抑制し、Aβペプチドの分解と排除を促進する事は、ADの予防および/または治療の根本的な手段といえるかもしれない。
Aβの形成の低減、Aβの排除の促進、Aβの凝集の防止または反転、およびAβの毒性の抑制等の側面が、Aβ用の薬剤の開発における最近の研究の焦点となっている。ワシントン大学医学部の研究者達は、ADマウスが、脳内のアミロイド斑を排除した後にそれらの脳細胞機能を驚くほど回復させることができた事を発見したが、それは、Aβを標的としている薬剤の有望な将来性を示す。Aβに対する様々な薬剤の中で、βシートブロッカーに研究者の注目が集まっている。
βシートブロッカーは大きく分けて2種類ある。
(1) 低分子量のアミノ糖タンパク質(グリコサミノグリカン:GAGs)がβアミロイド斑を安定させ斑の分解を抑制できるという認識に基づいて、カナダのNeurochem社はGAG誘導体を設計および合成した。生体内(in vivo)実験で、そのような低分子量GAG類似体が、血漿及び脳内のβアミロイドレベルを著しく下げ、Aβ凝集を抑制する事を示した為、それはADの治療に使用する事ができる。そのような低分子量GAG類似体の1つはAlzhemedとして設計され、臨床試験の第3段階まできている。
(2) Chaconらは、線維性Aβを腹腔内注射する事によってラットに行動障害を誘発させ、その後、5つのアミノ酸残基から成るβシート破壊ペプチド(5アミノ酸βシート破壊ペプチド:iAbeta5p)のニューロンに対する保護効果を評価した。その結果、iAbeta5pはAβ原線維の形成を抑制できるだけでなく、Aβ原線維を分解できる事が分った(非特許文献5)。iAbeta5pの薬剤は臨床試験の第3段階まできている。
技術的には、βアミロイド(Aβ1−42)のモノマーに特異的に結合し、その標準空間的構造を安定させ、βシートの形成を抑制し、可溶性βアミロイドオリゴマーおよびβアミロイド斑の形成を防止する事ができる新たな作用性薬剤の必要性が残っている。前述の薬剤は、Aβペプチドの凝集を抑制し、Aβペプチドの分解および排除を促進できなければならず、それゆえADの予防および/または治療に使用可能である。
Selkoe DJ. Alzheimer's disease: genes, proteins, and therapy. Physiol Pev, 2001, 81 (2): 741-766 Soto C, Kindy MS, Baumann M, et al., Inhibition of Alzheimer's amyloidosis by peptides that prevent beta-sheet conformation. Biochem. Biophys. Res. Commun.1996, 226(3): 672-680 Younkin, S.G. 1995. Evidence that A beta 42 is the real culprit in Alzheimer’s disease. Ann. Neurol. 37: 287-288.; Matsuok Y, Saito M, Lafrancois T, et a1.Noval therapeutic approach for the treatment of Alzheimer’s disease by peripheral administration of agents with an affinity to β-amyloid[J].J Neurosci, 2003, 23(1): 1-5 Jarrett JT, Lansbury PT Jr. Seeding "one-dimensional crystallization" of amyloid: a pathogenic mechanism in Alzheimer’s disease and scrapie? Cell. 1993, (6): 1055-1058 Chacon MA, Barria MI, Soto C, et al., Beta-sheet breaker peptide prevents beta-induced spatial memory impairments with partial reduction of amyloid deposits. Mol. Psychiatry. 2004, 9(10): 953-61
本発明の目的の1つは、βアミロイド(Aβ1−42)のモノマーに特異的に結合し、その標準空間的構造を安定させ、βシートの形成を抑制し、可溶性βアミロイドオリゴマーおよびβアミロイド斑の形成を防止する事ができるポリペプチド提供する事である。また、前記ポリペプチドはAβ原線維を分解できてもよい。前記ポリペプチドは、βシート破壊ペプチドとも言われる。
驚くべきことに、本発明の発明者らは、下記のアミノ酸配列からなるポリペプチドが、前述の目的を達成する事を見出した。
His-Lys-Gln-Leu-Pro-Phe-Phe-Glu-Glu-Asp(配列番号:2)
従って、本発明の第1の態様は、前述のアミノ酸配列からなるポリペプチドを提供する事である。
前記ポリペプチドは、βアミロイド(Aβ1−42)のモノマーに特異的に結合し、その標準空間的構造を安定させ、そのβシートの形成を抑制し、可溶性βアミロイドオリゴマーおよびβアミロイド斑の形成を防止し、Aβ原線維を分解できるため、ADの予防および/または治療に使用可能である。
それゆえ、本発明の第2の態様は、ADの予防および/または治療用の薬剤の製造における、本発明のポリペプチドの使用を提供する事である。
本発明の第3の態様は、本発明のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する事である。
図1は、ポリペプチドを調製するための方法の一例の工程および調製した生産物の試験結果を表す。図1Aは、ポリペプチドH101を合成および精製するための方法の一例の基本工程を表す。図1Bは、H101のクロマトグラフィー結果を表す。図1Cは、H101の質量スペクトル結果を表す。 図2は、Aβ1−42ペプチドの凝集および原線維の形成のチオフラビンT蛍光分析の結果を表し、Aβ凝集による蛍光強度における本発明のポリペプチドの効果を実証する。所定の濃度のAβ1−42ペプチドとペプチドH101もしくはH103本発明のH102、またはビタミンE(VE)もしくはL5を、37℃で24時間インキュベートし、ThT蛍光強度を測定した。n=5、Aβ1−42のグループと比較し、はP<0.05を示す。 図3は、H102およびビタミンEによるAβ1−42の原線維形成の抑制の容量依存曲線を表す。それぞれ10μmol/L、20μmol/L、44.30μmol/L、および100μmol/Lの濃度のH102またはビタミンEを11.07μmol/LのAβ1−42ペプチドと37℃で24時間インキュベートし、ThT蛍光強度を測定した。n=5。 図4は、H102およびビタミンEによるAβ1−42の原線維形成の抑制の時間依存曲線を表す。44.30μmol/Lの濃度のH102またはビタミンEを11.07μmol/LのAβ1−42ペプチドと37℃でインキュベートし、12時間後、1日後、3日後、5日後、および7日後の時点でのThT蛍光強度を測定した。n=5。 図5は、44.30μmol/Lの異なるペプチドを11.07μmol/LのAβ1−42ペプチドと37℃で5日間インキュベートした後のAβ1−42の原線維形成の電子顕微鏡法の結果を表す。図5Aは、Aβ1−42単独の5日間のインキュベーションによって得られた前記電子顕微鏡法の結果を表す。拡大率=35000倍。図5Bは、Aβ1−42単独の5日間のインキュベーションによって得られた前記電子顕微鏡法の結果を表す。拡大率=50000倍。図5Cは、Aβ1−42とL5ペプチドの5日間のインキュベーションによって得られた前記電子顕微鏡法の結果を表す。拡大率=35000倍。図5Dは、Aβ1−42とH101ペプチドの5日間のインキュベーションによって得られた前記電子顕微鏡法の結果を表す。拡大率=35000倍。図5Eは、Aβ1−42とH102ペプチドの5日間のインキュベーションによって得られた前記電子顕微鏡法の結果を表す。拡大率=35000倍。図5Fは、Aβ1−42とH103ペプチドの5日間のインキュベーションによって得られた前記電子顕微鏡法の結果を表す。拡大率=35000倍。 図6は、5μmol/LのAβ1−42ペプチドと72時間インキュベートしたヒト神経芽細胞腫細胞SH−SY5Yの生存率に対する異なる濃度(10μmol/L、20μmol/L、および 40μmol/L)の各種ペプチドの効果を表す。n=12、Aβ1−42のグループと比較し、はP<0.05を示す。 図7は、抗APP N末端抗体および抗Aβ抗体を使用して、各種グループのマウスの海馬CA1領域におけるニューロンの切片を免疫組織化学染色した結果を表す。拡大率=400倍。図7Aは、抗APP N末端抗体を使用した、コントロールグループのマウスの免疫組織化学染色の結果を表す。図7Bは、抗Aβ抗体を使用した、コントロールグループのマウスの免疫組織化学染色の結果を表す。図7Cは、抗APP N末端抗体を使用した、モデルグループのマウスの免疫組織化学染色の結果を表す。図7Dは、抗Aβ抗体を使用した、モデルグループのマウスの免疫組織化学染色の結果を表す。図7Eは、抗APP N末端抗体を使用した、注射したグループのマウスの免疫組織化学染色の結果を表す。図7Fは、抗Aβ抗体を使用した、注射したグループのマウスの免疫組織化学染色の結果を表す。 図8は、各種グループのマウスの側頭皮質および海馬をコンゴーレッド染色した結果を表す。拡大率=400倍。図8Aは、コントロールグループのマウスの側頭皮質のコンゴーレッド染色の結果を表す。図8Bは、コントロールグループのマウスの海馬のコンゴーレッド染色の結果を表す。図8Cは、モデルグループのマウスの側頭皮質のコンゴーレッド染色の結果を表す。図8Dは、モデルグループのマウスの海馬のコンゴーレッド染色の結果を表す。図8Eは、注射したグループのマウスの側頭皮質のコンゴーレッド染色の結果を表す。図8Fは、注射したグループのマウスの海馬のコンゴーレッド染色の結果を表す。
発明の詳細な説明
ここで、一連のポリペプチドのアミノ酸配列を開示する。アミノ酸残基が一文字または三文字で表わされる配列は、ポリペプチドのアミノ酸配列を、そのN末端(アミノ末端)からC末端(カルボキシ末端)まで示すという事が、当業者によって認識されている。例えば、ポリペプチドが“His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp”または“HQKLVFFAED”と示されている場合、このポリペプチドの配列は“N末端-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp-C末端”、すなわち、“N末端-HQKLVFFAED-C末端”である事を意味する。
本発明の第1の態様は、アミノ酸配列
His-Lys-Gln-Leu-Pro-Phe-Phe-Glu-Glu-Asp(配列番号:2)からなるポリペプチドを提供する事である。
本発明のポリペプチドは、前述のアミノ酸配列からなる。
参考例として、H101として設計される下記の配列を有するポリペプチドを例示する。
H101: His-Lys-Gln-Leu-Val-Phe-Phe-Glu-Glu-Asp(HKQLVFFEED)(配列番号:1)。
本発明の実施形態において、本発明においてH102として設計される下記の配列を有するポリペプチドを提供する。
H102: His-Lys-Gln-Leu-Pro-Phe-Phe-Glu-Glu-Asp(HKQLPFFEED)(配列番号:2)。
別の参考例として、H103として設計される下記の配列を有するポリペプチドを例示する。
H103: His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp(HQKLVFFAED)(配列番号:3)。
一連のポリペプチドのアミノ酸配列を開示する。様々な修飾が本発明のポリペプチドになされ得るのは明らかである。前記修飾としては、制限されないが、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリンまたはトレオニン残基上のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、およびヒスチジンの側鎖上のo-アミノ基のメチル化、N末端アミノのアセチル化が挙げられ、場合によっては、C末端カルボキシルのアミド化も挙げられる。当然の事ながら、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列に基づいてこれらの修飾を行う事は当業者にとって明らかであり、前記開示したアミノ酸配列からなるこれら修飾ポリペプチドは、本発明の範囲に包含される。
本発明のこれらのポリペプチドは、βシート破壊ペプチドとして機能する事ができる。本発明のポリペプチドは、βアミロイド(Aβ1−42)のモノマーに特異的に結合し、その標準空間的構造を安定させ、βシートの形成を抑制し、可溶性βアミロイドオリゴマーおよびβアミロイド斑の形成を防止し、Aβ原線維を分解できるため、ADの予防および/または治療用の薬剤として使用可能である。
それゆえ、本発明の他の態様は、ADの予防および/または治療用の薬剤の製造における、本発明のポリペプチドの使用を提供する事である。
ここで使用される、「予防する」、「予防すること」、または「予防」という語は、被検者が疾患を患うリスクを軽減する事、または、疾患や関連症状の発症の時期を遅らせる事をいう。ここで使用される、「治療する」、「治療すること」、または「治療」という語は、必ずしも全治する事だけでなく、基礎疾患の症状を改善する事および/または前記症状を誘発し得る1種類以上の基礎細胞性、生理学的、または生化学的な原因またはメカニズムを低減する事をいう。当然の事ながら、ここでいう「改善する」は、病気の状態に関し、疾患の生理学的状態だけでなく分子パターンにも言及される。
また、本発明のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
ここで使用される「薬学的に許容される担体」という語は、生物学的に、または、他の側面において、いかなる好ましくない影響も起こさない物質をいう。すなわち、前記物質は、本発明のポリペプチドと共に被検者に投与でき、いかなる生理学的に好ましくない影響も起こさず、前記医薬組成物の他の成分と好ましくない相互作用も起こさない。有効成分の分解や被検者の副作用を最小限にするように前記担体を選択しなければならない事は、当業者にとって明白でありよく知られている。
通常、本発明の医薬組成物は、本発明のポリペプチドおよび1種類以上の薬学的に許容される担体を含む。好適な担体としては、制限されないが、抗酸化剤、保存剤、着色剤、香味料および希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、充填剤、膨張性薬剤、緩衝剤、媒体、増量剤、賦形剤、および/または補助薬が挙げられる。例えば、好適な担体としては、生理食塩水、クエン酸塩緩衝剤、または人工脳脊髄液(CSF)、および従来の非経口組成物に添加される場合があるその他の物質でもよい。担体は、例えば、中性緩衝生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水である。当業者であれば、本発明の前記組成物および投薬形態において使用できる、様々な緩衝剤を容易に決定する事ができる。代表的な緩衝剤としては、制限されないが、薬学的に許容される弱酸、弱塩基、またはそれらの組み合わせが挙げられる。前記緩衝成分は、好ましくは、リン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、およびグルタミン酸などの水溶性物質、およびそれらの塩である。
前記担体における一次溶媒は、自然界において水性であっても非水性であってもよい。また、前記担体は、pH、透過性、粘性、透明性、色調および滅菌性、安定性、溶解率、または製剤の匂いを向上または保持するために使用する事ができる、その他の薬学的に許容される賦形剤であってもよい。本発明の医薬組成物は、更に、本発明のポリペプチドの放出率を向上または保持するために使用する事ができる他の薬学的に許容される担体を有する事ができる。そのような担体は、徐放性製剤を調製する事に熟練した者にとって既知である。
本発明の医薬組成物が製剤される時、それらは、溶液、懸濁液、ゲル、エマルション、固体、または脱水または凍結乾燥粉末の形で滅菌管に保存する事ができる。これらの製剤は、すぐに使用できる形、使用前にもどされる凍結乾燥粉末の形、または使用前に薄められる溶液の形で保存されてもよい。本発明の医薬組成物は、使用前は2〜8℃で保存し、単回投与分を滅菌管の形で提供する事が好ましい。本発明の医薬組成物は、投与に先立って、前述のクエン酸塩緩衝剤のような好適な滅菌緩衝剤によって希釈できる。
被検者に本発明のポリペプチドを有効量投与する事を含む、被検者のADの予防および/または治療方法も提供する。
ここで使用される「有効量」という語は、使用される化合物の、疾患または関連症状の発症を防止、または疾患または状態の1つ以上の病因または症状を改善するのに有効な量をいう。前記改善とは、軽減または好転する場合も含み、必ずしも排除する事ではない。本発明のポリペプチドの予防および/または治療有効量は、個体や使用するポリペプチドに応じて変化させなければならない。使用するポリペプチドの予防および/または治療有効量は、固体の年齢、体形、体重、および状態等の多くの因子に応じても変化させなければならない。特定の被検者に対する本発明のポリペプチドの予防および/または治療有効量の決定は、当業者の知識の範囲内である。
本発明のポリペプチドまたは予防/治療方法がAD被検者に適用されると、被検者の脳組織におけるAβ蓄積の抑制、アミロイド斑の数および面積の低減、およびAD症状の好転といった有意な効果が見られる。例えば、それらは、活動性および注意力を向上させて反応時間を短縮し、発音、表情、姿勢、匂い、セクシュアリティ、性機能、および情動状態を向上させ、幸福な感情を引き起こすのに使用できる。本発明の他の実施形態において、本発明のポリペプチドは、AD患者に認識促進剤として適切に投与する事ができるため、特に認知症によってダメージをうけた学習能力が向上、または、認知機能低下および/または認知症が抑制される。
本発明のポリペプチドの調製
本発明のポリペプチドは、当業者に知られているポリペプチドの調製方法によって調製する事ができる。
本発明のポリペプチドは、化学合成によって合成する事ができる。ポリペプチドの合成は溶液の中で行う事ができる。あるいは、固相合成を用いる事もできる。ポリペプチドの固相合成方法としては、Fmoc固相合成およびtBoc固相合成が挙げられる。通常、ポリペプチドの合成方法は、ポリペプチドのC末端(カルボキシル末端)からN末端(アミノ末端)まで行われる。
一実施形態において、本発明のポリペプチドは、Fmoc固相合成によって合成され、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製される。図1は、ポリペプチドH101を調製および精製する本参考例の基本工程の一例ならびに調製したポリペプチドの試験結果を表す。本参考例において、ポリペプチドは、生産物精製の困難が大きく低減されるように、固相ポリペプチド合成機を用いて合成カラム上で合成される。副反応を最小限にするために、合成カラムおよび添加したアミノ酸の側鎖は保護される。C末端は遊離しており、反応前に活性化しなければならない。本発明のポリペプチドは、Fmoc固相合成によって合成され、調製用の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムによって精製された後、質量分析(MS)によって同定する事ができる。当然の事ながら、本発明のポリペプチドは、前述の実施形態と同様に調製、精製、および同定する事ができる。
本発明のポリペプチドは、 組換え遺伝子操作によっても作成する事ができる。すなわち、本発明のポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドを、当技術分野で既知の方法を用いて、合成し、好適な宿主細胞に変換する事ができる。そして、変換したポリヌクレオチドを発現し、発現した生産物を精製または処理して本発明のポリペプチドを得る事ができる。
当業者が本発明をよりよく理解できるように、下記の実施例によって本発明を更に説明する。これらの実施例は例示であって、本発明を制限するものではない。関連する数値(例えば数や温度)の精度を保つための努力がなされてきた。しかし、当然の事ながら、誤差や偏差は起こり得る。他に指定のない限り、部数は重量部であり、温度は外気温または摂氏で表わされる温度であり、圧力は気圧と同等または近い圧力である。
実施例1:ポリペプチドの調製
参考例として、下記ポリペプチドH101を、まずFmocまたはtBu固相合成によって合成した。H101の配列は以下の通りである。
His-Lys-Gln-Leu-Val-Phe-Phe-Glu-Glu-Asp(配列番号:1)
本実施例で使用される合成方法において、Fmoc−Asp(OtBu)−Wang Resin(0.37mmol/g)、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−His(trt)−OH、Fmoc−Gln(trt)−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、およびFmoc−Phe−OHを出発物質として使用した。
本実施例で用いられる合成方法および精製方法の基本工程を図1Aに示す。
図1Aに示される形態で使用されるTFA剤の製剤は[TFA:HO:エチレンメルカプタン:フェノールが92.5:2.5:2.5:2.5(v/v)で混合]である。
調製したペプチドの粗生成物をHPLCによって精製し、純度が95%より高い最終産物を産生した。HPLCの結果を図1Bに示す。
上述のように調製および精製したポリペプチドH101を、質量分析(MS)によって同定し、配列決定した。質量分析の結果を図1Cに示す。同定および配列決定の結果は、前述の方法で調製したポリペプチドが予測された配列および分子量を有する事を示した。
そして、実施例として、下記ポリペプチドH102を、前述の方法と同様にして調製した。さらに、参考例として、下記ポリペプチドH103を、前述の方法と同様にして調製した。
H102: His-Lys-Gln-Leu-Pro-Phe-Phe-Glu-Glu-Asp(配列番号:2)
H103: His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp(配列番号:3)
これらのポリペプチドの配列決定および同定の結果は、本実施例に記載の合成方法および精製方法が、本発明のポリペプチドに好適である事を証明している。前述の方法で調製したポリペプチドは、予測された配列および分子量を有する。また、前述の精製方法によって得られたポリペプチド産物の純度は95%より高い事もある。
実施例2:βアミロイドタンパク質に対する本発明のポリペプチドの効果
材料および方法
1:試薬
Aβ1−42(純度>98%)、ビタミンE、チオフラビンT(ThT)、チアゾリルブルー(MTT)、およびジメチル・スルホキシド(DMSO)は、すべて、Sigma−Aldrich社製である。MEM培地、ウシ胎仔血清(FBS)、およびトリプシンは、すべて、Gibco−BRL社製である。ポリペプチドH101、H103、および本発明のH102は、それぞれ実施例1に記載のように調製した。また、ペンタペプチドLeu-Pro-Phe-Phe-Aspは、実施例1と同様にして調製した。このペンタペプチドは、Soto−Jaraらによって発明され、ここでL5として設計されるβシート破壊ペプチドiAbeta5と同じ配列を有する。ペンタペプチドL5を、本実施例および以下の実施例において、コントロールとして使用した。これらのポリペプチドは、全て、GL Biochem社(上海)によって合成し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製し、純度>95%で質量分析(MS)によって同定した。
2.チオフラビンT(ThT)蛍光分析および電子顕微鏡法
ThT蛍光強度がAβ凝集の程度を反映する事ができるため、チオフラビンT(ThT)蛍光分析が、Aβ凝集を分析するために用いられた。ビタミンE(VE)が、Aβ凝集および原線維形成を効果的に抑制する事ができたとの報告があったため、ビタミンEを、この研究における陽性のコントロールとして使用した。Aβ1−42凍結乾燥粉末を、50mmol/LのPBS(pH7.4)の中で製剤し、22.15μmol/Lの濃度の溶液を得た。前記4種類のポリペプチド(H101、H102、H103、およびL5)も50mmol/LのPBS(pH7.4)で製剤し、88.61μmol/Lの濃度の溶液を得た。ビタミンEを、0.2%のTween−80を含むPBSの中で製剤し、88.61μmol/Lの濃度のエマルションを得た。実験において、最終濃度がそれぞれ11.07μmol/Lおよび44.30μmol/Lとなるように、Aβ1−42ペプチドの溶液を、各ポリペプチドの溶液と等容積で混合した。Aβ1−42ペプチドの溶液を、ビタミンEエマルションと等容積で混合し、陽性コントロールとして使用した。そして、Aβ1−42を単独で含む溶液を陰性コントロールとして使用した。各溶液を37℃で24時間インキュベートし、其々から10μlを取り出して3.0μmol/LのThTリン酸緩衝液990μlに加えた。ThT蛍光強度は、励起波長453nmおよび発光波長478〜486nmで測定した。
3.Aβ1−42に対する本発明のポリペプチドの容量効果および時間効果の関係
ポリペプチドH102を前述のPBSの中で製剤して一連の濃度を得た。そして、前記溶液に、11.07μmol/Lの濃度になるまでAβ1−42を加えた。Aβ1−42に対する本発明のポリペプチドの容量効果関係を判定するために、得られた溶液を、37℃で24時間インキュベートし、サンプルを取得してThT蛍光強度を測定した。44.30μmol/LのH102と11.07μmol/LのAβ1−42を含む溶液、または44.30μmol/LのビタミンEと11.07μmol/LのAβ1−42を含む溶液を、それぞれ37℃でインキュベートした。Aβ1−42に対する各種ポリペプチドの時間効果関係を判定するために、サンプルを取得して、インキュベーションの12時間後(12h)、1日後(1d)、3日後(3d)、5日後(5d)、および7日後(7d)のThT蛍光強度を測定した。一方、Aβ1−42ペプチドを単独で含む溶液をインキュベートし、陰性コントロールとして使用した。
4.電子顕微鏡法
原線維形成を更に調査するために、44.30μmol/Lの各種ポリペプチドと11.07μmol/LのAβ1−42を含む溶液を、それぞれ37℃で5日間インキュベートした。サンプル5μlを各グループから取り出して、カーボン支持膜を張った300メッシュの脱イオン銅線網に滴下し、室温で15分間静置した。前記サンプルを、2%の酢酸ウラニルを用いて暗所で2分間ネガティヴ染色した。乾燥後、前記サンプルを、透過型電子顕微鏡を用いて観察した。一方、Aβ1−42ペプチドを単独で含む溶液を5日間インキュベートし、陰性コントロールとして使用した。
5.細胞毒性試験
首都医科大学のXuanwu病院から入手し、37℃の5%COの恒温器において、従来の方法によってMEM培地(10%(v/v)のウシ胎仔血清が補充されている)で培養した、一般的な株化細胞であるヒト神経芽細胞腫SH−SY5Yを、毒性試験において使用した。株化細胞を、5日に1回継代培養した。SH−SY5Y細胞が対数期において安定して成長すると、前記細胞を、培地200μlがウェル毎に添加された1.0×10/mlの密度の96ウェルプレート(Costar社製)に接種した。24時間後、前記培地を無血清培地と交換し、5μmol/Lの濃度となるまでAβ1−42を加えた。前記ウェルを、いくつかのグループに分類した。前述の4種のポリペプチド(H101、H102、H103、およびL5)を、各グループの培地に、それぞれ、10μmol/L、20μmol/L、および40μmol/Lの濃度となるように加えた。Aβ1−42およびポリペプチドを加えずに無血清培地を単独で加えた細胞グループを陽性コントロールとして使用し、前述のポリペプチドを加えずにAβ1−42ペプチドを加えた細胞グループを陰性コントロールとして使用した。前記ポリペプチドの添加の72時間後、各ウェルに、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)(5mg/ml)を20μl加え、プレートを37℃で4時間インキュベートした。その後、最初の培地を処分し、各ウェルにDMSOを200μl加えた。プレートを10分間静置してから1分間振動させ、ホルマザン粒子を完全に溶解した。その後、492nmにおける光学濃度(OD)を、自動マイクロプレートリーダーを用いて測定した。
6.統計分析
2グループ間のデータ比較にはt検定法を用い、3グループ以上のデータ比較にはF検定法を用いた。
結果
1.Aβ1−42凝集および原線維形成に対する各種試験済みのポリペプチドの抑制作用
ThT蛍光分析を用いて、Aβ1−42凝集および原線維形成に対する各種ポリペプチドおよびビタミンEの効果を評価した。PBS溶液中のAβ1−42単体が、極めて高い蛍光強度を生じる事ができた事は、Aβ1−42が自己凝集してAβ原線維を形成できる事を示す。試験ポリペプチドまたはビタミンEを含まず、Aβ1−42を単独で含む陰性コントロール溶液から得られる蛍光強度を、100%に規準化した。Aβ1−42凝集および原線維形成に対する各種試験済みのポリペプチドの抑制率を計算した(%)。結果を表1に示す。(ここで、表1に示すデータは、器材システムそのものによって生じたバックグラウンド蛍光を差し引いてある)
Figure 0005219168
表1に示すように、H102は、Aβ1−42凝集に対して最も高い抑制作用を示し、次いで、L5、ビタミンE、H101、H103となった。
表1に示す結果を、図2に示すヒストグラムにプロットした。
図2に示すように、H102はAβ1−42凝集および原線維形成を著しく抑制することができ、また、ビタミンEも、Aβ1−42とインキュベートされると、Aβ1−42凝集および原線維形成を著しく抑制することができる。しかしながら、ビタミンEの効果はH102よりも低い。
2.Aβ1−42に対する本発明のポリペプチドの容量効果関係
図3は、さまざまな濃度のH102またはビタミンEと11.07μmol/LのAβ1−42ペプチドをインキュベート(37℃で24時間)して得られたThT蛍光分析の結果を表す。図3に示すように、Aβ原線維形成に対するH102およびビタミンEの効果は用量依存し、全ての濃度においてH102の抑制率はビタミンEを上回った。また、H102およびビタミンEのもっとも効果的な濃度は約20μmol/Lである。
3.Aβ1−42に対する本発明のポリペプチドの時間効果関係
図4は、H102またはビタミンEと11.07μmol/LのAβ1−42ペプチドをさまざまな期間インキュベートして得られたThT蛍光分析の結果を表す。図4に示すように、11.07μmol/LのAβ1−42ペプチドを単独でインキュベートした場合、得られる蛍光強度は最初の24時間は低く、3日目に急増し、その後はほぼ横ばいである。H102およびビタミンEのグループから得られる蛍光強度は、各時点で著しく低く、最も効果的な結果はH102処理したグループにみられる。曲線の変化は、蛍光強度がピークの半分に達するT1/2時点に特徴づけられ、Aβ単独のグループのT1/2は3日目に現れ、H102およびビタミンEのグループのT1/2は4日目と遅れる。
4. 電子顕微鏡法の結果
図5は、44.30μmol/Lの各種ペプチドを、それぞれ11.07μmol/LのAβ1−42ペプチドと37℃で5日間インキュベートして得られたAβ1−42ペプチド原線維形成の電子顕微鏡法の結果を表す。図示のように、Aβを単独で5日間インキュベートした場合、直径約8〜10nm且つ長さ約0.5〜5μmの大量のAβ原線維が形成される。前記原線維は、枝を有し、ネットワーク状に織り込まれてさえいるプリックタイプの結晶体に凝集され、凝集状態で少量の非晶構造が点在している(図5Aおよび図5B。コントロールグループ)。AβをL5と5日間インキュベートした場合、形成されるAβ原線維はより細くなり、直径は約4〜8nmで長さは0.3〜5μmとなる。前記原線維はネットワーク状に織り込まれ、凝集状態で極少量の非晶構造が点在している(図5C)。AβをH101と5日間インキュベートした場合、形成されるAβ原線維の直径は約5〜8nmで長さは0.5〜5μmとなる。前記原線維は枝を有するネットワーク状に織り込まれ、凝集状態で極少量の非晶構造が点在している(図5D)。AβをH102と5日間インキュベートした場合、形成されるAβ原線維はより少なく且つより細くなり、直径は約3〜6nmで長さは0.3〜3μmとなる。前記原線維はネットワーク状に織り込まれ、凝集状態で極少量の非晶構造が点在している(図5E)。AβをH103と5日間インキュベートした場合、直径約5〜8nm且つ長さ約0.5〜5μmのAβ原線維が形成される。前記原線維はプリックタイプの結晶体に凝集され、ネットワーク状に織り込まれ、凝集状態で少量の非晶構造が点在している(図5F)。
5.SH−SY5Y細胞の生存率に対する本発明のポリペプチドの効果
図6は、5μmol/LのAβ1−42ペプチドと72時間インキュベートしたヒト神経芽細胞腫細胞SH−SY5Yの生存率に対する異なる濃度(10μmol/L、20μmol/L、および 40μmol/L)の各種ペプチドの効果を表す。n=12、Aβ1−42のグループと比較し、はP<0.05を示す。
図6に示すように、Aβ1−42と72時間インキュベートした後、SH−SY5Y細胞の生存率は減少する。Aβ1−42を含有する培養液に異なる濃度(10μmol/L、20μmol/L、および 40μmol/L)の4種類のペプチドを添加すると、細胞の生存率は向上し、その効果は用量依存性がある。これらの結果は、細胞の生存率の向上にはH102が最も効果的であり、その最良の濃度が20μmol/Lである事を証明している。
実施例3:APP遺伝子導入マウスの脳におけるβアミロイド(Aβ)およびβアミロイド前駆体タンパク質(APP)の遺伝子発現に対するH102の効果
材料および方法
実験動物
9ヵ月のAPP695遺伝子導入マウス30匹と、遺伝的背景および月齢が適合するC57BL/6Jマウス10匹を、中国医学科学院の北京協和医学院の実験動物研究センターから調達した。
試薬
抗Aβ1−42抗体をChemicon社(米国)から調達した。抗APP抗体、すぐに使用できるSABC免疫組織化学染色キット、DBA発色キット、およびコンゴーレッドをWuhan Boster Biological Technology社から調達した。他の試薬としては、分析用純度を有する従来の試薬を用いた。ポリペプチドH102は、実施例1に記載のように合成、精製、および同定され、本実験で使用するために生理食塩水中で40μmol/Lに製剤された。
動物のグループ分けおよびモデルの作成
APP695遺伝子導入マウス30匹を、15匹のモデルグループと15匹のポリペプチド注射グループに無作為に分類した。C57BL/6Jマウス10匹を通常のコントロールグループとして用いた。ポリペプチド注射グループでは、前記動物は、毎回、40μmol/LのH102を含む生理食塩水3μlを脳室内注入された。コントロールグループとモデルグループでは、前記動物は、毎回、生理食塩水3μlを脳室内注入された。前記注射は10日間毎日行われた。全ての動物は、天津医科大学の実験動物研究センターのSPFマウスルームで同条件の下で保管された。
前記動物に、投与量400mg/Kgの10%の抱水クロラールを用いて、腹腔内麻酔した。前記動物を、脳定位固定枠に固定して毛を切った。Anerdianで消毒した後、頭部正中線に沿って皮膚を約1cm切開した。骨マークを露出させるように骨膜をはがした。ブレグマとラムダが同じ高さになるように、マウスの皿頭を調製した。George’s brain stereotactic atlasに従って、針を入れるための1mmの開口部を頭蓋骨の側脳室(P0..58、1、−1.5)に形成した。手術後2日目から注射を開始した。小動物用の脳定位固定装置を用い、ポリペプチド溶液または生理食塩水3μlを、微量注入器によってゆっくりと着実に側脳室に注入した。注入終了時に、針をその位置に1分間置いた後、ゆっくりと引き抜いた。注射した箇所を圧迫止血した。前記注射は10日間毎日行われた。
マウスの海馬のパラフィン切片の作成
各グループの動物に10日間脳室内注入した後、投与量4mL/Kgの0.1kg/Lの抱水クロラールを用いて、腹腔内麻酔した。左心室を介して迅速な挿管を行った。一方、右心房を切開し、生理食塩水を迅速に注入した。肝臓が白くなった場合は、代わりに40g/Lのパラホルムアルデヒドを、マウスの四肢が硬化するまで、最初は早く、その後はゆっくりと注入した。脳を取り出し、30%のショ糖を含むパラホルムアルデヒド溶液に迅速に入れ、2〜4日間固定した。脳組織が沈み込んだ後、パラフィンに包埋した。マウスの脳を矢状面にそってスライスした。海馬CA1領域が露出すると、引き続きスライスし、10切片毎に1回サンプルを取り出した。各マウスについて、各抗体用に5μmの厚みの切片を3つずつ取り出した。
免疫組織化学染色
免疫組織化学検査キットの説明書に従って、AβおよびAPPに対して免疫組織化学染色を行った。第一抗体の希釈度は、それぞれ、1:100および1:200、第二抗体の希釈度は、1:100とした。染色した切片を、400倍の拡大率で観察および撮像した。
マウス脳切片のコンゴーレッド染色
パラフィンに包埋した切片を、水・エタノール混合物に浸漬し、脱脂した(グラジエント:エタノール・水→水)。脱脂した切片を、10%のパラホルムアルデヒド溶液に15分間浸漬し、コンゴーレッド染色溶液に15分間直接浸漬した。その後、前記切片を水で4分間洗浄し、ヘマトキシリン溶液に2分間浸漬し、水で洗浄し、そして0.5%の塩酸エタノール溶液に浸漬して分化した。前記切片を、青色を示すまで水で完全に洗浄し、エタノールで脱水した。その後、キシレンで透明にし、中性のガムで固定した。最終的に、染色した切片を、400倍の拡大率で観察および撮像した。
結果
1.抗APP N末端抗体および抗Aβ抗体による免疫組織化学染色
図7は、抗APP N末端抗体および抗Aβ抗体により、各グループの動物の海馬CA1ニューロンの切片を免疫組織化学染色した結果を表す。
図7に示すように、抗APP N末端抗体および抗Aβ抗体による免疫組織化学染色の結果は以下の事を示す。(1)コントロールグループの海馬CA1ニューロンの染色は、陰性または弱陽性である(図7Aおよび図7B)。(2)コントロールグループと比較して、モデルグループのサンプルの陽性細胞の数は多く、発現は増加し、染色はより濃い(図7Cおよび図7D)。(3)モデルグループと比較して、ポリペプチド注射グループの陽性細胞の数は少なく、発現は減少し、染色は薄い(図7Eおよび図7F)。
2.コンゴーレッド染色
マウスの脳の病理切片をコンゴーレッドで染色し、マウスの側頭皮質および海馬におけるアミロイド斑の状態を観察した。結果を図8に示す。
図8は以下の事を示す。(1)コントロールグループのマウスの側頭皮質(図8A)および海馬(図8B)には陽性アミロイド斑は観察されない。(2)モデルグループのマウスの側頭皮質(図8C)および海馬(図8D)には大小の薄赤色のクランピングアミロイド斑が観察され、そのうちのほとんどは円形または楕円形で不均等分布され、大体がニューロンで囲まれている。(3)ポリペプチド注射グループのマウスの側頭皮質(図8E)および海馬(図8F)にも、いくつかのクランピングアミロイド斑が観察されるが、その数はモデルグループよりも明らかに少ない。
結論
免疫組織化学染色は、モデルマウスの脳CA1領域におけるAβ1−42陽性細胞の量が、通常のコントロールグループよりもはるかに多い事を示す。ところが、H102ポリペプチド注射グループにおけるAβ1−42陽性細胞の量は、モデルグループよりもはるかに少ない。そのため、H102が、Aβ凝集を抑制し、生体内におけるAβの毒性を低減する事ができると推測される。さらに、コンゴーレッド染色は、アミロイド斑が遺伝子導入マウスの脳においてはっきりと形成され、通常のコントロールマウスには形成されないが、H102ポリペプチド注射マウスに形成されるアミロイド斑は、遺伝子導入グループよりも少なく、面積も小さい事を示す。これらの結果は、H102がAβの発生を低減し、その凝集を抑制することができる事を裏付ける。
本発明において様々な文献を引用しているが、本発明が関係する最先端技術を詳細に記述するために、その全てをここに本明細書の一部を構成するものとして援用する。
本発明の様々な改良および変更が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく実施できることは、当業者にとって明らかである。本発明の他の実施形態は、ここに開示される記載と実施例を考慮する事により、当業者にとって明らかである。ここに開示される記載および実施例はあくまで例示であって、本発明の実際の範囲および精神は添付の請求項によって決定される。

Claims (3)

  1. アミノ酸配列
    His-Lys-Gln-Leu-Pro-Phe-Phe-Glu-Glu-Asp(配列番号:2)からなるポリペプチド。
  2. 請求項1記載のポリペプチドを含むアルツハイマー病の予防および/または治療用の薬剤
  3. 請求項1記のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
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