JP5219021B2 - 結晶性ミクロ多孔体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法に関し、更に詳細には、例えば、触媒、吸着剤または分離用の材料として利用可能な結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法に関する。本発明方法により得られる結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体は、これに種々の金属を担持させることにより、石油化学工業の分野等種々の用途に対応する触媒として利用でき、また、それ自身で、フロン系の冷媒、高電圧用電力機器の絶縁媒体である弗化硫黄ガスおよび車輌用エアーブレーキの空気等の乾燥剤、排水中の窒素化合物および放射性排水中の放射性物質等の吸着除去剤として利用することができる。
結晶性ミクロ多孔体は、モルデナイト、フェリエライトなどとして知られる如く、天然物として多数存在する。また人造の結晶性ミクロ多孔体としても、ゼオライト−A、ゼオライト−X、ZSM−5(例えば、特許文献1参照)およびZSM−11(例えば、特許文献2参照)等いろいろな種類のものが知られている。
従来、結晶性ミクロ多孔体を製造する場合には、まず、二酸化ケイ素成分、酸化アルミニウム成分および有機アンモニウム化合物を含んでなるアルカリ性の混合液を形成する混合工程を行ったのち、高圧加熱により前記無機材料混合液中に結晶性ミクロ多孔体を結晶化させる結晶化工程を行う、いわゆる「水熱合成法」が採用されていた。
この水熱合成法によると、結晶化工程において、通常70℃から200℃、場合によってはそれ以上の高温条件で、数日、場合によっては10日以上の長時間に及んで混合液を加熱する必要がある。そして、このような長時間にわたる結晶化工程においては、結晶性ミクロ多孔体結晶の成長は著しく、触媒のような高比表面積を物性として求められる場合に問題がある。
また、前記水熱合成法によって得られた結晶性ミクロ多孔体は微粒子状であり、場合によっては成型する必要性があるものの、一般に前記微粒子状の結晶性ミクロ多孔体自体には粘結力がないために、きわめて高温で焼結したり、バインダを介在させて成型したりしなければならず、結晶性ミクロ多孔体の性能を著しく劣化させる問題があった。
このような課題を解決する方法として、たとえば特許文献3〜5において、二酸化ケイ素成分、酸化アルミニウム成分および有機アンモニウム化合物を含んでなるアルカリ性の混合液から複合体微粒子を析出させたのち、液体の水を直接接触させることなく結晶化させることを特徴とする結晶性ミクロ多孔体の製造方法が開示されている。これらの方法によれば、従来の水熱合成よりもより温和な条件下で結晶性ミクロ多孔体を合成できることから、触媒のような高比表面積を物性として求められる場合において水熱合成法による結晶性ミクロ多孔体よりも高い性能が期待できる。
ところで、結晶性ミクロ多孔体中のアルミニウム原子は触媒反応の活性点などの性質を示すことが知られている。一般的な知見は、たとえば非特許文献1に解説されている。しかし、特許文献3〜5において開示されている方法において、該アルミニウム原子を導入する方法は十分に検討されているとはいえなかった。
即ち、特許文献3では、二酸化ケイ素成分としてカネマイトが用いられ、結晶性ミクロ多孔体内へのアルミニウムの導入は塩化アルミニウムによりなされているが、塩化アルミニウムは水溶液中で激しく加水分解反応を起こすため、結晶性ミクロ多孔体内へのアルミニウムの導入反応の制御の観点から問題がある。
また、特許文献4では、二酸化ケイ素成分として水ガラス、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)等の非晶質の二酸化ケイ素分が用いられ、アルミニウムの導入はアルミン酸ナトリウム、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド等のアルミニウム化合物によりなされているが、二酸化ケイ素成分である上記水ガラスやTEOS等は非晶質成分であり、かつ二酸化ケイ素成分以外の元素(Naやエトキシ)が不定比で存在するため、結晶性ミクロ多孔体への転換時、特にSi−OH基縮合時に、これらの不定比存在元素が阻害要因になる。また、アルミニウムの導入に用いるアルミン酸ナトリウムやアルコキシドも同様に不定比元素や陰イオンの影響があり、結晶性ミクロ多孔体内へのアルミニウムの導入反応の制御が難しいなどの問題がある。
更に、特許文献5においては、アルミン酸ナトリウムによりアルミニウムを結晶性ミクロ多孔体内に導入したうえ、硝酸アンモニウムを用いてイオン交換を行ったのちに焼成により水・アンモニアを除去してアルミニウムが導入されたミクロ多孔体を得る方法が開示されている。しかしこの方法ではイオン交換前の原料スラリーが強アルカリ性を示すために多量の硝酸アンモニウムを用いざるを得ない。このことは、ミクロ多孔体の成型体を製造する場合において著しい体積収縮をもたらすことで問題となる。
更にまた、結晶性ミクロ多孔体において、小粒径のゼオライトが好ましいことはさまざまな反応について知られており、たとえば特許文献6において2μm以下の粒径を持つゼオライトが炭化水素の接触分解に好適に用いられることが開示されている。
このため、温和な条件下で結晶性ミクロ多孔体内へのアルミニウムの導入反応の制御が容易であり、アルミニウムを効率よく導入することができ、粒子径が小さく、高い機能を有する結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体を得る方法が求められていた。
特公昭46−10064号公報 特公昭53−23280号公報 特開平8−319112号公報 特開平9−40417号広報 国際公開WO01/19731号公報 特開平4−352731号公報 「ゼオライトの科学と工学」、小野嘉夫、八嶋 建明 編集、 講談社サイエンティフィック、(2000年)
結晶性ミクロ多孔体の高機能化の観点からは、水熱合成法によらない製造方法により、結晶性ミクロ多孔体を合成でき、かつ該多孔体中に効率的にアルミニウム原子を導入できるような結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法を開発することは、きわめて重要な課題である。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、温和な条件下でアルミニウムを効率よく導入することが可能な、粒子径が2μm以下の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法を提供するものである。
発明者らは、この課題の解決すべく、結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法において、使用原料、工程および処理条件等を詳しく検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、次の工程(1)ないし(4)
(1)カネマイト、アルミナ前駆体およびアンモニウム化合物、ホスホニウム化合物またはアミン類から選ばれる少なくとも一種の結晶化調整剤を含んでなるアルカリ性の混合液を調製し、6時間以上撹拌する混合工程
(2)工程(1)で得た混合液のpHを、7.6ないし8.4となるよう中和する中和工程
(3)工程(2)で中和された混合液中に析出した微粒子を、混合液中から分離する固液分離工程
(4)固液分離された微粒子を加熱して結晶化させる結晶化工程
を含むことを特徴とする結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法である。
また本発明は、この製造方法により製造された結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体を提供するものである。
本発明によれば、水熱合成法に比してはるかに粒子径の細かい結晶性ミクロ多孔体を製造でき、かつアルミニウムの効率的な導入により高比表面積な結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体を得ることができる。
本発明方法は、(1)混合工程、(2)中和工程、(3)固液分離工程および(4)結晶化工程の各工程を含むものである。
まず、(1)の混合工程では、結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の原料となる、カネマイト成分、アルミナ前駆体および結晶化調整剤をアルカリ性条件下で共存させ、十分均一化させる。
本発明に用いられるカネマイトは、その理想組成式がNaHSiで示される層状ケイ酸塩化合物である。このものは、アルミナ前駆体との効率的な混合の観点から、乾燥のうえ粉砕しておくことが好ましい。カネマイト成分と結晶化調整剤、例えばアンモニウム化合物をアルカリ性条件下で共存させると、層間にアンモニウム化合物のアンモニウムイオンがカネマイトの層間に挿入され、カネマイトのアンモニウム塩が形成される。これは、もともとカネマイトの層間に位置していたナトリウムイオンがアンモニウムイオンと置換することによる(カチオンイオン交換)もので、理論的には、層間のナトリウムイオンとアンモニウムイオンが1:1で交換される。この過程は、たとえば粉末X線回折により、層間距離の増大や層間に存在するSi−OH基の縮合による構造規則性の低下(回折強度の低下)として観測される。
アルミナ前駆体が該カネマイトのアンモニウム化合物と混合するプロセスについて詳細は不明であるが、混合物がアルカリ性を呈することから、カネマイトのケイ酸骨格とアルミナ前駆体が互いに加水分解し、縮合することによりカネマイトのケイ酸塩骨格中のケイ素がアルミニウムに置換することが考えられる。
本明細書において、アルミナ前駆体とは、焼成によりアルミナに誘導される化合物を意味する。このアルミナ前駆体としては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、アルミナ水和物などが挙げられる。本発明で用いるアルミナ前駆体は、アルカリ性下での加水分解を円滑に進める観点から、水中で中性を示すものが好ましく、更に、縮合反応において阻害要因となる他の金属イオンや陰イオンを含まないものがより好ましい。このような観点から、アルミナ前駆体としてはアルミナ水和物を好適に用いることができる。
アルミナ水和物は、一般式Al・nHOにより表すことができ、水酸化アルミニウムもこれに含まれる。アルミナ水和物としては、例えばギブサイト、ベーマイト、擬ベーマイト、バイヤライト、ノルストランダイド、ダイアスポアなどの結晶質のアルミナ水和物および非晶質のアルミナ水和物が挙げられる。また、水中にアルミナ水和物をコロイド状に懸濁分散させたアルミナゾルも用いることができる。アルミナゾルは水溶性のアルミニウム塩の水溶液にアンモニア等の塩基を添加することにより得られる。また、アルミン酸塩やアルミニウムアルコキシド等の有機化合物を加水分解するか、あるいは、ベーマイト、擬ベーマイトを酸性領域でゾル化しても得られる。本発明においては、アルミナゾル、ベーマイトを特に好ましく用いることができる。
本発明において、結晶化調整剤としては、種々のアンモニウム化合物、ホスホニウム化合物、アミン類を用いることができ、これらから選ばれる少なくとも一種を含むものであれば良いが、汎用性の観点からはアンモニウム化合物が用いられることが好ましい。
結晶化調整剤として使用されるアンモニウム化合物の例としては、式(i)
(R (i)
(式中、Rは同一または異なって、水素原子、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる基を示す)
で表されるアンモニウムイオンを含むアンモニウム化合物が挙げられる。
特に、テトラn−ブチルアンモニウムイオン((n−C))、テトラn−プロピルアンモニウムイオン((n−C))、テトラエチルアンモニウムイオン((C))、テトラメチルアンモニウムイオン((CH))、n−プロピルトリメチルアンモニウムイオン((n−C)(CH))、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン((C)(CH))等のアンモニウムイオンを有するアンモニウム化合物が好ましい。
また、結晶化調整剤として使用されるホスホニウム化合物の例としては、式(ii)
(R (ii)
(式中、Rは同一または異なって、水素原子、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる基を示す)
で表されるホスホニウムイオンを含むホスホニウム化合物が挙げられる。
特に、テトラn−ブチルホスホニウムイオン((n−C))、ベンジルトリフェニルホスホニウムイオン((C)(C))等のホスホニウムイオンを有するホスホニウム化合物が好ましい。
更に、アミンとしては、1,4−ジメチル−1,4−ジアゾビシクロ(2.2.2)オクタン、ピロリジン、n−プロピルアミン(n−CNH)、メチルキヌクリジン等を挙げることができる。
なお、結晶化調整剤としてテトラプロピルアンモニウム化合物を用いると、MFI構造の結晶性ミクロ多孔体が得られ、またテトラブチルアンモニウム化合物を用いれば、MEL構造の結晶性ミクロ多孔体が得られるので、合成すべき構造によって前記結晶化調整剤を適宜選択すれば、種々の孔径の結晶性ミクロ多孔体を得ることができる。
上記のカネマイト成分、アルミナ前駆体および結晶化調整剤の混合工程は、室温で行ってもよく、また加熱下で行ってもよい。また混合工程を行う時間は室温であれば6時間以上、さらに好ましくは9時間以上である。混合時間が6時間未満では、ケイ酸塩骨格中のケイ素とアルミニウムの置換が不十分となるため好ましくない。
次いで、本発明の(2)の中和工程により、混合工程を行った後の混合物を中和する。混合物がアルカリ性を呈することから、中和には酸水溶液を用いることができる。中和工程によりカネマイトのアンモニウム化合物が微粒子として析出する。また、混合工程においてカネマイトより溶出したナトリウムイオンは水溶液中に回収される。中和工程は常温で行ってもよく、また工程促進のためには加熱下で行ってもよい。なお、該中和工程の目的はカネマイトのアンモニウム化合物を中和により析出させることのほかにナトリウムイオンの除去にあるため、酸水溶液の添加に際し、原料のカネマイトから見積もられるだけの酸を添加することが好ましい。また、用いる酸水溶液は塩酸のような強酸であり、かつ固液分離工程後に容易に微粒子から除去できることが好ましい。
この中和工程では、混合液のpHを7.6ないし8.4程度、特に8近辺程度とすることが好ましい。pHが8.4よりも高い場合にはナトリウムの除去が不十分となり、かつ析出する微粒子の量が減少する。またpHが7.6よりも低くなると、微粒子の主成分であるカネマイトのアンモニウムが加水分解を受けてしまい、最終的に得られる結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の収率の低下を招くおそれがある。
更に、本発明の(3)の固液分離工程により、中和工程を経た混合液から析出した微粒子を分離する。この分離は、混合液を静置してもよく、遠心分離機によって固液分離を促進してもよい。固液分離工程により分離された微粒子は乾燥により含有水分を調整することができる。また、固液分離工程において分離された微粒子を水洗ののち乾燥して用いてもよい。更に、該微粒子は結晶性ミクロ多孔体に比してはるかに成型が容易であることから、この工程で得られた該微粒子を加圧などの簡単な操作により成型体を形成し、後の結晶化工程を行ってもよい。
その後、(4)の結晶化工程で、固液分離工程により分離された微粒子を加熱下で結晶化する。この結晶化工程は、該微粒子または微粒子を成型した成型体を密閉容器内に封入したのち、微粒子と液体の水を接触させずに前記密閉容器を加熱して行うことができる。また、この結晶化工程は水蒸気を供給しつつ行ってもよい。
本発明の結晶化工程は、水熱合成と比較してより温和な条件で進行する。結晶化の反応温度は、好ましくは100℃〜200℃であり、結晶化の温度が高いほど、結晶化速度は速くなり、短時間で結晶化を行うことができる。例えば反応温度130℃では、結晶化工程に要する時間は24時間程度である。
上記結晶化工程を経て得られた結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体は、用途に応じてそのまま用いても良く、あるいはさらに焼成工程を経て用途に供される場合もある。焼成を行う場合の条件は、目的とする結晶性ミクロ多孔体の用途および結晶構造等により適宜選定されるが、一般的な焼成条件は、温度400℃〜600℃、焼成時間5時間〜48時間程度である。
以上説明した本発明方法によれば、結晶性ミクロ多孔体を温和な条件下で合成でき、かつ該多孔体中に効率的にアルミニウム原子を導入することができる。結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体中のアルミニウム原子は、固体NMRにより測定することができる。とくに結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体について、触媒などに用いられることの多いZSM−5であれば50ppm付近の4配位アルミニウムに由来するピークにより確認することができる。
また、本発明方法によれば、水熱合成法で得られるものと比してはるかに粒子径が細かく、高比表面積な結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体を容易に得ることができる。本発明方法により得られる結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の粒子径は、2μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。
以下に実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。尚、原材料としては以下の組成のもの(%表示のものはすべて重量%)を用いた。
○プリフィード(δ−NaSi)(トクヤマシルテック(株)社製)
○カタロイドSI−30:SiO:30.5%,NaO:0.5%(触媒化成(株)社製)
○ベーマイト:分析値Al:74.44%
○硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬工業(株)社製)
○水酸化テトラプロピルアンモニウム:20−25%水溶液(東京化成工業(株)社製)
○水酸化ナトリウム(和光純薬工業(株)社製)
実 施 例 1
1Lのビーカーに脱イオン水を800mL用意し、これに、プリフィード40gを加え、室温で9時間放置し、水を浸漬させた。生じた沈殿物を減圧ろ過によって回収し、室温にて自然乾燥させると、カネマイト微粒子(理想組成式:NaHSi・3HO)19.3gが得られた。
200mLのビーカーにて、前記のカネマイト6.25gとベーマイト0.20gを脱イオン水60mLに分散させた。これに、水酸化テトラプロピルアンモニウム((n−C)NOH)52.5mLを加え、室温にて9時間攪拌した(混合工程)。その後、6mol/Lの塩酸を加えて徐々にpHを約8まで低下させたところ、カネマイトの体積が急激に膨潤した(中和工程)。この現象は、前記カネマイト中のナトリウムイオンがテトラプロピルアンモニウムイオン((n−C))とイオン交換されるためであると考えられる。
この膨潤したカネマイトを、減圧ろ過しながら脱イオン水300mLで洗浄するとともに回収し、その後35℃で3日間乾燥させて白色粉末を得た(固液分離工程)。前記白色粉末は、カネマイトとアルミナ前駆体およびテトラプロピルアンモニウムイオン((n−C))との複合体となっているものと考えられる。
前記複合体の約4gを小型のガラスフィルターの上に置き、さらにこのガラスフィルターを約4mLの脱イオン水とともに、弗素樹脂で内面コートされた耐熱容器に入れ、前記複合体が直接水に触れないように、130℃の水蒸気に24時間さらす加熱処理をおこない、反応生成物を得た(結晶化工程)。
この反応生成物を脱イオン水にて十分に洗浄し、60℃で12時間乾燥させて白色粉末を得た。この白色粉末を粉末X線回折スペクトルの測定により調べたところ、MFI構造を有するZSM−5からなる結晶性ミクロ多孔体であることがわかった。また、アルミニウムのNMRを測定したところ、50ppm付近に4配位アルミニウムに由来するピークが観察でき、アルミニウム原子がZSM−5骨格中に取り込まれていることが確認できた。また、SEMにより合成したZSM−5の形状を確認したところ、粒子径が0.1〜0.2μmのZSM−5粒子が一様に観察できた。
実 施 例 2
実施例1において室温で9時間の混合工程を、室温で6時間に変え、その他は実施例1と同じ条件でおこなった。得られた白色粉末を粉末X線回折スペクトルの測定により調べたところ、MFI構造を有するZSM−5からなる結晶性ミクロ多孔体であることがわかった。また、アルミニウムのNMRを測定したところ、50ppm付近に4配位アルミニウムに由来するピークが観察でき、アルミニウム原子がZSM−5骨格中に取り込まれていることが確認できた。また、SEMにより合成したZSM−5の形状を確認したところ、粒子径が0.1〜0.2μmのZSM−5粒子が一様に観察できた。
比 較 例 1
プリフィード11.3gを、300mLビーカー内で110mLの脱イオン水に室温で3時間浸漬し、スラリー溶液を得た。スラリー溶液から固液分離することなくベーマイト0.42gと水酸化テトラプロピルアンモニウム112mLを加え、室温にて3時間のみ攪拌した(混合工程)。その後、6mol/Lの塩酸を加えて徐々にpHを約8まで低下させたところ、カネマイトの体積が急激に膨潤した(中和工程)。
この膨潤したカネマイトを減圧ろ過しながら脱イオン水600mLで洗浄するとともに回収し、その後35℃で3日間乾燥させて白色粉末を得た(固液分離工程)。前記白色粉末の約4gを小型のガラスフィルターの上に置き、さらにこのガラスフィルターを約4mLの脱イオン水とともに、弗素樹脂で内面コートされた耐熱容器に入れ、前記白色粉末が直接水に触れないように、130℃の水蒸気に24時間さらす加熱処理をおこない反応生成物を得た(結晶化工程)。この反応生成物を脱イオン水にて十分に洗浄し、60℃で12時間乾燥させて白色粉末を得た。
この白色粉末を粉末X線回折スペクトルの測定により調べたところ、MFI構造を有するZSM−5からなる結晶性ミクロ多孔体であることがわかった。ただし、アルミニウムのNMRを測定したところ、50ppm付近の4配位アルミニウムに由来するピークが観察できなかった。なお、SEMにより合成したゼオライトの形状を確認したところ、粒子径が0.1〜0.2μmのZSM−5粒子が一様に観察できた。
比 較 例 2
水酸化ナトリウム、硝酸アルミニウム9水和物、およびカタロイドSI−30を用いて、通常の水熱合成法によりZSM−5を合成した。このときSEM観察による平均粒子径は9μmであった。また、アルミニウムのNMRを測定したところ、50ppm付近に4配位アルミニウムに由来するピークが観察でき、アルミニウム原子がZSM−5骨格中に取り込まれていることが確認できた。

Claims (14)

  1. 次の工程(1)ないし(4)
    (1)カネマイト、アルミナ前駆体およびアンモニウム化合物、ホスホニウム化合物またはアミン類から選ばれる少なくとも一種の結晶化調整剤を含んでなるアルカリ性の混合液を調製し、6時間以上撹拌する混合工程
    (2)工程(1)で得た混合液のpHを、7.6ないし8.4となるよう中和する中和工程
    (3)工程(2)で中和された混合液中に析出した微粒子を、混合液中から分離する固液分離工程
    (4)固液分離された微粒子を加熱して結晶化させる結晶化工程
    を含むことを特徴とする結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  2. カネマイトが乾燥・破砕された微粒子である請求項1記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  3. アルミナ前駆体が水に接触したときに中性を示すものである請求項1または2記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  4. アルミナ前駆体がアルミナ水和物である請求項1ないし3の何れかの項記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  5. アルミナ前駆体がアルミナゾルまたはベーマイトである請求項1ないし4の何れかの項記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  6. 結晶化調整剤が下記式(i)
    (R (i)
    (式中、Rは同一または異なって、水素原子、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる基を示す)
    で表されるアンモニウムイオンを含むアンモニウム化合物である請求項1ないし5の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  7. 結晶化調整剤が、テトラn−ブチルアンモニウムイオン、テトラn−プロピルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、n−プロピルトリメチルアンモニウムイオンおよびベンジルトリメチルアンモニウムイオンから選ばれるアンモニウムイオンを含むアンモニウム化合物の少なくとも一種またはそれ以上である請求項1ないし5の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  8. 結晶化調整剤が下記式(ii)
    (R (ii)
    (式中、Rは同一または異なって、水素原子、炭素数10以下のアルキル基あるいはアリール基から選ばれる基を示す)
    で表されるホスホニウムイオンを含むホスホニウム化合物である請求項1ないし5の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  9. 結晶化調整剤が、テトラn−ブチルホスホニウムイオンおよびベンジルトリフェニルホスホニウムイオンから選ばれるホスホニウムイオンを含むホスホニウム化合物の少なくとも一種またはそれ以上である請求項1ないし5の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  10. 結晶化調整剤が、1,4−ジメチル−1,4−ジアゾビシクロ(2.2.2)オクタン、ピロリジン、n−プロピルアミンおよびメチルキヌクリジンから選ばれるアミン類の少なくとも一種またはそれ以上である請求項1ないし5の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  11. 固液分離工程により得られた微粒子を、水洗ののち乾燥し、結晶化工程を行う請求項1ないし10の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  12. 固液分離工程により得られた微粒子を成型したのち、結晶化工程を行う請求項1ないし11の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  13. 固液分離工程により得られた微粒子とともに水を密閉容器内に封入したのち、微粒子と液体の水を接触させずに該密閉容器を加熱して結晶化工程を行う請求項1ないし12の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
  14. 固液分離工程により得られた微粒子に対して水蒸気を用いて結晶化工程を行う請求項1ないし13の何れかに記載の結晶性ケイ酸アルミニウムミクロ多孔体の製造方法。
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