JP5216956B2 - カツレツ調理材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カツレツ調理材料の製造方法に関し、さらに詳細には、例えば、スライスした肉を何枚も重ねて形成されるカツレツ調理材料の製造方法に関する。
カツレツと言えば、一般的にはトンカツが知られている。従来からの典型的なトンカツは、豚肉塊を約15〜20mmの厚さに切り、小麦粉を全体に付けた後に溶き卵に浸し、次いで主にパン粉などよりなるカツレツ用の衣を満遍なく付着させてトンカツ調理材料を作り、それを所定温度の油で揚げることにより作られている。しかし、このような従来から知られている典型的なトンカツ調理材料は、肉が厚いため老人や子供には食べ難い、という問題と共に油で揚げているときに脂身部分から出る肉汁が逃げてしまい、トンカツ本来の味を味わうことができない、という問題があった。
そのため、豚肉塊を約0.2〜2.0mmにスライスし、このスライス肉を複数枚重ね、従来のトンカツ調理材料と同じような形に成形した後にカツレツ用の衣を付着させたトンカツ調理材料が提案された(特許文献1参照)。特許文献1に開示された発明は、脂身がもつ肉汁のおいしさを逃すことなく、カツレツ中または天ぷら中にとじ込めることのできる新しいタイプのカツレツまたは天ぷらを提供することを目的とするもので、脂身部分と赤身部分とを持つスライス肉を脂身部分の上には赤身部分がくるように、交互に向きを変え、カツレツ1枚分の厚さに重ねたものであった。
特開2002−065214号公報
しかしながら、特許文献1の図1及び図2に示されるように脂身部分が周囲縁部の一部に存在しているスライス肉片を交互に向きを変えて重ねた場合、脂身部分の上に赤身部分が重なるのは周囲縁部だけで中央部では赤身部分どうしが重なることになる。そのため、特許文献1に開示された発明のカツレツでは、肉汁が豊かで、肉本来のおいしさが充分発揮されているとは言い難かった。
本発明は、かかる従来の問題点を解決すべく脂身部分が全体にほぼ均一に分散したカツレツ調理材料を生産性よく製造する方法を提供することにある。
本発明は、同じ肉塊から所定の厚さにスライスされたスライス肉片であってその側縁部の少なくとも一部に脂身部分が現れるスライス肉片を複数枚重ねて成形されるカツレツ調理材料の製造方法であり、前記肉塊を所定の厚さにスライスして複数枚のスライス肉片を形成する工程と、前記肉塊をスライスして得た所定枚数のスライス肉片を、それぞれの前記脂身部分のある前記側縁部が階段状に並ぶように一方向にずらして重ねることによって積層肉群を形成する工程と、所定枚数の前記スライス肉片を一方向にずらして重ねた第1の前記積層肉群の上に、同様にして形成された第2の前記積層肉群を、第1の前記積層肉群とは前記スライス肉片のずらし方向が正反対になるように向きを変えて乗せることにより未成形積層肉群を形成する工程と、次いで、前記未成形積層肉群を所定の形に成形する工程とから構成されることにある。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法における実施形態の一例としては、前記肉塊をスライスして前記スライス肉片を形成する工程は、薄切り切断機により前記肉塊を所定の厚さに連続的にスライスし、スライスされた前記各スライス肉片を前記薄切り切断機からコンベヤベルト上に落すことを含み、前記コンベヤベルトは、連続して該コンベヤベルト上に落ちる前記スライス肉片どうしが所定のずれ幅で重なる第1速度で動いている。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法における実施形態の他の一例としては、前記コンベヤベルトは、前記第1速度とそれより速い第2速度とで交互に動き、前記第2速度は、前記肉塊から前記コンベヤベルト上に連続して切り落とされる2枚の前記スライス肉片が前記コンベヤベルト上で重ならずに間隔をあける速度である。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法における実施形態の他の一例としては、前記未成形積層肉群が、成形型であるセルクルに入れられて成形される。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法における実施形態の他の一例としては、前記未成形積層肉群を前記セルクルに入れて成形するとき、前記積層肉群における前記脂身部分の並び方向における両端側付近を前記未成形積層肉群の表面若しくは反対側の裏面のいずれかに折り返して成形する。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法における実施形態の他の一例としては、前記未成形積層肉群を前記セルクルに入れて成形するとき、前記未成形積層肉群の全周囲に亘ってその周囲縁部付近を前記未成形積層肉群の表面若しくは反対側の裏面のいずれかに折り返して成形する。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法によると、複数枚のスライス肉片を、脂身部分のあるそれらスライス肉片の側縁部が階段状に並ぶようにずらして重ねることで積層肉群を形成し、2つの積層肉群を相互に向きを変えてさらに重ね合わせているので、脂身部分の存在範囲が、スライス肉片の脂身部分のある側縁部が階段状に並んでいる方向(スライス肉片のずらし方向)において両端側から中央部に亘って非常に広く分布することになる。そのため、本発明の製造方法で製造されたカツレツ調理材料は、脂身部分から出る肉汁が赤身部分により該カツレツ調理材料の全体に亘って封じ込められ、その結果、上質なロースカツレツと同様な食感を得ることができ、非常に美味しく味わうことができる。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法では、肉塊をスライスしてスライス肉片を形成する工程が、薄切り切断機により肉塊を所定の厚さに連続的にスライスし、スライスされた各スライス肉片を薄切り切断機からコンベヤベルト上に落している。その際、コンベヤベルトは、連続してコンベヤベルト上に落ちるスライス肉片が、所定のずれ幅で重なる第1速度で動いているので、薄切り切断機により肉塊を所定の厚さに連続的にスライスしてベルトコンベヤ上に落とすだけで、該コンベヤベルト上にはスライス肉片が一方向にずれて重なり合った積層肉群が形成される。これにより、作業者がスライス肉片を1枚ごとにずらして重ねる作業をする必要がないので、非常に生産性よくカツレツ調理材料を製造することができる。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法では、コンベヤベルトが、第1速度と、肉塊からコンベヤベルト上に連続して切り落とされる2枚のスライス肉片がコンベヤベルト上で重ならずに間隔をあける第2速度で交互に動かされるので、コンベヤベルト上には、所定枚数のスライス肉片が一方向にずれて重なり合った多数の積層肉群が該コンベヤベルトの移動方向に間隔をあけて乗る。これにより、作業者は、コンベヤベルト上に所定の間隔で乗っている2つの積層肉群を手に取って相互に重ねるだけで未成形積層肉群を形成することができることから、カツレツ調理材料の生産性を高めることができる。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法では、未成形積層肉群が、成形型であるセルクルに入れられて成形されるので、形がきれいに仕上がると共に製造されたカツレツ調理材料をすべて同じ形に統一することができる。また、本発明のカツレツ調理材料の製造方法では、未成形積層肉群をセルクルに入れて成形するとき、積層肉群における脂身部分の並び方向における両端側付近を未成形積層肉群の表面若しくは反対側の裏面のいずれかに折り返して成形するので、それら端部側付近に存在する僅かな脂身部分もカツレツ調理材料全体に分散させることができる。その結果、肉汁がさらにカツレツ調理材料全体に封じ込められるため、本発明のカツレツ調理材料をさらに美味しく味わうことができる。
本発明のカツレツ調理材料の製造方法では、未成形積層肉群をセルクルに入れて成形するとき、未成形積層肉群の全周囲に亘ってその周囲縁部付近を未成形積層肉群の表面若しくは反対側の裏面のいずれかに折り返して成形するので、未成形積層肉群の周囲縁部付近に存在する僅かな脂身部分もカツレツ調理材料の中央側に移動させることができる。その結果、肉汁がカツレツ調理材料全体に分散し、本発明のカツレツ調理材料をさらに美味しく味わうことができる。
以下、本発明に係るカツレツ調理材料の製造方法について添付の図を参照してさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカツレツ調理材料の製造方法により製造されたカツレツ調理材料10を示す斜視図、図2は図1のカツレツ調理材料10を2−2線で切断してその切断面を模式的に示す断面模式図である。このカツレツ調理材料10は、基本的には、図3に示されるように、端面11aがほぼ小判型をした所定長さの肉塊11の端面11aを0.2mm〜2.0mmの厚さでスライスして得た複数枚のスライス肉片12を重ねて形成されている。
肉塊11からスライスした1枚のスライス肉片12は、図4に示されているように脂身部分13と赤身部分14とからなっている。このスライス肉片12における脂身部分13の位置を説明するため、図4で示されるスライス肉片12の上に、スライス肉片12の表面中央部を通り、このスライス肉片12の対向する端縁を結んだ最も長い仮想の軸線15aを引いたとすると、脂身部分13は、この仮想の軸線15aを挟んで対向する側縁部12a,12bの一方の側縁部12aに主に存在しており、その他の部分は赤身部分14となっている。
このようにスライス肉片12の側縁部12aに脂身部分13が現れる理由は、図3から明らかなようにスライス肉片12を切り取る肉塊11が、その端面11aにおける前述した仮想の軸線15aに実質的に対応している軸線を挟んで対向する周囲表面部のうち片側の表面部に脂身部分13が存在しているためである。従って、肉塊11の端面11aを順次スライスして得られるスライス肉片12は、すべて同じ位置に脂身部分13と赤身部分14とが現れる。この実施形態に係る製造方法で作られるカツレツ調理材料10は、このようなスライス肉片12を7〜12枚重ねて形成された2つの積層肉群16をさらに重ね合わせた未成形積層肉塊17から構成されている。従って、このカツレツ調理材料10は、14〜24枚のスライス肉片12を重ねて形成されていることになる。
各積層肉群16を形成すべく複数枚のスライス肉片12を重ねる際は、図5(a)及び図5(b)に示されるように脂身部分13のある各スライス肉片の側縁部12aが階段状に並ぶように各スライス肉片12を一方向にずらしながら重ねる。このようにして形成される2つの積層肉群16を、説明の便宜上、第1積層肉群16a、及び第2積層肉群16bと称する。ところで、「スライス肉片12を一方向にずらす」とは、前述した仮想の軸線15aに直交し、スライス肉片12の表面に沿ってそのほぼ中央を通る仮想の軸線15bが、同一の軸線上に位置するように重ねることを意味している。この仮想の軸線15bに沿う方向が、スライス肉片12のずらし方向であることは容易に理解されるところである。
図5(a)は、第1積層肉群16aを示しており、この第1積層肉群16aは、図5(a)で見て右側から左側に向かってスライス肉片12を軸線15bに沿う方向にずらしながら順次重ねて形成されている。また、図5(b)は、第2積層肉群16bを示しており、この第2積層肉群16bは、図5(b)で見て左側から右側に向かってスライス肉片12を軸線15bに沿う方向にずらしながら順次重ねて形成されている。これら図5(a)及び図5(b)から明らかなように、第1積層肉群16aと第2積層肉群16bとは、各スライス肉片12のずらし方向がまったく逆方向とされている。従って、製造に際しては、同じ積層肉群16を2つ形成し、その内の一方の向きを変えればよいだけである。
図5(a)及び図5(b)では、一方向にずらしながら重ねられた各スライス肉片12の配置状態を分かりやすく示すため、配列中の何枚かのスライス肉片12が省略された状態の積層肉群16を示している。このように複数枚のスライス肉片12を一方向にずらしながら重ねことにより、ずらし方向における全幅寸法がLの積層肉群16が形成される。
肉塊11から多数のスライス肉片12をスライスし、それらを所定の枚数だけずらして重ねることにより積層肉群16を形成する工程は、図6に示されるカツレツ調理材料製造装置30によりすべて自動的に行われる。すなわち、この製造装置30は、ベルトコンベヤ装置31と薄切り切断機(スライサー)32とから構成されている。スライサー32は、ベルトコンベヤ装置31の送り側端部31aの上に、コンベヤベルト33を跨ぐように設置されている。このスライサー32により肉塊11が連続的にスライスされると、スライス肉片12は、スライサー32の直下のコンベヤベルト31上に落とされる。肉塊11からスライスされるスライス肉片12は、前述したように非常に薄い。そのため、常温下の肉塊11をスライサー32でスライスすることは難しい。従って、肉塊11は冷凍され、その後、その内部及び表面が所定温度になるまで解凍され、一部解凍状態の肉塊11が、スライサー32によりスライスされる。
スライサー32で肉塊11から連続的にスライスされたスライス肉片12は、移動中のコンベヤベルト33の上に落ちる。ベルトコンベヤ装置31のコンベヤベルト33は、図示しない駆動モータや制御装置などからなる駆動機構により、第1速度とこの速度より速い第2速度とを交互に変化させて動かされている。コンベヤベルト33の第1速度は、スライサー32から連続してコンベヤベルト33上に落ちるスライス肉片12どうしが所定のずれ幅で重なる速度である。また、第2速度は、連続して2枚のスライス肉片12がコンベヤベルト33上に切り落とされても重ならずに間隔をあける速度である。
具体的には、一定の速度でスライサー32が肉塊11からスライス肉片12を連続的にスライスしてコンベヤベルト33上に落しているとき、第1速度で移動しているコンベヤベルト33上には、図5(a)及び図6に示されるように肉塊11から切り落とされたスライス肉片12どうしがコンベヤベルト33の移動方向、換言すれば前述した一方向にずれながら相互に重なる。従って、コンベヤベルト33の移動速度を第1速度より速めれば、連続して落ちるスライス肉片12は大きなずれ幅で重なることになり、逆に、コンベヤベルト33の移動速度を第1速度より遅くすれば連続して落ちるスライス肉片12が小さなずれ幅で重なることになる。
従って、スライサー32で肉塊11を連続的にスライスしている間、コンベヤベルト33を第1速度で所定時間だけ移動させれば、所定枚数のスライス肉片12が所定のずれ幅で重なりながらコンベヤベルト33上に乗ることになる。このことは、コンベヤベルト33を第1速度で運転する時間によってコンベヤベルト33上に所定のずれ幅で重なるスライス肉片12の枚数が決まることを意味している。コンベヤベルト33上に所定枚数のスライス肉片12が所定ずれ幅で重なりながら落とされたとき、即ち、第1速度での運転が所定の時間経過すると、その後、コンベヤベルト33は第2速度に変更される。
これにより、コンベヤベルト33は、そのスピードを増して移動するので、次のスライス肉片12がコンベヤベルト33上に落ちるまでの間に、ほぼ1枚のスライス肉片12の幅以上の距離を動き、次に落ちるスライス肉片12は、その直前に落ちたスライス肉片12と重なることはなく、それとは所定の間隔をあけたコンベヤベルト33上の位置に落ちることになる。そして、次のスライス肉片12がスライサー32から落ちる時にはコンベヤベルト33は再び第1速度に戻されて移動される。その結果、図6に示されるように、コンベヤベルト31上には、積層肉群16が、所定の間隔をあけて並び、これらがコンベヤ装置31の送り方向端へ向かって搬送されることになる。
コンベヤベルト33に乗せられて搬送される複数の積層肉群16が、ベルトコンベヤ装置31に沿って設けられた成形作業部34までくると、作業者が、最初に、1つの積層肉群16(第1積層肉群16aに相当)をコンベヤベルト33上から取り上げて、それを作業台34a上に置かれた薄いシート35上に置く。次いで、作業者は、コンベヤベルト33から別の積層肉群16(第2積層肉群16bに相当)を取り上げ、既にシート35上に置かれている積層肉群16とスライス肉片12のずらし方向が正反対になる向きに変える(図7参照)。すなわち、2つの積層肉群16は、図7に示されるように各スライス肉片12の階段状に並んでいる側縁部12aの階段面が上に向いた1つの積層肉群16の上に、各スライス肉片12の階段状に並んでいる側縁部12aの階段面が上に向いた別の積層肉群16を、スライス肉片12の並び方向を正反対に向けると共に幅方向の端部が一致するように、言い換えれば2つの積層肉群16が上下方向でほぼ整合するように重ねられる。これにより、各スライス肉片12のずらし方向における幅寸法Lの未成形積層肉群17が形成される。その後、作業者は、図8に示されるように未成形積層肉群17が置かれたシート35を手に持って小判型をしたセルクル36の上に移動させ、シート35を下に敷いたまま未成形積層肉群17をセルクル36内に押し込む。
セルクル36は、未成形積層肉群17より小さいので、未成形積層肉群17の周囲はセルクル36からはみ出す。特に、スライス肉片12のずらし方向では、線18で示す位置より外側の両側縁部側がセルクル36からはみ出す。このはみ出した両側縁部付近は、シート35の周縁部を折り返すことにより図8に矢印19で示されるように未成形積層肉群17の表面に重ね合わされる。このようにして未成形積層肉群17がセルクル36内にすべて収まると、作業者は、自分の手でセルクル36内の未成形積層肉群17を、スライス肉片12の段差がなくなる程度に押してセルクル36の形に成形する。これにより、セルクル36内ではシート35に包まれた未成形積層肉群17がカツレツ調理材料10となり、その後、シート35に包まれたカツレツ調理材料10をセルクル36から取り出し、次いで、シート35からこれを取り出す。このようにして成形されたカツレツ調理材料10において、未成形積層肉群17の幅方向両端側を表面に折り返して重ねた後の幅寸法S(折り返し位置18間の距離)は、図1に示されるように小判型に成形されたカツレツ調理材料10の短軸方向の幅に相当する。
なお、図7は、2つの積層肉群16(第1積層肉群16aと第2積層肉群16b)が重ねられる直前の状態を前述した仮想の軸線15bで切断してその切断面の層構成を模式的に示しており、また、図8は、両者が完全に密着した時の図7と同様な切断面の状態における層構成を模式的に示している。さらに、これら図7及び図8では、1つの積層肉群16が7枚のスライス肉片12を重ねて形成されているが、これらの図はスライス肉片12の重なり状態を分かりやすく図解するためであって、重ねられるスライス肉片12の枚数を特定しているものではない。従って、積層肉群16や未成形積層肉群17の層構成を示す他の図などともスライス肉片12の枚数が異なっている場合もある。
このようにして小判型に成形されたカツレツ調理材料10は、冷凍庫などに入れられて冷凍される。その際、1又は複数のカツレツ調理材料10を例えばビニール袋などに入れて真空パックし、それを冷凍することも好ましい。もちろん、このカツレツ調理材料10を、定法に従って小麦粉をまぶし、それを溶き卵に浸した後にパン粉などのカツレツ用の衣となる材料を全体に付着させて冷凍することも好ましい。このカツレツ調理材料10によると、図8に示される未成形積層肉群17の幅方向断面模式図から明らかなように、各スライス肉片12の脂身部分14が集合し、その集合範囲が、未成形積層肉群17の幅方向端部側に位置する対向した両側縁部から中央部にまで及んでいる。その結果、このカツレツ調理材料10を油で揚げてカツレツとしたとき、内部の脂身集合部から出た肉汁が、その厚さ方向の側に位置する赤身部分14に染み込んで外部に逃げることがなく、肉のうま味が封じ込められる。これにより、このカツレツは、従来のものに比べて格段に美味しく食することができる。
前述した実施形態に係るカツレツ調理材料の製造方法では、図7及び図8に示されるように階段状に並んでいる脂身部分13のある側縁部12aの階段面を上に向けた1つの積層肉群16の上に、同じく階段状に並んでいる脂身部分13のある側縁部12aの階段面を上に向けた別の積層肉群16を重ねて未成形積層肉群17を形成したが、本発明では、このような重ね方に限定されるものではない。例えば、図9に示されるように、階段状に並んでいる脂身部分13のある側縁部12aの階段面を上に向けた1つの積層肉群16(第1積層肉群16a)の上に、階段状に並んでいる脂身部分14のある側縁部12aの階段面を下に向けた別の積層肉群16(第2積層肉群16b)を重ねて未成形積層肉群27とすることも好ましい。
このような未成形積層肉群27を前述したようにその幅方向両端側に位置する側縁部を表面又は裏面のいずれかに選択的に折り返し、表裏面から押圧することで所定の形状に成形された場合、図9から明らかなように各スライス肉片12における脂身部分13の集合部が重ね合わせられる2つの積層肉群16の間に挟まれて未成形積層肉群27の厚さ方向中央部に位置することになるので、それぞれの脂身集合部から出た肉汁が表面側及び裏面側の赤身部分14に十分に染み込んで封じ込められ、その結果、肉のうま味をカツレツ調理材料10に含ませることができるので、一層美味しいカツレツとなる。
さらに、複数枚のスライス肉片12を、それらの脂身部分13のある側縁部12aが階段状に並ぶように一方向にずらして重ねるとき、各スライス肉片12の脂身部分13が図10に示されるように部分的に重なるようにスライス肉片12をずらすことも好ましい。この場合、スライス肉片12をスライスする肉塊11における脂身部分13の付き方(肉塊11の表面側から内部方向への厚さ)により異なるが、一般的には、各スライス肉片12のずらし幅Zを0.8〜1.5cmとすることがよい。このようなずらし幅の調整は、ベルトコンベヤ装置31のコンベヤベルト33の移動速度を前述したように第1速度より僅かに遅くすることにより容易に行うことができる。
このように各スライス肉片12が、それらの脂身部分13が部分的に重なるように階段状にずらすと、各スライス肉片12の脂身部分13の集合により形成される各積層肉片16,17の脂身集合部が、各スライス肉片12の脂身部分13を密集させた状態で形成される。その結果、このようにして形成されたカツレツ調理材料10は、その内部に脂身部分13が密集した脂身集合部が含まれるので、脂身部分13から出る肉汁が分散することなく周囲の赤身部分14に染み込んで封じ込められる。これにより、このカツレツ調理材料を揚げて形成されたカツレツを食べたとき、食した人の口の中で肉のうま味みが一度に広がり、一層のうま味を感じることになる。
本発明に係るカツレツ調理材料の製造方法で使用する肉塊11としては、豚肉がもっとも代表的である。しかし、この発明では豚肉以外の、例えば、牛肉、鶏肉、猪肉、羊肉などを使用することもできるので、豚肉に限定されるものではない。また、未成形積層肉群17,27を形成するまでの工程で、適宜、味付けを行ってもよい。また、本発明に係る前述した実施形態では、未成形積層肉群を成形してその平面形状が小判型のカツレツ調理材料とした例について説明したが、カツレツ調理材料それ自体の平面形状は、小判型に限定されるものではなく、四角形状であってもよい。
前述したように本発明に係るカツレツ調理材料の製造方法によると、スライス肉片の脂身部分のある側縁部が階段状に並ぶように複数枚のスライス肉片を一方向にずらして重ねた2つの積層肉群どうしを、脂身集合部の位置が相反する側になるように向きを変えてさらに重ね合わせて未成形積層肉群とし、これを所定の形状に成形して形成する際、第1速度とそれより速い第2速度とを交互に変化させるコンベヤベルトの上にスライサーで肉塊を連続的にスライスして落とすようにしたので、多数の積層肉群がコンベヤベルト上に間隔をあけて並びながら成形作業部へ向かって搬送される。これにより、作業者は、ベルトコンベヤ装置により送られてくる多数の積層肉群のうち2つを取り上げて重ねるだけで未成形積層肉群を容易に形成することができ、カツレツ調理材料の生産性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るカツレツ調理材料の製造方法により作られたカツレツ調理材料を示す斜視図。 図1の2−2線で切断してカツレツ調理材料の断面層構成を模式的に示す断面模式図。 スライス肉片をスライスする前の肉塊を示す斜視図。 図3に示される肉塊からスライスされた1枚のスライス肉片を示す平面図。 図5(a)は、図4に示されるスライス肉片の複数枚を一方向にずらしながら重ねた積層肉群を、一部省略して示し、図5(b)は、図4に示されるスライス肉片の複数枚を図5(a)とはその向きを180度変えた方向にずらして重ねた積層肉群を、一部省略して示す平面図。 カツレツ調理材料を製造する製造装置を概略的に示す構成説明図。 図5(a)に示される第1積層肉群の上に、図5(b)に示される第2積層肉群を重ね合わせて未成形積層肉群を形成する直前の状態を示す断面模式図。 2つの積層肉群を密着させて形成された未成形積層肉群をセルクルに入れる直前の状態を示す断面模式図。 本発明に係るカツレツ調理材料の製造方法で製造される別のカツレツ調理材料における未成形積層肉群の形成工程を示す図7と同様な断面模式図。 肉塊からスライスされた複数枚のスライス肉片が、脂身部分を部分的に重ねて階段状に並ぶように一方向にずらされて形成された積層肉群を示す図5と同様な平面図。
10 トンカツ調理材料
11 肉塊
11a 肉塊の端面
12 スライス肉片
13 脂身部分
14 赤身部分
15a,15b スライス肉片の表面に沿って引いた仮想の軸線
16 積層肉群
16a 第1積層肉群
16b 第2積層肉群
17,27 未成形積層肉群
18 側部折り返し位置
30 カツレツ調理材料の製造装置
31 ベルトコンベヤ装置
32 薄切り切断装置(スライサー)
33 コンベヤベルト
34 成形作業部
34a 作業台
35 シート
36 セルク

Claims (6)

  1. 同じ肉塊から所定の厚さにスライスされたスライス肉片であってその側縁部の少なくとも一部に脂身部分が現れるスライス肉片を複数枚重ねて成形されるカツレツ調理材料の製造方法において、
    前記肉塊を所定の厚さにスライスして複数枚のスライス肉片を形成する工程と、
    前記肉塊をスライスして得た所定枚数のスライス肉片を、それぞれの前記脂身部分のある前記側縁部が階段状に並ぶように一方向にずらして重ねることによって積層肉群を形成する工程と、
    所定枚数の前記スライス肉片を一方向にずらして重ねた第1の前記積層肉群の上に、同様にして形成された第2の前記積層肉群を、第1の前記積層肉群とは前記スライス肉片のずらし方向が正反対になるように向きを変えて乗せることにより未成形積層肉群を形成する工程と、
    次いで、前記未成形積層肉群を所定の形に成形する工程と、
    から構成されるカツレツ調理材料の製造方法。
  2. 前記肉塊をスライスして前記スライス肉片を形成する工程は、薄切り切断機により前記肉塊を所定の厚さに連続的にスライスし、スライスされた前記各スライス肉片を前記薄切り切断機からコンベヤベルト上に落すことを含み、前記コンベヤベルトは、連続して該コンベヤベルト上に落ちる前記スライス肉片どうしが所定のずれ幅で重なる第1速度で動いている請求項1に記載のカツレツ調理材料の製造方法。
  3. 前記コンベヤベルトは、前記第1速度とそれより速い第2速度とで交互に動き、前記第2速度は、前記肉塊から前記コンベヤベルト上に連続して切り落とされる2枚の前記スライス肉片が前記コンベヤベルト上で重ならずに間隔をあける速度である請求項2に記載のカツレツ調理材料の製造方法。
  4. 前記未成形積層肉群が、成形型であるセルクルに入れられて成形される請求項1〜3のいずれかに記載のカツレツ調理材料の製造方法。
  5. 前記未成形積層肉群を前記セルクルに入れて成形するとき、前記積層肉群における前記脂身部分の並び方向における両端側付近を前記未成形積層肉群の表面若しくは反対側の裏面のいずれかに折り返して成形する請求項4に記載のカツレツ調理材料の製造方法。
  6. 前記未成形積層肉群を前記セルクルに入れて成形するとき、前記未成形積層肉群の全周囲に亘ってその周囲縁部付近を前記未成形積層肉群の表面若しくは反対側の裏面のいずれかに折り返して成形する請求項4に記載のカツレツ調理材料の製造方法。
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