JP5216525B2 - 成形機の自動昇温制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形機の自動昇温制御方法に関し、特に例えば押出成形機や射出成形機等の成形機の自動昇温制御方法に関する。
成形機の一例である射出成形機は、加熱シリンダ(バレル部)の内部にスクリューを回転自在に配置して加熱シリンダ内を軸方向に沿って進退できるようになっている。加熱シリンダの先端部にはノズル(射出口)が設けられており、加熱シリンダの外周部分には、複数のヒータが配置されている。スクリューは駆動モータにより加熱シリンダ内部で進退しながら回転することで、ホッパーからシリンダ内に投入された原料の樹脂チップを加熱溶融するとともに、スクリューがノズルから射出して成形するようになっている。
この種の成形機では、加熱シリンダの外周部分を軸方向に沿って複数の加熱区間(加熱ゾーンとも言う)に分けて、各加熱区間にはヒータが配置されている。各ヒータの近傍には、温度センサーが設けられている。温度計測部には、各温度センサーからの入力があり、温度計測部が計測した加熱区間の温度と目標温度設定部で記憶した目標温度によりヒータの温度制御を行う。各加熱区間を昇温する時には、目標設定温度への到達時間が最も遅い加熱区間をマスター区間とし、このマスター区間以外の加熱区間をスレーブ区間としている(特許文献1を参照)。
特開2005−35090号公報
上記特許文献1に開示された成形機の自動昇温制御方法では、マスター区間の目標設定温度到達率に合わせてスレーブ区間を同時に昇温している。このようにマスター区間の目標設定温度到達率に合わせてスレーブ区間を同時に昇温していると、昇温開始直後ではスレーブ区間がマスター区間よりも昇温能力が高いにもかかわらず、スレーブ区間のヒータの発熱が抑えられてしまうことになり、スレーブ区間からバレル部を通じてマスター区間に与える熱量が少なくなってしまう。このため、バレル部のマスター区間とスレーブ区間を同時にそれぞれの最終目標温度に到達する昇温完了までの時間が、とても長くなってしまうという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、スレーブ区間を早く昇温することでスレーブ区間からマスター区間への熱の流入を増やしてマスター区間の昇温時間を短縮して、バレル部のマスター区間とスレーブ区間がそれぞれ最終目標温度に到達する昇温完了までの時間を短縮することができる成形機の自動昇温制御方法を提供することである。
本発明の成形機の自動昇温制御方法は、成形機のバレル部を複数に分割した加熱ゾーンで加熱する際に前記加熱ゾーンの昇温を制御する成形機の自動昇温制御方法であって、前記加熱ゾーン毎に設けたヒータと、前記加熱ゾーン毎に設けた温度センサーと、前記温度センサーからの入力を行う温度計測部と、前記ヒータの制御を行うヒータ制御部と、前記ヒータの目標温度を設定して記憶する目標温度設定部と、前記温度計測部が計測した前記加熱ゾーンの温度と、前記目標温度設定部で記憶した前記目標温度により、前記ヒータの温度制御を行う温度制御部と、を備え、複数の前記加熱ゾーンの中で前記目標温度への到達率が最も低い前記加熱ゾーンをマスターゾーンとして、前記マスターゾーン以外の前記加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、複数の前記加熱ゾーンを同時に昇温する際に、前記スレーブゾーンではそれぞれ仮の目標温度を設定して昇温させて、前記スレーブゾーンの中のいずれか一つの前記スレーブゾーンで前記仮の目標温度に到達したら、それ以後は前記スレーブゾーンを前記マスターゾーンの昇温到達度合いに基づき昇温制御することを特徴とする。
また、本発明の成形機の自動昇温制御方法は、好ましくは前記目標温度設定部で設定される前記目標温度は、複数の前記加熱ゾーンについてそれぞれ個別に設定可能なことを特徴とする。
本発明によれば、スレーブ区間を早く昇温することでスレーブ区間からマスター区間への熱の流入を増やしてマスター区間の昇温時間を短縮して、バレル部のマスター区間とスレーブ区間がそれぞれ最終目標温度に到達する昇温完了までの時間を短縮することができる成形機の自動昇温制御方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態を実施するための成形機の構造例を示している。
図1に示す成形機10は射出成形機であり、成形機10は、加熱シリンダ11と、複数のヒータH1、H2、H3、H4、H5と、複数の温度センサー12,13,14,15,16と、スクリュー27と、温度計測部17と、ヒータ制御部18と、温度制御部19と、目標温度設定部20と、目標温度記憶域21と、ホッパー22を有している。
図1に示す成形機10は、樹脂チップ23を原料にして射出成形する装置であり、加熱シリンダ11は、バレル部とも言いほぼ円筒状の部材である。加熱シリンダ11の先端部にはノズル(射出口とも言う)24が設けられている。加熱シリンダ11の内部には、スクリュー27が、駆動部25の駆動により軸方向CLに沿って進退可能にしかも回転可能に配置されている。ホッパー22から供給される樹脂チップ23は、加熱シリンダ11の内部の材料貯蔵部26に供給でき、スクリュー27が回転してしかも軸方向CLに沿って進むことにより、ノズル24から溶融樹脂の射出を行うようになっている。
図1に示すように、加熱シリンダ11の外周部分には、軸方向CLに沿って複数のリング状の加熱体としてのヒータH1〜H5が配置されている。これらのヒータH1〜H5はそれぞれ間隔をおいて配置されており、ヒータH1〜H5は加熱シリンダ11の外周部分を複数の加熱区間(加熱ゾーンとも言う)Z1〜Z5に分けている。すなわち、各ヒータH1〜H5は加熱区間Z1〜Z5毎に設けられており、各加熱区間Z1〜Z5は、ノズル24側からスクリュー27側にかけて順番に形成されている。
図1に示すように、温度センサー12,13,14,15,16は、対応する加熱区間Z1〜Z5毎に配置されている。これにより、各温度センサー12,13,14,15,16は、それぞれ対応する加熱区間Z1〜Z5の温度を測定することができる。
温度計測部17は、各温度センサー12,13,14,15,16に電気的に接続されている。各温度センサー12,13,14,15,16から各加熱区間Z1〜Z5の温度を測定した温度測定信号が、温度計測部17に入力される。
図1に示すように、ヒータ制御部18は、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5に電気的に接続されている。ヒータ制御部18は、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5に対して個別に通電制御をすることで、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5を個別に発熱させることができる。
図1に示すように、温度制御部19は、温度計測部17とヒータ制御部18に対して電気的に接続されている。温度制御部19と温度計測部17とヒータ制御部18は、PIDコントローラを構成している。また、温度制御部19は、目標温度設定部20に対して電気的に接続されており、目標温度設定部20は目標温度記憶域21を有している。
目標温度設定部20は、目標温度記憶域21に予め記憶されている目標温度の値を、各ヒータH1〜H5の目標温度として設定することができ、目標温度設定部20で設定される目標温度は、複数の加熱区間についてそれぞれ個別に設定可能である。温度制御部19は、温度計測部17において計測された各加熱区間Z1〜Z5の温度と、目標温度設定部20で記憶された目標温度とにより、各ヒータH1〜H5の温度制御を行うようになっている。
次に、図2と図3を参照して、図1に示す成形機10を用いて実施される本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態について、詳しく説明する。
図2は、縦軸を温度として横軸を経過時間とした場合の本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態の工程例と、従来の同時昇温による場合の昇温の様子を示すグラフである。図3は、本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態の工程を示すフロー図である。
図2のグラフにおいては、図1に示す成形機10における複数の加熱区間(加熱ゾーンまたはヒータチャネルとも言う)Z1〜Z5の中で、昇温に最も時間のかかる加熱区間をマスター区間(マスターチャネルとも言う)CH2として、このマスター区間の他の加熱ゾーンをスレーブ区間(スレーブチャネルとも言う)CH1とする。
図2では、スレーブ区間CH1の最終目標温度をSV1で示し、マスター区間CH2の最終目標温度をSV2で示す。また、スレーブ区間CH1の仮の目標温度をHV1で示す。スレーブ区間CH1の昇温開始時温度をPV01で示し、マスター区間CH2の昇温開始時温度をPV02で示している。
図2では、本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態における温度データ線L1、L2を実線で示しているが、比較例として従来の 同時昇温による場合の温度データ線R1、R2を破線で示している。
図2の実線で示す温度データ線L1は、スレーブ区間CH1の昇温の様子を示し、図2の実線で示す温度データ線L2は、マスター区間CH2の昇温の様子を示している。また、図2の破線で示す温度データ線R1は、従来例のおける同時昇温によるスレーブ区間CH1の昇温の様子を示し、図2の破線で示す温度データ線R2は、従来例のおける同時昇温によるマスター区間CH2の昇温の様子を示している。従来例の場合には、スレーブ区間CH1とマスター区間CH2は同時昇温をしており個別昇温はしていない。
図2では、昇温開始時間からの同時昇温オフ期間、言い換えれば個別昇温期間をD1で示し、同時昇温オン期間をD2で示している。この場合に、同時昇温オフとは、図1に示す温度制御部19がヒータ制御部18に指令を与えることで、ヒータ制御部18が、スレーブ区間CH1のヒータと、マスター区間CH2のヒータを、個別に通電制御することを言う。また、同時昇温オンとは、図1に示す温度制御部19がヒータ制御部18に指令を与えることで、ヒータ制御部18が、スレーブ区間CH1のヒータと、マスター区間CH2のヒータを通電制御して、マスター区間の目標設定温度到達率に合わせてスレーブ区間を昇温することを言う。
次に、図3を参照すると、図3に示す本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態の工程を示すフローは、ステップS1〜ステップS11を有している。
図3において、スレーブ区間CH1の最終目標温度をSV1で示し、マスター区間CH2の最終目標温度をSV2で示す。また、スレーブ区間CH1の仮の目標温度をHV1で示す。また、スレーブ区間CH1の現在温度をPV1で示し、マスター区間CH2の現在温度をPV2で示している。
ここで、図1に示す成形機10を用いて実施される本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態を、図3の同時昇温制御機能の動作フローチャートに示すステップに従って説明する。
昇温制御を開始すると、ステップS1では、図1に示す温度制御部19が同時昇温モードになっているかどうかを判断して、同時昇温モードになっていればステップS2に移る。ステップS2において、同時昇温を開始しない場合にはステップS3に移り、同時昇温を開始する場合にはステップS4に移る。
ステップS3では、スレーブ区間CH1の目標温度を仮の目標温度HV1にして、マスター区間CH2の目標温度をマスター区間CH2の最終目標温度SV2に設定する。また、スレーブ区間CH1の同時昇温開始時温度はPV01で示し、マスター区間CH2の同時昇温開始時温度はPV02で示している。
ステップS4では、スレーブ区間CH1の現在温度PV1が、スレーブ区間CH1の仮の目標温度HV1以上であるかどうかを判断する。すなわち、スレーブ区間CH1の現在温度PV1がスレーブ区間CH1の仮の目標温度HV1に到達したかどうかを判断する。スレーブ区間CH1の現在温度PV1≧スレーブ区間CH1の仮の目標温度HV1であり、スレーブ区間CH1の現在温度PV1が仮の目標温度HV1に達した場合には、ステップS5に移る。
ステップS5では、マスター区間CH2の現在温度PV2が、マスター区間CH2の最終目標温度SV2以上であるかどうかを判断する。すなわち、マスター区間CH2の現在温度PV2がマスター区間CH2の最終目標温度SV2に達しているかどうかを判断する。マスター区間CH2の現在温度PV2がマスター区間CH2の最終目標温度SV2に達していない場合には、ステップS6に移る。
ステップS6では、下式で計算した温度を、スレーブ区間CH1の目標温度とする。

PV01+((SV1−PV01)/(SV2−PV02))×(PV2−PV02

次に、ステップS7では、スレーブ区間CH1の現在温度PV1がスレーブ区間CH1の最終目標温度SV1以上であるかどうかを判断する。すなわち、スレーブ区間CH1が最終目標温度SV1に到達したかを判断して、スレーブ区間CH1の現在温度PV1がスレーブ区間CH1の最終目標温度SV1に到達していなければステップS9において、図1に示す温度制御部19は目標温度でヒータ制御部18をコントロールして、ステップS1に戻ってステップS1以降のステップを実行する。
また、ステップS7において、スレーブ区間CH1の現在温度PV1がスレーブ区間CH1の最終目標温度SV1に到達していれば、ステップS8に移る。
ステップS8では、マスター区間CH2の現在温度PV2が、マスター区間CH2の最終目標温度SV2以上であるかどうかを判断する。すなわち、マスター区間CH2は最終目標温度SV2に到達したかどうかを判断して、マスター区間CH2の現在温度PV2が、マスター区間CH2の最終目標温度SV2に到達していなければステップS9に移り、図1に示す温度制御部19は目標温度でヒータ制御部18をコントロールして、ステップS1に戻ってステップS1以降のステップを実行する。また、ステップS8では、マスター区間CH2の現在温度PV2が、マスター区間CH2の最終目標温度SV2に到達していれば、昇温制御を終了する。
一方、ステップS5において、マスター区間CH2の現在温度PV2≧マスター区間CH2の最終目標温度SV2である場合、すなわち、マスター区間CH2の現在温度PV2がマスター区間CH2の最終目標温度SV2に到達している場合には、ステップS11において、スレーブ区間CH1の最終目標温度SV1をスレーブ区間CH1の目標温度にして、ステップS7に移る。その後は、ステップS7以降のステップを実行する。
また、ステップS1において、同時昇温モードでない場合には、ステップS10において、スレーブ区間CH1の目標温度をスレーブ区間CH1の最終目標温度SV1とし、マスター区間CH2の目標温度をマスター区間CH2の最終目標温度SV2として、ステップS7に移り、ステップS7以降のステップを実行する。
なお、ステップS4では、スレーブ区間CH1の現在温度PV1が、スレーブ区間CH1の仮の目標温度HV1に到達していない場合には、ステップS7に移りこれ以降のステップを実行する。
さらに、図2を参照して、本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態の特徴をさらに詳しく説明する。
本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態では、図2に示す同時昇温オフ期間D1においては、実線で示す温度データ線L1で示すように、スレーブ区間CH1が昇温開始時温度PV01から昇温を開始して仮の目標温度HV1に向かってフルに加熱される。マスター区間CH2は、実線で示す温度データ線L2で示すように、昇温開始時温度PV02から昇温を開始して昇温していく。このように、図1の温度制御部19がヒータ制御部18に指令を与えることで、スレーブ区間CH1とマスター区間CH2は、それぞれ個別に昇温される。
そして、スレーブ区間CH1が仮の目標温度HV1に到達すると、同時昇温オン期間D2において、スレーブ区間CH1は仮の目標温度HV1から改めて真の最終目標温度SV1に向かって加熱されるが、この際にはスレーブ区間CH1はマスター区間CH2の目標設定温度到達率に合わせて昇温(同時昇温)するようにしている。
これに対して、図2に示す従来の同時昇温による場合には、破線で示す温度データ線R1、R2で示すように、スレーブ区間は昇温開始時温度PV01からマスター区間の目標設定温度到達率に合わせて最終目標温度SV1まで昇温しているだけである。
本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態では、昇温開始直後では、マスター区間CH2よりも昇温能力が高いスレーブ区間CH1を、マスター区間CH2の昇温度合いには合わせずに、マスター区間CH2とスレーブ区間CH1の個別の能力をフルに使っている。このため、スレーブ区間CH1は、同時昇温オフ期間D1の終了時に、設定した仮の目標温度HV1まで早い時間で到達する。また、マスター区間CH2とスレーブ区間CH1は、ともに図1に示す1本のバレル部(加熱シリンダ11)上に存在しており、温度の高い場所から低い場所へ熱が移動するので、スレーブ区間CH1が早く昇温すればするほど、スレーブ区間CH1からマスター区間CH2への熱の流入量が増える。
このようにスレーブ区間CH1が早く昇温すればするほど、スレーブ区間CH1からマスター区間CH2への熱の流入量が増えるので、図2に示す本発明の実施形態と従来の同時昇温方式と比較すると、スレーブ区間CH1が最終目標温度SV1に到達しかつマスター区間CH2が最終目標温度SV2に到達して昇温完了する時点G1は、従来の同時昇温方式でのスレーブ区間が最終目標温度SV1に到達しかつマスター区間が最終目標温度SV2に到達して昇温完了する時点G2に比べて、時間TSだけ時間短縮をすることができる。これにより、成形機10の立ち上げ動作を早めることができる。
本発明の実施形態では、複数の前記加熱ゾーンを同時に昇温する際に、スレーブ区間ではそれぞれ仮の目標温度を設定して昇温させて、スレーブ区間の中のいずれか一つのスレーブ区間で仮の目標設定温度に到達したら、それ以後はマスター区間の昇温到達度合いに基づき昇温制御するようにしている。複数の加熱区間をそれぞれ加熱するヒータにより同時に昇温する場合に、同時にそれぞれの目標温度まで昇温することができる。
本発明の成形機の自動昇温制御方法は、成形機のバレル部を複数に分割した加熱ゾーンで加熱する際に加熱ゾーンの昇温を制御する成形機の自動昇温制御方法であって、加熱ゾーン毎に設けたヒータと、加熱ゾーン毎に設けた温度センサーと、温度センサーからの入力を行う温度計測部と、ヒータの制御を行うヒータ制御部と、ヒータの目標温度を設定して記憶する目標温度設定部と、温度計測部が計測した加熱ゾーンの温度と、目標温度設定部で記憶した目標温度により、ヒータの温度制御を行う温度制御部と、を備え、複数の前記加熱ゾーンの中で目標温度への到達率が最も低い加熱ゾーンをマスターゾーンとして、マスターゾーン以外の加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、複数の加熱ゾーンを同時に昇温する際に、スレーブゾーンではそれぞれ仮の目標温度を設定して昇温させて、スレーブゾーンの中のいずれか一つのスレーブゾーンで仮の目標温度に到達したら、それ以後はスレーブゾーンをマスターゾーンの昇温到達度合いに基づき昇温制御することを特徴とする。
これにより、スレーブ区間を早く昇温することでスレーブ区間からマスター区間への熱の流入量を増やしてマスター区間の昇温時間を短縮して、バレル部のマスター区間とスレーブ区間がそれぞれ最終目標温度に到達する昇温完了までの時間を短縮することができる。
また、本発明の成形機の自動昇温制御方法は、目標温度設定部で設定される目標温度は、複数の加熱ゾーンについてそれぞれ個別に設定可能なことを特徴とする。
これにより、加熱ゾーンについて個別に目標温度を設定して各加熱ゾーンの昇温制御が行える。
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
図1に示す成形機10は、一例として5つのヒータH1〜H5と5つの温度センサー12〜16の組み合わせ例を示しているが、これに限らず、2つのヒータと2つの温度センサーの組み合わせ、3つのヒータと3つの温度センサーの組み合わせ、4つのヒータと4つの温度センサーの組み合わせ、あるいは6つ以上のヒータと6つ以上の温度センサーの組み合わせを採用することもできる。成形機としては、射出成形機や押出成形機であっても良い。
また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態を実施するための成形機の好ましい例を示す図である。 縦軸を温度として横軸を経過時間とした場合の本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態の工程例と、従来の同時昇温による場合の昇温の様子を示すグラフである。 本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態の工程を示すフロー図である。
符号の説明
10 成形機
11 加熱シリンダ(バレル部)
12〜15 温度センサー
17 温度計測部
18 ヒータ制御部
19 温度制御部
21 目標温度記憶域
22 ホッパー
27 スクリュー
H1〜H5 ヒータ
Z1〜Z5 加熱区間(加熱ゾーン)
CH1 スレーブ区間(スレーブゾーン)
CH2 マスター区間(マスターゾーン)
SV1 スレーブ区間の最終目標温度
SV2 マスター区間の最終目標温度
PV01 スレーブ区間の昇温開始時温度
PV02 マスター区間の昇温開始時温度
D1 同時昇温オフ期間(個別昇温期間)
D2 同時昇温オン期間

Claims (2)

  1. 成形機のバレル部を複数に分割した加熱ゾーンで加熱する際に前記加熱ゾーンの昇温を制御する成形機の自動昇温制御方法であって、
    前記加熱ゾーン毎に設けたヒータと、前記加熱ゾーン毎に設けた温度センサーと、前記温度センサーからの入力を行う温度計測部と、前記ヒータの制御を行うヒータ制御部と、前記ヒータの目標温度を設定して記憶する目標温度設定部と、前記温度計測部が計測した前記加熱ゾーンの温度と、前記目標温度設定部で記憶した前記目標温度により、前記ヒータの温度制御を行う温度制御部と、を備え、
    複数の前記加熱ゾーンの中で前記目標温度への到達率が最も低い前記加熱ゾーンをマスターゾーンとして、前記マスターゾーン以外の前記加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、
    複数の前記加熱ゾーンを同時に昇温する際に、前記スレーブゾーンではそれぞれ仮の目標温度を設定して昇温させて、前記スレーブゾーンの中のいずれか一つの前記スレーブゾーンで前記仮の目標温度に到達したら、それ以後は前記スレーブゾーンを前記マスターゾーンの昇温到達度合いに基づき昇温制御することを特徴とする成形機の自動昇温制御方法。
  2. 前記目標温度設定部で設定される前記目標温度は、複数の前記加熱ゾーンについてそれぞれ個別に設定可能なことを特徴とする請求項1に記載の成形機の自動昇温制御方法。
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